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歴代FE主人公が兄弟だったら 52章

1 :アイオン:2014/06/29(日) 23:25:43.05 ID:+fTfma3I.net
ここはファイアーエムブレムの歴代主人公が兄弟だったら、という前提で
彼らとそれを取り巻くFEキャラ達の生活を描くネタスレです。

前スレ
http://nozomi.2ch.net/test/read.cgi/gamesrpg/1396019508/

旧保管庫
http://wikiwiki.jp/fe_family/?FrontPage

新保管庫
http://wikiwiki.jp/fe-brothers/

雑談・議論掲示板
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9373/

絵版
http://cat.oekakist.com/FE_heros/

2 :アイオン:2014/06/29(日) 23:27:38.67 ID:+fTfma3I.net
【ミカヤ】
一家最年少に見えて実は最年長。占いで家計を支えている。ユンヌが身体をよく乗っ取る。

【シグルド】
グランベル商社に勤めるサラリーマン。とてもお人よしだが、近親相姦アレルギーなのでKINSHINを察知すると凶暴化する。

【エリンシア】
一家で最も家庭的だが、怒らせると「ぶっ飛ばして差し上げますわ」の声と共にぶっ飛ばされる。ガチムチ好き。

【アイク】
グレイル工務店で働く漢。一家最強だが恋には鈍感朴念仁でフラグクラッシャー。他人のフラグもへし折る。

【クロム】
周りに振り回されがちな常識人で、他者との絆を大事にする姉想いな男。実は結構なムッツリスケべ。

【エリウッド】
一家で最も常識的な人。兄弟の迷惑行為に胃を痛める日々が続く。たまに壊れて「蝶サイコーッ」と叫ぶ。

【ヘクトル】
口は悪いが友情を大切にし、不器用ながらも優しさも兼ね備えている。 周囲からメタボだと思われている。

【エフラム】
自他共に厳しいつもりだが妹と幼女に弱い歩く妹製造機、シスコンロリコン疑惑をかけられている。ヘクトルとよく喧嘩する。

【エイリーク】
ルネス女学院に通う。高貴、気品さにおいては兄弟の中では随一。成績も良い。努力家でもあるが、その努力が胸だけには実った事は無い。

【リン】
肝っ玉母さん的存在。年齢に合わないスタイルのせいか老けて見られる。それをからかうマルスをよくフルボッコする。

【マルス】
権謀術数に長けている兄弟一の腹黒。リンをよくからかうがそれは愛情の裏返しなツンデレ姉萌え。スマブラが大嫌い。

【アルム】
セリカラブ。セリカといちゃつく度にシグルドに襲われる。畑で野菜を作るのが趣味だが、影が薄い。

【セリカ】
アルムラブ。それを除けば一家の中では普通だが一度怒らせると毒舌家になる。ミラ教(狂)信者。

【セリス】
一家の中では一番笑顔がよく似合う。人形が好き。通称マミー君を一番気に入っている。

【リーフ】
怪人・イモータルムッツリ。年上のお姉さんが大好き。運が悪く、よく荒事に巻き込まれる。この人でなしー。

【ロイ】
エリウッドと並ぶ常識人。ツッコミ担当。女性関係はほぼハーレムになっている。ヘクトルに対しては黒い。

3 :アイオン:2014/06/29(日) 23:28:28.89 ID:+fTfma3I.net
ゝ~"~<      -;
,ζノ=lノ=l〉     //
レ、d ゚ ロ゚ノゞ. 、//   <既存の設定はこんな感じだが、特にガチムチに定められたものではないので必ず従う必要は無い。
/,--┬'^つ</、      歴代FE主人公が兄弟でさえあれば、他の設定はどんなんでもOK!
|∪===|~〆         他人の設定に乗っかるもよし、自分独自の設定を作るもよし!
. ノ___r T !  ゝ      …自分に都合のいい設定だけ一緒にするのもありだな
i_/、」 ~~

               ・嫌いなネタに文句をつけるより、自分の好きなネタを書きましょう。

ゝ~"~<      -;    ・好きなネタを読んだら、面倒くさくても「GJ」の一言ぐらい書いてみましょう。
,ζノ=lノ=l〉     //    つまらないネタに無理矢理レスしろとは言いません。面白かったらつけましょうという話です。
レ、d ゚ ロ゚ノゞ. 、//      ネタ書く側も「喜んでくれる人がいるんだな」とほっとします。
/,--┬'^つ</、
|∪===|~〆         ・感想しか言えない、ネタなんか書けない、という人でも、「このネタ嫌い」と言うよりは、
. ノ___r T !  ゝ        「こういうネタも読んでみたい」と言った方が建設的だし平和的です。
i_/、」 ~~            「梅雨のネタが読みたい」とか「兄妹で仲のいい話が読みたい」といった漠然とした希望でもいいから、
                試しに書いてみてはいかが?
              
               ・誰が兄弟か、はスレの軸となる大切な要素なのでスレ住人全員で共有。勝手に減らしたり増やすのはやめよう。
                スレの平和的利用のために、上記の文をよく読んで欲しい

ゝ~"~<      -;
,ζノ=lノ=l〉     //
レ、d ゚ ロ゚ノゞ. 、//   <【注意!】 AA規制の関係で、最初の一行が空行だと、警告なしでレスが消えるぞ。
/,--┬'^つ</、
|∪===|~〆
. ノ___r T !  ゝ
i_/、」 ~~

・新作発売時は未クリアの住人へのネタバレに配慮してネタバレ禁止期間を置くものとします。
 ネタバレ禁止期間は新作発売日から一ヶ月間とします。
 発売前の事前公開分の情報を使ってネタを書くのはOKですが、新キャラを直接出すのは禁止です。
 後は各自の判断に任せますが、グレーだと思ったら投稿を控えるようお願いします

4 :助けて!名無しさん!:2014/06/30(月) 01:19:08.27 ID:m3DCnXON.net
スレ立て乙!
最近ペース早いな。なんにせよネタを投下してくれる人が多いのは嬉しい

5 :助けて!名無しさん!:2014/06/30(月) 07:38:11.69 ID:1Rse7Plq.net
ビラクが兄弟になりたそうです

6 :助けて!名無しさん!:2014/06/30(月) 11:36:55.24 ID:2lAQ5FJG.net
キシュナ
 ○  >>1 乙 もうお前に用はない 
 く|)へ
  〉   ヽ○ノ 
 ̄ ̄7  ヘ/
  /   ノ
  |
 /
 |


7 :助けて!名無しさん!:2014/06/30(月) 18:42:52.25 ID:m3DCnXON.net
前スレで体臭ネタがあったので新スレ記念も兼ねて、ちょっと考えてみた。



シグルド「なぁ、セリカ。こないだのテストの結果についてなんだが…」
セリカ「!……ちょっとシグルド兄さん!あんまり近寄ってこないでよっ!」
シグルド「……」


シグルド「うぅ…」
セリス「シグルド兄さん元気ないね。どうしたの?」
シグルド「最近セリカから露骨に避けられてるような気がするんだ……」
セリス「そうなの?いつもKINSHINについてしつこく言ってるからじゃないかなぁ?」
シグルド「テストの成績が良かったので声を掛けただけなのに顔を背けられた。……まさか…」
セリス「?…どうかした?」
シグルド「いや、その……笑わないで聞いてくれるか?」
セリス「うん」
シグルド「私は、そんなに体臭がキツいんだろうか……?」
セリス「うーん…………僕はそんなに気にならないけどなぁ」
シグルド「そうか……まぁ年頃の娘は父親や男兄弟の匂いを嫌うとは言うし、仕方ないのかな。セリカも順調に大人に近付いているということで我慢しなきゃならないかもな。はっはっは!ありがとうセリス、なんだか悩んでるのが馬鹿らしくなってしまったよ」
セリス「…そう、元気になったみたいで良かったよ」



セリカ「(…シグルド兄さん、ごめんなさい…。でもどうしても兄さんの体臭はちょっと苦手なの…。生理的に受け付けないっていうのかしら)」


リン「いやぁぁぁっ!!」
エリンシア「どうしたのリンちゃん。女の子が大きな声を出すんじゃありません、びっくりするじゃないの!」
リン「姉さん、ヘクトルの下着の隣に私の服を掛けないでって言ってるじゃない!臭いが移っちゃうわ!」
エリンシア「あらあら、ごめんなさいね。うっかりしてたわ」
リン「…もうっ!」
ヘクトル「ったく、エリウッドやエフラムの下着が隣に干されててもなんも言わねえのに、俺の時だけはいちいちうるせぇよなお前」
リン「エリウッドやエフラム兄さんのは気になる程じゃないからいい、でもアンタのは鼻をつまんでなきゃいられないくらいに臭いの!」
ヘクトル「はぁ?洗剤入れて洗濯してんだから体臭なんかわかんねーだろ。大体エイリークからは俺の体臭がきついなんて聞いた事ねぇぜ?…これだから嗅覚が人間離れしてる野生児ってヤツは…」
リン「…なんですって!!」
ヘクトル「ま、ま、待て!悪い、流石に言い過ぎた!だからちょっと待…アッー!」

8 :助けて!名無しさん!:2014/06/30(月) 18:48:57.65 ID:m3DCnXON.net
エイリーク「(確かにヘクトル兄上の下着は洗っても尚、少し鼻につきますが……。でも面と向かって言うのは、なんだか悪い気がして…。それよりも私としてはリンや姉上達の下着と並べられる事の方が…ううっ)」
ミカヤ「…ヘクトルを気遣ってたのね…エイリーク、健気な子」
エイリーク「あ、姉上!…おやめください、私の心を読むなんて!」


アイク「なぁエリンシア。俺の下着を知らないか?なんだか最近、風呂に入る度に下着が無くなっていくように思うんだが……」
エリンシア「!…し、知りませんわ!アイクの下着を盗むだなんて…ハァハァ、犯人を見つけたらぶっ飛ばして差し上げますわ!(脱ぎたてのアイクの体臭……ハァハァ!)」

ミカヤ「……」


リーフ「(ようやく手に入れた、ルイーズさんのパンティ…。ハァハァ!影スキルを買ってまでリグレ家に潜入した甲斐があったってもんだよ……ブバァァ!)」
ミカヤ「リーフ、後でベルン署に行きましょう?大丈夫、お姉ちゃん変な事誰にも言わないわ」
クロム「(リーフめついにやらかしたか。くっ、俺にもアイツと同じくらいの度胸ってのがあれば……!)」
マルス「エメリナ署長の下着ドロでもやってやるのに、とか思った?」
クロム「や、やかましい!そんな事するはずないだろ!」


アルム「…ねえ、僕の下着が飛んでちゃったんだけど……誰か聞いてよ、ねぇ……」

9 :助けて!名無しさん!:2014/06/30(月) 22:09:50.95 ID:5Y1fWqf8.net
>>1
1乙ー。
最近また流れが速くなったかな?
今回はどんなカオスが生み出されるのか楽しみだわ。

10 :助けて!名無しさん!:2014/07/02(水) 16:30:19.79 ID:+T8+cOC9.net
7月に入ってしまいましたが、お祭りネタの続き投下していきます。
このお話を読む前に51章スレの326-328を読んでいただけると幸いです。
1日目前編のネタは主にセリスとエフラム中心のネタで書かせて貰ってます。

11 :紋章町商工会まつりがやってきた!〜祭り初日・前編〜?:2014/07/02(水) 16:31:59.31 ID:+T8+cOC9.net
(兄弟家)
セリス「…ただいま〜!」


エリンシア「あら、おかえりなさいセリスちゃん。随分早いのねえ。今日から確かお祭りだけど、これから行くの?」
セリス「うん!今日はセティやアレス達と一緒なんだよ。特にセティは色々忙しいのに、わざわざ時間取ってくれたんだ!」
エリンシア「セティさんというと……シグルド兄様と仲のいいレヴィンさんの弟さんね」
セリス「うん。いつもは仕事が忙しくて抜け出してこれないんだけど、お祭りの日だけはせめてってラーナ様が仰ったみたいなんだ」
エリンシア「お友達のせっかくの御厚意なんだもの、思いっきり楽しんでらっしゃいね」
セリス「えへへ、今からすっごく楽しみだよ。……帰りに何か買ってくるね、何がいい?」
エリンシア「いいのよセリスちゃん。気を遣わなくたって。お友達と楽しく遊んで来てくれればお姉ちゃんそれだけで嬉しいですわ」
セリス「だって兄さんや姉さん達は仕事や家事に忙しいのに学生組の僕達だけ遊びに行くなんて、なんだか悪いんだもん」
エリンシア「もう、セリスちゃんったら……。じゃあ、そうね…私とミカヤ姉様は大判焼きがいいかしらね。シグルド兄様はまた飲んで帰ってくるでしょうからおつまみ的な物を…。アイクとクロムちゃんはお腹を空かして帰ってくるでしょうから肉類がいいかしら」
セリス「うん、分かったよ」


エフラム「……おかえりセリス」
セリス「うわっエフラム兄さん、もう帰ってたの!?」
エフラム「ああ、これから竜王まで迎えに行かなければならないのでな。それより、今日、お前が誰と祭りに出掛けるか聞いてなかったが……」
セリス「同じクラスの友達やセティ達だよ!」
エフラム「同じクラスの友達、というと……?」
セリス「アレスにレスター、アーサー、ファバル…それから……」
エフラム「つまりは野郎ばかりだな」
セリス「え…」
エフラム「断じて許さん!いいか、中学〜高校ぐらいの男子というものはだな……って待て、セリス!」


エリンシア「(エフラムちゃんの兄馬鹿にも困ったものだわ……)」

(竜王家)

ファ「あ!きたよ、エフラムのおにいちゃん!」
エフラム「すまない、待たせてしまったな」
チキ「みんなでまってたんだよ、でもきてくれてホントにうれしい!」
ミルラ「エフラム、ノノとンンも一緒に来たいそうです。ダメですか?」
エフラム「いや、そんな事はない。大勢で行った方が祭りは楽しいだろう」
ノノ「わぁい!クロムッツリの弟さんはやっぱり優しいね。ノノ、優しいお兄ちゃんは大好きだよ!」
エフラム「クロムッツリ……?(こんな幼い子にムッツリ呼ばわりされているとは……。クロム兄上、俺の事をロリコンとは言えないのではないのか…?)」
ンン「……」
エフラム「?…どうした、早く行くぞ」
ンン「(優しいお兄さんには変わりないけど…やっぱりやっている事はロリコンそのものなのです……)」

ファ「じゃあおねえちゃん、いってくるね!」
イドゥン「ええ…、気をつけて行ってらっしゃい……」


幼女達を連れ、竜王家を後にしたエフラム。
しかし、彼は密かに自らを尾行する影に気付くはずもない。


ツァイス「…こちらツァイス、竜王家さん宅にて幼い女の子たちと共に何処かへ向かうブラックリスト人物、エフラムを発見。これより尾行します」

12 :紋章町商工会まつりがやってきた!〜祭り初日・前編〜:2014/07/02(水) 16:33:00.03 ID:+T8+cOC9.net
─────時刻はちょうど4時を回ろうとしていた。
友人達との待ち合わせ場所へと急ぐセリス。

ファバル「お、きたかセリス」
セリス「ごめん、みんな待たせちゃった?」
アレス「いや、俺達もものの数分前についたばかりだ」
アーサー「しかし、まさかセティが俺達と混ざりにシレジアからくるとは思わなかったな」
セティ「母上とフィーが気をつかってくれたんだ。とりあえず一時間くらいは二人でなんとか間に合わせると。本当は兄上が手伝ってくれればいいのだけど、まあないだろうなあの人は」
レスター「セティの所は大変だね……(まぁ私もラナに殺されそうだったので誰と祭りに行くか答えず来た訳だが)」
スカサハ「?……そういやセリス。リーフは一緒じゃないのか?」
セリス「リーフ?……んーとね、僕が学校から帰ってくる時には教室にいなかったよ?ナンナ達と遊んでるんじゃないかなぁ」


─── 一方、その頃リーフはと言うと。
ナンナ「リーフ様、トラキア大学に不法侵入した挙げ句またアルテナさんにセクハラ紛いの行為を仕掛けるとは何事ですか?」
ティニー「その分だけはきっちりと」
ミランダ「償って貰わなくてはね」
リーフ「アッー!アッー!」

案の定4人娘からの袋叩きに遭っているのだった。


アレス「……よし、全員揃ったし、それじゃ行くか」




その頃、兄弟家では───

アルム・セリカ「ただいまー!」

エリンシア「…あら、アルムちゃんにセリカちゃん。おかえりなさい」
アルム「あれ、家にいるの姉さんだけ?みんなまだ帰ってきてないの?」
エリンシア「エフラムちゃんとセリスちゃんがお友達とお祭りに行きましたわ。他の子達は…そう言えばまだ帰ってきてないわね」
セリカ「…私達も、これからお祭りに行くつもりだったの」
アルム「野菜はここにまとめて置いておくね。あ、あと手が空いたらでいいんだけど畑の水やり、頼めないかなぁ?」
エリンシア「ええ、大丈夫よ。洗濯物畳んだらすぐに行くわね」
アルム「ありがとう、姉さん」
セリカ「アルム、ちょっと早いけど、着替え済ませたら行きましょ」


時刻は4時半になろうかとしていた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜

セリス「もぐもぐ……。クレープ、すっごい美味しいよ。みんなも食べたらいいのに〜」
アレス「そ、そうか。良かったな…(というよりあのクレープの屋台に並んでるの、殆どカップルと女子ばっかじゃないか。いくらなんでも野郎同士が並ぶのは決心いるっての)」
レスター「(全くだ、まさかセリスと並んでるとこなんか見られたらラナにどんな仕置きをされるか…)」
セリス「あ…!」
突然踵を返し来た道を引き返そうとするセリス。
スカサハ「?…どうしたセリス?」
セリス「ね、ねぇ!向こうに型抜きの屋台があったよね!ちょっとやっていかない?」
どこかよそよそしい。一体どうしたのだろうと同行していた友人達皆が思うと同時に、その声は響いてきた。

13 :紋章町商工会まつりがやってきた!〜祭り初日・前編〜:2014/07/02(水) 16:33:57.57 ID:+T8+cOC9.net
????「……よし、この辺に座ろうか」
ちょうど神社の高台に来ていたのは竜王家の幼女達一行を連れて来ていたエフラムだった。
ファ「チョコバナナ、おいしー」
チキ「エフラムのおにいちゃん、つぎはスーパーボールすくいがやりたいな」
ノノ「ノノもやりたーい!」
ンン「スーパーボール?なんですか、それ」
エフラム「分かった。だがそれは食べ終わってからだ。今は座ってゆっくりお食べ」
ミルラ「エフラム。私のチョコバナナ、一本あげます」
エフラム「いいのか?せっかくジャンケンに勝ってもう一本貰ったというのに」
ミルラ「いいんです。私、こんなに食べられないですから」
エフラム「そうか。……それより、ほら。頬にチョコがついてるじゃないか。じっとしてろ」
そう言って、ミルラの頬についたチョコをそっと舐めとるエフラム。
エフラム「……ほら、取れたぞ」
ミルラ「え、エフラム…」
ファ「あー!ずるいよぉ、ファにもファにもー!」
チキ「チキにもやってエフラムのおにいちゃん!」
エフラム「そんな事してたらチョコバナナ落とすだろ。やめないかお前たち…」


アレス「……」
ファバル「あの人ってさ、セリスん家の兄さんだよな?」
デルムッド「幼女によく好かれる兄さんだとは聞いてはいたが、まさかあれほどだとは…」
アーサー「セリスが逃げ出したのって、ああいう理由からかな?」
セティ「(あれじゃ端から見たらただのロリコン……うっ…せっかくの羽休みとしてセリス達と遊びに来たのに、持病の片頭痛が…!)」
セリス「みんな何やってんの!は、早く行こうよ!」


ツァイス「こちらツァイス。エフラムが何やら幼女たちに怪しい行動をさせようとしている模様。引き続き監視を続けます。」
上空から見る竜騎士に、彼はまだ気付いてはいない。

(型抜き屋台)
親父「らっしゃい、おらよ。どんな型が出るかは空けてからのお楽しみだぜ」
セリス「おじさん、ありがとう!……わぁ、これはビグルの型だぁ」
アレス「なんかやけに難しそうなの引いちゃったじゃないか、大丈夫なのか?」
セリス「お裁縫なんかが得意だからね、細かい作業はお手の物だよ」
レスター「(ホントに女の子っぽいんだよなセリスって…)」
ばきっ
スカサハ「あっ…やっちまった!おかしいな…技のステータス、高いはずなんだけどな…。こういうのはやっぱ別かー」
アーサー「セティも随分器用なんだな」
セティ「ああ、まぁね…(伊達に謝罪分書いちゃいないさ)」


???「……きゃ〜!みてみて、ハート型よハート型!」
???「ホントだ、あれだけ型がある中から引いちゃうなんて、やっぱり僕らの愛は運命なんだね……」

同じ屋台の何処かから漂ってきたイチャイチャオーラ。
セリス「…この声は…」


セリカ「アルム……」
アルム「セリカ……」


セリス「やっぱり、アルム兄さんとセリカ姉さんだ」
ファバル「……なんかやけにセリスの兄弟に会うな、今日は」

セリカ「じゃあ私が右半分を削るから、アルムは左半分を……」
アルム「分かったよ、セリカ……」

14 :紋章町商工会まつりがやってきた!〜祭り初日・前編〜:2014/07/02(水) 16:37:43.42 ID:+T8+cOC9.net
ちょうどその時、いつもの台詞と共に核ミサイルのような速度でこちらに迫ってくる、一つの影があった。


シグルド「私のKINSHINセンサーから逃れられるとでも思ったかぁぁぁ!KINSHINは許さんぞぉぉぉぉ!」

時速1000キロはとうに越す速度で屋台に突撃する。
結果、型抜き屋台は風圧でトルネードに巻き込まれたような勢いで地上から舞い上がる。

親父「人殺しー!」
ファバル「お、おい屋台のおじさんが飛んでったぞ!」
ばきばきばきっ
アルム「あっ!ハートが粉々に!」
セリカ「何よっ!シグルド兄さんの馬鹿!上手く型抜き出来てたら2000G稼げたのにっ!そうしたら家計簿の足しにもなったっていうのに!」
シグルド「い、いや…それはすまん」
セリカ「さっさと仕事しに戻りなさいよっ!またアルヴィスさんにこっぴどく怒られちゃうわよ!」
シグルド「……」
アルム「あーあ、セリカを怒らせちゃって。こうなったらもう止まらないよシグルド兄さん」
一般客A「なんだなんだ、なんの騒ぎだ!」
一般客B「とりあえず救急車呼んだぞ、怪我人いないか?」
セリカ「救急車より先に警察呼んで下さい!そもそもこの人が……」
シグルド「セリカよ…、お前、状況が状況といえ実の兄を警察に突き出そうとするか普通……」

セリス「………出来た!みんな、キレイに型抜き出来たよ!…あれ、おじさんは?それに屋台があったはずだけど一体何処へ…」
デルムッド「(流石は兄弟家。良くも悪くも紋章町一有名な家族というだけはある……)」

(兄弟家)

マルス「…ただいまー。もうすぐ5時か。今から支度してちょうどいい頃合いだね」

ロイ「おかえりマルス兄さん。エフラム兄さん達はもうお祭り行ったみたいだよ」
マルス「1日目は……僕とエフラム兄さんとアルムセリカ、それからセリスとヘクトル兄さんだっけか。げっ、考えたらヘクトル兄さんと時間被ってるのか。ちょっと早めに出掛けるとしようかな」
ロイ「(また何かよからぬ事仕出かすつもりなのかなマルス兄さん…。いつもリン姉さんにこっぴどくやられてるってのに、懲りないね…)」


ミカヤ「…セリスが大判焼き買ってきてくれるって本当?」
エリンシア「ええ。自分からお土産買ってくるなんて言い出して。セリスちゃんといいロイちゃんといい、我が家の弟妹ちゃん達はみんな家族思いのいい子達ですわ…うるうる」
TV『臨時ニュースです。本日より紋章町中央区にて開催されている紋章町商工会祭りの屋台が無残にも吹き飛ばされるという事件が発生しました。屋台の店主の怪我は幸い軽いとの事ですが、現場に風魔導師が居合わせていた事もあり警察は事情聴取を進めています。』

エリンシア「まぁ、今日はあれだけ風もなく暑い日でしたのに、竜巻なんて珍しい事もあるのですね。何にせよエフラムちゃん達に怪我がないようで安心しましたわ」


───その頃、一般客の通報を受けて現場に居合わせたイーリス警察署職員達。

クロム「……イーリス警察署だ。…って、シグルド兄さん、それにセリスにセリカ!こんな所で何をしている!…はっ!まさか事件に巻き込まれて…!」
フレデリク「通報人の話によりますと、屋台は丁度風魔法のようなものにより吹き飛ばされたと聞いています。シレジアの風使いセティ殿。少し署の方へ任意同行願えませんでしょうか」
セティ「!…た、確かに私は風魔法の使い手だが!」
セリス「待って!セティは悪くないよ!」
セリカ「そうよ!もとはといえばシグルド兄さんがっ!」
クロム「三人共怪我はなかったんだな、良かった……」
シグルド「ま、待つんだクロム!私が行く、彼は解放してやってくれ!」
アルヴィス「……お前はさっさと仕事に戻れ」


アルム「……なんでないもの扱いされてるんだろ、僕…」


その後の取り調べの後、ようやく釈放されたセティは導かれるように涙目グリーンの居酒屋に立ち寄り、この時ばかりは風魔導師としての自分を心底恨んだという。
頑張れ、苦労人!

────初日後半に続く?

15 :助けて!名無しさん!:2014/07/02(水) 20:51:28.70 ID:l50oeD8g.net
ナチュラルにほっぺちゅぅするエフラムは恐ろしい男
そしてセリスたんの逆ハーレム状態は同性女子から嫉妬の的になりそうだ
イシュタルとかリーンとか気が気でないんじゃなかろうか

16 :助けて!名無しさん!:2014/07/03(木) 20:12:52.67 ID:dn1Djzl+.net
かつてシグルドはアルヴィスに嫁を寝取られた
今度はシグルドの妹セリスがアルヴィスの息子ユリウスを寝取る
因果はめぐる…

被害者はイシュタルだけど

なんかすまん

17 :助けて!名無しさん!:2014/07/03(木) 22:21:47.97 ID:rD7IptJj.net
>>16
エフラム「セリスが寝取る?増してや既に恋人のいる男を?俺の妹たちにそんな悪事を働こうとする者などいない!絶対にだ!
そもそもセリスに恋人なんてまだ早い!可愛さ目当てに誑かそうとする輩は俺がタダで済まさん!」


ロイ「エフラム兄さんのシスコン馬鹿っぷりは相変わらずだよね」
エイリーク「兄上…」
リーフ「……冒頭からスレンドスピアの串刺しにされてる僕にも何か一言……」
マルス「ドンマイ☆(満面の笑み)」
アイク「…しょうがない、引き抜いてやるとするか」
クロム「ま、待て兄さん!兄さんの力で無理に引き抜いたら!」
リーフ「あ、やめ……出血、出血が止まらな…アッー、内臓が飛び出るってばこの人でなしーっ!」
ヘクトル「うげっ!グロいってレベルじゃねーぞ!モザイクモザイクっと!」
エリウッド「…すいませんアイク兄さんの下りからここまでカットでお願いします。…アハハ、床が真っ赤に……蝶サイコオォォ!!」


エリンシア「お兄様!返事をして下さいましお兄様!」

ミカヤ「大変、シグルドが部屋に引きこもっちゃった!」


シグルド「うぉぉぉん!兄弟の中に寝取りをする者がいるなんて!とてもじゃないが一緒には暮らしていけないぃぃ!うぉぉぉん!」


セリカ「みっともないわよ兄さん!早く出てこないとほら、アルムとキスしちゃうわよ!」
アルム「KINSHINしちゃうよ?…お願いだから早く出てきてよ」


リン「……ねぇ、そもそもセリスが『男の子』で『弟』だって事には誰も突っ込まないワケ?」

18 :助けて!名無しさん!:2014/07/05(土) 01:00:58.40 ID:bUNYmlxw.net
セリスは悩んでいた。どうしてみんな僕を女扱いするんだろう。
女扱いから逃れ男扱いされるにはどうしたらいいだろう。
もっともっと男臭くならなくては。

やっぱ髪長くしたのがよくないのだろう。
男らしい体育会系っぽい五分刈りにしよう。
セリスは鋏を取り出した。

ユリウス「よせ…よすんだ…」
セリス「え、なんでさ?」
ユリウス「紋章町全住民のため…このスレを読んでる全員のため……阻止せざるをえないんだ!……後僕のため…い、いやなんでもない!とにかくよせ!」

複雑そうな顔をするイシュタルを尻目にユリウスはどうにかセリスの暴挙を阻止した。

19 :助けて!名無しさん!:2014/07/05(土) 01:24:11.84 ID:LNcJTd9c.net
乙。
やっぱりなんだかんだ言ってユリウスもセリスの事を気にし…(ぅゎ何をry


セリスからしてみればアイクや女性陣からは汗臭い男臭いと不評なヘクトルなんかは誰よりも憧れの対象なんだろうか。

20 :助けて!名無しさん!:2014/07/06(日) 13:16:52.37 ID:9XfkyuVh.net
セリスはさっさとトラキアグラになれ。話はそれからだ

聖戦だとディアドラの子供だと分かりやすくする為だろうけど、主人公なのにディアドラの顔グラ使い回しって酷いよなw

21 :助けて!名無しさん!:2014/07/06(日) 17:59:00.42 ID:mjkauKDM.net
唐突だが寝ぼけたユンヌのカオスパワーが暴走した。
従って紋章以降の全シリーズのスペックが超降下。すべてファミコンになってしまった。
容量も性能も悲惨なありさま。CGなんてもっての他である。

アイク「攻撃グラフィックのみ…回避すら戦闘グラフィックはなしか…これでは天空が撃てぬ…」
エフラム「会話などに要領を割けぬようだ。支援システムは消えてしまったか…」
ヘクトル「そうなると人間関係全固定化か?」
クロム「変に迷わなくてそれはそれでいいと思うけどな」
リン「システム周りもねぇ…変わった事は何もできないわよ。かつぐとかとらえるとか…マップ上のトラップとかね」
ミカヤ「いえ…それよりも何も…みんなの顔グラ使い回しばんばん状態よ!?エディとレオナルドが同じ顔の色違いになってた件」
セリス「あ、言われてみれば皆顔がなんだか野暮ったくて線が荒いね」
ロイ「ちょ…僕とエリウッド兄さんが同じ顔になってる!?」
エリウッド「色まで一緒じゃ見分けがつかないね…」
エイリーク「ちょ…私…エフラム兄上の顔グラに髪を足しただけになってしまってますよ!!?」
エフラム「容量が足らんのだ。やむをえまい。まぁ体型も似通っているし問題はってなぜジークリンデを抜く!?」
シグルド「大変だ!要領不足の結果いくつかの兵種が削減される!リストラ…リストラ!?ひいいいいいいいいいいいなんて恐ろしい単語!?
      労組の対象にならない中間管理職がまっさきじゃないか!?まして私のように仕事できない中年が一番やばい!」
マルス「自覚あったんですね……」
ミカヤ「今から再就職って厳しいものね…」
セリカ「ミラ教団で僧兵の枠なんとか確保してあげようか?…でもシグルド兄さん魔法できないし…」
リーフ「トラキアで強盗するコツ教えてあげようか?」
エフラム「こらこら、兄上を犯罪者にするんじゃない」
エリンシア「困りましたわねぇ……兵種削減の波がこんなところまで……ペガサスナイトは花形ですから存続できるでしょうけど…」
ミカヤ「魔導士は魔導士もダークマージもシャーマンも修道士も全部ひとまとめになるみたい。細かく分ける余裕無いって」
シグルド「まってくれたまえ君たち。すでに私がリストラ確定の前提で話を進めないでくれ!?」
ヘクトル「つーかよぉ。同じ青系だからって俺と兄貴の顔グラまで使いまわすのはどうよ?」
リン「あ、ほんとだ。同じ顔になってる」

なんかすまん

22 :助けて!名無しさん!:2014/07/06(日) 18:02:48.91 ID:ArD4V52d.net
支援システムはアルムとセリカ専用だから最強の装備品なクロム兄さんはあるんじゃないですかね

23 :助けて!名無しさん!:2014/07/06(日) 20:01:13.75 ID:J/b2YhHP.net
ミカヤ・シャーマン
そうひ¨:レクスオーラ

シク¨ルト¨・ロート¨ナイト
そうひ¨:テイルフインク¨

エりンシア・クイーン
そうひ¨:アミーテ

アイク・ウ¨アンカ¨ート¨
そうひ¨:ラク¨ネル

クロム・マスターロート¨
そうひ¨:フアルシオン

エりウット¨・ロート¨ナイト
そうひ¨:テ¨ュランタ¨ル

ヘクトル・ク¨レイトロート¨
そうひ¨:アルマース¨

エフラム・マスターロート¨
そうひ¨:シ¨ークムント

エイりーク・マスターロート¨
そうひ¨:シ¨ークりンデ

りン・フ¨レイト¨ロート¨
そうひ¨:ソールカテイ

マルス・スターロート¨
そうひ¨:フアルシオン

アルム・ゆうしゃ
そうひ¨:フアルシオン

セりカ・フ゜りンセス
そうひ¨:ライナロック

セりス・ロート¨ナイト
そうひ¨:テイルフインク¨

りーフ・マスターナイト
そうひ¨:はっは゜

ロイ・マスターロート¨
そうひ¨:ふういんのつるき¨


マルス「ちょww何これwww」
シグルド「まるでFC版のドラクエのようだ……」
ヘクトル「うヴァ…ン…」
ロイ「そこ、無理に読み上げようとしなくてよろしい」
リン「……私だけ名前二文字だから余計目立って見えちゃうじゃない。いっそ平仮名かカタカナどっちかに統一してほしいわ」
りーフ「なんて¨ ほ¨くの
そうひ¨か¨ はっは゜ なんた¨。
この ひとて¨なしーっ。」
ロイ「リーフ兄さん既に会話がおかしくなってるよ」

24 :助けて!名無しさん!:2014/07/06(日) 23:33:01.59 ID:mjkauKDM.net
リーフは葉っぱ装備を拒絶した。
なので装備を解除した。Eを外した。
必然リーフは全裸になった。
彼は葉っぱしか身に着けてなかったのだから。

リーフはベルン署に捕まった。
これで何百回目の逮捕だろう………

25 :助けて!名無しさん!:2014/07/07(月) 07:23:00.03 ID:paO2tj7o.net
ユリ×セリネタの多さを見てると
ひょっとしてこのスレでは誰もイシュタルの幸福を望んでないんじゃないかって気が時々してくる

26 :TMR(of ephraim) 外伝5:2014/07/08(火) 00:36:53.29 ID:ijelAL11.net
 TMR(of ephraim) 外伝5 【Tiamo Mysteriously Retires voluntarily(ティアモは不可解な勇退をする)】 第51章>>347-354の続き

 《お詫び》
マルス「前回12星座ネタを出しましたが、魚座(双魚宮)をピスケス→パイシーズと誤記していました。
    どうやら投稿者がガンダムWに出てくるMSの名前が印象に残っていたようです。
    という理由で、投稿者、お前を殺す…<コノヒトデナシー>…任務完了、本編へ移行する」

 ………

私、ティアモはエイリークを連れて『エムパ(エムブレムパーティー)運営事務所』に向かう途中、
彼女に紋章町と同人誌の歴史を説き、次に現在の同人誌界の現状を紹介することにしました。
今回の話のはじまりです(ちなみに季節は冬です)。

 〜現在の紋章町の同人誌即売会事情〜
現在紋章町ではアカネイアを中心に地方で小さな即売会が行われている。
ただ、年に三回希望の宴〜UTAGE〜であるエムブレムパーティーがエレブ地方の竜殿で開催されている。
その建物、竜殿は奇抜な外見を保ち、内部は大きく4つのエリアに分かれている。
簡単に言えば東京ビッ○サイトであり、各エリアは東西南北の方位で“…館”と呼ばれている。
また、各館によってジャンルが別れ、そのトップサークルを栄誉を込め“同人の神”と呼んでいる。
配置場所も一等地もさることながらサークルカットはなんと1P使用している待遇を受けている。
4つエリアがあることから同人の神の総称を『四神』と呼ぶこともある。

四神は元々東の青龍(碧)、南の朱雀(緋)、西の白虎(白)、北の玄武(黒)とされ、
四神の中心的存在の黄竜は中央に位置している。
紋章町においては青竜のユンヌ、朱雀のミラ、白虎のアスタルテ、玄武のドーマ…
同人誌が大好きな四神とかけわせ、この竜殿に眠っている偉大な神竜王ナーガに敬意を払い黄竜とした。
四神は4年に一度に選ばれる。この制度が導入され、現在は13代目である。

・現時点の四神及び各館の特徴
北館……少年誌系、バトル、ファンタジーなど
神:漆黒 《漆黒ハウス》←サークル名
王道のファンタジー系を得意としている。特に騎士と乙女の物語は必見である。
またダイヤの原石の新人を発掘しているとの噂も。
西館……青年誌系、劇画、ハードボイルド、オリジナル系
神:ハーディン 《草原の狼》
現、エムパ運営の最高責任者で安定な収入を得ながら同人作家としても名を馳せている。
既婚者だが、夜は漫画を描いているので初夜まだらしい。
南館……少女誌系、恋愛系、ノベル系 など
神:ティアモ 《ダサい手槍》
エムパで1,2を争うほど画力の持ち主且つ至上最年少で同人の神まで登りつめた少女。
しかもシビリアン。彼女の偉業はたくさんのモブキャラに夢を与えた。
代表作は魔女っ子ミカリンシリーズであり、昨年は多大な興行収入を得たとされている。
東館……薔薇とか百合とかメイドとか……ようはいろいろ
神:ヒルダ《Freege Empire》
古参の貴腐人。新人の面倒を見る姉子肌な存在でもあり、そのジャンルなら知らない者はいないほどの有名人。
彼女の野望はFE=Freege Empire(腐リージ帝国)とすること。

・エムパ参加するにあたりに必要なもの
まず最低限の水と食料。そしてお金、そして、最も重要な物……『エムパカタログ』である。
エムパカタログとは武器の属性[−]錬成可能の書のこと。ちなみに聖魔の光石では有名な火山バグにより敵ユニットが操作することができ、
モンスターの武器仮にゾンビの『くさった爪[−]』を輸送隊預ける。
それを所持すると、たとえ非武装のシスターあっても攻撃が可能である。
つまりエムパカタログはシビリアンでも扱え、一般市民の神器とも言える。 
なのでここは一般市民でも殺ることができる非常に危険な場所と言っても過言ではない。

・会場の禁則事項。
盗まない、捕えない、殺さない。
レスキュー、転移の粉やワープ、リワープ等よる不法侵入、物質輸送が出来ないように魔封じの者がスッタフとして駐在している。
よって魔法および杖は使用不可。それでも、不正を行う輩は命の保証はない。

27 :TMR(of ephraim) 外伝5:2014/07/08(火) 00:37:18.15 ID:ijelAL11.net
・働いているスタッフ
アカネイアの方々。
ハーディン、ニーナ、リンダ、ミディア、アストリア、ホルス、トムス、ミシェラン、トーマス、
ジョルジュ、ゴードンとか…ボアは戦力外。
新刊のチェックはオレルアンズが担っている。北担当…ザガロ、西…ウルフ、南…ロシェ、東…ビラク

スタッフとは運営の他、不正摘発、列の誘導が主な仕事とされるが、暴動の鎮圧化が一番の仕事となっている。
理由としては上記を参考、シビリアンが武装をしているため。
また新刊チェックというのは一言で言えば発行する同人誌の検問。引っ掛かると発売禁止、通称“発禁”の処分を受ける。
主に性的描写、グロテスク描写における部分で修正を施しているかどうかである。
修正処理が甘いと新刊チェックで引っ掛かる場合がある。
ただ…東館でチェックに巡回しているのがビラクなのでBL本はほぼ無修正で通ると有名。
それ故、ビラクは腐女子の間で神呼ばわりされている。

 ………

こんなものね、話に一区切りがついた時には『エムパ(エムブレムパーティー)運営事務所』まで到着しました。
おそらくここではアカネイアの方々が内勤をしているはず。
最高責任者であり私と同じ同人の神であるハーディンさんに直接交渉してみましょう!

 ※エムパ運営事務所※
受付嬢のリンダさんに単刀直入にハーディンさんとの面会の旨を伝え、応接室に。
しばらくするとハーディンさんがオレルアンズを連れてやってきました。
私は無理も承知で参加の交渉を開始します。
理由を話すと、ソファーの後ろに立っている紫髪のウルフさんは
「何を馬鹿げたことを、即売会を私物化するつもりか」
と辛辣な言葉を発しました。いやこれが普通の反応でしょう。
私がしていることは自分の地位を利用し、やりたい放題しているのですから。
「ハーディン様、いかがなされますか?私見でありますが、集客効果は期待できると考えられます」
と、ウルフさんの2Pカラーのザガロさんはフォローを入れてくれました。
同人の神の私が参加することで私の支持者達がアカネイアまでやってくる。
これは活性化であり、人がくればお金を落とす量が増え、地域に潤いを与える。
不正行為でありますが、それを差し引いても利益が得られることを見越しての発言でしょう。
まあ、私的に味方をしてくれて有り難いことですね。
ザガロさんの意図を理解したウルフさんは、ハーデインさんに決断を求めると、
「そうだな、リスクはあるがこのアカネイアを同人の聖地と呼ばれ続けるために尽力しなければならないと自負している。
 朱雀よ極力場所を手配してみるが、ジャンル通りには置けないだろうな。それでもいいか?」
といい、なんだか交渉成立な予感が!
「ウルフ、ザガロ、ビラク、ロシェ。余裕のあるスペースはあるか?」
「いえ、私の所は余裕ありません」
「私も同様です」
「僕の所も…すみません、ティアモさん。僕の担当のジャンルなのに…ビラク、君の所はどうなの?」
「BLスペースに多少のスペースが…丁度壁際で機材置き場であるのでそこを開拓すれば…」
えっ腐女子のスペースですか!?マジですか?私の今回の漫画は純愛モノですよ!
とはいえ、背に腹は変えられませんからね。仕方なくそこでいいと承諾するのでした。
「ティアモ君、君もこの際腐女子にならないか?君の繊細かつ大胆な画力なら申し分ない。
 修正なしで発行する特権をつけてあげるからね。どうだいやらないか?」
…クロム様の裸を描け…と?ちょっといいかも…
って違ーう!私は仮にも四神の一人なのでジャンルを無暗に変えられないんです。
いや、その前に今回で同人誌から足を洗うんだから!

 ………

その後、ハーディンさんがスペースの件をなんとかしてくれるようになりました。
話のわかる人で助かりました。これにて初期目標が達成されたと言うわけです。
次のミッションに移るとしますか…
エムパ運営事務所(コミケの開催している会社)でなんとかスペースを確保した私達。
次に向かった先は…
「次はどこに行かれるのですか?」

28 :紋章町七夕伝説:2014/07/08(火) 00:37:40.30 ID:7BWL/Ytm.net
むかしむかし、バレンシア地区の南半分、ソフィアという国に、それはそれはミラ神への信仰に熱心なセリカという美しい娘がおりましたとさ。


一方、バレンシア地区の北半分、リゲルという国には、牛飼いの青年アルムが住んでおりました。アルムは毎日せっせと畑を耕し、牛を家族同然大事にする、とても働き者で優しい若者でした。


「セリカは私の為に毎日祈り、仕えてくれる。私もあの娘の幸せの為、何かしてやれる事はないだろうか。
そうだ、あのアルムという若者…あの者ならば、セリカを幸せにしてくれるに違いない」


ある時、ミラ神のそんな思い付きで二人は出逢う事になります。
二人はすぐさま惹かれ合い、
占い屋でお互いに「愛してしまったようじゃ」と告げられる程、愛し合うようになりました。

しかしそれからというもの、二人はお互いの事に夢中。神への信仰も仕事もそっちのけでイチャつくようになりました。
結果、ソフィアの修道院にあるミラ女神像は埃まみれ、
アルムの飼っていた牛達もやせ細り、倒れていきました。


普段通りの暮らしに戻って欲しいと、ミラ神は何度も二人に頼みましたが二人から回答はいつも決まって「明日から」の一点張り。


困り果てたミラ神はセリカの兄であるシグルドに全てを打ち明けます。
事実を知ったセリカの兄、シグルドは大激怒。


「KINSHINは絶対に許さんぞぉぉぉ!!」


KINSHINとは兄と妹、姉と弟のように血の繋がっている者同士がイチャイチャする行為全般の事です。シグルドはKINSHIN嫌いとして有名でした。


実はこのシグルド、セリカの兄であると同時に、アルムの兄でもあったのです。
そう。何を隠そう、アルムとセリカは実の兄妹でした。


シグルドは烈火の如く怒り狂い、バレンシア地区に新たな戦乱と混沌の火種が蒔かれようとしていました。


その時、メダリオンに長らく封印されていた女神ユンヌが目覚めます。
ユンヌは、この紋章町が混沌…カオスに包まれる時に目覚めるという女神様です。
ユンヌは暴走するシグルドと彼からひたすら逃げ続けるアルムとセリカを星の姿に変え、天高く連れ去りました。


そしてユンヌの必死の説得の甲斐もあってシグルドは一年に一度、7月7日の夜にだけ天の川を渡り、二人が会う事を許してくれるのでした。


今でも夜空を見上げれば7月7日を楽しみに天の川の両端で瞬き続けるアルムとセリカ、そしてシグルドの姿を見る事が出来るでしょう。

29 :TMR(of ephraim) 外伝5:2014/07/08(火) 00:37:44.10 ID:ijelAL11.net
とエイリークは問いに、私は印刷所に行くと返しました。
印刷…原本を複製する画期的な技術、人類が生み出した(ホントは竜族ですが)文明。
その文明を機械化するに至るまで進化させ、文明の利器と『コピー機』を用いた商いが印刷所。
業務内容は本の製本をはじめ、新聞、広告、パンプレットの印刷を請負っている。
そして作成された印刷物を配ることで、広範囲に同一の情報を浸透させることに一役買っている。
…と心の中で印刷所の補足をしていると目的の場所に到着しました。

そこはアリティア地区の商店街の一角にある従業人数からして零細企業に分類される印刷所。
すみませーんと引き戸を開けて中に入ります。すると…
「いらっしゃいませ〜!あっティアモさんですね、いつもありがとうございま〜す」
出迎えてくれたのは淡紅色の髪をした少女、エストでした。
「すぐにアベルさんに取り次ぎますので、しばらくお待ち頂いてもいいですか」
馴れた様子で応対する彼女ですが…彼女まだ12です。
(第9回でエフラムより3つ下と描写したので、現在15の三年前だから12ということで…)
彼女は学校帰りにここでお手伝いをしているそうです。
数分後、店の奥から男性がやって来ました。
この殿方はアベルさん。どこぞのCMのように歯を光らせて、爽やかで好青年です。
以前エストが見せてくれたアベルさんの卒業アルバムを写真は出っ歯でした。
しかし必死の矯正のおかげで今のようになったというわけです。影の努力家ですね…
そんな性格が功を助け、今こうして印刷所の若き主をやっているわけです。
「いつも通り印刷の依頼でいいのかな?」
はい、そうですと答え、アベルさんから依頼書を渡され、必要項目を手際よく書き込む。彼に戻すと、
「ちょっと、向こうの部屋で腰かけててくれないかな?」
と言ってアベルさんは部屋の奥の方に姿を消して行きました。
応接室のソファーに座り、アベルさんが来るまで待っているとエイリークが聞いてきます。
「いつもここを利用されているのですか?」
そう、オフセット印刷にしてからずっとね。かれこれもう三年の付き合いになるかしら…
「そうですか。ところで今回は何部刷るのですか?」
の問いに私は一万部と答えると、彼女は驚いた顔を見せました。
丁度良い所に見積額の計算を終えたアベルさんがやって来て見積書を見せてくれました。
それをエイリークに渡すと彼女は見積額を閲覧しメガテン、しばしの間放心状態に。
例えるなら、(リーフが収集したデータを閲覧して)末妹のセリカにさえ胸囲−胸囲下の数値が小さいのを知ってしまったような…
しばらくして我に戻ってもう一度見積額と向き合い、
「この数字は…いち、じゅう、ひゃく…すう、すう百万!?」
と棒読みで額を確かめ始めました。まだ動揺していますね…
私は見慣れている数字、これでも抑え気味なんだけど…そんなに驚くのかしら、中学生には天文学的な数字だったかな?
彼女が見終わった後、再度私も見積書の額を確認し、あっさり了承の意を伝え、
用意してきた鉄の金庫から原稿を取り出しテーブルの上に置きました。
「え!?いいんですか…これで!?それに」
私の即決即断と金銭感覚の違いに再び度肝を抜かせされたエイリーク、
すると絶妙なタイミングでお茶を持って来たエストがやってきました。
彼女はいろいろ仕事を覚えているようですね。
「あれーもう終わったんですか?」
彼女は人数分のお茶を配り終えるとアベルさんの隣座り、テーブルの上に置いた私の原稿の原本に手を伸ばします。
「エスト、大事な原稿だ。万が一のことがあってみろ…」
「あ…ごめんなさい…」
仕事を覚えているようですが、こういう公私の区別がつかない所はまだまだ子供ですね。
彼女との仲だから別に構わないとアベルさんに言うと、エストは嬉しそうに私の描いた漫画を閲覧します。
「私、いつもティアモさんの漫画楽しみにしているんです。今回の漫画はどんなのかな…」
と原本を見つめるその姿は、私の描いた漫画を隅々まで読むように真剣になっていました。

30 :TMR(of ephraim) 外伝5:2014/07/08(火) 00:38:34.44 ID:ijelAL11.net
エストが漫画を読んでいる間、エイリークがアベルさんに印刷所というのはどういうものなのか質問していました。
一通りの説明が終わったぐらいで、エストも漫画を読み終えたようでした。
「今回は…恋愛モノですか。 いいですね…そうだ今度私とアベルさんをモチーフにした話を描いて下さい!」
と、目を輝かせて頼んできました。これには私もアベルさんもどうしたものかと苦笑している所、エイリークが…
「ですが、この漫画がティアモさんの最期の同人誌になるんです…」
「そうなのかい?」
「うそー!本当ですかー!なんでもったいないですよ!」
私の引退にアベルさんもエストも驚きを隠せませんでした。

その後、引退の話題からこれまでの昔話に華を咲かせました。
元々アベルさんとはこの印刷所を立ち上げた当初からのつき合いでした。
時には、〆切り間際、印刷所の空き部屋に籠らせてもらったり…
印刷可能期日のデッドラインを過ぎて依頼してきた時や、
原稿が一枚ないと連絡を受け届ける間輪転機を止めてもらったことも…
それでもアベルさんは徹夜でなんとか仕上げてくれた。
それから一年くらい前、エストがここで手伝いを始めたり…
今思えばいろいろあったわ…ほとんど私が迷惑かけているだけね。
「でも何で急に同人やめちゃうんですか?」
と感慨に浸っていると、エストが先程の話、同人引退の話を振って来ます。
「そうです。兄上がマンガを描くことを止めることに異議を唱えた気持ちも多少にわかります。もったいないですよ…」
エイリークも寂しげに言って来る。ホントは止めると決めたのは前回の冬コミだったんだけどね…
現状(同人の神の称号得ている)を捨てる行為は他人、いえ普通の人からすれば正気の沙汰ではないと思うでしょう。
でも私はもっと価値があるもの…ただ自分の進む道、宝物の恋をすることを見つけたから。
人間の手は二つしかない。望む物を手に入れようとすると代わりに何か捨てなければならない。
子供でも解かる等価交換よ。だから私はマンガを描くことを止めることにした…
と止めた理由を言おうかどうか躊躇していると、
「何か事情があるのかい、良かったら相談に乗るけど…?」
アベルさんが心配して声をかけ、これに対しエストは
「ちょっと、アベルさん。誰にでも優しくするのは駄目よ!ティアモさんが本気になっちゃうでしょ!」
…とぶうぶうと文句を言う。本気…って確かにアベルさんは格好いい殿方だと思うけど、
私にはクロム様という心に決めた男性がいるのでその心配はないわ、エスト。
私はみんなに漫画を止めるのは恋をする時間が欲しいから…と答えると
「そうですよね!私もアベルさんのことが好きだから、
 少しでも一緒にいられるようにこうやって印刷所でお手伝いしているんですから」
エストは無邪気に答え、アベルさんはまたもや苦笑します。
「でも、ティアモさん。アベルさんったら酷いんですよ、私がこんなに尽くしているのに…お礼のキスもしてくれないんです!」
「それはだな…」
エストは同意を、アベルさんは私に助けを求めてきます。 
「…それでね、私の好意を受け取るだけ受け取って、最後には捨てられるのよ」
「そんなつもりはない」
「なら私と結婚してくれる?」
「…大きくなったな。いやその前に、私にはパオラがいるから無理だ」
へぇ〜アベルさんの恋人ってパオラって言うんだ…
それにしても “結婚して→大きくなったらな”というサイクル、どこかで聞き覚えがあるわ…
そうだ、孤児院でエフラムが小さな女の子と一緒にいた時よ!
だとすればアベルさんはエフラムと同類でロリコン?
普通恋人がいるのに親類でもなく年端もいかない女の子に仕事の手伝いをさせないわよね…
少なからずアベルさんはエストに気がある可能性がある…
いえ恋人は世間体を気にしてのカモフラージュとキープで、本命がエストということも!
つまり…二股!?いや、恋愛詐欺師!はあ〜幻滅。
先までは爽やかな青年実業家と思っていたのに、プレイボーイ面したただのロリコンだったなんて…

31 :TMR(of ephraim) 外伝5:2014/07/08(火) 00:39:01.85 ID:ijelAL11.net
「私は二股もしてないし!ロリコンではない!」
私の頭の中を察したのか、アベルさんはロリコンではないことを弁明します。
あれ?ロリコンの「ロ」の字も言っていないのに何でわかったでしょうか?

その時、店の外から新たな来訪者が印刷所を訪れます。お客さんかなと思いましたが…
「ここにロリコンがいるって通報があったけどもしかしてアベル?」
その正体は女性警官でした。
「パ…パオラ、なんでここにいるんだ?」
「おねーちゃん、どうして!」
「うーんと、パトロールで近くを通ったんだけど…なんだか聞き捨てならない発言が聞こえたから」
店の外に漏れる程の音量の会話をしていないはずだったのですが…どうして聞こえたのでしょう?
この人も革新をしているのでしょうか?ほんとこの町の人達は常識離れした能力を持っていますね…
それはさて置き、二人の反応からしてこの婦人警官警察はエストの姉であり、先程アベルさんの口から出た女性の名前のようです。
ここで私は人間関係を整理しました。
“アベルさんとパオラさんは恋仲であり、アベルさんは恋人の家族なので優しくしていると、
 エストは思春期特有の年上に憧れる衝動に駆られるのと自分に興味があると勘違したことにより、アベルさんにアッタクしている。
 エストは姉の恋人をNTRしようとしている…まあ年齢によるただの独占欲からくるものね
 端から見れば恋のライバルです。”
…と本来であればこう捉えられるのですが、
今の私は“アベルさんはロリコンで恋する女の敵”という結論に至りました。
よってアベルさんをフォローせず、ただ傍観することに…
するとアベルさんとエストが一緒にいるのを見たパオラさんは、
おっとりとしている雰囲気が一変し阿修羅いえ不動明王とも言い難い存在となっていました。
「…アルムとセリカが一緒にいると怒り出すシグルド兄上のようです」
…とボソッとエイリークは日常茶飯事のよう軽く流しに感想を漏らします。
彼女は凄いですね…私は今にでもこの場所から撤退したいくらいです。
…と思っていると姉妹が一人の男をめぐって修羅場を作ります。
「エスト、あなた天馬免許の訓練はどうしたの?来年には試験を受けられる歳になるんだから!」
「アベルさん(の馬)でやってるっていつも言ってるじゃない」
え…!?今なんと言ったのですか。アベルさんで練習しているんですか!
き、きっと馬ですよね、アベルさんの!そうでなければ鬼畜ですね。
そう言えば、エフラムも孤児院でお馬さんごっこをやっていたような…小さな女の子を乗せて走っていたから遊びの一環よね。
でもアベルさんはそれ以上の危険な匂いがするのは何故かしら…
もしかしてエフラム以上ですか、あなたは?
「…どういうこと、エスト?それにアベル?」
「それはだな…」
「だから大きくて逞しいアベルさん(の馬) で練習してるって言っているじゃない」
エストの誤解を招く発言に仏…いやもう明王化したパオラさんの怒りは頂点に達しました。
彼女の顔はこの世のものと思えぬほどの形相であり、私は今でも忘れられません。
それからパオラさんは二人を正座させて、凄い剣幕で説教を始めました。
数刻後に終わり、アベルさんは解放されると思いきや、警察署に連れて行かれました。
そうね、ロリコンで二股する女の敵は一生ブタ箱の中にいればいいのよ。
ですが警察に連行される姿を見て私はふとクロム様のことを思い出しました。
クロム様になら連れて行かれて、尋問としてあんなことや、こんなことされてもいいかな。
いえ、是非そうなりたい!…といつもの衝動を抑えきれずに妄想を。
ああ…また欲望が身体の端から滲み出してきました。
「あの大丈夫ですか?涎が出てますけど…」
エイリークに声かけられ妄想に耽た私は我に返りました。人前で妄想に耽るのはまずいわね…
用も済み帰ろうとした時、印刷代金を払っていない事を思い出しました。
アベルさんが連れて行かれ、どうしたものかと呆けていると新たな人影が、
「すまないな…お金の清算がまだだったようだな。残りは私が引き継ごう」

32 :TMR(of ephraim) 外伝5:2014/07/08(火) 00:39:34.30 ID:ijelAL11.net
と声をかけてくれたのは顎髭が印象的なダンディな殿方…この人はフレイさん。
三十路を越えている風貌ですが成長率は新人よりも良いとのことです。
この人は印刷所の実質的な責任者で苦労人です。
「アベルはあれが無ければいい商売人なんだがな…」
と先の騒動を一部始終見ていたようです。
あれが…という時点で結構頻繁に起こしていることですね。
アベルさんがロリコンで優柔不断で八方美人で出っ歯じゃなかったら、どれだけフレイさんの負担が減るんでしょうね。
と思いながら鉄の金庫の中からお札に束を取り出し、机の上に並べます。
(※ちなみに紋章町の金銭事情は想像しやすいように現在の日本と同じものとしています。)
フレイさんは馴れた手つきで数え始め、途中でお札を手にしながら話かけてきました。
「先程の会話が聞こえてきたんだが…本当に漫画を描くのを止めるのかい?」
“そうです”とフレイさんには率直に言えなかった。
私も漫画を描いて売っている。簡単ではあるがマネーサイクリング、つまり商いをしている。
故に1万部も受注してくれる大口のお客さんがいなくなるとこの経営も大きく傾くことになる
…と予測できたから。
私が同人を止めるのは私自身の問題だけど、その煽りを受ける人には申し訳ないと罪を感じる。
「もしかして、ウチの事情を気にかけてくれたのか?確かに君程のお得意さんを失うことは痛手となる。
 だがその程度で路頭に迷うような柔なものではない。
 それに君がここを利用しているという口コミから多くの新規の利用者を獲得できている。
 その客層がまた若き頃の君のように育ち、新規を呼び寄せてくれれば、立ち直おせる。だから心配は無用だ」
私が気負いしているのを感じ取ったのか、フレイさんは私をフォローしてくれる。
それでも顔を色が悪い私に言葉をかける。
「君は今卒業という一つの節目を迎えようとしている。
 ただ卒業を何のための人生だったかと後悔し、悲嘆に暮れたりもする者もいれば、
 また、人間や世の中の何たるかを学びそれを次の人生で活かしそうとする者いる。
 私が君に覚えておいて欲しいことは前者にはなるなということだ…」
これは私にだけでなくフレイさん自身にも言い聞かせているようだった。
フレイさんも紆余曲折があってその前に何があったのか分からないが、
今の言葉を言い聞かせながらここで働いているのだろう。
話すことも無くなりフレイさんは黙々とお札を数える中、私は先の言葉を思い返す。

私が同人を描いていたことはこれからの私の人生に何に活かせるのだろうか?
いえ、いくら同人で名声を得ても、意中の人の心を射止めることはできないとわかった。
愛は受け取るものではなく、手に入れるものと考えるようになった。
だから私は変わろうとした。そう同人を卒業することは私自身に革命を起こすこと…

その後、印刷代金を支払った後、同時に会場までの輸送の手配をして、これで商談終了。
印刷所を後にする頃には、もうすっかり辺りは暗くなり、微かですが雪が降っていました。
でも準備が整ったことで後は当日を待つだけです。
エイリークに待ち合わせの時間と場所は、後日伝えると言ってその日は別れることにしました。

 ………

コミケ当日、今日の戦場はアカネイア地区のパレスにある建物内です。
家を出て待ち合わせ場所に向かうと、
約束の時間より余裕を持って来たつもりでしたが、既にエイリークは待っていました。
まあ早いことに越したことはありませんね。
サークル入場を済まし、カタログを片手に自分のスペースに向かいます。
着いた先は本当に会場の端っこです。しかも周りのサークルは全部薔薇一色です。
ちょっと失敗しちゃったかも…もしかしたら今日は在庫抱えて、完売という有終の美を飾れないかもね。
とにかく本を搬入します。これが大変、何せ1万部もあるのですから。
普段体を鍛えていない私にとって丁度いい…いえかなりの重労働です。帰ったら確実に筋肉通ね…
本を運び終わり、販売の準備をすることに。その時、
「いくらで売るのですか?」
とエイリークの問いに対し、1000Gと答ました。

33 :紋章町七夕伝説:2014/07/08(火) 00:39:46.74 ID:7BWL/Ytm.net
ミカヤ「……と、これがこの紋章町に約五千年語り継がれている伝説よ」
女の子「それが、わたちたちのとおいとおいごせんぞさまなのね」
ミカヤ「ええ、そうよ。私のかわいい弟と妹たち、シグルドとアルム、そしてセリカ」
男の子「あ!おほしさまたち、すっごくピカピカしてる!……どうしたんだろ?」

ミカヤ「(今でも、目を閉じれば聞こえてくる……。あの子達の声が、なつかしいあの日々が……)」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜

シグルド「この世界からKINSHINが無くなりますように。早く結婚出来ますように。童貞卒業できますように……orz」
エリンシア「お兄様、2つ3つとお願い事をするなんて野暮ってものですわよ。私は……逞しいKINNIKUを持つ殿方に抱きしめていただけますように、かしら……ハァハァ、鼻血が止まりませんわっ!」
アイク「……俺より強い奴がこの紋章町に現れますように」
クロム「エメリナさんと姉さん達は俺が守る!」
エリウッド「これ以上自宅が崩壊しませんように。デュランダルが軽くなりますように…」
ヘクトル「(メタボから脱却できますように)…なんだロリコン、ジロジロ見んな!」
エフラム「ミルラたちやエイリークたちを守れるよう、もっと強くなりたい……。ピザ、今吹き出しやがったな!?」
エイリーク「二人共やめてください!……(ぺったんこから成長しますように;)」
リン「(今年こそ彼氏が出来ますように…//)」
マルス「…スマブラレギュラーを兄弟の誰かにあげたい…」
アルム「セリカと二人暮らしがしたい…」
セリカ「アルムと結婚したい」
リーフ「おねいさ…アッー!まだお願い事してる途中なのにこのひとでなしーっ!」
ロイ「普通の日常が送れますように」
セリス「みんなの願いが叶いますように。兄弟みんなで、ずっとずっと一緒にいられますように」




あれからもう五千年も経つのね。
叶った夢も叶わなかった夢も沢山あっただろうけど今はみんなあの頃と同じように、仲良く一緒にいるのよね……。


おやすみなさい、星になった私の弟妹たち。


-----------
TMR(of ephraimの方投下時間が被ってしまったようだ!ほんとに申し訳ない!
ユリイシュネタ…時間あったら書きたいな

34 :TMR(of ephraim) 外伝5:2014/07/08(火) 00:41:32.51 ID:ijelAL11.net
これはお釣りを出さないためです (くどいようですが紋章町の金銭事情は現在の日本と同等としています) 。
お釣りが出ると逐次時間を消費し、塵も積もればなんとやら、その結果大きなタイムロスが生じます。
ましてや本を1万冊売ろうとするとどれだけの時間がかかるか測り知れません。
という理由で値段設定をしています。
「1000Gですか…少し高過ぎはしませんか?」
そうね、出版社に契約している漫画家と違って同人はいわば自費出版、自営業。
少しでも利益が出るように多少ふっかける。
ただ同人誌即売会は作家と読者の真剣勝負であり、生産者と消費者の関係と同じこと。
商店街で主婦が見定めして買うように、同人誌の内容が設定された値段の価値があれば読者は買う。
設定金額を高くすれば、買入者はおのずと減少する。だからと言って低くすれば利益は下がる。
よって塩梅は難しい…というのが一般的な考え方ね。
しかし、私はそんなこと考えていない。売ることまで考えて1000Gに設定している。
無論、クオリティも同等、いえそれ以上の物を作っていることを自負している。
そうやって極みを目指し、同人の神まで辿りついたことに誇りをもっている。
でもこんなこと今更どうでもいいことだけどね。

午前10時、会場が始まると人が津波のように押し寄せる。
普段と違うジャンルに配置されているといえど私のサークルにも大勢の客が列をなした。
ここからが戦争の始まり。どれだけ迅速に捌くことができるかが勝負の分かれ目。
策は予め打ったがここまで来る、個人のポテンシャルが重要になる。
当然、スミアのようなドジっ子なんて論外。手伝うと言われても願い下げをするわ。
だから何でも卒なくこなす胸の大きさ以外が万能なエイリークに頼むとしたわけ。
私のサークルは私とエイリーク、そして志願兵いえ有志を含めて数人で客を出迎えた。

私の見立ての通りエイリークは最初こそ戸惑ったものの、即座に慣れ凄まじいスピードで客をさばい捌いて行く。
彼女に頼んだのは正解ね…
昼過ぎになる頃にはほぼ完売。
あとは時間一杯には捌けるだろうと見越し、有志達を解散させることに。
エイリークにも休憩でもしてきたらと言った。
彼女が移動して私は、とんでも無いことをしてしまったと気がついた。
素人をこんな一般市民が攻撃して来るところに放り投げてしまったと。
いや、彼女なら大丈夫か…
と私も軽く一息つこうとした時、来客が現れる。
「新刊を一冊所望する…」
誰よ、KYね…と不満も内に秘めながら接客しようと、伏せていた顔をあげて相手の顔を見ようとした。
その顔は見覚えがある顔、先程売り子をしていたエイリークの半身。

そうエフラムだった。
どうやらあなたと私は運命の赤…ってちがう、どうして彼がここにいるのよ!
まあ向こうも同じことを考えているようだった。
でも今は客であるから、お金さえ払ってくれればそれ以上何も言わないようにした。しかし…
「止めたと言ったのではないのか、この前のことは嘘だったのか?」
私は何も答えなかった。第一答えも仕方がない、彼とは関わる必要が無いのだから。

そこに第三者がやって来る。
「えくせれんとっ!!まいぶらざー・あーんど・まいしすたーっ!」
この独特な狂言なもの言いは、実はいい人。この同人誌界におけるコアユーザーでもある。
彼は趣味の同人ショップを経営し、私も委託販売に頼んだ際に面識があった。
しかし、彼がなぜエフラムと知り合いなのか?聞いてみると
「吾輩は将来の伴侶まいすいーとはにーのエイリークの兄、つまり義兄弟だ。
 だからまいぶらざーと呼んでいる」
「うるさい、貴様はもう黙れ!」
「くくくく……まいぶらざーとティアモ女史に面識があったとわ。
 これも同志達は運命のタングステンで結ばれていたようだな」
「一応な…後彼女とはそんな関係ではない!」
私もそうだと、エフラムに激しく同意する。
だがこの人間は聞く耳持たぬと言わんばかりに自分の世界を相手に強要させる。
「ティアモ女史、貴女が同人を引退することが噂となっているが本当か?」

35 :TMR(of ephraim) 外伝5:2014/07/08(火) 00:42:09.71 ID:ijelAL11.net
今回限りで止めると答えると…
「ぶりりあーんとっ!まいぶらざぁ!いよいよ、約束の日が近づいた。偉大なる千年紀っ!我らの黄金時代がなあっ!」
「意味が分からんから、お前はさっさと没してくれないか?」
「なんとっ!そんなこともわからないのか、まいぶらざあ!時代はお前を必要としていることだぞ」
「貴様の戯言に付き合っている暇はない」
「戯言か…まったくお前もエイリークに似て素直ではない。魂の兄弟なら分かっているはず、
 だからこそ敢てそのような言葉を選んだのであろう!!すなわち、我らの宿命もわかっているだろう!
 ときに、まい同志エフラム!お前が幼女と戯れてロリコンとされている失策、
 あるいは己の決断した結果だと思っているがそれは違う。
 そうなることはこの大宇宙が始まる前、竜族がアカネイアに現れる前か決まっていのだ。
 お前が幼女好きとなり、今こうして同人誌即売回に来ていることはすべて宿命だったのだよ。
 そう、愛を超え憎しみとなり、憎しみをも超越したように」
…なんか二人で小芝居て私は蚊帳の外に。しかし面白いので観察することに。
「俺はロリコンでなはい、それに俺自身が間違っているとは思っていない! 」
「ならばそれで良し!お前は実に運がいい」
「どういうことだ?」     
「同人神と言われるティアモ女史が、今その地位から離れると言っているのだぞ!
 つまりだ、そのポストが空いたことにより、お前がその地位に付けと言うことなのだ!」
ヒーニアス、彼の発想は私の想像を遥かに超えています。
私が同人を辞することを利用するなんて…まあ、仮にエフラムが漫画を描くことになっても
私にはもうどうでもいいからいいけど…
「お前はティアモ女史と同志として道を共にしていたのであればお前がその後を継ぐのが道理ではないのか?
 違うな!彼女はお前に漫画描かせるために敢えて引退を決したのだ!
 そうだ、彼女も一種のツンデレなのだよ。素直に一緒に漫画を描きましょう言えないからこのような大芝居をうったのだよ」
「そう…なのか。ティアモ、あんたが漫画を描くのを止めるといったのはそのためだったのか?」
それは違うと私は答える。
「ヒーニアス、貴様なぁ…いい加減なこと言うな!」
「クくく…バレしまったら仕方がない。改めて聞くぞまいぶらざぁエフラム、お前マンガを描いてみないかっ!」
…なんか超展開になってきたんですけどー
「マンガを描けだと!?」
「まいぶらざぁエフラム、『ペンは剣よりも強し』という言葉を知っているか?剣に強いもの………すなわち『槍』だ。
 しかもお前は大陸一の傭兵になるという野望を持っていたほどの男。資質は十分だ」
「槍とペンは同じであり、持ち替えろというのか?」
「そういうことだ。加えて『王の器』と『覇王』のスキルも持っている。
 これは大きなアドバンテージだ。これだけ条件が揃っているのだぞ!
 よってお前はマンガを描くべきだ!違うな、描け!描くんだ!
 そしてお前はマンガに生き、マンガで死ねっ!それが、お前の宿命だ! 運命だ!!」
「………」
「あまりに過酷な運命のいたずらに声もでないか、まいぶらざぁ」
「ヒーニアス、一つ訊く。お前は漫画が世界を変えられるいうのか?」
「そうだ、まいぶらざぁ!世界を動かすのは、欲望だ、野望だ、魂の叫びなのだ!
 過去の者達は武力で世界を動かそうとしていた。しかし、恐怖政治では人はついて来ん。
 群衆の心理を掴むことができるのはマンガだ! マンガには夢がある、野望がある。
 その頂点をとれば富も名誉も!世界を動かす力もな!
 お前が望む世界を創りたいのであれば、漫画を描いて漫画を売れ!そして得た利益で世界を買い取ればいい。
 そしてお前色に染め上げれば良いだけのこと!」
そんな訳無いでしょ、いい歳した大人…ではなかったまだ彼ら厨房だったわね。
世界征服なんていかにも中二病ね…

36 :TMR(of ephraim) 外伝5:2014/07/08(火) 06:19:16.73 ID:ijelAL11.net
するとエイリークが戻って来た。彼女を見るなり各々が反応する…
「まいすいーとはにー。どうしてここに」
「エイリーク、お前が何故ここにいる」
「別に…なんでもないです」
とエイリークはヒーニアスと兄に対しそっけない態度をとる。
ヒーニアスはウザいからわかるけど、エフラムにあの態度はもしかして喧嘩中だとか、原因は私?
「まいすいーとはにー、我らがここでこうして出逢うとは…
 運命の赤い糸で結ばれていたようだな。
 そうだ、私は君の圧倒的な性能に心奪われた…
 この気持ち、まさしくあ…」
次の言葉を言おうとした瞬間、エフラムとエイリークは双生器を取り出しヒーニアスを突き刺した。
息もピッタリで完全に同調してました…まさに双子がなせる芸当ね。
ヒーニアスを始末した後、残った三人は気まずい雰囲気に包まれ、
その沈黙を破ったのはエフラムでした。
「やっぱり俺は解せん。エイリーク、帰るぞ」
「いいえ、帰りません。私は今日一日中、ティアモさんのお手伝いをするのですから」
「フン…勝手にしろ…」
と言って帰っていきました。普段なら意地でも連れて帰ろうとするはず…
やっぱり、兄妹喧嘩なのかな?エイリークに聞いてみると…
「やはり、わかってしまいますか…」
当然、あのエフラムの反応見たらそう思うでしょ…

それからこの後は閉会まで特に目立った出来事はなかったです。
売れ残りそうな本は全部ヒーニアスが買って行きました。
エイリークが売り子で手渡した本にそんな付加価値があるんでしょうね。
撤収を終え、夕暮れの帰り道、エイリークに別れを告げるのでした。

 つづく…

 ………



>>1 スレ立て乙です。
>>28 こちらこそすみません

37 :助けて!名無しさん!:2014/07/09(水) 18:14:14.27 ID:r6z4F6q1.net
エフラム「あのアベルという男……志を共にする同胞の香りがする!」
リーフ「そんな馬鹿な…パオラさんというものがありながらエストに靡くなんてありえないよっ!?」

38 :助けて!名無しさん!:2014/07/09(水) 19:47:42.56 ID:+PinzSEg.net
二股扱いされるアベルも涙目グリーン居酒屋の仲間入りだな

39 :紋章町七夕伝説〜Another story〜:2014/07/10(木) 00:11:59.24 ID:MgGglvq6.net
※全体的にKINSHINネタだらけでひどい有り様です。苦手な方はスルーよろ※




ミカヤ「……と、これがこの紋章町に約五千年語り継がれている伝説よ」
男の子「あれぇ?みかやおばあちゃん。きょねんはおほしさまのなまえ、エフラムさまとエイリークさまっていってなかった?」
ミカヤ「え?…そうだったかしら…?」
女の子「えー、ちがうよ!クロムさまとエリンシアさまだったでしょう!?」


ミカヤ「うーんと、えーっと……考えついただけまとめてみたけど、どれが本物だったかしら…」

〜〜〜仮説その1〜〜〜
アルムとセリカと(KINSHINを止めようとした)シグルドが星になった。


アルム「セリカ、愛してるよ」
セリカ「アルム、私もよ」

ラケシス「素晴らしいですわ。二人の深い兄妹愛は伝説として語り継がれていくのですね…」
シグルド「KINSHINは許さんぞぉぉぉ!」


ユンヌ「シグルドとシルクとジャンヌが暴走してバレンシア地区がカオスになったので三人共星にしちゃいました☆」


〜〜〜仮説その2〜〜〜
エフラムとエイリークと(KINSHINを止めようとした)シグルドが星になった。


エフラム「エイリーク、お前だけは俺が必ず守る。例え兄上を敵に回す事になっても…」
エイリーク「兄上…私はずっと、お側に……」

プリシラ「美しい愛です。お兄様にも是非見習っていただきたい…」
シグルド「KINSHINは許さんぞぉぉぉ!」


ユンヌ「シグルドと二人の嫁婿候補たちが暴走してマギ・ヴァル地区がカオスでひどい有り様になったので三人共星にしちゃいました☆」


〜〜〜仮説その3〜〜〜
クロムとエリンシアと(KINSHINを止めようとした)シグルドが星になった。


クロム「姉さん!俺は姉さんを側で見守り続けたい!…そして二人で共にエメリナさんを守ろう!」
エリンシア「クロムちゃん……KINNIKUハァハァ…」

リリーナ「ああ、義姉様。逞しい腕に抱かれて…お幸せに」
シグルド「KINSHINは許さんぞぉぉぉ!」


ユンヌ「ようやく本当の母が分かったルキナが安心するも、シグルドと二人の嫁婿候補たちによってイーリス署は財政難、クリミア地区は案の定カオスと化したので、三人共星にしちゃいました☆」

40 :助けて!名無しさん!:2014/07/10(木) 00:16:23.76 ID:MgGglvq6.net
〜〜〜仮説その4〜〜〜
マルスとリンと(KINSHINを止めようとした)シグルドが星になった。


マルス「姉さん…、確かに僕にはシーダがいる。でも姉さんが他の男の物になるなんて、耐えられないんだ!」
リン「マルス…そんなに私の事を…。分かったわ。お姉ちゃんはずっとマルスと一緒よ…」

ロイ「…ちょ、マルス兄さん本音が出てる!」
シグルド「KINSHINは許さんぞぉぉぉ!」


ユンヌ「困惑するシーダとカチュア、シグルドと愛しのリンを盗られて復讐に燃えるヘザーによって紋章町全体がカオスと化したので三人共星にしちゃいました☆」


〜〜〜仮説その5〜〜〜
ヘクトルとリンと(KINSHINを止めようとした)シグルドが星になった。


ヘクトル「リン…、妹だとかそんなのは関係ねぇ。シグルド兄貴を裏切ろうが俺、お前に惚れてる」
リン「馬鹿!私だって好きだったんだから…!フロリーナ…ごめん、許してね」

リーフ「リン姉さんが親友から兄を寝取っ…ブバァァァァ!」
シグルド「KINSHINは許さんぞぉぉぉ!」


ユンヌ「フロリーナが人格崩壊、マルス、ビラク、ヘザーが暴走して紋章町全体がカオスと化したので三人共星にしちゃいました☆」


〜〜〜仮説その6〜〜〜
エリウッドとリンと(KINSHINを止めようとした)シグルドが星になった。


エリウッド「リンディス、妹としてじゃない。1人の女性としてきみを愛している」
リン「エリウッド…私も。ずっとあなたの側にいたい…」

クラリーネ「レズよりお兄様との恋愛の方があなたにはお似合いですのよ、末永くお幸せにね」
シグルド「KINSHINは許さんぞぉぉぉ!」


ユンヌ「暴走するシグルド、マルス、ニニアン、フィオーラ、ヘザーによって第二次人竜戦役が起きかねなくなったので三人共星にしちゃいました☆」


〜〜〜仮説その7〜〜〜
バーハラの悲劇勃発。それを見かねた兄弟家一同たっての希望でシグルド、ディアドラ、アルヴィスは星になった。


アルヴィス「もうなにもいうな!」
シグルド「アルヴィス、きさま!」
ミカヤ「駄目ぇぇっ!バーハラの悲劇だけは繰り返しては駄目!弟は私の手で守る!」



以上の仮説がミカヤの頭を過ぎるが、結局どれが本当なのかは分からなかったそうな。


シグルド「なんか昨日、すっごい嫌な夢みた……」


後悔はしてないが反省はしている。

41 :助けて!名無しさん!:2014/07/11(金) 00:26:19.22 ID:tzhapJfS.net
乙乙
にしてもアルムセリカが特別目立ってるだけで兄弟家はKINSHINフラグ相当やべえなww
本当にKINSHINと無縁なのはシグルド本人の他にはロイぐらいか・・・?

