ボルソナロ大統領再選黄信号　返り咲き狙うルラ氏に「待望論」の理由 [ひよこ★]

1 ：ひよこ ★ ：2021/10/16(土) 20:04:07.36 ID:s+yGN27+9.net

https://mainichi.jp/articles/20211016/k00/00m/030/174000c

毎日新聞 2021/10/16 18:07（最終更新 10/16 18:07） 1561文字




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　19日、米ニューヨークの路上でピザを食べるブラジルのボルソナロ大統領（左から3人目）ら（マシャド観光相のインスタグラムから、共同）

　来年10月2日に予定されている南米ブラジルの大統領選まで1年を切った。今のところは、再選を狙う極右のボルソナロ大統領に対し、左派のルラ元大統領が返り咲きを狙う一騎打ちの構図だ。左派の腐敗を批判して2018年の大統領選で勝利したボルソナロ氏だが、新型コロナウイルスの対応などで国民の批判を浴びて支持率は急落。世論調査ではルラ氏の支持率が上回る。なぜルラ氏の「待望論」が出ているのか。

　ブラジルの大統領の任期は4年で連続当選は1度認められている。1回目の国民投票で過半数に達した候補者がいない場合、上位2人の決選投票が行われる。




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最近のブラジルの歴代大統領

　元軍人のボルソナロ氏は前回の大統領選で、03〜16年に政権を握った左派、労働党の汚職を批判し、既存政治に不信感を募らせていた国民の受け皿となった。汚職や犯罪の撲滅を公約に掲げて富裕層や保守層を中心に支持を伸ばし、決選投票で当時の労働党候補に勝利。軍や農民、キリスト教福音派らを支持基盤としており、米国のトランプ前大統領と親密なことから「南米のトランプ」とも呼ばれる。

　ルラ氏は元労組リーダーで03〜10年の大統領時は平均4％超の経済成長を実現し、低所得者向け現金給付を目玉にして貧困対策を重視した。在任中の汚職事件を巡り連邦裁から有罪判決を受けていたが、4月に連邦最高裁が判決を無効とする判断を確定させて被選挙権を回復。貧困層を中心に人気があり、10月の記者会見では「2000万人分の雇用を創った」など過去の実績を列挙し「国を立て直すために戦う」と訴えた。



　地元の主要調査機関ダッタフォーリャの9月の世論調査によると、1回目の投票先ではルラ氏が44％で首位。ボルソナロ氏は26％で20ポイント近く差をつけられている。決選投票でもルラ氏が56％を集めている。

　ボルソナロ氏の支持率が低い背景には、新型コロナを「ちょっとした風邪」として対策を軽視してきたことへの不満がある。ブラジルでは累計死者数が今月8日、60万人を突破し米国に次ぐ2位となっているが、ボルソナロ氏はロックダウン（都市封鎖）はせず。ロイターによると、11日には、死者数について質問した記者に「死者がいない国はあるか？　うんざりだ」と「逆ギレ」した。公共の場でのマスク着用を義務づけた国内法を無視してノーマスクで行動し、予防接種も反対の立場だ。



　経済対策への批判も多く、ブラジルの地理統計院によると9月のインフレ率は前年同月比で10・25％の上昇と5年半ぶりの高さだった。雇用環境も悪く7月末の失業率は14％近い。

　ファベーラと呼ばれる貧困街の一つ、サンパウロのパライゾポリスを訪れると、ボルソナロ氏に対する不満の声が聞かれた。8歳の娘の母親のグラジエリ・サントスさん（29）は「新型コロナ対策があまりに不十分だ」と指摘した。地区内では自治組織を中心に住民同士で助け合ってきたといい、「ボルソナロ氏は信頼できない。娘の将来のためにも医療環境や生活を改善してくれる候補者に投票したい」と話す。



　タトゥーの彫り師と地区内の運送業を掛け持ちするイマエル・マイアさん（28）は雇用環境が悪いままだと嘆いた。家政婦の仕事をしていた母親は新型コロナの影響で失職しており「次の大統領には安定した賃金をもらえる仕事の機会を増やしてほしい」と訴えた。

　ボルソナロ氏を巡っては、6月下旬に国会議員が党派を超えて新型コロナの無策ぶりを理由に弾劾審査申請を提出。このほか、ワクチン調達に関する汚職疑惑も浮上している。

　サンパウロのマッケンジー大のロドリゴ・プランド教授（政治学）は、次期大統領選では新型コロナ対策とインフレ、経済回復が争点になるとした上で「ルラ氏が大統領の時代の方が生活が良かった」と当時を懐かしむ声があると指摘する。【サンパウロ中村聡也】