42 :助けて!名無しさん!:2014/07/11(金) 07:03:07.66 ID:Wf7MBr50.net
せいぜい、ヘクトルを封印モードにして、姪に手を出すフラグ立てる位か

43 :助けて!名無しさん!:2014/07/11(金) 21:42:37.64 ID:hMuCUd/i.net
http://www.smashbros.com/jp/
リーフ「クロム兄さん、月曜日にスマブラの新キャラ発表があるそうだよ」
クロム「いまから無駄にハードルを上げるのはやめろ……」

44 :助けて!名無しさん!:2014/07/13(日) 12:07:42.10 ID:y5ioIWmI.net
スマブラスレとかでは穏やかじゃない人が濃厚とか言われてるが果たして?

45 :助けて!名無しさん!:2014/07/13(日) 13:34:15.11 ID:YDZeLpfA.net
ヘクトル「…あぢい…むしあぢい……」

暑いだけならまだいい。だが湿気がひどい。蒸して気持ち悪い。
耐えかねたヘクトルはパンツ一丁で汗をかきながらごろごろしている。
肉付きの良い巨漢が体中に汗を浮かべているのだ。想像しただけで暑苦しい光景である。
そしてこう暑いとついつい冷たい物ばかり食いたくなる。
ヘクトルはバニラアイスや砂糖どっぷり入りコーラ500ML等を貪った。

リン「せめてシャツくらい着てよみっともない!」
ヘクトル「だぁうるせえ!でかい声出すな!」
リリーナ「そうよリンお姉さま。淑女が大声を出すのはエレガントとは言えないわ」
リン「…一見上品な貴族っぽいけど観賞の対象間違えてるからねあんた?あと鼻血出てるわよ…」
リリーナ「あらいけない」

鼻血をぬぐい勝手にこさえた貴賓席で偉そうに脚を組みウェンディに扇で仰がせながらオペラグラスでヘクトルの汗蒸す半裸を観賞しているのはリリーナである。
彼女に言わせればヘクトルのZEINIKUボディや腹は芸術らしい。
リンにはまったく理解できなかった。あんなムサ苦しくてしかも毛深い男の裸の何がいいのだろうか。
貴族と平民の価値観の違いだろうか。
軽く悩むリン。もうかったるくてどうでもよくなったのかヘクトルは畳に転がってひたすらぐうたらしている。
突っ込みをいれる気配すらない。
人より肉付きのよい彼にはこの蒸し暑さはこたえるのだろう。
ヘクトル「やべぇ…きっついわ…」
リリーナ「それはいけないわ。兄様に差し入れをあげる。練乳たっぷり入り高カロリ…もとい冷たくて美味しいアイスのお代りをどうぞ」
ウェンディ「熱中症対策にメタボコーラも追加させていただきます」
リリーナの指ぱっちんと共にウェンディがクーラーボックスを開けた。
あれを食べてしまえばまた体重が増えたとかで悩むのに…
それでも食ってしまうあたり我慢できない性格よね…とリンは呆れてヘクトルを見ている。
だが…当事者ではないからある意味悠々としていられたのかもしれない。
貴族娘は横目でリンに視線を剥けながらふと考えていたのである。
リリーナ(リン姉様のあのふかふかしてそうなおっぱい…ヘクトル兄様のZEINIKUと触り心地似てるのかしらね…ちょっと味見してみたいかも…)
などと…リンが聞いたら顔真っ赤にして怒りそうな事を………



あまりの暑さにあえいでいたらヘクトルが浮かんできて突発的に書いてしまった
後悔はしない

46 :このスレでのクロムがスマブラに参戦したら…:2014/07/13(日) 21:19:21.60 ID:TWNMCTCq.net
クロム「ねんがんの スマブラしゅつじょう キター!

初戦はマルス、ゼルダ、ピーチとの試合か…。
女性陣との試合は実にいいな」

〜試合終了後〜


クロム「負けてしまったが……いい収穫だったな(二人のパンツの色は……ふぅ)」
マルス「くそぅ…あのアマ……それにクロム兄さん…覚えてろ…」


クロム「二戦目の相手はマルス、ピカチュウ、アイク兄さんか…。ピカチュウはあれだけ小柄に関わらずパワーもスピードも申し分ないな…」

アイク「せぇぇやぁぁぁあ!!」
マルス「んぎゃぐあわぁぁぁっ!!」
クロム「マルスは相変わらずだな。……おっと、ここでアシストフィギュアが出てきたか」


リン「…クロム兄さんにアイク兄さん、私も助太刀するわ!

マ ル ス 、 覚 悟 な さ い !」

マルス「今の電気ネズミのが近かったじゃん!なんで僕ばっ……アッー!」

クロム「(リンの乳揺れ…黒パン、しかと見届けた……)」



クロム「やっぱりスマブラっていいよな…」
リーフ「そうだねぇ……ぶばば…」
ロイ「ちょっとリーフ兄さん!それ僕の台詞なんだけど!」
アイク「己の力量を測るのにスマブラ程適した競技はないな」
マルス「ちくしょう、スマブラなんてだいっきらいだぁぁ…」


クロムは果たして参戦出来るのだろうか…

47 :助けて!名無しさん!:2014/07/13(日) 21:47:59.10 ID:TWNMCTCq.net
>>45
リン「(あーもう。リリーナまで赤くなりながら私の事見てるし……。あれって…いえまさかね、あの子がレズな訳ないわよね。私はロイの姉なんだし…弟の恋には及ばずとも力になってあげたいし)」
ヘザー「やっほリンちゃん」
リン「…きゃあっ!近い、近いってば!」
ヘザー「何よ女同士なんだし問題ないじゃない」
リン「アンタの場合は大アリなのよ!」
ヘザー「ねっねっ。あの娘、リリーナちゃんていうの?名前の通り可憐な娘ねぇ」
リン「それが何?あの子はロイのガールフレンドで…」
ヘザー「…私が睨むにあの娘、リンちゃんの胸に興味津々みたいよ。弟の彼女を虜にしちゃうなんて…リンちゃんのナイスバディも罪だこと」
リン「違う!何かの間違いよっ!」


マルス「そういう訳だからもうリン姉さんは無理に野郎と付き合おうとなんかせずにこれからは百合一本で…」
リーフ「男だけに限らず女まで惑わせるなんて…流石リン姉さんの巨乳!俺達に出来ない事を平然とやってのける!そこに痺れ…」

ロイ「二人共しんじまって、ばかなやつだ。べ、別にリン姉さんに嫉妬なんかしないからね!」

48 :助けて!名無しさん!:2014/07/13(日) 23:24:41.02 ID:tlMMxlUX.net
訂正のお願い。
前回、紋章町商工会まつりがやってきた〜1日目前編〜最後のレスに「後編に続く」とありましたが、諸事情あって前・中・後編と分けさせて貰いたいので「中編に続く」に訂正して頂けると助かります。

このネタを読む前に51章スレの326〜、52章の11〜のネタを読んで頂けると幸いです。
1日目中編はエフラムとヘクトル中心のネタで書かせて貰ってます。

49 :紋章町商工会まつりがやってきた!〜祭り初日・中編〜?:2014/07/13(日) 23:28:25.43 ID:tlMMxlUX.net
イーリス署に任意同行を求められ、事情聴取をさせられる事三十分。
ようやく解放となりシレジアへの帰路についた苦労人ことセティ。
セティ「……ただいま」
レヴィン「よぉセティじゃん。ニュース見たぜ、警察署に任意同行させられたんだって?はっはっは!普段糞真面目なお前もはっちゃけたい時くらいあるってか!」
セティ「兄上と一緒にしないでください!……はぁ、母上やフィーが帰ってきたらなんと説明したらいいのか…」
レヴィン「反抗期でなんとなくグレたくなっちゃった、でいいんじゃね?」
セティ「…兄上ぇぇっ!」


ようやく家に帰ってきても終始、頭を抱えるセティなのであった。
前略、頑張れ苦労人!


(兄弟家)
セリス「…ただいまー、ごめんねエリンシア姉さん。ちょっと遅くなっちゃった」

エリンシア「あらセリスちゃんおかえりなさい。今アイクも帰ってきたところですのよ」
アイク「おかえり」
セリス「はい、エリンシア姉さんとミカヤ姉さんには大判焼き。それから、アイク兄さんにはグリフォン肉ね」
アイク「…ああ、ありがとう。しかしグリフォン肉か。高かったろうになんだか悪いな」
セリス「それなら平気だよ。昨日マルス兄さんが協力費用って事でお小遣いちょっぴり分けてくれたんだ!」
エリンシア「…協力費用……?」
それを聞いて、先程までにこやかに微笑んでいたエリンシアの目じりがつり上がる。
セリス「うん、僕も一体なんの協力してたのかよく分からないんだけどね」
ミカヤ「(…今度は一体何を企んでいるのかしらね…)」
エリンシア「(マルスちゃん……セリスちゃんの良心に付け入るなんて、ぶっ飛ばして差し上げますわ)」


ロイ「あ、おかえりセリス兄さん。じゃあエリンシア姉さん、僕、日が出てるうちに買い出し行ってくるね」
エリンシア「ごめんねロイちゃん、お願いね」
おつかいを頼まれていたロイが玄関へ向かう。しかしドアノブをひねろうとした瞬間、
ロイ「んしょっと………うわっ!」
ドアの向こうから強引に押し入ってきたMETABO腹に突き飛ばされ、尻餅をついてしまった。
ロイ「…いったー…」
ヘクトル「…わりぃ、怪我はねーか?」
ロイ「誰かと思いきや、やっぱりピザ兄さんか…。全く、勘弁してようちの兄弟でMETABOエアバック常備してるのなんて兄さんだけなんだから」
相手がヘクトルだと分かったからか、皮肉を忘れない。
ヘクトル「…だとテメッ!……まぁ急いでるからお前の相手はしてらんねぇが……覚えとけよな!」
地響きのような足音を立てながら自室に向かうヘクトル。
部屋の中は案の定足の踏み場もなく散らかり放題だ。
ヘクトル「うわやっべぇ。普段気にしてなかったけど俺の部屋相変わらず汚ねぇな……帰ってきたら久しぶりに掃除でもすっか」
ぶんっ
着ていた制服を脱ぎ捨てるようにベッドに投げやり、登校前にあらかじめ出しておいた洋服に着替える。


ヘクトル「……じゃ、わりぃ姉貴。行ってくるわ!」
エリンシア「あっ!ちょっとヘクトルちゃん!……もう、体操着ほっぽりだしてさっさと出掛けて!だらしないんだから〜っ」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜

マシュー「ちわっす、若様」
ヘクトル「おう、待たせたな」
マシュー「まずは何処から回ります?」
ヘクトル「そうだな、腹も減ったしまずは腹ごしらえといくか。グリフォン肉専門店があってよ、スパイスから味ごのみまで色々選べんだぜ」
マシュー「グリフォンっすか?いやぁ、流石は若。通っすね。…けどグリフォンっつったら貴族でもないと早々口には出来ない代物っすよ?ただでさえ若ん家はご兄弟も多いですし……」
ヘクトル「きっちり闘技場で稼いできたぜ!……ほらよ!」
???「……へぇ〜、これなら私達がいても問題なさそうですね〜」
ヘクトル「まぁな……っておま、セーラ!?」

50 :紋章町商工会まつりがやってきた!〜祭り初日・中編〜:2014/07/13(日) 23:31:51.20 ID:tlMMxlUX.net
セーラ「ひっど〜い!なんでそんなにドン引きするんですか!」
レイラ「お久しぶりです若様。マシューが若をお呼びにとの事でしたのでここに向かう途中、FETV社から出てきたセーラに声を掛けたまでなのですが、お邪魔だったでしょうか?」
ヘクトル「レイラ!?お前までなんで……!」
セーラ「さあグリフォン肉グリフォン肉〜♪コラーゲンたっぷりでお肌もツヤツヤ、レイラに呼んで貰って良かったわ」
レイラ「ふふ、嬉しそうで何よりだわ」

ヘクトル「(お、おいマシュー。ダチを呼んだんじゃなかったのかよ?呼んだのがレイラだって知ってたら俺…)」
マシュー「気にしないで下さいって!」
セーラ「二人共何してるんですかぁ〜?」
マシュー「…ほ、ほら毒舌セーラを待たせちゃマズいですって!行きましょ若!」
ヘクトル「お、おう。(全く、損な奴だぜ…)」


マシュー「ん?あれなんでしょ?」
グリフォン肉専門店に向かう途中、大行列を見つける一同。
レイラ「偉い行列ですね、トンネルの先まで続いてるみたいですけど、なんの行列か検討もつかないですね」
セーラ「きっと紋章町美人シスター写真集でも売り出してるのよ。そして人気ナンバーワンはきっと私。やっぱりこの美貌って罪だわ…」
マシュー「…どう考えてもそりゃないわ」
ヘクトル「…うげっ!」
何かを察したのか、駆け足で通り過ぎようとするヘクトル。
マシュー「ちょっと若様!どうしたんすか〜?」
ヘクトル「いいから早くこっちに…!」


???「はっ、この気配は…!」
ロシェ「?……どうかした、ビラク」
ビラク「おかしいなぁ、たった今マイソウルブラザーこと愛しのへっきゅんの気配がしたような気がしたんだが…気のせいだったみたいだZE☆」
ロシェ「それはそうと……ホントにこの行列に並ぶつもりなの?」
ビラク「そうだよ、ロシェ。俺はこんな日がくる事を夢にまで見ていたんだZE」


(グリフォン肉専門店『肉屋グリフィン』)
ヘクトル「……はぁ、危うく死にかけるとこだったぜ…。親父、グリフォンの手羽先4つな!」
店主「へい、まいど!」
レイラ「…いいんですか若様。私達にまで気を遣わせてしまって…」
ヘクトル「いいっていいって!俺の気持ちと思って食ってけよ!」
セーラ「乱暴で不器用なんですけど、根はいい人なんですよね。ヘクトル様って」
ヘクトル「おいっ、乱暴で不器用は余計だろ!」
店主「…お待ちどうさん!調味料は好きな分だけ持ってきな!」


マシュー「……にしても若様。さっきはなんで駆け足で立ち去ろうとしたんです?」
ヘクトル「ビラクだよビラク。今は生憎ヴォルフバイルもハルベリトも持ってきてねぇ。絡まれちまったら一貫の終わりだぜ」


??「……ピンクのきらきらしてるの!ノノ、ピンクのきらきらしてるのがいい!」
????「よし、じゃあ今とってやるからな」
ヘクトル「(げっ…この声は……!)」

安心したのも束の間。
店のすぐ入り口に座ってしまった為に隣の屋台で幼女たちからの声援を受けながらスーパーボールをひたすらすくい上げている浅葱色の髪をした青年が目に移る。
見間違えるはずもない。
兄弟の中でも顔を合わせてはすぐ喧嘩になるエフラムである。
ヘクトル「(え、エフラムの野郎……!なんたってこんな時に…。俺がここになんてバレたらアイツの事だ、ビラクの野郎にチクりやがるにちげーねぇ。なんとかバレねぇようにやり過ごさねぇと……)」

51 :紋章町商工会まつりがやってきた!〜祭り初日・中編〜:2014/07/13(日) 23:33:57.85 ID:tlMMxlUX.net
チキ「あ!ヘクトルのおにいちゃん!ヘクトルのおにいちゃんでしょ!」
ヘクトル「うっ…!」
ファ「ヘクトルのおにいちゃんもおまつりにきてたんだね。ファもエフラムのおにいちゃんとおまつりにきてたの」
ヘクトル「そ、そうか…」
チキ「…それ、おにく?とてもおいしそう…」
ヘクトル「ん?ああ、グリフォンの肉だ。ちょっと食ってみるか?」
チキ「いいの?」
ファ「ヘクトルのおにいちゃん、おこらない?」
ヘクトル「まだ口つけてねぇからな。……おらよ、仲良く食えよな」
手羽先を綺麗に真っ二つにし、半分を幼女二人に渡す。
チキ「わぁい!…ふぅ〜っふぅ〜っ……おいしい!」
ファ「ありがとうヘクトルのおにいちゃん!」
ヘクトル「気にすんなよ。あっちにエフラムがいんだろ、行ってやりな」
チキ「おれいにチキたち、ヘクトルのおにいちゃんにプレゼントあげるね!」
ファ「おてて、だして」
ヘクトル「?……なんだ?」
二人の幼女はポシェットに入れてあったスーパーボールを一つずつ、ヘクトルの手にそっと握らせる。
チキ「これ、チキの竜石みたいにすきとおったみどりいろなの。キレイでしょ」
ファ「ファのはおそらのいろ。おにいちゃんにあげる。イドゥンのおねえちゃんにいわれてるの。いいことしてもらったらおんがえししなさいって」
ヘクトル「お、おう。ありがとな…」
エフラム「……ヘクトル」
ヘクトル「(…やべっ!)」
ノノ、ンン、ミルラに手を引かれてエフラムがやってきた。
どうやら先程のやり取りも見られていたようだ。

大好きな幼女を食い物で釣った、なんて。コイツ、絶対いい顔しねぇだろうな……

そう思いつつ、視線を合わせる。
エフラム「お前、もう来てたのか」
ヘクトル「ああ、まぁな」
エフラム「……俺はそろそろ帰る。ミルラ達もいるのでな」
ヘクトル「…おう、気をつけて帰れよな」

チキ「ばいばいヘクトルのおにいちゃん!」
ファ「おにく、ごちそーさま!とってもおいしかったの!」
自分達が見えなくなるまで大きく手を振る幼女二人に照れ臭そうになりながらも手を振るヘクトルであった。
セーラ「……ヘクトルさま、意外と紳士〜。見直しましたよ。ちょっとだけですけど」
ヘクトル「へっ。エフラムの奴、ロリコンの割には子守りが下手だな」
マシュー「……へぇ、黙って見させて貰ってましたけどやっぱ若はか弱い女の子相手には優しいんすねぇ」
ヘクトル「…マシュー、お前何が言いたい?」
マシュー「いやぁ、若ってフロリーナちゃんみたいな、年下のか弱い女の子がタイプっすから…てっきりあの子達も好みなタイプに入るんじゃ、なんて思ったまでですよ」
ヘクトル「!!……マシュー、テメェッ!俺をエフラムみたいなロリペド野郎と同類にすんじゃねーよっ!」
レイラ「ふふふ…」
ヘクトル「レイラ、お前も一緒になって笑うんじゃねぇっ!」

52 :紋章町商工会まつりがやってきた!〜祭り初日・中編〜:2014/07/13(日) 23:37:51.50 ID:tlMMxlUX.net
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ミルラ「今日はとっても楽しかったです…」
ノノ「ノノも。またこようね、絶対に約束だよ!」
エフラム「ああ、約束だ」
チキ「ヘクトルのおにいちゃん、とってもやさしいおにいちゃんだったの」
ファ「ニニアンのおねえちゃんがいってたとおりだったね。ヘクトルのおにいちゃん、らんぼうだけどとってもやさしかったもん!」
エフラム「……そうだ、ファ。忘れないうちに返しておこう。ほら、水風船」
ファ「…あ、忘れてた。エフラムのおにいちゃんありがとう!」
エフラム「さて、そろそろ6時だ。帰ろうか」
チキ「うん。そろそろチキ、ねむくなってきちゃったよぉ〜」
ノノ「…あれぇ、そういえばンンは?」
ンン「…すぅ〜…」
ンンはエフラムにおぶさられ、既に寝息を立てていた。
エフラム「おぶさってたんだが、疲れたのかそのまま眠ってしまったようだな」
ノノ「そっか〜。でもおんぶしてもらうの、ちょっとずるいなぁ」
エフラム「まぁそう言うなって。機会があればおんぶなんていくらでもしてやるよ」
ノノ「ホント?」

ファ「わ〜い、フーセンフーセン〜♪」
そんなンンとは対照的に、1人皆の先頭に立ち跳ね回りながら楽しそうにはしゃぐファ。
しかし辺りが暗くなりつつあったからかぬかるんだ水溜まりに足を取られたようで……

ファ「わぁぁぁーっ!」

バシャーン!

エフラム「!…ファ、大丈夫か!?」
一目散に駆け出すエフラム。
一方ファはあたかも火のついたように泣き出していた。
ファ「ふぇぇーん!!フーセンわれちゃったよぉ!ニニアンのおねえちゃんがかってくれたおようふくもドロだらけだよぉ!」
幸い石ころや危険な物が転がっていなかったお陰が、彼女に怪我はなさそうだ。
エフラム「何処か痛むところはないか?」
ファ「ないよぉ。でも、ドロドロのヌルヌルで……きもちわるいよぉ…。クスン」
エフラム「……確かにそれでは気分のいいものではないだろうな」
ンン「……どーしたですか?」
ファの泣き声に目が覚めたのか、ンンが目をこすりながら尋ねる。
エフラム「ンン、目が覚めたか。寝起きで悪いんだが、ちょっと降りて貰っていいか?」
ンン「…ん…。よく見たらファのおようふくがドロだらけなのです」
ファ「ふぇぇーん」


ミルラ「ファ、大丈夫ですか?」
そこへ、ミルラチキノノの三名も駆けてきた。
ノノ「服ドロだらけだよ〜、それじゃきっとイドゥンおねえちゃんに怒られちゃうよ?」
ファ「くすん、くすん…」
エフラム「お前達はここで待ってなさい」
チキ「エフラムのおにいちゃん、どこいくの?」
エフラム「まさかドロまみれの服を着せておく訳にはいかないだろう。大丈夫、俺に任せてくれ。では行くぞ、ファ」
そう言うとエフラムはファを抱きかかえて駆け出して行った。
ミルラ「あ……エフラム…」
チキ「いっちゃった…。だいじょうぶかなぁ?」
ンン「(とてつもなく、『はんざいしゅう』がするのです…)」
ノノ「…ねぇ!あれって、竜騎士だよね!」
そう叫ぶノノが指差す先には巨大な飛竜。
力強く羽ばたく音が徐々にこちらに近付いてくる……。

53 :紋章町商工会まつりがやってきた!〜祭り初日・中編〜:2014/07/13(日) 23:39:48.03 ID:tlMMxlUX.net
ミルラ「こっちに来ますっ!」
反射的に逃げ出そうとする4人に、飛竜に跨がっていた女性の声が響く。

????「……待って、私はあなた達を保護しに来たのよ。怪我はない?」
ンン「…お姉さん誰ですか?」
????「私?私はね……」




エフラム「…よし、ここなら大丈夫そうだな」
人気のない公園の公衆トイレを見つけたエフラムはファを連れて迷わず男子トイレに駆け込む。
室内は薄暗く、やはり人気はない。
エフラム「……誰もいないようだな。…よし、ファ。ひとまず汚れた服を脱ごうか」
ファ「ぅ……。ホントにいない?ファ、エフラムおにいちゃんいがいのオトコのひとにハダカみられるの、やだよぉ…」
エフラム「大丈夫だって、ほら…」
そう言ってファの服に手を掛けた時─────

???「……貴様、何をしている…」
突如後ろから槍を突き立てられた。
エフラム「な、お前達は…」
ツァイス「ベルン署だ。幼女監禁及び猥褻罪により現行犯逮捕する!」
エフラム「ち、違う!俺はただ…!」
ゲイル「いいからさっさと腕を出せ!…ミレディ、女の子の事は頼むぞ」
ミレディ「ええ、分かったわ。」
ファ「…なにがどうなってる、の?おにいちゃんたち、だれ?」
ミレディ「もう大丈夫よ。……あら、服が泥だらけなのね。……全く、こんな小さな女の子に何をしでかしたのかしら…」
ファ「ファ、よごれたままイヤだよぅ」
ミレディ「他の女の子達は竜王家さん宅に帰してあげたけど、この子は流石に泥だらけのまま帰す訳にいかないわね。替えのお洋服を用意してあげるから、一度ベルン署にいらっしゃい」
ファ「うん……そうする」


エフラム「助けてエイリーク!」
エフラムの叫び声は6時の時報と共に夕暮れの空に虚しく響くのだった。

54 :紋章町商工会まつりがやってきた!〜祭り初日・中編〜:2014/07/13(日) 23:40:22.71 ID:tlMMxlUX.net
(兄弟家)
エイリーク「……!」
エフラムの双子の妹、エイリークは何かの気配を感じ取っていた。
不安に胸を一杯にしながら、エリウッドの部屋へと向かう。
エイリーク「エリウッド兄上……」
エリウッド「やぁ、エイリーク。きみが部屋を訪ねてくるなんて珍しいけど…僕に何か用かい?」
いつもは胃痛に顔を歪めながら机に向かう彼であるが、エフラムヘクトル両名がいない時ばかりは機嫌が良いらしい。
エイリーク「兄上がまだお戻りにならないのです、それで私……ひどく嫌な予感がしたもので」
エリウッド「それは、つまり…」
エイリーク「ミルラ達との事で、またベルン署のお世話になる兄上の叫びが聞こえたような気がして…」
エリウッドの持っていた家計簿帳に挟まれたメモが何枚も何枚も音もなく舞い落ちる。
エリウッド「すまない……姉さん達に遅くなるかもと、伝えてくれないか」
エイリーク「はい、分かりました」






ヘクトル「おいマシュー。射的やろーぜ。負けたら夕飯奢りな」
マシュー「ほう、手斧手槍と自分にあった武器で的に当てる射的っすか。んじゃ俺はナイフでいかせて貰いますかね」
セーラ「えーマシューナイフ投げなんか出来たの?初めて聞いたわよ」
レイラ「こう見えてもマシューのナイフ投げはサザさんも認める程なんですよ」
店主「うっす、五回までだから坊主!投擲回数は守れよ」
マシュー「この場合、的破壊したりで手斧だと不利じゃないっすか?」
ヘクトル「…俺は選択肢に斧がある以上斧一択で行かせて貰うぜ!……でやっ!」


その頃ベルン署では────

ゲイル「ほら、さっさと入れ!」
エフラム「くそっ……手槍で的を撃つ射的台、ミルラ達が帰った後でやりたかったのに…」
リーフ「やあエフラム兄さん」
エフラム「なんだリーフか。さてはお前もまた…」
リーフ「兄さんこそ、また…」
二人「はぁ………」



────後編に続く?

55 :助けて!名無しさん!:2014/07/13(日) 23:47:50.01 ID:tlMMxlUX.net
>>26
乙です。エイリークもついに同人の世界へ・・・w
でも美人なので売り子としては人気がありそうw

>>39
乙です。どっちにしろシグルド兄さんは涙目方向wwww

>>45
乙です。アイク、ヘクトル、エフラムは上裸で夏場家を歩き回ってるイメージがあるけどクロムは俺系でも
あんまりそういうイメージがないなぁ

>>46
乙です。クロムと一応ロイ、スマブラ続投したらイイナー

56 :助けて!名無しさん!:2014/07/14(月) 23:15:38.54 ID:pz+A6vSWx
ルフレとルキナスマブラ参戦おめでとう
クロムも一応出るみたいだけどリン的なポジションに落ち着きそうだ

57 :助けて!名無しさん!:2014/07/14(月) 23:32:55.90 ID:FV7DcaUb.net
リーフ「ああ!兄さんが息してない」
クロム「……」

58 :助けて!名無しさん!:2014/07/14(月) 23:42:44.09 ID:zvJ2/ccF.net
クロム「…………」
ルキナ「…………」
ルフレ「…………」

クロム「…………、ルキナの顔を殴ろうとするとは。許せんぞファルコン……ッ!!」

二人((怒りの理由をシフトした……!))

59 :助けて!名無しさん!:2014/07/14(月) 23:42:50.88 ID:UckAsfLW.net
http://www.smashbros.com/jp/characters/reflet.html
http://www.smashbros.com/jp/characters/lucina.html

ルフレ「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!」
ルキナ「キタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!!!」
ルフレ「まさか参戦出来るとは思ってもなかったよ」
ルキナ「私もです。でも参戦する以上、精一杯やらせてもらいます!」
ルフレ「そうだね。言っておくけどルキナ、もし敵として出てきても手は抜かないからね?」
ルキナ「それはこちらの台詞です。ルフレさんが相手でも手は抜きません!」

クロム「………」
リーフ 「えーと、クロム兄さん。何と言えばいいか…」
クロム「…残念じゃないと言えば嘘にはなるがな。出番があるだけマシだと思っておこう。一応良い場面貰ってるしな」
ロイ  「そうだよそうだよ!出番あるだけマシだよ!あーもう、本当に羨ましいよ!!」
マルス「うーん、ルフレさんはともかくルキナは予想外だったなぁ。あの二人見るだけでトラウマ発動しないように気を付けないと…」


正直来るならルフレかクロムだとは思ってたが、ルフレ参戦はともかくルキナまで来たのはマジ予想外だったよw

60 :助けて!名無しさん!:2014/07/14(月) 23:46:15.83 ID:XtMYIPa2.net
公式でまでネタ扱いのクロム不遇すぎワロタ
ルフレルキナおめでとう

61 :助けて!名無しさん!:2014/07/14(月) 23:47:29.77 ID:XtMYIPa2.net
おっとsage忘れてましたすみません

62 :助けて!名無しさん!:2014/07/14(月) 23:47:55.86 ID:XtMYIPa2.net
またやっちまったすみません

63 :助けて!名無しさん!:2014/07/15(火) 00:55:46.87 ID:x87hcpNs.net
.>>60-61
まあまあそんなに気にしなさんな

クロムはアイクと若干被るから厳しいかな・・・と思っていたが、
まさかのルフレ参戦とは・・・。
あとクロムが終始瀕死状態で床に寝そべってて挙げ句の最後の台詞に不覚にも珈琲吹いたww
あれじゃ未プレイ者からしたらよっぽどの虚弱体質かネタキャラと思われかねんぞww

64 :助けて!名無しさん!:2014/07/15(火) 01:00:57.15 ID:f/yEcvCR.net
>>58
あまりのクロムさんの父親根性に涙した
見事な男だ

65 :TMR(of ephraim) 外伝6:2014/07/15(火) 01:09:27.92 ID:lTm3eIr/.net
 TMR(of ephraim) 外伝6 【Tiamo’s Madly Revenge(ティアモの狂気な復讐)】 >>26-36の続き

私ティアモは同人作家から卒業しました。
その後日のこと、読み残しておいた『恋愛必勝法マニュアル』の続きを読むことに。

 『恋愛必勝マニュアル』

恋愛道とは武士道と同じである。つまりは武士道とは生死を賭けた1対1の真剣勝負だ。
己を磨き上げ、その極みにある勝利を得るものである。(注意:ミスターブシドーは武士道を間違って解釈しています)
恋愛道とはガン○ムを賭けた真剣勝負であり、その極みの先にあるもの…争奪戦の頂点こそ、愛である。
だが戦いとは非情であるのが現実だ、これも肝に銘じておくがいい。
いかに勝利、愛を得るためには正々堂々に挑むのではなく、策を必ず謀る必要がある。
戦いで用いられる、兵法、戦術は恋愛にも応用することは明瞭であるな。
例え相手の方が手練れ、もしくは優勢であっても策次第では状況を反転することができる。
つまり、いかに好敵手が難敵、強敵、ガン○ムが難攻不落であったとしても
策を駆使すれば諸君らにも勝機、愛の成就があると言うわけだ。

まず基本中の基本は不意討ちだな。聞こえは悪いうえ武士道とは程遠いが効果は期待できるだろう。
不意討ちは相手の隙を作って動揺を誘う。隙を衝かれた心は脆いものだ。そこに追撃をかける。
そうすれば少し押してやれば簡単に揺れて落ちるだろう。
後はガン○ムを受け止め、その中の少年の心を捕える…これで完了だ。
と口で言うのは簡単だが、実際には難しいものだ、場数を踏む必要がある。

その次は姦計も効果的だ。故意に悪漢に追いかけられたところを助けてもらうように手配する。
助けてもらったら、“私にはもう何も差し上げるものはありません〜ホントに…
じゃあ、あなたに、わたしの大事なもの…あ・げ・る はあと”
とお礼と言わんばかりに相手に近づく作戦だ。

他にも陽動または囮もいいだろう。意中の相手に恋人がいたとしても、その相手をおびき寄せ遠くに引き離す。
一人なったところを恋人のことを考える暇を与えぬよう集中攻撃する。
悪い言い方をすればNTRと言われるな。
だが恋愛とは弱肉強食、寝取られた方も所詮君たちの愛の力はその程度でしかない。
仮に運命の赤い糸で結ばれていたのであれば、阻止できるはずだ。

 ………

この本によると恋愛道と武士道は同じということでしょうか。
恋愛を成就させるためには何かしら手を打たなくてならないこと?
そうね…私は仮にもシビリアン。当然私の恋敵は武装しているでしょうね。
その宿敵に真っ向から挑めないわ…本当にこの指南書には感銘を受けるわ!

如月に入り、最も重要な日を迎えることに。それは恋する乙女達が意中の相手に好意を伝えることを後押しするイベント、
みなさん御存じのバレンタインデー。私の住んでいるこの紋章町でも毎年行われています。
“バレンタイン?製菓メイカーに踊らされて何してるんだか…それより漫画を描かなくちゃ” 去年まではという私でありますが、
今年は違います!何を隠そう、運命の人であるクロム様に出会ったからです。
しかしクリスマスの夜は惨敗に終わる結果に…まあその時はダサい芋女でしたから仕方ありませんね。
よってこのバレンタインにリベンジをしたいと思います。
手作りチョコレートと時期的に遅いですが年末から作っておいた手編みのマフラーもプレゼントして
クロム様のハートを狙い撃つ!…いえ射抜いてみせるわ!
………ここでまた問題点が、私はクロム様の連絡先を知りません。
これでは作ったのに渡せませんじゃないですか!
神様のバカヤロー!なにがバレンタインだ!
意気消沈した私はバレンタインデーなんてどうでもよくなりました。


憎きバレンタインデー当日のことです。これほど嫌な日は過去において経験したことがありません。
街は微笑ましいカップルが黒くて頭にゴのつく人類の生命体の如く、うじゃうじゃと湧いていました。
どいつもいつもイチャイチャしやがって、こいつら全員死ねばいいのに…
本当に『死ね!バレンタイン』って感じですね!

66 :TMR(of ephraim) 外伝6:2014/07/15(火) 01:09:57.00 ID:lTm3eIr/.net
学校は女子高のはずですが…なんか女の子同士でチョコを交換し合ったりしています。
レズの何がいいんだか、はあ〜早く帰りたい。
ようやく学校が終わり、速攻で家に帰ります。だってこの空気を吸いたくないじゃないですか!
帰って何しようかなー、前だったらマンガ描いてたけど…大人しく不貞寝でもするか。
そう思いながら商店街を歩いていた所…
紺色の髪で冬なのに相も変わらず右腕だけノースリーブの男性を見つけたのです。

なんという僥倖!生き恥(一人身)を晒した甲斐があったというものですね!

これは神が私に与えてくれた千載一隅の奇跡としか言いようがありません!
と声を掛けようとしましたが…なんと隣に女性がいるではありませんか!
そ…そんな…私のクロム様を…あのクソ女が誑かせたのね!
しかし元々付き合っているわけでもないので私に咎める権利はなく、一方的に現実を喰らいました。
…諦めきれない私、ならどうする?
そうだ、NTRすればいいじゃないですか。恋の指南書にも書いてあったことですし、なんて簡単なことでしょう!
でも仮に成功して逆恨みされたらどうしよう…殺せばいいか、死者は文句を言えませんし!
非人道的?違うわ、恋愛道とはガン○ムかけた真剣勝負。戦争なのよ!
だから殺してでも奪い取る。勝った者が正義なのよ。
というわけで私は近くの本屋でエムパカタログ(鈍器)を購入し、クロム様達の後を追いかけました。
人ゴミに紛れながら気配を消して背後から忍び寄るように近づいていき、
遂に女の後ろとり、今まさに必殺の一撃を与えようとしたときです。
女が振り向き、顔があってしまったのです。これはかなり気まずい…どうやってごまかそうかな…
それ以上に驚いたのはクロム様の隣にいた女性はエイリークだったことです。
普通髪の色で気づくと思われますが、彼女は毛皮の帽子を被っていたので誰だか分りませんでした。
「ティアモさん、どうしたのですか?」
と何事もなく挨拶をするエイリーク。
殴るモーションを必死に隠そうとしますが、如何せん重量のあるエムパカタログは隠しきれません。
しまった…計画が台無しじゃないですか!と思っていると
「カタログですか?ティアモさん同人はお辞めになったはず…」
と同人の方に注意が行っているようだったので、咄嗟に
“辞めたのは描くこと!今度は買い手の方を楽しまない?とエイリークを誘おうとしたけど、
 バレンタインデーだし、水を差すのはいかがなものね” …と言い訳をし、即座に退散することに。
クロム様はなんだアイツ?という顔つきをしていましたが深く追求しませんでした。

再び距離をとってLet’s!stalking。ですが未だに私は信じきれませんでした。
私の想いの人、クロム様とエイリークがデキていたなんて…ティアモ超Shock!
エイリーク、あなたはエフラムと同じく私の恋路を阻もうとするの!
彼女との育んだ友情はもはや憎悪と化し、それすら超越し恋の好敵手に。

その後二人は、人気のない空き地まで歩いて行きました。
これは…まさか…まさか…私は今後の展開を高速思考で想像することに…

予想通りエイリーク顔を紅潮させチョコレートを渡します。
あーやっぱりね…それで次はキスよね。やるなら早くしなさいよ、この勝ち組め、どーせ私は負け組ですよ!
見せつけてくれちゃって!断崖絶壁のどこがいいんだ、私の方が胸囲勝ってるんだバカヤロー!
憎悪に取り込まれた私ですが、嫌なら邪魔すればいいものを律儀に最後まで見守ることに。
すると…クロム様とエイリークは互いに剣を交えました。
恋人同士なのになんで剣を交えているの?普通ここまで来たのならキスするのが普通じゃないの?
ここで私はある結論に至りました。

クロム様は真顔で好きと言えない人だから、剣でその思いを伝えようとしている。
それは言葉では表わすことができない大きなもの。
彼女は思いを受けるために剣で受けようとしているのかもしない(※ただの手合わせです)
つまり、私がクリスマスに振られたのは剣を持っていなかったから?

67 :TMR(of ephraim) 外伝6:2014/07/15(火) 01:10:31.43 ID:lTm3eIr/.net
つまり果たし合い…いえ果し愛。乙女座の人も剣撃に自分の想いをぶつけていたはず!
ならクロム様は背中を任せられる強いに人間に惹かれるということに!
見えたわ、私がエイリークからクロム様を奪還する方法が!
私が剣を持って彼女より強いということをクロム様に示せばいいのね!
ただ、エイリークは双生器である雷剣ジークリンデを有している。
はっきり言って反則よ…越えるためにはそれ以上の戦闘力をつけなくてはいけないということね。
だったらするべきことは一つ、彼女より強い剣士になること!
これは修羅の道、冥府魔道の旅路いえアンリの道だとしても必ず越えて見せる!
そしてその先の愛を手に入れるために!!

次の日、私は退学届を出そうとしますが周りは全力で止めにかかります。
ですが私は聞く耳持たんと言わんばかりに学校を後にしました。
この時私は、同人作家→名門女学生→無職に。肩書きなんてどうでもいい、私は一秒でも時間が惜しい…
学校で勉強している間にエイリークとクロム様が距離を縮めているのだから。

あれ?…学校辞めたのはいいけど、ところでどうやったら剣士になるのだろう?
私はシビリアンであり、剣が持てません。
ならクラスチェンジしようと大急ぎでチェンジプルフを買って来て使いますが、 
転職先が無いと結末に…orz
私一生剣士になれないのですか!!

打つ手なしかと途方に暮れようとした時、都合よくエフラムの言葉を思い出します。
それは昔、孤児院で初めて話した時に言っていたこと。
彼は元々槍ではなく剣を扱っていて、ある出来事で変わった…と、
たしかバレンシア地方で…どうとか…
考えているだけじゃ前に進まないわ!とにかくバレンシアに行ってから考えましょ!
とポジティブシンキングをすることに。
要らないもの全て売り、アパートを解約し、荷物をまとめバレンシアに旅立つのでした。

 ………

何の策も無いままバレンシア地方までやって来た私、
剣士になる方法を得ようとリゲル地区を横断していると、あろうことかゾンビに包囲されることに。
初めて目にする異形の者に半ば興味を持ちましたが、相手は人を襲う魔物、今更ながら身の危険を感じました。
私の武器はエムパカタログだけです。角で攻撃をしますが重すぎて効率が悪く、多勢に無勢、追いまれます。
このまま…私は死ぬの?
何もできないまま、何もしないまま死んでしまうの?
南無三と覚悟を決めた時…
漆黒を基調として各所黄金に輝く鎧を着た、ナイト系の最高位であるGナイトのユニティ、
その容姿、金髪で顔は超の付くほどイケメンの騎士が突然現れ次々とゾンビを倒して行ったのです。
私は何が起こったのか分からずただ茫然とするだけで、
最後の一体を倒した後、私を救ってくれた方が声をかけて下さいました。
この状況は運命の出会いと言ってもいいでしょう。
並の女性ならイチコロでしょうが私にはクロム様がいますからね、この方が好きになるなんてありえません。
私の内心はこれくらいにして、騎士様は
「なぜ村人の君がここを出歩いている?自殺行為だぞ」
…と最もですね、その反応は。でも虎穴に入らずんば虎児を得ず、危険を冒さなければユニティになれないのだから。
助けて頂いたお礼とここにいる経緯を話すと、騎士様は私を後ろに乗せ、とある場所に向かいました。

連れて行かれた先はバレンシア地方の最北端に広がるルドルフ氏が領主としている場所。
騎士様もわけあってここで雇われているようで、お館様に話を通して下さり、しばらくの滞在の許可をとりつけて下さいました。
孤児であり市井出である私のためにこれほどの待遇をして頂くなんて…世の中捨てたものではありませんね。
ただ驚いたことにお館様が私にお目にかかりたいと言ってこられたのです。
その後、面会を兼ねた食事をすることに。
ルドルフ氏は私が同人の神であり、紋章町の歴史にも明るいことに興味を持たれ、
また私は自分の素姓とこれまでの経緯を赤裸々に話しました。

全ての人間に肉親がいないこと。
孤児院で育ったが神はすべての人に愛を与えず無慈悲である知ったこと。

68 :TMR(of ephraim) 外伝6:2014/07/15(火) 01:11:15.55 ID:lTm3eIr/.net
愛をくれる人まで淘汰される残酷な世界にいること。
私が同人誌で売り上げを孤児院に寄付することは唯の偽善だと気づいたこと。
偽善の為に我が身が朽ち果てることに辟易したこと。
愛はどういうものか…自己欲求を満たすだけのモノ、与えてもらうのでなく掴むモノ、決して与えてもらうものではないものと考えたこと。
温室育ちの人間や、愛を与えてくれるのもだと他力本願な考えの人間に対して、
何も守れない、何も変えられない、己の理念も貫くこともできないと憎悪を持ったこと。
神が作った歪んだ世界の歯車でただのモブキャラとして生きるのではなく、
私自身の意思で生き、未来…愛を手に入れると決め、
その愛を得るために恋敵である人間より、精神的にも肉体的にも強くなるための力を欲しいていることを…

私の心内を把握したルドルフ氏はある有力情報を教えてくれました。
それは転昇の儀、バレンシア地方特有のクラスチェンジ方法。
ミラかドーマ教を殉じる者にのみその資格が与えられるが、
力や愛、そして生きることを冀う者に対し神が応える事例が確認されている。
ここにいる騎士様、私を助けた金色の髪を持つ男性もバレンシアに縁がないにも関わらずユニティに昇れた一人であり、
なら私も可能性があると踏まえたお言葉でした…

後日、騎士様と従者シルクの付き添いのもと転昇の儀式を行うことに。
ただそれは確実ではないですが…やるしかありません。私にできることは道なき荒野を進むのみだから。
着いた先はリゲルの滝壷にある秘密の祠、マミーが大量発生する絶好の経験値稼ぎの場。
魔物を蹴散らし、最奥の僕像まで進みシルクが転昇の儀を始める。
「この者、不詳のティアモ。その力と意思を推し量り、ミラとドーマの祝福をもって傭兵に至る転昇の儀、
 あたわざるや否や知らせん」
正直言って神を不信としているのに、結局は神頼み…これは屈辱だ。
いや違う、これは臥薪嘗胆、修羅の道。矛盾を孕んだとしても自分の軌跡(みち)を切り開くための試練。
私は変わる…己に革命を起こし、愛を手に入れる。これが私の生きる軌跡。

彫像の目から光の糸の繭が私を包み込み、完全に密閉される。
すると体中に激痛が走り、既存の筋肉を構築する細胞の結合が一度切断され、新たな組織を再構築するようで、
繭から出た私が地面に足をつけた時、体の大きな異変に気がつくことに。
躯体が非常に軽い、まるで低重力下にいる錯覚を…
つまりは肉体が強化され、高次の戦闘形態になった証だと言える。
そう私は剣を得物とする傭兵のユニティに昇ること、剣を持つことが赦された。

 シビリアン(村人)→ 傭兵

無事儀式を終え祠から出る頃には不浄者が蘇り、
私は騎士様に借りた剣と新たに得た力でマミーの群れを殲滅させる。
それと同時に体に違和感が走っていた。

屋敷に戻り報告すると、ルドルフ氏は吉報を喜ぶ中、忠告をされました。
その力を欲望のために揮うには二通りに分けられる。掠奪者と破壊者。
掠奪者は、過去に縛られ前に進むこと止め、いわば本能で動き、他者を蹂躙することに悦楽を感じる獣。
破壊者とは古い秩序を打ち砕き、再生という新たな世界を生み出す先駆者であり、矛盾と知りながらも行動する偽悪者。
…そうだ、私は先の戦いのとき力任せに敵を薙ぎ払っていた、違和感とこのこと?
ならどうすればいいと、身の程を弁えていない事を承知で訊けば、
ルドルフ氏は懐から自害用の小柄を取り出し私に向けました。
その短刀の刃先は曇が無い鏡の如く澄んだ輝きを放っていた。恐らく切れ味は言うまでもないでしょう。
私の無礼に憤りを感じ、始末するのだろうと息を飲む。
しかしルドルフ氏は、この小柄のような心と剣技を身につけよ…と仰られました。


それから後日、私はルドルフ氏直筆の書簡を携え、地図を頼りにある人物を尋ねることに。
件の人物とはルドルフ氏の小柄を打った人物であり剣匠としても腕がある人間。
私はその方に会いにいくため、荘厳なリゲルの滝の近くの森の山道をひたすら登り、
地図が示す場所に着くと辺りには集落もなく一軒の煙をあげた建物があるだけでした。
ここに私の師となる人が住んでいるのか…恐れながらも建物の中に入ることに。

69 :TMR(of ephraim) 外伝6:2014/07/15(火) 01:11:56.25 ID:lTm3eIr/.net
中に入ると一人の若い男性がいた。この人物がそうなのでしょうか?
彼に要件を述べようと近づこうするとしきりに距離を取れと拒む。
そうはいかないとルドルフ氏から預かった書簡を渡し、内容に目をとおした彼は頭を抱えみながら、
「あの人はいったい何を考えているんだ?」
と愚痴をこぼしますと、視線を合わさないように私を見るなり、
お前は俺に剣を師事したいために此処までやって来たのか?と問う。
私は、はいと返事すれば、ルドルフ殿の頼みでも出来ない、悪いが帰ってくれないか…拒否される。
押し掛けで弟子にしてくれと不躾なことは百も承知。
だけど、私も引けない理由がある。私は彼に喰い下がり、隣接するまで距離を詰めて想いを伝えようとしたら、
「これ以上近づくな!」
と頑なに拒絶反応を取る。私はそんなに嫌なのか?
「すまない、俺は女が苦手でな。できれば一緒にいたくないんだ」
剣の師になるのもそうだが、それ以上に私が女だと言うことが理由なようだ。
女だから剣を持ってはダメなのか、そんな訳はないエイリークだって持っている。
だから彼が偏見を持っているだけだ。そのことを私は物怖じせず咎めると、
「そうではない単に俺は女が近くにいると痙攣を起こすからだ」
という答えを返す。つまりこの人は男食家ですか…いやまあそれはおいといて、
私は師事したい理由を伝えると…
「…つまりだ、君は意中の相手の傍にいたいがために強くなりたいというわけか…
 馬鹿らしいな。そんなことのために剣を振るうのか」
…そうね、孤高の剣豪なら私の動機など、頭に蛆虫が湧いているほど理解し難い。
だけど、私は今までの経緯を切実に話すと…彼の心に響いたのか
「できる限りのことはしてやる。だが、お前が望む程のことはできなくても文句は言うな」
と渋々承諾を頂くことができた。

それから私はこの家に住み込みで修行にすることに。
また剣の弟子の他に鍛冶(ブラック・スミス)の助手も兼ねるようになりました。
実はというと師匠は少し名のある鍛冶屋であり、家に併設された工房で鉄を錬成をしているのです。
普段は鍬、鎌、鉈、包丁など生活に必要な実用品を打ち、店に卸すことで生計を立てていますが、
決して利益追求のためでなく、あくまで最低限の銭稼ぎの範疇だそうです。
なら剣は作らないのか?と私も疑問を感じて聞いたのですが、昔に廃業したそうです。

 ………

剣の修業が始まるにあたり、私に課せられたのは剣を握る前の体を作りです。
これは薄い紙を重ね続けて山をつくることと言っても過言道のりですが、仮に鋭く冴えた剣技をもつ器があろうとも、
資本である体が脆弱では、長時間に渡り武器を扱うことができません。
長期戦を強いられたら負けは確定であり、また剣士のウリは速さと身軽さであり強靭な足腰あってこその強さという理由です。
よって傭兵のユニティに昇れたといえど、つい先日までシビリアンで体が軟弱な私は体力と筋力をつける修行から始めるのでした。

毎日拠点である家から市街地まで赴き、生活に必要な物や刀の原料になる鋼材“玉鋼”を買いに行かされます。
時には良質の玉鋼が取れる恐れ山や竜の谷に自ら調達をすることもありました。
魔物に遭遇したら”スタコラ逃げろ!そうすれば自ずと足が速くなる。また危険察知の勘が鋭くなる“
というのが師匠の狙いだそうです。
ただ…竜の谷はDゾンビしかいないという鬼畜な場所で、一瞬でも気を抜いたら囲まれて終わりという状況でした。
これが獅子は子を戦陣の谷も落とすということですね…

買いだしが終わり、拠点に戻ると私は刀鍛冶の助手として働きます。
ただ鍛冶業営む人間には隻眼が少なくないとされ、
理由として顔面の間近で1,000℃越えの鍛冶を行うため失明するからです。
とはいえ技術は日進月歩、目や顔を守るための保護具が紋章町でも作られています。
ですがそのデザインは奇抜であり、端的に言うとローローが付けている般若面です。
よって鍛冶現場ではローローハウス化していることもしばしば…
話が逸れましたが、原料の玉鋼を高温炉で熱し、薄く延ばし、使用分ごとに小割りにします。

70 :TMR(of ephraim) 外伝6:2014/07/15(火) 01:12:47.59 ID:lTm3eIr/.net
再び熱し、 “鍛練”作業に入ります。この鉄を鍛練する行為はとても重労働です。
鉄を溶かす程の高温炉の傍ら故熱い環境の中、
私は非常に重い長柄の向槌(ハンマー程度の認識で)を振り上げたと同時に背筋を伸ばし、
全身を沈めるように叩き下ろす役割を担っています。
一連の動作を行う度、息は汗ばみ息が切れ疲労で腕が重くりますが、途切れることなく打ち続けなくてはなりません。
故にそれは成人男性でも投げだすような重労働とされています。
一方師匠は私が与えた後、微調整として小鎚で形を整えます。
これは完成形を把握している人間の役目だそうです。

この日常を送ること数カ月…私は剣技はおろか、剣すら持たせてくれません。
不満を感じながらもこれも修羅の道と捉え、ただひたすら健脚作りと鍛冶打ちに専念するのでしたが、
我慢弱い私は毎日の日課である街へ買い出しのついでに本屋に寄り“る○うに剣心”を大人買いすることに。
これは剣術とは何かの手解きです。何故戦術書や五輪の書でなく漫画かと?
長年の同人生活を送っていたので、漫画から知識を得る癖が抜けていないのです…orz

その夜の日課を終えた私はさっそく、日中に買っておいたるろ剣を読み耽りました。
次の日から、緋村抜刀斎の意匠し、長く伸びた赤い毛をえりあしの辺りで結う髪型にし、
夜な夜な独学で天龍閃を研究していました。
…おかしいですか?みなさんも厨房の頃アニメや漫画に影響され、必殺技とかやったりしませんでしたか?


独学で剣技を身につける行為に熱意を受けたか、危惧したのか分かりませんが、
師匠は剣技の伝授してくださるようになり、それを機に師匠は刀鍛冶を再開するようになりました。
本来師匠は刀鍛冶だったそうでしたが、理由あって廃業としていたそうです。

刀鍛冶…それは己の心を研ぎ澄ますことでもある。
刀身の研ぎ澄まされた輝きは心の照り返しを表し伸びやかに反る様は心の在り様を示す
“気高く崇高であれ - Heart of Sword -”
刀はそうした方向性の追求により生まれたと言われている。刀に限らずそうだが武器は何かを壊すためだけではない。
物に込める意味はいくらでも変えられる
…と普段無口な師匠は雄弁に語り、
今まで私に剣を持たせなかったのはこの極意を体感させたためだそうです。
私は感服すると同時に、今までただ焦っていたことに深く反省した。

それから鍛錬の日々と剣と刀鍛冶の修行と日々が始まり、
数か月の過ぎた長月のこと。
修行の成果を得るため、私は転昇の儀を行うことに。
傭兵から剣士に昇れたのであれば、その筋で一人前の戦力といこと。
僕像の前に赴き、剣士に昇ることを冀った私は再び光の繭に包まれた。

 シビリアン(村人)→ 傭兵 → 剣士

剣士に転昇した私は、更に増した力に実感が湧く。
師匠には悟られないようにしているが、実戦、師匠以外の相手と剣を交えたくて堪らなかった。
また師匠は私の剣士になったのを機に、刀の鍛練を伝授するようになる。
紆余曲折の末、師匠の手を借りて初めて自分自身の処女作品が完成させた。
師匠の刀に比べれば鈍らでしかないが、出回っている剣よりかは遥かに性能が良かったと思う。
この刀は“魁-サキガケ-”という銘を付けた。
魁とは雄々しいという意味が馴染みだけど、物事のはじめになることでもあるの。
ルドルフ氏に言われた“破壊者とは古い秩序を打ち砕き、再生という新たな世界を生み出す先駆者”
先駆者こそ魁であり、私は破壊者、自分の欲望のため力を揮う者であることを忘れないため。

季節は収穫の季節の秋、神無月のある日、私と師匠は作った物を店に卸しに行きました。
豊穣の土地であるソフィア地区では農業が盛んであり、鍬や鎌、鉈といった農具の欠かせないことから、
食いつなげるには十分な程の需要があります。
工房から麓の村までは背負い、そこから荷馬車を手配し、ソフィアまで運ぶのでした。
ソフィアに着くなり、街は収穫際の下準備で煩雑としていました。
お祭りですか…そういえば、コミケ以来こういった人の多い所に来てなかったですね。

71 :TMR(of ephraim) 外伝6:2014/07/15(火) 01:14:22.79 ID:lTm3eIr/.net
師匠は卸売業の店主と話をしている間、私は自由時間を与えてくれました。
私物を今のうちに調達しておけということでしょうか、私も女性であること気遣ってくれたのでしょう。
感謝致します。


私は早速、賑わう街で化粧品や小物といった物を買いに回っていた時…
誰かに声をかけられました、もしかしてナンパですか、どこの誰よ困っちゃうわね…
「何故貴様がここにいる?」
その声の主はエフラム。私も同じことを思った…それに貴様って、以前の彼なら私のことを君だと呼んでいた。
つまり、彼は私に敵意を見せていることかしら、無論私も同様だけどね…
「ロリコンが私に何か用かしら。もしかして私に自分が間違っていたと土下座をしに来たの?」
私は彼を挑発する。もう彼のことなどどうでもいい、既に袂を別けた関係なのだから。
「違う。貴様はここにいて刀を持っているんだ」
私が刀を持って何が悪い?あなただって槍を持っているじゃない。その言葉は矛盾ね…それにもはや話す舌なんて持たないわ。
よって彼の問いを無視してその場を立ち去ろうとする。
「答えろ、何故貴様が武器を持つ!」
はっきり言って五月蠅すぎだ。
私は無言で抜刀し、剣先を彼の顔面に向け寸止めする。彼も焦る素振りもなく、紙一重の距離で止まり、冷静に答える。
「どういうつもりだ、貴様はこれほどに野蛮だったのか?」
「答えて欲しければ、無理にでも聞き出し見たらどう?」
「わかった…いいだろう」
私の意図が通じたのかエフラムは数十歩後退して、槍を構える。
それまでミラの顔をしたただのロリコンが一変して、ドーマの顔した極みを求める武人に豹変する。
これが例外のユニティ…ドーマとミラの両方の顔を持つ者。
私が初めて見せる彼の別の顔、ドーマの顔に武者震いが走るも、私はそのあなたと戦いたかった…と狂喜に満ちた。
それはジャギ様(北斗の拳)の“兄より優れた弟はいない”という自論を用いれば、
あなたに勝てばそれはエイリークに勝ったということ、クロム様の傍にいる権利は私の物となる。

私は、抜刀した刀を左の両手持ちで構える。元々私は左利きであり、尊敬するブシドーによるものでもある。
両手持ち…隙は大きくなるけど、威力が格段に上昇する。経験が浅い私が勝機、決定打を生み出す構えであり、
私が毎日鋼の鍛練で鍛えた振り下ろしの型を最も活かせる。

「いざ尋常に…」「勝負!」

互いに号令掛け合い、戦いの火花が舞い散る。
エフラムの得物は槍。射程が圧倒的に長いにも関わらず、私は一瞬で距離を詰め寄る。
彼は間合いを詰められまいと、先手必勝の一撃を放つとうするが、
私の速さに彼の顔に驚きの表情が見せ、肘を伸ばそうとした手を即座に止めた。
それもそのはず、私の速さは通常の3倍。いえ神速を越えた超神速の縮地。

“縮地”―る○うに剣心巻之十五、第170項より
『強靭な脚力で、初速からいきなり最高の速さに達する足運びで、
 一瞬の内に相手の間合いを侵略することで幻の体技。
 流派問わず剣術界に広く流布されて伝えられている。
 決まると常人の目にはまるで仙術の類を使い、
 地脈を縮め距離を短くし瞬間移動したかの如く写ることからこの名で呼ばれる』

そう、私の修行の初めに重点的に行っていたのはこの領域に達するまでの布石。
強靭な脚力を作るために毎日買い出しに行かされた。
初速から最高速度に達する瞬発力、持続性を作るため、魔物の拠点まで赴いたことは全て意味があった。
私は自分の剣の領域まで入り込むと、上段の構えから剣を振り下ろす。
「エフラム、引導を渡す!」
「チィィィ」
舌打ちを鳴らしながら、エフラムは咄嗟に槍の柄で私の斬撃を受け止める。
恐らく初手を放っていたのならこの動作は間に合わず、斬られていたであろう。
しかし、彼は危険を感じ初手を放たなかった。これが結果的に防御に繋がる。
これは戦いの経験から掴み取った第六感とでも言えようか。
その後も私は縮地で一瞬に距離を詰め、斬撃を受け止める光景が繰り返される。
鍔競合いの至近距離で私は防戦の一方の彼を挑発する。

72 :TMR(of ephraim) 外伝6:2014/07/15(火) 01:14:57.58 ID:lTm3eIr/.net
「歯ごたえがないわ!女だから手を抜くか、それとも私を侮辱するつもりなのっ!」
「何を…愛を望んでいるなら、剣など必要ないはずだ!貴様が剣を持つ理由はなんだ!!」
「愛する人のために剣を揮う、だたそれだけよ!」
「そんな理由で!」
感情が高揚した一瞬の隙を付き、槍を弾き、私は彼に蹴りを入れる。彼は態勢を崩し、倒れ込む。
起き上がろうとするが、その動作は鈍く、表情が険しい。脚のどこかを負傷しているのだろうか?
私は倒れている彼の前に達、剣先を向ける。
「どうした、斬らないのか?」
エフラムはこの期に及んでも強気の反応をみせる。それでこそユニティのあるべき姿ね。
しかし負傷している彼を倒したところで、私がエイリークより優位性があると証明されたわけではない。
だから私は敢えて情けをかける。
「体が万全でないとは、なら斬る価値もナシ…」

その時、私の背後から敵の気配を察し、振り返ると二人のソルジャーが槍を構えていた。
兵士達は人のような生気を感じず、傀儡の人形のようだった。
「ジェニーか」
エフラムは誰かの名前を呼んだ。ならこの術者が呼び出した幻影だということ?
私は一瞬で兵士達を斬り伏せると、その体からは血飛沫を流れず、煙のように消えて行った。
再びエフラムの方に焦点を当てると、一人の少女が視界入る。
おそらく彼女がジェニーであり、幻影の術者ね。
彼女はエフラムの前に仁王立ちをする。
何故彼を庇うのか、おそらくロリコンに誑かされた馴れの果てだろう。
「引きなさい、少女。ここはあなたの出る幕ではないわ」
私怨の決闘に彼女を巻き込みたくない。しかし、言葉に耳を傾けず、
「私はエフラムさんを守ります。これ以上戦うのならあなたを倒します」
その覚悟潔し。なら倒す、それが彼女の本望でありユニティだから。

私が少女に刃を向けた時だ、第三者の叫びが聞こえる。
「やめろおおおおお」
…聞き覚えのある声、師匠の声だ。しかしその後、師匠は気を失う。この状況私も周りも理解できずにいた。
ただ、私闘をしている場合ではない事は確かだった。師匠を運び最寄りの宿に寝かすが一向に意識は戻らない。
ジェニーはシスターのユニティであり、杖なしで治癒魔法であるリカバーが使える。
彼女の救命の師匠に着ききりでリカバーを施す。その姿を信頼し看病につかせ私はエフラムと共に部屋を出た。
「いったいどういうことだ?」
「そんな私でもわからない」
おそらくジェニーがエフラムを庇ったシーンが原因だろう。
なら何故?…そういえば師匠。刀鍛冶の上達の手掛かりとして資料を読み耽ていたとき
古びた日記を見つけたことがある。文章の書き方からして男性、師匠のものではない。
その人物と何らかの関係があるのだろうか?

夜には別行動していたセリカが合流した。
私の変貌ぶりを見るなり何か言いたそうだったが、看病の手伝いに回った。
朝日が昇り、街が収穫際で賑わう中、私は師匠が目を覚ましほしい師匠の回復を祈るしかなかった。

 つづく…
 
 ………

刀鍛冶関連は“聖剣の刀鍛冶”という漫画を参考にしています。
るろ剣ネタにも走ってしまってすみません。


>>45>>47 もう完璧に『ムッツリリーナ』なような…
>>49   やはりエフラムは捕まる運命なのか、ヘクトルも人情あふれて良かったです。

73 :助けて!名無しさん!:2014/07/15(火) 02:22:59.51 ID:iLQKf84g.net
エリンシア「キャプテンファ○コン様〜!KINNIKU☆KINNIKUブバァァッ!」
ミカヤ「自重しなさいエリンシア。床が血まみれじゃない。ごめんねルキナ。せっかくの晴れ舞台だったってのにこの子ったらもう」
ルキナ「いいえ、とんでもないですよ」
エイリーク「ルキナ、やはりあなたは私達の希望の星です」
ルキナ「エイリークさん?…はい、ありがとうございます」
ロイ「(絶壁崇拝って怖いね)」
アイク「クロム、残念だが今回はお前とスマブラで手合わせとはいかなかったな」
クロム「ああ、そういう事になるな…」
ルキナ「ふふふ。新規者としてよろしくお願い致します」
アイク「…よろしく頼む。早速だが、稽古といくか?」
ルキナ「はい、喜んで!」
クロム「…待て!」
ルキナ「お父様?」
クロム「いや、その…流石に今ここでやり合うのはマズイだろ。それにアイク兄さんには訓練用の剣で稽古して貰わないと」
アイク「分かった、ところでマルスを知らないか?アイツめ、スマブラの情報が放送されると同時に姿を眩ましたぞ」
クロム「いや、知らん…(先週からマルスと手合わせ手合わせ言ってるからな兄さん、そりゃ逃げたくもなるだろ)」
ルキナ「確かに、ファルシオンの継承者としてマルスさんの剣の腕前を一度この目でじっくり見てみたいものですね」
ロイ「やめたげてよぉ!」

74 :助けて!名無しさん!:2014/07/15(火) 02:25:36.09 ID:iLQKf84g.net
ピンポーン

ミカヤ「あら、お客さんだわ」
ルフレ「こんにちは、ルフレです」
ミカヤ「いらっしゃい。どうぞ上がって上がって」
ルキナ「ルフレさん!」
ルフレ「やぁ、ルキナ。今回はスマブラ参戦おめでとう」
ルキナ「それならルフレさんだって…」
アイク「しかしルキナはまた腕を上げたな。CFはパワーもスピードも兼ね備えた強敵だが、実戦経験もなく互角に渡り合うとは」
ルキナ「いいえ、あの時ルフレさんが来て下さらなかったら私」
クロム「!」
ルフレ「本当に怪我はなかったかい?」
ルキナ「も、勿論です…!」
クロム「ルフレ…貴様っ!娘は絶対にお前にはやらんぞ!」


リーフ「それにしてもまさか公式の動画で終始ズタボロな上娘に助けて貰うとか最後の最後でこの人でなしカットが入るとかやっぱりクロム兄さんは僕の同志、はっきりわかんだね」
エリウッド「公式で不遇扱いというなら僕も入れて欲しい」
涙目グリーン一同「ナカーマ」
クロム「エリウッドにリーフ!どういう意味だそれは!俺は断じてネタキャラなどではない!」

75 :助けて!名無しさん!:2014/07/15(火) 08:52:07.50 ID:OBEQZbBY.net
なくはないです。
http://i.imgur.com/1HHPRrO.jpg

76 :助けて!名無しさん!:2014/07/15(火) 09:15:14.92 ID:J4JZpLv4.net
ヒント:ルキナはマルスのカラーチェンジの可能性

ロイ「つまりマルス兄さんの高度な女装という説も」
アイク「ああ……姿を見せないと思ったらそういう事か」
クロム「ねーーーーーーよ!!」

77 :助けて!名無しさん!:2014/07/15(火) 12:15:11.18 ID:hTJp6gZTB
ルフレ参戦!!
クリス♂「…」
クリス♀「…」
ルフレ「なんでそんな満面の笑み…しかも武器もって…ぎゃああああ」

カタリナ「満面の笑みでクリスに迫られるなんて羨ましい」

78 :助けて!名無しさん!:2014/07/15(火) 18:34:03.24 ID:OX1EZFMc.net
今後クロムに対して「なくはないです」がNGウ…NGワードになりそうだなw

79 :助けて!名無しさん!:2014/07/16(水) 02:34:43.83 ID:9MY7oxdE.net
ティアモさんなかなか壮絶な人生送ってるのね…
こっからどうペガサスナイトに繋がっていくのか楽しみ楽しみ

80 :助けて!名無しさん!:2014/07/17(木) 03:14:48.57 ID:OMCFG943.net
クロム 「だが待ってほしい。ルフレは俺の半身で一心同体だからルフレがプレイヤーキャラであるということは
     つまり俺もプレイヤーキャラであるということにはならないだろうか? いや、なる」
ロイ  「ならないと思うけど……」
マルス 「それよりもスマブラでデュアルアタックかましたときにラッキースケベという名の放送事故が起きないか心配ですよボカァ」

81 :助けて!名無しさん!:2014/07/20(日) 12:44:11.74 ID:XfuTeKWQ.net
クロム「…おはよう、ロイ。朝から玄関掃除してるのか。感心感心」
ロイ「おはようクロム兄さん」
クロム「ところで朝から姉さん達が出掛けてるみたいだが、朝食は各自用意しろという事なんだろうか」
ロイ「冷蔵庫の中に昨日の残り物が『なくはない』と思うんだけどな」
クロム「……」
ロイ「……クロム兄さん、ひどく落ち込んじゃって、どうしたんだろ」


クロム「なぁ、セリス。俺のファルシオンを知らないか?さっきから見当たらないんだが…」
セリス「さぁ……でも『なくはない』んじゃないかな?」
クロム「……」
セリス「あ…」
クロム「……」


アルム「セリカ…」
セリカ「アルム…」
クロム「なあお前達、俺のファルシオンを……」
セリカ「あれはクロム兄さん専用の剣だもの。『なくはない』はずよ」
アルム「そうだよ、流石のリーフも盗み出したりしないはずさなんせクロム兄さん専用だもんね」
クロム「……」
シグルド「…さて、と。朝っぱらからティルフィングで切り刻まれたいKINSHINカップルはどこかな?」
リーフ「また朝から斬られるのか…この人でな……あれ?」
クロム「WRYYYYYY〜!」
シグルド「クロム、どうした?」


マルス「……ハハハ、すっかりKINSHINアレルギーならぬ『なくはないです』アレルギーになっちゃったねクロム兄さん」
リン「マ〜ル〜ス〜?」

82 :助けて!名無しさん!:2014/07/20(日) 15:25:00.99
新しいアレルギーができてしまった

83 :助けて!名無しさん!:2014/07/21(月) 17:00:52.69 ID:yypaxNXx.net
【悲報】ルフレ、パルテナ様の次はピット君の尻を撫で回す
ttps://twitter.com/SmashBrosJP/status/491105287655268352

クロム「お前、そんな趣味の持ち主だったとは…」
マルス「ょぅじょからおばs…大人のお姉さんだけでなくショタまで手を出すとは…見境無いですね」
ルフレ「いやいや!リザイアを大乱闘用にアレンジしただけだからこれ!?」
クロム「マルス、お前もルフレには気を付けろよ。いや、俺はルフレと一緒に叩き斬る側だけどな」
マルス「嗚呼、ルフレさんに尻撫で回された挙句にクロム兄さんと一緒にボコられるなんて悪夢だ…」
ルフレ「人の話を聞けコノ虫ケラドモガァーー!!!」


リザイアで吸収するまではいいが、あの手の動きはなんなんだろうなw

84 :助けて!名無しさん!:2014/07/22(火) 01:04:30.87 ID:fYo1rG5G.net
>>83
ティニー「……ルフマルでリザイア責めが実現出来ると聞いて……。他にもルフアイ、ルフリン、ルフピトが……!ハァハァ、同人ネタが捗ります…!」
マルス「早速嗅ぎ付けてきたな腐女子め!」
リン「ルフリン?……る、ルフレさんと、私…?わ、私まだ心の準備が!……で、でも出来ればリザイアなんかじゃなく…その、普通に……//」


クロム「ルフレ貴様っ!」
エフラム「…生かしては帰さん」
マルス「……(ブチブチブチッ)」
ルフレ「待て!君達の妹は操作キャラではないはずだろ!リンクの事だよきっと!」
ティニー「流石です。早速リンクさんとリザイア責めの実演を……」
ルフレ「やらない!大体あれも戦略の一つなんだよ、そういう目で見ないで欲しい!」
マルス「ま、正直リン姉さんの野生児ドロドロ赤血球なんて流石のルフレさんでも吸いたくないってのが本音……イギャァァァ!」
ロイ「(さっきまで発狂仕掛けてたのに、全くマルス兄さんは……)」


リーフ「……おねいさんルフレさんにお尻ナデナデされて吸われたい……ブバァァァ!」
ロイ「ちょ、ここは学生さんも子供達も覗くかもしれないスレなんだからそういう発言はやめようよリーフ兄さん!」




正直すまなかった。

85 :助けて!名無しさん!:2014/07/22(火) 18:39:32.14 ID:eMIxX0BM8
ルフリン・・・だと?!

86 :助けて!名無しさん!:2014/07/22(火) 18:45:33.11
やってしまった (いろいろな意味で)すまない

87 :100万回この人でなしな目に遭った葉っぱ:2014/07/23(水) 23:41:33.44 ID:BsDQRJwn.net
スマブラネタいいね、こっちは全く関係ない童話ネタを投下。

※読む前に死にネタ・パロディネタな点に注意。


100万回も生きたリーフがいました。


100万回もこの人でなしな目に遭って、100万回も生き返ったのです。
立派な強盗団の長でした。


100万回「この人でなしーっ!」と叫ぶたびに、100万人の人がまたか、と言いながらもリーフの死に心の何処かで密かに泣きました。


リーフは一度も泣きませんでした。
どんなにボロボロにされても斬られても生き返る。そういう確信があったからです。


ある時、リーフはアルムとセリカの二人と一緒に畑仕事をしていました。
リーフは畑仕事なんて嫌いでした。
二人は実の兄妹なのに相思相愛で、いつもイチャイチャしていました。


どこからともなくティルフィングが飛んできて、リーフは真っ二つになってしまい、「この人でなしーっ」と叫んで死んでしまいました。


二人は死んでしまったリーフを見てまたか、と言いました。


それでも二人でミラの大樹のふもとへ連れて行き、リーフをそっと埋めてやりました。


ある時、リーフはブラザーアーチの弾として撃ち出されました。
リーフはブラザーアーチなんて嫌いでした。
頭から地面に突っ込んでいって、そしてまた「人でなしーっ」と叫んで死んでしまいました。

アイクは死んでしまったリーフを見てまたか、と言いました。


それでも地面に半身が埋まってしまったリーフを引き抜いて、丈夫な棺に入れて火葬してやりました。

88 :100万回この人でなしな目に遭った葉っぱ:2014/07/23(水) 23:42:57.43 ID:BsDQRJwn.net
ある時、リーフはマルス、ロイと一緒に海水浴に行きました。
リーフは野郎と一緒の海水浴なんて嫌いでした。
話が混沌と化してきた所で抜け出して、サーフィンを楽しむビキニのおねいさんにナンパを仕掛けようとしました。


しかし、運悪く引き潮にさらわれてしまいました。リーフは泳げなかったのです。
マルスとロイが急いで近くにいた人に頼みレスキューの杖で助けて貰いましたが、リーフはボロ雑巾のようなひどい有り様で死んでいました。


二人は死んでしまったリーフを見てまたか、と言いました。


それでもクシャクシャになったリーフの身体を丁寧に砂に埋めてやりました。


ある時、リーフは仲良しの4人娘に強引に連れていかれました。
リーフはいつも自分をボコボコにする4人娘が嫌いでした。


案の定この日も大地の剣で斬られ、トロンで感電させられ、さらには光と闇の魔法でこの人でなしにされました。


デスルーラで兄弟家に戻されるリーフを見て、兄弟達は声を揃えてまたか、と言いました。


それでもデスルーラで帰ってくる度に、皆は「おかえりリーフ」と言ってくれました。


リーフは死ぬ事なんて平気だったのです。
それから月日が流れて、上の兄弟達が次々と兄弟家を後にしていき、とうとうリーフも自分1人だけの家を持つ事になりました。


リーフは初めてこの人でなしな目に遭わない毎日にただただ喜びました。
リーフは自分が大好きでした。
何しろ、追い剥ぎに関しては天才的な才能を持っていたので、立派な強盗団の長になりました。


どんな賊もリーフの部下になりたがりました。
大きな金塊を差し出す者もいました。
珍しい宝玉をお土産にする者もいました。
それだけの財力と人望に恵まれていましたから、どんな女性もリーフのお嫁さんになりたがりました。
そんな彼女達に対してリーフは言うのでした。


「僕は100万回も死んでるんだよ?今考えてもおかしいったらありゃしない」
リーフは誰より自分が好きだったのです。


そんな中、ただ1人リーフに見向きもしない美女がいました。

89 :100万回この人でなしな目に遭った葉っぱ:2014/07/23(水) 23:45:49.07 ID:BsDQRJwn.net
リーフは彼女にそっと近寄ると自慢げに言いました。
「僕は100万回も死んだんだよ?」


美女は小さく「そう。」と言っただけでした。


リーフは少し腹を立てました。
何しろ自分が大好きでしたからね。


次の日も次の日も、リーフは美女の所に行っては言いました。
「僕は100万回も死んだんですよ。貴女はまだ一度も生き終わってないんですよね?」
美女は「そう。」と言ったきりでした。


ある日リーフは、美女の前で得意げに☆付きの武器を見せびらかしながら、言いました。
「僕、マスターナイトとして最短ターンクリアに貢献した事もあるんですよ?」
美女は「そう。」と言ったきりでした。


「僕は、100万回も……」
とリーフは言いかけて、
「……傍にいてもいいですか?」
と美女に尋ねました。
美女は「ええ。」と言いました。
リーフは彼女の傍にいつまでもいました。


やがて二人は結ばれて、二人の間にはかわいい子供達が沢山産まれました。


兄弟家を離れる時に持ってきたアルバムを開いては毎日楽しかった頃の思い出話を子供達に聞かせるリーフ。
100万回も「この人でなし」な目に遭ったはずだったのに、
決してその事を口にする事はありませんでした。


年に一度は独立、嫁婿入りした兄弟達が家にやってきて、みんなで楽しく笑いあって。
その時初めてリーフは自分よりも子供達が、家族が大切で大好きな存在になりました。
そして、この幸せが続くのならずっとずっと皆と生きていたいと思うようになったのです。


けれど、幸せな時は長くは続きませんでした。
それから数年の後、長男のシグルドがグランベル地区で起きた住宅火災によって帰らぬ人になりました。
その数ヶ月にはエレブ地方で起きたクーデターに巻き込まれてヘクトルが……。


人前では必死に涙をこらえていましたが、
その時リーフは初めて泣きました。
死ぬ事なんて平気だったはずなのに、何日も何日も涙が止まりませんでした。


そんな時にリーフを支えてくれたのは、愛する妻と子供達でした。
リーフは亡くなった兄二人の分も精一杯生きようと誓ったのです。

90 :100万回この人でなしな目に遭った葉っぱ:2014/07/23(水) 23:47:26.02 ID:BsDQRJwn.net
それからまた月日は流れ、立派に育った子供達は、静かに家を離れていきました。
「あいつらも、大人の仲間入りだね」
そう言って妻に笑い掛けた所で、リーフは妻が最初に出逢った時よりずっとずっとお婆さんになっている事に気付きました。


ある日リーフが目覚めた時、妻はベッドの中で静かに息を引き取っていました。
リーフは兄二人が亡くなって以来、久しぶりに泣きました。


夜になって、朝になって、
また夜になって、朝になって、
100万回も泣きました。
朝になって、夜になって、
ある日のお昼に、リーフは泣き止みました。


リーフは妻の隣に寄り添い、動かなくなりました。
楽しかった思い出が走馬灯のように頭の中を駆け巡ります。
遠退く意識の中、リーフは静かに瞼を閉じました。


それからリーフはもう二度と、生き返る事はありませんでした。


〜紋章童話・100万回この人でなしな目に遭った葉っぱ、おしまいおしまい。〜



ナンナ「…リーフ様」
ミランダ「妻となった美女とは一体誰なんです?」
ティニー「返答次第では」
サラ「タダじゃおかないわ…クス」
リーフ「アッー!やっぱりこういうオチじゃないか人でなしーっ!」


マルス「うーん、パロディとは言えやっぱりリーフの生命力を無理にシリアスネタに持ってくのは難しいね」
ロイ「…というか既に100万回以上この人でなしな目に遭ってると思うんだけどそれは…」

91 :助けて!名無しさん!:2014/07/24(木) 18:38:36.82
100万回以上この人でなしな目に遭っているリーフには4人娘
を送ろう
リーフ「玄関に大きな箱g」
4人娘「今日もリーフをいぢめにきました」
リーフ「この人でなしーっ!」
マルス「あはははは」
ロイ「兄さんいつものことでしょ」

92 :助けて!名無しさん!:2014/07/25(金) 15:37:39.67
リーフ「1時間以内に書き込みがないと覚醒ルナティックプラス終章に一人で挑む
    書き込みがあったらおねいさんにナンパしに行く」

93 :助けて!名無しさん!:2014/07/25(金) 20:26:32.53 ID:0pcrToWB.net
〜 注意 〜

・このネタはいわゆる紋章町が舞台ではありません。
・戦国時代の兄弟の生涯…生まれてから亡くなるまでを追っていく形になります。
 従って一部を除いてキャラが歳を取ります。物語後半は老人中心になっていきます。
・キャラが死にます。あなたの好きなキャラが死ぬかも知れません。
・合戦、決闘等のシーンがあります。描写は抑えてありますが人によってはキツく感じるかも知れません。
・中には悲劇的な末路を辿るキャラもいます。
・ギャグやほのぼのはほぼありません。基本シリアスに徹しました。殺伐としてるかも知れません。
・ネタというより小説です。ちょっと毛色の違うのをやってみたかったんだい!
 それにほら…話のパターンや形式も色々開拓してみたいじゃない。
・俺設定満載です。苦手な人は注意。便乗してくれる方はご自由に使ってください。
・場面によってはキャラの口調が時代がかってます。時代劇ですので。
・長編になります。
・筆者は歴史好きですが色々時代考証とか間違ってます。その辺は生暖かい目で見てやってください。
・その辺とか好きな漫画とかを元にしたエピソードとかあります。元ネタ知ってる人はクスリと笑ってくれると嬉しいっす。
・日本をモデルにした東方の島国が舞台になります。
 地名については(例)クリミア国とか出たら日本で言えば甲斐国とか武蔵国とかみたいな一地方と思ってください。
 あくまでも基本一国の中の話です。

長い注意書きで申し訳ない
上記が駄目な人はスルーしてください


前スレ>>297-300の続きです

94 :待エムブレム戦国伝 断罪編 ヘクトルの章 渇望:2014/07/25(金) 20:27:40.78 ID:0pcrToWB.net
常闇の中、静寂の中。
呪文を唱える声のみが響いていた。振り返りもしない。
傀儡共に仮初めの生を吹き込みながら。その者はこちらに背を向けている。
「言いたい事があるなら聞きましょうか―――――父上」
男は昂ぶるものを抑えた声でその背中に声をかけた。
彼が父と呼んだ男は振り返りもしない。
父か……たしかにこやつを造ったのは儂だ。
その意味では父と言えなくもあるまい。
「…では問う。何故だ?」
「…私が父上の息子だからですよ。父上……子は親の背中を見、その真似をするものです」
「機を見るに敏…と言えぬ事もないか。城外にはベルン勢が迫り、陸絶陣も半分が破れた」
「そう……かつて貴方が機を逃さずにウーゼルからこの城を奪ったように…ね。
 このやり方を教えてくれたのは貴方です」
男の指先が揺らめく。
印を切っているのだ。妖気が男の指先に集まり高まっていく。
「父上。出番の済んだ役者がいつまでも舞台に居座っていては後の者が迷惑をする。
 速やかにご退場願いたいものですな……」

ネルガルの創造せし傀儡が一人……エフィデルは底冷えのする声を振り絞った。
そう、彼は父を凌駕せんと望んでいた。
その頸木から脱して超えんと欲していた。
胸の奥が乾いて乾いて焦がれて焦がれる。
彼はその望みに焼かれていたのだ。

……瞬間…ネルガルの唇が吊り上がった…かに…見えた。





天守閣に陣取るソーニャは焦燥と困惑にいら立ちを強めていた。
絶対に勝利をもたらす守護者に限りなく都合のよい空間…
六つの陣の内、すでに三つが破れた。
しかもその一つは守護者が戦わずして放棄してしまっている。
「エフィデル…エフィデル!……いったい何を考えて……」
歯噛みをする。
たかが傀儡の分際で主ネルガル様に逆らおうとは。
八つ裂きにしても飽き足らぬ。
だが駆けつけることはかなわない。
今はネルガルに刃向う者共が城内に雪崩れ込まんとしているのだから。
残る三つの陣が敵を支えていれば……巻き返しも叶おうというものだ。
それを確認し………

95 :待エムブレム戦国伝 断罪編 ヘクトルの章 渇望:2014/07/25(金) 20:29:39.63 ID:0pcrToWB.net
ブレンダンが剛腕を振るう度に岩が砕け土砂が飛び散る。
彼の剛力は傀儡となってもいささかも衰える事はない。
振り回される斧の刃先を飛び回って避けていても、彼の意志一つで足元の地が裂け揺動し岩が飛んで襲ってくる。
地を意のままにする地裂陣。
足元を頻繁に崩されるがためにまともに戦いに集中できない。
「くそったれ!」
ロイドは叫んだ。
人間は地に立つ生き物。あらゆる武術はそれを想定して作られている。
で、ある以上、構えを取るにも何をするにも足運びは極めて重要になってくるのだ。
だがこの陣の中でそれは適わない。
飛んで跳ねてどうにか攻撃を避けてはいるが…それも長くは続かないだろう。
青白い顔のかつての大親分が振るう巨大な斧…受ければ潰され払わば砕かれ。
ゆえに防ぐという事ができない。避けるしか道が無い。
だがそれがいつまで続きうるか……
切っ先が前髪を薙ぎ払う…辛うじて飛び退って躱し…いや…
「………っ!?」
瞬間、視界が赤く染まった……
そう、紙一重の差でブレンダンの刃はロイドの額を割ったのだ。
流れ出た血が目に入り………虎狼に例えられた人斬りは一瞬動きを止め………

その男の頭上に父の斧が落ちてくる。
微塵の躊躇いも躊躇も無く。ただ息子の頭を叩き割るために。
主の意志のそのままに。


「まだだ……まだ終わらねぇ!」

見えずとも見切れずとも白狼の感覚は耳鼻は、皮膚は、父が発するあらゆる音、動くたびに流れる空気…
その全てを捕えていた……
白柄のドスが唸り声を上げる……
その速度は、踏み込みは……
先に攻撃の動作に入っていたブレンダンの速さを凌駕し彼の心臓を貫き通した。
斧の刃先はわずかにロイドの肩に食い込んで…そこで止まる。
そう、止まる。
傀儡としての仮初めの生の終焉と共に。
激痛に膝を突きかかったその男は辛うじて身を支え…そして見た。
崩れ落ちゆくブレンダンの能面の如き表情が…ほんの一瞬ほころんだ…気がした。



「親父………」

四つ目の陣の…これが陥落であった。

96 :待エムブレム戦国伝 断罪編 ヘクトルの章 渇望:2014/07/25(金) 20:30:13.70 ID:0pcrToWB.net
かつてウルスラが守りそして果てた陣の中で巨漢は巫女を抱えていた。
巫女にはもはや戦う力はあるまい。
死闘の果てに疲れ切り弱りきっている。
「もうちょっと丁寧に優しく抱えなさいよ筋肉達磨!うちの相棒なんだから!」
巫女の肩に座る小鳥がピーチクパーチクと騒がしい。
それにしてもしゃべる小鳥など初めて見る。
「これが話に聞く妖怪って奴なのか?」
「失礼な事言うなハゲ!こんなありがたい神様をフォデスみたいな不気味悪い連中と一緒にするんじゃねーわよ!」
「……誰がハゲだっつの……俺にはちゃんと…」
「いーえ、あんた男むさいからぜってぇ将来髭もじゃになって頭はハゲるわよ。断言するわ。大昔にあんたと似た感じのでテュルバンってのがいたけどあいつも歳とったらハゲたもの」
ああいえばこういう。なんてかしましい奴だ……
憮然としながら巨漢は傷薬で巫女に手当を施していく。
「そっれにしてもねー……まぁいろいろあったもんだけど…戦場で姉弟の初対面になるとはねぇ」
「おい、今なんつった?」
「姉弟っつったのよ。あんたがどんな人生歩いてきたか知らないけどこの…ミカヤとあんたは姉弟。神が言うんだから間違いない」

ヘクトルにしてみれば寝耳に水の話だ。
どう理解すればいいのだろうか…だが何かを感じないと言えばうそになる。
幼い頃にハウゼンに預けられ、養父の死後は侠客の世界を渡り歩いてきたヘクトルはおよそ家族というものと縁遠い。
あえて言えば極道の世界で言う家族…水杯を交わした親分たちが家族と言えるだろうがブレンダンはソーニャの手によってもう無い。

「野暮よユンヌ……お姉ちゃんの口から感動の出会い…のつもりだったのに」

ミカヤの瞳がうっすらと開く。
意識を取り戻したようだ。

「はじめまして…でいいのかしらね。こういう時は……」


血風と死が渦巻くネルガルの居城オスティア……その一角でささやかな出会いがあった……
そしてもう一つの赤い星もまた一つの戦場に猛虎のごとく躍り込んでいくのである。

97 :待エムブレム戦国伝 断罪編 ヘクトルの章 渇望:2014/07/25(金) 20:31:17.44 ID:0pcrToWB.net
「くっく…くく………悪くは無い。悪くは無い。そうだ、乏しい知恵と言えども己でよく考えよく抗った。悪くは無い」
城郭の地下深く。背を向けたまま黒衣の男はわずかに笑った。
傀儡を造り続けるための術を止めはしない。
ただ彼の思考の中に合致するものがあった。
だから彼は自らの創作物に対する評価を改める事としたようだ。
「何が可笑しいのです…天下に行こうとする父上の野望。ここで挫けんとしているのに」
「エフィデルよ。お前はこう思っているのだろう。傀儡はみな儂の意のままに動く操り人形に過ぎぬと。あのソーニャやリムステラのように。
 ただ一人、己のみが智を得、真の意志を得、我を得た特別なるものであると」
「当然です。でなくしては父上に背こうと考えようはずも――――――」
「成功だ。儂がお前に望んだは儂に背きうる心を作る……また一つ、また一つ近づいていく」
「な……」
何を言うのか?
エフィデルは理解ができなかった。いや、理解してはいけない。
彼は印を切る。もはや語る事は何もない。
ベルン軍に抗うために無数の傀儡を造り続けた今やネルガルの妖力は底を突きつつあろう。
ゆえにこその好機なのだから。
ネルガルを撃ち、ナーシェンと結んでベルンで栄達し…多くの「人間」が彼に仕える事になる。
そうして「人間」の上に立ってこそ自分は人であれる…そう信じたのだ。
エフィデルの妖気が高まっていく。
理の術がネルガルを蝕まんとしたその刹那――――――


「そう、目標は達した。ゆえにお前の役割は終わった。よい子だ。先に逝って眠るがよかろう……」

冷淡な声とともにネルガルは詠唱を終えた……
無数の傀儡を生み出し続けた祭壇より三千世界を焼き尽くさんとする劫火……
奈落の奥底より這い出たかのような灼熱の地獄の劫火が瞬時にエフィデルの身を灰に変える。

轟くような唸り声に憤怒の相。
地を喰らい尽さんとする巨大な顎。
鮮血の如き真紅の鱗……

「権力を創り智を創り我を創りそして強大な武力を創る……愉快ではないか……」

ネルガルの眼前に聳え立つ巨大極まる火の龍は彼の言葉に応じるかの如く咆哮を放った………


続く


次回

侍エムブレム戦国伝 断罪編 

ロイの章 呪われたわらべ歌 

98 :助けて!名無しさん!:2014/07/26(土) 00:03:24.94 ID:Q6rUz/dE.net
闇の根本が兄の存在で射撃型……ライか……


あと、龍虎どっちにしても、武王機と合体したらHP回復+念動フィールド+盾持ち。になるのかね

99 :助けて!名無しさん!:2014/07/26(土) 08:15:01.10 ID:Q6rUz/dE.net
ごめん誤爆
あとバナナの人はマジに序盤と別人過ぎ

100 :助けて!名無しさん!:2014/07/28(月) 00:57:40.42 ID:L4HJqINg.net
戦国の人GJ、そしてお久しぶり!
エリウッド、シグルド、リーフときて、ヘクトルの命運がただただ心配だ…w

101 :助けて!名無しさん!:2014/07/28(月) 04:28:15.60 ID:GwglzRIp.net
おお戦国さんが来てた!待ってたよー
いつもながらGJです。
とは言え、ヘクトルの話の前回の展開をすでにうろ覚え…
保管庫行ってこなければ。
この話、今までの話を全部一気読みで復讐したいな。

102 :夏休みだYO!FE兄弟家:2014/07/29(火) 12:59:45.53 ID:m2cdV6rz.net
ヘクトル「(ヤベェ、赤点4つも取っちまった……。授業サボり過ぎたかな)」
エフラム「その様子だとまた赤点があるようだな、ピザ」
ヘクトル「そういうテメェはどうなんだよ!」
エフラム「幸い、今回俺は3教科だけだったぞ」
ヘクトル「ぐっ…だがよく見ろ、点数的には俺のが上じゃねーか!」
エフラム「たかだか6点そこそこ上回ったくらいで図に乗るなよ。お前、赤点いくつなんだ」
ヘクトル「……4つだ」
エフラム「ん?よく聞こえん、もう一度頼む」
ヘクトル「4つだが点数的にはお前より上なんだよ!」
エフラム「…赤点4つ取って勝ち誇ってるつもりか?」
ヘクトル「…やんのかコラ!」



クロム「二人共壁に穴空ける前にそのくらいにしておけ」
マルス「クロム兄さんが言っても説得力ないがな」
シグルド「……ヘクトル、エフラム、それとリン。私の部屋に来なさい。私とエリンシアから直々話がある」
ヘクトル「…へーへー。(シグルド兄貴とエリンシア姉貴の説教…いつも長いんだよなぁ)」
エフラム「……(参ったな、こりゃ昼まで抜け駆け出来なそうだ)」
リン「……」
マルス「あれぇ?ヘクトル兄さんやエフラム兄さんに混じってリン姉さんも?…はは、じゃあリン姉さんも赤点……」
リン「うるさいわね!しょうがないでしょ。化学とか数学とか、私苦手なのよ!」

エリンシア「…三人共、早くいらっしゃい!」



アイク「なんだ、また休み前の赤点騒ぎか」
マルス「今回はリン姉さんも一緒らしいね。全く、顔や身体だけ老けても相変わらず頭の発育は遅れ…」
マルスの頭を短弓の矢が射抜く。


(シグルドの部屋)
シグルド「……さて、と。お前達を呼んだ理由は分かっているな?」
ヘクトル「…まぁな」
リン「…ええ」
エフラム「ちょっと待て、何故リンがいるんだ!」
リン「しっ…声が大きいわよ兄さん!だからその、実は私も……」
エリンシア「赤点があるのですわ、それも2つも」
リン「ちょ、ちょっと姉さん!」
エリンシア「あら?違う事でして?」
リン「う……(もう、試験関係の事になると相変わらず怖いわよエリンシア姉さん)」

103 :夏休みだYO!FE兄弟家:2014/07/29(火) 13:02:36.50 ID:m2cdV6rz.net
シグルド「来週から補習授業が始まるそうなので、1日たりとも休まず出席する事!それからけじめとして無事に補習が終わるまでは友人宅に遊びに行かない事!いいな!…では解散!」



エイリーク「……さぁ、兄上。涼しい内に私と共に軽く復習をしましょう」
エフラム「いや、見たい番組があるのでそれを見終わった後で…」
エイリーク「兄上…」
エフラム「わ、分かった!」

リン「…ねぇエリウッド。この数式教えて」
ヘクトル「エリウッド、悪いがこの……」
リン「!…ごめん、フロリーナに電話で聞くからいいわ」
ヘクトル「…なんだ、あいつ……」
エリウッド「ヘクトルは話の内容を理解するのに時間がかかるからなぁ、フロリーナに教わった方が手っ取り早いと思ったんだろうね」
ヘクトル「悪かったな、どうせ俺は勉強に関しての覚えはわりーよ!」



セリス「補習授業かぁ、せっかくの夏休みなのに高校生って大変なんだね」
マルス「最も、普通に授業に出席して、普通の成績を取ってさえいれば縁のないものなんだけどね」




〜〜〜〜〜〜
エリウッド→成績自体は青字ばかりだが、保健室常連故学年末に出席数で進級が危ぶまれるタイプ。
ヘクトル→長期休暇はいつも補習漬け。赤点科目も多い。体育だけは青字。
エフラム→ヘクトルと同じく補習漬けだが体育と保育的な意味で家庭科だけは青字。
エイリーク→成績も出席も問題無し。赤点漬けなエフラムの家庭教師役になる。
リン→得意な教科は青字だが、苦手な科目は成績がとことん悪い。
マルス→エリウッド、エイリークみたくずば抜けた優等生という訳ではないが成績的に全く問題無し。リンが赤点取った時には茶化す。



個人的に兄弟家の赤点事情はこんな感じだと思う。
年少組の大半は中学生くらいだろうなんで、割愛ということで。

104 :紋章町商工会まつりがやってきた!〜祭り初日・後編〜?:2014/07/30(水) 07:36:33.27 ID:Qa+gQjOE.net
このネタを読む前に51章スレの326〜、52章スレの11〜、48〜のネタを先に読んでいただけると助かります。
内容としては>>48-54の続きになります。




「いっけない、もう6時半だし!大会前だからって打ち込みすぎたわ、急いで帰んなきゃ!」


エフラムがベルン署の牢に入れられた頃、リンは全速力で家路を急いでいた。
つい先程まで剣道部の猛特訓に打ち込んでいたせいかやはり身体は汗まみれ。
暑さを少しでも和らげる為に薄いタンクトップ一枚で突っ走るが、持ち前の巨乳もあってその破壊力は抜群だった。
すれ違う度ニヤニヤする男達の視線が刺さる。

リン「(全く、どいつもこいつも…!胸以外はオプションだとでも思ってるのかしら、これだから男って奴は…!)」

少々苛立ちながらも自慢の瞬足で走り続ける。
しかし300メートル程走った所で、前方に猫らしき獣の姿を発見する。
同時に最近草原に行ってない故のモフりたい欲求に駆られ、曲がるはずな曲がり角を直進に進み…
リン「…にゃぁぁぁん」
眼前に迫りつつあった猫らしきその獣に飛び付こうとする。
しかし直前で獣特有の優れた五感で危機を察したのか、猫は爪を振りかざしてきた。
間一髪で爪をかわし、体勢を立て直すリン。
こんな人力から到底離れた技がなせるのは、兄弟家や紋章町中でも限られた人物たちだけだろう。


「び、びっくりしたあぁぁ〜!な、何よ上から飛びかかってきて!鳥翼族にでも襲われたかと思ったわよ!」


姿を消した猫に代わって、リンの目の前に現れたのはリィレととレテの姉妹だった。
どうやら獣形態での俊足を活かすべく化身していたようだ。
リン「ご、ごめんなさい!…化身した獣牙族なんて久しぶりに見たものだから、つい…」
リィレ「全く、ニンゲ…ベオクってホント分かんない!」
リン「……もしかしてあなた達も紋章商工会まつりへ?」
リィレ「うん、まぁね。グリフォン肉とオリウイ草を仕入れて早いとこ帰る予定だったんだけど、そしたらレテが…」
レテ「ば、ばか!余計な事を言うな!」
リィレ「きゃん!いきなりぶたないでよ」
顔を赤らめながらリィレに突っかかるレテ。一方、リンは状況がいまいち掴めずきょとんとしている。
リン「あ、あの…なんのお話?」
レテ「こっちの話だ、気にしないでくれ!」
リン「そう……。それならいいのだけど」
リィレ「ねぇねぇ、良かったらアンタこれ受け取って貰えない?」
そう言って手渡されたのはごく普通の便箋。しかし手紙か何かが入っているようで、妙にぶ厚い。
リン「何よ、これ…手紙?…まさか…」
リィレ「…んなワケないでしょ!大体勘違いしないでよ!あたしはライ隊長一筋なんだから!アンタみたいなヘザーになんてならないわ!」
リン「ヘザーって……ちがーう!」
レテ「……それは本当なのか?なんでも、兄弟家の四女は同性愛者だと獣牙の仲間は勿論、ラグズの間でも有名な話で…」
リン「私は男の子との恋愛に憧れる至ってフツーの女の子よっ!」
勿論そんな根も葉もない噂を流したのは弟のマルスだろう。

マルス、後で絶対ぶち殺す。

リンは静かに拳を握りしめる。

105 :紋章町商工会まつりがやってきた!〜祭り初日・後編〜:2014/07/30(水) 07:38:25.99 ID:Qa+gQjOE.net
レテ「ならば問題はないだろう。頼めるか…?」
リン「え…?あなたからのお願いなの?」
レテ「ああ、まあな。正直、私が持っていても困るものでな」
リン「……?」
リィレ「ホントホント。アイクだんちょーのならともかく…もごっ!」
レテ「アイクの事は関係ないっ!」
リィレ「…レテったら顔真っ赤にしてる〜。素直じゃないんだから〜」
レテ「やかましい!早く帰るぞ!」
リン「ちょ、ちょっと待って!アイク兄さんがどうしたって言うのよ!話がさっぱり見えないわ!」
レテ「コイツが言った事は忘れてくれ!……カイネギス様をお待たせしているので私達はこれで。すまん!」
リィレ「そんな訳だからじゃーねー!…あとあんまりその便箋の中身は見られない方がいいかもね」
リン「あ、ちょ…ちょっと!」
リンを振り切るように猫姉妹二人は再び化身して走り去っていった。


リン「それにしても……困ったわね、あんまり人に見られない方がいいなんて言ってたっけ…」

脳裏にいつも自分をからかう弟と、嘆く家族達の姿がよぎる。

マルス「ダッハッハ!ベオクに限らずラグズとの間にまでフラグを立てるとかwwwwこれはケントさんやラスさんにバレたらドン引き確定ですね」
ミカヤ「リン……お姉ちゃんはあなたをそんな子に育てた覚えはありません」
シグルド「百合、か。KINSHINではないし…まぁいいだろう」
ヘクトル「モテな過ぎて女に走るのは構わねーけど、他に相手が出来たんならいい加減フロリーナと俺との仲を認めてくれよ…」


リン「(うぅ…姉さん達はともかくヘクトルとマルスだけには何としてもバレないようにしなくちゃ…)」
受け取った便箋を通学鞄の中に人目を気にしながら押し込み、再び家路を急いだ。

(兄弟家)
リン「ただいま〜」
エリンシア「あら、おかえりリンちゃん。遅かったわね、ご飯の支度ならもうできてるわよ」
リン「え、ええ。ごめんなさい。でも汗かいてきちゃったから、先にシャワー浴びてくるわね」

部屋に入ったリンは体操着袋に畳んで入れてあった制服をハンガーに掛け、通学鞄から手紙を取り出すと急いでベッドの下にしまい込んである自筆のポエムノートに挟み込んだ。
リン「(これでよしっと…。幸い、今年に入ってから作ったポエムノートは一冊としてマルスにバレてないみたいだし…!)」




リン「…ふー、さっぱりした」
クロム「おかえり、リン。今日はまた随分と遅かったな」
リン「大会が近いからね、ワレス先生に無理言って稽古付けて貰ってるの」
クロム「ほぅ。そういやお前の去年の戦績は地区ベスト4だったか」
リン「ええ。でも私はこれで満足するつもりはないわ。もっともっと上を目指すつもり」
アイク「…仕事上がりの稽古付けでいいなら、俺が毎日手合わせしてやるぞ」
クロム「兄さんが手合わせの相手をするのは、少し心配だな」
リン「兄さん達と手合わせすると、またエリウッドの胃痛の原因になりそうだから遠慮しとくわ。エフラム兄さんにも何かとうるさく言われるだろうしね……。
そう言えば二人共帰ってきてないのね」
エイリーク「……兄上の身に何か起きたのではと感じ、エリウッド兄上に相談したのです。そしたら案の定、二人共まだお戻りになりません。あぁ、兄上……」
マルス「僕が思うに、またベルン署行きってとこでしょうね。同じ犯罪者予備軍のリーフも帰ってきてないですし」
リン「ま、マルス…!」
また根も葉もない私がレズだなんて噂流して!と怒鳴りつけそうにもなったが、例の便箋の件もあり間際でこらえた。
マルス「…なんです、リン姉さん」
リン「ふん、なんでもないわよ!」
マルス「ふぅ〜ん」
ニヤニヤと笑うマルスの視線が刺さる。

106 :紋章町商工会まつりがやってきた!〜祭り初日・後編〜:2014/07/30(水) 07:44:49.04 ID:Qa+gQjOE.net
「ただいまー」

セリス「あ、エリウッド兄さん達が帰ってきたみたいだよ」
エリウッド「……はぁ、いつにも増して謝罪謝罪で疲れたなぁ…」
エフラム「だから俺は濡れ衣だと…」
リーフ「幼女の衣服をめくり上げるとか、犯罪者以外の何者でもないじゃないか」
エフラム「やかましい!お前に言われてたまるか!」

やはりリーフも一緒だ。
ミカヤ「待ってたのよ。シグルドは今日残業らしいから先に食べましょう」

「いただきまーす」

大食漢が1人だけという事でこの日の夕食はいつもより30分は早く済んだ。


……絶対にマルスだけにはバレる訳にいかないわ。

食後、すぐに自室に戻ったリンは暑い時期にも関わらず窓を締め、ドアの鍵までもを締めて兄弟達(特にマルスと帰って来てるのか分からないが一応ヘクトル)にバレぬよう細心の注意を払った。
しかし、ここでまた一つ疑問が生まれる。
リン「(……そう言えばあの二人、便箋の中に何が入ってるかとか特に言ってなかったわね…)」

一体何が入ってるのかしら……?

欲求に耐えきれずにベッドの下に便箋と共に隠してある『リンディス★ポエム〜第9巻』に手を伸ばそうとした時……


「ひとでなしーっ!」


警戒していたせいか、思わず飛び上がるリン。
しかし程なく聞こえてきたアップテンポな曲とKINNIKU連呼するエリンシアの声に我に返る。

リン「(なんだ、エリンシア姉さんか。夕食後に姉さんがバアトルブートキャンプ踊ってリーフが人でなし、エリウッドが蝶サイコーになるのはいつもの事だし、
今頃ロイがツッコミを入れてるはずだし。モニターの向こうのみんなも「またエリンシア姉さんか」とか思ってるだろうだし。ま、いっか。
それより今は、こっちこっち)」

少々メタな発想を交えながらもリンは華麗にスルーし、あたかも栞代わりにポエムノートに挟んでおいた便箋を取り出す。

そして慎重に慎重に、のり付けされた封をきっていく。

恐る恐る中身を取り出す。
小さな無地のポストカードのようだ。

リン「(……何よ、これ。至って普通のポストカードじゃない。やっぱりラグズ達にはポストカードなんて縁がないのかしらね。
でも他人様に見られないように、なんて念も押されてたし、ちょっと期待して損だったかしらね。
ま、いっか。せっかく貰ったんだし、メモがわりにでも…)」


そう思い、一気に引っ張り出した時……
リンは恐ろしい光景を目の当たりにする。


「き、キャァァァァァ!!」


兄弟家全体に、リンの悲鳴が響き渡る。
「…リン!どうしました!?空けてください!」

107 :紋章町商工会まつりがやってきた!〜祭り初日・後編〜:2014/07/30(水) 07:51:25.92 ID:Qa+gQjOE.net
そう言えばマルス対策に施錠していたんだっけか。
反射的に放り投げたポストカードを急いで拾い集め、枕の下にしまい込む。
「エイリーク、どうした?一体何があったんだ!」
続いて聞こえてきたのはエフラムの声。
エイリーク「リンの悲鳴が聞こえてきたもので……一体何があったのかと心配で」
エフラム「鍵がかかってるな。…リン!大丈夫か!?」
アイク「何事だ?」
クロム「窓から侵入者でも入ってきたのか!?」
まずい事にアイクとクロムまで騒ぎを聞きつけてやって来たようだ。
このままだと最悪ドアを破壊されかねない。


リン「ご、ごめんみんな…な、なんでもないの!ちょっと虫が、虫が出ただけよ!」


咄嗟に大声で叫ぶと、「なんだ、虫か…」という小声と共に足音が遠退いていった。

リン「(はぁ、危なかった…。リーフの部屋みたく私の部屋を破壊されるとこだったわ。まぁ、今はそんなことより…)」
ほっとするのも束の間、こくんと喉を鳴らしてから先ほど枕の下に隠したポストカードに恐る恐る手を伸ばす。

リン「(これって……やっぱり…、あの三人の…ブロマイドってやつよね……?)」


てっきりポストカードとばかり思っていたものは、実は三枚とある人物達のブロマイドだった。
そしてそのブロマイドに写っている人物は、共にリンのよく知る三人で…。


リン「(うん、やっぱり何回見てもエリウッドとエフラム兄さんとヘクトル、よね…)」

勿論ただの三人の写真であるなら先程のように悲鳴を上げたりはしまい。

リン「(な、なんで三人とも上裸なのよ〜〜っ!///)」

あろうことか三枚とも入浴シーンを撮影したブロマイドだったのだ。
絶好のシャッターシーンであるにも関わらず、三人の顔にはまるでカメラを意識したような緊張は見られない。爽やか涼しげなロード達の顔がそこにあった。
リンは兄三人の上裸を顔を赤らめながら見つめる。
兄達の裸など幼少期にお風呂に以来目にする機会もない。
その光景は肉体的はさておき、まだピチピチ十代の彼女には刺激が強すぎた。

リン「(…エリウッドって…ご飯全然食べないし、ロイ並みに体重軽いし…てっきりガリガリかと思ったら……意外と筋肉ついてて、逞しいんだ……//

…エフラム兄さんは…ちょっと色黒だけど、引き締まってて……本当に幼女ばかり狙うのが残念ね。……私的には、ガチムチ過ぎずヒョロヒョロ過ぎずでタイプ、なのに……//

…ヘクトルは……相変わらずすごいわね。お腹周りの肉が……)」

頬を赤らめながらそんな妄想をしていると、いつもの長男の声が脳内にこだました。

シグルド「…KINSHINは許さんぞー!」

同時にティルフィングを振りかざし暴れる光景が再生され、リンは我に返る。
兄の上裸を見てこんな想像をするなど、間違いなくKINSHINセンサーに引っかかってしまうだろう。

リン「(いけないいけない!……こんな写真見るとかKINSHINそのものじゃないの!
でも、どうしよう……。まとめて捨ててちゃうのは、なんか三人に悪いしゴミ出しの途中でエリンシア姉さんにバレたら後々困りそうよね……。
猫姉妹みたく他人様にあげる……、でも私がなんでそんなの持ってるか言われそうだし)」

仕方ない。とりあえずリンは兄弟達や他人にバレぬよう肌身離さず隠し持つ事にした。
リン「(ただの便箋だったはずなのに、なんだか恥ずかしい……//)」
忘れようと思ってはみても、脳裏に焼き付いた刺激的な光景は簡単には拭い去れそうにない。
悶々としながら、リンは眠りにつくのだった。

108 :紋章町商工会まつりがやってきた!〜祭り初日・後編〜:2014/07/30(水) 07:52:53.24 ID:Qa+gQjOE.net
時刻は9時10分前。
ヘクトルは腹を満たし家路を急いでいた。
ヘクトル「ふー、食った食った。こりゃ明日の朝飯いらねーな。って、あれは……」
ふと街頭の下に見慣れた青髪の青年を見つけ、足を止めた。
アーダン「シグルド様〜、もうすぐ御自宅ですから辛抱して下さいよ〜」
シグルド「…あーいとゆぅーきの…ひっく!」
どうやら飲んできたらしく泥酔状態だ。
ヘクトル「…兄貴、また飲んできたんだな」
アーダン「えぇっと…きみは確か…」
ヘクトル「ヘクトルっす、兄貴が世話になってるっす」
アーダン「ヘクトル君……というときみが重騎士みたいな戦闘スタイルを好むってエリンシアさんが仰ってた…」
ヘクトル「ヘクトルでいいですって。いやぁアーダンさんとは何度か会いますけど直接話すのは滅多にないっすね」
アーダン「まぁ、会うと言っても大抵は酒に酔ったシグルド様を送りに行く時ぐらいだけどな」
シグルド「へくとぉるぅ!KINSHINはだめりゃんだぞ!」
ヘクトル「…あー、ダメだこりゃ。完全に俺をエフラムやアルムと見間違うほど酔ってんな」
シグルド「いいかぁよく聞けい、にいしゃんはな〜毎日毎日暑さの中働いてぇ〜!」
アーダン「シグルド様、酔うと愚痴が止まらなくなっちゃうんだよな…」



(兄弟家)
ヘクトル「…ただいま…」
エリンシア「ヘクトルちゃん、一体今何時だと…!ってシグルド兄様!」
シグルド「長男坊のおかえりだぞぇ〜!」
アーダン「…おじゃまします!すみません、久しぶりに飲みに行ったらシグルド様止まらなくて」
シグルド「うぇ〜い!えりぃんしあ〜もっと酒持ってこぉい!」
エリンシア「……お財布の中もすっからかんに…」
アーダン「あ…俺明日早いんで帰りますね」
ヘクトル「お、俺も部屋に戻ろうっと!」
シグルド「…はよぅ酒持ってこいエリンシア…ふぃっく」
エリンシア「お兄様…一度目を醒まして差し上げますわ…!」


その日の夜遅く、アミーテ慈悲連打による痛々しい音が兄弟家中に響いたという…。


二日目前篇に続く……?

109 :助けて!名無しさん!:2014/07/30(水) 08:02:38.24 ID:Qa+gQjOE.net
>>94-90
戦国さん投稿乙です。お待ちしてました!
ついに姉弟達が再会…他兄弟で再会してるのはリンとマルスだけなんだっけか。確認してきます…

>>102-96
乙です。
過去ネタにヤンデレ状態のエイリークがエフラムの家庭教師役になってた話があったようなww

110 :助けて!名無しさん!:2014/07/30(水) 20:36:50.80 ID:FFD1Agwm.net
ミカヤとエイリークが一時行動を共にし、
エイリークとエフラムは組んでフォデスを倒した
マルスとリーフはお互いに利用しあい、最後にはマルスはリーフを切り捨て
アイクとリーフも一時的に旅をしてる
エリウッドの死をロイが看取り
シグルドも死ぬ少し前にセリスに出会ってる
エリンシアとアイクは面識があるがお互い兄弟とは知らないまま
またエリンシアとリンは戦った事がある
さらにアルムセリカは割と複雑な関係

…ざっと読み直してみたけどたしかこれくらい

というかレテはなんでそんなわけのわからぬものを持っていたんだろう
続きが楽しみ楽しみ

リン姉さんかなり面食いだよね

111 :TMR(of ephraim) 外伝7:2014/08/01(金) 06:21:18.18 ID:MqnhTLHP.net
 TMR(of ephraim) 外伝7 【Tiamo becomes Ms. Renaido(ティアモは恋愛道になる)】 >>65-71の続き

私ティアモは17歳の弥生より、剣と鍛冶の修行に励むようになりました。
一年が経ち、時は18歳の神無月。収穫際の前日にエフラムと刃を交えたところ、ジェニーと師匠が介入。
師匠が突然倒れるという事故により、一時休戦となるのでした。

 ………

師匠が突然倒れたことにより、私闘の中断を余議無くされる。
私は直ぐ様師匠を担ぎ、最寄りの宿に運んで部屋の一室に寝かせることに。
現場に居合わせたジェニーはシスターのユニティであり、
師匠が倒れたのは一介に自分のせいでもあると自責し、看病すると申し出る。
私は最初、半信半疑だったが彼女の真っ直ぐで澄んだ瞳を見ると、
嘘偽りはないと判断し看病を任せることにした。
その後、私はエフラムと共に部屋を出るが必要以上に言葉を交わさず、師匠が倒れた理由を考えた。

…倒れたのは師匠が叫んだ後、おそらくジェニーがエフラムを庇ったシーンが原因だろう。
なら何故?…そういえば刀鍛冶の上達の手掛かりとして資料を読み耽ていた時、
古びた日記を見つけたことがある。字の癖、文章の書き方からして男性、師匠のものではないと断定できた。
その人物と何らかの関係があるのだろうか?拠点に戻ってから調べておくか。
いや今は師匠の回復を優先しないと…
日が落ち、疲れきったセリカがこの宿にやって来た。
待ち合わせに時間や場所に姿を見せなかったので探し回ったのだろう。
後は私が看ておくと言ったが、ジェニーは拒否をする。
目が覚めるまで私が看る、これがシスターの務めですから…だそうだ。
頑固で融通が利かない少女だと溜め息つく。一体どうやったらああなるのか…とふいに辺りに見渡すと、
宿屋の中で他の宿泊客の子供と楽しく話しているエフラムを見つける。
やはりあなたの所為ね、ジェニーはあなたに感化されたからなの?これだからロリコンは…
私はエフラムの無自覚の所業に憎悪を沸かせた。
その後ジェニーが独断、徹夜で看病すると言いだし、エフラムとセリカもこの宿で一泊することを余議なくされた。

夜、不安で眠れない私は刀を取り出し、外で素振りを始ことにした。これは気の迷いを払拭するため。
宿の外に出ると、夜空にはペガスス座とアンドロメダ座で構成された秋の大四辺形が見受けられる。
私は星座に興味ある。自分の誕生日が七夕だからだ。
漫画を描くのを止めた今、こうして星を見上げるのは私の楽しみの一つでもある。
視線を上から正面に戻せば人影が見え、槍を持っていることからすぐにエフラムと判断する。
彼の性格上、毎日鍛練を行うはずだから至極当然か…
エフラムを見つけてしまったことにより、素振りすべきか躊躇する。
彼は私に気がつき、話かけに近づいてきた。
「改めて聞く、何故剣を持った」
どうやら日中の答えに納得がいかなかったようだ。その答えに私は…
「ユニティに昇ったからよ、己の信じる道を生きるために」
あなたもそうでしょ。強くなろうと、生きようとしたからユニティに昇り、
自分の行く道を信じ、阻もうとするもの全てに対して妥協することなく警察と戦っている。
そう、武人として槍の頂点を極めようと、子供達に愛を与えようとしている。
私はただそれが愛する人の傍にいようと、愛する人のために剣を揮おうとするのに置き替わっただけ。
「それがこの有り様か?」
「ええ、悪い?私は純粋に戦いを望む。その極みにある勝利を掴む」
「勝利だけが望みか!」
「違うわ!」
「なら何を望む!」
「勝利の先にある愛よ!」
私は愛という勝利の報酬を得るために戦っている。たとえあなたの妹を傷つけることになったとしても。
あの人の隣にいられるのは一人だけであり、二人もいてはならないから。
この世に天下を取れる人間は二人としていない。武人気質のあなたならわからないことないでしょ。

…結局、昼間同様に泥沼化する一方だった。馬鹿らしくなってきた私は宿に引き返す。
部屋に戻り、師匠とジェニーがいる部屋の片隅で刀を抱きながら座り込んだ。

112 :TMR(of ephraim) 外伝7:2014/08/01(金) 06:22:00.11 ID:MqnhTLHP.net
別に監視をしているわけではない、彼女を信頼している。
ただ宿代がもったいないから余分な出費を抑えるための判断だ。
隣の部屋にはセリカが寝ている。ならエフラムはどこで寝るのか?セリカと一緒の部屋だろうか?
彼は幼女から『夜、一緒に寝てくれませんか?』と言われ程の人間であり、一緒に寝るという可能性は十分在り得る。
だとすればこの展開は…KINSIN!もう自主規制もの。
と私は微かな期待をしながら船を漕いでいた。

しばらくすると、鍛練を終えたエフラムは部屋に入って来るや否や部屋の片隅に槍を抱え座り込んだ。
おそらく私と同じ理由故の行動だろう。しかし、私は気にくわなかった。
外での口論もそうだが、それ以上にセリカの部屋で寝ないからだ。兄妹なら一緒部屋に寝ないのか?
保護者なしで思春期の兄妹で外泊よ…若さゆえの過ちをしないのか…?
それが出来たら今頃ロリコンに走らずシスコンで留まっているか。
いや、その前にこの部屋借りたのは私。あなたは向こうで寝なさい!
…と言ってしまったら、また衝突し兼ねない。師匠、病人が寝ている手前で荒事など御法度だ。
私は不満で苛立ちを避けるようには眠りについた。

翌朝、窓から入る日差しが私を照らし、その眩しさで目が覚める。
師匠は以前意識を取り戻さず、夜通しで看病していたジェニーは酷く寝むそうだった。
またエフラムの姿はなく、行方を尋ねると朝の鍛練を行っているそうだ。
師匠が未だ目覚めないのを不安がっていても仕方がない。
心機一転、身支度をするため一度部屋を離れ、用を済まし部屋に戻る。
その頃にはセリカも起きて来て師匠の容体を聞くなり、私の心中を察していた。
気まずい空気に押し潰されそうなった私はジェニーに交替を申し出る。
咄嗟に考え出したことでもあるが彼女まで倒れたら元も子の無いからだ。
ただジェニーは俄然引こうともしなかった。
まったく…と呆れていると鍛練を終えたエフラムが戻り、ジェニーを見るなりと声をかける。
「まだ看ているのか?寝なければ体に障るぞ」
「ですが、これもシスターの仕事ですので…あの…エフラムさんが一緒に寝てくれるなら、そうします」
「わかった。俺も昨日はそれほど寝てなかったからな。
 少しばかり仮眠をとるか…セリカ、後は任せていいか?」
「ええ、もちろんよ。ジェニーもゆっくり休みなさい」
と言葉を交わした後、エフラムとジェニーは隣の部屋に移動する。
エフラムに対してやけに素直ね。もしかして、ジェニーはエフラムのことが好きだとか?
有り得る…昨日の言動といい、脈有りね。
ただ私を含めここにいる全員が重大なことをサラっと流していた。
遅れて事の問題性に気がついた私は大声で上げる。
「“わかった”…じゃないわよ!ロリコンの現行犯を真のあたりにしたじゃない!」
「まあまあ、落ち着いて下さい、ティアモさん。エフラム兄さんが捕まるのは今に始まったことではないから…」
セリカは“それはよろしいのですが…”と言わんばかりにスルーする。
確かにエフラムは既に前科持ちだ。だが自分の知り合いを兄が食ベようとしているのに何とも思わないのだろうか?
と私は疑問に感じセリカに問うと…

エフラムはユニティであり、ユニティであるならミラかドーマ教に殉ずるのが一般的だ。
脳筋の兄のことだからドーマ教の教えに魅せられることが考えられる。
せっかくの新規層、特に親族であるなら絶対に入教させなければならない。
だが過去何度も勧誘したがその都度断られた。
どうしたものかと悩んだ末、ミラの教え“産めよ増やせよ”の考えに至った。
なら既成事実を作れば良し。
嫁と同じ教えを信仰するのが家族円満の秘訣であり、子も信仰させれば一石二鳥だ。
合意の上なら問題な…有りだが、責任を取れば何の問題はない

…と彼女は答えた。
私は自分の欲求のため他人の人生を左右させることを遺憾に感じるも、
自分を顧み、意中の相手を奪うことはセリカと同じ行為ではないのかと自問し、顔をしかめる。
するとセリカは拍子の抜けたことを言い出す。

113 :TMR(of ephraim) 外伝7:2014/08/01(金) 06:22:47.96 ID:MqnhTLHP.net
自分はジェニーの後押しをしているだけ。
彼女は孤児だから年上のお兄さん的な存在が欲しくてエフラムに惹かれている。
エフラムも既成事実を作ってしまえばロリコンから育メンに変わる。
だが非難されないかと?いやミラ教が全力を持って支援するから問題ない。

…と、あたかも自分の傍若無人な考えを正当化する。
しかしジェニーが孤児であること、その言葉を聞くとあながち間違ってはいない。
孤児、それは歪んだ世界に翻弄される者。神から見放された者。愛に飢える者。
生きることを我武者羅になる者。誰よりも平和を切望する者。自らの意思で軌跡を創り出す者。
私と同じで彼女も愛を欲し、暖かい家庭を築きたいのだろう。
それにエフラムもさっさと一線を越えてしまえば楽になる。
と納得しかけた時、エフラムもといロリコンが部屋に入ってくるとセリカが声をかける。
「早かったわね、エフラム兄さん。女性の立場から言えば早い(アレク)のはどうかかと思うんだけど」
「どういう意味だ?(子供を)早く寝つけさせるのは大切なことだぞ」
「えーと、なんていうかジェニー的には早い(アレク)いうか…かたいつよいおそい (アーダン)の方が…」
…セリカ、例えが逆だわ、こういう時は名前で隠喩しなくてはいけないのよ。だって規制に引かかるでしょ!
しかし、当のエフラムは何の事だか全く分かっていない。純粋というか、青春真っ盛りの男子が性に興味無いのは問題よ。
このままでは埒が明かないと思ったセリカはストレートな言葉を放つ。
「Make Loveに決まってるじゃない」
「英語で言われても分からんな。堂々と言えることではないが俺は勉学が苦手だ」
「保健体育だからエフラム兄さんの得意分野よ」
それでも状況を把握できないエフラムに私は噛み砕いて説明を入れると、ようやく理解する。
同時に潔癖であると反論、そして自論を臆することなく語り始め、
やがて如何わしいことを考えていたセリカに説教を始める。
「なんでそうなるんだ?第一俺はまだ学生であり、自立していない身だ。
 甲斐性はおろか自分自身の稼ぎで生活していない人間が、子作を作ってどうやって養う。
 勝手な自己満足で作って、やがて責任が取れなくなったら捨てる。捨てられた子供は親なしとなる。
 セリカ、お前を思春期で恋愛だの結婚を夢見る年頃なのはわかるが、その考えを改めろ!」
正論なのだがロリコンにされるのは屈辱だろう。
セリカの顔は苛立ちを見せよって反論に出る。
今ここに兄妹喧嘩が勃発するのだった。
「得意のお説教!?さすが自分の理想論を妹に押し付けるのはエフラムに兄さんの御家芸ね。
 女性の気持ちを考えられないから、いつまでたっても童貞なのよ」
「童貞は関係ないだろ」
「あるわ!童貞を捨てる、それは伴侶となる女性を一生愛し養うこと!それがミラ様の教え!
 童貞を捨てられない男としての覚悟が足りない。覚悟のない人間の言葉なんて当てにできない。
 だから私は童貞を捨てられる場面にもかかわらず、捨てられないチキンな兄の言うことなど聞けやしない!」
喧嘩が始れば私はすっかり蚊帳の外、聞きに徹していた。

小一時間が経つが未だ終わりの兆しが見えない…と思っていた時だ。
「セリカ、お前は自分の理想論を掲げすぎている。男、いや人間はそこまで万能でない」
「そうだ、人は自分が思っているほど万能ではない」
と突然の声に皆驚き口論を止める。その声の主は師匠だったからだ。
私達は看病のことをそっち除けで論争に身が行っていたようだ、不用意で何たる不覚。
とはいえ師匠が目覚めたことに安堵する。何時目覚めたか、具合はどうかと問えば、
目覚めたのは今より少し前で、自分が置かれている状況を把握しようした。
私の声が聞こえ、ベッドに寝かされていることから気を失いここに運ばれたのだろう。
私の名を呼ぼうとするがエフラム達との話に夢中で、また頭に違和感が残りしばらく周囲の声に耳を傾けていた。
聞き続けるほど切りがないと口を挟んだそうだ。
師匠の意識が回復し、エフラムに加担したことによりセリカが拗ね、
兄妹喧嘩は終わりを迎えることになる。

114 :TMR(of ephraim) 外伝7:2014/08/01(金) 06:24:13.60 ID:MqnhTLHP.net
「もういい。エフラム兄さんなんて、このままシグルド兄さんみたいに“君にキス出来ない運命なんて…”
 のようなこと言って一生童貞でいればいいんだわ!童貞も捨てられない兄の言うことなんて聞くもんですか!」
セリカは部屋を出る際、ドアを怒りに任せドアを閉め大きな音を鳴らせて行った。
全く…頑固な兄と妹ね。エフラム、あなたも年上なんだから下の弟妹の気持ちくらい分かってあげなさい。
と言いたいところだけど、私もセリカの言うことは聞き入れられないのが本音である。
セリカが出て行った後、師匠は腑に落ちないエフラムに忠告を入れる。
「君と妹が喧嘩するのは勝手だが、一人で街を歩かせるのは如何なものだと思うな。
 冷静さを失っている上、今日は収穫際ということだ、ガラの悪い連中に絡まれると危険だ」
確かにそう、年頃の乙女が一人で出歩くのは危ないわ。
エフラム、シスコンとしてここであなたは妹を追いかけるの?
でも忘れてない?隣の部屋にはジェニーが寝ている、彼女を置き去りにするつもり?
孤児の彼女は寂しさを人一倍敏感だ。
彼女のことを分かっているなら、あなたのいう信念を貫き通すなら、彼女を取るわよね。
妹か孤児。果たしてあなたはどちらを取るの?
と、私はエフラムに視線を送り、彼の次に取る行動に注目する。
「…確かにそうだな。すまん、行ってくる!」
エフラムは師匠の言葉を聞き入れ、セリカを追うこと選ぶ。
私は未だ寝ているジェニーのことをどうするかと尋ねるが、
「起きたら、ここで待っててくれと伝えてくれないか」
と私達に任せ出て行ってしまった。結局あなたは妹、身内の方が大事というわけなの?
失望したわ。
師匠の容体のこともあり、私達はしばらく待つことに。
この時太陽は南中に近い位置まで登っていた。

ジェニーは未だ起きてこず、私と師匠は昼食をとることにした。
その時、野暮とは思いながらも倒れた仮説を立て師匠へ問う。
「お前の思っている通りだ、ジェニーという少女がエフラムを庇ったとき、俺の中にある苦い記憶を甦らせた。
 俺はあの時から止まったままだ…何も変わっていない」
あの時から止まったまま…?何か心の奥隅に留めておきたいほど、嫌な記憶なのだろう。
ならこれ以上は言及する必要はない。
「疑問に感じないのか?」
否と言えば嘘である、という私の表情を読み取った師匠は自分の過去について話す。
「俺は500年前から生きている」
「500年前?あの時の聖戦(*1)から…?では師匠は印付きかラグズなのですか?」
ベオクであればとうに寿命を迎えている、私は一般的な見解を挙げるがどれも違っていた。
師匠は正真正銘のベオクなのだ。なら封印されていたのか?という新たな説を挙げる。
「まあ、その答えに近からず遠からず。正確に言えば時が止まっていると言ったほうが分かり易いか」
「時が止まる?それは…もしかして、ルカヴィ(*2)と契約したと…なら師匠は…!?」

 ―独自設定による補足―
*1…外伝4参照。聖石(*3)と契約して現世に転生したルカヴィを倒す戦い。一回目は1500年前、2回目は500年前。
*2…悪魔のこと、元ネタはFFT,FFXIIを引用しています。
*3…黄道十二(+1)星座が記された石、ルカヴィの魂を封じ込めている。魔石同等の認識をしていただけたら。
   この話で聖魔の光石に相当する聖石は“光石”と別称しています。

そう、悪魔であるルカヴィと契約、魂の融合を交わすと不老不死の体を得られるという。
ただ不死はエーギルの崩壊、あるいは光石によってエーギルが封印されればその意味をなさない。
前聖戦でルカヴィとなった者は全て倒されたと論文に書かれていたが、
その論文の参考文献が偽りの情報が記されていることも考えられる。
それ故、兄弟家のミカヤさんが自分の中にルカヴィを潜ませているのは公にされていない。
なら師匠も明らかにされていない歴史の闇の部分を持った人間か?
「いや、そうではない。俺は聖戦時ルカヴィと戦っていた方の人間だ。
 当時の俺は自身が打った刀を手にしてルカヴィ討伐にあたった。あいつと共に…」

115 :TMR(of ephraim) 外伝7:2014/08/01(金) 06:24:41.50 ID:MqnhTLHP.net
「それが…ケリーさんですね」
「何故それを…?」
「不躾ながら文献を探索している時に偶然…日記を」
ケリー…師匠の家にある資料の中に紛れ込んでいた日記の著者と同じ名前。
日記の中には師匠の名前も多く見られていたこともあり、何かと縁があると推測は出来ていた。
日付も戦乱時の途中で終わっていることから、どこかで命を落としたのだろう。
「そうか…あれを見たのか。ケリーは俺の相棒であり、刀鍛冶の助手でもあった女性だ」
師匠は今まで一切口にしなかった自分自身の過去について話し始める。

自分は一介の刀鍛冶でありながら卓越した剣の技量を備えていた。これは今の私でも分かることだった。
その腕前を買われ、ルカヴィ討伐を依頼される。
師匠がケリーと共にルカヴィと対立した時のこと。
なんらかの術、呪いにかかり手足の感覚が無くなり、感情…意識以外は束縛される。
おそらくその術、呪いというのは様々だが、いずれも生命体の五感を奪う効果がある“悪夢”だろう。
動けなくなり死を覚悟した時にケリーが自分を庇う。
目の前で血を流し、息絶えた後エーギルを吸われる。
死亡直後ではまだ細胞が活動を停止していなく、皮膚には艶がある。
だがエーギルを吸われることにより、皮膚は徐々に枯れるように朽ち果てて行く。
そして魂形成に必要な量を下回ると、彼女は跡片もなく消えてしまった。
死んだのではなくケリーという存在自体が無くなった。
師匠はこの一部始終を見てしまった。
これがトラウマの原因だという。
ルカヴィが再び自分に視線を向けると、再び自分の番かと覚悟する。
その時、どこからともなく温かい波動が流れてくる。
これはルネスの疑似封印の盾の効果であり、ルカヴィを衰退化させる。
同時に師匠自身も身動きが取れるようになり、状況を把握できないなりにもルカヴィに刃を向け、斬り伏せた。
偶然とはいえ、師匠は生き延びることができた。

数十年経って異変を感じる、聖戦時と容姿がまったく変わらない。
当時は今ほどベオクとラグズそして竜の仲は平穏ではなく、寧ろ溝が生じていた。
化身の能力を持たず寿命が長い、すなわちそれは印付きであり非難の的になる。
それを避けるかのように師匠はベオクしかいないバレンシアの人里離れたこの場所に暮らすようになった。
それからというもの、師匠は彼女が殺されたことを自分のせいだと負い目を感じながら生きてきた。
症状は非常に重症で日常において記憶の中で蘇る他、寝ている時でさえ悪夢になって現れる。
その結果女性恐怖症になったというわけだ。
昨日師匠が倒れたのは、ジェニーという少女の容姿が昔のケリーに酷似していたため、
エフラムの前に立った瞬間、忌々しい記憶がフラッシュバックを起こしてしまったという。
「すまないな…こんな情けない師匠で」
師匠は自分の弱さに自嘲しながら話す。
決してそうは思わない、誰だって触れられたくない記憶があるのだから。
それより勝手な事をしたばかりと謝れると、
「気にするな…と言いたいところだが、感情に負けて関係ない人間まで刃を向けるのは止めろ」
「以後、肝に銘じておきます」
と忠言を真摯に受け止める。私がジェニーに刃を向けなかったら事は生じなかったし、
そもそも発端であるエフラムと私闘を行わければ良かっただけだ。

「しかし、師匠はなぜ刻が止まったままなのでしょうか?」
と別の話題、先の話の途中で疑問に思ったことを師匠に訊けば、
自分自身の心の問題だと答える。
「お前は自分の欲望のために力を揮うが、それはあくまで破壊者の心であると言ったな」
「はい。古い秩序を打ち砕き、再生という新たな世界を生み出す先駆者になると…」
「まさに今の俺への当て付けだな…過去に縛られ前に進もうとしない」
「そんなことは…」
刻が止まっているから縛られている。忘れられない。
前に進まないようにしている。その過去を引きずっている深層心理が影響していると。
だから私が最初に訪問して行きた時、私の“愛する人のために強くなりたい、変わりたい”

116 :TMR(of ephraim) 外伝7:2014/08/01(金) 06:25:39.04 ID:MqnhTLHP.net
という姿勢に自分も感化され前に進もうとしたことが弟子に取った本当の理由とまたも自嘲した。
もちろん、それだけではなかった。
私の話から近年紋章町にミカヤさんが現れたこと事を聞き、
遠からず聖戦の再来するのではないかと懸念していたこともあったからだ。
聖戦を再来するのなら武器は必須。
しかし、ルカヴィに太刀打ち出来る武器と言えば、ほとんどが聖遺物や神器となっている。
人…ベオクが自ら作ったとされるのは1000年の神将器ぐらいだ。
なら現在はどうか?1000年以上経つというのに未だこの手の技術は平行線を保ったまま、いや、衰退している。
単にこの500年平和であり、が大きな戦いが起こらなかったことが大きな要因だろう。
再度大きな戦いが起こり得るのであれば、頼みの綱は過去の産物のみ。
私に刀鍛冶の技術を継承させたのは、過去の技術を蘇らせ、その先にある物を生み出させるためだそうだ。
何時までも過去の産物に頼っていてはならない。新しい物を創りださなくては、先へは進めない。
自分より前を向いている私に託したいと思ったからだそうだ。
私知らぬ内に大役を任されるようになっていた。

時間が経ち、昼下がりの午後。ジェニーが起きて来て、師匠の目覚めを喜んぶ。
だがエフラムがセリカを追って出て行ったきり帰ってこないと聞き、悲しげな表情をした。
一向に帰ってくる気配もないので私はジェニーを宿舎まで送ると師匠に進言し承諾を得る。
師匠は一足先に帰り、私はジェニーを送り届け、お礼にとワープの魔法で拠点に送ってもらった。
収穫際以降、私はエフラムとは会うことはなかった。

 ………

それから半年以上経った水無月のこと。
私はかなりの量の修練を積み、師匠からも二刀の心得も学んだ。
再度修行の成果を得るため、私は転昇の儀を行うことに祠に向かう。
これで三度目だがこの場所はどうも慣れない。僕像の前に赴き魔戦士に昇ることを冀う。
しかし、僕像からは“この者、転昇にあたわず”と告げが来る。
修練が足りなかったのかと肩を落とすと、 “魔戦士のユニティは男性専用” と再度告げが聞こえる。
なら女性が昇れるユニティがあるということか?
ならそれに昇ると私は意思を示し再び転昇の儀を行った。
光の繭が私を包み、出てくる際に私は木賊色の闘衣に臙脂色と藤色が織り成す陣羽織、
目元と口元が開き、実用性の高い漆黒の般若面を授かった。
これは剣士系女性専用の最高位のユニティ、ソードマスターだ。
“ソードマスターではない、ブシドーである”…と告げが聞こえる。
いやこの姿ほぼ覚醒のソードマスターなんですけど…
“ブシドーである。異論は聞かん”
神様曰く、どうやらこのユニティの名称はブシドーらしい。

 シビリアン(村人)→ 傭兵 → 剣士 → ブシドー(魔戦士)

ともあれ私は無事傭兵系のULTIMA TE(最高位)のユニティであるブシドーに昇った。
その後、今までの刀鍛冶の技術の結集として、対称の双刀を打ち出す。
名は“須戔男尊(スサノオ)”、“小太刀“益荒男(マスラオ)”だ。(名の元ネタは…察してくだい)
双刀と言っても一般の太刀より短い、小太刀の双刀。
攻撃力に劣るが軽量で小回りが利く分、防御力が非常に高い。盾として使える刀、それが小太刀の特性。
小太刀と私の速さを相乗させて敵を一気に薙ぎ払う。
技を磨き必ず打ち破って見せる。その時まで待っていなさい…エイリーク。
クロム様は私にこそ相応しいのだから。

 ………

18歳の文月初旬、対エイリーク戦に備え心身共々の鍛練に精を出していたある日。
拠点の工房に来訪者がルドルフ氏の書簡を携えた使用人が訪れた。
どうやら私宛てのようだ。封を開け中身を閲覧すると、大会への参加の勅令だった。
そう…今私がいるバレンシア地方では紋章町において異質な場所。

紋章町にはアカネイア、バレンシア、ユグドラル、エレブ、マギヴァル、テリウス、イーリス(+ヴァルム)といった自治体が存在する。
アカネイア、ユグドラル、テリウスではアカネイア、グランベル、ベグニオンが中心として行政を、
エレブ、マギヴァル、イーリスでは各地区が公平に立ち合って政治を行っていた。

117 :TMR(of ephraim) 外伝7:2014/08/01(金) 06:26:20.36 ID:MqnhTLHP.net
バレンシアも後者の方針を取り入れているのだが、ソフィアとリゲルとの仲は劣悪である。
それは、ソフィアはミラとリゲルはドーマの兄妹神発祥の地とされていることが起源であり、
二神の価値、道義、信条は極端であったとこも相乗し、紋章町のベオク間において最も古く、今もなお根強く残る地である。
よって公平に求めれば求める程、議会は荒れるばかりでなく、武力行使に至ることも少なくはなかった。

リゲルとソフィアは大きな運河で隔てられている。
ミラ教の聖地であるミラの神殿は運河の側にあり、ドーマ教側が攻撃しやすい。
そのため、宗教戦争が勃発しやすかった。バレンシアの宗教戦争は特殊である。
メサイア、イリュージョンの幻影でシャドー(覚醒でいえば魔符のようなもの)を召喚させ、戦わせる。
つまり代理戦争である。
だが幻影の魔法を唱えるにはユニティは体力、そしてエーギルを媒体とし魔法に転換する必要があり、
そうLight My Fireだ。
術者のエーギルは有限、しかも一定のエーギルを失えば体を構築する細胞、そして魂までもが崩壊に至る。
つまり召喚魔法の多用は身の破滅を誘発する。
だとしても両教の召喚の魔法を使えし者達は、自らの命を投げ打ってでも自陣の為に貢献した。
遺された子供が孤児となり、孤児院で育てられ新たな駒として命を散らす。
この現状を看過できず、他の自治体が仲介に入ろうとするが、自分たちの内輪揉めであり、部外者が口出しするなと頑なに拒む。

近年のこと、一向に改善されないバレンシアの対立に他の自治体は煮えを切らす。
連合を組み、バレンシアという自治体の解体に着手する。もちろん、元凶であるミラ教とドーマ教もだ。
当然バレンシア側は対抗するが、連合を相手には無謀という程の体力差があった。
このまま戦って負けるのは愚かでしかいいようがない。
と判断したバレンシアは連合側にある立て前である提案をする。
4年に一度闘技大会を行い、勝利した方に自治権(決定権)を持つという内容で、この条件と引き換えに自治体の存続を締結させた。
この案件は無益な血を流さない戦いだと評価する者いれば、
結局は己の威信と繁栄しか考えていない愚行だと蔑視する者もいた。
周囲の反応はどうあれ、この制度を導入にしたことにより、
バレンシア地区にも以前よりか安定した生活が送られるようになったのは確かだった。

私が知ったこの闘技大会の情報をお教えしましょう。
・この闘技大会は通称ユニティファイトと、宗教関係者からは聖戦とも呼ばれている。
・ルールとしては新暗黒、新紋章のような通信闘技場形式であり、
 敵の殲滅あるいは、制限時間経過時に拠点を占領した方が勝利となる。
・参加人数は、覚醒のすれ違い通信と同様10対10としている。
・開催場所は両陣営公平になるように他の自治体の場所を借りて行う。
・参戦の資格としてはユニティまたはユニティになる因子をもつ者のみに限られる。
 これは部外者を嫌うバレンシアの風習からである。
・バレンシア地方では聖なる井戸水には戦闘不能者を蘇らせる奇跡の聖水が流れている故、
 殺しても構わないというのが暗黙のルールとなっている。
・この大会の近況を挙げれば、ここ数回はリゲルが連続して勝利を収め、バレンシアの実権はリゲル主導となっている。
・地域有力者が自ら参戦することは稀であり、ほとんどは部下や代理人を参戦させる。
 勝てば、有力者側は利権を獲得でき、参戦を請われた側も莫大な報償が貰える故利害が一致していた。
 代理で戦いを請うのが傭兵の仕事いえば仕事である。
・私に何かと目をかけて頂いているルドルフ氏も前大会までは自ら参戦し勝利に貢献していたという強者だ。
 壮年でまだ戦えぬわけではないが、今回は後釜であるジークに代わりを委ねることにしたという。
・長年実権を握られているソフィア地区では、それなりの生活水準を保っているものの、
 ミラの教え通りの優しさと慈しみが支配する優麗の政策を取れず、リゲルの質実剛健の方針を喫さなければならなかった。

118 :TMR(of ephraim) 外伝7:2014/08/01(金) 06:27:32.70 ID:MqnhTLHP.net
・このような背景がありソフィア、ミラ教団関係者は悲願の政権奪回、革命に躍起になっている。
・ミラ教の修行に励むセリカがミラ教を普及させようと熱心になっているのは単にこの件が影響受けている。
・兄弟家のアルムとセリカも若年ながらこの大会の候補として挙げられている。

 ………

そう今年は偶然にも政権を賭けた戦いが来月葉月に開催という。
この書簡の中身は “代表者として参加を請う。是非を問うため、一度足を運ばれたし”というものだった。
師匠にはこの大会のことは告げず、ルドルフ氏に面会する旨だけ伝え拠点を出る。
ルドルフ氏の館に到着後、件の人物と対談をする。
「話は書簡に書いてある通りだ、私は君に参戦してもらいたいと思っている」
「私…がですか?不肖ながらユニティになって一年、剣技も未熟であります。リゲルの命運をかけた大舞台に立つのは…」
「そうか…ソフィアの地区の代表に、エフラムという少年がエントリーされたと耳にした。
 君は彼と少なからず因縁があるらしいな、戦って決着を着けたいのだろう?」
「何故そのことを?」
「君のことは調べさせてもらったよ、私は君のことを気に入っている。だからその舞台を用意しただけだ」
先までは辞退を願おうとしたが、エフラムが参加する旨を聞いただけで私の気は一転する。
ここまでお膳立てして頂いたルドルフ氏のお心遣いに深く感謝した。
「代わりにと言ってなんだが…」
ルドルフ氏は私の参加するにあたり、一つ要求を申した。
それはバレンシアの軋轢に偏見を持たず、ただ純粋に二神の根幹を欲しようとしている私にしかできないこと。
もう一つ出場する時は義名を名乗り、正体を隠すということだった。
つまり私は懐刀の役割、しかしエフラムと戦えるのであればその要求は易いもの。
私はその要求を即時に受け、ルドルフ氏の屋敷を後にした。

 ………

拠点に戻るなり、私は参戦する旨を師匠に伝える。
師匠は“そうか…”と特に激昂した様子を見せなかったが私にあることを問う。
「仮に負けたとしたらどうするんだ?いや勝ったとしてもだが…」
エフラムに負けるそれは師匠の流儀に泥を塗る行為だ。
その時は潔く辞める。
勝ったとすれば、エイリークより強いことが証明される。つまり、クロム様の隣にいる権利は私の物。
だったらここにいる意味は…
決着はどうあれ、彼と対決するに以上はここを出なくてはならない、その答えの気がついたのは今だった。
「正直言うと、お前は剣技にしても鍛冶鍛錬にしても筋がいい。手放すには非常に惜しい人材だ。
 鍛練を重ねれば恋愛の為に生きるという考えを改められるとは思ったが…」
師匠は私を引きとめ、辞退をしたらどうかと言葉をかける。
私は後ろめたさを感じながらもエフラムとの対決する方に気持ちが行っていた。
勝手な弟子で申し訳ないと思いながらも師匠に背く道を選ぶ。
師匠はまた“そうか…”と覇気がなく呟き、
「ここを出るのなら止めはせん、なら最後に手合わせをしてもらおう」
「つまり、ここで俺を倒して行けということ?」
「そうとは言わん。自分が人に教えるのに向いていたかどうか確かめるだけだ」
「わかりました…」
互いに剣を取り合い、手合わせをする。
私は師匠から伝授して頂いた剣技と飛天御剣流を参考にし、自ら昇華した奥義を放つ。
その名は『朱雀飛天舞(スザクヒテンノマイ)』(元ネタは聖剣伝説3、パクリですみません)

 ………

その後、私は師匠に謝りきれないほどの謝礼をし、山を下りる。
大会までの間、ルドルフ氏の館を拠点とし、剣を揮うことに精を出す。
時には騎士様にも手合わせを願い、勉強をさせて頂いた。
そして大会に臨むことにする…

 つづく…

119 :助けて!名無しさん!:2014/08/01(金) 23:34:43.49 ID:EitM4qPR.net
100レス目に誤字がありました。
正しくは「兄達の裸など幼少期風呂に一緒入った時以来見るはずもない。」です。
すみませんが保管庫投下の際に訂正願います。

120 :TMR(of ephraim) 外伝8:2014/08/04(月) 17:33:57.13 ID:GfBdtJf3z
 TMR(of ephraim) 外伝8 【Tiamo Makes Ruin of herself mind 】 >>104-111の続き

私ティアモはバレンシアの実権を賭けた白兵戦、地区同士の力比べに参加することになる。
しかし私は団体戦いえ自陣の勝利など興味がなく、ただエフラムを倒すことだけを望んでいた。
エフラム…あなたを越える、そしてクロム様との宝物の恋を手に入れる、それが私の愛の証…
邪魔立てするのであれば何人たりとも容赦はしない…

これはティアモの心情なので解せない方のために第三者視点で解説すると…
いつぞやのバレンタインの日、一人身のティアモはエイリークがクロムにチョコレートを渡す現場を目撃する。
友好的だったエイリークは実は恋好敵手であり、自分を出し抜いて高感度を上げようとし、行き過ぎた友情が憎しみに変わる。
その後、何故か手合わせしたことを果たし愛(自分の想いを剣撃に乗せ鍔迫り合い越しに語り合う)、
クロムは自分の想いを剣でしか伝えられない不器用な人間であると曲解する。
なら想いを受け止めてくれる強い剣士に惹かれるはず…つまり、エイリークからNTRするには
自分自身がエイリークよりも強いことを証明すればいい、と結論付けて剣の道へ進む。
途中、宿敵エフラムに出合い彼と剣を交える。これは北斗の拳から得た理論、“兄より優れた弟はいない”によるもの。
エフラムに勝てば、すなわちエイリークより強い、つまりクロムの側にいるのは自分こそ相応しいとの裏付け。
よって、ティアモは邪魔の入らない真剣勝負でエフラムに勝つことを望んでいるのだ。
…と書いたがはっきり言って全ては彼女が妄執と勘違いに過ぎない事を心に止めて欲しい。

 ………

大会の前日のこと。リゲル陣営は事前の作戦会議を行い、私も参加する。
リゲル陣営の面子は…騎兵2、重歩兵1、剣士3、魔道士4の編隊
ブシドー(ませんし)の私、ディーン、ブライ  Gナイトのジークとジェローム
魔女の三姉妹、マーラ、ソニア、ヘステ  祈祷師ジャミル  バロンのドゼー
 
作戦会議において、長年リゲル地区の政治に携わって来たハルク氏が参謀を担い、
対戦相手の職種及び能力を分析した情報から今回の大会の作戦について話し始める。
詳細を解説する中、私は立ち上がり話の流れをぶった切る…
「碧色のソルジャーの少年は私が相まみえる!手助け干渉、一切無用!!」
作戦を無視して単独行動を取ると断言すると、当然周囲は睨みをきかせる。
自分の作戦を否定されたハルク氏は冷静であったが、
髭を生やした男、分厚い全身装甲を授かったバロンのユニティのドゼーが猛反発をしかけるのだった。
「ガキの分際で作戦指揮を何だと!どこの馬の骨か分からないのような奴がこの大舞台に選ばれたのさえ奇跡的な出来事だと言うのに」
「私はルドルフ氏(地域最大有力者)より、独自行動の許しを得ている」
「糞アマが…つけ上がりおって」
怒りに満ちたドゼーが私の胸ぐらを掴む。まったく品性に欠けた輩だ。
まあ…常識外れなのは私も同じなことは承知しているが…
部屋が騒然する中、ジェロームはこの状況を面白がり私の横暴を助長させる発言をする。
「いいではないのか、毎度毎度リゲルの圧勝というのは歯ごたえがなさすぎる。
 この女はハンディキャップとすればいいだけだ。最初から10対9での作戦を立てればいい」
彼が言うには私は勝手に戦って、勝手に死んでこいということだろう。
「ええ、そうよ。私はワンマン・アーミー、その程度で死ぬ器であるのなら運命なら殉ずる。しからば…」
言いたいことだけ言った私は作戦会義中にもかかわらず途中退場するのだった。

 ………


エフラム、今度こそ雌雄を決する。
エフラム、既にあなたは宿命の相手
エフラム、あなたの槍と我が剣、真っ向勝負。
エフラム、あなたを越える、それが私の生きる証。
エフラム、討った先こそ私の愛がある…

私は漆黒の般若面を被り、彼との戦いを一日千秋の想いで待ち焦がれる…

121 :TMR(of ephraim) 外伝8:2014/08/04(月) 17:38:53.72 ID:CyNZG1yY.net
 TMR(of ephraim) 外伝8 【Tiamo Makes Ruin of herself mind 】 >>111-111の続き

私ティアモはバレンシアの実権を賭けた白兵戦、地区同士の力比べに参加することになる。
しかし私は団体戦いえ自陣の勝利など興味がなく、ただエフラムを倒すことだけを望んでいた。
エフラム…あなたを越える、そしてクロム様との宝物の恋を手に入れる、それが私の愛の証…
邪魔立てするのであれば何人たりとも容赦はしない…

これはティアモの心情なので解せない方のために第三者視点で解説すると…
いつぞやのバレンタインの日、一人身のティアモはエイリークがクロムにチョコレートを渡す現場を目撃する。
友好的だったエイリークは実は恋好敵手であり、自分を出し抜いて高感度を上げようとし、行き過ぎた友情が憎しみに変わる。
その後、何故か手合わせしたことを果たし愛(自分の想いを剣撃に乗せ鍔迫り合い越しに語り合う)、
クロムは自分の想いを剣でしか伝えられない不器用な人間であると曲解する。
なら想いを受け止めてくれる強い剣士に惹かれるはず…つまり、エイリークからNTRするには
自分自身がエイリークよりも強いことを証明すればいい、と結論付けて剣の道へ進む。
途中、宿敵エフラムに出合い彼と剣を交える。これは北斗の拳から得た理論、“兄より優れた弟はいない”によるもの。
エフラムに勝てば、すなわちエイリークより強い、つまりクロムの側にいるのは自分こそ相応しいとの裏付け。
よって、ティアモは邪魔の入らない真剣勝負でエフラムに勝つことを望んでいるのだ。
…と書いたがはっきり言って全ては彼女が妄執と勘違いに過ぎない事を心に止めて欲しい。

 ………

大会の前日のこと。リゲル陣営は事前の作戦会議を行い、私も参加する。
リゲル陣営の面子は…騎兵2、重歩兵1、剣士3、魔道士4の編隊
ブシドー(ませんし)の私、ディーン、ブライ  Gナイトのジークとジェローム
魔女の三姉妹、マーラ、ソニア、ヘステ  祈祷師ジャミル  バロンのドゼー
 
作戦会議において、長年リゲル地区の政治に携わって来たハルク氏が参謀を担い、
対戦相手の職種及び能力を分析した情報から今回の大会の作戦について話し始める。
詳細を解説する中、私は立ち上がり話の流れをぶった切る…
「碧色のソルジャーの少年は私が相まみえる!手助け干渉、一切無用!!」
作戦を無視して単独行動を取ると断言すると、当然周囲は睨みをきかせる。
自分の作戦を否定されたハルク氏は冷静であったが、
髭を生やした男、分厚い全身装甲を授かったバロンのユニティのドゼーが猛反発をしかけるのだった。
「ガキの分際で作戦指揮を何だと!どこの馬の骨か分からないのような奴がこの大舞台に選ばれたのさえ奇跡的な出来事だと言うのに」
「私はルドルフ氏(地域最大有力者)より、独自行動の許しを得ている」
「糞アマが…つけ上がりおって」
怒りに満ちたドゼーが私の胸ぐらを掴む。まったく品性に欠けた輩だ。
まあ…常識外れなのは私も同じなことは承知しているが…
部屋が騒然する中、ジェロームはこの状況を面白がり私の横暴を助長させる発言をする。
「いいではないのか、毎度毎度リゲルの圧勝というのは歯ごたえがなさすぎる。
 この女はハンディキャップとすればいいだけだ。最初から10対9での作戦を立てればいい」
彼が言うには私は勝手に戦って、勝手に死んでこいということだろう。
「ええ、そうよ。私はワンマン・アーミー、その程度で死ぬ器であるのなら運命なら殉ずる。しからば…」
言いたいことだけ言った私は作戦会義中にもかかわらず途中退場するのだった。

 ………


エフラム、今度こそ雌雄を決する。
エフラム、既にあなたは宿命の相手
エフラム、あなたの槍と我が剣、真っ向勝負。
エフラム、あなたを越える、それが私の生きる証。
エフラム、討った先こそ私の愛がある…

私は漆黒の般若面を被り、彼との戦いを一日千秋の想いで待ち焦がれる…

122 :TMR(of ephraim) 外伝8:2014/08/04(月) 17:54:13.40 ID:CyNZG1yY.net
次の日、バレンシア地方の実権を賭けた戦いの幕が上がる…
この聖戦が行われたのはアカネイア地方のマケドニア地区、
事の元凶であるバレンシアでなく他所で行うのはソフィア、リゲル両方に公平であるためだ。
私には味方など必要ないがもう一度説明をいれよう。

 ※白兵戦のメンバー紹介※
リゲル  …ミスレンアイドー、ジーク、ジェローム、マーラ、ソフィア、ヘステ、ドゼー、ジャミル、ディーン、ブライ
ソフィア …エフラム、他9名

ソフィア陣営のエフラム以外は匿名であるが、決して考えるのが面倒だったわけではなく、
ただ…そのネタバレを回避、今後の展開にご期待下さいということ。

 ………

各自持ち場に着いたところで開始の合図を待つことにする。
その間、私は腰の長さまである髪を結う。
長い髪を下ろしたままでは剣を振るときに鬱陶しい他、悪ければ戦いに支障が出る。
普段はえりあしの高さあたりで結ぶのだが、今日は違い後頭部の一か所で髪を纏める結い方。
そう侍と同じであり敵前逃亡は士道不覚悟、殺らなければ殺られる…死出の結いだ。

数分後、始まりの狼煙が上がる。この戦いは闘技場のような建物の中で行われるのではなく外で行われているからだ。
故に戦場の広く全ての人間に瞬時に伝えるにはこの方法が一番手っ取り早い。
戦いの合図が示され、いよいよだと私は意気込んだが急に地面に異変が起こる。
突然地面が揺れ始め強さが徐々に増し、局所では大地を裂き隆起する現象が生じた。
おそらくこれは祈祷師ジャミルの“メガクエイク”であろう。
味方まで巻き込むが相手は混乱状態に陥り敵の士気が下げるのが目的。開幕に行うのはより効果的だ。
さらに作戦の神髄は地形を変化させることで敵の戦力を分断させ孤立した者を魔女のワープで奇襲をかける二段構え、
最初に頭数を減らせれば当方が圧倒的有利となる…これも参謀のハルク殿が立てた作戦、いい判断をする。
なぜわかるかと?心眼は鍛えているのよ…あと昔読んだ漫画とかにこういう作戦があったのを覚えているからだ。

地響きが収まりここからエフラムをどう見つけ出すか…と考えながら地震により高く隆起した大地の壁を飛び越えて行く。
今の私は身軽さと速さと小回りが利き、加えて魔防が高いのが特徴のブシドー(ませんし)であり、
このような障害物を越えることなど容易い。
エフラムの捜索を敢行している中、物影から人の気配が読み取れた。
数からして一人、自陣は開幕の作戦を知っている故私以外は孤立することはないはずだ。
なら敵、おそらく戦力を分断され味方と合流できるまで単独行動を避けているのだろう。
「隠れてないで出てきたらどう?」
と物影に潜む者に声をかける。その人物がエフラムであれば御の字だ。
動く気配がなかった。奇襲を狙っているのか?
真意を探るため再び声をかければ覚悟を決めたのか姿を現す。
現れたのは苺のように艶やかな赤色、波打った髪を持ち大胆にも太股を晒した戦衣装を纏った少女、兄弟家のセリカだった。
正直言って興が乗らない。今の私はエフラム以外と刃を交える気はない。
「エフラム以外とは戦うつもりはない。離脱するのなら情けはかける」
「もしかして…ティアモさんですか!?」
「違うな、少女。今の私はミスレンアイドー、過去は捨てさせてもらった」
「隠しても無駄です。それになんですかそのセンス皆無でダサい二つ名は!」
正体が分かっているのなら素顔を隠して意味がないと思った私はあっさり漆黒の般若面を外し、素顔を顕にする。
そして再度この場から身を引くように勧告する。
「そう…あなたの言う通り、私はティアモよ。もう一度訊く、離脱するのなら今の内よ」
「いえ引くわけはいかないわ。私はミラ教の復興のため聖戦ですから!」
無駄な戦いを避けるように私は誘導したが、相手はその手には乗らない。
まあこの戦いのルールがほぼ敵の殲滅である以上敵は倒さなければならないのだから。
「あなたが何故ユニティで愛を求めているはずなのにリゲル側にいるのですか!
 ミラ様の教えを理解できずドーマを幇助するのであれば、覚悟願います!」

123 :TMR(of ephraim) 外伝8:2014/08/04(月) 18:10:31.90 ID:CyNZG1yY.net
「どうやら私の道を阻むよね!ならあなたを斬ることになるけど恨まないでね」
戦わぬという選択肢を捨てた二人の髪はもはや苺色は『煉獄の炎』、緋色は『東方が赤く燃えている』となり、
般若面をつけ直した私は修羅そのものだった。
私はセリカとの戦いはエフラムとの前座とし、抜刀をしようとした刹那…
何の前触れもなく私の頭上を目がけ轟音と共に稲妻が落ちる。
アイオンの“いかづちよ…いかづちよ…”とも言えようか。
そう、空は雲こそあるが限りなく澄みきった青空が広がりまさに青天の霹靂と言わんばかりの出来事だった。
だが数多の修練を積んだ訳ではない私だが、危険を察知し落雷を紙一重で避ける。
一連の流れはセリカが放った雷の魔法サンダー、私の射程よりも遠方、
そして人の死角である頭上からの先制攻撃、不意討ちという兵法において常套手段用いたものだった。

なぜセリカは魔導書の存在を顕にせず、雷の閃光を放ったのか?
紋章町では魔法は一般的に魔導書を詠唱するのが一般的であるが、ユニティは魔導書なしで魔法を唱えることができる。
これは大きな特権であると思われるが魔法という特有のエネルギーを生み出すため術者の体力を媒体としている。
肉を切らせて骨を断つ、いわば諸刃の剣。故に連発に向かず機を逃すと劣勢は必至だ。

二度目の稲妻が同軌道上に降り注ぐが一度見た手品であれば対処法は自ずと生まれ、
よってこの攻撃は余裕とは行かないまでも難なく避ける。
次の行動に移そうと考えたが私とセリカの間は大きく離れている。
さてどう攻めようか…私は体よりも口を動かした。

「年端のいかないあなたまで参戦させるとは…ソフィアとは随分と落ちぶれているものね」
これは陽動、セリカがサンダー程度の初歩魔法しか使えないとは考えられない。
サンダーより上位魔法を使わせようと煽り、体力を消耗させ隙が出来たところを一気に叩くのが目的。
それと発生源が分かり易い魔法に切り替えさせることも踏まえている。
「ミラ教の復興の礎となるべく私自身が参戦を申し出ました」
「そう自ら…結構なことね。神を信じて何なる、信じれば救われる?幸せになれるとでも!!」
「…あなたが神を信じるかどうかはかまいませんが…ミラ様を侮辱するのは許せません!!」
と言い切り間髪いれずセリカは別の魔法を唱える。どうやらセリカは私の誘いに乗ったようだ。
セリカが唱えたのはエンジェル。外伝に登場し魔物、不浄者や異形者、魔王の傀儡に対し絶大な効果がある魔法。
前聖戦でも浄化魔法ディルと並び戦況を大きく変えた魔法でもある。
詠唱後五体の羽の生えた天上人、ミラの僕像に息吹を与えたような形ある者がセリカの頭上から現われ、
各々が異なる軌道を描き私の方へ特攻を仕掛ける。
これはファングいえミサイルのようであった。
この時私とセリカの距離は開きがありサンダー程に速射に比べればゆるしとしたもので、
私は特性を見極めるべく迂回しつつ接近を試れば天使達は追うように向かってくる。
誘導性があるようだ、数が五体あるなら一つずつ振り払っていてはいずれ隙が生じるだろう。
さすれば!と私は足を止め、動かざるは山の如しと立ち尽くせば、
その行動にセリカは気が狂ったのかという解せぬ顔を見せる。
五体の天使は不動の私に照準を定め一直線に軌跡を描き突進する間、
徐かなること林の如くとただ機を見極める。
そして当る瞬間を読み、紙一重で縮地を用い一歩で最高速度に達する足運びを用い前進すれば、
天使たちは私がいたであろう所で互い衝突し大に爆散し煙を上げる。
この威力…若干14歳でこの代表戦に選ばれたセリカの魔力なら当たれば致命傷だろう。
…しかし、当らなければどうということない!
私は疾きこと風のごとく、目にも見えぬ速さである縮地による突進に乗じて反撃に出る。
前進と同時に二刀の片方、利き手である左手で抜刀し移動の際に鋭く束ねた緋色の髪が燃え盛る炎のように荒れ狂わせながら

124 :TMR(of ephraim) 外伝8:2014/08/04(月) 18:25:55.37 ID:CyNZG1yY.net
侵掠すること火の如し、雄叫びをあげながらセリカに斬りかかる。

「切り捨てぇぇぇ…御免ぇぇぇん!!!」

私の大胆なまでの回避からの攻撃転換に煙の中からの出現に呆気を取られるが、
冷静さを失わず携えていた剣を取り私の太刀筋を受け止める。
そう彼女は魔法と剣を扱うことが出来る両刀遣いのユニティ、仮に魔道士だったなら無防備状態で斬られていただろう。
刀と剣の刃が交わる鍔競り合いの密着状態、よくぞこの攻撃を止めたと喜びを感じる。
悲しいかな、戦いを避けたいと言いながらいざ始めて見れば戦いを悦楽している自分がいる。
「いい反応よ、さすがエフラムの妹!!」
「ありがと、私は剣にも自信があるの。伊達に毎日KINISINキラーと手合わせしていないから!!」
紋章町随一の剣客一家である兄弟家で育った故ポテンシャルの高い兄弟に剣術を仕込まれたなら納得がいく。
…だが気にいらない、彼女が得た力は充実した環境によるものだからだ。
剣と顔が睨み合う至近距離が続く中新たな陽動をかける。
これは彼女の価値観を否定し動揺を誘う。これは嫉妬なのは分かっているが言わずにはいられなかった。
「あなたはこの白兵戦をどう見ている?」
「何を…戦いの最中に!!!世迷言を言って動揺を誘うつもりなの!」
「私は真剣よ。答えられないならそれでもいい…
 この闘技大会はね所詮は人のエゴなのよ。相手側を蹂躙して自分の富と権利と威信を手に入れるためよ!」
「そんなことないわ、ミラ様はただ豊穣と繁栄を望んでいるだけ!ドーマ教が侵略するから!」
セリカは剣に憤怒と体重を乗せぶちかますように私を後方に押し出せば、彼女自身もその反動で後退する。
両者再び距離を詰め、刃を交わし金切り音を鳴らす。
セリカはミラ教こそが唯一無二の教えとし、自分たちに非が無いと主張する。
闇の部分を知らないのだろうか?ならその実態を教えよう。だが聞いて考えを改めると到底思えないが。
「じゃあ、何!?あのジェニー、ミラ教いえ、バレンシアに孤児が多いのは何故かしら」
「…それが、なんの関係があるの!!」
「神にこの身を捧げて聖戦の名の元の侵略戦争に参加し、命を投げ出してでも教の威厳を守ろうとする!
 負の遺産なのよ!!」
「違うわ。これは守るための戦い!そうしなければ人としての尊厳が守れない!ましてや自分の家族も!」
「ならそれで幼子は遺され、保護の立て前に修道院に預けられる!」
「自分たちが撒いた種なら育てるのが当然よ!それはミラ教でもなく他教でもしょうでしょ!!」
「表向きわね!本当は次世代を担うための人員確保!精神未成熟な状態から洗脳し独自の価値観を植え付ける。
 そして自教こそが絶対の正義、他者を認めない狂信者をという争いの種を生み出す!!」
「この狂言者がぁぁ!!」」
セリカは私の意図に反して逆上する。私が狂言者?狂信者のあなたならそう聞こえるだけ。
さらなる憤怒を持ったセリカの髪はサイヤ人のように逆立ち始めるように見える。
以前鍔競り合いが続く中、片手で剣撃を受けつつ零距離からセリカは言葉を紡ぐ。
「風、斬!」
と万物を切り刻もうとせん翡翠色の風刃の真空魔法、エクスカリバーを唱える。
末妹だからか精神的成長が遅いか反抗期だから激情になり易いか分からない。
だが戦いで感情になり過ぎると相手に行動が悟られやすくなる。
私は風刃が発生する瞬時にセリカの剣撃の押しの反動を利用しバク転で体を宙に浮かし回避するのと同時に距離を取るが、
セリカは着地するタイミングに合わせ第二派を放つ。
私の視界に入って来たもの、それは先の真空魔法の風刃ではなく無数の光輝く矢、
アローの魔法だった(原作のセリカは覚えられないが登場させたかっただけ)。
この魔法は凝縮、固形化した光の矢であり最大の脅威はその数。一つ一つの威力はさることながら塵も積もれば山となる。
避けきれないと判断した私はもう片方の刀を抜刀し身をかがめ十字に構え盾代わりにすることで直撃を防ぐ。
水平に降り注ぐ数多の光の矢の雨が止んだ頃には、私は全身には多少の切り傷の痕が残る。

125 :TMR(of ephraim) 外伝8:2014/08/04(月) 18:43:50.95 ID:CyNZG1yY.net
その時、人の気配を察知し待ち侘びたと興奮に駆られるが、
臆することなく姿を見せたことから味方だと分かった。
「ほう、一人倒すとは口先だけではないようだな。もう死んだかと思ったぞ」
あたかも見下すような言葉を吐いた主は重装の鎧を纏ったドゼー。
その男はセリカがまだ息をしている状況を見てトドメを刺そうとする。
何度も言うが、この戦いは殺してもいいのが暗黙のルールとなっているからだ。
私はドゼーがセリカの前に向かおうとする間に立ちはばかる。
「退かぬか!なぜ敵を庇う」
「手助け、干渉、一切無用だと言ったはず」
私にとってセリカが死んでしまっては不都合だからだ。
仮に死んだのであればエフラムは平常を失う。私が求めるのは彼との真剣なる戦い。
精神不安定な状態で勝ったとしても意味がない。
そのために、敢えてセリカを戦闘不能の状態にしている。

「何を…貴様は干渉するなと言ったのはエフラムという餓鬼だけだ。この小娘は関係ない、なら息の根を止めてもかまわんだろう」
私の意図をドゼーが知る由もなく食いかかる。邪魔立てするなら味方でも容赦はしない。
漆黒の般若面をつけた私は瞬時に二刀の刀を抜刀し、ドゼーに急接近する。
「身の程を弁えよ」
漆黒の騎士を意匠した台詞と共に刹那に重厚で固い鎧を物ともせず切り刻む。
私の刀は鍛錬に鍛錬を重ねた古の技術、その切れ味は竜の鱗も断つ。
そして、剣匠から伝授された技を自らにより昇華させた剣舞…奥義“朱雀飛天舞”。
斬られた者は視界を三分割され死に至る奥義であり、喰ったドゼーは散り台詞を言えないまま沈んだ。

ドゼーをゴミのように斬る一部始終を目撃したセリカは満足に喋れないながらも私に問う。
「狂ってるわ…どうして味方を…」
味方?そんなもの私には関係ない。理解できないなら教えてあげる。
エフラムが現れるまでも間、セリカに私の奇っ怪な行動の理由を語ることにした。

これは結局、理想的な戦争と言っているが単に支配欲の塊、
参加しているユニティは所詮消耗品でしかなく、得するのは有力者だ。
ルドルフ氏は有力者でありながら前大会まで自ら戦いに参加していたのは、
我が身を痛まず為政者を気取ることを気にくわなかったからだ。
そしてこの制度自体に疑念を持つようになり、闘技大会を破壊、消滅させるとこで数十年前の暗黒期に再び戻し、
他の地方からのバレンシアの解体に着手を促そうした。
計画を進める中、二年前に私という存在に出会う。
どちらの陣営、教にも深くかかわりを持たなく、誰よりも革命、自分の与えられた運命を変えたいと強く念っていることに興味を示し、
私にユニティに転昇出来る方法を教え、転昇後に破壊者という概念を植え付けた。
では私はルドルフ氏の傀儡に過ぎないと?そのようなことは先刻承知。
いや、ルドルフ氏の考えは共感出来るものであり、敢えて私は受け入れている。
思惑を知ったルドルフ氏は私をこの闘技大会での単独行動の許可を与えた。
これはエフラムと戦うまでの間、道を阻もうとする敵味方を潰し、彼を倒した後は敵味方への攻撃することを意味し、
前代未聞の不祥事を起こすことでこの制度に疑念を誘発させることが目的であった。

 ………

話を聞きセリカは驚愕と怒りを見せるが私は話を続ける。
数刻後、新たな数人の人影と遭遇し内一人が声を発した。
「セリカ!大丈夫!」
「アルム、エフラム兄さん。ダメ、来ないで」
セリカの名を叫んだのは彼女と同年代と思われる少年。そして後ろには私の標的者がいた。
会いたかったわ…エフラム!!
回復床から立ち、セリカの傍まで移動する。
エフラムと話が出来る距離まで近づいた時、般若面を外し己の素顔を晒す。
「収穫際以来…久しいわね、エフラム。妹の危機となれば必ずあなたがここに来ると私は信じていた」
待ち侘びながらも出会えた喜びを伝え、まだ動くことのできないセリカの喉元に刃を突き付ける。
これはもう一人(アルム)がいる状況で人質を取り、決闘に持ち込もうとするため。
「ティアモ、貴様」
「何言っているのかしら、この戦いの意図を知らないわけではないでしょ」

126 :TMR(of ephraim) 外伝8:2014/08/04(月) 19:02:46.25 ID:CyNZG1yY.net
順番訂正 117⇔118
セリカの魔法の直撃は回避したとはいえ、軽傷で済んだのはユニティ特有の魔防の加護を受けているからだ。

後退し間合いを取り、仕切り直しをする。
現在の状況を示唆すれば、私は軽傷。一方セリカの方何度も魔法を放ちかなり体力を消耗している。
その証拠に呼吸が激しく肩で息をしているようで喘いでいるようにも見えるが、まだ目は死んでいない。
これ以上の傷を負えばエフラムとの戦いに支障がでかねない。
なら次で終わりにしないとね…セリカ、あなたに引導を渡す。

魔法を唱える暇を与えぬ速さで距離を詰め剣撃を放てば、セリカも持てる力を振り絞り右手で剣を持ち受け止める。
鍔競り合いの膠着状態を見計らいセリカはまた先と同様の魔法を唱える。
先程と同じ戦法、まさか二度目来ないと裏を読んでの攻撃だろうか?
どちらにせよ魔法を発生する前に斬るだけ。
剣を交差している左手の逆、空いている右手で無防備のセリカに袈裟斬りを仕掛けるが思いもよらぬ光景を目にする。
先程の見た風刃をセリカが握っている、いや違う左の掌から発生させ私の右の脇腹、肝臓を突こうとしていた。
瞬時に袈裟斬りをしようと振り上げた腕をたたみ実体を成した風刃を小太刀で受け止める。
「ビームサーベルだと!?」
「違うわ、黒魔法を本来の従来の運用ではなく術者の周りに停滞させることにより攻撃に転用したもの!!」
いや…一点に集中することで防御にも運用できるはず。
魔法をそのような使い方があることに驚嘆するが同時に欠点を見つけ出す。
形を保つにはエネルギーが必須であり固形ならば尚更だ。
加えて常用運用はただ放つだけであるがこの運用では継続的に発生させなくてはならなく、燃費はかなり悪くなる。
体力を節約すべきセリカの現状であればこの戦法は今取るべきではない…自爆を誘うだけだ。
自爆を…誘う…?まさか!
両手それぞれの鍔競り合いの膠着状態に持ち込んだのは、私の足を止めるため。
そして魔法を唱えるには口さえ開ければいい。
「まさか自爆をしそうと考えているでしょう…」
「そうね、残念だけど今の私ではあなたには勝てないわ…
 だからね!!あなたのように私情で生き、世界を混乱させる者を無くすため、
 ソフィア…いえミラ教の勝利に貢献するため、
 エフラム兄さんはどうでもいいけど、アルムを守るため、
 私はあなたを道連れにする!!」
「それは…新たな負の連鎖を生みだすだけよ!!」
どうにか距離を取ろうと試みるが時既に遅し…
ファイアーエムブレム、封印の盾にはめ込まれた宝玉を連想させる五つの灼熱の玉が、
五芒星を描くように現れ二人を取り囲む。
そして徐々に標的である私に向かい星の形を狭め…やがて大きな火柱を立てた。

 ………

火柱が消えた後のこと、互いにまだ息があり、
おそらく術者であるセリカの体力を消耗していたため本来の威力には程遠かったのだろう。
だがそれが転じて私は大きな怪我を負わずに済む。しかし炎の魔法を直に食らって熱くは無いのかと?
ブシドー(ませんし)の恩恵もあるが、もともとで1000℃以上に熱した鉄と戦っていた経歴あり、
熱には多少に慣れていたからだ。

私は自分の損傷を確認すると横に倒れているセリカの状態を見る。
…もはや虫の息で戦闘不能状態まで陥られ辛うじて単語を発することができる状態だった。
多少手古摺らされたけど前座はこのくらいか…
私は魔法によって負傷した所に傷薬を塗り近くにある回復床までセリカを担ぎ運ぶ。
セリカをその隣に下ろし、自分は回復床に腰かけ負傷した身体を癒す。
セリカにトドメを刺さないのは、彼女はエフラムのおびき寄せるための餌にするのが理由だ。
シスコンである彼は妹の危機を無意識に反応し必ず来るであろう。
上を前提とし今まで彼女を戦闘不能に陥らすまで戦っていたというわけであるが、
実際あと一歩で台無しになってしまい冷や汗をかいていた。

数刻経過後、私の傷も癒えたがエフラムは現れない。
もしかして手古摺っている?やられたか?なら所詮その適度人間なのか、
いや来る、彼は必ず…戦う宿命にあると心の中で考えていた。

127 :TMR(of ephraim) 外伝8:2014/08/04(月) 19:19:55.08 ID:CyNZG1yY.net
そう…この戦いは敵を殺しても構わない(バルキリー、オーム等は自腹)のが暗黙のルール。
普通セリカを倒していない方がおかしい。エフラムは怒りと何故生かしておくのかと真意を測りきれない顔を見せる。
「エフラム、妹を失いたくなければ私の望みに答えて欲しい…」
「何が望みだ!?」
「邪魔の入らない真剣なる勝負を。この私、ミス・レンアイドーはエフラム、あなたとの果たし合いを所望する」
「受け入れなれないと言った場合は…」
意図が理解できないエフラムは辞退をした場合を問い、私は即座に返答する。
「今此処であなたの妹を斬首する」
「そんな…」「エフラム…兄さん、アルム。私のことは…いいから…この人から…離れて!」
「セリカを置いてそんなこととできない!」「ダメよを早く!」
「貴様、そうまでして決着をつけたいのか」
私の無慈悲な言葉にたじろぐアルム、なんとしても私と交戦させないようにするセリカ、
そしてエフラムはセリカを人質にして戦闘に執着していることを看破する。

意図が伝わったとわかるや否や、エフラムにこの所業に至った理由を包み隠さず話す。
「無論よ。私の愛を求める理由を否定し、私と到達すべき点が同じと言いつつ妹選んだ」
子供、孤児を大切にすべきという信念を掲げながら、あなたは私やジェニーの想いをいなした。
「ましてや私の愛しい人を奪い、乙女としての矜持を打ち砕いたのは他でもない。あなたとエイリークの双子の兄妹よ!」
「何故エイリークが関係ある!?」
そうね、あなたすれば関係ないけどこの決闘に彼女が大きく関係している。
貧乳同盟を結んだはずのエイリークは私のクロム様の恋路を阻んだ。
あなた達双子は最初に友好的な態度を示しておきながら、私は屈辱を味あわせた。
最初こそ憎悪が湧いたが今はそんなことはない。寧ろ喜びを持っている。
あなた達の存在は身に染みる程たくさんのことを教えてくれた。
『全ての人が平等でないこと』『この世界は偽善者ばかりなこと』『己の意思で生きること』
『欲しいなら奪い取れ』『愛は自分の手で掴む物』『KINSHINは許さん!』…と。
そして“戦う運命の赤い糸で結ばれていた”という極意に辿り着いた。

「もはや愛を越え憎しみになり、憎しみをも超越し宿命となった」「宿命だと?」
「一方的だと笑うかしら?」「いや…笑わないさ。貴様の望み通り果たしを合い受けよう」
「全力で望む」「兄さん!!」
私の期待通りエフラムは果たし合いに応じるが、アルムは援護しようと弓矢を構える。
邪魔するなら、まずはお前から倒す…!!と形相を修羅化させ、ガンを飛ばせばアルムはすくみあがる。
そうよ、それでいいのよ。邪魔せずにただあなたは見ていればいいのよ。
「アルム、お前はセリカの手当てを専念していろ!」
「わかったよ…」
エフラムは表向きにはセリカを看ていろ、裏では手出しはするなと伝える。
動けないセリカをアルムに預け、同時にエフラムと距離を取る。
“愛という幸福を手に入れる…これが私の生きる軌跡、TMR(Timao Makes Revolution)”
のミラの顔を“エフラムに勝つ…これが私の生きる道、修羅の道”という ドーマの顔を覆うように
外していた漆黒の般若面をつけ直し、
“私が望むのは一途に意中の相手との愛。あなた達を倒し、その極みにある幸福を手に入れる。”
…と念じ、二本の小太刀を抜刀し構えを取る。
エフラムも自分の得物を手にして構えるが、彼は槍ではなく二刀の対象の双刀を持ち、
その双刀は刀身の反った湾曲剣でなく刀身が真っ直ぐな刀、
“斬る”よりも“突く”ひいては“貫く”ことに長けているのが特徴の所謂“直刀”であった 。
槍を捨ててもあくまで突く概念を捨てていないのか?
いや違う。これは形状から剣に見えるが大身槍の柄を短くし、片手で扱える使用の槍。
おそらく投擲も可能だろう。
決闘において長柄では私の速さ、剣の間合いに不利であると思っての策か。
相手の戦略を見極めつつ待ち焦がれた戦いの仕切りをつける。

「兄弟家エフラム」 「ティアモ改め、ミスレンアイドー」
「妹を守るために」 「いざ尋常に」
「戦う!」     「勝負!」

128 :TMR(of ephraim) 外伝8:2014/08/04(月) 19:31:46.00 ID:CyNZG1yY.net
アルムとセリカが見守る中、エフラムとの決闘の狼煙が上がる。
私は得意の縮地、ませんしの攻撃モーションのごとく彼の視界から消え一気に私の剣の領域まで近づく。
エフラムも私の領域に合わせて向かい接近する。
この前(収穫際時)、刃を交えた時は足を負傷していたせいで分からなかったが彼の足は速い。おそらく私と同等だ。
これは幼少期から鍛練を詰んできた賜…それでこそ、倒し甲斐があると言うもの!
先に仕掛けて来たのはエフラム、左の槍を上から縦一閃に薙ぎ払う。
二刀を交差することで受け止めた瞬間を見計らい右の槍を突こうとする。
そうと来るのは容易に読み取れるが故、刀を押し上げ彼の重心を後ろ下げる。
「これこそが待ち焦がれた戦いね、エフラム!!」
「ああ…そうだな」
これでは重い一撃を放つことを出来ないと判断した彼は右を防御に専念しつつ左の槍を引き、
私が攻撃してこないと見切り次第、後退し距離を取る。
再度互いに一瞬で間合いを詰め先のような攻防を幾度か繰り返す光景は、
太陽炉と疑似太陽炉の放つ碧と緋の光がぶつかり合っているように見える。

私は今までの抱いた彼への感情を払拭するかの如く引導を渡そうとするが、
彼は太刀筋を捌きつつその眼は虎視眈々と機を見極め後の先を取ることに徹していた。
なら先の先を取る。そう彼との闘いは戦略、小細工不要の真っ向勝負で勝ってこそ意味があり、
一瞬で距離を詰めた私は反撃の糸口を与えない疾風怒涛の攻撃に、
“愛を手に入れるため栄えある同人の神の称号も捨て己の進む道を阻む者の妥協しないユニティに転昇し仮面を被った。
欲しいものがあるからここまで生き、そして手に入れようとした”…と辛酸を嘗めた思いを乗せる。
「私は生きてきた、そう…生きてきたのよ。このために生きて来た!
 たとえルドルフ氏の傀儡に成り果てても!このレンアイドーだけは!!」
彼は嵐ともいえる猛攻を凌ぎつつ私の生きた軌跡を否定する。
「貴様は愛に妄執し力に呑みこまれた者の終焉だ」
「違う。戦いと愛を望む…これはドーマとミラの意思!!
 いえ誰もが持つ潜在意識であり、私はその意思が強いだけ。そう、あなたの様にね!!」
「貴様と一緒にするな!!」

その後も一方的な攻防は続き、幾どの斬撃を受け止める内に彼の右肘が下がり均衡が破られると、
「エフラムに兄さん!!」
「アルム戦いに集中する。セリカを安全な所へ移せ!」「わかったよ…」
「戦いに集中すべきよ!!」
同時にアルムが兄の劣勢を見ていられず声を発し、その声に一瞬反応したエフラムに隙が生まれ、
私はよそ見する彼に喝を入れる勢いで太刀筋を入れるが瞬時に反応し槍の刃で受け止め、押し払い距離をとった。
アルムはエフラムの言う通り満足に動けないセリカを担ぎその場を離れて行った。
好きにしなさい、私もエフラムと果たし合いする初期目標が達成された以上第三者がいない方が戦いに集中できる。
最もエフラムも同じことを考えだろう。
アルム達が去った後、二人きりになった私とエフラムは互いに声を掛け合う。

「こままでは」   「埒が明かないわ」
「ならば」     「さすれば」
「うおおおおぉ」  「はあああぁぁ」

叫びと共に精神統一した私は刀に入魂し身体と刀を同化させる。
彼もまた目をつむり精神統一を行えば、どこか黄金に輝くオーラを放っていたようにも見える…いわゆる明鏡止水の境地だろうか?
一点の曇りが無い鏡、波のない静かなで水の如く、やましさやわだかまりのない静かに澄んだ心境。
幼女と一緒に入浴、就寝。妹や異性の裸体を真の当りにしても動じないという心。
これがあなたの会得した極みだというの?

開眼後、彼は双槍の片手槍を合身させ双刃の槍と化し新たな槍の型を取る。
そうこれがこの槍の本来の姿であり、彼の槍術の真骨頂が垣間見ることが出来る形状。
今まで双槍で戦っていたのは私の速さに目を慣らすための時間稼ぎということだった。
いずれにせよここからが私が見たことのない本当の彼の姿なのは間違いがない。そして…

「いざ尋常に…」   「勝負!!」

と第二幕の仕切りをつけ、この戦いに終止符を打とうとする…

129 :TMR(of ephraim) 外伝8:2014/08/04(月) 20:27:31.24 ID:CyNZG1yY.net
号令後、エフラムが前進するが私は左の小太刀での居合いの構えをとり、
彼の槍の領域に入り一撃を放つ時に生じる溜めに合わせ縮地からの居合一閃を放つ。
彼は危険を察知するなり槍を盾にして一閃をいなした瞬間、
逆手に持った右の小太刀を右切上げの方向に振り上げれば、
即座に槍を回して刃で受け止め、同時に身体を回転させ左の小太刀を彼の首を目がけ振り上げる。
首をくねらせ紙一重でかわすが僅かに首をかすめ一線の傷が生じ、血が滲み出る。
しかし彼は一切表情を変えず臆することなく槍を上方向への薙ぎ払いから突きを放ち、視界には槍の刃が迫る。
彼同様に私も焦ることなく瞬時に小太刀を交差に構え、槍の突きを受け止め強引に顔面直撃の軌道を逸らす。
しかし槍の一撃は重く力負けをした結果、槍の矛先は私の頬を掠め髪の色と同じ緋色の鮮血を流れ出、
槍が引いた後一度距離をとるため後退を試みた時に彼はある言葉を紡ぐ。

「…無双稲妻突き」

最後の言葉が聞こえた時には槍を放ち終え、後方に移動する私を捉えていた。
その槍の一閃は天からの裁きの如く、覇者が何人を寄せ付けず一方的に蹂躙する雷光の一撃であり、
薙ぎ払う動作を交えれば槍の届く空間であれば不可侵な領域と感じられた。
小太刀で一閃の軌道を逸らし、次に来る水平に薙ぎ払いと同時に大きく飛んで槍の領域から脱出し、
刀を握りながらでも地に手を付き、体勢を整えようとした時には既にもう一閃を放たれた後であった。
私は敢えて槍に向かい神速で突進し、貫通必殺のモーションの如く切り抜けようとした。
槍と刀を交差させ槍の軌道を逸らせたと時、私はあることを感じとった。
それは師匠に諭されたこと事、武人とは己の武器を交えることでしか語り合えない不器用な存在だということを思い出す。
切り抜けた後、エフラムの背後をとり今度は攻めに徹した再び神速の貫通必殺で切り抜ける際に槍で剣撃を逸らされるが、
その時彼が何を考えているか僅かながら読み取る。なら向こうも私が何かしら感じ取っているだろう。
同様の攻撃を三回繰り返し何れも金属音が空しく鳴り響くだけだったが、

『私は純粋に戦いと愛を望む。そして愛を手に入れるためあなたを倒す。それが私の生きる証!』
『俺もそうだ。戦いで悪しき者を倒し、愛を撒けば世界が変わると思っていた。だが今は違う!』

と交差する中で互いの意思を交え合った。
貫通必殺の動きを五回繰り返した私に体力は大幅に消耗し、これ以上の長期戦は不利だと判断し、
次で覚悟を決め、精神を集中させる。そして一瞬だけだが過去を顧みる。

 ………

以前エフラムは私が自分のためだけに生きようと決めたことに歪みがあると言った。
しかし彼とて自分自身の道をひたすら進み、道を阻む者に妥協しないユニティだ。
そして今の私もユニティであり、極みに向けて自分の道を進んでいる。

…私が望むのはミラとドーマが欲する極み。
…運命の相手の伴侶としての人生を送る愛の極み。
…そして最愛の人を守るための力の極み。

 ………

「愛の極みにある幸福を!!」
愛と幸運の叫びと共に神速で距離を詰め、二刀の居合いから敵を三分割に断つ奥義、朱雀飛天舞を放つ。
その槍では両方の同時に抑えることはできず、よって片方でも当たれば私の勝ちだ。
「狂愛の果てに幸福など無い」
だがエフラムは双槍の合身を解き二本の槍で、左右の太刀筋を受け止め鍔競り合いに持ち込む。
「憎しみや復讐の狂愛の先にあるものはより大きな悲しみと喪失、そして新たな憎しみの種だけだ」
「では何を求めろと…私が愛を求めるなとでも言いたいの!」
「求める物などない!」
互いに相手を後方に吹き飛そうとしたため反発が相乗し、両者共大きく後退する。
私が態勢を整える間、エフラムは2本の槍を再び合身させ防御を捨てた捨て身の一撃、
一点突破とも言える貫通を放ち戦い終わらせようする。

130 :TMR(of ephraim) 外伝8:2014/08/04(月) 20:29:50.61 ID:CyNZG1yY.net
「創るんだぁぁぁ」
叫びとともに放たれた諸手の槍一閃を片方の小太刀で受け止めるがとても受けきれる威力ではない。
しかし、意地でも踏ん張ろうとしたことに機が私に向く。
双槍と小太刀が投げ出され、武器を失ったエフラムは丸腰になる。
絶好の機会を逃さず、私はもう一本の小太刀を両手で持ち、得意の振り下ろし引導を渡す。

「切り捨てぇぇぇ…御免ぇぇぇん!!!」

勝利を確信した私、だが彼はまだ闘志を見せある行動に出る…
「白刃取り!?」
私の太刀筋見極め刀身を両手で挟みこみ、斬撃を受け止める。
膠着状態を抜け出そうと両者が力をかけた時、エフラムは私に言葉を放つ…
「愛とは自分以外の生き物、無機物問わず好意を持ち、慈しむ行為のこと!
 如何なることがあれど決して誰かの好意、気持ちを干犯し蹂躙するものではない」
「それは…詭弁よ!人いえ、生き物は欲望で動くもの!博愛は実現不可能な理想論でしかないわ!!」
更に力を掛け合い、刃が彼の掌に食い込み鮮血が流れる。しかし痛さを我慢しつつも私に言葉をかけ続ける。
「愛により快楽や幸福を得たいと願う人間は、自分の非と業を受けとめられず相手を妬む。
 現実から背き己の威厳と安寧を得るために、世界を歪ませる!!
 だから弱さを知って強くなる…
 恐れず信じることで憎しみに変わる前の本当の愛を知らなくてはならない!!」
「それがあなたの会得した愛のULTIMA TE(極み)!?そんなもの微塵も存在しない!!」
「無いというなら俺は創り出す。
 たとえ報われなくても行動し立ち向かう、Tomorrow Meets Resistance。
 その先にあるものこそ、それこそが皆が求める未来だ!!」

自らの想いを力に乗せ、エフラムは白刃取りのまま私の喉笛を目がけて刀身を押し出し、
喉に受けた強打により呼吸困難に陥り一瞬記憶が飛ぶ。
朦朧とする意識の中、私はこの痛み愛を手に入れるための試練、志半ばで倒れるわけにはいかないと
決して引こうとしない闘争心が肉体を凌駕し、左手でエフラムの顔を殴り飛ばす。
負けられない…ここで負けたら、私の軌跡が閉ざされる。
再度己の道を切り開こうと私は小太刀を拾おうと屈むが急に水月に痛みが走る。
エフラムの峰打ちだ。喉と腹に打撃を受けた私はもはや立っていることすられず地に沈み、
虚ろに広がる視界には私の小太刀を拾い上げたエフラムが立っていた。
負けは確定、その事実を受け入れないように意地でも闘志を見せる。
心まで折れたら、私がこれまで生きて来た事でさえ全部否定されるからだ。
『戦い…なさい、エフラム!その…私の刀で私を…切り裂きなさい!』
腹部への衝撃故満足に話せず、彼の目で訴えることにすれば、
「わかった」
と返事したが私の希望と裏腹にエフラムは私の双刀を森の中に向けて力の限り投げ捨てた。
この行動に解せなかった私は痛みを堪えながらも口を開く。
「なぜ…トドメを刺さ…ないの!孤児は…世界から…淘汰される者。いてもいなくてもいい存在…」
「そう思うか?修羅化したあんたはともかく、以前の君がいなくなるのは、俺は悲しい」
エフラムは自分の双槍を拾い上げ、背中越しに別れ言葉をかける。
「君に愛の為に生きろとは言わない。だが、歪んだ世界に絶望し、力を翳してまで愛を手に入れるのなら、
 愛を創り出せ、君自身の愛を!それが本当に望む軌跡なはずだ…」
そう言いい自分の弟妹の救援に向うため私の視界から消え去った。

 ………

エフラムが去り、私は一人置き去りにされた。
私は喉と腹部の強打で満足に呼吸ができず、体も衝撃の痛みが残り起き上がることが出来ない。
どうにかうつ伏せから仰向けに体を反転させると今にも雨が降り出しそうな雲行きだった。
私は求めた愛とは…なんだったの?自問すれば涙が零れ、奇しくも雨が降り始める。
泪雨?そんな慰めるようなものはいらないわ…
我慢すればするほど涙腺は刺激され、ついには決壊に大粒の涙が頬を流れ落ちる。
私は今までの人生を振り返る。

131 :TMR(of ephraim) 外伝8:2014/08/04(月) 20:35:02.83 ID:CyNZG1yY.net
孤児であることに足を取られないようしゃかりきになっていた…
性格上誰かに頼りにされると背伸びして頑張っていた…
誰かに弱さを見せないように強がっていた…
努力しても散々な結果しか得られない綱渡り日々、
やるだけ損する毎日に斜の構えたほうが楽になれると思うようになった。
自分に無いモノを持っている人間に嫉妬し、いつのまにか自分自身が歪んでいた…
私は…ただ私は熱くて辛い自分を隠して生きていた…そうだったんだ。

私が本当に欲しかったのは、望むものは…

数刻ぐらい泣き続ければ、次第に呼吸だけでも苦痛だった痛みが和ぐ。
立ち上がり地を這うようにおぼつかない足取りで歩き始め、せめて雨をしのぐ場所を探す。
開幕のメガクエイクで生じた凹凸、雨による地盤の緩みが重なり、私はある場所に踏み入れた瞬間急落下し、途中で意識が途切れた。
目を覚ました時には雨は止み、辺りは既に暗闇に包まれていた。
動こうとした時左腕と右足に痛みが走る。転げ落ちた際に負傷したのだろう。
痛さからして骨折しているかわからないが強打、捻挫してしまったようだ。
微かな月明かりを頼りに落ちる前の場所を探し当てれば有に数メートルを越えていた。
左腕と右足が使えないとなると登るのは絶望的であり、助けが来ないなら私はここで朽ち果てるだろう。

そして夜空に浮かぶ月を見ながらこれまでの私の所業なら当然の報いだと受け止める共に、
誰もの人生の収支が足し引きゼロであれば、
死ぬまで使いきる運の数を自分で出し入れできればどれほどいいだろうか…
やはり神は全ての人に愛を与えてくれないと再認識し、自分が求めた愛とは何だったかと自問する。
そして手解きとして用いた恋愛必勝マニュアルの内容振り返り、最後に書いてあったことを思い出す。

『恋愛道とは(愛する者の為に)死ぬことと見つけたり…』

恋愛道…愛する人ために生き、愛する人のために死ぬ。
自分中心ではない利他的な愛・自己犠牲を厭わない献身的で純粋な愛。
いわゆる究極の愛。私が目を背けてきた愛。
今一度究極の愛を見つめ直せば、ある極意に至る…
私がいなくなればクロム様はエイリークと幸せを掴める。
クロム様が幸せを願うなら私がいなくなればいい。なら私の存在を消すことが究極の愛…

「これが恋愛道の極み。恋愛道とは…死ぬことと見つけたり…」

私は懐に潜ませておいた小柄を取り出し、自分の腹を切る。
口から血を吐きながらエフラムが別れ際に言った言葉を思い出す。
『愛を創り出せ、君自身の愛を!それが生きる為、争いのない明日の為になる』
ごめんなさい、愛を知らない人間が創り出す事は出来ないわ…
創れないなら私は欲していた愛はなんだろうか?走馬灯のように私の人生が巡り還る。
そこで会ったはずのない両親の姿を垣間見ることができた。
母さん…父さん…!?一度でいいから会えて良かった…
できれば触れたかった…笑顔で言葉を交わしたかった…一緒にご飯を食べたかった…
この時私は悟った。ただ家族の温もりを欲しがっていたと。
だから、その淋しさを紛らすため愛に固執していたと。
意識が遠のいていく中で、生まれ変わった来世では私に子供が出来たのなら私は暖かい家庭を築きたい。
そう願い私は遠い夜明けを越えずに深い眠りについた。

つづく…

132 :助けて!名無しさん!:2014/08/04(月) 20:35:31.14 ID:CyNZG1yY.net
自爆ばかりすみませんでした。戦国さんのセリカを見ていたら特攻する最後が浮かんでしまった。

マルス  「どうだい…死ぬほど痛かっただろ?」
セリカ  「そうね、自爆は本当に死ぬほど痛かったわ」
ティアモ 「隣に同じく」
クロム  「ティアモ、お前…切腹丸だったのか?」
ティアモ 「………(切腹丸…orz)」

鍔迫り合いばかりして武器が壊れないかと思われますが、バレンシアの話なので壊れないということにしておいてください。

>>90-86 戦国さん久しぶり、そして毎度ながらGJです。遂に姉弟の邂逅と竜が登場ですね!
>>104-101 ブロマイド…祭りの屋台の景品ですか、一体誰がシャッター切ったんでしょうね。

133 :サヨナラ、エリウッド?▼第一話:2014/08/05(火) 23:26:17.03 ID:O2Rq6+gl.net
エリンシア「…今日も暑いですわね〜…お姉様、アイスコーヒーでもいかがです?」
ミカヤ「じゃあお願い、お砂糖たっぷりね」
エリンシア「はいは〜い」

いつもと変わらぬ長女と次女の日常。
時刻はもうすぐ昼時になろうとしている。
アイスコーヒーを作り終えて、いつもの世間話で盛り上がっていた時、一本の電話が入った。

ミカヤ「……あら?こんな時間に誰かしら?」
エリンシア「またヘクトルちゃんが授業サボって早退した、とかでしょうか。あの子ったら本当にもう……」
呆れ顔でエリンシアは受話器をとる。
エリンシア「…はい、兄弟家です……。…ええ、姉のエリンシアと申します。いつも御世話になっております。……!?…えぇっ…それは本当ですか!?」
エリンシアの表情が一瞬にして青ざめる。どうやらヘクトルのおサボりの件ではないらしい。エリンシア「はい、すぐに向かいます。……わざわざ御手数掛けました、失礼致します……」
電話を終え、受話器を静かに戻すエリンシア。
エリンシア「……落ち着いて聞いて下さい、お姉様」
ミカヤ「エリンシア?…顔色が悪いけれど、どうしたの?」
エリンシア「エリウッドちゃんが、意識不明の重体で救急車でエレブ郡病院に搬送されたと、たった今担任のマーカス先生からお電話が……」

ミカヤ「なんですって!?」


アイスコーヒーの入ったグラスが音を立てて倒れる。
ミカヤ「すぐに行かなくちゃ!エリンシア、ペガサスを連れてきて!早く!」
エリンシア「はい、すぐに呼んで参ります!」




(エレブ郡病院)
受付「こんにちは。初診の方でしょうか。保険証の提示を……」
ミカヤ「こちらの病院にエリウッドが、弟が搬送されたと聞いたんです!弟は、エリウッドは何処!?」
受付「失礼致しました。こちらへ、救急受付へご案内致します」


ミカヤ「ああ、エリウッド……エリウッド……うぅっ」
エリンシア「お姉様、心配なさらないで。大丈夫、きっと大丈夫ですわ…」
震える姉の肩を支えながら、二人は救急外来受付へと向かう。
手続きを済ませて待合室で待たされる間も、ミカヤは気が気でなく、エリンシアはそんな姉を励まし続けた。
それから10分程だろうか、担当医に呼ばれて二人はある病室の窓の前へ案内される。
窓越しから二人が見たのは、人工呼吸器と点滴に繋がれる痛々しいエリウッドの姿だった。
全く微動だにせず、生きているのか死んでいるのかすらこれでは分からない。
ミカヤ「エリウッド、エリウッド!嫌ぁぁぁぁ!」
ミカヤは無意識の内に泣き叫んでいた。
エリンシア「お、お姉様…他の患者様が……うぅ」
エリンシアも力無くうなだれた。二人の姿を見て医師はそっと目を閉じ、意を決したように口を開いた。
医師「診断の結果、患者様は熱射病と診断されました。幸い、体温は安定してきてはいますが未だ意識が戻らず極めて危険な状態です。
入院の手続きをさせていただきますので、御家族様には初めに患者様の御名前等を記載していただきたいのですが、よろしいですか」
泣き崩れるミカヤに変わって、エリンシアが震えながらペンを取る。
医師「……エリウッド様、炎成○×年4月25日生まれ17歳の方ですね。未成年者様との事ですので、入院のお手続きの為にご両親か保護者様の同意をいただきたいのですが…」
エリンシア「………」
ミカヤ「…両親、いないんです。姉の私が保護者なんです…」

134 :サヨナラ、エリウッド?▼第一話:2014/08/05(火) 23:27:36.55 ID:O2Rq6+gl.net
それから二人は蜻蛉かえりで入院の手続き、保険証提示を済ませ戻ってきた。
帰ってくるまで意識の戻らぬエリウッドの事が心配だったが、病院側で面会時間が指定されている事もあり戻ってくるしかなかった。勿論弟の姿を見るのががつらかったのもあったが。
帰ってきてすぐにセリカの部屋のミラ女神像に手を合わせながら、長女と次女は涙ながらに呟いた。

ミカヤ「……父さん、母さん……ミカヤは悪い子です。産まれたばかりのあの子を引き取る時、身体が弱いからと誰より大切にするよう言われていたのに…こんな結果に……。
でも、何処かで私の事を見ているのならお願いです。
あの子を助けてやってください。あの子はまだ17歳、人生の喜びも楽しみも知らず、胃痛に苦しみながら逝ってしまうなんて悲しすぎます……」
エリンシア「お父様、お母様……。何故エリウッドちゃんだけがこのようなつらい目に遭うのでしょう……出来るならば、あの子の代わりにこのエリンシアが……」


「……姉さん達、どうしたの?」


不意に後ろから声を掛けられて、二人は振り返る。
そこにいたのは兄弟家の末っ子ロイだった。
ロイ「……鍵が開いてたのに居間に誰もいなかったから空き巣に入られたのかなって心配だったんだよ、ただいま」
いつもと変わらず明るく挨拶を交わすロイだったが、呆然とする姉二人を見てきょとんとしている。
ロイ「姉さん達、本当にどうしたの?…なんか、元気がないっていうか……ちょっぴり様子がおかしいよ?」
ミカヤ「な、なんでもないのよ!ねぇエリンシア!」
エリンシア「そ、そうですの!最近アルムちゃんの畑で美味しいお野菜が沢山取れる物だからミラ様に感謝のお祈りを捧げなくてはと思って……!」
ロイ「……そう、なの」
ミカヤ「そうそう!畑仕事なんてお姉ちゃん達には出来ないもの!アルムは家族思いの立派な子ねって、褒めてたとこなのよ!」
姉二人は咄嗟に嘘をついてしまった。決して騙すつもりではなかったのだが。
ロイ「………そっか、良かった。姉さん達元気みたいで」
末っ子は少し嬉しそうな顔をして、続けた。
ロイ「僕、ちょっとソール薬局まで行ってくるね。エリウッド兄さんの胃薬、買い足ししなくちゃならないから」
いつもと変わらぬ情景だったが、末っ子が部屋を出て行ってから二人は咄嗟に嘘をついてしまった事を心底恨んだ。




ヘクトル「ただいま。ふー、ビラクの野郎、まさかあんなとこで待ち伏せしてやがるとは思わなかったぜ」
汗だくになりながら居間へ向かうヘクトル。
ヘクトル「おい、エリンシアの姉貴。短パンに穴空けちまったんだけどよ……」
まるで生気のない姉二人に、ヘクトルは別人かのような衝撃を受ける。
エリンシア「分かったわ……後で直しておきます……」
ミカヤ「……」
ヘクトル「お、おう……」


なんだ、姉貴達。
これじゃまるで通夜みたいじゃねーか。
なんかあったのか?


少し不気味に思いながら部屋に向かおうとすると、自室から手招きするマルスと目が合った。

135 :サヨナラ、エリウッド?▼第一話:2014/08/05(火) 23:29:29.58 ID:O2Rq6+gl.net
マルス「何はともあれ、おかえりヘクトル兄さん」
ヘクトル「おう。……ってお前らもいたのかよ」
部屋にいたのはマルスだけではなかった。
アルム、セリカ、セリス、エイリークがいずれも少し不安げな表情をして待っていた。
ヘクトル「なんだぁお前ら。姉貴達と変わらずしんみりした顔しやがってよ」
エイリーク「ヘクトル兄上は姉上達が悲しそうなお顔をしているように思いませんでしたか?」
ヘクトル「ん?まぁ気持ち雰囲気わりぃなとは思ったけどよ」
セリカ「姉さん達、いつもなら楽しくお茶してる時間なのに今日はああやって溜め息ついてばかり。どうしたのかしら」
ヘクトル「さぁな、よっぽど困る事でもあったんじゃねぇか?…あ、言っとくけど俺じゃねぇからな」
エイリーク「また兄上が進路希望調査書に『傭兵になる』などと書いたのでしょうか。……はぁ、あれほど言ったのに…」
ヘクトル「あー、あり得そうだな」
アルム「シグルド兄さんがとうとうクビになったとか」
ヘクトル「おうおう」
マルス「むしろ、あれだけ抜け駆けしててクビにされない方が不思議だからね」
セリス「ひどいよアルム兄さんもマルス兄さんも……」


「ただいま〜」


ちょうどその時、威勢のいい女性の声が響きわたった。
マルス「こ、この声は……!全員、ひとまず解散!」
鶴の一声で一同はそそくさと自室へ戻っていく。
どうやら上手く撒けたようだ。ほっと安心したのも束の間……

「……マルス…」
マルス「イギャァァァ!」
やはりバレていたのか、不機嫌そうな顔をしたリンが迫ってきた。
リン「…アンタ、またよからない事を姉さん達に…!」
マルス「ご、誤解だって!問答無用で首を押さえ込むのはやめっ…」
エイリーク「……マルスが言うのは本当ですよ、リン」
リン「姉さん」
マルス「…ぶへっ死ぬかと思った……。ゴホゴホ…」
意識が飛ぶ間際でマルスは事なきを得た。
リン「それじゃあなんなのよあの姉さん達の落ち込み様は…。朝、登校する前はいつもと変わらずあんなに元気だったのに」
アルム「……」
エイリーク「……」
リン「どうしたの?みんな揃って暗い顔して」
セリス「励ましてあげたいけどその原因が分からないんだよ…」

ロイ「…みんな、何してるの……?」
そこへやってきたのは胃薬の買い出しから戻ってきたロイだった。
アルム「ロイ、今日は早帰りのはずなのに家にいないと思ったら…どこ行ってたのさ!」
ロイ「え…、エリウッド兄さんの胃薬を買いに…」
セリカ「あなたも気付いたでしょ?姉さん達、なんだか元気がなくて……」
ロイ「うん、知ってるよ。……ごめんね、僕ちょっと用事思い出しちゃった…」


そう告げて、ロイが訪れたのは先程ソール薬局で買ってきた胃薬と精神安定剤を届けたエリウッドの部屋。
ロイ「(……やっぱり、気のせいなんかじゃないよね……)」
ミカヤとエリンシアが何かを探し回った後なのだろうか。几帳面な彼にしては散らかされている。
ロイ「(エリウッド兄さん……)」

136 :サヨナラ、エリウッド?▼第一話:2014/08/05(火) 23:32:42.52 ID:O2Rq6+gl.net
クロム「…さて、腹も減ったしそろそろ晩飯にし……っと」
夕食時になっても相変わらず兄弟家の雰囲気は暗いままだ。
クロム「(姉さんたち、一体何があったというんだ…。さてはまた混沌の女神の仕業か?)」
アイク「おい、エリンシア」
エリンシア「……」
アイク「エリンシア、聞いてるのか?」
エリンシア「あ…ごめんなさい。何か仰ったかしら?」
アイク「……今日の夕飯、たったのこれだけか?」
シグルド「私の大好きな枝豆と塩辛もない…orz」
クロム「姉さん達、きっと疲れてるんだろう。帰って来てからずっと暗い顔をしているし……」
アイク「ほう」
クロムはそっと隣の席に座るマルスに耳打ちする。
クロム「(所で、本当は何があったんだ?)」
マルス「(いや、僕も詳しく知らなくて…)」


シグルド「ところで…エリウッドはまだ帰ってこないのか?たまの気休めもいいが、あまりこう帰りが遅いのは……」
そう言えばエリウッドがいないね、兄弟一同がお互い顔を合わせていると…
ミカヤ「……それなんだけどね、実はみんなに言わなければならない事があります……。落ち着いて、よく聞いて欲しいの」
アイク「どうした、そんな深刻そうな顔をして…」
それまで頑なに黙っていたミカヤが口を開いた。

ミカヤ「……実は…エリウッドが入院する事になったの……」

身体の弱いエリウッドの事だ。これまでも何度か入院はしていたし、きっとすぐ帰ってくるはず。
しかし兄弟の誰もが嫌な胸騒ぎがするのか、しばしの沈黙に包まれる。

「……なんとなく気付いてたよ…」
その沈黙を破ったのは末っ子のロイだった。
ロイ「……兄さんの部屋がやけに散らかってたから、気になって……。でもさ、でも……!」

「嘘だよね……エリウッド兄さんが死んじゃうかもしれないなんて……!」


ロイは語る。几帳面な兄の部屋にしては散らかっていたから、気になって調べた所エリウッドの病状について書かれたカルテを発見してしまった。
幼い頃から、誰より兄エリウッドを慕ってきた末っ子、ロイ。
エリンシア「ロイちゃん……!」
ロイ「……どうして隠そうとなんてしたの…?学校帰りに様子を見にだって行けたのに、ひどいよ姉さん達…!」
ミカヤ「ちょっと、待ちなさいロイ!」

137 :サヨナラ、エリウッド?▼第一話:2014/08/05(火) 23:33:28.74 ID:O2Rq6+gl.net
ロイは何も言わず駆け出していた。
父の顔も知らず、母の顔も知らず、産まれたばかりの頃より母親同然に感じていた長女と次女の制止も聞かずに飛び出してしまった事を悪く思ってはいたが、兄弟の誰にも涙など見せたくなかったのだ。
自室のベッドに潜り込んだ後、ロイは息を殺して泣いた。

思い出すのは幼い頃兄と交わした、ある日からのとある約束。

ロイ「エリウッドおにいちゃんはヘクトルにいちゃんたちとキャンプ、いかないの?」
エリウッド「……行きたいけど……ダメなんだ。ぼくは肌が弱いから、ちょっとした虫さされでもひどく真っ赤に被れちゃって

……ホントはみんなに混じって虫取り遊び、したいんだけどね……」


ロイ「エリウッドおにいちゃんは背がたかいから、じぇっとこーすたーにのれるんだよね!いいなぁ、ぼくもはやく大きくなって、じぇっとこーすたーにのりたいよ」
エリウッド「……乗りたいけど……ダメなんだ。ぼくは心臓が弱いから、ジェットコースターには乗れませんってお医者さんに言われてるんだ。

……ホントは、下り坂を一気に下る時みんなと一緒に叫んでみたいんだけどね……」


ロイ「エリウッドおにいちゃん、シグルドおにいちゃんたちがサッカーやってるよ!いれてもらわなくていいの?」
エリウッド「……入れて貰いたいけど……いいんだ。ぼくが入るとみんなに気をつかわせて迷惑かけちゃうからさ。それにもし倒れたりしたら姉さん達にも迷惑掛けてしまう。

……みんな、あんなに楽しそうなのに、ぼく1人に気を遣わせたら悪いもの」


いつもいつもみんなが心配するから、みんなに迷惑をかけてしまうからと口にするエリウッドを見て、幼いながらもロイはエリウッドを不憫に思っていたのだった。


ロイ「……エリウッドおにいちゃん、なんだかかわいそう」
エリウッド「?……どうしてそう思うの?」
ロイ「だってエリウッドおにいちゃん、キャンプはダメ、ジェットコースターはダメ、サッカーはダメ。ホントはやりたいのになんでもダメっていわれるんだもん」
エリウッド「……ぼくは小さいころからそうだったから、今はもう、なれっこだよ」

ロイの頭を撫でながらそう告げるエリウッドの表情は微笑んでいて。


──それにね、ぼくには
ミカヤ姉さんやエリンシア姉さんのように優しいお母さんみたいな姉さん達がいて、
シグルド兄さんやアイク兄さんやクロム兄さんのように兄弟思いでたくましい兄さん達がいて、
ヘクトルやエフラムやリンディス、それからマルスみたいに、いつも仲良しの友達みたいに遊んでくれる兄弟たちがいて、
エイリークやアルムやセリカ、それからセリス、リーフ……。ぼくの事を大事に思ってくれる優しい弟や妹たちがいる。

……もちろん、きみもね。ロイ。


世の中は、不公平なもので、
生まれてすぐに家族に捨てられてしまう子も、お金のために売られてしまう子だっている。

ぼくは生まれてから、みんなから大事にされて、ずっと一緒だったもの。

だからぼくには、これ以上の幸せはないよ。


ロイ「…しあわせ……?エリウッドおにいちゃんは、いま、しあわせ…?」
エリウッド「ごめんね、ロイにはちょっと難しかったかな」
ロイ「ぼく、エリウッドおにいちゃんが、しあわせ。になるためにもっともっと、いいこになるよ!……やくそく、ね!」
エリウッド「そっか、ありがとう。じゃあぼくからも、約束をしていいかい?ぼくからは……」

兄からの約束はそこで途切れ、何故か思い出す事が出来なかった。

138 :サヨナラ、エリウッド?▼第一話:2014/08/05(火) 23:38:08.19 ID:O2Rq6+gl.net
なんとなく寝付けなくて、ロイは二階のバルコニーから星空を眺めていた。

エリウッドは今、どうしているのだろう。ただそれだけが気掛かりだ。
今は…無事である事を祈るしか出来ないのか。


「……ここにいたのね、ロイ」
「!」
突然後ろから声がして、ロイは振り向いた。
振り向きざまにほほえみ返したのはロイと殆ど同じ背丈の、闇夜の中月の光によく映える銀髪を持つ少女。
ロイ「ミカヤ姉さん……」
ミカヤ「ここにいたのね。夏場だからって、薄着で夜風に当たってたら風邪引くわよ」
ロイ「……さっきはごめんなさい」
咄嗟に謝罪の言葉を口にしていた。
兄姉達に比べれば素直で聞き分けのいい彼とはいえ、やはり反抗期真っ盛りで難しい年頃である。
ミカヤ「いいのよ。実を言うと、お姉ちゃんもね……あの子が明日生きるか死ぬかお医者様に診断されたなんて、受け入れたくなかったの。だからみんなに隠してたのよ…」
ロイ「……」
ミカヤ「でも、その事を言っても誰一人私を責めなかったわ。こんな大事な事、どうして言ってくれなかったかなんて当たり前の事を叱ってくれたの、ロイだけだったわ」
ロイ「そ、それは……ごめん」
ミカヤ「違うわ、褒めてるの。みんな分かっていたはずなのに、私もエリンシアもちっとも分かってなかった。……思えば小さい頃からそうだったわ。
生まれつき身体の弱いあの子に人一倍気を遣ったつもりだったけど結局は身体の為にあれはダメだこれはダメだって禁じてばかりだった。それはきっとあの子自身の力や能力を信じてやれなかったから、ただの弱い子で済ませていたからなのよね」

……満足に遊ばせてやる事も出来ずに、
あの子は、私の事きっと嫌いだったかしらね……

ロイ「…そんな事ないよ。エリウッド兄さんは今も昔も姉さんが、みんなの事が大好きだよ。だから、だからね…」


──じゃあ、ぼくからの約束は……


先程まで思い出せなかったその言葉の続きが、その時何故かはっきり思い出せた。
なんとなく、伝えなければならないような気がしてロイは静かに言葉を紡ぎ出す。

ロイ「……泣かないでよ、ミカヤ姉さん…」


───ぼくからの約束は、もしぼくがいなくなってもロイが……ううん、兄弟たちみんなが笑って、幸せに生きてほしい事だ。


いなく、なる…?おにいちゃん、またヘクトルにいちゃんといっしょにかくれんぼ?…でもぼく、かくれんぼならおにいちゃんすぐみつけちゃうよ!


───ははは、それじゃすぐ見つかっちゃうかなぁ。こまったなぁ……


子供の頃はよく分からなかったが、今なら兄の伝えたかった想いが分かる。

生まれながらの病弱でこれまでも幾度となく命の危機に直面していたであろう兄エリウッド。
だからこそ幼い自分にあんな事を告げたのだと。


ミカヤ「そんな小さい頃にエリウッドが、そんな事を……」
ロイ「…兄さんを信じよう?今の僕達にはそれしか出来ないんだよきっと」
感極まって、涙を流す長女を、ロイはその晩励まし続けたという。

一方、医療器具の機械音が鳴り響くエレブ群病院の病室で、人工呼吸器に繋がれながらもエリウッドは必死に生きようとしていた・・・…。


もう少しだけ続きます──。

139 :助けて!名無しさん!:2014/08/05(火) 23:57:56.90 ID:4y/W3RRK.net
投下乙、何だかシリアスなものが来たな
続き期待してますわ

140 :助けて!名無しさん!:2014/08/07(木) 19:52:05.77 ID:CZ7Xdxfa.net
便乗的にバカなの投下
ちょっとシモいので苦手な人はスルーしてね

幼いころの話である。
幼い子供ははっきり言うと大概バカである。
取り分け女子に比べて精神年齢の低くなりがちな男子はアホなものである。
子供時代バカな行いをしてそれを笑い話の思い出とすることは多い。
だが笑えるのはそれが大人になって思い出すからであり、その当時は真剣だった。

さて、ここにクロムと言う少年がいる。とりあえず小学校高学年から中学生くらいの設定でいこう。
その幼い弟はエリウッドである。
クロム少年は病弱な弟を案じていた。何かというと熱を出したり寝込みがちである。
心配である。ものっそ心配である。
彼は弟を元気にしてやりたかった。心の底からそう思っていた。
だが具体的にどうしたらいいのかなどわからない。どうしよう。
わからんので彼は友に相談した。
「元気の源はエロだよ。エロ様は生命を次代に繋ぐ生物的根幹、これが薄い人はつまり生き物として本質的に脆弱であり命を繋ぐ欲求が薄いのです。
 草食系とかあれはダメです。欲が無いからこの世への執着も薄くなりあの世に近くなるのさ。
 逆に言えばその辺が旺盛な人は元気で生命力に満ちていますしまた、異性を惹きつける事に努力しますしそれは自分を磨くことやコミュ力にもつながるからね。
 元気が無いならエロを齎してあげなさい。きっと元気になるよ」

この友はプレイヤーによって性格が変わったり面が変わる不思議な奴である。
その彼に言われてクロムは納得した。
普段は恥ずかしいので人前では秘密にしてるがクロムはムッツリである。
エロとか興味ありません的な態度を取っているが実は興味深々である。
周りにはバレまくっているのだが…それはさておき。
エロい文物にふれているときクロムはいろんな意味で元気になる。
ならばこれこそ弟の健康に対する一番の薬になるだろう。彼はそう結論付けた。


「エリウッド…ちょっといいか?今日は漢としてお前に引き継ぐべきものがある」
「え、なに?クロム兄さん?」
これも思いやり…とばかりにクロムは読み飽きた巨乳おねいさんものエロ本を弟に引き継いだ…
エリウッドは困った顔をし、少し赤くなった。
始めのうちは「こういうものを未成年のボクが持つのは云々…」とそれっぽい事を言ってはいたが興味の湧くお年頃ではある。
「隠し場所に困ってな。お前が預かってくれると助かる」というと、「仕方ないなクロム兄さんは…」と受け入れてくれた。
後でこっそり読むことは火を見るよりも明らかである。
それでいい。俺のせいにしてくれてかまわん。
だから読め。そして生命力を掻き立て元気になるのだ。
クロムは優しさと慈しみに満ちた瞳でエリウッドを見つめた――――――


これが…エロウッドが何気に巨乳スキーになった切っ掛けである………
この後…満足に運動すら出来なかった彼が体調のよい時だけとはいえ剣の稽古までできるようになるのだから世の中はわからない。
あの時兄がくれた一冊のエロ本…あれが無ければ今でも僕は剣を扱うロードにすらなれずシビリアンのまま病院のベッドで寝ていたかもしれない。
数年前を思い出しながらエリウッドは微笑む。
彼の本棚の一番奥に眠る、何百回も読み返した数年前の古いエロ本の優しくもバカな思い出。



エリウッドファンの方、なんかすまん…
彼の女性の趣味はクロムの影響があったのではないかと妄想
そこからさらに葉っぱに繋がったのかもしれないがエフラムにはまったく繋がらなかったらしい

141 :助けて!名無しさん!:2014/08/07(木) 21:38:08.42 ID:zSNkhKBg.net
ロイはエロ本もみんなのお下がり。だから範囲が広い

142 :助けて!名無しさん!:2014/08/08(金) 06:53:47.84 ID:XQ/UQExN.net
サラ「妙ね……その割には幼女は範囲外のようだけれど?」
クロム「嫁候補に幼女はおらず逆にセシリアさんが入っているあたりやはり俺の影響の方が強いのだろう。エフラムのエロ本は奴に継承されなかったようだな」
エフラム「……俺がロリものエロ本を持ってる前提で話すのはどうなんだ…」
サラ「え、持ってない筈がないわ」
クロム「そうだぞ。今さら隠す事もあるまい」
エフラム「……………」

143 :助けて!名無しさん!:2014/08/08(金) 07:03:30.60 ID:F/6U1Gz9.net
ロリ属性はソフィーヤが担当しているだろ、どっちかってとロリババァだけど

144 :助けて!名無しさん!:2014/08/08(金) 19:49:52.14 ID:tCKAMT8O.net
>>142
サラ「別に持ってるのを隠さなくても、というか本物が目の前に覚悟完了のいつでもOKでいるんだけど」
エフラム「…いるからどうしろと」
サラ「…やだもう、言わせないで恥ずかしい」
エフラム「…暑いんだから激しいツッコミが必要なことは言わないでくれ」

145 :助けて!名無しさん!:2014/08/09(土) 20:27:03.18 ID:0QAx6rTk.net
エリンシア「解せませんわ…私のガチムチサブ兄貴エロ本もロイちゃんに継承しましたのに…嫁候補の中にマッチョメンがいないだなんて…」
ロイ「ごめん…とても読む気が起きなかったよ…」
リーフ「リン姉さんから受け継いだちょっと過激なレディコミは読んでたのにね」
ロイ「ちょ…なんで知ってるのさ!?」
ヘクトル「大家族って…プライバシーなんてないんだぜ…」
クロム「そうとも。エフラムよ。必死に隠し通していたようだがお前の部屋から幼女物エロ本を発見した。あまりとやかくはいいたくないが…子供に変な事せんようにな。二次元で我慢しろ」
エフラム「ち…ちがうっ!? それは俺のものではありません兄上!?」
エリウッド「言い逃れは見苦しいよ…」
ヘクトル「心配すんな。今さら誰も驚いたりしねぇよ。ああやっぱりな…ってだけだからよ」
エフラム「本当に知らんのだ!? 俺はロリコンではない!」
リーフ「またまた。僕みたいに認めちゃえば楽になるのにね」

エフラム「どうして誰一人として信じてくれんのだ…」
サラ「うん、ごめん…兄様。私の仕込み」
エフラム「……悪戯はほどほどにな……俺も甘いのだと自覚せざるを得んが」
サラ「わかってるわ。次は妹物をプレゼントするね」
エフラム「……………」

146 :助けて!名無しさん!:2014/08/09(土) 21:04:24.97 ID:FaG01nlq.net
別に本ではなくご自身をプレゼントされればいいのでは(名案

147 :助けて!名無しさん!:2014/08/09(土) 21:47:43.81 ID:7HSpie22R
>>144
サラ「そんなに暑いなら海に行かない?せっかくの夏なんだし」
エフラム「また急な話だな、まあ別に構わないぞ」
サラ「決まりね。ワープで行くから今水着に着替えちゃいましょうか」



サラ「はい、到着」
エフラム「相変わらず便利な術だな。しかし…本当に誰もいないんだな」
サラ「うちの連中を使って調べさせたからね、穴場ってやつかな」
エフラム「それはいいが…なんだその格好は」
サラ「何よその格好って、せっかく兄様のために用意したのに…この白スク」
エフラム「白のスクール水着なんてどこで買った…いや、なんで俺がそれを好きだと思ったんだよ」
サラ「兄様みたいな人はこういうの大好物じゃないの?」
エフラム「その情報の出所はどこなんだよ…」
サラ「あ、そうだ。オイル塗ってくれない?」
エフラム「ん?焼くのか?」
サラ「まあね、スク水の日焼けあとが兄様みたいな人の大好物だと…」
エフラム「それはもういい…しかしだな」
サラ「…なに?だめなの?」
エフラム「ああいや、塗ってやるよ。ちゃんと塗らないと肌によくないしな。ケアもちゃんとするんだぞ、せっかく綺麗な肌してるんだし」
サラ「…そういうこと意識しないで言っちゃうんだから」
エフラム「どうかしたか?」
サラ「別に…さあ、そのオイルまみれの手で私の身体を好きにすればいいじゃない」
エフラム「その言い方は止めろ」




クロム「エフラム、聞いたぞ。お前、水着姿の幼女にオイルを塗りたくったり、日焼けした幼女と海で存分に楽しんだそうじゃないか。実にけしからん!」
エフラム「その情報はどこから…いや、言わなくてもいいです」

148 :助けて!名無しさん!:2014/08/10(日) 02:59:16.37 ID:4WK4bMUs.net
>>144
サラ「そんなに暑いなら海に行かない?せっかくの夏なんだし」
エフラム「また急な話だな、まあ別に構わないぞ」
サラ「決まりね。ワープで行くから今水着に着替えちゃいましょうか」



サラ「はい、到着」
エフラム「相変わらず便利な術だな。しかし…本当に誰もいないんだな」
サラ「うちの連中を使って調べさせたからね、穴場ってやつかな」
エフラム「それはいいが…なんだその格好は」
サラ「何よその格好って、せっかく兄様のために用意したのに…この白スク」
エフラム「白のスクール水着なんてどこで買った…いや、なんで俺がそれを好きだと思ったんだよ」
サラ「兄様みたいな人はこういうの大好物じゃないの?」
エフラム「その情報の出所はどこなんだよ…」
サラ「あ、そうだ。オイル塗ってくれない?」
エフラム「ん?焼くのか?」
サラ「まあね、スク水の日焼けあとが兄様みたいな人の大好物だと…」
エフラム「それはもういい…しかしだな」
サラ「…なに?だめなの?」
エフラム「ああいや、塗ってやるよ。ちゃんと塗らないと肌によくないしな。ケアもちゃんとするんだぞ、せっかく綺麗な肌してるんだし」
サラ「…そういうこと意識しないで言っちゃうんだから」
エフラム「どうかしたか?」
サラ「別に…さあ、そのオイルまみれの手で私の身体を好きにすればいいじゃない」
エフラム「その言い方は止めろ」



クロム「エフラム、聞いたぞ。お前、水着姿の幼女にオイルを塗りたくったり、日焼けした幼女と海で存分に楽しんだそうじゃないか。実にけしからん!」
エフラム「その情報はどこから…いや、言わなくてもいいです」

149 :助けて!名無しさん!:2014/08/10(日) 03:26:02.03 ID:scB0lE60t
なんか変だと思ったら、p2の書き込みが通常のブラウザに反映されてないのな
規制されてるから急遽別の回線を使わせてもらって同じの書きこませてもらったよ、すまん

150 :助けて!名無しさん!:2014/08/13(水) 19:58:32.24 ID:R2rUPs7G.net
夏である。海である。
当然それぞれの過ごし方というものがある。
一レス真上のネタではエフラムが幼女と海で戯れている。
リーフは大体いつも通りだ。
ここでスポットを当ててみたいのは下記の三人。
エイリーク、ヘクトル、セリスである。

言うまでもなくこの三人。あまり人前で水着姿を晒したくないために悩むことになる。
エイリークは貧乳である。ゆえに海で辛い思いをする。
だがこれは女子だけの事ではない。
男は男で弛んだ体やなまっちろい軟弱なモヤシを晒したくはないもの。
できれば引き締まった体で海パンと行きたいものである。
ヘクトルは腕や足の筋肉は十分ながらどうも体質的なものか食いすぎか下っ腹が弛んでいる。
セリスはセリスで透き通った白肌や女子と見紛うような細身がコンプレックス。
逞しいガチムチでありたいと思っている。
ゆえにこの三人。夏のこの時期になるとバストアップ体操だのと無駄な努力をしてみたり、
腹筋したりダンベル上げしたりといろいろやってみているのである。
だが効果はとても残念であった。
エイリークが上手くいかないのはもはや持って生まれた体質であろう。
ヘクトルはヘクトルで食いものに対して意志が弱いのか運動すると腹減ってしまいついつい飯の量が増える。
セリスはセリスでユリアだのラナだのがなんのかんので邪魔したりユリウスがそれとなく阻止してしまう。

彼らにとって悩ましい夏が今年も駆け足で過ぎていく………

151 :助けて!名無しさん!:2014/08/14(木) 00:41:18.27 ID:jj3j+Cij.net
イレース(夏…今年こそアイクさんと海で…オイルとか塗ってもらって…そのままの勢いで食べられちゃいたい…………オイル…油…脂身…食べ…)



アイク「…うん、この肩ロースはかなりいけるな。…どうかしたか?」
イレース「…いえ…別に…(…これでもいいか)」

152 :助けて!名無しさん!:2014/08/14(木) 23:29:21.96 ID:rhRh27rn.net
魔符ユニットコンプして、育ててるんだけど
こいつら支援出来ないのかよ!!
セリス&リーフ
エフラム&エイリーク
アイク&エリンシア
ペガサス3姉妹
とかはあってもいいよな

特に、アルム&セリカなんて、最後結婚するんだから
Sまであってもいいよな

153 :助けて!名無しさん!:2014/08/14(木) 23:30:18.18 ID:rhRh27rn.net
ごめんなさい、誤爆です

154 :助けて!名無しさん!:2014/08/14(木) 23:39:25.42 ID:yyp2gbOE.net
あまり違和感が無い誤爆だなw

とりあえずシグルド兄さんが発狂しない内に帰りなw

155 :助けて!名無しさん!:2014/08/14(木) 23:39:55.88 ID:CquX2JV2.net
>>152


シグルド「支援会話…確か支援がSになると結婚するんだよな…ほうほう。」


ロイ「や、やばい!シグルド兄さんが☆100のティルフィング構えて兄さん達の部屋に突撃しに行ったよ!」

156 :助けて!名無しさん!:2014/08/15(金) 00:02:40.26 ID:gJ+YW8ld.net
>>155
プリシラ「ここらでそのパターン粉々に打ち砕いてあげましょう…KINSINNを愛する全ての戦士の手に置いて!」
クラリーネ「アルムセリカのKINSINNを援護するのですわ!ヴァルキュリア二騎が杖と魔法でSを阻止!」
ラケシス「愛するエルト兄様から賜いし大地の剣バッチリ☆100付で私が壁!いくらダメージをくらっても無限に回復!」
ティニー「じゃ私は後ろからトローンでも撃ちます。けどSさんティルフィングのせいで魔防バカ高いのですよね…」
プリシラ「いつもの面子だけじゃありません!KINSINNの気のある助っ人をガンガン配置!」

クロード「と、言うわけできました。シグルドさんに倒された方はこのバルキリーで復活させてあげます」
シルヴィア「さらにあたしの踊りで援護するよっ!頑張ろうね神父様♪」
アーサー「んじゃ俺もティニーの助っ人って事で。兄妹支援必殺いっちゃうぜー」
ティニー「わぁありがとう兄様っ!」
ユリア「……セリス様との愛を邪魔する貴方はこのナーガで滅します…」
エフラム「兄上…前から思っていたのですが…妹を守り慈しむは兄道。ゆえに俺もアルムに助太刀する!」
エイリーク(わ…私はなんだか悪い気がしますし…遠くから見守りましょう)
ミシェイル「俺は神など信じぬが…マリアはあの時天使に見えた…ゆえに貴様と戦う!」
ミネルバ「うむ、我らマケドニアはマリアLOVE。この姉も姉妹愛のために戦う!」
マリア「頑張れー兄様姉様っ怪我したら直してあげる!」
ロイド「妹を守る兄のため俺も加勢してやろう。このリガルブレイドをもって」
ライナス「俺ら兄弟の支援Aの力を見せてやるぜ!」
ニノ「兄ちゃん達っアタシの力も足せば無限大っ!」

マルス(なんぞこれ…シスコン兄共まで加勢してる…)

プリシラ「さらに極め付けっっっ!貴方にとって究極の刺客近親カップルを投入!」

アルヴィス「シグルド…決着をつける時が来たようだ…」
ディアドラ「ごめんなさいシグルド様…アルヴィス様の方が給料いいしセレブライフを楽しめそうなので今回のロードはこっちに加勢しようかなと…」


落ちなどない

157 :紋章町商工会まつりがやってきた!〜祭り2日目・前編〜Side story:2014/08/16(土) 23:41:14.74 ID:0D+7Es77.net
前回、>>104〜の続きのお話になります。
gdgdと話を長引かせてしまい申し訳ありません。

〜〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜
ひょんな事から、猫姉妹から便箋を手渡された兄弟家の四女リン。
レズ疑惑その他諸々の発覚を恐れ便箋を兄弟一行にバレぬよう隠し通す決意をした彼女。
しかし便箋の中身はあろうことかエリウッド、エフラム、ヘクトル事兄三名の上裸。シグルドにバレたらティルフィング制裁確定なブロマイドだった!
彼女のその後の行方は…
そして猫姉妹が兄達のブロマイドを持っていた理由とは…

リン「う…うーん……さっきから私を呼ぶのは誰……?」
その日の晩、リンは不思議な夢を見ていた。

「…リンディス……」
リン「……その声は、エリウッド…?」
自身の名を呼ぶ声に瞼を開けると、そこには王子様スマイル全開で上裸のエリウッドの姿が。
リン「き、き、キャアアアアッ!!」
エリウッド「ひどいな、顔を覆い隠すまでもないだろう?…僕達、やっと一緒になれるのに…」
リン「い、一緒…?」
エリウッド「僕と添い遂げてくれるかい、リンディス」
夢の中のエリウッドはそう言って優しく抱き寄せようとする。

リン「ぃ…いや…やめっエリウッ…!」


シグルド「む……この気配は……?」
アミーテ慈悲連打で死にかけていたはずのシグルドのKINSHINセンサーが反応を示す。
単なる寝言なのだろうか、寝息を立てながらぽつりと呟く。


「……リン……」
リン「やだ、今度は誰なのよ!」
次にリンの目の前に現れたのは上裸のエフラムだ。
リン「い、い、イヤァァァァ!!」
エフラム「兄を見て大声を上げる奴がいるか…。だが、お前のおかげで俺はようやくロリペドの道から外れる事が出来た。ありがとう、礼を言うぞリン」
リン「え…それホントなの?」
エフラム「ああ。同時に気付いた。やはり俺はつるぺたょぅι"ょやエイリークよりお前のアダルティなボディの方が好きだったのだと」
夢の中のエフラムはそう言って優しく抱き寄せようとする。

リン「ダメッ…ダメだってば兄さ…!」


シグルド「……この胸騒ぎは間違いなくKINSHI…!」
目を閉じたままシグルドはティルフィングを手にし、眠っているはずにも関わらずKINSHINセンサーの向くままフラフラと何処かへ向かう。


「リン…。ったくお前はどうしてそう素直じゃねぇんだ」
最後に出てきたのは上裸のヘクトル。
リン「け、け、ケダモノーッ!」
ヘクトル「よく見ろ、俺の体重のどこがピザだっつうんだよ」
リン「……」
ヘクトル「聞いてんのか、おい」
夢の中のヘクトルはそう言って健康診断書を突き出してくる。

リン「……それはよろしいのですが、すごく…重いです…」


リンの部屋の手前まで来ていたシグルド。しかし、
シグルド「……KINSHINじゃないのか……。ディアドラ…ディアドラ…むにゃむにゃ」
KINSHINセンサーが働かなくなったシグルドは糸が切れた操り人形のように力無くその場に横たわり、眠りにつくのだった。

158 :紋章町商工会まつりがやってきた!〜祭り2日目・前編〜Side story:2014/08/16(土) 23:42:29.63 ID:0D+7Es77.net
リン「はぁっはぁ……ひどい夢見た……」
枕元に置いてあった時計を見ると時刻はまだ5時を回った頃、もう一眠りするには丁度いい頃合いなのだが。
目を瞑る度、先程の上裸で迫り来る兄三人が思い出され気が気でいられない。
リン「……やっぱり落ち着いて寝てらんない……。
寝不足のせいかしら。頭も痛いわ…こういう時は朝の日差しを浴びながら風の声でも聞いて……きゃっ!」
いつもよりボーっとしながら歩いていた為か、ドアを開けて一歩踏み出した所で何かに躓き、前のめりになりながら転んでしまった。
リン「いったーい!…もう、さてはまたマルス?なんたってこんな所に……ってシグルド兄さん!?」
シグルド「くー…」
マルスの巧妙な罠かと思いきや、
リンの部屋で大の字になって寝転がっていたシグルドだった。
リン「なんでシグルド兄さんがこんなとこに……」
しかし、リンはシグルドがティルフィングを握りしめながら眠っている事に気付く。
リン「ま、まさか…!」

「ぃ…いやっエリウッ…!」
「ダメっ…エフラム兄さ…」

嫌な予感がリンの頭の片隅をよぎる。
リン「(私、寝言といえまさかあんな事を叫んでたんじゃ…!)」
???「…おい、何してるんだリン」
リン「き、キャ…んむっ!」
咄嗟に背後から口を塞がれる。
振り向いた先にいたのはアイクとクロムだ。
アイク「静かに。どうもエリンシアとマルスと俺達以外まだ皆寝てるらしいんでな」
リン「そ、そう…ごめん、突然声を掛けられたものだからびっくりして、つい…」
クロム「と言うより何故シグルド兄さんがこんな所で寝てるんだ?」
リン「ドアを開けたらこうだったのよ」
クロム「そうか。まぁどっちにしろこのままここに寝かせておく訳にはいくまい。アイク兄さん、悪いが手伝って貰えるか?」
アイク「……分かった。最近残業続きだし、無理がたたったんだろうな」


リン「(よかった…あの二人には怪しまれなかったみたいね)」
???「随分早いお目覚めみたいですねリン姉さん」
リン「う…!」
シグルドを部屋に運びにいく二人を見送りながら、ほっと胸をなで下ろしていたリンのもとに今度はマルスがやってきた。
何かを察しているかのような怪訝そうな表情だ。
マルス「…平日はいつもヘクトル兄さんと並んでお寝坊さんのリン姉さんがこんな時間に起きるなんて珍しい事もあったものですね」
リン「マルス…!べ、別にアンタには関係ないでしょ!私だってたまの早起きぐらい、したい時もあるわ!」
マルス「…へぇ、その割には寝不足なのか、目の下のクマがひどいですけれど。おかげでますます老けて…」
リン「!……人の粗探しなんて趣味の悪い事、やめなさいよ!ほら、さっさと部屋に戻って!」
マルス「……」
マルスが部屋に戻って行くのを見届けた後、リンは洗面所へ向かう。

159 :紋章町商工会まつりがやってきた!〜祭り2日目・前編〜Side story:2014/08/16(土) 23:45:11.39 ID:0D+7Es77.net
リン「(うわー、思ったよりずっとクマがひどいわ……)」
鏡を見た直感的な感想だ。認めたくはないが、これではマルスに老けていると言われても仕方ないだろう。
冷たい水で顔を洗い、ゴシゴシ目の下をこすっても鏡に映った自分の姿はやはり変わらない。
もともと周囲から年相応に見てもらえないのは彼女のコンプレックスでもあるのだ。今日はクマまでプラスされるというのだからマルスでなくとも「老けた」と言われるのは想像するのも容易い。
リン「(……うー、これじゃ若々しさには明らかにマイナスよね…。しょうがない、今日だけはきちんとメイクでも…)」

「……リン姉さん…?」

声がすると同時に鏡にまだあどけなさの残る少年の姿が映った。
ロイ「おはようリン姉さん、今日は早いんだね」
リン「ろ、ロイ!……なんだ、びっくりしたじゃない!」
ロイ「ごめんね、驚かせるつもりはなかったんだけど。それより、なんだかリン姉さん……とても疲れてるみたい」
リン「そ、そう?」
ロイ「もしかして昨日よく眠れなかったの?僕、エリウッド兄さんに氷嚢枕買おうと思ってるんだ。もし必要ならリン姉さん用のも買ってくるけど……」
これだけ個性派揃いな兄姉達に囲まれて育ってきた故なのか、末っ子は兄弟想いの至って普通の常識人だ。
リン「大丈夫よ、どうせ2、3日したらケロッとしちゃうんだから」
ロイ「そっか。でもあんまり無理はしないでね。……ごめんね、アルム兄さんと畑の草むしりする約束してるんだ。行ってくるね」
リン「ええ、気をつけてね。」



自分の部屋に戻ったリンは押し入れに入れてあった化粧箱を取り出す。
本来は単にクマだけ隠せれば、と思ってはいたが折角化粧をするならと参考までにセブ○ティーンも引っ張り出す。
隣のマルスの部屋からはこんなに朝早いというのに誰と電話をしているのだろう、話し声が聞こえてくる。


リン「(……出来た!)」
お気に入りのマスカラとアイシャドーも塗って完成だ。
リン「(ちょっと濃すぎるような気もするけど……これだけやれば完璧ね。クマなんてさっぱり分からないわよ)」
お気に入りのヘアバンドで長い深緑色の髪を纏める。
手鏡で最終チェックしながら、鏡に向かってにっと笑った。


普段とちょっと違う私。って感じ。
これなら男の子の1人や2人、確実に魅了出来ちゃうかも!


時間が経つのは早いもので、時刻は6時半。皆が起きてくる頃だ。あたかも上機嫌になりながら、リンは居間へと向かう。
勿論、例のプロマイドも便箋ごとポーチに入れて肌身離さず、だ。

居間では大きなテーブルを囲って、ミカヤ、クロム、アイク、エイリーク、セリカ、それからセリス、いつも規則正しく早起きしてくる兄弟たちが皆を待ちわびているような形で既に席についていた。
台所からは美味しそうな匂いがしてくる。
朝一番に起きて皆の弁当を作るエリンシアが、きっと朝食を用意しているのだろう。
リンも挨拶を交えて部屋に入り、席につくと、彼女の丁度右隣に座っていたセリスが不思議な顔をして尋ねてきた。

セリス「……ん?あれ、リン姉さん?」
リン「ええ、おはよう」
セリス「今日学校で何かいい事でもあるの?」
リン「え…どうしてそう思うの?」
セリス「だって、朝からとっても綺麗にお化粧してるんだもん。でもすごく似合ってるよ」
リン「そ、そう?」
そんな2人のやり取りを見て、ミカヤとエイリークが何か察したような顔をするのを、リンは見逃さなかった。

160 :紋章町商工会まつりがやってきた!〜祭り2日目・前編〜Side story:2014/08/16(土) 23:48:13.84 ID:0D+7Es77.net
シグルド「…みんな、おはよう」
セリス「あ、おはようシグルド兄さん」
リンが居間に来て間もなくやってきたのは長男シグルドだった。
シグルド「アイクにクロム、さっきは手間をかけさせたようですまなかったな」
アイク「……別に気にしてない」
クロム「そういや、なんであんなとこで倒れてたんだ?ティルフィングを持ってた事を考えるに、またKINSHIN狩りか?……しかし、昨日はどうも、珍しくアルムもセリカも自重していたようだったが…」
セリカ「嫌だわクロム兄さん。それじゃまるで私やアルムを目の敵にしているみたい……」
クロム「すまん、言い方ってものがあったな」
……ごくっ。
リンは思わず生唾を飲み込む。普段なら気にも留めない事だが、今回ばかりは別だ。
シグルドの事は勿論、さっきから執拗に自分を見るミカヤとエイリークの事も気になる。
シグルド「…いや、それがな……酔っていたせいか、自分でも正直よく覚えてないんだ。だが……


一度目になんとなく、妹を持ち前の王子様スマイルで優しく抱き寄せる兄の姿が浮かんだような気がして……」

リン「…っ!」

──それは夢の中での自分とエリウッドそのもの。
胸の鼓動が早くなるのを感じた。

シグルド「それから二度目になんとなく、妹の身体がナイスバディだとかなんとかほめちぎって抱き寄せる兄の姿がよぎったような気がして……」

リン「…!!」

──それは夢の中での自分とエフラムそのもの。
胸の鼓動がより一層激しくなる。

シグルド「それから最後に何かの書類を突きつけてきた兄に妹が「それはよろしいのですが…」とツッコミを入れた所で意識が吹っ飛んだ……という感じなんだが」

リン「……」


セリカ「…何それさっぱり分かんないし」
シグルド「そうなんだよ、どうもこう…白黒はっきりせんのは自分でもすっきりせんもんでな…」
エイリーク「…兄上、単にお疲れなのではないのですか?昨晩はかなりの泥酔状態で帰ってきたと姉上から伺いましたし」
シグルド「う……!それは言ってくれるなエイリーク…」
ミカヤ「……」

先ほどからミカヤがどうも怪訝そうな顔をしてこちらを見てくるのがやけに気にかかる。
リンは本心を悟られないように目を泳がせた。

アルム「みんな、もう起きてたんだね。おはよう」
畑での作業を終えたアルムと、彼を手伝っていたであろうロイ、リーフもやってきた。
セリカ「おはようアルム、朝から熱心に草むしりに勤しむなんて…素敵…」
アルム「セリカったら…照れちゃうじゃないか…//」
早速イチャつきだすバカップル二人。先程から唸りながら記憶を思い出そうとしているシグルドの集中を妨害する。
シグルド「ええい!人が必死に思い出そうとしてるのに邪魔をしてくれるな!」
リーフ「……うぅ、折角いい気分で寝てたのにアルム兄さんに叩き起こされて手伝わされた……」
ロイ「まぁまぁ、前向きに考えようよリーフ兄さん」
シグルド「ロイ……リーフ……」
ロイ「?…どうかしたのシグルド兄さん。難しい顔しちゃって」
セリカ「今朝早くにシグルド兄さんたらKINSHINがどうこうで廊下に寝そべってたんですって、人騒がせよね全く」
アイク「いずれにせよ、もう済んだ事だ。ならばそれはそれでいいじゃないか。……そう言えばリン、さっきから冷や汗かいるようだが…大丈夫なのか」
リン「え……!」
ロイ「やっぱり具合悪いんじゃないのリン姉さん…」
ミカヤ「……」

161 :紋章町商工会まつりがやってきた!〜祭り2日目・前編〜Side story:2014/08/16(土) 23:50:07.38 ID:0D+7Es77.net
「フヒャヒャ!兄想いの弟を持って蝶サイコーッ!」
マルス「……みなさん、おはようございます」
余程嬉しい事があったのか、朝っぱらから精神崩壊を引き起こしているエリウッドを連れてマルスが起きてきた。
シグルド「マルス……エリウッド……ぐっ思い出せん!」
マルス「なんなんですかシグルド兄さん。人の顔をジロジロ見て……」
シグルド「すまん、気のせいだったようだ…」
エリンシア「…みんな、おはよう。今日は学生の子達も揃って早起きですのね、朝ご飯の支度が出来ましたので起こしに行こうと思っていたんですの。はい、これお弁当ね」
一人一人に弁当を手渡してから、朝食の支度をする為再び台所に戻ろうとする姉の背中をクロムが追う。
クロム「今日は皆朝早いようで起こしにいく手間が省けた。食事の準備は俺がしよう。姉さんは疲れているだろうから座って待ってて欲しい」
エリンシア「そんな、みんなが出掛けた後いくらでもってゆっくり出来るんですもの。気にしなくていいのよ?」
クロム「そういう訳にはいかん、ほら。リーフ、お前も手伝え」
リーフ「え…な、なんで!?クロム兄さんが勝手に言い出した事じゃ…」
クロム「…手伝って貰えるよな?」
リーフ「わ…分かったよ…」


エイリーク「私は兄上達を起こしに行ってきます」
エリウッド「ウヒャヒャ…!」
セリス「ねぇ、なんでエリウッド兄さん朝から壊れてんの?」
ロイ「ちょっと精神安定剤持ってくるね」
エリンシア「クロムちゃんには本当に助けられてばかりですわ」
ミカヤ「エリンシア、ちょっと食後に大事な話があるんだけど…」


ようやく全員が揃い食事が始まっても、リンは気の休まりようがなかった。
シグルドは度々例の騒動の記憶を思い返そうとしているし、アイクやロイは時折不安げに声を掛けてくる。
兎に角早く時が経つのを願うばかりだった。

毎朝一番に家を出る社会人の兄三人が立て続けに居間を後にしていき、さらにそれに続くように他兄弟達も支度を済まそうと順次部屋に戻っていく。
リーフ「……あ、そうそう。エリウッド兄さんとエフラム兄さん、ちょっと話があるから僕の部屋までいいかな」
エリウッド「ああ…構わないけど」
エフラム「長ったらしい話は好かん。早急に頼むぞ」
リン「(……食事の度にこんな状況が続くと思うと、気が滅入るわね)」
何故かリーフに呼ばれていった兄二人が気掛かりだったが、彼らの後に続いて部屋に戻ろうとした所で、
ミカヤ「……リン、あなたに少し話があるの」
エリンシア「まぁとりあえず空いてる席に座って下さいな」
怪訝そうな顔で見つめる姉二人に呼び止められた。
リン「な、なんなのよ…疑うような顔して…」
ミカヤ「いいから早くお座り」
自身の緊張を解きほぐすかのように苦笑いを浮かべながら席につく。


エフラム「リーフよ、一体なんのつもりだ。話があるならあるで、さっさと言え…」
リーフ「…ちょっと待って……よしっと」
一方、リーフの部屋では周囲をやたら気にし用件を言わないリーフにエリウッド、エフラム二名は若干苛立ちを感じていた。
エリウッド「リーフ、朝は何かと忙しいだろう。出来れば休みの日にでも時間を取ってくれると嬉しいんだけどな」
リーフ「……この話はみんなに、特にシグルド兄さんやマルス兄さんに聴かれると色々怖いから、もっと近くに…」
エリウッド「?…分かった」

リーフ「で、用件なんだけど…あの…エリウッド兄さんとエフラム兄さんてさ……」
エフラム「ああ」
エリウッド「なんだ?」

鼻から血をボタボタ滴らせながらリーフはそっと告げる。

リーフ「……リン姉さんと密かにあんな事やこんな事、してるでしょ…?」

「コノヒトデナシー!」

問答無用でリーフは星になった。

162 :紋章町商工会まつりがやってきた!〜祭り2日目・前編〜Side story:2014/08/16(土) 23:59:15.92 ID:0D+7Es77.net
ミカヤ「リン、あなたまさか……」
やはりミカヤに隠し事など最初から無理だったのだろうか。
兄三人の裸に興奮しているなどと知られたら最悪シグルドに縁切りを迫られてしまう。
告げよう、事の成り行きを。
リン「あ、あのね姉さん…これには深い訳が…」
しかしミカヤの口から語られたのは……
ミカヤ「……あなた、また新しい女の子と嫌らしい事でもしてるの?」
リン「は……?」
開いた口が塞がらない。
エリンシア「朝からお化粧までしちゃって……。女の子相手にそこまで熱心になるなんて、お姉ちゃん達はリンちゃんの将来が心配なんですの」
やはりいつものレズ疑惑に終わってしまった。これでは心配しただけ損というものだ。
リン「もう!私はレズなんかじゃないんだから!いい加減その手の冗談はやめてよね!」
吐き捨てるように姉二人に告げリンは居間を後にする。そして案の定やり取りを聞いていたのか廊下で腹を抱え込んで笑うマルスをシバいた後で、支度を済ませる為部屋に戻るのだった。



エフラム「……なぁ、エリウッド。さっきの話についての事だが、」
エリウッド「うん?」
リーフをぶっ飛ばした後、エフラムがエリウッドに尋ねる。
その表情は複雑そうな、またいつにも増して不快感を露わにしているようにもとれる表情だ。
エフラム「……お前、まさか実の妹に…なんて事はないだろうな?」
エリウッド「僕を疑うのか?…そんな訳ないだろう。リンディスは確かにスタイルがよくて綺麗な女性だが、そんな邪な感情を抱いた事は一度たりとない」
エフラム「だが、お前は巨乳好きだろう…?」
エリウッド「!……あ、あまり大きな声でそういう事言わないで貰えるかな…!?」
エフラム「顔を赤くしながら言っても説得力がないぞ。そんな嫌らしい事ばかり考えてるから、エロウッドとからかわれるんだ」
流石にむっときたのか、紳士的な口調はそのままに若干声を低くしてエリウッドが反論する。
エリウッド「毎日のようにベルン署行きになってる真性ロリコンのきみにだけは言われたくないな」
エフラム「だから俺はロリコンではないと…」
ヘクトル「……おいお前ら、何してるんだ」
レイピアとレギンレイヴを持ってお互いロリコンエロウッドと小突き合っていると、ヘクトルがその場にやってきた。
ヘクトルにその手の事を聞かれると大抵後々厄介な目に遭う事はエリウッドもエフラムも承知だ。
エリウッド「……ヘクトル。いや、なんでもない」
ヘクトル「ああ?」
エフラム「何をジロジロ見てる、いいからさっさと行け」
ヘクトル「…おう」

163 :紋章町商工会まつりがやってきた!〜祭り2日目・前編〜Side story:2014/08/17(日) 00:00:22.35 ID:F+3WHMhZ.net
何故か落ち着いていられず、早いとこ支度を済ませたリンはいつもより10分程早く兄弟家を後にした。
勿論例のブロマイドもちゃんと携帯して、だ。
寝不足のせいかボーっとしながらトボトボ歩いていると、上空から小柄なペガサスがこちらに向かって舞い降りてきた。
「リン〜!」
リン「…フロリーナ!?」
フロリーナ「おはよう、これからリンを迎えに兄弟家にお邪魔しようと思ってた所なの。ちょうど良かったわ」
リン「そう。早めに出てきて正解だったわ…」
フロリーナ「……」
宝石を思わせるようなキラキラした瞳で、フロリーナがリンの顔を上目遣いで覗き込む。
リン「な、なに…?」
フロリーナ「リン…今日はいつもと比べてとってもキレイ。
もしかして……好きな男の人でも出来たの……?」
リン「そ、そんな訳ないじゃない!クラスの男どもなんて下心丸出しの嫌らしい目で見てくる奴らばっかりだし、大体私は…!」
フロリーナ「…そうだよね。私達の間に隠しっこは無しって言ってくれたの、リンからだったもんね」

リン「(───私がヘクトルのあんな写真持ってるなんて知ったら、この子どんな顔するかしら…。だからって、あんなだらしない肉塊腹を見せたらもっと恐ろしい事になりそうだし……困ったわ)」

言いようのないジレンマに苦しみ、お互い腹の内を見せ合える大親友にも結局言い出せずに終わってしまった。




マルス「やぁ君達。よく集まってくれたね」
一方、リンが出掛けたのを見計らって出てきたマルスはとある廃ビルに来ていた。
ジュリアン「マルス様、おはようございます。いやぁ、昨日は僅か数十分で売り切れるとは思いませんでしたよ」
マルス「……だからって長い事店を出す訳にもいかないよ。僕の兄弟達にバレでもしたら厄介な事になるからね」
リカード「所で昨日のギャラってのは…」
マルス「そうそう。給与ならここに。それと給与にプラスして、君達には…これ」
サザ「ミカヤのブロマイドキターー!」
デュー「エリンシアおねいさまのブロマイドキターー!」
キャス「ロイさまのブロマイドキターー!」
マルス「……という訳で、今日も1日頑張りましょう!解散〜」


二日目前編に続く……?

164 :助けて!名無しさん!:2014/08/17(日) 03:45:27.05 ID:yLwCK8AX.net
ヘクトルの出てきた夢で吹いた
ちゃんと健康診断受けてるんですな…

165 :助けて!名無しさん!:2014/08/19(火) 20:24:40.46 ID:SZiLOAq1.net
>>ミカヤ「……あなた、また新しい女の子と嫌らしい事でもしてるの?」

ミカヤンのこの発言からなんか連想してしまった。
苦手な人はスルーよろしくです


拙者フィルと申す者。日夜立派な侍となるべく精進中でござる。
ここら辺の事情は過去ネタを御覧じあれ。
…かの宮本武蔵殿は若い時分から幾度も決闘を繰り返したそうでござる。
ゆえに拙者もその故事にならわんと紋章町の強者達に挑戦を繰り返しているのでござる。
戦績は…まぁ勝ったり負けたりでござるが。
…取り分け技の前に技名を叫んだり決めポーズを取ると大抵負けてしまうのでござる。
解せぬ……そういう時は攻撃を仕掛けないのが作法ではないのでござるか?
なんだか釈然とせぬものを感じつつも拙者は兄弟家に脚を向け申した。
ここには目当ての剣客がいるのでござる。
名をリン殿と申す。
剣技といいふぁいとすたいるといい如何にもサカ風味。
拙者と割と共通点が多いのでござる。
ゆえに拙者何度も勝負を申し込んでいるのでござるが何故かいつも断られてしまうのでござる。
追いかけてみてもこの方、えらく脚が早くて逃げられてしまうのでござる。
ゆえに此度は一計を案じ申した。
正攻法がならぬなら戦わざるを得ない状況を作って挑むのでござる。
そう、自衛のためならばリン殿も刃を持って応じざるを得まい。
ちょっと不意打ちっぽくて釈然とせぬ点もござるが致し方なし。
かのゴーキ・シブカワ殿も「卑怯も武の内じゃ」と申しておられたのでござる。
や、兄弟家が見えてきたでござる。
しかも煙突から煙が上ってござる。よし。
フィル「我が策成れり!」
おお、今の台詞ちょっと竹中殿や官兵衛殿を連想させる物がござらぬか?
観柳斎殿は軍師としては微妙でござるが剣客としては中々だったそうな。


兄弟家風呂場

リン「ふぅぅ…」

思わずため息が漏れちゃった…
ミカヤ姉さん…またって何よまたって…
その言い方じゃ私がしょっちゅう女の子といやらしい事してるみたいに聞こえるんですけど!?
しかも新しいって…わたしゃそんなにたくさんの女の子と付き合ってるように見えるんかい。
チキファミルラサラを周りに置いてるエフラム兄さんじゃないんだから…
兄さん…言動さえまともになればイケメンだし超私好みなのに…もったいな…こ、こほん!こほん!
けど否定しても周りからそう見られるって事はそう見える要素がきっとあるのよねえ。
……た、確かに私はフロリーナと仲がいいわ。
時々お泊りなんかもするし一緒のベッドで寝たりお風呂入ったりもするけど…
これって友達の範囲内よね!?それ以上の事したりはしてないんだけど!?
…なんで誤解されるのかしら…はぁ………
これもうちのバカ弟が勝手な解釈で変な噂をバラ巻くからなのよね…
思い出したらムカついてきた。お風呂あがったらシメよう。
あ、その前に髪洗わなきゃ。シャンプーシャンプー……

166 :助けて!名無しさん!:2014/08/19(火) 20:25:19.80 ID:SZiLOAq1.net


好機至れり!!!
かの武蔵殿はかつて風呂で敵に襲われ不覚を取ったと聞き申す。
今挑めば逃げる事敵わず戦わざるを得まい!!!

…にしてもこうして潜んで窓から風呂の様子を伺っているとなんだか変態みたいで嫌でござるな。
そうも言っておられぬのでござるが。

フィル「いざ…しょーうぶ!」
叫ぶが早いか拙者は窓に突っ込み突き破りリン殿に斬りかかったのでござる!
リン「のわあああっな、なにごとー!?」
ほう、初太刀を転がって躱し申したか。
虚を突いた筈が大した運動神経でござる。
リン殿はどうも常人より野生的な感覚というものが発達してるらしく時々えらく感がよいのでござる。
拙者の見立てでは今の太刀と奇襲ならば強者の多い兄弟家でもやや未熟な年少組の者なら仕留めえたと見るのでござるが。
いや、なればこそ挑み甲斐があるというもの。
フィル「リン殿!今日こそ逃げ隠れはさせませぬぞ!拙者と死合っていただく!」
リン「くっ……なんてしつこい……っ!」
フィル「くらえい!つばめ返し!」
リン「うわっ…あぶなっ!?」
ほう…この太刀も躱したでござるか。
ならば続けて!
フィル「牙突!!!」
リン「のぉ!?…とっとっと…あ、危なかった…どうして先に技を教えてくれるの?」
フィル「様式美でござる」
リン「……で、こっちは丸腰なんだけど…」
フィル「常在戦場。油断めされる方が悪い。拙者は風呂でも倭刀を手放さぬ、武蔵殿の教えでござる」
リン「武蔵の教えならお風呂そのものに入らなきゃいいでしょうに…」
フィル「無茶言わないでくだされ!?汗まみれ垢塗れなんて拙者絶対嫌でござる!?」
リン「でしょう。その人のお風呂タイムを邪魔してるわけだから大人しく引き…」
フィル「そうはいかぬ!」
上段よりの渾身の唐竹割っ!!!
これは避けられまい!!!
リン「ふんぬっ!?」
フィル「な、なんとぉ!?真剣白刃取りとは……」
リン「ぐぐぐ…」
フィル「むむむ…」

戦況は膠着し申したのでござる。
リン殿は少しでも動いたり力を緩めれば拙者の太刀に真っ二つ。
ゆえに動けぬ。
拙者も少しでも力を緩めれば刃ごと太刀を奪われるのでござる。
ゆえに動けぬ。
こうなればどちらかが参るまで根競べか…

167 :助けて!名無しさん!:2014/08/19(火) 20:25:50.04 ID:SZiLOAq1.net
ふみっ!

む?
足袋の裏になんぞぬるっとした…
フィル「……ぁ……きゃっ!?」
これは…石鹸っ!?
こ、こんなギャグマンガのような事が現実にありうるとは!?
拙者盛大に滑ってこけてしまったのでござる。
当然の如く武器も奪われてしまい申した。
リン「チャンスッ!」
言うが早いかリン殿が拙者に圧し掛かり着物の合わせ目から手を突っ込んで拙者の着物を剥ぎはじめたのでござる!?
フィル「ちょ…な、何をなさる!?」
リン「拘束しないとあんた暴れるでしょっ!」
拙者、帯を解かれ帯でもって頭の上で組まされた両手を縛られてしまったのでござる。
着物は肌蹴け日頃隠し通した白肌が白日のもと…け、結構恥ずかしいでござるなこれ。
サラシも乱れて胸元が…あわわっ!
フィル「かかる恥辱を受けるくらいならば…殺せ!」
リン「誰が殺すかい!?っつーか私が変な事してるみたいに言わないでよね!」

ミカヤ「何事!?お風呂が騒がしいわ!?」
エリンシア「今お風呂に入ってるのはリンちゃん…まさか痴漢でも!?成敗いたします!」
マルス「そんな物好きいるわけないでしょうが。まったく」
エリンシア(と、言いつつファルシオン持ってしっかり駆けつけるんですわよね)

ガラッ

リン「……あ、よかったみんな!助かったわ!この娘を…」
ミカヤ「………リン…お風呂に女の子連れ込んで拘束プレイだなんて…」
リン「……へ?」
エリンシア「女の子は殿方のKINNIKUに興奮してこそ健全ですのにっ!?」
リン「……ファッ!?」
マルス「まぁどうせこんなことだろうと思いましたけどね」
リン「あんたは向こう向いとれ!」
マルス「はいはい、別に見たくもありませんよ」

あれは兄弟家の他の方々でござるな。
拙者は詳しくは存ぜぬが。どうでもよろしいがマルス殿何気に鼻血出してござらぬか?
……それにしても……全裸のリン殿に組み敷かれ、
腕を縛り上げられて素肌を晒してる姿を見られてしまうとは……
死ぬほど恥ずかしいでござる……い、いや…それどころではないのではなかろうか!?
何気にこれ貞操の危機!?

フィル「拙者このまま皆様に口には出せぬような霰もないいやらしい事をされてしまうのでござるか!?もうお嫁にいけないのでござる!」
リン「ちょ…は、話がややこしくなるような事いわないでっ!?」
ミカヤ「ああっ!うちの妹がとんでもないことをしてしまってごめんなさい!この責任はしっかり…」
リン「してないっ!こっちは被害者だっつーの!?」
マルス「こういう場合の責任ってどう取るんでしょうね…っていうか皆様って…僕らまで含まないでほしいなあ。女の子襲うケダモノはリン姉さんだけだってば」
リン「あんたはだまっとれ!あとシメる!」
シグルド「なんの騒ぎだい……ああ…まぁ私はKINSINNじゃなければ百合でもホモでもロリでもかまわないよ…ふ…妹にも先を越される…か…」
リン「いきなり出てきて遠い目をしないで!?」
マルス「まぁまぁ、とにかくタオルくらい巻いてくださいよ。いい加減目の毒です」
リン「んだとゴラァ!」

168 :助けて!名無しさん!:2014/08/19(火) 20:26:30.37 ID:SZiLOAq1.net
……なんとも賑やかになってきたものでござるな……
兄弟が多いってこういう感じなのでござるか。
拙者一人っ子ゆえにちと眩しく感じるのでござる。
いや、寂しいと思う間などないほど幼少の頃から父上が目いっぱい構って可愛がってくだされたが。
歳の近い兄弟たちとの暮らしというものも夢想せなんだわけではないのでござる。
ふ……帰ったら母上と父上に…弟か妹が欲しい…なんて言ってみようか。
ふふふ…さすがに冗談でござるが……ではこのままこの場を辞し……

リン「何、モノローグでいい話にしつつさらりと逃げようとしてるのかしら?」
フィル「いや、これで落ちをつけようと思ったのでござるよ」
リン「だぁっ!!!私のレズ疑惑が解けないうちに終わらすなーっ!!!」
フィル「日ノ本では男色は割と普通にあったそうでござるしリン殿がそういうご趣味でも拙者蔑むつもりはござらんが…せ、拙者のーまるゆえ…さ、誘われても…そのう…困る…の」
リン「誘ってないわーっ!!!」

かくしてグダグダのまま兄弟家の面々は…ああ…リン姉さんってば…またか…的な生暖かい視線を彼女に送るのでした。

終わり

169 :前略、スイカ割りをしよう!:2014/08/19(火) 22:43:46.23 ID:jhoZH1BS.net
マルス「夏といえば…」
エリンシア「海ですわ…ハァハァ…」
マルス「海といえば…」
リーフ「ビキニのおねいさ…」
セリス「やっぱりスイカ割りだよね〜」


マルス「てな訳で兄弟家のみんなでスイカ割りを楽しみましょう〜」
一同「おー!」

ヘクトル「…じゃあまずは俺からだな」
マルス「はいはい、それじゃあまずは目隠し用の鉢巻き巻いて〜」
ヘクトル「おうよ」
マルス「そのままその場で三回回って〜」
ヘクトル「?…おう」
ロイ「…ブーと言う」
ヘクトル「ブー…って!」
エフラム・リン・マルス「プギャハハハハ!(^Д^)」

ヘクトル「てめっ、今ブーとか言いやがったのはどいつだ!?」
ロイ「…だって本当じゃないか」
ヘクトル「ロイてめぇ!……ったく、今に見てろ…」


ミカヤ「ヘクトル、もっと左よ」
ヘクトル「ん…」
エリンシア「もう少し右ですわ」
ヘクトル「お、おう」
クロム「もっと左!」
ヘクトル「くそっ…」
エフラム「何やってんだピザ、人の話をしっかり聞けよ」
リン「だからそっちじゃないってば!」
ヘクトル「だーっ!細かい事をつべこべとうるせぇよお前ら!でやぁぁ!」
セリカ「きゃあっ!」
アルム「危ないセリカ!」


リーフ「この人でなしーっ!!」


ヘクトル「あ…わりぃ、リーフだったか」
マルス「さっきからスイカにカスってすらいませんよヘクトル兄さん」
エフラム「全くもって埒があかんな」
ヘクトル「そんなに言うならお前は出来んのか!?やってみろよ!」
エフラム「いいだろう」

170 :前略、スイカ割りをしよう!:2014/08/19(火) 22:45:30.35 ID:jhoZH1BS.net
エフラム「………ピザ、後で屋上な」
ロイ「ところでその場で三回回る意味ってなんなの?」
シグルド「なんでも、平衡感覚を鈍らせる為らしいな」
ロイ「へ〜」
エイリーク「兄上、頑張って下さい」
エフラム「……」
リン「兄さん…?さっきから微動だにしてないけどどうしたの?」
エフラム「……ふんっ」

パーン!

セリス「真ん中からちょうど串刺しにした!?」
アルム「僕が丹誠込めて育てたスイカが…」
エフラム「明らかな手応えを感じたが、どうだ?」
ロイ「いや、当たったには当たったけどさ…これじゃ意味ないじゃん」
クロム「…というより剣やら斧ならともかく、何故槍で割ろうとしたんだ…」
エフラム「何を言うんだ兄上。槍でも思いっ切り叩けばスイカぐらいかち割れるぞ?」
リーフ「槍馬鹿自重」

──────

リン「じゃあ次は私がやってみるわ」
アルム「リン姉さん、さっきの兄さんみたく食べ物を粗末に扱う割り方は反対だよ…なんせ僕が心を込めて育てたんだからね」
リン「あら、アイク兄さんやクロム兄さん程じゃないけど、私だって技量ならかなりのものよ?期待には添えると思うわ……それじゃ、いくわよ!」
マルス「…まさに女傑って感じですねリン姉さん」
セリス「カッコイイ〜!」
ヘクトル「おい、誰か木刀か何か握らせてやれよ」
リン「…ギャラリーうるさいわよ!」
マルス「これなんてどうかな、ヘクトル兄さん」
ヘクトル「ぶっ!棍棒ww確かに似合ってらwww」
リン「……ア・ン・タ・たち〜!」
マルス「じょ、冗談ですって!んな本気にし…ぎょえああああ!!」
ヘクトル「ぬわーっ!」
リン「アンタらが死ぬまでっ斬るのをやめないっ!」

ロイ「すごいや…鉢巻き巻いてさらに平衡感覚失ってるはずなのに剣撃が全部ヒットしてる…」
エイリーク「支援効果の中には命中を高める効果もありますからね…」
エリンシア「マルスちゃんとヘクトルちゃんの茶化しがなければ普通にスイカを割ってお話が終わってたところでしたわね」
ロイ「ちょ、メタな発言やめて!」

───────

アイク「しょうがない…俺がやろう。確か鉢巻きを巻いて三回回るんだったな…よし…」


天↑空↓っ!×3


ロイ「いやいや!確かにスマブラでアイク兄さん天空で回るけど!…てかクロム兄さんと署長便乗しないで!」
クロム「すまん、つい…」

171 :前略、スイカ割りをしよう!:2014/08/19(火) 22:48:47.55 ID:jhoZH1BS.net
ゼフィール「うむ…」
セネリオ「ひどい有り様です」

アイク「…ぬぅんっ!」


(その頃、エリウッドは夏風邪をこじらせベッドで横になっていた。)
エリウッド「ごほ、ごほ…。今年はみんなと一緒にスイカ割りこそ出来なかったけど、アルムが作ってくれたあの美味しいスイカがまた食べれる…楽しみだな……。
!?…な、なんか…家が徐々に傾いてるような……いや、きっと疲れてるんだろうな…。薬も飲んだしもう一眠りしよっと…ごほごほ…」


その後、兄弟家がどうなったかというのは言うまでもない。

172 :助けて!名無しさん!:2014/08/19(火) 22:57:00.49 ID:jhoZH1BS.net
※すいません、160目のレスの前に


──────

マルス「それじゃあエフラム兄さん、鉢巻きを巻いて」
エフラム「ああ」
マルス「そのまま三回回って…」
ヘクトル「…幼女サイコー!と言う」



というのが抜けてしまいました。

173 :助けて!名無しさん!:2014/08/20(水) 11:09:25.28 ID:QLC4GfUZ.net
>>172
GJでした。そんなことだろーと思いましたよwww

174 :助けて!名無しさん!:2014/08/21(木) 07:33:40.40 ID:1aQ5WgdE.net
>>165
ラケシス「勧誘しなくては(使命感)」

175 :助けて!名無しさん!:2014/08/22(金) 21:43:16.12 ID:q9gU5vQ+.net
プリシラ「兄妹に憧れる兄志望の皆さんはどんどん両親に妹を作ってくれるよう頼んでみる事を推奨します」
クラリーネ「問題は妹サイドですわ…兄が欲しくても弟か妹しかゲットのしようがありません…」

AKJは兄妹愛を愛する乙女の団体だけどこの人たち的に姉弟や兄弟や姉妹での愛はどういう位置づけになるんだろうとふと思った

176 :助けて!名無しさん!:2014/08/24(日) 00:00:23.57 ID:PCxW2IQh.net
>>175
リーフ「…そういう訳だから僕達でAKD(義姉・実姉(Ane)が嫌(Kiraina)いな男子(Danshi)はいません)同盟を作ろうと思うんだけどどう?」
クロム「な、何故俺達にそんな話を振る!?確かに姉さん達は弟たるもの守るべきとは思うが…!」
マルス「り、リン姉さん?…ハハッ冗談じゃないよ!僕を太ももと胸だけが全てだと思ってる輩と一緒に……ひでぶっ!」


ロイ「本当に分かりやすいなぁマルス兄さんは…」

177 :助けて!名無しさん!:2014/08/24(日) 01:36:12.43 ID:epqstVLq.net
シグルド兄さんの心労と疲労が過労で寿命がマッハだから止めて差し上げるんだ(懇願

178 :助けて!名無しさん!:2014/08/24(日) 01:52:28.37 ID:ybaS+v9k.net
そういやOIOなんつうのもあったな
O(お姉さんと)I(イチャイチャしたくない)O(男は居ません!)

179 :リン姉さんの卵とじ:2014/08/24(日) 22:21:14.01 ID:PCxW2IQh.net
http://www.nicovideo.jp/watch/sm24309038

50章辺りで未完成だった動画が完成したので報告がてら。苦手な方は急いで逃げて。

エリウッド「リンディス、あのさ……動画、終わったからそろそろ離れて貰えるかな?」
リン「え……ぁ…//ご、ごめんなさい、料理がこんな美味く作れたなんて、つい嬉しくなっちゃって!(エリウッドってば相変わらず天然。これじゃニニアンやフィオーラさんが苦労するのも頷けるわ…)」
ユンヌ「はーい、カットォ!二人共お疲れ様〜」
リン「ちょ、ちょっと!もう台本に男に抱き付く演出とか入れるのやめてちょうだいよね!」
ユンヌ「えー、だって後半のプロット書いたの私じゃないしー」
ラケシス「…あら、兄に抱き付く妹だなんてなんと健全かつ美しい絵ではありませんこと?」
プリシラ「つい夢見心地に浸る気分になりましたわ…はぁ、うっとり」
リン「アンタらかぁぁぁあ!!おんどりゃぁぁぁ!」


マルス「……」
ロイ「…マルス兄さん、ムスッとしてないで一緒に姉さん達が作ってくれたお弁当食べようよ」
マルス「……」
エイリーク「マルスの分はリンが一生懸命作ったのですよ?だからほら、早く機嫌直して下さい」
マルス「!……しょ、しょうがないな…!何も僕の分まで作らなくたって…ぶつぶつ」
ロイ「(相変わらず面倒くさい人だなぁ)」

エリンシア「…あら、アイク。もう食べ終わったんですの?」
アイク「腹が減ってたもんで…すまん」
ユンヌ「アイク〜!食後のデザートにはこのユンヌちゃんを遠慮なく…いやぁぁぁメダリオンはだめぇぇ!」

ラケシス「……皆の衆、よく見ていまして!?リンディス様がついに我がAKJの同胞として認められる事になったのです!」
リン「言い掛かりはやめなさい!…っていうかFETVみんなのうたコーナーに『兄と妹、禁断愛の卵とじ』とか怪しい名前で投稿しようとしないで!」
シグルド「」
ニニアン「」
フィオーラ「」
リン「ち、違うの三人共!私はただエリウッドを元気付けようと…!」

180 :助けて!名無しさん!:2014/08/24(日) 22:48:51.51 ID:ieWkf+Ti.net
>>179
素晴らしい!!
ついでに、続きを

エリウッド「いや、でも本当においしかったよ、ありがとう、リン」
リン「え、いや、その、あはは、エリウッドが喜んでくれたならそれでいいの」
エリウッド「(あの笑顔で)これから毎日、ご飯はリンが作ってくれないか?」
リン「!!!!…///」

ユンヌ「あ〜、あれは駄目ね、私もあれでイチコロだったもん
セリフがいいんじゃなくて、イイ男が言うからキマるのよねぇ・・・」

181 :助けて!名無しさん!:2014/08/25(月) 00:12:20.69 ID:snull815.net
またシグルド兄さんが発狂するぞw

182 :助けて!名無しさん!:2014/08/25(月) 00:28:08.34 ID:uKnQ17xi.net
プリシラ「シグルドさんが発狂する。狂う…すなわち…kinsinnを嫌うという事は狂っていて異常な事だということです。feキャラならkinsinnがデフォ、常識当たり前。私たちこそがノーマルなのです!」

183 :助けて!名無しさん!:2014/08/25(月) 21:17:45.18 ID:5HteXgN2.net
ヴぁっくん「いや、その理屈はおかしい」

184 :サヨナラ、エリウッド▼第二話:2014/08/25(月) 23:49:39.03 ID:h7DlrIIS.net
────ここはどこだろう。
僕は誰、だっけ……。
なんだか、身体が疲れて…ひどくねむいや…。


灯りの1つもない暗闇の中、彼は仰向けになって寝転がっていた。
こうしている間にも瞼が落ちてくる。
眠りたい。だが、二度と目覚めぬような気さえして。
意識が朦朧としかけた時、頭の中に人工保育器に入れられ、幾つものチューブに繋がれた小さな小さな赤ん坊の姿が浮かんだ。

動くことも泣くこともなく、人形のように力なく横たわるばかりの赤ん坊の小さな手を握り締めながら寄り添うのは、目に溢れんばかりの沢山の涙を溜めたまだ幼さの残る青髪の少年、緑髪の少女、そして二人よりは若干大人びた銀髪の少女。
赤ん坊の母親、いや、兄や姉なのだろうか。
だが、その面影は遠い昔に見たものであるような気もして。


「───お願い、生きて…。あなたは生きなきゃ。生きて、幸せにならなきゃ…」


───幻聴だろうか。
でも、僕はあの声を、何故だか懐かしく感じるあの声を知っている。


失い掛けていた意識が急激に戻っていく。


「───エリウッド……かわいいかわいい、私の弟…」


───エリウッド、エリ、ウッド……。
そうだ、僕の名前は…エリウッド。
そしてあの三人は、僕の兄姉…ミカヤ姉さん…エリンシア姉さん…シグルド兄さんだ……


ここは病室?僕は───。


「ようやく気がついた?エリウッド……」



───あなたは……。


自分の眼前にいたのは、何処かで見覚えのある小さな少女で…。

185 :サヨナラ、エリウッド▼第二話:2014/08/25(月) 23:50:28.14 ID:h7DlrIIS.net
───全く、馬鹿だぜエリウッド……お前はホント昔っから糞真面目な大馬鹿野郎だぜ!


明くる早朝、ヘクトルは兄弟家の中庭でそんな事を思いながらただ一人稽古に励んでいた。
闇雲に斧を振るう姿はやはり何処か不満げ。
それもそのはず、今日はエリウッドとふた月に一度の手合わせの日であった。
しかし、エリウッドが入院して出来る事といえば精々素振りをする事のみ。
兄やエフラム達と手合わせでも…とは考えたが、入院中に自宅を崩壊させる事になってはと彼にしては珍しく結局一人素振りする考えに行き着いた。


「……こんな朝早くから斧の素振り?…珍しい事もあったものねぇ」
ヘクトル「……どわっ!」
ただがむしゃらに斧を振るい続けていた故か、リンがいつの間にやら訓練用の剣を片手に隣にいた事に気付かなかったようだ。
リン「何よ、たまたま声掛けただけじゃない。いちいち大声出さないで」

…全く失礼しちゃうわ。
小声でそんな事を言いながら、リンはヘクトルに向き合う。

ヘクトル「な、なんだ…!」
リン「ヘクトル、本当は今日エリウッドとの手合わせの日だったんでしょ?だから…代わりに私が相手になろうと思っただけよ!」
彼女らしく迷いのないはっきりした口調でそう告げた後、


……言っとくけど勘違いしないで!…別にアンタの為なんかじゃないわ!


と付け加えるのを忘れなかった。
朝の澄んだ爽やかな空気の中、剣と斧とかぶつかり合う音、空気を切る音が何度も何度も響く。



ヘクトル「…っ…へっ、お前にしちゃあ踏み込みがやけに力強かったじゃねぇか」
リン「…そういうアンタこそ、いつもはトロいはずの動きにキレがあったわよ」
手合わせの後、普段お互い牽制し合っている二人にしては珍しくこの日は互いの戦法を褒め合う。


ヘクトル「……久々にいい汗かいたぜ。ありがとうよ」
重装を外して汗を拭いながらヘクトルは言う。
ヘクトル「いやー、兄貴やエフラムと手合わせする時はどうしても勝つか負けるかばっか気にしちまうんだけど、やっぱお前やエリウッドとの手合わせはなんつーか…気楽にやれるわ」
リン「気楽?…それって私やエリウッドには手加減でもしてるって事?」
ヘクトル「そうじゃねぇ。勝ち負けにこだわらず自然な気分で手合わせ出来るっつー意味だよ。手加減以上の相手への侮辱はない、か。相変わらずカタイ事言うぜエリウッドは…」

───ガキん頃は剣持つだけで震えてぶっ倒れるような奴だったのによ…

同い年の、それも血の繋がった兄弟とはとても思えなかった当時の彼の姿は今でも想像するのに容易い。
リン「……でもエリウッドは口先だけの人なんかじゃないわ。……かわったよね、エリウッド」

───今でも嘘みたい。
あの頃はまさか、エリウッドが私達と肩を並べる程、ううん、私達よりずっとずっと強くなるなんて、思いもしなかったもの。


リンは小さな溜め息を交えて呟いた。
ヘクトル「急になんだよ」
リン「…ううん、なんでもないわ。昨日の夢のせいかしら…」
ヘクトル「夢?…そういや俺も妙な夢を見たな…。あれはちょうど俺らがまだガキの頃で…」
鳥のさえずり、虫達の声を聞きながら二人は思い出す。
あの日も確か、暑い真夏の日で……。

186 :サヨナラ、エリウッド▼第二話:2014/08/25(月) 23:51:57.72 ID:h7DlrIIS.net
ヘクトル「おい、エリウッド!これから俺らだけで出掛けるんだけど、一緒にこいよ!」
エリウッド「え……でもぼく…」
エフラム「ヘクトル、リンが準備できたって!」
ヘクトル「そっか、よし!いこうぜ!」
エリウッド「わっ!…ちょっと、ひっぱらないでよ!」
当時の兄姉達は勉強に部活に忙しい年頃、腕白さかりの年中組は毎日新しい遊びに胸を踊らせてながら遊び回っていた。


エリウッド「ところでどこに行くつもりなの?」
ヘクトル「どこへって、火竜の墓場だぜ!」
リン「マグマのたにがいくつもあるんでしょ?ぼうけんみたいでワクワクしちゃう!」
エリウッド「火竜の墓場…?」
行き先を聞き、青ざめるエリウッド。
それと同時にすぐさま否定の言葉を発した。
エリウッド「やめようよ!絶対あぶないよ火竜の墓場なんて!危険な所にはいっちゃダメだって、姉さん達も言ってるじゃない!」
ヘクトル「しっ!…静かにしろよエリウッド、姉貴達には内緒なんだから!」
エフラム「わすれたのか、エリウッド。俺たち、やっと10歳の誕生日をむかえたんだぜ!」
エリウッド「……それは…」


兄弟家に産まれた兄弟達の殆どは、それぞれ各々の神器、長女のミカヤが語るには両親からの最初で最後の誕生日プレゼントが贈られている。
そして10歳の誕生日を迎えて初めて、神器を扱って良いと長女から告げられていたのだが……
ヘクトル「親父とお袋が遺していったっつー天雷の斧、アルマーズ……。待ちわびた甲斐があったよな!」
天雷の斧アルマーズを高く振りかざしながらヘクトルは呟いた。
まだ子供のヘクトルには大層重いはずの巨斧だが、彼はそれを軽々と持ち上げている。
エフラム「ああ、俺もだ。神器を扱えるようになるまでは…兄上たちもまともに手合わせしてくれなかったし。これでようやく一人前だと認めてもらえる」
エリウッド「それは…僕だって、そうだけど…」
尻すぼみでエリウッドは応える。
彼も二人と同じく両親から神器を授かってはいる。
だがエリウッドはどうしても神器を取る決心が出来なかったのだ。
エリウッド「僕はどうしても神器を…デュランダルを使ってみたいという気分にはなれない。エフラムのいう通り、兄さんたちに一人前に認めてもらいたい気持ちはあるんだけど……」

リン「なによ、エリウッドはこわいの?」
エリウッド「怖くなんてないけどさ…!」
ヘクトル「エイリークもさそったけど結局来なかったな」
エフラム「エイリークについては俺が反対した。大体リンについても…」
リン「兄さんがとめても、あたしはいくわよ!火竜の墓場なんて、めったにいけないんだもん!」
エフラム「だが…!」
ヘクトル「いいから行こうぜ!」
リン「そうよそうよ!はやくいこうよ!」
エリウッド「あっ、待ってよ三人共!」
ひどく嫌な胸騒ぎがする。
直感でそう感じたエリウッドは使いたくないはずの自らの神器を引きずりながら持っていき彼等に続くのだった。



火竜の墓場。
吹き荒ぶ熱気、舞い散る火の粉、野生の火竜が巣くう危険なこの不毛の大地に足を踏み入れる者はいない。

ヘクトル「火竜の墓場、思ったより気味のわるい場所だな」
エフラム「ああ。だがここには野生の火竜がごまんといるらしい。腕だめしにはうってつけの場所だ」
真夏の時期にプラスしてこのうだれるような火竜の墓場の熱気は大の大人でも滅入るはずだが、前々から出掛けるのが楽しみだったせいなのかヘクトル、エフラム、リンいずれも疲れた素振りは全く見せていない。
エリウッド「……はぁ、はぁ。ねえ、みんな…何もおきないうちに帰らない…?」
逆にこの地獄のような蒸し暑さが応えているのはエリウッドだ。
元々丈夫ではないのも祟って、呼吸をするのも苦しい状態だ。
リン「エリウッド、くるしそうじゃない?むりについてこなくてもよかったのに」
エリウッド「平気、だよ。……でも、何かあってからじゃきっと…」

187 :サヨナラ、エリウッド▼第二話:2014/08/25(月) 23:53:37.83 ID:h7DlrIIS.net
その時、突然足場全体に地響きのような衝撃が走った。
リン「な、なに!?」
地響きが徐々に近付いてくる。
そして4人が目にした逞しい四肢、鋭い爪、血のたぎるような深紅の巨大な影────。
鈍く光る銀色の目が4人を見下ろすと共に、巨体はけたたましい砲哮を上げる。


エフラム「あれが火竜……!」
ヘクトル「アニキからウワサには聞いてたが、実際見ると……足がすくんできやがるな…!だが…」
エリウッド「あ!待ってヘクトル!」
助走をつけて飛び上がりながら構えたアルマーズを一気に振り下ろそうとする。
しかし、火竜の脳天に直撃仕掛けた所で、ヘクトルの身体は火竜の尻尾により強く弾き飛ばされる。
エフラム「……ヘクトルっ!」
すかさずヘクトルがはね飛ばされた場所に向かって火のブレスを吐き出す火竜。
エフラムが彼の身体を無理矢理にでも動かしていなければ灰になっていただろう。
エフラム「ヘクトル、無事か!?」
ヘクトル「ぐっ…あの野郎、意外とすばしっこいんだな」
エフラム「ヤツは俺がひきつける、お前はさがってろ」
ヘクトル「アホ、お前1人にいいツラさせるかよ!とにかく今は……」
エリウッド「ヘクトル!エフラム!二人共、だいじょうぶ!?」
ヘクトル「…リン、エリウッド!お前らはいったん逃げろ!神器をロクに使えないお前ら2人に勝ち目なんかねぇよ!」
エリウッド「……」
────神器をロクに使えない。
その言葉が何よりエリウッドの心に重くのしかかる。
リン「ば、ばかいわないでよ!ぶきなんてなくてもこわくなんか…こわくなんかないわ!
…てきにせをむけたらまけだってアイクにいさんにいわれたもの!」
ヘクトル「馬鹿やろう!ここで4人まとめて死んじまったら元も子もねーだろうが!分かったならさっさと行け!」
エリウッド「……」

───思えば、まだ物心のつかない子供の頃から自分とヘクトル、エフラムとは本当の兄弟ではないような気がしてならなかった。

毎日のように兄達に混じって野山を駆け回っては体中泥まみれになって遊んでいた2人。
同い年に生まれた実の兄弟であるはずなのに、3歳になるまで外出時は勿論、常に姉達の目のつく所で過ごす事を余儀無くされたエリウッドにとってはまるで正反対ともいえるべき幼少時代だった。

幼い子供というものは時として残酷な事を言うものだ。
幼さ故にエリウッドが何故自分達に混じって遊ばないのか理解出来なかったヘクトルとエフラムは、しょっちゅうその事をからかっていた。
事の発端はエリウッドを連れて兄弟家がよく手伝いに行くオマ村、チャップの農場に来ていた時の事だ。
ヘクトル「おいエリウッド。おまえ、たんぼにとびこんでみろよ!」
エフラム「ははは、むりだよヘクトル。エリウッドはどろんこまみれになってあそんだことなんかないしな!こわくてできないだろ?」
エリウッド「そ、そんなことないよ!」
ヘクトル「ならはやくとびこんでみろって!」
エリウッド「……」
エフラム「やっぱりできないじゃん!」

────よわむしエリウッド、ははは!

アイク「…お前ら、何してるんだ」
ヘクトル「あ。アイクのあにきにクロムのあにき」
エフラム「エリウッドにも、どろあそびのたのしさをおしえてやろうとおもったのに、ぜんぜんたんぼにはいろうとしないんだこいつ」
エリウッド「……」
ヘクトル「……ま、しょうがないよな。いつもあねきたちにつきっきりでせわされてるし」

間髪入れず、アイクとクロムの拳骨が飛んだ。

188 :サヨナラ、エリウッド▼第二話:2014/08/25(月) 23:56:22.78 ID:h7DlrIIS.net
クロム「…すまなかったな、エリウッド」
エリウッド「…どうしてにいさんたちがあやまるの?」
アイク「……なんでって、ヘクトルとエフラムは明らかにお前の身体が弱い事を馬鹿にしていたぞ」
エリウッド「バカになんて……」

────ヘクトルも、エフラムもほんとうはぼくとあそびたいだけだよ。でもぼくはからだがよわいから、みんながたのしいとかんじるようなあそびがいっしょにできなくて…。
ねえ、アイクにいさん、クロムにいさん。おねがいがあるんだけど、きいてくれる?

アイク「なんだ?」
小さいながらも普段からしっかりした性格で兄姉達に甘えてこないエリウッドからの頼みは珍しい。
どうにか力になってやろうと兄二人は微笑みかけて耳を傾ける。

───ぼくに、けんをおしえてくれない?

二人は驚き顔を見合わせた。
誰より優しく、また戦いや争い事に関して否定的なエリウッド自らが稽古を望んでくるとは。
エリウッド「ダメ、かな?…やっぱりぼくは、ヘクトルたちがいうようによわむしだし…」
アイク「…そんなことはない。よし、それなら…これを使え」
アイクが差し出したのは訓練用の木刀。
エリウッドはその木刀を嬉しそうに手に取る。
実践用ではないとはいえ、実際の剣を手に取るなど彼にとっては初めての経験なのだ。

アイク「俺は力加減というのが苦手だから、稽古相手はクロムに頼もう。いいな?」
クロム「分かった。エリウッド、思い切りかかってこい!」
エリウッド「い、いくよにいさん!」

勿論稽古の経験など一度としてないエリウッド。
頭からぶつかりにいっては簡単にはじかれ、またはじかれ、
それは剣の稽古というよりは、チャンバラごっこに近いものだった。


クロム「どうした、もう終わりか?」
苦しそうに息を上げているエリウッドにクロムは声を掛ける。
生まれつき身体が弱いのだし、いくらなんでもこれ以上かかってはこないだろう。
そう思った矢先、
エリウッド「……スキありっ!」
クロム「うおっ!」
油断していたクロムは尻餅をつき、完全に一本取られた形になった。
エリウッド「クロムにいさん、だいじょうぶ?」
クロム「エリウッドだと思って油断したな」
砂埃を払いながらクロムが笑う。
エリウッド「…ふいうちなんて、ひきょうなたたかいかたをしてしまった…。
でもこうしなきゃかてなかったんだ…ごめんなさい」
クロム「何を言う。今のは卑怯でもなんでもなく、お前の勝ちだ。自信を持て」
アイク「……押し切るだけでなく相手の隙をつくのも立派な戦術だ。今のは俺でも避けきれなかったかもしれん」

───身体の弱さと剣の才とは必ずしも一致するものでもない。お前にも素質自体はあるんだ。

兄弟一家最強との実力を持つアイクにも認められ、エリウッドの顔が思わず綻ぶ。
エリウッド「そ、そうかな…」
アイク「勿論だ。今の戦いぶりを見たらシグルド兄さんや姉さん達もきっと同じ事を言ってくれるだろうと思う」
エリウッド「あの……これからも、にいさんたちにけいこのあいてになってもらっていい、かな…?」
少し遠慮がちに小さな声で告げる弟の頭をクロムはポンポンと叩く。
クロム「俺達は兄弟なんだから、堅苦しい気遣いなんかは無用だ。そうだろ?」
エリウッド「!……うん、ありがとうにいさん…」

アイクやクロムと手合わせをするようになって数週間、以前兄弟達に弱虫なエリウッドと呼ばれてきた彼の面影は何処にもなくなっていた。
エリウッドにはその時の記憶が鮮明に残っていたのだ。

189 :サヨナラ、エリウッド▼第二話:2014/08/26(火) 00:01:42.09 ID:7PZ8g8EW.net
────ぼくに けんを おしえてほしい。

初めて兄二人に頼み込もうとした際の、あの緊張は、不安は今でも忘れられない。
きっと怒られるかもしれない、お前には無理だと突き返されてしまうかもしれない。
けれど、二人は才能なんてこれっぽっちないと思っていた剣の才を認めてくれた……。

「エリウッド!…ヘクトルにあんなこといわれたのはくやしいけど…いまはにげよう!?はやくっ!」
気が付けば、いつの間にかリンが自分の衣服を必死に引っ張っていた。
エリウッドは重々しいばかりの自らの神器をちらと見た。
自らとリンを逃がす為だろう、ヘクトルとエフラムが囮として火竜の注意を逸らしてくれている。しかし、このままでは…
烈火の剣デュランダル。
こうして実際手にしたのは初めてで、上手く扱えるかなんて自信は何処にもなかったが、

────僕は、逃げない。逃げる訳にいかないよ
「エリウッド!」

強い口調でそう告げた後、エリウッドは大剣デュランダルを構え身体の弱い彼だとは到底思えぬアクロバティックな大ジャンプで果敢にも飛びかかっていった。
そして、鋭い剣撃が火竜の前肢に直撃する。
苦痛の叫びを上げながら、何処へともなくまるで恐れをなすように火竜は立ち去っていった。

「やった……やったぜエリウッド!」

息を切らせながらエフラムとヘクトルが駆け寄る。
エフラム「なんだお前、やれば出来るじゃないか!」
ヘクトル「今の、どうやったんだよ?オレにも教えろよな」
エリウッド「……」
エフラム「おい、エリウッド?」
エリウッド「………ぇ」
間が抜けた返事を返すと共に、剣を握る手がガタガタと震え始める。
エリウッド「……竜は…竜はどこに!?」
リン「すごい、すごいわエリウッド!とってもかっこよかったよ!」
未だ驚きを隠せないリンもエリウッドに飛び付く。
べた褒めをする彼女に、ヘクトルは少し面白くないような顔をした。
ヘクトル「お、オレだっておじけついたワケじゃ……まぁ今回はお前の勝ちだよ、エリウッド」
エリウッド「…本当?」
エフラム「ああ、今度オレと手合わせしてくれよ!」
ヘクトル「何言ってんだ、オレが先だぜ!」
リン「わたしよっ!エリウッドはわたしとおなじ、けんつかいだもん!」
ヘクトル「ははっ、またエリンシアのあねきにおこられっぞ!オレ知らね!」
リン「!……おねえちゃんにはないしょってやくそくしたじゃない!ヘクトルのウソつきっ!」

エリウッド、ヘクトル、エフラム、リンの兄姉達に内緒の秘境巡りが始まったのはそれからだ。
時には魔殿でケルベロス相手に危ない目に遭いしかられたりもしたが、どんな時でも4人一緒、最初は剣を持つ事もままならなかったエリウッドも日に日に強く成長していった。

リン「……でもまさか…エリウッドと、もう手合わせが出来なくなるかもしれないなんて…」
ヘクトル「縁起でもねぇ事言うなよ。今までも度々入院してたアイツだけどよ、アイツが俺らの前で弱気な事抜かした事なんてあったか?……アイツは必ず帰ってくるさ、きっとな」
リン「……」
ヘクトル「なんだ?お前、泣いてんのか?」
リン「な、泣いてなんかないわ!ちょっと、目がかゆかっただけ!」
ヘクトル「お、おい!何処行くんだよ!」
リン「……ちょっと一人にさせてちょうだい!」
目頭がじんわり熱くなるのを感じて、リンは一人遥かサカの大草原が見渡せる丘へと駆け出した。
ここは、エリウッドとよく手合わせをする場所でもある。

リン「……エリウッド…いつか、一緒に草原を見に行こうって約束したじゃない…。それにまだ、さよならも言えないまま…。父なる天よ…母なる大地よ…どうか兄を、エリウッドをお守り下さい」
小さく呟いたリンの声は、草原へと吹き渡る風に紛れ込むかのように静かに消えてゆく……


第三話に続きます。

190 :助けて!名無しさん!:2014/08/26(火) 00:13:37.77 ID:7PZ8g8EW.net
>>179
おお、絵柄がとてもかわいらしいです!GJ!!
兄弟家16人全員総出演とは…愛に溢れてますなw
あと最後のシグルド兄さん?のジョジョネタに吹いたww

191 :助けて!名無しさん!:2014/08/31(日) 15:40:52.00 ID:oDuDnU/r.net
サラ「もう夏休みも終わりね…」
エフラム「そうだな」
サラ「今年も色々遊んだけど、来年もまた海行きたいな」
エフラム「そうだな」
サラ「ちょっと、さっきから何なのそのやる気のない返事は」
エフラム「今は重要な作業の最中なんだよ」
サラ「何よ、重要な作業って」
エフラム「…夏休みの宿題だよ」
サラ「何だ、まだ終わらせてなかったの?」
エフラム「頼みのエイリークはラーチェル達と夏休み最後の旅行とかで今日の夜まで帰ってこないしな…まあほとんど片付けたから夕方くらいには終わる見込みだが」
サラ「さっさと片付けちゃえばよかったのに、私はミルラと協力して最初の五日で終わらせたわ」
エフラム「もっともだが今言っても仕方ない…そういうことだから今は集中しなきゃ駄目なんだよ、膝から降りろ」
サラ「………」
エフラム「いや、降りろよ」
サラ「この方が元気出るんじゃないかと」
エフラム「そういう気遣いは今はいいから降りてくれ」
サラ「しょうがないなあ…あ、そうだ。夜までに終わるなら、オルリベス大橋で花火やるみたいだから見に行かない?夏休み最後のイベントってことで」
エフラム「ああ、いいぞ。そうか、そろそろ夏が終わるんだよな…」
サラ「兄様は来年の夏は幼女絡みの冤罪がなくなるといいね(棒)」
エフラム「いいから黙れ」

192 :助けて!名無しさん!:2014/08/31(日) 16:22:33.54 ID:fmx0NyWtI
リーフ「今から宿題やるよ」

193 :助けて!名無しさん!:2014/08/31(日) 17:21:29.23 ID:3wzOjl/S.net
オルリベス大橋…二人で落とし穴避けに挑戦するカップル向けアトラクションかな?

194 :助けて!名無しさん!:2014/09/02(火) 18:54:53.00 ID:E5W1R1PP.net
サラ「…で、二人して穴に落ちたわけだけれど」
エフラム「…すまん…しかし…救出(抱っこ)状態だった場合二人纏めて同じ穴に落ちる仕様だったか?蒼炎プレイしてから大分たったからうろ覚えだ」
サラ「…ぴと」
エフラム「何故くっつく?」
サラ「狭い場所だから仕方ないよね。ああ、だからカップル向けアトラクション…」
エフラム「…む…そういえば…周りの穴からもどっかで聞いたような声がするが…」

ユミナ「もーっ馬鹿っ!何やってるのよっ!……せっかくデートなのにかっこ悪いったら…」
オグマ「……姫よ…ゆるせ…」
ユミナ「死に台詞で誤魔化さない!姫って私よね?シーダ姫だったら、けだも……マルスに折檻してもらうんだから!」

サザ「なあ……」
漆黒の騎士「なんだ?」
サザ「なんで俺ら同じ穴に落ちてるんよ……」
漆黒の騎士「揃って乙女の元に向かおうとすれば…そうなる…」
サザ「周りはカップルなんよ…なんでムサいゴツい黒鎧とこんなくっついてなきゃいけないんよ…」
漆黒の騎士「身の程を弁えよ……私だっていやだ…」

クロム「……きょ、今日こそ…今日こそ…!」
ルフレ♀(どどどどど、どうしよう…大輪の花火の下で指輪なんかもらっちゃったりしたら…穴の中っていうのがちょっと微妙ですけど…)
クロム「ルフレッ俺の半身!」
ルフレ♀「は…はいっ!?」
クロム「これを受け取ってくれ!」

アイテム欄
ファルシオン
結婚指輪
童貞とおねいさんのエロ本

→ 渡す

つ 童貞青年とおねいさんのエロ本

クロム「しまっ……緊張してコントローラーの操作ミスった…」
ルフレ♀「……へーほーふーん…俺の童貞を貰ってくれとそう言いたいんですね?…クロムさんのバカックロムッツリ!エロム!合わせてエロムッツリ!」
クロム(今回も失敗…か…次の周回プレイではルフレ♂選択して名前をエロムッツリに変えよう…orz)

エフラム「…賑やかだな…義姉ができるのはもうしばらく先になるか…」
サラ「騒がしいわ…もっと穴の間隔開けてくれればムード作れたのに…」

エイリーク「きゃぁっ!?…やっちゃいましたね。怪我はありませんかラーチェル?」
ラーチェル「ああ愛しい親友と仲良く花火見物にきたらたまたま偶然穴にかかってしまいました仕方ございませんからここで1ターン親睦を深めあいましょう!」
セリス「狭いよー…大丈夫だったユリウス?」
ユリウス「お…おう……あ、あのな…顔近い!?近いから!?もっと離れい!?」
セリス「仕方ないじゃない。狭いんだもの」
ユリウス(落ち着け俺、こいつは天然なだけ誘惑違う、こいつは男…こいつは男)

エフラム「ぬうっ!?待てい貴様ら!俺の妹たちには彼氏や彼女などまだ早いのだ!俺は許さんぞ!」
サラ「急に飛び出さないでよ兄様……やっぱり最大のライバルは妹なのかしらね…」

195 :助けて!名無しさん!:2014/09/02(火) 21:35:30.20 ID:I52fPq8V.net
カップル向けアトラクションにふさわしい二人ばかりで何の問題もないな、うん

196 :助けて!名無しさん!:2014/09/02(火) 23:59:53.18 ID:inY3nJi+.net
サラ「狭い場所に強制的に二人になるアトラクション…考えた人はなかなかやるわね」
エフラム「…何を一人で納得しているんだ」

やっぱり管理運営してるのはプラハなのか

197 :助けて!名無しさん!:2014/09/04(木) 02:20:44.79 ID:X9Pr/2af.net
しっこくハウス、オルリベス大橋、マレハウト山岳とかデイン絡みには楽しいアトラクションがいっぱいだぜ

198 :助けて!名無しさん!:2014/09/04(木) 02:29:47.66 ID:0CZM854H.net
管理者はデインだが地図上、領地の上では全部クリミア領内に存在するものだな
実はオーナーはエリ姉さんでスポーツ的なアトラクションをマッチョが潜り抜けるのが見たいのでは

199 :さよなら夏の日。:2014/09/04(木) 22:12:31.35 ID:ZH4Qy/Em.net
「あー、宿題が終わんねーよー」

夏休み最後の夜、いつもの年と変わらず兄弟家居間では夜遅くにも関わらず煌々と照明が灯っていて。
私と、エフラム兄さんと、それからヘクトルは顔を合わせてまだ終わらない夏休みの課題のドリルを仕上げてた。
「ふぁーあ。ねみぃよ…」
こっちは黙々と一生懸命やってるのに、ヘクトルときたら目の前で大あくびなんてかくんだもの。思わずイラッときてつい怒鳴っちゃった。

「もうっ!さっきから眠いだの疲れただの聞き飽きたわよっ!」
「…やる気を削ぐなよピザ」

口を揃えるようにエフラム兄さんも続く。
本当は自分の部屋もあるのだし、毎年のように各々が自分の部屋で宿題を済ませればいいのだけど何故だか今年は私達年中組は揃って夕食後に居間で宿題やってた。
それどころかいつもは休みが終わる2週間前ぐらいには宿題を終えてるはずのエリウッドとエイリーク姉さんまで一緒になって宿題やって。

……中庭から花火を見たり、他愛もない話して笑い合ったこの数週間が本当に楽しかった。

……でも、同時に今さみしくも感じるのはどうしてかしら。


「…終わった」
静かに呟いて、私は筆記用具をカバンにしまう。
しばらく間を置いて、私は兄二人におやすみの挨拶を告げる。
「…夜中なんだから、またくだらない口論して家を破壊したりしないでよね」
「それはそもそもロリコンが…!」
「大抵は先にピザが…!」
二人はほぼ同時に言い掛けてから顔を合わせて、すぐ何事もなかったかのようにお互いに顔を背けた。

「……おやすみなさい」
「おやすみ」

少し伏目がちになりながら、私は再びおやすみの挨拶を交わし部屋に戻った。

部屋に戻ってから、私は人知れず、泣いた。

200 :さよなら夏の日。:2014/09/04(木) 22:14:40.24 ID:ZH4Qy/Em.net
幼い頃からの悪友であり、良き相談相手であり、誰より近しく感じていた兄姉達との最後の夏が、終わるのだから…。




それから数年、私も家を巣立ち、サカの大草原で普通の暮らしを営んでいた。
紋章町の外れにあるはずのこの大草原からも花火は見えるのだと嬉しそうにはしゃぐ息子の手を握り締めながら、私は過ぎ去ったあの日を思い出す。

「おかーさん、みてみて!「はなび」だよ、「はなび」!」
「…待ちなさい、迷子になるからゲルからあまり離れてはダメよ」
「はーい」

懐かしさに耐えきれなくなり、松明で照らす光の中ふと古ぼけた一冊のアルバムを捲っていると、息子も興味深そうに覗き込んできた。

「…なにみてるの?」
「これ?アルバムよ、アルバム。お母さんが家を離れる時にお姉さんがくれたものなの」
「ふぅん…」

そう言いつつアルバムを開く息子はきょとんとしている。

「……おかーさんのきょうだいって、みんなかみのいろがちがうんだね、どーして?」
「…あなたの髪の毛の色がもしお母さんと違っていたら、「あなたはお母さんなんかじゃない」なんていう?」
「……いわない」
「そうでしょう。髪の毛の色が違ってても、例え血の繋がりはなくても、一緒にいる限りは私達は同胞、家族。それはこの草原に生きる者も、紋章町に暮らす者にも変わらない事だわ」
「もんしょうちょう?…ぼくもいってみたい…」
「そうね。あなたも大きくなったし、今度一緒に行ってみましょ。……あなたにもお母さんの家族を紹介してあげたいわ。みんな優しい人ばかりだから」

そう言い、目を細めながら今一度アルバムの懐かしい面々を見つめる母を見て、息子はある確信をするのだった。

「…おかーさんてさ」
「なぁに?」

201 :さよなら夏の日。:2014/09/04(木) 22:27:55.71 ID:ZH4Qy/Em.net
「おにいちゃんたちのこと、だいすきだったでしょ?」
「!…な、なにを…!」
「だってしゃしんのおかーさん、いつもあかいかみのおにいちゃんとあおいかみのおにいちゃんと、あおみどりのおにいちゃんとうれしそうなかおしていっしょにいるもん!」
「ば、ばかね…!お母さんの実のお兄さんなのよ?そんな訳…」
そう言いかけた時、夜空を三色の花火が彩り、大きな音が響いた。
ふっと気持ちが抜けるような気がして、私は大きく深呼吸する。
「……そうね。大好きだったわ。いつも喧嘩ばかりしたり、過保護で口うるさかったり、病気がちで心配させられたりしたけど、優しい兄さん達だったもの」
「そっかぁ…おかーさんのおにいちゃんたち、ぼくともなかよくしてくれるかなぁ?」
「どうかしら…。ゲルに落書きしたりするような悪い子は流石のお兄ちゃん達嫌がるかもよ?」
「それはおかーさんだって!…ほら、このしゃしんのラクガキ、おかーさんのでしょ!」
「え!どうして分かったの!?」
「ここにちっちゃく「いちねんよんくみ・りんでいす」ってかいてあるもん!えへへ、おとーさんにもおしえちゃおっと」
「ちょ、ちょっと…待ちなさい!」


夏の終わりが近付く度、思い出すのはあの夏の思い出。

202 :助けて!名無しさん!:2014/09/04(木) 23:01:06.96 ID:ZH4Qy/Em.net
>>197
ミカヤ「ねえ、先月デイン区に新しい遊園地が開園したらしいんだけど」
セリカ「遊園地?いいじゃない、とても楽しそう。どれどれ、パンフ見せて姉さん」


ミカヤ「カップル向け、ねぇ。…私は出来れば静かに楽しめるアトラクションがいいかしらね。あんまり揺れたり水被ったり騒がしいのは遠慮したいわ」
セリカ「それなら私は勿論アルムとかしら。吊り橋効果、なんていうしますますアルムとの仲が深まっちゃったりして…きゃっ」
リン「吊り橋効果に関しては日常茶飯事でしょ、あなたたちは…(でも、うっかり穴に落ちそうになった所を颯爽と現れたイケメンに抱えられて…ってのは確かに憧れちゃうかも…)」
エイリーク「少し危険そうですけれどお友達と遊びに行くにもとても楽しめる場所だと思うのですけれど」
リン「……姉さん、例の人にはくれぐれも注意してね。姉さんみたいなか弱い女の子が穴にハマったなんて聞いたらあの人…」
エイリーク「あの方?ヘザーさんですか?それが何か…」
リン「うん、まぁ…知らないなら別にいいんだけど(なんだかんだ言って姉さんも女友達とはちょっと…な関係よね)」
エリンシア「あら、皆で集まってなんのお話をしてらっしゃるかと思いきやデイン☆アトラクションズの話ですの。
あのアトラクションはとても素敵ですわよ、体脂肪一桁台のGATIMUTI達が迸る汗を散らしながら一目散に対岸に向かって走って…更には普段は冷静に構える穴に落ちた際の慌てふためくGATIMUTI達のギャップときたら……」

4人「…失礼するわ(致します)」
エリンシア「お待ちになって!折角久方ぶりの女子会なんですもの!夜が更けるまで語り明かしませんこと!?」

203 :助けて!名無しさん!:2014/09/10(水) 16:41:07.10 ID:vQggMtdH.net
紋章町四大女子会

肉食組 

エリンシア、リリーナ、デジェルのトリオで構成される変態淑女たち。
彼女たちが街を歩けばGATIMUTIたちはセクハラを恐れて逃げ惑い女装して難を逃れたと記録されている。

幼女組

ロリクート軍団やサラ、マリア、ユミナ、ニノ等。
紳士を無邪気に惑わす小悪魔たち。ベルン署のお世話になった者は数知れず。

百合組

ラーチェル、マリアベル、ヘザーさん、リンで構成される百合乙女の会。
むっさいむっさい男を排したきゃっきゃうふふの清浄な世界。
約一名メンバーではないと言い張っているが傍からはそうは見えないらしい。

AKJ

紋章町最凶の女子会。
怨念じみた執念で紋章町の兄たちを恐怖に叩きこんだ。
四天王が中心だが潜在的に共感する準ブラコンは意外と多い。

204 :助けて!名無しさん!:2014/09/10(水) 17:22:30.14 ID:cN+pk9w7.net
>>203
> GATIMUTIたちはセクハラを恐れて逃げ惑い女装して難を逃れたと記録
それ変装としては機能していないような……。
あと周りも本人も地獄絵図すぎる。

205 :助けて!名無しさん!:2014/09/12(金) 02:25:50.60 ID:dDR/M5YC.net
サラ「私たちが誰かを惑わすとか心外だわ。ねえ?」
ミルラ「よ、よくわからないです…」
チキ「クッキーおいしー」
ファ「おいしー」
ンン「本当にエリンシアさんの作るお菓子は絶品なのでふ」
ノノ「あーこぼれてるよー」
マーク♀「おやおやンンさんハムスターみたいになってますよ」




エフラム(だからなぜ俺の部屋に集まるんだ…)

206 :助けて!名無しさん!:2014/09/13(土) 16:30:43.91 ID:XMavvHiP.net
スマブラのルフレの色違い

男ルフレ
黒髪→ゼルギウス
青髪→アスベル
緑髪→セティ

女ルフレ
ピンク髪→セーラ
金髪→エメリナ
赤髪→セレナ

に見える

207 :助けて!名無しさん!:2014/09/13(土) 19:59:14.28 ID:eGut92Mh.net
隣室

ラーチェル「となりは騒がしいですわねぇ。優雅にゆったりなさればいいのに」
エイリーク「え…ええ、そうですね……」
ターナ(そわそわしてるわねエイリーク…エフラムが過ちを犯さないか気が気でないんでしょうけど一番仲良しの妹にもこういう方面じゃ信用皆無なのね。
     よし、私がお目付け役に隣行こう。女の子の面倒はお姉さんの役目。あの娘たちから「お姉ちゃん!」って慕われたら私は…)
ラーチェル「…無言で鼻血を出すのはおよしくださいましターナ…」

208 :助けて!名無しさん!:2014/09/15(月) 00:02:26.12 ID:JLgWk+UX.net
サラ「ところで、最近涼しくなってきたから布団を替えた方がいいんじゃない?」
エフラム「そうだな」
サラ「じゃないと、今日私が一緒に寝るとき困るし」
エフラム「…まあ、事前に了解を取るようになっただけいいか」



ターナ(お、お泊まりで一緒に寝る…。こ、これはエフラムが間違いを犯さないようにやはり私が隣に…)
エイリーク「タ、ターナ…」
ラーチェル「壁に耳を当てながら鼻血を出すのは淑女としてどうかと…」

209 :助けて!名無しさん!:2014/09/15(月) 02:00:44.99 ID:Gu83aybj.net
だが待ってほしい
ターナがエフラムルームにいけばこの場はエイリークとラーチェル様のみ
お部屋で二人きり
こんどはラーチェル様が鼻血を噴くことになるのではないだろうか

210 :目立ちたがりクロム兄さん。:2014/09/15(月) 23:56:14.39 ID:+R3EBvwc.net
〜最後の切り札使用時〜
ルフレ♀「クロムさん!」
クロム「俺に合わせろ!」


〜勝利時〜
クロム「お前は俺が守る!」




リーフ「……」
ロイ「……」
クロム「な、なんだお前ら!白い目向いて人を呼び出しやがって!」
リーフ「…気持ちは分からなくはないけどさ、リザルド画面までルフレ♀さんと一緒ってのは兄さん、どういう……」
ロイ「リーフ兄さん、鼻血吹いてるよ…」
クロム「またお前らはそういうやましい考えを!そもそも俺はルフレの半身であるからにしてだな…!」
エリンシア「(ムキムキアイク…ハァハァ)」
ユンヌ「…残念だったわね、アイクと一緒に並ぶ権利はこのユンヌちゃんのものよ!オバンシアは自重し…」
マルス「……はいはい、気は済んだかい?」つ メダリオン
シグルド「はいはいKINSHIN KINSHIN」


マルス「全くエリンシア姉さんも混沌の女神もどうかしてるよ。俺の半身呼ばわりするのはクロム兄さんだけで充分だってのに……」
ロイ「……そういう兄さんはさっきからリン姉さんのフィギュア眺めて何してるの…?」
マルス「!!……い、いやぁ!相変わらず太ましい脚と年齢詐称に定評のあるお顔だと…」
ロイ「無茶しやがって…(なんだかんだいってリン姉さんと共演したいだねマルス兄さん…)」

211 :助けて!名無しさん!:2014/09/18(木) 00:51:15.72 ID:/sHGbCaZ.net
そういやロイ、スマブラ参戦おめでとう!!


少し見ない間に何だか亀っぽい容姿になったなー

212 :助けて!名無しさん!:2014/09/18(木) 12:12:32.86 ID:21eqFDzW.net
実際出るならコンパチ+新作のルキナか、明確に差別化が容易なエフヘクミカヤだろうな。妥当な所

213 :助けて!名無しさん!:2014/09/18(木) 20:27:58.38 ID:51G6oXnB.net
>>211
リリーナ「やめたげてよお!ロイのライフはもう0よ!」

…でも封印も10年経ったしリメイクされれば参戦のチャンスあるぜ!烈火とセットだとヘクトルあたりに掻っ攫われそうだけどな!

ロイ「ギギギギギ………!」

214 :TMR(of ephraim) 異伝2:2014/09/20(土) 19:51:19.73 ID:eKXWaoy7.net
 TMR(of ephraim) 異伝2【Tearaway Mask of Raim】
 ※注意※
現在第9回までしか投稿していませんが…この話は第24回間での出来事です。
(一応25回まで話の漠然な構成を練っています)
以前投稿させて頂いた『時空戦士マルス00』の設定に繋がりあり、
またストーリーはガンダム00ドラマCD 『coopration2312』のパロディです。

 ………
エフラムは大賢者との闘いにおいて自らのエーギルを解放させるが、
その代償として昏睡状態に陥り存在が無くなる危機に陥ってしまった。
異界のエフラムを探しに行く為にいくつかの小隊に分けられ、
その一つにセレナ、デジェル、ノアール、ルキナが組むことになった。
ルキナ   「セレナ…あなたはエフラムさんが戦っていた現場に居合わせたのでしょう?なら助けなかったのですか?」
セレナ   「それに目に見えない障壁で攻撃が全く効かなかったのよ」
ノアール  「障壁?聖盾みたいなもの?」
ルキナ   「ギムレーの邪竜の鱗のような加護では?」
セレナ   「そう言われれば…ならあの大賢者は邪竜の力を得ているの?」
デジェル  「可能性があるわね。後で調べてみる必要が…」
セレナ   「エーギルを槍の矛先に集中させ無理矢理ねじ込んで突破できるほどだから
       私達だけでじゃ太刀打ちできないわ」
デジェル  「しかし、何もしなければ私達が過去に来た意味がない」
ノアール  「でも、今はエフラムさんの復活することが優先だから…」
ルキナ   「ノアールの言う通りです。その件は対策を練る必要があります。
       リオンさんが発案された“エーギルの共鳴”…私達がいた時代では未知な現象」
セレナ   「これが成功し、実用化出来れば勝機が生まれるかもしれない」
デジェル  「わかったわ、そのためにも一刻も早く異界のエフラムを行きましょう」
ルキナ   「ええ…」
この四人は竜殿にある異界へと繋がる門をくぐり、別世界へ旅立つ。着いた先は現在の紋章町に近い所謂並行世界であった。
幸いのこの世界のクロムも警察官であり、未来から来た娘だと言い張って無理矢理にも署員に登用させてもらい、
彼女達はイーリス署の警察官として潜伏する。
職務の権限を活かしこの世界のエフラムの行方を追うが、数日経っても何の有力な情報が得られていなかった。
焦り見える中ある一つの事件が起きた…

 ※イーリス署※
セレナ   「早く探さないと…エフラムの存在が」
ルキナ   「焦っても何も変わりません。私達は出来ることをやるしかできない…」
話を遮るように電話が鳴り、ルキナが受話器を取る。
ルキナ   「…はいこちらはイーリス署捜査一係です…なんですか、トラキアエリアで殺し?そうですか…わかりました…」
デジェル  「殺しなの、ルキナ?(こんな時に事件だなんて)」
ルキナ   「トラキア地区のレンスターだそうです。至急現場に向かって下さい(仕方ありません)」
デジェル  「わかったわ(署の管轄外じゃないの?さっさと終わらせましょう)」
ルキナ   「それとセレナ」
セレナ   「はいはい、私もデジェルと一緒に向かったらいいのね」
ルキナ   「そうです…ではお願いします」
署の部屋から出て行く二人を背にもう一人が声をかける。
ノアール  「ルキナ…私はどうしたらいいの…?」
ルキナ   「そうですね、泥酔した胸の小さな女性が路上で暴れたらしく、ついさっき署のブタ箱…牢屋に入られたそうです。
       根気よく彼女のグチを聞いて欲くれませんか?」
ノアール  「私だけそんな仕事だなんて…」
ルキナ   「これから重要な手掛かりが得られるかもしれません。とにかく頼みましたよ、ノアール」

 ※トラキア地区※
デジェルとセレナが現場に着くなり、現地の警察官と接触し共同で職務に取り掛かる。
デジェル  「イーリス署捜査一係よ」
フィン   「これはこれは、遥々遠方から御苦労さまです。私はレンスター派出署のフィン巡査です」
デジェル  「それで…被害者は?」
フィン   「こちらにご臨終なさっています…」
被害者を覆っているブルーシートをめくり状態を確かめる。
デジェル  「被害者の身元とかわかりますか?(まさか…この人間は!)」
フィン   「監識の結果ですが、名前はルー・ファリス、推定十五歳。職業はトラキア地区を中心に活動する義賊だそうです」

215 :TMR(of ephraim) 異伝2:2014/09/20(土) 19:52:00.41 ID:eKXWaoy7.net
デジェル  「どうやら一言も喋らずに死んでしまっている。この話には出るつもりがないみたいね(本当に死んだのかしら?)」
セレナ   「まあこいつはお姉さん好きだからね…私達がメインの回なんて興味の対象外じゃない?」
デジェル  「そうね、この男は無類の年上フェチ…私はこの男の所為で変質者扱いに!!」
セレナ   「あー確か第13回のことね、あれは傑作だったわ…」
デジェル  「何か言ったかしら?」
セレナ   「何でもないわよ」
デジェル  「それでフィン巡査殿、死因はなんなのでしょう?」
フィン   「ストーンで石化された後ハンマーで粉々にされたと考えられます。
       今現状の保っているのは身元確認のためリペアの杖でくっつけました」
デジェル  「なるほどね…聞き込みを始めましょう」
セレナ   「そうね…」

 ※イーリス署※
デジェル  「今戻ったわ、ルキナ」
ルキナ   「ご苦労様です。それでルー・ファリス殺人事件の犯人の手掛かりは掴めましたか?」
デジェル  「鑑識により、凶器がストーンであることと特定できたのでその入手ルートを探したんだけど、
       ここ近年ストーンは市場に出回っていないわ」
セレナ   「火山バグで手に入れるしかなし…」
デジェル  「ちょっと黙ってて、セレナ…」
セレナ   「はいはい」
フィン   「それで凶器は別の地区から密輸されたか、アスタルテの逆鱗に触れた可能性があります」
ルキナ   「わかりました。巡査の言う通り、この二つの線から凶器の行方を追ってください」
セレナ   「ちょっと、二つの線っていっても片方は犯人既にわかってるじゃない」
ルキナ   「それでもお願いします…」
デジェル  「わかったわ…」

捜査の方針が決まる頃にノアールが帰って来る
ノアール  「只今戻りました…」
ルキナ   「どうしました、ノアール。疲れきった顔をしていますよ…」
ノアール  「泥酔していた女性の愚痴を聞かされていたのよ…
       “なんで私の胸は大きくないのよー”とか “あなた胸が大きすぎるのよ”とか
       “どうして私じゃダメなの”とか“クロム様が……” とか
       容量の得ない話ばかり…ちゃんとしていれば美人で才媛な女性で通るのに…」
デジェル  「大変だったわね…(それってセレナの母さんじゃないの?)」
ルキナ   「ご愁傷様ね…(ティアモさんですか…この世界でもお父様に…)」
セレナ   (なんか母さんに似ているわ…いや母さんかも…このことは黙っておこう…)

ルキナ   「それでは今日の捜査はここまでにしましょう。この後みんなで夕食に…」
デジェル  「わかったわ」,セレナ「そうしましょ」,ノアール「私は疲れたからやめとく…」
セレナ   「協調性無いわね…アンタ…」
ノアール  「なんだとっ!私は貴様の母に永遠に愚痴を聞かされて参っているのだぞ、この遺伝貧乳が!」
セレナ   「あんた私が気にしていることを!(やっぱ捕まったのって母さんだったの!)」
デジェル  (セレナの母さんか…),ルキナ(残念キャラになっていますね…)
リオン   「まあまあ…そんなにカリカリしていると解決できる事件も解決できなくなるよ。
       こういう仕事は連携が大切なんだから」
ノアール  「誰だ、貴様も…私の邪魔をするのか!」
ルキナ   「誰ですかあなたは…?」
リオン   「僕かい?鑑識のリオンだよ。君達の応援に回されて来たんだ、よろしくね」

 ※居酒屋※
ルキナ   「事件解決、及び異界のエフラムの確保に向けて全員一丸となって職務に励みましょう!それでは乾杯!」
四人    「乾杯!」
リオンの登場により、一発触発を回避しルキナの提案通り全員で夕食をとっていた。
ノアール  「ごめんね…セレナ、いきなりキレちゃって…(この多重人格があると酷い目に合いそうで嫌だわ…)」
セレナ   「大丈夫よ、もう慣れたし…(これが素じゃなかったら絶対に許さないんだから!)」
ルキナ   「みなさん…お疲れ様です。異界に来てからしばらく経ちますがエフラムさんの情報が得られていません」
デジェル  「私達は異界のエフラムを連れて帰らなくてはいけないのに…」
ノアール  「別やっている暇なんてないわ…」
セレナ   「ねえ、何故よ!なんでまた、ガンダム00のドラマCDの話なの…!また嫌な記憶が蘇るわ…(貞操危機が…)」

216 :TMR(of ephraim) 異伝2:2014/09/20(土) 19:52:47.22 ID:eKXWaoy7.net
ノアール  「セレナ、それ以上言わない方が…現実になるから…(私、また殴られるのかしら)」
ルキナ   「しかし…このなんとしても世界のエフラムさん見つけ出さなくては元の世界に帰れません。
      (見つけてもどうやって説得しましょうか、以前のような人であれば私達の手におえませんね…)」
デジェル  「とにかく、この事件を早期に解決させて、それから捜索を。
      (あのケダモノ王子エフラムの再来かしら…)」
リオン   「その辺に付いて僕から一つ提案があるよ」
ルキナ   「リオンさん!」, ノアール,「どうしてここに」,デジェル「なんでいるの?」
リオン   「まるで居てはいけない口ぶりだね…そんなに秘密事項を話していたのかい?」
ルキナ   「それは、ありませんが(そう言えばこの人も前にいたような気がします)」
ノアール  「提案はなんなの…?(この人ってエフラムさんと関わりがあったような…)」
リオン   「事件の早期解決を図るため、特別捜査官に協力を仰ぐというのはどうかな?」
セレナ   「特別捜査官…?(あるわよ、ノワール…親友役よ)」
デジェル  「それはいいわね…その捜査官様に解決してもらいましょ!それから異界のエフラム殿を探せばいいわ。
      (ということは特別捜査官というのが彼であると…)
ノアール  「確かに…こういうことは専門家に任せた方がいいと思う…(まあこの流れでしたら予測がつきます)」
ルキナ   「それで…その特別捜査官と言うのはいったい誰なのでしょう?(それなら探す手間が省けて助かりますが…)」
リオン   「会ってからのお楽しみということにしておいてくれないかな。
       仕事の話はここまでにして、料理を楽しむことにしよう…」
セレナ   「そうね…って、勝手に入って来るな!(ということは変態が、私は絶対絶対絶〜対、嫌だからね!)」

 ※イーリス署※
次の日、リオンは例の特別捜査官とコンタクトを取り、その約束の時間が近づいて来る。
デジェル  「ルキナ…噂の特別捜査官が来る時間だわ (来るのかエフラム殿?)」
ルキナ   「話によると相当な知将と言われているらしいです(この原作設定を用いるということは)」
ノアール  「いったいどんな人なの…(十中八九エフラムさんに間違いないわ…)」
セレナ   「楽しみだわて…ははは…(来る…きっと来る!もう私は諦めてるわ…)」

その時、激しくドアが開く音がし、怒号めいた声が聞こえてくる!
???   「ようし、全員手を挙げろ!地面に膝をついて、両手を頭の後ろに置け…?いいから早くしろ!時間が無いんだ!」
いきなりやって来た人物に通信が入る。
???   『……俺だ!イーリス城(署)を陥落させた。今らから余った戦力をそちらに送る…!
       数百人……?何を言っている4人でやるんだっ!………ああ、すまない。約束する、後で掛け直す』
ノアール  「な、なんなのよ、いきなり…」
デジェル  「新手のテロリスト!?(さすが四人で城を落とす男ね!)」
セレナ   「あ…あんたは、まさか!(私死亡フラグゲットね…)」
???   「強いて言うなら…ルネス王国第一王子だ」
セレナ   「エフラムでしょ!(本当は傭兵志願の特攻隊長でしょう!)」
???   「違うな!今の俺はミスター・ブシドーもといブシ仮面もとい、ラム仮面だ!」
デジェル  「王子じゃないの!(仮面…てダサいわね)」
ラム仮面  「細かな詮索はするな!」
ルキナ   「勝手な事を言わないでください!」
ラム仮面  「何度言えばわかるんだ…俺はケダモノ王子ではない!」
デジェル  「誰もそんなこといってないわ!(このパターンやはり)」
リオン   「よく来てくれたね…エフ…ブシ仮面いやラム仮面」
ラム仮面  「ふっ…盟友の頼みを断るほど無粋ではないつもりだ」
リオン   「こいつ…!」
ラム仮面  「く…ははははは…」
ルキナ   「勝手に和まないでください!」
自分のペースで話をすすめるエフラムもといラム仮面はセレナに焦点を当てる。
だがそれは彼女にとって悪夢再来でしかなかった
ラム仮面  「おおっ!そこに所在なさげに立っている君は…あの時の少女ではないか!」
セレナ   「え…え、まあぁ…(げっ…やっぱり変態エフラム)」

 ≪注意≫
ここから先は下ネタ満載です、エフラム好きな方はスルー推奨します。

217 :TMR(of ephraim) 異伝2:2014/09/20(土) 19:53:23.50 ID:eKXWaoy7.net
ラム仮面  「ネクタイにミニスカート、私と同じ髪の色であればもはや少女ではなく…初○ミクではないか!!」
セレナ   「初○ミクって何よ (変態オタク属性まで追加されてるじゃない…最悪じゃない!)」
ラム仮面  「あれから五年…見違えるほど成長したな…胸以外というのが私の興味をそそらせる!」
セレナ   「黙れ変態! (五年とかぜんぜん意味が分からないし…)」
ラム仮面  「勿論、俺から君への愛もこの五年で大きく成長している…その証拠を今ここで見せてやろう。
       はっ、ふふふ…しょ、しょしょしょ…少女!初○ミクのような少女!」
鼻息を吹かせ息を荒げ、セレナに抱きつき組んず解れずの状態となる。
セレナ   「なっ…あ…あ…あ…ちょ、ちょっと何をするのよ!(初○ミクって誰なのよ!)」
ラム仮面  「無論、“ナニ”をするに決まっている!」
セレナ   「私に…触れる…な!(この変態マジで洒落にならないって!)」
ラム仮面  「何を今更!君だってこういう作品数多く出ているだろう…ライトノベルとか、深夜のアニメとかにな!」
セレナ   「私は出ていない!ロリコンシスコンケダモノのあんたと一緒にしないで!」
ラム仮面  「なんとっ!ならば…堕ちるとこまで堕ちようではないか!」
セレナ   「勝手なことを言うわないで!(私はノーマルよ、普通よ!)」
デジェル  「でも支援会話で父さんとデートって言ってるし…ノーマルではないわね」
ラム仮面  「いいではないか、いいでわないか…」
セレナ   「良くない!それとデジェル余計な事を言わないで!(てかっいいから助けなさいよ!)」
ラム仮面  「情けだ…これは兄の情けだ…」
セレナ   「それはただのKINSINよ!」
ラム仮面  「フ…怖いのは最初だけだから心配は無用だ。俺に委ねればいい!」
セレナ   「ホントに来るな〜!(マジ規制かかるっての)」
ラム仮面  「…すぐに一つになるから」
セレナ   「重…重たい(もうその言葉はNGよ!)」
ラム仮面  「みんなに見られながらというのも…」
セレナ   「あっ…あっ…あっ…止めなさい!止めてって言ってるでしょ!(なんで誰も助けてくれないのよ!)」
ラム仮面  「相も変わらずツンデレだな。そのツンとした強情、身持ちの固さまさに鍛冶場の未通女のごとく清廉潔癖!
       だが俺の槍で貫き貫き甲斐があると言うモノ…」
セレナ   「ばっかじゃないの!(だめ…私の貞操が…こんな奴に…)」
ラム仮面  「そうでもないさ、生憎俺の槍はドーマとミラの加護を受けていてね…」
セレナ   「あんたホントに人間?(そんなとこに加護つけて頭おかしいわ)」
ラム仮面  「目覚めたのだよ、ユニティに!そしてその中にKAGAというモノもある。
       そう、それは極みに達した者のみだけ許される行為なのだよ!
       さあ君の体でその威力を体感してもらおう!俺のマスラオ(エフラムの勇槍)の奥義を!」
セレナ   「やぁ、やぁ、やめてえええええぇえぇぇえぇぇぇえぇぇぇぇぇえぇえええぇえ!!!!
       (もうダメこれ以上は…母さんセレナは不甲斐ない娘でした…) 」

〜セレナが襲われていた時のこと、他の面子というと〜
ノアール  「見ていてドキドキするわ…助けないと…」
デジェル  「前のように一方的に殴られるだけだからやめておきなさい」
ノアール  「でもセレナが…」
デジェル  「彼女は尊い犠牲よ、でないと私達もやられる」

ルキナ   「神竜ナーガよ…我、資格を示す者。その火に焼かれ、汝の子となるを望む者なり。
       我が声に耳を傾け、我が祈りに答えたまえ…!」
ノアール  「ちょっとルキナ、何覚醒の儀を始めているのよ!」
デジェル  「その前に何処にナーガ様がいるのよ…残留思念が濃い場所でしかできないでしょ!」
ナーガ   『【覚醒の儀】を行いし者よ…我が炎に洗われた心に残った願いは、ギムレーを倒す力を欲す――
       我が炎にも焼き尽くさぬ強きその想い、確かに私に届きました。あなたの剣に、その力を宿しましょう…』
ノアール  「届いている!!」
ルキナ   「ありがとうございます。私はもう負けません。ここで決着をつけます。
       この世界に、希望を取り戻して見せる!お父様、みんな、見ていてください…!!」
デジェル  「倒したらだわ…せめて捕獲か生け捕りでしょう!」

218 :TMR(of ephraim) 異伝2:2014/09/20(土) 19:53:49.49 ID:eKXWaoy7.net
ルキナ   「運命を変えます!!」
ノアール  「全く聞いてないわ…」

セレナ   「や、や、やめてえええええぇえぇぇえぇぇぇえ!!!!」
ルキナ   「運命を変えます!!」
セレナの悲鳴、ルキナの掛け声と共にラム仮面は突如倒れる。どうやら背後から斬り伏せられたようだ。
ルキナ   「いい加減にしてください。これ以上するなら貴方を後ろから斬らなくてはなりません…」
ノアール  「ルキナ…既に斬っているわ。それも邪竜を封印する覚醒の儀を受けた神剣ファルシオンで」
セレナ   「遅いのよ!!もうちょっとで強…汚されてしまう所じゃないの!」
ルキナ   「ごめんなさい、覚醒の儀に時間がかかってしまって」
デジェル  「でもどうするのよ、特別捜査官およびエフラムを斬ってしまって…」
リオン   「し、しっかりするんだ、ラム仮面!傷は深いぞ!あぁぁ…どうしたらいいんだ…」
絶望するリオンだが、ラム仮面は何事もなかったように立ちあがる。
ラム仮面  「さて、今回の葉っぱ殺害事件だが…」
ルキナ   「生きてますね…(ギムレーを越えた存在だというのですか)」
ラム仮面  「殺害事件だが!!」
セレナ   「やはり…人間ではない…(もう分かりきってるけど)」
ラム仮面  「殺害事件だが!!!」
デジェル  「わかったわ…言いなさいよ」
ラム仮面  「俺はこの事件を身内によるものだと考えている」
セレナ   「その根拠は?」
ラム仮面  「あるわけはない!」
デジェル  「とんだ特別捜査官ね…」
リオン   「いや、考えられないことはないさ…被害者であったルー・ファリスは義賊だった。
       つまり、凶器であった“ストーン”を自ら密輸していた可能性がある。彼が密輸組織の一員だったとしたら…」
ノアール  「なるほど…何かのトラブルが起き、仲間割れを起こし…」
セレナ   「そして殺されたというわけね…」
ラム仮面  「フン、何を根拠にそう言い切れるのか?」
デジェル  「あなたが言いだしたことなんでしょ!」
ルキナ   「落ち着いてください、デジェル。ルー・ファリスは義賊だったようですね。
       彼が関わったと記録されている出来事を調べてくれませんか…セレナと一緒にお願いします…」
 ………
セレナ   「ただいま…ルキナ、記録を調べてみたけど、怪しいというか全部怪しんだけど…敵の所持品全部奪っているわ」
ラム仮面  「それ見たことか…とんだ無駄足だな!」
デジェル  「黙ってなさい、あんたは…」
ルキナ   「そ、そんな…これで捜査は振り出しに戻ったということになるのですか…」
ラム仮面  「いいや、そうでもないな」
ノアール  「どういう…意味…?」
ラム仮面  「少女が調べてきた記録の中に、要人を護衛するという出来事が記されていた。
       その要人が密売人で、被害者が何らかの理由でそれを知ったとすれば…」
ルキナ   「口封じに殺された…というわけでしょうか?」
ノアール  「有り得ない線ではないけど…」
ルキナ   「セレナ、その要人の名はわかりますか…?」
セレナ   「えーとっね、記録によると“コーデリア”…女性みたいだわ」
リオン   「僕は知っているよ…世界的に有名な同人作家だったはずだが…」
デジェル  「あたしも名前は聞いたことあるけど…」
ルキナ   「しかし、そんな著名な人物が密輸組織に関係していると思えませんが…」
ラム仮面  「わからんぞ!何しろ大人の女性は魔物だ…生物学上では人科ではなく悪魔に分類されるんだ」
ルキナ   「それでしたら私達も女性であるのですが…」
ラム仮面  「違うな、君たち少女は妖精なのだよ…成長するというのはなんと無慈悲なことだ」
デジェル  「もう、あんたは黙ってなさい…」
ノアール  「コー…デリア…?…ルキナ!」
ルキナ   「どうかしましか、ノアール?」
ノアール  「私が昨日、愚痴を聞いていた女性は“コーデリア”だったの…」
ラム仮面  「よしっ、その女性の尋問はこのラム仮面が引き受けた!」
セレナ   「頼むから、やめて欲しんだけど…(ちょっと母さんまで辱めを受けるなんて!)」
ラム仮面  「遠慮は無用だ…」
デジェル  「そういうことを言ってるんじゃないわ!」
ラム仮面  「みなまで言うな!先刻承知だ!」
リオン   「行ってしまったようだね」

219 :TMR(of ephraim) 異伝2:2014/09/20(土) 19:54:15.14 ID:eKXWaoy7.net
デジェル  「追わなくていいの、ルキナ?」
ルキナ   「例え追いかけたとして、彼を止めることが、覚醒の儀で倒すことができない私達にできるでしょうか…」
セレナ   「できないわ…」
止めるかどうか議論していれば以外にも…
ラム仮面  「尋問終了!」, 四人「はやっ(いよ,すぎます)!」
リオン   「さすがラム仮面…電光石火の早業だね」
ラム仮面  「世辞はいい、リオン」
ルキナ   「それで…コーデリアさんはなんと言っていたのですか?」
ラム仮面  「結論から言えば彼女は…無実。白だ」
デジェル  「根拠はない…とか言わないでしょうね…」
ラム仮面  「………」
ルキナ   「何故黙り込むのですか…?」
ラム仮面  「意中の相手を友人に譲って傷ついた心を酒で紛らしている女性に犯罪ができるはずがない」
デジェル  「意外に真っ当な答えを返してきたわね…」
セレナ   「そのほうが、僻んで事件を起こし兼ねないけど」
ノアール  「つまり、事件の関わりはないと…?」
ラム仮面  「そうとも言えん」
ルキナ   「どういうことですか?説明してください」
ラム仮面  「コーデリアには専属の従者がいたらしいが、この所連絡が途絶えている」
ノアール  「専属の…従者…?」
デジェル  「同人作家ならアシスタントのことでしょ」
ルキナ   「それでその人物の名前は…?」
ラム仮面  「サラ…これが、その人物の写真だ」
ノアール  「彼女が…サラ(なんだか母さんと同じ感じ雰囲気がするわ)」
ルキナ   「とても可愛らしい方ですね」
ラム仮面  「俺もそう思う!!!!!!!!!」
デジェル  「ルキナ、重要参考人として連れてきたほうがいいかしら?」
ラム仮面  「是非そうしてもらおう!!彼女への尋問は私一人で行う。手助け!!!干渉!!!一切無用!!!!!!」
ルキナ   「では、早速彼女を連れて来ましょう!」
セレナ   「ちょっと待ちなさい!(嫌な感じがするのよね…)」
ラム仮面  「どうした、少女?」
セレナ   「ラム仮面…本当にこの少女が事件に関わっているの?」
ラム仮面  「そのような疑念を抱かれるとは、心外だな」
セレナ   「本当はこの少女に会いたいだけじゃないの………答えなさい (やはりこの変態め!この少女にも私と同じ事を!)」
ラム仮面  「断固…辞退する……」
ルキナ   「……か…確保です、ラム仮面を確保してください!」
ラム仮面  「なんとっ。この俺が造反を受けるとは、何たる不覚!」
ラム仮面はドアを蹴り飛ばして脱走する。
デジェル  「逃げたわ…負いましょう!」
ルキナ   「ノアール、変身です!」,ノアール「了解…(ホントは嫌なのに…)」
解説しよう…ノアールはルキナの指示によりもう一つの人格の鬼ノアールを意図的に呼び出すことができる。
鬼ノアールはラム仮面を追跡するが…
鬼ノアール 「この性犯罪者が!待たぬか…!」
ラム仮面  「この、魔王に取り憑かれた感じ…追手が来たか!」
鬼ノアール 「逮捕だ、逮捕!貴様は我に捕まり、ブタ箱に行くがいい!!」
ラム仮面  「巨乳は死ね。ラムパンチ!」,鬼ノアール「ぐはっ」
ラム仮面  「ラムキック!」, 鬼ノアール「ドゥワッ!」
ラム仮面  「ラムチョップ!チョップ!チョッーープ!」, 鬼ノアール「ぐっ……あぁ…」
見事に撃退される鬼ノアール、ラム仮面はそのまま脱走する。遅れてルキナ達がやって来て、ノアールを回収するのだった。
ノアール  「みんな…気をつけて…ラム仮面は相当の手練れだわ……」
デジェル  「弓兵なのに接近戦をしようとするからよ…まったく」
ルキナ   「サラさんが危険です。急いで追いかけましょう!」
セレナ   「ノアールはどうする!?」
ルキナ   「置いときましょう、ラム仮面の追跡が優先です!」
残った三人はラム仮面の捜査に向かう…
ノアール  「みんな…置いて行くなんて、酷い…」
 ※人気のない裏路地※
セレナ   「ラム仮面が逃げ込んだのはこの辺りね…」
デジェル  「彼を早く捕まえないと…こんな所で性犯罪をされてはスレ的に適わん!」
リオン   「それだったら慌てることにないと思うけど…

220 :TMR(of ephraim) 異伝2:2014/09/20(土) 19:56:30.07 ID:eKXWaoy7.net
ルキナ   「あのような変態を呼び寄せておいて、よくそんなことが言えますね。それに何故ここにいるのですか?」
セレナ   「とにかく、手分けしてヤツを探し出しましょう!」
ルキナ   「わかりました」, デジェル「了解!」
 ※さらに人気のない裏路地※
セレナ   「ラム仮面はどこに…?あ…あそこに!やっと見つけたわ…
      (ラム仮面の前にいるのはさっきの写真の少女…サラっていったかしら?
       あの変態!私だけでは物足りず、彼女もヤツの毒牙に…!)」
少し離れた場所から様子を見る。
ラム仮面  「聞かせてもらおうか…君の真意を!」
サラ    「なんのことかしら?」
ラム仮面  「とぼけるというのなら、それでもいいが…ただ俺の勝手な仮説を聞いてもらおう。
       相手を石化させ身動きがとれなくする闇魔法“ストーン”。とあるカルト的な教団から手に入れた人物…
       仮にSとしておこう…。そのSは魔法の威力を確かめようとした。
       標的とされたのは、トラキア地区で活動する山賊団の首領葉っぱ」
サラ    「何を言っているのかしら?私にはさっぱりわからないわね…」
ラム仮面  「まあ聞きたまえ。安全を契すためわざわざ無関係の人間を標的にしたのに、その死体は発見された。
       何故かわかるか…?凶器であるストーンは相手の身動きを封じることはできるが、
       ダメージを与えることができない。他の武器を持っていなかった犯人Sは仕方なく放置した。
       恐らく雨風に晒されれば風化現象が起こり、自然と消えて行く。
       しかし、別の何者かが見つけ出し、壊してしまった…」
サラ    「あなたが警察関係の人間であることはわかったけど…何故そんなことを私に言うのかしら?」
ラム仮面  「敢て言わせてもらおう!君が犯人だ!」
サラ    「何を根拠にしているのかしら…」
ラム仮面  「企業秘密…とでも言っておこう。しかし、朗報もある」
サラ    「朗報?」
ラム仮面  「つまり…俺の一存で君を救うとこができるということだ」
サラ    「見返りは…何かしら?」
ラム仮面  「君自身と言えばわかるだろう…」
サラ    「…そう、なるほど…そういうことね…いいわ、私もそういうことに興味がないわけじゃないし…
       さっ、カモン…カ〜モン…ふっ…カァ〜モン
       ジュ…チェイン〜はあと」
ラム仮面  「………っ…きっ…興が乗らん!!!」
サラ    「自分から話をしかけておいて何を?」

ラム仮面  「萌えが足りんのだよっ!俺は清楚で健気な幼女が“お願いです、助けて頂けるなら何でします”
       とチキポーズをとって上目づかいで涙目になって嫌がりながらも私の要求を飲む状況を所望している!」

サラ    「そう…ならこの話はなかったことにしておこうかしら……アデュー……」
ラム仮面  「まっ…待った!今の良い、何か良い、特に最後の台詞が最高に良いっ!俺の心に火がついたぁぁぁぁぁ」
サラ    「難しい人種ね…」
ラム仮面  「むんふふふ……しょ、しょ、しょ、少女……」
サラ    「ちょっと、いきなり何するのよ…!あぁ…そんなこと…」
ラム仮面  「連載が終わったら謝らされて貰います、投稿者が!土下座をさせてもらいます投稿者が…だからっ!」
サラ    「で…でも…削除依頼されたらスレ住民になんて言えば…あ…あ…いいの…」
ラム仮面  「ふふふ…内緒にしておけばいい…」
サラ    「…で、でも……」
ラム仮面  「ああ…わかった…管理人さん、すまん!聞いているか、管理人さん、すまん!」
サラ    「そ…そこ…だめっ……」
ラム仮面  「ふふふ……」

セレナ   「そこまでよ!ラム仮面!(一足おそかったか…でもまだ間に合う!)」
ラム仮面  「おお…少女!良い所に来たな…彼女を含めて三人で…楽しまないか?」
セレナ   「その少女から離れなさいっ!…貴様を確保する!(ハーレム願望まであるの?最低最悪の人種だわ)」
ラム仮面  「何を言っている…!」
セレナ   「動くなっ、変態仮面!…この少女を犯人に仕立て上げ、あんたは何を考えているの!」
ラム仮面  「無論…“ナニ”を考えている」
セレナ   「やはりね…この性犯罪者め!(絶対逮捕してやる…私の手で!)」
リオン   「その少女が何者か、君はわかってないようだね…セレナ刑事」
セレナ   「リ…リオンさん、ルキナ、それにデジェルまで…いったいどういうことなの?」

221 :TMR(of ephraim) 異伝2:2014/09/20(土) 19:57:43.38 ID:eKXWaoy7.net
デジェル  「密偵からの情報から送られてきたわ。そこにいる少女、サラという名前は偽りの名…」
ルキナ   「その正体は、高額な報酬で殺人を請負うヒットマン…殺し屋だ…」
セレナ   「そ…そんな…嘘…」
ルキナ   「コーデリアのアシスタントになりすましたのも、彼女を通して標的に近づこうとしたからでしょう…」
リオン   「しかし、彼女は酒に溺れて、予定外の行動をとってしまったことにより、
       ルー・ファリスの殺人の完全犯罪をしくじってしまった」
デジェル  「ボロがでたようね!」
サラ    「フン…」
ルキナ   「デジェル、彼女を確保してください」
デジェル  「わかったわ…ルキナ。ルー・ファリス殺しの容疑者としてあなたを逮捕するわ」
サラ    「いいところだったのに…なぜこんなことになったの…」
デジェル  「言い訳は署で聞く。さあ、きりきり歩きなさい!」
容疑者サラを収監所輸送用の馬車にのせ署に送らせた。その後…
セレナ   「ラム仮面!あんた…いえあなたは彼女が犯人であることを…」
ラム仮面  「なんのことだ…少女、急に改まって」
ルキナ   「なるほど…既に目星は付いていたようですね…」
ラム仮面  「なんのことだ…さっぱりわからんな…」
デジェル  「奇っ怪な行動をとっていのは、こちらの様子を探っていた犯人を油断させるためね…」
ラム仮面  「だから…なんのことだ?」
三人    「………」
セレナ   「ま…まさか…根拠がないっていうの!」
デジェル  「は、犯人に目星をつけた理由って…」
ラム仮面  「………」

ルキナ   「か、確保です!ラム仮面を確保してください!」,二人「了解!」
デジェルとルキナが率先してそれぞれの腕を抑える。
ラム仮面  「ちょ…ちょっと、何をする…少女達!おおこれが俗に言うハーレムというやつか!!」
ルキナ   「大人しくして下さい!」, デジェル  「この性犯罪者が!」
だが力負けして振りほどかれるが、足払いで態勢を崩させ立て膝になったところを圧し掛かり抑えこむ。
ラム仮面  「ぬぅ…のうっ…くぅ……止めろ…あ…いや…しかし…こういうプレイも悪くない…」
ルキナ   「あなたはまだ懲りないのですか!」
デジェル  「セレナ!いいから二,三発ぶん殴ってやりなさい!」
セレナ   「了解、今までの恨みを晴らす!!」
ラム仮面  「少女…やめるんだ…少女…」
セレナ   「セレナ……目標を駆逐する!」
ラム仮面  「ぐっはあああぁぁぁ」
顔面をセレナは渾身の力で殴ればラム仮面は気絶し、すばやく縄で縛りあげ身柄の確保にラム仮面の確保に成功する。
同時にお約束展開で復活したノアールが都合よくやって来るのだった。

ノアール  「ごめんみんな…遅くなって」
セレナ   「あんた本当に今回仕事してないわね」
ルキナ   「でもなんとか事件も解決できましたし良いではありませんか」」
デジェル  「結局事件を解決させたのは得体のしれない変態…このラム仮面であるエフラム殿ね」
セレナ   「だけど同時にターゲットの確保をできたから、結果オーライだわ」
ルキナ   「そうですね…これもナーガ様の導きでしょう…」
セレナ   「こいつを元の世界に連れて帰らなくちゃならないのが問題だわ」
デジェル  「仮に元の世界に逃げられたら紋章町は壊滅的な被害をうける。
ノアール  「主に胸が小さい…じゃなくて幼女が…ね」
ルキナ   「しかし、元の世界のエフラムさんを救うには彼の力が必須なんです」
ノアール  「そうね…これも…命を助けるため…」
ルキナ   「私達は守らなくてはならないのです!帰りましょう…元の世界に!」

 
こうして彼女達はこの世界のエフラムの捕獲、身柄を拘束することに成功し、
元のエフラムを復活するために連行するのだった。

 TMR(of ephraim) 異伝2 終わり

 ………
ネタバレも含んでいますが気に止めないで下さい。

222 :助けて!名無しさん!:2014/09/20(土) 22:41:48.03 ID:9IJ2GdIg.net
( ゚д゚)

223 :ある、満月の夜の出来事。:2014/09/21(日) 23:49:47.16 ID:pSq1KciS.net
ミカヤ「中秋の満月、風流よねぇ…。暦はすっかり秋。美味しい月見団子を頬張りながら、池に移る満月を眺めて……って、あれ?」
水面に映る面影を見て、ミカヤは少したじろぐ。
メインの満月、それから積み上げられた月見団子とは別に、本来なら映るべき自分自身の姿がない。
代わりに映るのは、白銀の毛色の一匹のウサギ。
ミカヤは身の回りを確認する。
ふわふわの毛並み、しなやかな後ろ足、首にはいつも髪留めにしているはずの深蒼のリボンが巻かれていた。
そして頭に手を添えた時、彼女はいよいよ確信する。
人間、ベオクならば大凡持たぬはずの長い耳。
ミカヤ「私、ウサギになって…?」

「うぎゃああああぁぁぁ!!」
居間の方から声が響く。ウサギになっているからか、その声はいつもに増して大きく聞こえた。
ミカヤ「今のはエフラムとヘクトルの声かしら」
慣れぬウサギ飛びで居間へと向かう。


ミカヤ「エフラム!ヘクトル!大丈夫!?」
居間では碧緑の毛色のウサギと、藍色の毛色のブクブクしたウサギがガン付け合っていた。
手元に槍と斧が置いてある辺り、エフラムとヘクトルと見て問題無さそうだ。
エフラム「ピザ…!お前何時の間にウサギに化身するようになったんだ…?」
ヘクトル「ロリコン…!いや、お前誰だ?つーより…」
二人「ウサギが喋ったぁぁぁ!?」
二人共状況が掴めぬようで、軽くバサーク状態だ。
ミカヤ「二人共、落ち着きなさい!」
ヘクトル「どわっ!な、なんだなんだ!この家は何時の間にウサギ小屋と化したんだ!?」
エフラム「その声は…あ、姉上!?年齢(ダキュン)年生きるとベオクはタグエルになるのか?…いや…」
ミカヤ「…消し飛びたいの?……まぁ冗談はさて置いて自分の姿を鏡で見て御覧なさいな」

エフラム「これは……俺達自身がウサギになってるのか?」
ミカヤ「そうみたいね」
エフラム「道理で身のこなしが軽くなった訳だ。外見上は兎も角、これぐらい素早く動き回れるならウサギの身も悪くはないな」
ミカヤ「うふ、そうね。私もこれなら速さの成長率に補正がかかりそうな気がしてるの」
ヘクトル「……」
ミカヤ「ヘクトル?…どうしたの?」
ヘクトル「!…いや、別になんでもねーよ!(ちくしょう…相変わらず身体は重てぇし、ちっとも身軽さなんか実感出来ねぇよ…。二人共分かって言ってんのか?)」

ミカヤ「……てな訳で一旦召集ついた訳なんだけど」
15匹のウサギたちをミカヤは改めて見回す。
黄色系統の色が抜けているが、一匹一匹のその体毛色はまさにレインボーなひどい有り様。自然界ではまずあり得ないカオスな配色だった。
「困りましたね、まさか明日もこんな姿でいることになるのではと今から不安ですよ…」
ため息混じりに頭に何故かカチューシャを乗せた青毛のウサギが言う。
カチューシャがトレードマークな以上、彼はマルスだろう。
「ウサギの姿な以上仕方がないんだろうけど、これじゃあ手先を使った作業なんてとても出来ないよ。宿題まだ残ってるのに、困ったなぁ」
薄いオレンジ色した一同で一番小柄な、青いバンダナが個性を主張しているウサギが続く。
彼は恐らく末弟のロイだ。

ミカヤ「……16人集まって貰ったのはいいけれど、これじゃあどれが誰だか分かったものじゃないわね。どうしましょう?」
マルス「とりあえず混乱しないように一人一人を把握しておきたいかなぁ。……えーっと、白いウサギはミカヤ姉さんって事でいいのかな?」
ミカヤ「え、ええ。頭に青いリボンつけてるから分かりやすいと思うわ」
ロイ「うちだと唯一銀髪だもんねぇ、他に兄弟で他兄弟と被らない色といえば…」


マルス「リーフの茶と、セリカの桃だね」
セリカ「うふふ♪この姿も悪くないわね。どお?アルム。バニーガールな私もなかなか魅力的でしょ?」
アルム「勿論だよセリカ。ふさふさのしっぽ、食べちゃいたいくらいにかわいいよ」
セリカ「んもう//アルムってば…」
寄り添いながらお互い毛繕いを始めるふた…いや、二匹。
シグルド「さぁーて、かわいらしいウサギさんに擬態してまでKINSHINする子はどこかなぁ?お兄さんは許さないぞぉ?」
二匹「チッ…!」

224 :ある、満月の夜の出来事。:2014/09/21(日) 23:51:46.09 ID:pSq1KciS.net
ロイ「(あれ、アルム兄さんだったんだ。一瞬兄弟家にあんな髪色の人なんていたっけとか思っちゃったよ…)」

リーフ「ねえ、誰か僕にも突っ込んでよ」
マルス「……ああ、耳と尻尾が葉っぱになってるね」
リーフ「それだけ!?なんか僕だけ純粋なウサギじゃないような気がするんだけど!」
リーフと思わしき栗毛のウサギは、何故か耳や尻尾が若草色、というよりどう見ても葉っぱだった。
マルス「だってきみは生命力といい復活の速さといい色々な意味で人外だからね。別に不思議じゃないと思う」
リーフ「この人でなしー!」


マルス「じゃあ次は赤系統かな。ロイとエリウッド兄さん」
ミカヤ「姿こそ変わってもやっぱり雰囲気はそっくりね、あなたたち」
エリウッド「うう…どうしてこんな事になったんだ。胃が痛いよ…」
ロイ「胃が痛いのは変わらずなんだね…兄さん」
マルス「胃薬飲むウサギなんて前代未聞だね」
胃薬を口に含みながら腹を抱え込み苦しそうに息をするのは見間違えるはずもない、エリウッドだ。
ミカヤ「そうね。ウサギさんもストレス漬けになると胃痛に苦しんだりするのかしら」
エリウッド「ひどいよ他人ごとのように…うっ」


マルス「次は緑組だね」
エリンシア「アイクのガチムチボディ、ハァハァ」
アイク「エリンシア…頼むからそうベタベタするのはやめてくれないか?最近幾分暑さは和らいだが、正直暑苦しい…」
シグルド「……よっぽど死にたいと見受ける」
リーフ「そう言えば僕達、着ていたはずの衣服を身に着込んでないって事は……もしかして全員裸…!?ブッバアアア!」
クロム「ブーッ!い、いきなりなんつー事を言い出すんだリーフ!」
ロイ「そ、そうだよ!ラグズの人達だって化身してる時は衣服とか纏ってないし…!」
マルス「(揃いも揃って鼻血吹いて……相変わらずむっつりだなぁ)ところで緑といえばエリンシア姉さんの他にもリン姉さんがいるはずだけど知らない?」
エリンシア「そう言えば……」

「ウワォォォンガルルルル……!」


セリカ「な、なに!?怖いわアルム!」
アルム「大丈夫さ、セリカに乱暴な真似をする奴らは僕がひねりつぶしてやる!」
シグルド「KINSHINする奴らは私がひねりつぶす。……というよりなんだ、狼か何かいるのか?」
ロイ「今ウサギだからなのか、さっきから武者震いが止まらないよ…」
リーフ「自然界じゃ狼はウサギ食べるもんねぇ、ちょっとロイ二階の様子見てきてよ」
ロイ「な、なんで!?仮にも僕の兄さんなんだからリーフ兄さんこそ率先して見に行くべきでしょ!」
アイク「…おい」
リーフ「食べられたら復活出来ないじゃん!おねいさんとのイチャラブネタを誰かが書いてくれるまではアルム兄さん以上に存在感無くなるなんてやだよ!」
アルム「さり気なくひどい事を……」
アイク「……おい、ベランダで遠吠えしてるウサギを連れてきた。こいつは、誰だ?」
「グ…ガルル、フッフーッ!シャァァ!!」
ロイ「普通に尻尾掴んで連れてきた!?」
リーフ「野生化してる時点で見抜けなかったのアイク兄さん。きっとリン姉さんだよそのウサギ」
マルス「…リン姉さんの野生児っぷりにもはたまた困ったものですね。こんな夜更けに遠吠え騒ぎだなんて、まさに近所迷惑。それでこそ躾のなってない駄犬そのものですよ。エリウッド兄さんじゃないですが、まさに蝶サイコーな気分ですよボカァ」
エリウッド「……なんだろう、きみの話を聞いてたら僕も叫びたい気分になってきたよ」
リン「フーッ!フーッ!」
アイク「とりあえずリンについてはこのまま抑えとく方針でいいか、姉さん」
ミカヤ「この状態じゃマルスの言う通り近所迷惑になりかねないだろうし、そうして貰える?」
エリウッド「ああ、胃が痛いなぁ…」

225 :ある、満月の夜の出来事。:2014/09/21(日) 23:54:14.22 ID:pSq1KciS.net
ロイ「次は……うわぁ、うちで大多数を占める青組か…」
マルス「KINSHINに超反応を示すシグルド兄さんと、一番ガタイがよくて鉢巻き巻いてるアイク兄さんは分かりやすいけどね」
リーフ「ちょっと待って、一番大事な人を忘れてない?二人共」
マルス「あ、そうそう。ウサギらしからぬ性欲丸出しにしてるのはクロム兄さんだし」
クロム「ば、馬鹿!俺は姉さん達をそんな目で見た覚えはないっ……!!」
ロイ「それと、一番太ましいのはヘクトル兄さんだね」
ヘクトル「おいこら!太ましいってのはどういう意味だ!俺はメタボじゃねぇっ!」
エフラム「ざまぁないな。いつも厚着だからとごまかしてるようだが、今日ばかりは否定出来んぞ」
ヘクトル「るせぇ!」
エフラム「なんだ?やるのか?」
ヘクトル「上等だ!」
クロム「お前ら…って聞いちゃいないな」
リーフ「あーあ、始まっちゃったよ」
エフラムと思わしき青緑のウサギに、ヘクトルと思わしきメタボウサギが馬乗りになりながらお互い耳を引っ張ったり足にあじりついたりしている。
しかし、今はウサギの姿ともあって、そんな姿も幾らか微笑ましい。
ミカヤ「普段なら全力で止めてるところだけど、今日ばかりはかわいいウサギさんのじゃれ合いにしか見えないし、多目に見とくわ」
エリンシア「そうですわね、二人共かわいらしいですわ」
マルス「残りは……えーっと、エイリーク姉さんとセリスがいるはずだけど…」
「わぁい、マミーくんみてみて。ウサギさんだよウサギさん♪」
「……」
マルスが振り返った先にいたのは、マミーくん人形に嬉しそうに語り掛けるセリスと思わしき空色の毛色のウサギと、その傍ら元気なく落ち込むエイリークと思わしき薄水色の毛色のウサギがいた。
エイリーク「……変わらない…」
ロイ「え、エイリーク姉さん……?」
エイリーク「この姿になっても、やっぱり変わらない……」
ロイ「あ、あの…」
セリス「わぁい、みんなウサギさんだあ♪かわいい〜」

「うふふ、私のカオスパワーのご感想はいかほどでして?…気に入って貰えたみたいで感無量よ♪」

エイリーク「……」
ヘクトル「……」
マルス「戦犯、きたー・・・」
リン「ガルッ…シャアアアア!!」
アイク「しまっ……待て、リン!」
ユンヌ「いやぁぁ!鳥殺しーっ!」
ヘクトル「ちくしょう!ウサギって身軽な生き物じゃあねえのかよ!身体が重くてしょうがねぇんだよぉぉ!さっさと戻しやがれぇっ!」
エイリーク「何故私だけぺったんこのままなのですか!理不尽です、すぐさま訂正してください!!」
アイク「リン、今すぐ止まるんだ!」
エリンシア「アイクのガチムチウサギ股ハァハァ…」
セリカ「うふふ、ウサギさんになって追いかけっこなんて一度やってみたかったの。アルム、捕まえてご覧なさい♪」
アルム「待てぇセリカ♪」

「キャッキャウフフ」

シグルド「KINSHINは───!!」

リーフ「あー待って!三人共こっちこないで……人でなしーっ!」
エフラム「行ってしまったな」
ミカヤ「しょうがない、残った私は月見団子でも食べてましょうかね」
セリス「美味しいねー」

226 :ある、満月の夜の出来事。:2014/09/22(月) 00:01:17.88 ID:SzMcPl8o.net
(他方、イーリス地区にあるとある草原地帯では…)
シャンブレー「か、母ちゃん。何も夜に特訓なんかしなくてもいいんじゃないか?」
ベルベット「…あら?今日はお月様のよく見えるとても気分のいい夜だわ。シャンブレーもそう思わない?」
シャンブレー「そ、そうだけどさ…何もこんな夜中に特訓なんか……。!…い、今なんか聞こえなかった!?」
ベルベット「さぁ…ね」

「…シャギャアアアガルルルル…」

シャンブレー「ひ、ひぃぃぃ!狼だ!絶滅しちまうぅっ!」
ベルベット「ちょっとシャンブレー。……行っちゃったわ。特訓なんて冗談なのに。ただこうやって満月眺めたかっただけなんだけどね……。こうして満月眺めるのなんて、いつ以来かしら…。
未来からシャンブレーがやってくるまで、一人きりだったものね……」


よく朝、リンにじゃれつかれてボロボロにされたユンヌは、もう二度と兄弟家をウサギに変えようなどと思わなくなりましたとさ。

ユンヌ「ウサギなんてぇぇ〜!!もうこりごりよぉぉぉぉ!!」
リン「・・・あら?なんだか知らないけど今日は珍しく混沌の女神が自重してるみたいね」
ロイ「(あれだけ暴れまわって自覚がないってのもある意味幸運だなぁ、リン姉さん・・・)」

めでたしめでたし?





>>214-221
エフラ・・・ゲフンラム仮面のオープン変態性癖に笑ってしまいましたw
元ネタ?をよく知らなかったのですが楽しく読ませていただきました。GJ!

227 :助けて!名無しさん!:2014/09/22(月) 00:04:35.29 ID:gLYwMcpQ.net
うさぎなのにペッタンってもふもふしてないってことかねえ



228 :助けて!名無しさん!:2014/09/22(月) 23:41:50.95 ID:Mf8lfzjp.net
 
リーフ  「…今回のスマブラにはカスタマイズ必殺技てのがあるけどさ」
クロム 「アイク兄さんの通常必殺技には噴火の他には旋風・大噴火とあるが、大噴火はともかく旋風と言うのはやはり…」
アイク  「ああ、昔ミストがよく使っていたソニックソードと言う武器を参考にしてみて。威力はほとんど無いがな」
ミスト   「さっすがお兄ちゃん!私が使ってた武器を参考にしてくれるなんて分かってるぅ!」
イレース「どうせ、セネリオさんリスペクトって…言われるだけです…」
ワユ   「そーだそーだー!!」
リーフ  「…いつの間にいたんだろうこの三人?」
ヘクトル「しかし衝撃波を放つ天空波とか、体当たりみたい相手吹き飛ばす肉弾とか、何となく兄貴っぽい技が増えたな今回」
クロム  「カスタマイズ必殺技が使用可能な試合でしか使えないのが残念だがな」
リーフ  「何にせよアイク兄さんには頑張ってほしいね。応援しているよ」
アイク  「元からそのつもりだ。出た以上には手は一切抜かん」
ヘクトル「その意気だぜ兄貴!!」

ルフレ「…いや!そこで平和に喋ってないで君達の末弟を何とかしてほしいんだけど!?」
ロイ  「アハハハハハハハハハ!!!」

ヘクトル「…で、ロイの奴は何であーなったんだっけか?」
リーフ  「ルフレさんのカスタマイズ必殺技によりによってエクスプロージョンって言う必殺技があったからだよ」
クロム 「一応俺はその名前だけは止めておけと言ったんだがな…」
ヘクトル「マジか。別人のロイが参戦したり必殺技名取られたりと散々だなアイツ…」

ルフレ 「いいかい?ロイ聞いてくれ。僕はこの技に合う名前を付けただけで決して君の技を奪ったわけでは…」
ロイ   「スマブラニサンセンスルモノミナコロス!」
ルフレ 「…人の話を聞けこの虫ケラガァー!!」
クロム 「おっといかん、ルフレがギムレー化し始めた。いい加減止めるぞ!」
ヘクトル「うおっ!ルフレが放ったトロンがリーフに直撃した!」
リーフ  「やっぱり巻き添え食らうのかよこの人でなしー!」

その後、帰ってきたエリンシア姉さんのアミーテ慈悲叫喚で落ち着きました。


今回のスマブラ、遠回しにロイ弄り酷くね?w

229 :助けて!名無しさん!:2014/09/23(火) 21:22:33.24 ID:7TVrVu0c.net
ウサギブラザーズ(&シスターズ)、リアルなウサギ姿を想像しながら読んでるとシュール且つ無駄に可愛らしいなw
他動物の化身ネタも読んでみたくなりましたわ。

230 :助けて!名無しさん!:2014/09/23(火) 21:54:04.50 ID:HSqQ5sS5.net
似合いそうな生物か…

ミカヤ 亀
アイク ゴリラ
リン 狼
シグルド 馬
ヘクトル 豚
リーフ 木

までは浮かんだ

231 :助けて!名無しさん!:2014/09/25(木) 06:05:01.13 ID:Xlgp/Gr2.net
一方アイク本人はスマブラでうさみみを付けて(だが暁verだ)、真顔でこっちを見てくるという天然ボケを身につけていた

232 :助けて!名無しさん!:2014/09/25(木) 07:18:30.51 ID:cgpIdXcH.net
>>223-226
ロイ「とりあえずヘクトル兄さんの兎種はフレミッシュジャイアント(ウサギの最大品種)なのは間違いないような気がする」
エフラム「セリスの品種はロップイヤーというらしいな」
セリス「このウサギさんだと垂れ耳かわいいね〜♪」
ミカヤ「(本を読みながら)私ってヒマラヤン(最も古いとされるウサギの品種)なのね」
マルス「(やっぱり……)」
リーフ「どうでも良いけど僕の耳と尻尾が葉っぱなのってウサギというよりリーフィアなんじゃないのかなぁ……」

233 :助けて!名無しさん!:2014/09/25(木) 17:20:53.17 ID:FeYLI6eF.net
>>231
んでルフレはマルスに対して「マルス、パン買ってこいや!」と言わんばかりにふんぞり返ってたなw

234 :助けて!名無しさん!:2014/09/25(木) 18:33:10.10 ID:WVD6vWSV.net
もうあれじゃない?下手くそに習うと下手くそになる。と同じく、セシリアにネタ属性伝染されたんじゃない?

235 :助けて!名無しさん!:2014/09/30(火) 20:57:44.64 ID:YdFdu5rj.net
エフラム「で…だ…」
サラ「なぁに?」
エフラム「なんで俺の部屋でバニーガールのかっこうをしている?」
サラ「ウサギの話題がでてたから…ね。兄様が喜ぶと思って」
エフラム「あのな…」
サラ「あ、でも…どっちかって言うとお姉さん属性のコスプレは兄様好みじゃないかも。やっぱり兄様の気を引くにはランドセルやスクール水着の方が…」
エフラム(このままロリコン扱いされ続けるのも少し悔しい。よし、やりかえしてみよう)
エフラム「いや、セクシーでアダルティなバニースーツ。ありだ。網タイツの脚線美こそ嗜好。サラ…お前、綺麗な脚をしてるな」
エフラム(とかなんとかクロム兄上が読んでた本を真似てみた。これで俺もロリコン扱いされまい…)
サラ「……兄様は時々意表をついてこっちをドキッとさせる…ずるい…でも…なら…触っていいよ?」
エフラム(む…なにか話がおかしい方に…)


そして今日もベルン署へ

236 :助けて!名無しさん!:2014/09/30(火) 23:56:59.37 ID:yamRg/gZ.net
エフサラはもうおなかいっぱいだわ

237 :助けて!名無しさん!:2014/10/01(水) 00:11:17.18 ID:HuawidpK.net
あっしはまだ食い足りないのでもっとオナシャス!

238 :助けて!名無しさん!:2014/10/01(水) 03:07:10.01 ID:9aUgaUMW.net
>>235
サラ「私は別に嫌じゃないのに警察の邪魔が入るのはおかしい、夫婦なら問題ないんだからやはり早く籍を入れてしまうのがいいんじゃないかと」
エフラム「…そういうことはもう何年か後に言えよ」

239 :助けて!名無しさん!:2014/10/02(木) 00:10:58.20 ID:c4zL7ONz.net
ミルラ「何年かたったらお兄ちゃんは私たちに興味を失ってしまうのです!」
サラ「勝利条件にターン制限をかけたようなものね」
チキ「あんまりゆっくりできないねー何ターンが限度かな?」
ファ「たぶんねーしょーがくせいまでだと思うよー」
ノノ「んーたぶんそうだね」
ンン「あのロリ野郎はおそらく中学生は範囲外なのです」

ヘクトル「俺の隣の部屋…エフラムの部屋から会議の声が聞こえてくるんだが…で、なんで壁に耳をつけてんだお前?」
リン「兄さんの治療のために情報収集よ!」

240 :助けて!名無しさん!:2014/10/02(木) 04:51:40.39 ID:GIj58Gbg.net
マムクート勢は1ターンが長いので問題なし。

241 :助けて!名無しさん!:2014/10/02(木) 10:20:22.80 ID:uLV5yRSR.net
下手すりゃマムクート勢が1ターン迎えるまえにエフラムの寿命つきかねんな

242 :助けて!名無しさん!:2014/10/02(木) 21:08:07.81 ID:AMoSxoub.net
なんか最近はエフラムが羨ましいのか気の毒なのか
わからなくなってきたw

>>236
そのカプが好きな人が一定数いるスレで、そういうことをわざわざ言うなよ
要望を言うんなら、「○○は嫌だ」ではなく、
「△△が読みたい」というふうに言えばいいんだよ

243 :助けて!名無しさん!:2014/10/02(木) 21:25:54.18 ID:e01qflzE.net
コミュニティの一生のテンプレを思い出すなこのスレ見てると

244 :助けて!名無しさん!:2014/10/02(木) 21:30:10.91 ID:cAB1I5qm.net
んじゃ
ショタコンお姉さま同盟が見たい

245 :助けて!名無しさん!:2014/10/02(木) 21:47:13.78 ID:37CpmEc7.net
正直懐古にこそ辟易する…同じ事永遠に続けられるはずないだろうに…

246 :助けて!名無しさん!:2014/10/02(木) 21:58:50.41 ID:fr5ZQRrR.net
つってももう三十章くらい続いてるよなw
きっかけのエフラムホモ化未遂が20章前後だった気がする

247 :助けて!名無しさん!:2014/10/03(金) 00:11:31.12 ID:hrlLHEfS.net
>>238
サナキ「紋章町の女子の結婚可能年齢を10歳からに引き下げる計画とかどうかのう」
シグルーン「素晴らしいお考えですわサナキ歳」
タニス(今すぐ突っ込むべきか…いや、もう少し様子を…)

248 :助けて!名無しさん!:2014/10/03(金) 00:21:42.51 ID:f0m3zfK9.net
>>247
セシリア「男女差別はいけません。やるなら男女ともに10歳からに引き下げるべき」


アルテナ「…では…今月の活動成果を各自発表しよう…」
エレン「シスターとして非行少年を更生すべくチャドに説法したり家族のぬくもり的な何かを与えようとハグしたりしました」
ミレディ「なかなかやる。じゃあ私の発表を…」
エレン「けど本命はルゥ君です」
ミレディ「…一人に絞りなさいよ…」
エレン「まさか狙ってました?ゲイルさんが妬きますよ?」
ミレディ「…う…」
アルテナ「競合した場合はほどほどにな…私だが愛しのマイ天使コープルにマジックシールドしてもらった!」
セシリア「な、なんですって!もうそこまで深い仲に!?」
アルテナ「ふふふふっ、あの子もあれで年上好きだからな。下から見上げるあの可愛らしい顔…覗き込んでおでこにキスしてあげたぞ」
セシリア「なんて羨ましい…そ、そういえば貴女にご執心な少年ってもう一人いなかったかしら?」
アルテナ「葉っぱか?あれはダメだ。ピュアであるべき少年としては穢れすぎてるただのエロガキだろう。しかも貧相で貧乏くさい。ちっとも好みじゃない。うっとおしい」
ミレディ「ここまで嫌われても諦めないどころかMだから余計ハァハァするのよね…」
エーディン「次は私がいきます。先日午前中はデュー午後はアゼルと精霊の森の小道で散策など。さらっと手を握ってみたりするとアゼルなんて赤面しちゃってそれはそれは可愛らしいもので」
ミレディ「あなたも2人狙いかい!?」
エーディン「聖戦魔性の女の英名は伊達ではありません」
アルテナ「さ、次はリンの番だ。ショタというには大分年かさかも知れないが10代後半の男子たちを婿候補にした熟女の力、存分に示してほしい」
リン「私だって10代だっつうの!?しまいにゃ泣くわよ!?」

こんな感じだろうか?
ショタコン軍団

249 :助けて!名無しさん!:2014/10/03(金) 23:29:06.34 ID:AUIduJYU.net
何処かでセネリオが感知して「酷い有様です」とでも言ってそうだなw

250 :兄弟家、あにまるぱにっく!?:2014/10/05(日) 09:42:24.63 ID:0+PLzgij.net
ウサギ化ネタがなかなか好評だったので調子に乗って便乗ネタというか考えてみた。
苦手な方はスルー推奨。



ユンヌ「……あー、こないだはボロボロにされて災難だったわ……。私は仮にも女神様だってのにあの野生児ときたら……」

とある日の夜中、こないだの兄弟家ウサギ化騒動でリンに噛み付かれ、抱き付かれ、ユンヌは心身共にボロボロにされていた。
普段依り代にしている小鳥の身体は、羽はあちこち抜け落ち、言わずもがな羽の並びはボロボロなひどい有り様である。

ユンヌ「そういや兄弟家の連中ときたら動物に対しての扱いというか大事にする気持ちってのがいまいち足りてないのよねー。特にあの腹黒を中心としてー…」
愚痴は止まる事を知らず、ユンヌの不平不満はエスカレートしていく。
ユンヌ「9月には丁度動物愛護週間ってのもあったしね、いっそ反省させる意味合いも込めて兄弟家の連中を……くふふふふ…」
また何かよからぬ事を考えているのだろう。ユンヌの静かにたくらむ笑い声が兄弟家中に響いた。
そして、夜が明け……

「ん…う〜〜っ!!……まだ6時半か……一眠りするにゃあ時間が足りねぇな…。しょうがねぇ、ちっとはえーが起きるか……」

珍しく朝早くに目覚め、ベッドから重い身体を起き上がらすのはヘクトル…のはずだが
ヘクトル「(……うっ…、なんだ。身体がいつにも増して…重てぇ…!?)」
何となく違和感を感じる。
いつもは地につくはずの何気なく伸ばした足は何故だか地にすらつかず、いつにも重々しく感じる身体を何度も引きずるようにずらしてようやく地につく事が出来た。

ヘクトル「(…あれ……俺、こんなに背低かったか…?)」

寝ぼけているのか気のせいなのか、視野もやたら低く感じた。
それこそ四足歩行動物にでもなったかというくらいに低い。

それでも寝起きの為か特に気にも留めずに自室のドアノブを捻ろうとした所で……

ヘクトル「(………おかしい、手が届かん…。つーより俺の部屋のドアって…こんなに高いとこにあったか……?)」

手が届かない。というより肩より腕が上がらないのだ。
じれったい。というより面倒くさい。
こういう時、考えるより先に行動に出るタイプであるヘクトル。
2、3歩後退りした後、無意識のまま思い切りドアに体当たりをかました。
ヘクトル「…ふぃー、下手したら部屋から出られなくなるかと思ったぜ」
案の定ドアは外れてしまったが、ドアの形状はそのままだ。
しかし…
ヘクトル「あちゃー、穴開けちまったか……」
力を抜いていたつもりが、どうやらドアに穴を二つばかり開けてしまったようだ。
ヘクトル「……こんぐらいなら兄貴に頼めば半日待たずに直して貰えるな。エリンシア姉貴にバレて厄介な事になる前に、一丁頼み込んでみっか…」


ヘクトル「兄貴、起きてるよな……ん?」
ふと、洗面所の方を通りかかった時、人ならざるものの気配を感じた。

ヘクトル「……今、なんかいた…ような」

恐る恐る、洗面所を覗き込む。
そこにいたのは…


「……うぎゃああああああっ!!」


声をかける間もなくヘクトルは駆け出していた。
驚くのもそのはず。
洗面所にいたのは体長ゆうに2メートル超すかと思われるゴリラだったからだ。

251 :兄弟家、あにまるぱにっく!?:2014/10/05(日) 09:43:01.93 ID:0+PLzgij.net
「ん?……その声はヘクトルか?」
声に気付き振り返った先に、既にヘクトルはいない。
「……気のせいか。しかし、やはり何度見てもドンキーコング、だよな。今の俺の姿」
ジャイアントパンチ、ドンキーヘッドバット、ハンドスラップ…スマブラに共演するお馴染みのゴリラが使うありとあらゆる技が再現できる。
そう、何を隠そう彼はアイクである。
しかし、当の本人にとっては多少毛深くなった程度の認識で、特に気にも留めていないようだった。
アイク「……多少は不便だが、気にする事でもあるまい。まぁいいか」




ヘクトル「と、止まれねえっ!!」


一方、奇妙な光景を目にして駆け出したヘクトルは走り出したが最後、止まれない状況に陥っていた。

数秒間疾走した後、リーフの部屋に突っ込み、壁に激突し、凄まじいばかりの兄弟家全体の横揺れと共に、ようやく止まる事が出来た。

ヘクトル「……やけに加速がつくと思いきやこのザマかよ……。やべぇ、マジでやべぇぜ。部屋のドアに穴開けたくらいならまだしもリーフの部屋を破壊したなんて知れたら……。
……ん…?なんだ!頭が何かにつかえてるのか!?抜けねぇっ!」
身動きするのもままならず、ヘクトルはこの時ばかりは、死を覚悟した。


「……こんな朝早くから何騒いでのさ…リーフ兄さん…」


ふと、まだあどけなさの残る少年の声がした。一家の末弟、ロイだ。
しかし、年齢の割にいつも落ち着いている彼の声は、途端に慌ただしい口調へ変わる。
ロイ「い、い、イノシシっ!?イノシシがリーフ兄さんの部屋をぉぉっ!誰か、誰かぁぁぁっ!!」


ヘクトル「ばっ!誰がイノシっ……!いや、でも待てよ……イノシシといやぁ……」


軽い足取りと共に、ロイは居間の方へと向かう。
ロイ「誰か、誰か起きてない!?リーフ兄さんの部屋がっ!……ってうわっ!」
居間にいた肉を片手で貪る巨大なゴリラ相手に、ロイは腰を抜かして座り込んでしまった。
紺の毛色の、肉を片っ端から食べるそのゴリラは、紛れもなくアイクである。
アイク「その声はロイか?だが……獅子王?いや、スクリミル?…にしては小さすぎるか」
ロイ「アイク兄さん…?でもそんな…まさか」
アイク「姉さんが占いで使ってるこの水晶玉で自分の姿をよく見てみろ」
ロイ「……」
半信半疑で水晶玉を見る。
そこに映し出された自分の姿は…オレンジ色の幼さの残る若獅子。

ロイ「……短いタテガミ…僕、ライオンになっちゃったの?」
アイク「そうらしいな。かくいう俺もドンキーコングになってしまったようだし」
ロイ「……」
アイク「なんだ?」
ロイ「アイク兄さん。言いにくいんだけど、ドンキーコングっていうのは名前で、彼の種族はゴリラだよ」
アイク「そうか、すまん」
ロイ「いや、別にいいんだけど(兄さんがゴリラになってるってのはまさに奇跡みたいな展開だね)」
アイク「そう言えば、俺が洗面所で自分の姿を一目見ていたらこんな早朝にしては珍しくヘクトルの声が聞こえたんだ。しかし、どうも慌てて駆け出していったようなんだが…知らないか?」
ロイ「…いや、知らない。でも…ちょっと気になる事があるんだ、一緒にきてくれる?」

252 :兄弟家、あにまるぱにっく!?:2014/10/05(日) 09:46:28.95 ID:0+PLzgij.net
アイクを引き連れて、ロイはリーフの部屋へと向かう。
リーフの部屋では、今も変わらず挟まってしまった頭を抜こうと、猪がジタバタともがいていた。

ロイ「これ…なんだけど、どう見てもイノシシ、だよねぇ」
アイク「……ボタン鍋にしたら美味そうだな」
ヘクトル「だーっ!食うなーっ!つーか助けろよ!」

すかさずヘクトルが突っ込む。
ロイ「なんだ、やっぱりヘクトル兄さんか。だと思った…」
ヘクトル「てめぇ、だと思ったっつーのはどういう解釈だ!…んな事はさておき、助けてくれよ!さっきから身動き一つとれねーんだよ!」
ロイ「…やれやれ。だから日頃から食べ過ぎには気をつけなよって忠告してるのに。……ま、いっか。アイク兄さん、お願い」
アイク「…ああ」
アイクとロイの計らいによって、ヘクトルはようやく事なきを得た。


ロイ「……とりあえずは僕がライオンでアイク兄さんがゴリラ、そしてヘクトル兄さんが豚ってのは確定ね」
ヘクトル「おい、ちょっと待て!俺は豚じゃねぇっ、猪だろ!」
ロイ「どっちでもいいじゃん。猪と豚って、亜種レベルしか明確な差はないらしいし」
ヘクトル「こんなふさふさな青い毛生やした豚がどこにいるってんだよ!大体、豚には牙なんて生えねえはずだろ!」
ロイ「じゃあ中間とってイノブタってのはどうかな?」
アイク「…イノブタか…美味そうだな」
ヘクトル「てめぇら…(ちくしょう、今に見てやがれロイの野郎…)」


ロイ「…みんなはどうしてるだろう?僕達と同じく、動物に姿を変えられてるんじゃあ」
アイク「その可能性が高いな。…ん?ちょっと待て。何か聞こえてこないか?」

ロイは頭の上にちょこんとついた耳をピクピクさせる。
ロイ「……確かに聞こえるけど、歌?……それから何かが吠えてるような声も聞こえるような」
ヘクトル「おい、どうでもいいけどまさかその場所まで俺も行けっつーんじゃ…」
ロイ「屋根裏からだね、行こう!」
ヘクトル「ったく!この姿じゃあ走り出したら止まれねえんだよぉぉ!」


巨大なゴリラと若獅子の、奇妙なコンビが階段を駆け上がっていく。


裏庭では、美しい歌声で歌う赤い金糸雀と、そんな歌声に聞き入るように機嫌良く尻尾を降る深緑色の狼と淡い水色の梟、退屈そうに爪で地を引っ掻く群青色の鷲の奇妙な4匹の姿があった。
どうやら既に4匹共お互いを認識していたようで、たわいない会話を楽しんでいた。

「も、もういいかな……?いい加減本当にむせ……ゲホッ!」
「素敵な歌声でしたね……。私も手に自由の利く生き物でしたらバイオリンやハープで伴奏させていただく所でしたのに」
「えー。もっとエリウッドの歌声、聞かせてよ。今のエリウッドの歌声ってば、鷺の民じゃないはずなのに、体の底から力が溢れてくるような…不思議な旋律なんだもの。…ワウゥーン!!」
「り、り、リンディス!遠吠えは駄目だよ!誰かに聞かれたりしたら…!」
「あら、狼が吠えるなんて極々自然な事だわ。折角なんだもの、この姿でしか出来ない事楽しまなくっちゃね!ワウウゥーン!!」
「…ふふふ、相変わらずリンは楽しそうですね」


ロイ「兄さん、姉さんたち!?そうだよね!」
「その声は……ロイ、ロイなのですか?」
「わぁ…!子ライオンなんて、かっわいい〜!もふもふ〜♪」
ロイ「わっ!やめてよ、くすぐったいたら!」
「丁度いい所に来てくれた。俺達もこれからどうしようかと考えていた所なんだ」

253 :兄弟家、あにまるぱにっく!?:2014/10/05(日) 09:51:11.06 ID:0+PLzgij.net
4匹はこれまでの経緯を、簡単に説明する。
ロイ「……なるほど。金糸雀になったエリウッド兄さんが思わず「蝶サイコー」と叫んでいたら、美しい歌声に惹かれた梟になったエイリーク姉さんと、便乗的に遠吠えしたい欲求に駆られた狼になったリン姉さんが駆けつけて…それは大変だったね」
エリウッド「もう、本気で死ぬかと思ったよ…」
エフラム「妹を口説く不埒な輩がいるような気がして駆けつけたら、まさかお前だったとは思いもしなかったな」
エリウッド「冗談めいて言うけど、言葉の通り鷲掴みにしかけてきたじゃないか」
エフラム「すまん、条件反射的につい…」
ロイ「シスコン自重。えーっと、とりあえずエリウッド兄さんが金糸雀、それからエフラム兄さんが鷲、エイリーク姉さんが梟、そしてリン姉さんが狼って事でいいのかな」
アイク「揃いも揃って、厄介な事になったな」
エフラム「兄上はやはり、というかなんというか…ゴリラなんだな」
アイク「やはり?…どうしてそう思うんだ?」
エフラム「いや、特に意味はないが…」
エイリーク「(やはり男性なのに胸が私より大きい…くすん)」
エリウッド「確認が取れたのはきみとアイク兄さんだけかい?なんていうか、僕今すごく嫌な予感がしているんだけど…」
ロイ「あ、それが…」
ロイとアイクに遅れてくること数分、ヘクトルがぜいぜい息を切らしてやってきた。

ヘクトル「……お、お前ら…少しはこっちの身にも…」
エリウッド「その声は、ヘクトル…なのか?」
ロイ「うん、アイク兄さん程じゃないけど分かりやすいと思う」
声の主が分かるなり、エフラムとリンは腹を抱えて笑い出した。
ヘクトル「!…お、お前ら!言っとくが俺は豚じゃねぇからな!猪なんだよ、猪!」
ロイ「だからイノブタでしょ、ヘクトル兄さん」
ヘクトル「うるせぇっ!『ブタ』の二文字だけは入れんじゃねぇっ!!」
エリウッド「(猪…猪突猛進…。ああ、なんだろう。すごく嫌な予感が……)」


リン「あ…ちょっとエリウッド!」
小さく小回りのきく金糸雀としての体を生かし、真っ先に階段の方へと飛び去っていくエリウッド。
彼が目にした惨状は……
エリウッド「うぎゃあああああ!!」
ヘクトルが必死で登った後だろう、いくつもの蹄で痛んだ階段、
あちらこちらに穴が空いた壁、そして床、酷い有り様な光景が広がっていた。
エリウッド「蝶サイコーッッ!!」
ロイ「あーあ、エリウッド兄さんたら無理して…」
エイリーク「でも相変わらず美しいお声ですね。私、金糸雀がこんなに美しい声をしていたなんて知りませんでした」
リン「本当…今日のエリウッドの声は素敵よね……うっとり」
アイク「今のエリウッドなら、リュシオン達鷺の民にも負けず劣らずな呪歌を歌えそうだな、それぐらいいい声をしている」
ヘクトル「……あ、兄貴。気持ちは分からなくはないが野郎にその褒め言葉はどうかと思うぜ…」

「ヒヒーン!ブルルル……」
ロイ「ていうか馬が暴れ回ってる!?」
アイク「おかしいな、我が家の愛馬達には兄弟家に乗り込んで暴れ回るような気性の荒い奴はいなかったはずだが」
エフラム「ちょっと待て、あれはもしや…」
エフラムは暴れ回る馬の背に必死でしがみつく一匹の獣に目をつけた。
今にも振り解かれそうな状況の中、彼(?)は叫ぶ。
「…シグルド兄さん、落ち着いてくれ!」
アイク「何故だか思わしくない状況のようだな。ヘクトル、エフラム、悪いが手を貸してくれ」
脳筋三人が抑え込む事数分、ようやく馬は落ち着いてきたようだった。

アイク「……という訳だ。いい加減落ち着いただろう」
「クッ…通りでティルフィングを扱う所か、手に取る事すら出来ん訳だ…」
ロイ「馬の方はシグルド兄さんか。まぁアイク兄さんと同じく、大方予想通りってとこだけど」
エフラム「で…こっちの一見狸のような、穴熊のようなよく分からん動物は…」
「俺自身よく分からんのだが、体つきを見る限りイタチか何かに近い動物じゃないか?」
リン「どっちにしろ…かわいい〜」
「!……う、うおっ!?その声はリンか!?いくら狼の姿といえど顔を舐めるのは…!」
リン「あっ……。ごめん、私ったらつい…//」
ロイ「……今の反応見て確信した、クロム兄さんだね」
ヘクトル「ちげーねーな。ニヤニヤ嬉しそうな反応示してるとこなんか特にな」
クロム「な、な、俺の表情の何処がニヤついてると言うんだ…!」

254 :助けて!名無しさん!:2014/10/05(日) 09:52:39.55 ID:0+PLzgij.net
すみません、投下の途中ですが一旦切らせていただきます。また後ほど・・・

255 :兄弟家、あにまるぱにっく!?:2014/10/05(日) 16:55:37.26 ID:0+PLzgij.net
続き投下します。

「あ!みんな、いたいた!」
そこへ駆けてきたのは大きな亀と、二匹のフェレット、そしてレッサーパンダ一頭と鶴一羽のなんとも奇妙な4種の集まりだった。
シグルド「貴様らKINSHINは許さんぞ!」
フェレット二匹に対し物凄い剣幕で起こる馬シグルドを見るに、フェレット二匹はアルムセリカだろうか。
ロイ「…お揃い同士はアルム兄さんとセリカ姉さんか。えーっと、ゾウガメは…」
ミカヤ「私よ、この体じゃあ動きが鈍いったらありゃしないわ。ヘクトルの気持ちがなんとなく分かったような気がするわ」
リン「……ヘクトル、苦労してるのね…。これからはいっそ重い鎧なんて、纏うのやめたら?」
エフラム「…まぁ一番は何より目を引くその厚い脂肪を削ぎ落とす事だかな」
ヘクトル「お前ら!ハナから心配なんかしてねーだろ!」



「お姉様ったら暴走するシグルド兄様を止めようとなさって逆に突き飛ばされてひっくり返ってしまって…それはもう大変でしたのよ」
ミカヤ「エリンシアやセリスが助けてくれなきゃ今頃どうなってた事か」
ロイ「うーんと、聞いた話をまとめるとミカヤ姉さんがゾウガメ、エリンシア姉さんが鶴、アルム兄さんとセリカ姉さんがフェレット、セリス兄さんがレッサーパンダって事かな?」
セリス「こないだのウサギさんも悪くないけどレッサーパンダもとってもかわいいね〜」
アルム「セリカはどんな動物になってもかわいいね」
セリカ「アルムだって…。それにしても兄弟みんな違う動物になってるのに私達だけ同じだなんて、やっぱりミラ神も二人の愛を祝福してくださるのかしら」
アルム「セリカ…」
セリカ「アルム…」
シグルド「KINSHIN…!」
クロム「や、やめろシグルド兄さん!それ以上やると本当に床が抜ける!!」
エリウッド「修理費が5万…10万……蝶サイコーッッ!!」
リン「本当素敵な声よね…」
エイリーク「ええ…」
クロム「お前達、何うっとり聞き入ってるんだ。いいから兄さんを止めてくれ」
セリス「!…わぁ、クロム兄さんはタスマニアデビル?僕、一度この目で見てみたかったんだよね。かわい〜」
クロム「や、やめろ!俺には年下という選択肢はない!」
エフラム「……クロム兄上。人間に戻ったらきっちり雌雄をつけさせて貰いたい…」
ロイ「(カオス過ぎてどっから突っ込んでいいか分からない…)」


「…やぁ、みんな。お揃いのようで」
そこへやってきたのは青いキツネが一匹。
ロイ「その声はマルス兄さん?」
マルス「朝から何故か兄弟達の声で喋る奇妙な動物達がドンチャン騒ぎやってると思って混沌の女神を探し回ってたとこなんです」
ヘクトル「それで…ヤツは見つかったのか?」
マルス「ご覧の通り、メダリオンも蛻の殻です。騒ぎが大きくなる前に小鳥に憑依して逃げ出したってとこでしょう」
ヘクトル「あいつめ…この借りは後できっちり返させてもらうからな…!」
エリンシア「何はともあれ、みんなの無事が確認出来ましたし良かったですわ」
セリス「ホントだね」
ロイ「いやいや、みんなちょっと待って!いつも兄弟家で一番目立つ人を忘れてない!?」
エイリーク「え…」
リン「あ、そういえば…」

全員が一斉にキョロキョロと辺りを見回す。
そういえばいつも一度は耳にするはずのあの台詞が聞こえてこない。

「リーフがいない!」


マルス「何言ってるんですか、リーフなら朝から居間にいましたよ」

256 :兄弟家、あにまるぱにっく!?:2014/10/05(日) 16:56:59.91 ID:0+PLzgij.net
(兄弟家・居間)
クロム「という訳で…」
エフラム「居間に来た訳だが…」
エイリーク「リーフはいないようですよね。それどころか、動物の面影一つないようですが」
マルス「何言ってんのさ、そこにいるじゃない」
アルム「…まさか蝿や蚊になってるとでもいうの?」
マルス「だから、ここに…」
そう言って、マルスは居間の隅に置いてある鉢植えに目をやる。鉢植えには何の芽やら、双葉が生えてきていた。
マルスはおもむろに、双葉を摘み取ろうと前足で掴んだ。
すると……

「痛い、痛いってば、この人でなしー!!」

何故かリーフの声がこだます。
ヘクトル「…喋った!?お前、まさかリーフか!?」
ロイ「すごく、ドラ○エ6みたいです…」
マルス「僕も一瞬目を疑ったんだけどさ。この話し方といい、口調といい、リーフ以外に疑う相手がいないと思ってね」
リン「確かにリーフ(葉っぱ)的な意味ならあながち間違っちゃいないわね」
マルス「植木鉢の中でじっとしてればとばっちりやら巻き添えなんかも回避出来るだろうし、よかったじゃん」
リーフ「嫌だぁぁぁ!おねいさま方に声掛けられない退屈な1日なんて嫌だぁぁぁ!」



ロイ「とりあえず、各々が化身した動物は…」
マルス「まずミカヤ姉さんはゾウガメで」
ロイ「亀って長寿の象徴だったりするからかなぁ」
ミカヤ「亀さんは嫌いじゃないけど、せっかくならもうちょっと小さな亀さんになりたかったわ。体が重くてしょうがないの」
リーフ「鶴は千年、亀は万年なんていうけどさ。ぶっちゃけミカヤ姉さんは(ダキュン)……アーッ!引っこ抜こうとしないで人でなしー!」


マルス「シグルド兄さんは馬、か。なんていうか如何にもって感じだよね」
ロイ「うん、僕もなんとなくそんな気がしたんだ」
シグルド「そうか?私も馬との付き合いも長い所謂愛馬家ではあるが、自分を動物に例えたら馬になりそうだとは考えた事もなかったぞ」
兄弟一同「…だって、馬ヅラだもん」
シグルド「」


マルス「エリンシア姉さんは鶴かぁ」
ロイ「間違ってはいないよね、優雅なイメージあるし」
エリンシア「あらあら、うふふ。ありがとうロイちゃん」
リーフ「鶴は千年、亀は万年ていう……まだ何も言ってないじゃん人でなしー!」


マルス「アイク兄さんは…うん、やっぱりって感じ」
ロイ「むしろそれ以外に当てはまる動物がイメージ出来ないっていうかなんというか…」
アイク「そうか?普段の俺はここまで剛毛ではないと思うが」
マルス「全体的なイメージを見て、ですよ。体系的に見てもアイク兄さんてベオクよかはゴリラの方に近いような気が…あくまで僕の想像ですけど」
アイク「そうか」
マルス「(ここで言い返さない辺りアイク兄さんらしいな…。こっちとしては反応に困るんだけどね)」



マルス「クロム兄さんは…えーっと、なんだっけ?」
セリス「タスマニアデビルだよ」
クロム「デビルはまだ分かるんだが、タスマニアというのはなんなんだ?」
セリス「え?う、うーん…よく分かんないな」
クロム「そうか…(リーフ程ではないが、俺もとんでもない姿に変わってしまったようだな)」

257 :兄弟家、あにまるぱにっく!?:2014/10/05(日) 16:58:51.95 ID:0+PLzgij.net
マルス「エリウッド兄さんは金糸雀ですか」
エリウッド「朝からエイリークやリンディスに囀りを聞かせて欲しいなんて何度も催促されるし、喉も胃も痛いよ…」
ロイ「…ねぇ、さっきから窓辺に小鳥達が集まってきてて騒がしいんだけど…」
リン「きっとエリウッドの声に魅力されてるのよ…素敵な声だったもの」
エリウッド「…はぁ、今それどころじゃないのに…」
ロイ「(エリウッド兄さんのモテモテオーラ、相変わらずだなぁ。僕も見習わなくちゃ)」


マルス「ヘクトル兄さんは、やっぱり豚か」
ヘクトル「マルス、てめぇまで言うか!」
マルス「いや、言い出してきたのはロイなんだけど」
ヘクトル「ロイ、てめぇ!」
マルス「……まぁまぁ、豚って実際人間の体系に例えるならば脂肪の塊よか筋肉だるまに近いらしいですし」
エリンシア「……KINNIKUですって!?」
ミカヤ「…KINNIKUと聞いた途端超反応しないでよエリンシア…」


マルス「エフラム兄さんは鷹…いや鷲かな」
エフラム「どっちにしろ、俺といいエイリークといい、何故鳥なんだろうな」
ロイ「神話で鷲は太陽の象徴になってたりするからかな?」
エイリーク「では私は対象的に月の象徴で梟という事でしょうか?」
マルス「でしょうね。お二人のクラスチェンジも太陽の腕輪、月の腕輪ですし」


マルス「リン姉さんは…狼ですか」
リン「うふふ♪狼になって草原を駆け回るなんて一度でいいからやってみたかったの。ついでに月に向かって……わぅぅーん!」
ロイ「(気のせいか、今日のリン姉さんすごく生き生きしてるなぁ)」


ロイ「でもってマルス兄さんは狐か」
リーフ「…人を化かすイメージなんかぴったりだよね…っていだだだだだだ……!」
ロイ「(相変わらず減らず口だなぁリーフ兄さんは…)」


マルス「ハンモックでイチャイチャしてるフェレットはアルムとセリカか」
セリス「こないだのウサギさん事件といい、仲良くしてるとこ本当にかわいいね」
シグルド「さて、出番のようだな」
エリウッド「これ以上家を壊さないで…」


マルス「セリスはアライグマ?」
セリス「アライグマじゃなくてレッサーパンダだよ。垂れ耳ウサギさんもかわいいけどレッサーパンダもすごくかわいいなぁ。もし今の僕を見たら、ユリウスなんて言ってくれるだろ」
マルス「それだけはやめてあげてください」


マルス「…で、リーフはとうとう植物になっちゃったか。こないだリー○ィアもどきになった時も正直焦ったけどさ」
リーフ「僕ならおかしくないとか言って滅茶苦茶冷静だったじゃん!」
リン「…そもそも、リー○ィアって何よ」
マルス「あー、こんな感じのポケモンでして…」
入手経路不明のポ○モン図鑑を差し出すマルス。
リン「きゃー!かわい〜♪モフりた〜い!はぁはぁ…わぅ〜!わぉぉーん!」
ロイ「(リン姉さんのテンションがヤバい領域まで達し掛けてるような…)」
マルス・ヘクトル「オエーッ!」
リン「え〜?何、二人共モフモフしてもらいたいって〜?リン、超こまっちゃ〜う♪」
マルス・ヘクトル「…ぐふっ!」
ロイ「…二人が(主に精神的な意味で)逝った!?」
リン「んもぅ。こんなに早くイっちゃうなんて…お兄ちゃんもマルスも早すぎるよぉ…//」
クロム・リーフ「ブーッ!」
ロイ「ちょ、ちょっとリーフ兄さんどっから血出してんの!?カメラさんすみませんこっからしばらくカットで!」
セネリオ「ひどい有り様です」

258 :兄弟家、あにまるぱにっく!?:2014/10/05(日) 17:00:14.84 ID:0+PLzgij.net
ロイ「…というわけで復帰した訳なんだけど」
マルス「はぁ…ひどい目にあった…。最後に、ロイは獅子ね…」
リーフ「多分スマブラでの異名が『若き獅子』だからかな」
ロイ「……」
リーフ「え、違うっけ?」
ロイ「ウワァァァァ!!」
エイリーク「ロイ、どこへ行くのですか!」
マルス「あーあ、スマブラについての話はしちゃ駄目だってあれだけ言ったのに……」



gdgdのまま続く……

259 :助けて!名無しさん!:2014/10/07(火) 21:02:06.41 ID:TNl+1sxX.net
アイクだけは読む前から分かってしまった

260 :助けて!名無しさん!:2014/10/08(水) 00:02:31.38 ID:NE8mOHA6.net
何か2014年10月7日で聖魔10周年らしいじゃないか

サラ「切りの良い誕生おめでとう兄様。ということで私をプレゼント、開封はお風呂でもベッドの中でも…」
エフラム「こんな日に警察を呼ぶ呪文を唱えるのは止めてくれ」

ラーチェル「今日はエイリークのために特別なプレゼントを用意したんですのよ、胸部にのみ効果が出るボディリングという…」
エイリーク「本当ですか!?」
ターナ(反応が早い…)

261 :太陽と月の双子:2014/10/09(木) 21:51:06.21 ID:B0poz3Pc.net
「エイリーク、いるか?」
ある、長夜の秋の出来事。寝付けない為なのか目が醒めたエフラムは、エイリークの部屋の扉を軽く叩く。
「…兄上?どうかなさいましたか?まだこんな時間ではありませんか」
「少し、話があってな。いいか」
「ええ。どうぞ、中へ」


「こうしてお前の部屋に入るのも久しぶりだな」
普段無表情とも言える表情を綻ばせて、エフラムが微笑む。
「そうですね」
つられるように微笑みながら、エイリークも言葉を返す。
「昔は…いつも一緒だったよな俺達」
「兄上…」
思い返すように天井を見上げるエフラム。
「今日、なんの日か…覚えているか?」
「はい……。私と兄上がこの世に生を受けた日、そして私達双子がこの兄弟家の一員となった…とても大切な日……」
「俺達が産まれてすぐ、父上と母上は行方不明になられて、ファード殿の養子養女として迎え入れられたのだったな」
「はい…」
「ルネス家での暮らしは、俺達平民生まれの人間にとっては何一つ不自由のない幸せな暮らしだったが、あの時は実の父上や母上を恨んだりもしたものだ」
「……」
「…だが、父や母のいない分、お前だけは俺が守り抜かねばと思っていた。あの時は、お前だけが唯一、血の繋がりのある俺の家族、妹だったから」
「運命とは不思議なものですね。あの時は私、兄上の他にこんなに沢山の自分の兄弟がいるとは思ってもいませんでした」
「ああ、俺もだ。あの日、偶然ミカヤ姉上がルネス家を訪ねてきてくれた事、俺は本当に嬉しく思う」
「兄上…私達は、ずっと一緒ですよね。どんな事があっても、きっと…」
「当たり前だろ。これからもよろしく、エイリーク。誕生日おめでとう」
「兄上、そんな…頭を撫でるなんて……もう子供ではないのですからおやめください…!」
「ああ、すまん。頭が駄目ならどこならいい?よく男に触れられると胸が大きくなるとはいうが…」


シグルド「KINSHINの予感がしたんで覗いてみたら、エフラムがジークリンデの錆びと化していた件」


聖魔発売10周年との事だがしょうもないネタですまぬ。

262 :助けて!名無しさん!:2014/10/10(金) 23:16:33.71 ID:14ym5W7E.net
もう聖魔10周年か、今もVCでやってるぜ

263 :助けて!名無しさん!:2014/10/11(土) 00:10:23.75 ID:4sdXkcqg.net
エフラム「十週年…だと…馬鹿な…まさか…こんなに近くにいながら気が付かなかったのか…俺は…」
エイリーク「どうしました兄上?」
エフラム「つまり俺とお前は十歳の子供だったのだ!守らねば!ああ、しかし俺自身も保護すべき対象なのか!?俺はどうすれば…どうすればいい!」
マルス「どうもしなければいいんじゃないですかね……」
サラ「この発想は無かった…」
エイリーク「ああ……」

264 :助けて!名無しさん!:2014/10/11(土) 01:57:29.59 ID:wM3ian9e.net
>>260
サラ「男性に胸を触ってもらうと大きくなるっていう耳寄り情報もあることだし…ね?」
エフラム「いや、だからそういう…」
ゲイル「警察だ!」
ツァイス「抵抗しても無駄だ!」
エフラム「…やっぱりな」
サラ「…私の部屋に行きましょう、邪魔が入らないから」
エフラム「ちょっと待…(ワープ)」
ゲイル「逃がしたか…行くぞ!」
ツァイス「はっ!」

ロイ「…いくら警察でも、いきなり窓から入ってくるのはいいのかなあ…」



エイリーク「あの…先程のものを使ってみたのですが」
ラーチェル「効果はありまして?」
エイリーク「まあ…その…」
ターナ「…どうかした?」
エイリーク「…効果はありました…0.1センチほど」
ターナ「…よ、よかったじゃない。それなら何個も使えば…」
ラーチェル「あれは凄く貴重な品でして…数年に一度手に入るかどうかという物ですの…」
エイリーク「………」
ターナ(…そっとしておこう)

265 :助けて!名無しさん!:2014/10/11(土) 02:00:22.97 ID:uAaLs+eI.net
まぁ、鎧で隠れているエイリークとは違って明らかに言い逃れのできないラーチェルが使うよりは効果はあるんじゃね

なんか深夜なのに外が眩しい

266 :助けて!名無しさん!:2014/10/12(日) 22:26:53.70 ID:OlsPh/xf.net
なんか>>265の家のあたりから盛大なガハハ笑いと打撃音が響いて来るんだが、何かあったのか?

267 :サヨナラ、エリウッド?▼第三話:2014/10/13(月) 23:06:30.49 ID:ta5/XmKj.net
───……う…。こ、ここは…?


朦朧とする意識の中でエリウッドの耳に確かに聞こえてきたのは規則的にリズムを刻む機械音と、口にあてがわれた人工呼吸器の作動音。
窓から降り注ぐのは朝の日差し。未だ状況は掴めないが、どうもここは病室のようだ。


───そうか、確か僕は体育の授業中に倒れて……。

起き上がろうとした所で、自ら腕に点滴が通されているのに気付く。
相変わらず顔は火照るように熱く感じ、焦点は上手く定まらず気を張っていなければそのまま意識を失ってしまうかのような不思議な感覚だった。


「エリウッドさん!」

丁度その時、朝の見回りに来たであろう看護婦が確かに目を開いていたエリウッドに気付き駆けつけてきた。
「意識が戻られたのですね。私の声が聞こえますか?」
看護婦の声にエリウッドは確かに頷いた。

それから担当医を交えて、状況は回復に向かっているとの指示を受けた。


「……意識は戻っているようだけど、まだ血圧は高くていつ倒れるか油断できない状態だ。日常生活は支障だらけだろうし、御家族にはまだ一週間程入院が必要だと伝えておくからね」
「…は、い…」
腹から無理に絞り出したかのような掠れた自らの声に、エリウッドは驚きを隠せずにいた。
喉は焼けるように熱く、一音話す毎に頭に痛みが響く。
担当医とのやり取りを終えた後、ようやく人工呼吸器を外されたエリウッドは、はぁと溜め息をつく。

橙に輝く朝日が優しく自分を照らしている。
今日も1日が始まる。
穏やかな朝の澄んだ空気に包まれて、再び眠りについた。


「───エリウッド…!」

絶え間なく自分を呼ぶ女性の声に、ふと目覚めた。

「エリウッド…!きっと無事だって、お姉ちゃん信じてたわっ!」

訳も分からないまま、突然抱きすくめられた。
姉と自称するにはあまりに小柄なその少女。
だが、
エリウッド「ミカ、ヤ…ねえさ…」
ミカヤ「…この子ったらもう……。どれほど心配した事か…!」
エリウッド「く…くるし…よ……ねえさ…」
最早見違えるはずもなかった。
兄弟家の長女にして、母のように慕うミカヤだ。
エリンシア「もう、姉様ったら…。でも本当に、無事で良かったわエリウッドちゃん…」
エリウッド「エリ、シアね…さ…」
どうやらエリンシアも駆けつけてくれていたらしい。
疲れ切った顔のエリウッドの表情が、思わず綻ぶ。
しかし、
エリウッド「ミカヤ、ねえさ……エリンシアねえさ…ありが……」
そう言い掛けた所で彼は苦しそうに息を切らせながら、瞼を閉じた。
ミカヤ「エリウッド!?」
エリンシア「エリウッドちゃん!」
エリウッド「心配、しないで…。ちゃんと、聞こえ……る。ごめん、少し……疲れた…」
心配する余り声が大きくなる姉二人を気遣ってなのか、瞼は閉じたままに若干口元に微笑みを浮かべて、彼は静かに寝息を立てた。
「エリウッド、ゆっくりおやすみ…」
幸せそうに眠るそんな彼をしばらく見届けた後、ミカヤとエリンシアは病室を後にした。

268 :サヨナラ、エリウッド?▼第三話:2014/10/13(月) 23:07:06.28 ID:ta5/XmKj.net
ミカヤ「どうにか意識が戻ったみたいで安心はしたけど、先生から伺った話じゃ一週間くらいはこちらの御世話になりそうね」
エリンシア「エリウッドちゃんにはゆっくりして貰いたいもの。この一週間、家計簿は私達がつける事にしましょうか」
ミカヤ「そうね…。几帳面なあの子の事だもの、記入漏れなんかがあったら大変だわ。一家総出で協力して貰わなければね」
ミカヤのこの提案が、後々かえって彼を苦しませる事になろうとは誰も気付きはしまい。






他方、エレブ中学に通う末弟のロイは朝から余程エリウッドの事が気掛かりなのか、彼にしては落ち着きのない様子だった。
リリーナ「…ロイ、どうしたの?なんだか落ち着きがないみたいだけど」
ロイ「え…。そ、そうかな」
リリーナ「そうよ。算術の時間だって、ボーっとしてたじゃない。何か気になる事でもあるの?」
やはり幼い頃から一緒だったガールフレンドに隠し事は出来ないらしい。
ロイ「実は……」

ロイは話し始めた。
エリウッドが意識の戻らない危険な状態である事。その為なのかは分からないが、今朝からずっと上の空のような状態だった事……

ロイ「……エリウッド兄さんは生まれつき身体が弱いって事はミカヤ姉さんから聞いてたものだから、大丈夫大丈夫って自分に言い聞かせても、もしかしたら…なんて思う自分も何処かにいて…。……笑っちゃうよね。中学生なのに、こんな小さな子供みたいな事で悩んで…」
リリーナ「……そんな事、ないわ」
ロイ「リリーナ?」
リリーナ「私だって、考えたくないけどロイやヘクトルお兄様が今日明日中にもしかしたら……なんて事になったらきっと同じ気持ちになるわ。それが実の家族なんだもの……。私もエリウッドお兄様には優しくしていただいたし、まさかそんな事になっているだなんて…」
ロイ「リリーナ、ごめん。余計な心配かけさせちゃって。とりあえず今日学校終わったらすぐに病院に行ってみるよ…」
リリーナ「ええ。お兄様の無事を祈ってるわ」



チャド「おい、ロイ。今日遊ばね?」
終礼の後、ロイは仲のいい友人達に呼び止められた。
ロイ「ごめん、今日はちょっと用事があるから。また今度ね」
チャド「なんだよ。昼休みにリリーナと話し込んでたみたいだし、さてはまたデートの約束か?」
ロイ「そ、そんなんじゃないよ!」
ルゥ「……シャニー達から聞いたよ。なんでもお兄さんが入院してるんだって?」
レイ「けっ、ロイも意外と子供っぽいとこあんだな。俺だったら兄貴が入院したくらいじゃあ…」
ルゥ「レイ!」
チャド「そういう事だったのか。悪い」
ルゥ「僕達の事は気にせず行ってやりなよ。エリウッドさん、元気だといいね」
ロイ「みんな、ありがとう……」

269 :サヨナラ、エリウッド?▼第三話:2014/10/13(月) 23:08:55.22 ID:ta5/XmKj.net
学校から帰る途中、竜王家の前を通りかかったロイ。
声を掛けられて振り返った先にいたのは、
「……ロイさん…?」
ロイ「その声は、イドゥンさん?」
庭先で花の手入れをするイドゥンだった。
慌てるロイとは対照的に、いつもながら彼女は至って冷静だ。

イドゥン「…急いでるみたいだけど、どうしたの?」
ロイ「実は…エリウッド兄さんが入院してるんで、これからエレブ群病院に向かうところなんですけど…」
イドゥン「そうだったの。通りで朝からニニアンが落ち着きない様子だった訳だわ」
ロイ「ニニアンさんが?」
イドゥン「ええ。もともと体の丈夫じゃないあの子の事、どうしたのかと私達やニルスは勿論、爺様達も心配していたのだけど…」
ロイ「そうだったんですか」
イドゥン「ロイ君の話を聞いた以上、きっとエリウッドさんのお見舞いに行ったんだわ。見掛けたらよろしくね。あ…もしよかったらこれを…」
そう言って、花を一束分摘み取って丁寧にも包装紙にくるんでから手渡すイドゥン。
ロイ「!…こんなにいただけません!それにこのお花はイドゥンさんの働いてるお花屋さんの商品じゃあ…!」
イドゥン「…いいの。時間と手間さえ掛ければいくらでも咲いてくれるから」
ロイ「ありがとう、イドゥンさん」


両手を花で一杯にしながら、ようやくロイはエレブ群病院に着いた。
ミカヤやエリンシアに連れられて来た事はこれまでに何度かあったものの、こうしてただ一人病院に足を運んだのは初めての事だ。
ロイ「あの…この病院で御世話になってるエリウッドの弟なんですが…」
「エリウッド様ですね。3階ローランの間へどうぞ」




ロイ「3階、ローランの間…ここでいいはずだけど……あっ」
ニニアン「あ……」
ロイ「ニニアンさん!ニニアンさんも兄さんのお見舞いを?」
ニニアン「え…ええ。マーカス先生からエリウッド様が入院されたときいて、私ったら昨日から食事も喉を通らずに……あっ」
ロイ「大丈夫ですか!?」
ふらふらと足取りがぎこちない彼女に、ロイは思わず手を差し出す。
ニニアン「…ありがとうございます。ごめんね、ロイ君もエリウッド様の事が気掛かりでここまでいらしているのに、余計な気を遣わせて……」
ロイ「いいんです…。そんな事より…」
ロイは、普段おしとやかでアグレッシブとは程遠い神秘的な彼女の足がひどく傷だらけになっているのに気付いた。
ロイ「そのお怪我は一体どこで…」
ニニアン「あ…いいん、です。大した怪我じゃ……あっ」
ロイ「ふらついてるじゃないですか。ちゃんと治療しなきゃ駄目ですよ!」
リフ「わたしは そうりょリフ。いりょうしかくは ありませんが、ちりょうの つえが つかえます。よろしければ ちりょう させてください。」
ロイ「あ!リフさん、丁度いいところに!ニニアンさんが足を痛めているんです、ライブの杖をお願いします」


ロイ「…これでよし、と。痛みはもう大丈夫ですか?」
ニニアン「……はい。ありがとう、ロイ君」
ロイ「それで、どうしてあんなにひどい怪我を?まさかどこかの暴漢にでも?それにしても…なんてひどい事を……」
ニニアン「ふふっ」
ロイ「え?僕、何かおかしな事を言いましたか?」
ニニアン「ロイ君たら、エリウッド様みたい。自分もお辛いのに、そんなにお優しい言葉を掛けてくださるなんて。
実はね、メディウスの爺様にお願いして、昨日の晩にイリアの高原まで連れて行っていただいたのです。あの高原は私やニルスが生まれ育った場所でもあって、その場所には私の大好きな秋の初め頃から冬にかけて咲く、とても綺麗な白い花があるのです。
そのお花の花言葉は、「長寿と健康と幸福」…だからどうしても私……」
顔を赤らめながら、ニニアンは告げた。
無茶な行動だったと思いつつも、ロイは決してその事を咎めようとはしなかった。
ニニアン「結果的にメディウスの爺様やニルスにすごく心配かけてしまって……。でもエリウッド様は心配しながらもすごく喜んで下さった……エリウッド様の笑顔を見れただけで、私…私…」
苦労した以上の嬉しさに思わず涙をこぼす彼女を見て、改めてロイはエリウッドと彼女との間にある強い絆を実感する。
ロイ「僕からも言わせて下さい。いつも兄さんの事、自分の事のように大切にして下さって本当にありがとう」

ニニアンに別れを告げた後、ロイはエリウッドの入院しているであろう病室へと足を踏み入れた。

270 :サヨナラ、エリウッド?▼第三話:2014/10/13(月) 23:09:46.18 ID:ta5/XmKj.net
倒れてから初めて見た彼の顔は、深い眠りについているのかどこか穏やかに見えた。
ベッドのすぐ脇にある小さなテーブルには、先程ニニアンが置いていったものだろう、白い花も見える。
ロイ「…エリウッド兄さん!」
ロイは思わず叫んでいた。普段神経細かく変化に敏感な彼の事、直ぐに反応あるものと思っていたが、5秒…10秒…とうとう一分近く経っても反応がない。
ロイ「エリウッド…兄さん……」
恐る恐るベッドに駆け寄るロイ。
と、その時微かな呻き声と共に、エリウッドが目を覚ました。

エリウッド「その声は……ロ、イ…なのか…」
ロイ「エリウッド兄さん!」

エリウッド「ロイ……泣いて、るのかい?声が、震えて、る…じゃないか」
ロイ「な、泣いてなんか…!兄さんの反応があまりになかったもんだから…」
エリウッド「そう、か…姉さん達やニニアンにも、そうだが、きみにも、迷惑かけて…ばかりだな…」


二人のそんなやり取りを、窓辺からそっと覗く天馬騎士の影が3つ…

フィオーラ「……あ、あの爬虫類〜!私が先手で打とうとしてたエリウッド様へのプレゼント作戦を〜〜っ!!」
ファリナ「プレゼント作戦て…姉貴がやろうとしたのは明らかな誘拐作戦だったじゃんか」
フロリーナ「…ね、ねえお姉ちゃん…。私、今日リンと遊ぶ約束してるんだけど、もうそろそろ行っちゃダメ、かな?」
フィオーラ「…こうなりゃ取って置きのあの作戦で行くわよ!」
ファリナ「……入院してる時ぐらいそっとしてやんなよ…だからベルン署にストーカー容疑としてブラックリストに乗るんだよ姉貴……って聞いてないや……」


第四話に続きます───。

271 :助けて!名無しさん!:2014/10/17(金) 20:37:37.70 ID:odi+JdQm.net
しかし原作プレイ時から思ってたんだけどエリウッドってなんの病気なんだろう
色んな支援会話から見ると持って生まれた病気っぽいが両親も息子のロイも特に病気ってわけでもないから遺伝病でもないんだろうし
周りの人間がピンピンしとるから人に移る病気ってわけでもなさそうだ…

虚弱体質とかそういうのなんだろうかね

272 :助けて!名無しさん!:2014/10/18(土) 11:08:28.11 ID:ISdLq3mp.net
病弱体質はもとより、二十年後のあのやつれぶりを見ると嫁姑問題で精神的に色々苦労したんだろうな。
エレノアさんからすれば夫亡き後、唯一残された1人息子だし。支援でもマーカスからすぐに婚約者をと迫られてるし。
結婚相手も竜族で素性も知れないニニアンは言わずもがな、リンとはリキア中が騒然となった、フィオーラとは傭兵との結婚に反対する貴族のような後日談での記述があったし。

273 :助けて!名無しさん!:2014/10/18(土) 12:25:00.54 ID:JZEiUa1t.net
あれかな、結婚相手はできるだけ視野を広げてくれとかロイに言った結果があの結婚相手の多さなのかな

274 :助けて!名無しさん!:2014/10/18(土) 21:04:40.27 ID:9u7uLytl.net
メタな事言うと封印が制作された時点で烈火の構想はまだ無かったんだろうが…

ともあれ誰が嫁だろうと封印の時点では死んでるのよね、マーカス談によれば

ニニアンはこっちにいると龍の力がうんたらかたらで長生きできないとかなんとか言ってたからわかるがリンとフィオーラの場合エリウッドの病気移って死んだと普通に思ってた

でもよく考えたらそれならロイとか他の人にも移るだろうからそれは無いんだよね

あの二人なんで死んだんやろか

リンの場合は城暮らしにストレス感じそうではあるが

275 :助けて!名無しさん!:2014/10/19(日) 13:26:54.77 ID:3I/4OvhJ.net
リンにしろフィオーラにしろ他の相手と結婚した場合や独身だった場合は普通に生きていってるからね

276 :槍馬鹿兄貴の心配性:2014/10/19(日) 13:41:23.36 ID:1rIjLn5S.net
(しょうもない下ネタです。苦手な人はスルー推奨)



ある日の晩、俺がいつもの槍の特訓から帰ってくると、居間の方から何やら話し声が聞こえてきた。


「……つまる所C、D辺りのカップならまだまだ成長の余地があるかと…」
「Dあれば充……ブッ!何を言わせるんだお前という奴は!」


会話の内容から察するに、リーフとクロム兄上だろうか。
…全く、嘆かわしい。
生まれ育ちで人の価値を測れないのと同様、胸の大きさで女の価値を測ろうとするなど、もってのほかだ。
俺は思わずそんな意見が言いたくなる欲求を堪えに堪えて、二人がいるであろう居間に足を踏み入れた。

リーフ「あ……エフラム兄さんエフラム兄さん。兄さんはカップサイズならどれか一番だと思う?クロム兄さんに聞いたらね、Dが一番て言うんだよ。
せっかくなら理想はもっと、高く持たなきゃね。ハァハァ」
クロム「リーフ!俺はDあれば充分だと言ったまでで、別に一番だと言った訳では……!」
リーフ「なぁんだ、やっぱりね。それでこそ僕の兄さんだ」
クロム「…やっぱりとはなんだ!」
リーフ「ミカヤ姉さんから聞いた話しだとさ、僕やエリウッド兄さんの巨乳フェチは全部兄さん譲りらしいんだよね。他の兄さん達は知らないけどさ」
クロム「ば、ば、馬鹿!マルスや妹達が聞いてたら…!」
エフラム「……ふぅ、なんの話で盛り上がってるかと思いきや、全くくだらん。胸の大きさのみで女の価値が評価されると思ってるなら大間違いでだな……」
リーフ「…はいはい、幼女のペチャパイにしか興奮出来ないロリ兄さんはちょっと黙っててよ」
エフラム「……貴様、幼子を邪な目で…」
リーフ「だってそうじゃん、チキ、ミルラ、ファの竜王家の幼女達は勿論、サラも小さめだし。あまり大きな声じゃ言えないけどエイリーク姉さんも…でしょ?」
エフラム「そんな言い方をするな、あいつはあいつなりに悩んでいるのだからな。……エイリークの事は気の毒だとは思う。
だがそれだけで結婚出来ないだの子供を産めないだの乳をやれないだの嘆くのは間違いだ。事実、ティアモ殿にはちゃんと未来世界でセレナ殿という娘が産まれるだろう?クロム兄上」
クロム「おっ…お前、相変わらずストレートに言うな…」
エフラム「…何か間違った事でも言ったか?」
クロム「いや…確かにその通りではあるけども……言い方ってものをだな」


俺の根が単純なだけだろうか、俺が発言すると大抵アイク兄上やヘクトルを除いたほぼ全員からストレート過ぎるだのセクハラ紛いだの総ツッコミを食らう。
俺一個人としては、あくまで正直に思った意見を口にしているのだが……

277 :槍馬鹿兄貴の心配性:2014/10/19(日) 13:43:29.67 ID:1rIjLn5S.net
サラ「やっほ、兄様。遊びにきたよ」
エフラム「またお前は勝手に俺の部屋に…」
サラ「…ねっね、さっきリーフ達となんの話をしてたの?」
エフラム「……しょうもない話だ、気にするな」
サラ「兄様、むっとしてる。さてはまた胸のサイズの話?」
エフラム「リーフといい、クロム兄上といい、異常な程大きい胸のどこに魅力を感じるか分からん」
サラ「兄様はペタンコが好きだもんね……だからほら、触っていいよ?」
エフラム「だから何故そうなる……」
サラ「そういえば女の子ってね、男の人に優しく胸を揉んで貰うと胸がおっきくなるんだって。思えば兄様の妹達も胸が小さいなぁとか思って」
エフラム「エイリークにセリカにセリスか。……まぁ当然だな。どこの馬の骨とも分からん輩に不埒な真似をさせる訳にはいかんからな」
サラ「……自分は幼女達の胸には平気で触るのに?」
エフラム「だからそれは故意ではないと何度……ん?」
サラ「どうかした?」
エフラム「そういえば……」




サラを見送り、その日の夕飯を済ませた後、俺はリンの部屋を訪ねた。
リン「……エフラム兄さん?何、何か私に用なの?」
妙に頬を赤らめながら、リンは言う。
思い当たる節でもあるのだろうか。

「なぁ、リン。そういや思った事があるんだが…」
リン「え……何?」
「お前のその胸は…」
リン「な、な、何よ!クロム兄さんやリーフじゃないんだからそんなとこばかり見ないでよね…//」
「……」
リン「(やだ…私ったら何期待してるのかしら…//)」


「……お前のその胸は一体誰に揉まれて大きくなったんだ……」


リン「…ぇ…」
エフラム「誰だ、誰なんだ。よく共に草原に出掛けるという男か!?いや、お前に嫌らしい目を向けてる茶髪の男か!?
まさか……ヘクトルとエリウッド!?くっ、奴らめ…仮にも自分の妹に対してなんてふしだらな行為を…!」
マルス「…やだなぁ、エフラム兄さん。リン姉さんはどうせフロリーナさんやヘザーさんとに決まっぐぇ!」
リン「……」
エフラム「リン……?」


リン「うわぁぁぁぁん!エフラム兄さんの馬鹿ぁぁぁ!」



エフラム「……のようなやり取りがあって、昨日からリンに口を利いて貰えないんだが…
リオン「…そりゃそうでしょ…」
エフラム「?」


おわれ。

278 :助けて!名無しさん!:2014/10/19(日) 13:49:00.57 ID:3I/4OvhJ.net
ホンマ槍兄貴はよい意味でも悪い意味でもストレートやでぇ…

279 :助けて!名無しさん!:2014/10/19(日) 21:36:08.99 ID:jIsOPqfh.net
そういや原作でもエイリークに対して「色気の無い身体付き」と、どストレートに言ってたなw
原作じゃエイリークが軽く怒ったぐらいだったが、このスレのエイリークに言ったら殺意の波動に目覚めそうだw
何にせよ投下GJ!

280 :助けて!名無しさん!:2014/10/19(日) 23:59:13.09 ID:k+4db0jP.net
>>277
リンはエフラムに何を期待していたんですかね…(興味津々)

281 :助けて!名無しさん!:2014/10/20(月) 20:01:58.04 ID:qEz99lVW.net
ここのリン姉さんは面食いな上に惚れっぽいお方
兄上とはいえ好みど真ん中とくれば…


プリシラ「そろそろAKJに入会いただけませんでしょうか」

282 :助けて!名無しさん!:2014/10/20(月) 23:23:20.94 ID:xVPTUKiz.net
サラ「兄様には何して欲しいか直接言わないと分かんないのよね」
エフラム「何だよ唐突に」
サラ「別に、でも結果的にとはいえあれ以上大きくしてもらおうとか…」
エフラム「だから何を言ってるんだよ」
サラ「別に…ところで、こうして私を膝に乗せてるときに胸を触りたくなっても別に止めはしないんだけど…どう?」
エフラム「…どうと言われても」

283 :助けて!名無しさん!:2014/10/21(火) 02:55:25.43 ID:S7cTTyGw.net
>>280
胸を揉んで欲しかっt

リンは妄想激しそうだから考えを素直に言ってみた展開にも期待せざるを得ない

284 :槍馬鹿兄貴の仲違い:2014/10/21(火) 22:14:32.64 ID:/hycAmmS.net
…面倒な事になった。
リンとは既に2日程口を利いて貰えなくなっている。
リオンからもとりあえず謝罪した方がいいとの忠告を貰っているのだが、それすらも

「……もう気にしてないから。」

の一点張りでまともに取り合って貰えない。
リンは俺の大切な妹の1人でもある。
まさかこのままほっとく訳にもいくまい。


「…あら、あなたが私の部屋を訪ねに来るなんて珍しい事もあったものね」
俺は思い切ってミカヤ姉さんの部屋を訪ねた。
姉さんには他人の心を読む不思議な能力がある。
だからこそ俺は姉さんに頼ったんだ。
ミカヤ「……相談はずばり、ここ2、3日リンと仲違いが起きている事についてね?」
エフラム「!…流石姉上、俺が言う前に既にお見通しという訳か」
ミカヤ「まぁね。晩御飯食べてる時のあの子の態度を見てれば大体想像つくわよ。普段マルスやヘクトル以外には至って普通に接してるあの子が、やけにあなたにツンツンしてるもの」
エフラム「そうか。ならば話は早い。兄としてリンにどうしてやるべきか一度アドバイスを貰えないだろうか、姉上」
ミカヤ「そもそも、事の発端はなんだったの?」
エフラム「それは……」



ミカヤ「…なるほど。それじゃあ傷付く訳だわ」
エフラム「そうだろうか?俺は、ただリンの貞操とやらが心配になったのであって…」
ミカヤ「気持ちは分からなくはないけど、その言い方は例外なく女の子の心を傷付けるわ。
ヘクトルとエリウッドは……KINSHIN騒ぎになるから置いとくとして、ただでさえあの子、ラスやケントに淡い恋心を寄せてるから…ね」
エフラム「何?…もしやそれは相思相愛…」
ミカヤ「残念。レズ疑惑が広まって以来2人には完全に誤解されて、今じゃフラグ成立は難しい状態よ…」
エフラム「そうか」
ミカヤ「あ、今一瞬安心したでしょ?」
エフラム「…別に」
ミカヤ「(思いやり深いのはいい事なんだけど、度が過ぎてるのよこの子の場合…)……そうね。私の占いの結果、あなたに呼び止められた時、リンはこんな事を思ってたみたい」



((え…エフラム兄さん…
何の用なのかしら?そんな真剣そうな顔で目の前に立たれると正直反応に困るんだけど…
ま、まさかこのまま……な訳ないわよね!
ただでさえこの家には原作じゃ私のお婿さん候補のエリウッドとヘクトルがいるけど、
エリウッドは恋愛どころじゃないのと、ヘクトルは完全に食欲優先のメタボだからこそシグルド兄さんに特に目を付けられず今に至るのに……


え……胸…?
!?…あのエフラム兄さんが私の胸に興味を…?
リーフだったらひっぱたいてる所だけど…まさかエフラム兄さんが…。
やっと年相応の女の子への興味が湧いたのかしら?
それともまさか本当に私の事を…))



ミカヤ「(シグルドが聞いたら鼻から蒸気上げながら怒りそうな内容ねぇ…騒ぎが起きないうちにこれくらいにしとこうかしら)って、あら……エフラム?」

285 :槍馬鹿兄貴の仲違い:2014/10/21(火) 22:18:13.75 ID:/hycAmmS.net
なる程。
つまる所、リンは褒めて欲しかったんだな。
そういえばエイリークとは違って昔から俺やヘクトル、エリウッドに甘えてきた様子もなかったよな。
妹の気持ちを汲み取ってやるのも兄の勤め。ここは一肌脱ぐ事にしよう。


リン「ちょっと、エフラム兄さん!?…ノックもなしに脱衣所に入ってこないでよ!」
エフラム「リン、最近俺の事を露骨に避けてるだろう」
リン「べ、別に避けてなんかっ…!大体それはもういいって何度も言ってるじゃない!」
エフラム「俺の言動が悪かったなら素直に謝る。兄としてお前の事を心配していただけなんだ。だが、言葉足らずだったな。すまない」
リン「や、やめてよ!土下座なんて…私が悪いみたいじゃない!」
エフラム「リン、そんなに悩まなくともお前の身体は充分魅力的だぞ?」
リン「!?…や、やだ本当冗談はいい加減にしてよ!」
エフラム「またそうやって無理に目を反らそうとして。……実の兄相手に強がらなくたっていいじゃないか、お前は俺の大事な妹なんだから」
無意識の内に俺はリンの頭を優しく撫でていた。
撫でてから数十秒後に気付いたが、リンの頭を撫でたのはこれが初めての事だった。
しまった。ついいつもの癖が出てしまった。
前々からエイリークやセリカから「いい加減子供扱いはやめて欲しい」と念を押されていたのに。
彼女からも言われてしまうだろうか。恐る恐る、俯きがちになったリンの顔を覗き込む。
すると…


リン「ぅ…ぁ…」
どうしたというのか、リンは顔を真っ赤に染めたまま目を閉じ俺にもたれかかってきた。
すぐさま俺は彼女を抱き寄せると、ひたすら激しく揺すりながら名を呼ぶ。
エフラム「リン!…どうした、おい!しっかりしろ、リン!!」

反応は…ない。気絶してる…のか?生まれてこの方、入院はおろか、病院に行った事すらも数える程しかない、リンが?

リーフ「脱衣所がやけに騒がしいと思いきや…激しく抱き合うエフラム兄さんとリン姉さんが……ブバァァァァ!!」
エフラム「リーフ、貴様ふざけた事を抜かしてないで早く救急車を呼んでくれ!」
マルス「…やれやれ、幼女に飽きたらず実妹にまで欲情なさるとは…シグルド兄さん、こっちです」
シグルド「うむ、マルスよ報告ご苦労」
エフラム「ま、待て兄上!これには深い事情がアッー!!」


ミカヤ「間に合わなかった……ごめんなさいエフラム。お姉ちゃんが余計な事したばっかりに…」
セネリオ「ひどい有り様です」

その後、俺とリンの間には兄妹として然るべき距離感というものが戻った。
気掛かりなのは、俺と目を合わせる度やたら顔を赤くしてるのと、今度は……


リオン「やぁ、エフラム。妹さんとの仲違いは解決したかい?」
エフラム「ああ、まぁな。だが…」
リオン「なんだい、今度はまた別の悩み事?」
エフラム「ああ、今度はエイリークがやたら不機嫌がちになってな…「兄上だけは私の味方だと思っていたのに!」なんて言い出すもんだ、どうするべきか…」
リオン「!(元気のないエイリークを僕が励ます→「リオンだけが私の理解者です」→とうとう僕の春がキター!ルートくるかな…これは…)僕、ちょっとエイリークに声かけてくるよ」
エフラム「いや、待て。俺自身が招いた結果だ、なんとしてもここは俺が!」


……こうして俺は幼い子供達、そして妹達の為、今日も駆け回るのだ。


おわれ。

286 :助けて!名無しさん!:2014/10/22(水) 02:33:21.60 ID:a436FT2b.net
何かリンは夜中にエフラムの部屋に侵入して寝顔とか見てて次に布団に潜り込むか散々迷ってそう

そのうち我慢の限界が来て野性化したリンにエフラムが襲われる話とかはまd(ティルフィング)

287 :助けて!名無しさん!:2014/10/23(木) 01:40:04.55 ID:4/Op+E4u.net
〜 深夜 〜

リンの部屋

リン(ど…どうしよう…悶々して眠れない…エフラム兄さんの事ばっかり考えちゃう…)

エフラムの部屋

エフラム「ぐぅ…すぅ…むにゃ……や…槍……」
リン「来ちゃった…改めてじっくり見ると…やっぱり端正な顔立ちしてるわよね…」
エフラム「…すぅ…Zzzzz…い、妹…幼女…守らねば…」
リン「なんの夢見てるのかしら…いつも思うのだけど…なにから守るんだろう?」
エフラム「ヘ…ヘクトル……」
リン「ちょっ!?なんでヘクトルが出てくるの!?喧嘩の夢とかよね?アッーとかやめてよね!?…って、そんなわけないか…何考えてるんだろ私…ふぅ…」
エフラム「……ダイエットしろ…最近デブでしか出番がないことをちょっとは考えたらどうなんだ…この馬鹿…」
リン「あ…うん。そうよね。実は心配してたのね。きっと……で、でで、でもダイエットって…やっぱり細い方がいいのかしら…つまりつるぺた幼女の方が…」
エフラム「すうすぅ…」
リン「幸せそうな寝顔よね…どうしよう…落ち着かない…」
エフラム「俺…割と突っ込み担当な気がするのだが…」
リン「うん、無いから…こんなにじっくり兄さんの事知るの…初めてかも。寝言だけど」
エフラム「り……リン……」
リン「!?」
エフラム「………すぅ…」
リン「いいい、今私の事を!?…ああもうどうしよう…ちょっと顔を見たくなっただけなのに…もう…」
エフラム「むにゃ…」
リン「もう……ちょっとだけ…いいわよね?」

闇夜の中…足音一つ立てずに獲物を狙う狼のようにリンは歩み寄りエフラムの布団に潜り込む。
リン「い、一緒に寝るくらい…ね。うん、お休みのキスくらい…」
不可思議な寝言を立てながらも整った顔立ちを見てると…吸い込まれそうになりその唇に唇を寄せ…

288 :助けて!名無しさん!:2014/10/23(木) 01:40:44.54 ID:4/Op+E4u.net
ミルラ「ふにゃ?」
リン「え…ちょ……」

そして逆隣に潜り込んでたこどもを見つけるのだった。
ミルラ「(ヒソヒソ)リンおねーさん抜け駆けはずるいです!」
リン「(ヒソヒソ)ちょ、ちょっと!なんでここに!?」
ミルラ「(ヒソヒソ)昨日はサラの日、その前はチキ、その前はファ、さらに前はノノ、今日は私の日だからですが?」
リン「(ヒソヒソ)ローテーションなんてあったんだ…」
ミルラ「(ヒソヒソ)日曜はンンやマークも参加してお兄ちゃんのお部屋で全員でお泊り会です」
リン「(ヒソヒソ)あんたたち仲良いわね…」
ミルラ「(ヒソヒソ)お兄ちゃんは幼女とフラグを立てすぎなのです。下手をするとマリアやユミナやニノあたりともフラグを立てないか私、気が気じゃないんです。人数増えたらローテーションの私の日が減っちゃうです!」
リン「(ヒソヒソ)ありえそうで困る…時々思うのだけどなんでこんなに幼女に愛されるの…」
いえ、そうじゃなくて!キスはずるいです!」
リン「(ヒソヒソ)はひゃい!?」
ミルラ「(ヒソヒソ)過去ネタでもサラとファはキスしたことあるのに私は無いです。お兄ちゃんと一緒に寝るたび何度キスしたくなったか…でも起きてる時にお兄ちゃんの方からしてほしくて我慢してるのに!」
リン「(ヒソヒソ)ま て い ! ませたとこのあるサラはまだしもファとまで!?か、かなり危険な領域でしょぉ!?」
ミルラ「(ヒソヒソ)それがなにか?お兄ちゃんはろりぺどなのですが」

エフラム「お前ら……そういう話はせめて本人のいないところでだな…(ぼんやり)」
リン「お、起こしちゃった?」
ミルラ「ごめんなさいお兄ちゃん…」
エフラム「(うとうと)なんか知らんがそんな事を気にしてたのか…妹と子供の願いを叶えるのも兄の務め…ほら…」
リン「え?」

温かくて優しい掌がリンの頬を撫でる。
寝ぼけまなこのエフラムは朦朧とした意識のままに穏やかな微笑みを浮かべるとリンに顔をよせ…

エフラム「ん…」
リン「ちゅ…って、え、え、ええええっ!?」

軽く唇を重ねた。

ミルラ「あ、ああああっ!?」
エフラム「むにゃ…ふにゃ…ああ、落ち着けミルラ…ん」
ミルラ「はぅ…ちゅ……ぽ〜〜……」

今度はミルラの頭を撫でると優しく唇を重ねる…
そのまま兄の務めを終えたのかどうかとばかりにぱったりとエフラムは寝入ってしまった。
兄の隣にぎゅっとくっついたままドギマギしつつも逆隣に先客がいたこともあって内なる野生の衝動を解き放つこともできず、
本能と理性のせめぎあいでリンが寝付けたのは日の出も近い時間の事でした。



火曜みすてりー

〜兄弟家殺人事件〜

被害者 エフラム
容疑者兼第一発見者 リン&ミルラ 
状況 死人はベッドの上でティルフィングの串刺しになっていた。天井には穴が開いていた。

終わり

ついやってしまった。すまんそ

289 :助けて!名無しさん!:2014/10/23(木) 02:31:29.71 ID:DPc+Pjgc.net
>>288

くそっ…エフラム爆発し……なんでもない。



シグルド「UGYAAAAAAOOOOooooo〜!!」


ロイ「朝からシグルド兄さんが発狂してる!?何事!?」
アイク「すごいな兄さん。とうとう武空術を身に付けたか」
クロム「そんな事より、早く壁に埋め込まれたリーフを助けるぞ」


エイリーク「………」
マルス「………」
ヘクトル「(ヤベェ…コイツら、揃いも揃って目がイってやがる……)」

290 :助けて!名無しさん!:2014/10/23(木) 17:54:08.32 ID:kuTNaEMQ.net
サラ「自分の身体を好きにされてもいい覚悟ができないうちはまだまだね」
リン(く…わ、私だって…)
エフラム「何か分からんが余計なことを吹き込まないでくれと言うべきなのは分かるぞ」

291 :助けて!名無しさん!:2014/10/23(木) 20:41:45.34 ID:/crC4WNr.net
サラのつるぺたロリボディにリンのムチムチわがままボディと極端に対照的なのに迫られとるなw

292 :助けて!名無しさん!:2014/10/23(木) 20:50:35.82 ID:V9uvsOsy.net
マルス「幼女の対象ならBBAですな。熟女ですな。はっ!リン姉さんにぴったりですよ!」
エイリーク「だいたい兄上も兄上です!思わせぶりな事ばっかりでだからこうしてうんたらかんたら…」

シグルド「あ、あのな君たち…酒はまだいかんのだぞ?そもそもその嫉妬にはKINSINN的なものを感じてしまうのだが兄さんティルフィングも辞しませんよ?」
マルス&エイリーク「あ”あ”!?」(血走った据わった目)
シグルド「ぬわ!?」

リーフ「KINSINN感じたシグルド兄さんすらビビらせてる…荒れてるなあ二人とも…」

ヘクトル「むちむち…か…他人事とは思えねぇぜ…ふぅ…最近胸筋が弛んできた気がして…なぁ…一緒に鍛え直さねえか?」
リン「やめてよね!?変な仲間意識もつの!?私のはあんたのメタボと違うんだからね!」

293 :助けて!名無しさん!:2014/10/24(金) 20:55:52.15 ID:+j3mWf5k.net
〜エフラムの部屋〜

リン「よし……兄さんはまだ帰ってないか。今日は遅くなるかもって言ってたし……じ、じゃあ……」

ぼふっ

リン(兄さんのベッド……兄さんの匂いする……前から一回やってみたかったのよね……な、なんかちょっと我慢できなくな)
サラ「なるほど、まあそうなるのも分からないでもないけど」
リン「……!? な、ななな何なの!? ひ、人の部屋に勝手に入っちゃ駄目でしょ!」
サラ「あなたの部屋でもないじゃないの……」
リン「う……わ、私は常識の話を……って何なの、その凄い格好は」
サラ「これ? そんなに変?」
リン「サイズの合わないYシャツ一枚だけとかどう考えても凄い格好じゃない」
サラ「男の人はこういうのが好きらしいから。今日は兄様から貰ったYシャツ一枚でたくさん可愛がってもらおうかと」
リン(今日はって……この子いっつも兄さんとコスプレ紛いの格好でベタベタしてるんじゃ……ていうか兄さんから貰ったシャツとか羨ましい……)
サラ「人のことを凄い格好とか言うけど、あんなことするくらいだしあなたの頭の中も凄い妄想でいっぱいなんじゃないの?」
リン「ちょ、な、何を言うのよ!」
サラ「ムキになるところが怪しい、兄様でどんな妄想してるのか言ってみなさいよ」
リン「なんであなたにそんなこと言わなきゃ……」





エフラム(人の部屋で何やってんだあいつら……)

294 :助けて!名無しさん!:2014/10/24(金) 21:20:52.67 ID:AnpmyvIX.net
お前等本当に妹好きだなw

295 :助けて!名無しさん!:2014/10/24(金) 21:26:47.20 ID:onUanMDs.net
クロム「姉上の良さがわからんとは嘆かわしいな! な、お前そう思うだろ半身」
ルフレ♂「(天界漫才に出れることが解っただけでテンション高いなぁ……)」
ルフレ♀「(プレイアブルじゃなかったせいで喜びのハードルが低くなってる……)」

296 :助けて!名無しさん!:2014/10/24(金) 21:32:03.17 ID:ND6a8RQm.net
姉を求めるクロムのために姉キャラを紹介しようのコーナー

ユミナ「………何よ?」

297 :助けて!名無しさん!:2014/10/25(土) 00:00:08.09 ID:XLBeZua3.net
>>293
エフラムはサラと普段どんな遊び(意味深)してるんですかね…
リンはどんな妄想してるんですかね…

298 :助けて!名無しさん!:2014/10/26(日) 01:58:38.65 ID:qmqMz7ki.net
リンの妄想世界の系譜

いろんなイケメンとお花畑的な恋愛脳内遊戯を楽しむ



レズ疑惑でことごとくフラグが折れる。リンに彼氏ができるのがいやんなシスコンマルス様の策略もありそう



喪女ルートに入りかかりフラストレーションが溜まりに溜まりとうとう身内のイケメンとの妄想に走る



兄者もシスコンだったがロリでもあったので大変複雑な状態に
さらにフラストレーション溜まり中 ← いまここ

299 :助けて!名無しさん!:2014/10/26(日) 11:49:12.75 ID:NqHO9wDn.net
>>297
そりゃあお前どっちも前置き必須な18禁的な…おっと

リンもサラが羨ましいなら言えばYシャツの一枚くらいくれるんじゃないですかね
それで裸Yシャツでエフラムに迫るといいよ

300 :FE漆黒の女神(ただの異界のミカヤネタ):2014/10/26(日) 17:04:45.41 ID:MnCyUxnG.net
今からネタ投下します。
※クロムがただのシスコンこじらせた変態です
 KINSHIN注意
 (例・アイクorクロム×ミカヤ、アイクorクロム×エリンシア、アルム×セリカ)
 数年ぶりのネタ投下のため、現在のスレの流れについていけてません

301 :FE漆黒の女神(ただの異界のミカヤネタ):2014/10/26(日) 17:05:28.69 ID:MnCyUxnG.net
クロム「ミカヤ姉さん、特に用事はないが砂浜で変な生き物を見つけたんでぜひ戯れてほしいんだが…」
ミカヤ「えっ…クロム!?ちょ、ちょっと待ってて!後でそっちに行くから!」
クロム「なんだ、その押入れの中にいるのか。なんで後からなんだ?入るぞ!
ガラッ(ふすまを開く音)
ミカヤ(ダークマージ)「ヤダッ///」
クロム「きゃあぁっ!?///(吐血&鼻血)」
ミカヤ(ダークマージ)「入ってこないでって言ったでしょ!?ていうか何よその反応」
クロム「えっ…姉さん、なんでそんな恰好?(凝視)」
ミカヤ(ダークマージ)「いや、昔の衣装見つけたんでちょっと着てみようかなーって」
クロム「ジロジロ……」(な、なんだミカヤ姉さんのこの格好は!けしからん!着ているのはシースルーのタイツだからスケスケで、下半身は申し訳程度の布きれで覆っているだけだなんて…)
ミカヤ(ダークマージ)「や、やっぱり固まるぐらい違和感あるのかしら…?」
クロム「ダラダラ(鼻血)」(清楚系のミカヤ姉さんがこんな、こんな…アリだ!アリすぎる!ギャップ萌えか!これは暁の巫女ではなく漆黒の巫女!いや、ミカヤ姉さんは女神であるからして漆黒の女神!ファイアーエムブレム漆黒の女神!乞うご期待!)
ミカヤ(ダークマージ)「いやあの、あんまり見られるのも恥ずかしいというか、出血してるけれど大丈夫…?」
クロム「ギラギラ(視線)」(儚い感じなのにエロい!しかもこの下から見上げるポーズ!可愛い!そして目を向ければそこは…)
ミカヤ(ダークマージ)「おーい……」
クロム「ギンッ!(※凝視音)」(そう、胸の谷間!ミカヤ姉さんといえば貧乳説と隠れ巨乳説が流れていたが…これは間違いなく巨乳!しかも細いのに巨乳!胸だけ着痩せするタイプか!)
ミカヤ(ダークマージ)「大丈夫―?(手をヒラヒラ)」
クロム「ブハッ!(鼻血)」(ミカヤ姉さんが!いやらしい格好のミカヤ姉さんが俺に女神の微笑(※クロム視点)で手を振ってる!ここは楽園か!ああ、あの細い体を今すぐ抱きしめてみたい!
というかあの胸に俺の手はもしかしてサイズピッタリなんじゃ(略))
ミカヤ(ダークマージ)「ぞわっ!クロム、なんか目つきが怖いわよ!」
クロム「はっ!」(ミカヤ姉さんがケダモノ(エフラム)を見るような視線で俺を…!)
ミカヤ(ダークマージ)「……クロム?」

302 :FE漆黒の女神(ただの異界のミカヤネタ):2014/10/26(日) 17:06:01.14 ID:MnCyUxnG.net
クロム「俺は!俺はっ!大切な姉さんをっ!愛するミカヤ姉さんを汚してしまったぁぁぁ!!(柱に頭ガンガン)」
ミカヤ(ダークマージ)「きゃあぁっ!?」
クロム「俺は最低だぁぁ!FE史上最低のむっつりスケベロードだぁぁあ!!(さらに激しくガンガン)」
ミカヤ(ダークマージ)「ヒイイッ!?誰か、誰かクロムを止めてーー!」
クロム「(柱から頭を上げて)大丈夫だミカヤ姉さん、おれはしょうきにもどった(頭と鼻と口から流血)」
ミカヤ(ダークマージ)「えーと、大丈夫?癒しの手いる?」
クロム「ミカヤ姉さんのいや(ら)しの手!?(ロケット鼻血)」
ミカヤ(ダークマージ)「ぎゃあぁっ!?」
クロム「いや、大丈夫だ問題ない。ところでミカヤ姉さん、この変な生き物とその衣装で戯れてくれないか?ついでに写真も撮りたいんだが(変な生き物差し出し)」
ミカヤ(ダークマージ)「は?いやあの」
アイク「なんだ、騒がしいと思ったらミカヤ姉さんとクロムか」
ミカヤ(ダークマージ)「あ、アイク」
アイク「ん?ミカヤ姉さんその恰好(じーっ)」
ミカヤ(ダークマージ)「え、アイクまで何よもう///」
アイク「またそんな格好して。そんな薄い布きれ一枚だと風邪をひくぞ?(下半身の布めくり)」
ミカヤ(ダークマージ)「ぎゃあぁ!?」
クロム「きゃあぁ!?///バターン!(気絶)」
ミカヤ(ダークマージ)「何てことするのよ!?バカ!アイクのバカ!スケベ!」
アイク「ん?何か問題でもあったか?それより何でそんな格好しているんだ?」
ミカヤ(ダークマージ)「それは…この格好なら大人っぽく見えるかな~って」
アイク「ミカヤ姉さんは十分すぎるほど歳を重ねているだろう」
ミカヤ(ダークマージ)「そうじゃなくって!この前エリンシアと二人で買い物していたら、エリンシアの娘に間違われてね…一緒にいたリンはちゃんとエリンシアと姉妹って言ってもらえてたのに…」
アイク「別に、誰が何と言おうとミカヤ姉さんは姉さんだろう」
ミカヤ(ダークマージ)「エリンシアとリンがそれはもうショックを受けてて…わたしが大人っぽくないから、お姉ちゃんらしくないから二人を傷つけちゃったのかと思って…」
アイク「はぁ(ため息)あのな、ミカヤ姉さんはどんな格好をしていてもミカヤ姉さんなんだ。俺たち家族にとって掛替えのない大切な姉さんなんだ。それは何があっても変わることはない」
ミカヤ(ダークマージ)「でも……」

303 :FE漆黒の女神(ただの異界のミカヤネタ):2014/10/26(日) 17:08:19.76 ID:MnCyUxnG.net
アイク「いいか?(手をミカヤの頭に)ミカヤ姉さんはいつも通り笑って怒って心配して、それでいいんだ。そんなミカヤ姉さんだから、俺たちの姉さんなんだ。
ほかの誰でもない俺たち家族みんなの姉さんなんだ。どんな格好でも、どんな見た目でも、他人が何て言おうとそれは関係ない」
ミカヤ(ダークマージ)「アイク……」
アイク「エリンシアがどんなに頑張ってもシグルド兄さんの姉にはなれないし、リンがどれほど成長しても俺の姉はエリンシアとミカヤ姉さんだけだ。
だからそのままでいいんだ。誰に何と言われようとそのままでずっと俺の姉さんをしてくれればいい。二人にもちゃんと言っておく」
ミカヤ(ダークマージ)「うぅ……アイクっ!(抱き着き)」
アイク「おっと、仕方ないな、ミカヤ姉さんは(微笑んで頭なでなで)」
シグルド「KINSHINは許さんぞー!!ミカヤ姉上!そのような格好で男を!あまつさえ弟を誘惑するなんて恥ずかしくないのですか!?」
クロム「アイク兄上!嫌がるミカヤ姉さんをそんな無理やり手籠めに!俺のミカヤ姉さんを汚した罪は重い!覚悟しろ!!」
エリンシア「早まってはいけませんわ、アイク!お姉さまと力の成長率を合わせてもたった70%!
わたくしならアイクと合わせて120%!!より至高のKINNIKUのためにこの場はぶっとばして差し上げましょう!」
ユンヌ「ミカヤァーー!!今すぐその場所を換われ!今すぐにだ!!」
一同「つメダリオン」
ユンヌ「イヤアァァアァァァ!アイクハァハァ―――!」
シグルド・クロム・エリンシア「邪魔者は消えた!覚悟ー!!」
ミカヤ(ダークマージ)「ごめん、今ちょっと嬉しい場面だから後でね?(ワープ)」
シグルド・クロム・エリンシア「このHDNーー!!(転送)」
ミカヤ(ダークマージ)「ごめんねアイク、お姉ちゃん余計な心配しちゃってた。でも大事なのは見た目じゃないものね。愛する弟、妹たちのためにももっと別のことで頑張るようにするわ」
アイク「それでこそ俺たちのミカヤ姉さんだ。そんなミカヤ姉さんだから皆も、俺もミカヤ姉さんを愛している」
ミカヤ(ダークマージ)「へぁっ!?ア、アイク///」
アイク「ん?どうした?」
アルム「そう!兄弟姉妹で愛を伝え合うのは悪いことじゃない!」
セリカ「だって家族だもの!二人ももっと愛を交わすべきだわ!」
アルム「ああ、セリカ……君の瞳は美しいよ……」
セリカ「ああ、アルム……あなたの澄んだ瞳にわたしが映っているわ……」

304 :FE漆黒の女神(ただの異界のミカヤネタ):2014/10/26(日) 17:08:56.20 ID:MnCyUxnG.net
ミカヤ(ダークマージ)「つワープ」
アルム「二人一緒ならーーー!(転送)」
セリカ「何処へだって行けるわーーー!(転送)」
ミカヤ(ダークマージ)「ふふ…みんな変わらないわね。わたしは何を悩んでいたのかしら」
アイク「ああ。おっとミカヤ姉さん体が冷たいぞ。やっぱり冷えたんじゃないか」
ミカヤ(ダークマージ)「わたしが冷え症なのも変わってないわよ。あなたの体温が高いのもね」
アイク「そうか」
ミカヤ(ダークマージ)「そうよ」(楽しくて、騒がしくて、愛おしい。みんなと家族で良かった。わたし、お姉ちゃんで良かった。妹じゃなくて、娘でもなくて、お姉ちゃんで良かった)
アイク「ところでミカヤ姉さん」
ミカヤ(ダークマージ)「なあに?」
アイク「その衣装来てると胸回りや腰回りに肉が食い込んでるぞ。小柄だから余計に目立つ。ちょっと昔の衣装を着るのは無理があったんじゃないか?」
ミカヤ(ダークマージ)「……#」
アイク「食欲の秋だからって、たい焼きばかり食べてるから太るんじゃないか?今度皆で一緒に走るとするか。運動の秋だからな」
ミカヤ(ダークマージ)「……アイク、読書の秋ということで、ちょっと光魔法と闇魔法の研究してたの……」
アイク「そうか。俺には分からんが」
ミカヤ(ダークマージ)「くらえっ!光と闇が合わさり最強の暁光リザイア(光魔法(闇))!」
アイク「うおおぉっ!?体中から力が抜ける……!?(シュー)」
ミカヤ(ダークマージ)「どう?わたしの新技は?」
アイク「ボワン!(変身音)……ミカヤ姉さん、なんだこれは」
ミカヤ(ダークマージ)「うふふ、かわいいわよア・イ・ク・☆」
アイク(ショタ)「やめてくれ。これじゃ修業ができないじゃないか」
ミカヤ(ダークマージ)「大丈夫よ〜時間が経てば戻るから。いつもやられっぱなしじゃお姉ちゃんとして悔しいからね。はぁ〜、やっぱこの頃のアイクは可愛さもひとしおね(抱き抱え)」
アイク(ショタ)「子供扱いしないでくれ」
ミカヤ(ダークマージ)「その反応も懐かしいわ〜。はいはい、良い子ねアイク〜(頭なでなで)」
アイク(ショタ)「むぅ……」
ミカヤ(ダークマージ)「あ〜お姉ちゃんって最高!」

305 :FE漆黒の女神(ただの異界のミカヤネタ):2014/10/26(日) 17:10:02.76 ID:MnCyUxnG.net
後日談


エリンシア「ふぅ……120%のKINNIKUの素晴らしさが理解されないなんて……でもミカヤお姉さまの15%の成長率の力が魔力に負けないよう必死で成長しようとして結局レベルアップで伸びない、そんなKINNIKU。
速さのほうが大事だし、光魔法は軽いから重要視されず嘆きながらも努力を続けるKINNIKU。そう考えるとやっぱり成長率15%のKINNIKUもまた至高ですわね……
わたくしもまだまだ究極のKINNIKUマスターの道に至るには程遠いですわ……ワンモアセッ!」
クロム「エリンシア姉さん!ちょっとこのチェンジプルフでダークマージになってこの浜辺で見つけた変な生き物と戯れてほしいんだが……」
エリンシア(覚醒仕様)「あら、クロムちゃんも一緒にどう?」
クロム「ぎゃあぁ!?」
エリンシア(覚醒仕様)「えっ」
クロム「エリンシア姉さん、なんでそんな恰好を!?」
エリンシア(覚醒仕様)「ええと、ちょっと気分を変えようかと」(若く見えるからなんていえませんわ……)
クロム「うわぁぁぁん!(しがみついて泣きつき)」
エリンシア(覚醒仕様)「クロムちゃん!?どうしたの!?」
クロム「いやだぁ!エリンシア姉さん、遠くへ行かないでくれ!いつものエリンシア姉さんでいてくれ!」
エリンシア(覚醒仕様)「クロムちゃん……そうですわね、いつものわたくしでいいんですものね。何を馬鹿なことを考えていたのでしょう」
クロム「本当か!?いつものエリンシア姉さんに戻ってくれるのか!?」
エリンシア(覚醒仕様)「ええ、だから泣かないで……ね、クロムちゃん」
クロム「そうだよな!やはりいつもの熟女っぽいエリンシア姉さんが至高だ!若くて可愛いエリンシア姉さんなんてエリンシア姉さんじゃない!
俺のエリンシア姉さんは年寄り……じゃなくて、歳より老けて見えて、おばさんっぽくて、子供がいそうなくらい母性的な熟女系緑髪のはずだよな!」
エリンシア(覚醒仕様)「叫喚!慈悲!叫喚!慈悲!叫喚!慈悲!」
リン「私はエリンシア姉さんと違って慈悲などない!!流星!流星!流星!」
クロム「うおおおぉぉぉぉ!!(歓喜)愛してるぞ姉さーん!!」

306 :FE漆黒の女神(ただの異界のミカヤネタ):2014/10/26(日) 17:10:28.80 ID:MnCyUxnG.net
導きの塔2階にて
アルム「ああ、セリカ……君の瞳は美しいよ……」
セリカ「ああ、アルム……あなたの澄んだ瞳にわたしが映っているわ……」
シグルド「KINSHINは許さんぞーー!!くそっ、この見えない壁はなんだ!!(壁ドン)」
ルベール(壁際)「ああシグルド殿、壁ドンなんて私困ります///」
アルム「セリカ……」
セリカ「アルム……」
漆黒の騎士「早く帰られよ」

307 :FE漆黒の女神(ただの異界のミカヤネタ):2014/10/26(日) 17:10:55.46 ID:MnCyUxnG.net
以上です。
お粗末さまでした。

308 :助けて!名無しさん!:2014/10/26(日) 17:54:37.24 ID:MnCyUxnG.net
すみません、ミカヤのセリフ「そうじゃなくって!この前エリンシアと二人で買い物していたら、エリンシアの娘に間違われてね…
は正確には「エリンシアとリンと三人で」でしたね…
年増ネタだからと途中でリンを加えたからこんなことに…ちゃんと書き加えてあげられなくてごめんねリン姉さん
まったくひどい有様です

309 :助けて!名無しさん!:2014/10/26(日) 22:28:20.20 ID:DRuzBJaZ.net
>>300-306
投下乙!
最近エリウッドロイの常識兄弟に並びつつある常識人が、
久々に本来のクロムッツリに戻ってる良ネタでした!
やはりクロムの個性を立たせるにはシスコンネタが一番ですな。

454KBなんでそろっと次スレ用意した方がいいかな?

310 :助けて!名無しさん!:2014/10/26(日) 22:34:05.36 ID:DRuzBJaZ.net
立ててきました!
転載禁止とかついちゃったんだけどこれって仕様?

http://kanae.2ch.net/test/read.cgi/gamesrpg/1414330251/

311 :助けて!名無しさん!:2014/10/26(日) 22:36:34.56 ID:aTfrCXUf.net
480いってからでも十分だったんじゃないかなあ
埋まらない時にはほんと埋まらないし

312 :助けて!名無しさん!:2014/10/26(日) 22:54:58.13 ID:DRuzBJaZ.net
今回300レスそこそこで次スレってのもあるしなぁ

次回から480KB辺りで立てるようにするわ。

313 :助けて!名無しさん!:2014/10/28(火) 22:09:26.48 ID:pVgJOBZ2.net
>>309
クロム「待ってほしい。常識人とムッツリは普通に両立できるぞ?ロイもエリウッドもあいつら両方普通に女の子に興味があってエロいがだからといって常識人じゃないとは言わないだろう?
     エロい事に興味がある方が普通な事だと思うのだが。非常識人とはエロい事にまったく興味がないアイク兄上や幼女にしか興味がないエフラムや女にしか興味がないリンや男にしか興味がないヘクトルの事ではないだろうか」

314 :助けて!名無しさん!:2014/10/29(水) 02:41:04.22 ID:60cHO52z.net
>>296
クロム「せっかくだからもう一言だけ。君に25歳くらいのお姉さんはいるか?Eカップ越えているとなおいい。いたら是非紹介してほしい!」
ルフレ♀「ク・ロ・ム・さ・ん?」
クロム「ち、ち、ちが…」
ルフレ♂「浮気はいかんな半身よ?」

ユミナ「連れていかれちゃった…結局なんなのよ?」

315 :助けて!名無しさん!:2014/10/30(木) 16:44:18.42 ID:umwvN8Zj.net
>>299
裸Yシャツで迫ろうにもリンだと巨乳すぎてエフラムのシャツのボタンを留められないのでは…
逆に留めないほうがいいのか

316 :助けて!名無しさん!:2014/10/30(木) 17:56:10.72 ID:Mq8JXt6h.net
リンの部屋

リン「ふう…いいなぁ…って思っちゃった。私も兄さんのシャツ…ああもうこないだから悶々してばっかじゃない!?」

苦悩するリン。落ち着かずに部屋をうろうろしていたら…部屋の片隅に一枚のYシャツが落ちていた!

リン「あれ…なにこれ?私こんなの着ないんだけど…誰のかしら?」

壁壁壁壁
扉  リ壁 待機 ピ
壁   壁 リンは隠れた財宝を拾った!
壁壁壁壁

アイテム欄

E ソール・カティ
  マーニ・カティ
  爪
  牙
  エフラムのシャツ

リン「え…ちょ…に、にに、兄さんのシャツがどうしてこんなところに!?これはひょっとして天なる父と母なる地のお恵み!?ああ…感謝します…」

まあ大方は洗濯物をそれぞれの部屋に運んだエリンシアが落としていったとかそんなところだろう。
細かい事はいいのだ。
さっそくリンは上着を肌蹴け…ちょっと迷ったけれど下着もすべて脱いで一糸纏わぬ姿になった。
自分の部屋だもの。問題ないね。
そして大きな大きなYシャツに袖を通してみる…

リン「エフラム兄さん…やっぱり大きいんだ?…思っていたよりもずーっと…や、やだ…ドキドキしちゃう…」

Yシャツは意外なまでに大きかった。
背こそ高いし引き締まってはいるが巨漢というほどでもない体格の兄。
着てみたら胸が苦しいのではないかななんて思っていたら意外や意外。胸まで含めて全部ダブダブである。
ウエスト周りなんて下手したらリンの三倍くらいあるんじゃねってくらいゆるゆるだった。
リン「…え…あ、あれ?そりゃ腰の細さには自信あるけど…それにしてもこれは差がありすぎじゃない?」

なんかおかしい。
不思議に思ったリンは袖に鼻を寄せてみた。
野生の暮らしに馴染んでるリンは常人より遥かに鼻が利く。
サカ人の祖先は狼なんて神話もあるくらいである。

そしてその香りは……

317 :助けて!名無しさん!:2014/10/30(木) 17:57:12.02 ID:Mq8JXt6h.net
汗と男と贅肉の香りの集合体。
例えるなら夏場の男子柔道部のロッカーの中の香り。
男子剣道部の梅雨時の防具の蒸れた香り。
わかりやすい例えかわからないが…一言でいえばめっちゃ臭かった……
常人より遥かに嗅覚が発達してるだけにこれはたまらない…
そんな香りに包まれたリンは……



倒れた。

HP 0

居間

リーフ「あれ、どこ行ってきたの?」
マルス「ちょっとね。ダニエルさんの錬成屋まで野暮用さ。ふん。Yシャツがきたけりゃいくらでもきせたげますよ!!!」
セリカ「なーによなによ。すげー荒れちゃってるわね」
マルス「やだなあ何を言ってるのか僕にはわからないよ」
ヘクトル「あれ…俺のシャツがねぇぞ? 一週間着っぱなしだったから洗濯しようと置いといたんだが…どこいった?」

ヘクトルのYシャツ 錬成、名称変更 エフラムのYシャツ

318 :助けて!名無しさん!:2014/10/30(木) 20:04:32.43 ID:umwvN8Zj.net
エフラム本人に言えば妹の頼みならとか言ってYシャツの一枚くらいくれるだろうにw
そうなっても試しに着た時点で暴走してそうだが

319 :助けて!名無しさん!:2014/10/31(金) 18:03:04.53 ID:qW63adr/.net
試しに着て匂い嗅いでるうちに暴走してそう

320 :助けて!名無しさん!:2014/10/31(金) 20:13:44.71 ID:9DuQrIS5.net
 
ミスト  「お兄ちゃん!」
ワユ   「トリック!」
イレース「オア…」
レテ   「…ト、トリート」
サナキ 「お菓子寄越さぬと」
ララベル「悪戯を」
ユンヌ  「しちゃうわよ!!」

アイク「ああ、アンタ達か。そういえば今日はハロウィンか。ちょっと待ってろ」

そう言った後にお菓子の袋を取り出し、それぞれの手の平にお菓子を置いていくアイク。

アイク 「少し前にセリスがお菓子を分けてくれてたんでな。と、言うかだ。アンタ達は一人除いてそれを言う側の人間じゃないだろ」
嫁候補「(((((((´・ω・`)))))))」

リーフ  「流石アイク兄さん。凄い自然にフラグクラッシュしたよ」
ロイ   「流れ作業の如くだったね」
マルス 「そうだね。じゃあセネリオさん、統括どうぞ」
セネリオ「ひどい有様です」


ムシャクシャして書いた。ハロウィンネタなら何でも良かった。今は反省している
最初は逆にアイクが悪戯(只のミマモッテクレナイカタノムスマイルだが)をするネタを考えたがアイクらしくないので没った

321 :助けて!名無しさん!:2014/10/31(金) 22:19:03.14 ID:V1a2TvCf.net
>>320
久しぶりのアイク嫁精分ごっつぁんです。
「一人を除いて」ということはつまりサナキ様大勝利!

アイサナ始まったな(棒読み)。

322 :モテたくて(願望)、モテなくて(現実)、モテたくて(妄想):2014/11/01(土) 00:20:01.64 ID:P+cvpRKE.net
(妄想大暴走のリン姉さんと聞いてお馬鹿ネタ投下。苦手な人はスルーしてちょ)





あー、今日も疲れたなぁ。
もう…同じクラスの男子ってば、嫌らしい奴らばっかり。
胸とか太ももとか…そんな話ばっかりしてる。
もっと女の子らしいとこ見てくれたっていいのに。
……ブツブツ言ってもしょうがないか。もう寝よう。
寝てる時って、一番幸せ。
だって……容姿端麗な兄さん達との幸せな時間が待ってるんだもの……


ふと目を醒ますと、そこは夕日を望むオルリベス大橋で、私は夕日を背にアイク兄さんと二人きりで……。
リン「ねぇ、アイク兄さん。今日何の日か知ってる?」
アイク「……確かハロウィンとやら、だな。
しかし生憎今は菓子の持ち合わせがない。どうするべきか…」
リン「確かに小さい頃私よくアイク兄さんにそんな事言ったけど、今は……」
アイク「…なんだ?」
リン「セクシーになったって、言ってほしい…」
アイク「セクシーか……」
リン「うん」
アイク「セクシーになったな、リン…」
(以下、リンの妄想によるイチャコラタイムにつき、割愛)


リン「ぁ…アイク兄さ……もっ…と…」


ふと目を醒ますと、そこは飛竜の谷で、七色に輝く虹の下私はクロム兄さんと二人きりで……。

323 :モテたくて(願望)、モテなくて(現実)、モテたくて(妄想):2014/11/01(土) 00:21:27.53 ID:P+cvpRKE.net
クロム「今日はハロウィンだな」
リン「うん……。」
クロム「浮かない顔だな、どうかしたか?」
リン「ね、クロム兄さんはやっぱりエメリナさんの事が好きなの…?」
クロム「な、な、何故それを!?」
リン「……兄さん的には年下ってダメなのかな…。眼中になかったりとか…?」
クロム「い、いや…ダメという訳じゃぁ…」
リン「あ…また私の胸見てる…。クロム兄さんてば、エッチなんだから…//」
クロム「ま、待て!違う!俺はただ…!」
リン「いいよ、今日は『特別』な日なんだもん……。もっと、私の事見て…」
クロム「ぅぉっ…リン…!」
(以下、リンの妄想によるイチャコラタイム(ry)


リン「…クロム兄さん…そんなに見ちゃ…ゃっ…」


ふと目を醒ますと、そこはフェレ地区の草原を見渡せる丘で、草原に吹き渡る母なる大地の声を聞きながら私はエリウッドと二人きりで……。
リン「はい、エリウッド。胃薬ね」
エリウッド「ああ、いつもすまない」
リン「ねぇ、エリウッド。胃薬だけじゃなくって、たまには何かほしくならない…?」
エリウッド「?…例えば?」
リン「私の…身体、とか…//」
エリウッド「ダメだよリン!このスレでは僕等は兄妹なんだ…から…!」
リン「でも原作じゃ私達、夫婦になれるのよ?たまにくらいアルムとセリカみたいにイチャイチャしたって…。それとも、エリウッドは嫌なの…?」
エリウッド「り、リンディス…!」
(以下、リンの妄想によるイチャ(ry)


リン「は…エリウッド……もっと、優しくし…て…」


ふと目を醒ますと、そこはエフラム兄さんの部屋で、私はエフラム兄さんと二人きり、お互いを見つめ合って……


リン「エフラム兄さん…」

324 :モテたくて(願望)、モテなくて(現実)、モテたくて(妄想):2014/11/01(土) 00:24:00.56 ID:P+cvpRKE.net
エフラム「リン、今日も添い寝してやらねばならないか?」
リン「うん…」
エフラム「寒くは、ないか?」
リン「…うん…エフラム兄さんがいるから、平気…。ね…ぎゅってしてよ…」
エフラム「それは…流石にシグルド兄さんが黙っちゃおかないだろ」
リン「でも、でも…!幼女達にはやってた。私にはしてくれないなんて…ずるいわ」
エフラム「しょうがないな…今晩だけだぞ」
(以下、リンの妄想(ry)


リン「…ふ…ぁ…エフラムにいさ……す…き…」


「…AKJへの加盟署名をお願い致しますわ!」
リン「ん…!まぶし……って、えぇ!?なんなのよアンタ達!一体どっから入ってきたワケ!?」
ラケシス「会長のラケシスと申しますわ、リンディス様。是非我がAKJへの加入を御検討下さいますようお伺いに参りましたの」
リン「帰りなさいっ!大体人ん家のガラス窓を突き破って入ってきてどういうつもりよ、またエリウッドが胃を痛めるでしょ!?」
プリシラ「リンディス様、なんと罪深き妹君。四人もの兄様との恋に落ちてしまわれるなんて…」
リン「!?」
クラリーネ「アイクお兄様に、クロムお兄様、エリウッドお兄様にエフラムお兄様……いずれも素敵なお兄様方ですもの。恋をしても無理はございませんわ…」
リン「な、な、ちがっ…!」
ティニー「では先程の寝言はなんだったんですの?隠せぬ証拠です」
リン「ふみゃぁぁぁ…/////」



なんかリンは欲求不満の度が過ぎる余り毎日のようにこんな妄想に浸ってそう。
ついでに言うとフラグ相手が年上ばっかだから弟たちとの妄想は無さそう。

325 :助けて!名無しさん!:2014/11/01(土) 11:56:17.01 ID:2aXIetXQ.net
そもそもNOTkinsin旦那候補が
ラス 強いわ強いがタイミングがなんか悪くて使われにくい。
ケント 大体セットだがヘタレ易くて使われにくい
だからな
本編やって支援組みやすい襟ヘクフロ全てアブノーマルと言う

326 :助けて!名無しさん!:2014/11/01(土) 18:31:45.19 ID:h70KUNd2.net
あにーずでもシグルド兄さんとヘクトルの夢は見なかったのも実にリンらしい
シグルドはもう感覚的にはお父さんって感じでそういう目で見れないだろうし
ヘクトルは喧嘩友達ってノリで原作の婿候補の中でも関係性が結構異彩を放ってるしね

327 :助けて!名無しさん!:2014/11/03(月) 07:38:55.72 ID:FuPtppd2.net
AKJと言うと四天王と思われがちだが彼女たちは実は幹部会員
ライト層の平隊員は実は過去ネタには結構いた覚えがある

なにげにセリカとエイリークは既に会員だったはずだからリンが加入しても問題は何一つない…かも知れない

328 :助けて!名無しさん!:2014/11/03(月) 12:35:20.40 ID:z7znSnWC.net
ミカヤ→アイク(いい雰囲気に発展するネタ多数、またユンヌがアイクにゾッコン)
エリンシア→アイク(KINNIKU目当て。上裸を覗くネタ多数)
アイク→ミカヤ、エリンシア(本人はあくまで恋愛感情なし)
クロム→ミカヤ、エリンシア(姉さんForever)
エリウッド→リン(天然&恋愛どころじゃないので本人は好意に気付いてない)
ヘクトル→KINSHINネタには今の所無縁(原作のフラグ相手リンがいるが基本的にあまり仲がよろしくない)
エフラム→エイリーク、リン(本人的にはあくまで一人の兄として関わってる)
エイリーク→エフラム(言わずもがな。最近は兄が幼女とイチャついてるネタが多い為目立たないだけ)
リン→エリウッド、エフラム(異性としてかなり意識している様子。AKJ入りも近いか?)
マルス→リン(お互い仲良くしてるエピソードは今の所あまりない)
アルム←(既に相思相愛)→セリカ
セリス、リーフ、ロイ→KINSHINネタには今の所無縁


シグルド「…なんとなくまとめてみたが、くっ…!このままではマズイぞ…どうにかせねば!」

329 :助けて!名無しさん!:2014/11/03(月) 17:47:20.85 ID:FuPtppd2.net
たしかにマルスとリンの場合仲良くしてるエピソードはあまりないが…
マルスはリンに対してツンデレで構ってちゃんのうえMっぽいからお仕置きされたくて悪戯してるようにしか…
プロレス技かけられて痛い思いしつつ悦んでらっしゃるんですよ

330 :助けて!名無しさん!:2014/11/04(火) 22:23:02.53 ID:aJvhEu2S.net
そろそろネタ投下するなら次スレのほうがいい?

331 :助けて!名無しさん!:2014/11/04(火) 22:27:08.20 ID:hp/LaEiL.net
どんくらいの量なのかによるがまだ30以上あるんでっせ
まずは埋めないといかんでしょうよ

332 :Mルスの一週間:2014/11/04(火) 23:20:36.22 ID:UG1jeQWE.net
(埋め的な意味で、投下。苦手な人は各自スルーしてね)


〜月曜日〜


(兄弟家、脱衣所)
リン「(ふっふ〜ん♪さぁ今週も一週間が始まるわ!張り切ってかなきゃ。……えへへ、昨日早く寝たおかげかお肌のツヤもバッチリ!)(ポジティブsmile)」
マルス「……」
リン「あ……!」
マルス「ぶーっ!……プギャハハハハハm(^Д^)9」

ドガバキッゴキッ!

ヘクトル「ふぁ〜ぁ……今日は一限から化学か…だりぃな……。ん?」
リン「……オラオラ、誰が『カワイイは作れる(失笑)』ですってぇ!このまま回したろか!?」
マルス「あばばば…乾燥機に頭つっませるのはやめっ…」
ヘクトル「……朝から元気だな、お前ら…」


〜火曜日〜


「あぁ、カミュ…。あなたと二人きりで過ごす夜を、私はどれほど待ち続けていた事でしょう…」
「…なりません、姫。あなたにはハーディン王という愛する御方が。それに、私はカミュなど知りませぬ……」


シグルド「……なぁ、チャンネル変えないか?夕食時にこの手の番組を見るのは流石に…(なんだろうな、とても他人事には思えん…)」
ヘクトル「…同感だぜ…(ハーディン王の部下の配役がビラク…。うっ…!考えただけでぞっとするぜ)」
リン「チャンネル争奪戦はジャンケンで決めるってのが我が家の決まりだったじゃない!」
シグルド「それはそうだが……」
セリス「決まりだからしょうがないよね」
リン「…二人の男性の間で揺れる乙女心…切ないわ……」
アイク「なぁ、さっきから話の内容についていけないんだが肝心の戦闘シーンはまだなのか?」
エリンシア「(腕といい、太ももといい、細い…細過ぎますわ…。がっかりです……)」
リリーナ「(ZEINIKU要素も皆無だわ…細身のイケメンよりずっと映えるのに……)」
デジェル「(…ダメね、私好みじゃないわ…)」
セネリオ「ひどい有り様です」
ロイ「……というより三人共いつからここに…?」
リン「…ああ、いつか私との支援A枠を巡って争うイケメンで素敵で優しい男性二人が現れたり……しないかなぁ…//」
マルス「ないわー。今更そんな分かりきった事言わないでくださいよ」
リン「ムァァルゥゥゥスゥゥゥ〜〜!?」
(分身必殺)
ロイ「あーあ、しんじまって。ばかなやつだ」
リーフ「さり気なく僕もとばっちり食らってる事にも……ひとで…なし…」

333 :Mルスの一週間:2014/11/04(火) 23:23:00.13 ID:UG1jeQWE.net
〜水曜日〜


リーフ「あ、ロイ、ロイ」
ロイ「何、リーフ兄さん」
リーフ「先週、進撃の竜人の新巻買ったんだろ?僕にも読ませてよ」
ロイ「えー。(リーフ兄さんに貸すと、大抵ページが折れたりなんかエッチな栞が挟んだままになってるからやだな)」
リーフ「いいじゃん、頼むよ」
マルス「…時にきみたち」
ロイ「うわっ、マルス兄さん!?」
リーフ「びっくりしたぁ!」
マルス「流行りの漫画もいいけどたまには文学史も読まないとね、ほらほら」
リーフ「…どれどれ…」
『次の桜が咲く季節がくる頃にはもう、あなたがこの家にいないかもなんて考えたくないよ…。
でもね、時計の針は止まってくれないの。
あなたもいつか愛する人のもとへ行ってしまうの…。
分かってる。分かってるけど、セツないの……』
リーフ「って…何これwwww」
マルス「見るも涙(苦笑)、語るも涙(爆笑)なリン姉さん御自慢のポエムノート第十一巻!」
ロイ「……あのー」
「…ロイ、いいわ。私自ら制裁を下してあげる……」
あたたたたたたたたたたたた〜〜〜っ!
二人「ひでぶ!」
リン「ふー、すっきりした」
エリンシア「クロムちゃん、また稽古中に壁に開けましたわね!?」
クロム「待て姉さん!それは俺ではな…」
エリンシア「いい訳する子はぶっ飛ばして差し上げますわっ!」
クロム「人でなしーっ!」


〜木曜日〜


(兄弟家、台所)
セリカ「あら?…おはようリン姉さん」
リン「!…せ、セリカ!?お、おはよう…」
セリカ「?…こんな朝早くにどうしたの?あ、もしかして誰かにお弁当作ってあげてるの?」
リン「っ!//……そ、そういうセリカはアルムに…?」
セリカ「うん!アルムってばすっごく喜んでくれるのよ」
リン「そうなんだ…。あ!私今作り終わったとこだから、すぐ片付けるわね!……それじゃっ!」
セリカ「(リン姉さん、なんかよそよそしいわ…どうしたのかしら)」
(エリウッドの部屋)
エリウッド「…おはよう、リンディス」
リン「あ…エリウッド、ごめん。起こしちゃった?」
エリウッド「この時間には大抵いつも起きてるよ、平気さ」
リン「…はい、これ…お弁当ね」
エリウッド「ありがとう。いつも気を遣わせて悪いね」
リン「…いいの…そんな、事…(身近に居すぎて今まで気にしなかったけど…エリウッドって、やっぱり美形よね…//)」
エリウッド「…リンディス…………いつも綺麗だ。……………好きだよ」
リン「ぇ………なっ!エリウッド!?い、今なんて!?」
エリウッド「うん?」
リン「今、き…綺麗って…す、す、好きって…!」
エリウッド「ああ。リンディスの料理は彩りがあっていつも綺麗だ。それに味付けも濃すぎず薄過ぎずで、僕は好きだよ……って言ったんだけど、どうかしたかい?」
リン「あ…料理の事ね、それなら…別にいいんだけど」


セリカ「(リン姉さん、エリウッド兄さんのお弁当作ってたんだ。それにしても…リン姉さんのあの顔…もしかして…)」
マルス「…………」
セリカ「きゃ!…マルス兄さん、びっくりさせないでよ」

334 :Mルスの一週間:2014/11/04(火) 23:27:23.40 ID:UG1jeQWE.net
〜金曜日〜


アイク「今日は念願の焼き肉か」
ヘクトル「飯うめぇ!」
ミカヤ「二人共、食べるの早過ぎ。早食いは身体に毒よ」
ロイ「太るっていうしねぇ」
ヘクトル「…姉貴、おかわり!」
エリンシア「ヘクトルちゃんは本当によく食べるわねぇ。はいはい、ちょっと待ってね」
エリウッド「……食費…蝶サイコー!」
クロム「…エリウッドが血を吐き出したぞ」
ロイ「精神安定剤持ってくるね」
アルム「あ。焦げモヤシ発見!」
セリカ「私も見つけたわ、みんなお肉ばかりとるから案外残るわね」
リーフ「なんでそこで僕の皿に入れるんだ人でなしーっ!」
ヘクトル「おい、エフラム!お前一人だけそんなに肉取ってどういうつもりだよ!」
エフラム「やかましい、いちいちそうカッカするなピザ。さてエイリーク、セリス。お前達の分だ、受け取ってくれ」
エイリーク「あ…兄上!もう、自分の分くらい自分で取りますのに…!」
シグルド「(ピクッ)」
セリス「僕、もうちゃんと自分の分取ったもんっ!」
エフラム「そうだったか、すまん。気付かなかった。それじゃ……リン!」
リン「へ……へぅっ!?」
エフラム「これはお前の分だ、受け取ってくれ」
リン「え、エフラム兄さん……あ、ありが…」
シグルド「(ピクピクッ)」
マルス「…………」
ロイ「あれ?エフラム兄さん、自分のは?」
エフラム「妹達が優先だ。ピザ、アイク兄上、次は正々堂々早い者勝ちとさせて貰うぞ!」
ヘクトル「望むとこだぜ!」
アイク「……手加減はせん」
ロイ「あーあ、脳筋三人で肉の取り合いになっちゃったよ…。こりゃ長引きそうだね」
アルム「僕はベジタリアンだから問題ないよ。それはそうと、セリカ…あーんして」
セリカ「あー……」
シグルド「KINSHINごっこは兄さん許しませんよ!」
リン「(エフラム兄さん……自分の事より私の事を…//兄さんてばこんなにカッコイイ上マメでモテる要素だらけなのに、どうして幼女にしか…)って何エイリーク姉さん!顔怖いわよ!?」
マルス「………ギリギリ」







リーフ「…で、土日に無理矢理にでもリン姉さんと兄さん達とのフラグを折ろうとして、逆にボコボコにされてる訳なんだ?」
クロム「懲りない奴だな、お前は全く」
リーフ「ねぇ僕思ったんだけどさ、マルス兄さんてリン姉さんが他の兄さん達と仲良さげなのが気に入らないというより、正直……
〆られたり凹られたりするのが目的でからかってる節があるよね?
それってつまる所、マz……」
ロイ「もうやめたげてよぉ!」


つまり何が言いたいかというと、マルスはドM。はっきりわかんだね。

335 :助けて!名無しさん!:2014/11/04(火) 23:42:39.64 ID:V6qKCRrd.net
マルス様のMはマゾのM、それ一番言われてるかr

336 :助けて!名無しさん!:2014/11/04(火) 23:47:51.97 ID:hp/LaEiL.net
はっぱもM、シグルドも寝取られの精神的M
エフラムは時々天然S
セリスは無邪気にドSな小悪魔

337 :助けて!名無しさん!:2014/11/05(水) 01:06:58.02 ID:+hnhSE+C.net
ネタ投下しようと思ったら先越されてたアッー!

>>332-334
妄想するリンおいしいです(^q^)グッジョブです!
KINSHINけしからん!もっとやれ!
というかKINSHIN妄想するリンが流行っているのか!もっとやれ!
他の皆さんもグッジョブでした!もっとやれ!

では残りを考えず勝手に投下します
※アイクが結構シスコンな上、弱気だったり自信がなかったりする場面があります
 KINSHIN注意
  ひどい有様です:アイク×ミカヤ
  ちょっぴり:シグルド×ミカヤ
  大体いつも通り:アイク×エリンシア、クロム×ミカヤ、アルム×セリカ
  例外:アイク×クロム、エリンシア×ミカヤ
 初期の作品「さかあがり」を超超超リスペクトしてます

338 :背中の傷、傷のない背中:2014/11/05(水) 01:08:12.14 ID:+hnhSE+C.net
アイク「ただいま」
ミカヤ「おかえりなさい、アイク。今日はずいぶん遅かったわね。そろそろ帰ってくる頃かと思ってお風呂沸かしておいたわよ。外は寒かったでしょうし先に入ってきなさい」
アイク「いや、先に何か食いたい」
ミカヤ「ダ〜メ。ミカヤお姉さんお手製の秋の味覚をふんだんに使った夜食(カオス味)を用意してあげるからささっと入ってきなさい」
アイク「ミカヤ姉さんの手作りなら肉味(カオス)か。わかった入ってくる」
ミカヤ「よろしい」


アイク「ふぅ……寒い日の風呂は落ち着くな。それにしても毎度ミカヤ姉さんは俺が帰ってきた時にはタイミングよく風呂や食事の準備をしてくれているな。ありがたい」
ミカヤ「アイク、着替えとタオルおいておくわね」
アイク「ああ、すまない」
ミカヤ「……アイク♪たまにはお姉ちゃんが背中流してあげようか〜?」
アイク「ああ、頼む」
ミカヤ「オッケ〜♪……って、自分から言っておいてなんだけど、いい歳した異性の家族がこんなこと言い出したら普通は断るものでしょ」
アイク「そうなのか?」
ミカヤ「ハァ……こりゃ結婚はまだ先の話かな」
アイク「ミカヤ姉さんは結婚したい相手がいるのか?」
ミカヤ「あなたのことよ!あなたの!」
アイク「ん?俺は弟だから姉さんとは結婚できないぞ」
ミカヤ「そういうことじゃなくて……もういいわ。ま、今夜は特別サービスってことでお姉ちゃんがお背中をお流ししましょうか。ちょっと待ってね」
アイク「ああ……そうだミカヤ姉さん」
ミカヤ「なあに?」
アイク「この間のリザイア(ショタ化)は禁止だからな」
ミカヤ「……チッ」

339 :背中の傷、傷のない背中:2014/11/05(水) 01:09:17.92 ID:+hnhSE+C.net
ガチャ(風呂場のドアを開ける音)
ミカヤ「しっつれいしま〜す☆」
アイク「ん?ミカヤ姉さん水着なんか着て、家の風呂ではしゃぐ歳でもないだろう」
ミカヤ「あんたには恥じらいってものがないの?……あったらとっくに結婚してるわね」
アイク「?」
ミカヤ「ほらほら、背中向けて」
アイク「頼む」
ミカヤ「……アイクの背中って傷だらけね」
アイク「背中から斬りつけられることもあったからな。もうそんなへまをすることはないが」
ミカヤ「アイクの背中の傷にはたくさんの戦いが刻まれているのね。それから、たくさんの人を守ってきた証でもあるのかな」
アイク「そんな立派なものじゃないさ」
ミカヤ「ううん、立派よ。この傷はあなたの勲章ね」
アイク「……そうか」
ミカヤ「ええ。それに、あの小さかったアイクの背中が、今はこんなに大きく、逞しく……」
アイク「だから、子供扱いはやめてくれ」
ミカヤ「そうじゃないわ。立派な大人になったってことよ。お姉ちゃんとしては寂しい気持ちもあるけれど、それ以上にずっとずっと、誇らしいわ」
アイク「……そうか」
ミカヤ「そうよ」


ミカヤ「ん〜、立派な背中なのはいいんだけど、洗うのも大変だわ」
アイク「ありがとう、ミカヤ姉さん。次は俺が背中を流そう」
ミカヤ「え!?いや、わたしはいいわよ」
アイク「なんだ?遠慮するな」
ミカヤ「いや、遠慮してるんじゃないってば!」
アイク「嬉しかったことは相手にも返してやれ。ミカヤ姉さんはそう教えていた気がするが」
ミカヤ「むぅ……」


ミカヤ「それじゃあよろしくね……って、あら?」
アイク「どうした?」
ミカヤ「んー、もっと乱暴に擦られるのかと思ったら、全然そんなことなくて、むしろ優しい感じね。ちょっと意外」
アイク「あのな……いくら俺でも女の肌に乱暴な真似はしないぞ」
ミカヤ「おお、好感度5ポイントアップ〜♪」
アイク「なんだそれは」
ミカヤ「あ、ミカヤポイントは100ポイント集めるとね、」
アイク「それはどうでもいい」
ミカヤ「……ミカヤお姉さま特性肉料理が」
アイク「善処する」

340 :背中の傷、傷のない背中:2014/11/05(水) 01:10:22.05 ID:+hnhSE+C.net
アイク「……」
ミカヤ「どうしたの?アイク」
アイク「ミカヤ姉さんの背中はきれいだな」
ミカヤ「もうっ///いきなり何を言い出すのよ。そりゃ、わたしは背中を斬られるようなことなんてなかったから。ま、斬られそうになってもたぶん避けるけど」
アイク「……」(それから、とても細くて頼りない。昔は……いや、今も俺にとってミカヤ姉さんはとても大きな存在だ、だが……)
ミカヤ「……?どうしたの?アイク」
アイク「俺はこの背中を守りたくて強くなろうとしたんだ」
ミカヤ「え?」
アイク「小さい頃俺は喧嘩が強くなかった。姉さん、憶えてるか?」
ミカヤ「ふふ、そうだったわね。昔はクロムやヘクトル、それから近所のガキ大将とよく喧嘩して、傷だらけになってたわね」
アイク「情けない話だ。それだけじゃない、俺がやられてるときはミカヤ姉さんがいつも助けに入ってくれていた」
ミカヤ「シグルドもエリンシアも、そんな喧嘩はしなかったからね。あのころはアイクのことが心配でたまらなかったわ。それからの弟では慣れちゃってたけど」
アイク「……俺が、ガキ大将をやっつけた時のことは?」
ミカヤ「ええ、憶えているわ。アイクは自慢げな顔してたけど、お姉ちゃんとしては気が気じゃなかったわよ」
アイク「そうじゃない。その後のことだ」
ミカヤ「その後……?何かあったかしら」
アイク「……姉さんは、本当に自分自身のことはどうでもいいんだな」
ミカヤ「?」
アイク「負けたガキ大将が、あの後俺に石を投げつけてきたんだ」
ミカヤ「あ〜、そういえばそんなこともあったわね。石を投げるのは反則よね」
アイク「……あの時姉さんは俺をかばって、頭にも背中にも怪我しただろう。憶えてないのか」
ミカヤ「ん〜、そうだったかしら?」
アイク「姉さんは……いつだって自分自身のことを後回しにしすぎだ。自分の身を守らないで、家族の身を守る。自分の傷を放って、家族に癒しの手を与える」
ミカヤ「……」
アイク「俺はそんな姉さんが腹立たしくて、痛々しくて、見ていられなかった。悲しかった。傷つく姉さんが嫌だった。守れない自分も、情けなくて、悔しくて嫌だった」
ミカヤ「……」
アイク「でも姉さんは変わらない。どれだけ自分が傷ついても、家族を……それだけじゃない、他人を助けようとする。時には敵ですらも。自分を犠牲にして。俺がどれだけやめてくれと願ってもだ」
ミカヤ「……アイク、わたしは」
アイク「だから、だ」
ミカヤ「え……?」
アイク「姉さんは変わらない。だから俺が変わろうと思った」
ミカヤ「……アイク……」
アイク「自分のことを守らないミカヤ姉さんを、その背中を守れるように。姉さんが俺をかばわなくてもいいように、強くなろうとしたんだ。強くなりたかった……」
ミカヤ「……そっか」
アイク「だが、俺は本当に姉さんの背中を守れているのか?姉さんは変わらない。まだ人のために、俺たちのために無理しているんじゃないか?どこか俺の知らないところで傷ついているんじゃないか?」
ミカヤ「そんなことは」
アイク「どれだけ強くなっても、いつだってそれだけは自信がない……情けないな」
ミカヤ「……わたしの、ね」
アイク「ん?」

341 :背中の傷、傷のない背中:2014/11/05(水) 01:11:33.33 ID:+hnhSE+C.net
ミカヤ「アイク、さっきわたしの背中がきれいだって言ってくれたわよね」
アイク「ああ」
ミカヤ「じゃあ、ちゃんと守ってくれているのよ。わたしの背中がきれいだってことは。わたしの背中が傷ついていないのなら、それはアイク、あなたが守ってくれてるからなんだって、きっとそう」
アイク「……そうか」
ミカヤ「そうよ。それにアイク、あなたはあなたが思っている以上に、わたしのことを守って、助けてくれているわ」
アイク「そうか?」
ミカヤ「そうよ。アイク、小学生になってからは、わたしの荷物持ってくれるようになった」
アイク「それは」
ミカヤ「中学生になってからは、わたしの代わりに弟や妹も守ってくれるようになった。それから、どんなにわたしの仕事が遅くなっても、夜道を迎えに来てくれた」
アイク「……」
ミカヤ「高校生になってからは、わたしが病気になったときは、抱えて病院まで連れて行ってくれた。アルバイトをして、プレゼントを買ってくれた。力仕事は、何でもやってくれた」
アイク「……姉さん」
ミカヤ「それから、誰よりも強くなって、今では頼りがいのある立派な、誰に見せても恥ずかしくない自慢の弟として、いつもそばにいてくれてる。わたしの誇りになってくれた」
アイク「……俺は」
ミカヤ「ちゃんと憶えてる」
アイク「……」
ミカヤ「ちゃんと憶えてるから」
アイク「……姉さん、その……なんだ」
ミカヤ「あなたがわたしを守ってくれていたこと、誰よりも、あなたよりも、わたしは知っているから。だから自信を持っていいのよ」
アイク「……ああ……ありがとう」
ミカヤ「うん。アイク、あなたが弟で幸せだわ」
アイク「俺も……姉さんが姉さんで良かった」
ミカヤ「ふふ……」
アイク「おっと、長話をしてしまったな。流すぞ姉さん」
ミカヤ「おねがい」
アイク「しかし姉さん、この石鹸やたらつるつるするな」
ミカヤ「これが乙女の肌の味方なのよ〜このつるつる石鹸「そうりょリフ」が乙女の肌のダメージを」
アイク「乙女って歳じゃないだろう……おっと」
ツルッ!ムニュ……
ミカヤ「んにゃあ!」
アイク「ん、手が滑った。すまん」
ミカヤ「き、気を付けてよね!(ドキドキ)」(ビックリした……///)


ミカヤ「ねえ、アイク〜、やっぱりリザイア」
アイク「駄目だ」
ミカヤ「ちぇー。あ、アイク、髪も洗ってあげるわよ」
アイク「いや、さすがにそれくらいは自分でやる」
ミカヤ「遠慮しない遠慮しない。ほら、お姉ちゃんのおひざ貸してあげるから」
アイク「あのな……まあいいか。どうせ姉さんは聞かないだろう」
ミカヤ「お利口ね、アイク」
アイク「だから、子供扱いは」
ミカヤ「気にしない気にしない。っと、相変わらず剛毛ね。伸びてきたしそろそろ切らないとね」
アイク「そうか。どうでもいいけどな」
ミカヤ「あなたのそういうところって変わらないわよね〜ほんと」
アイク「そうか。どうでもいいけどな」
ミカヤ「もう……流すわよ」
アイク「ああ」
ミカヤ「はい、おしまい。さ、早くお湯につかって上がってきなさいな。わたしは夜食の準備しておくから」
アイク「そうか、急ごう」ガタッ(立ち上がる音)
ミカヤ「きゃあぁっ!?」
アイク「どうした姉さん」
ミカヤ「急に立ち上がらないでよ!せめてあっちを向け!」

342 :背中の傷、傷のない背中:2014/11/05(水) 01:13:05.11 ID:+hnhSE+C.net
ドカッ!バタンッ!!(風呂場のドアを豪快に開ける音)
シグルド「あねうえぇぇーーーー!!アイクゥゥーーーー!!毎度毎度懲りもせずイチャイチャと!しかも今回は裸のお付き合いですって!?
キィーーーー!許さん!KINSHIN許すまじ!そこへなおれ!切り捨ててくれる!!」
クロム「アイク兄さん!ミカヤ姉さんにいきなり勃ち上げて裸で迫るなんて今度という今度は絶対に許さん!しかも背中流してもらうなんて羨ましすぎる!
キィーーーー!妬ましい!なます切りにして嫁候補に配ってやる!!」
アルム「アイク兄さん!まさかミカヤ姉さんと裸の付き合いだなんて……!
キィーーーー!青い髪してクール気取りか!かっこいいんだよ!グッジョブ!尊敬するよ!」
セリカ「ミカヤ姉さん!あの朴念仁フラグクラッシャーのアイク兄さんを連れ込んで裸にするなんて……!
キィーーーー!すばらしいわ!ぜひ私たちとダブルデートならぬダブル混浴なんてどうかしら!?」
サザ「キィーーーー!ミカヤは俺が守る!」
ペレアス「キィーーーー!君に頼みたい!僕を殺してくれ!」
ゼルギウス「キィーーーー!この剣を使われよ!」
ユンヌ「ミカヤァーーー!支援Aにするのはあれだけ瞬殺(笑)緑風(笑)にしておけって言ったじゃない!アイクじゃどうせエンディング変わらないんだから!
キィーーーー!でも今すぐわたしに体を明け渡してくれるのよね!?なら許す!むしろグッジョブ!」
一同「つメダリオン」
ユンヌ「イヤァァァァァァ!!アイクハァハァッーー!!」
お怒りのみなさん「邪魔者は消えた!覚悟ー!!」
ミカヤ「つワープ」
アルム「二人一緒ならーーー!(転送)」
セリカ「何処へだって行けるわーーー!(転送)」
ゼ……漆黒「(´・ω・`)この(転送)」
ペレアス「(´・ω・`)HDNー!(転送)」
サザ「(´・ω・`)なんよ(転送)」
シグルド「甘い!KINSHIN撲滅の前にはそんな杖など無意味!」
クロム「甘い!姉への愛の前にはそんな杖など無意味!あ、でもレスキューならいつでも呼ばれる準備できてます!」
ミカヤ「ぎょぎょ!そんなに強い想いがあったなんて……負けたわシグルド」
クロム「えっ」
シグルド「ミカヤ姉上、やっとわかってくれたか」
ミカヤ「ええ、シグルドのその気持ち、気づかなかったわ。ごめんなさい」
クロム「えっ」
シグルド「わかってくれて嬉しいよ、ミカヤ姉上。それじゃKINSHINは」

343 :背中の傷、傷のない背中:2014/11/05(水) 01:13:39.56 ID:+hnhSE+C.net
ミカヤ「シグルドも背中流してほしかったのね」
シグルド「えっ」
クロム「えっ」
ミカヤ「そうよね、長男だってたまには甘えたい時もあるわよね……よ〜し、お姉ちゃんに任せなさい!」
シグルド「えっ」
クロム「えっ」
ミカヤ「明日は楽しみに待っててね〜♪」
シグルド「いやっ!?そうじゃなく!?っていうか私がですね!?KINSHIN!?な!?」
クロム「落ち着いてくれ」
ミカヤ「照れない照れない。シグルドも可愛いところあるわね〜☆」
シグルド「ち、ちがっ!?///うわーん!!ミカヤ姉上のぶぁかぁ〜・゚・。 。・゚・(ノД`)・゚・。」
ミカヤ「泣くほど嬉しかったなんて……シグルドの甘えたい気持ちに気づけないなんてお姉ちゃん失格ね」
クロム「……あの〜、ミカヤ姉さん」
ミカヤ「なあに?」
クロム「ぬわっ!水着最高!(ロケット鼻血)じゃなくて、その、俺も……///」
ミカヤ「ああ、クロムも背中流してほしかったのね」
クロム「いや、コホン、まあ、ミカヤ姉さんがよければ、だが(゚∀゚)」(キターーーー!!)
ミカヤ「え?私が気にすることじゃないと思うけど」
クロム「それじゃさっそく!今すぐにでも!背中流してもらうだけだから!」(脱ぎ脱ぎ)
ミカヤ「だって。クロムも仕方ない子ねぇ。しっかり流してやってね、アイク」
アイク「わかった」
クロム「えっ」
ミカヤ「そうよね、いつもクロムのことお姉ちゃんばかりが独占してるものね。たまにはお兄ちゃんにも甘えたいわよね」
アイク「そうだったのか」
クロム「えっ」
ミカヤ「めんごめんご〜、お姉ちゃん気づかなかったわ☆じゃ、二人が仲良くお風呂にいる間夜食を暖めておくわね。それじゃ、よろしくね、アイク」
アイク「任せろ」
クロム「えっ、いやっ、ちょっと待っ」
アイク「セネリオやキルロイならともかく……お前の肌に手加減はせん。覚悟しろ」
クロム「アッー!」
セネリオ「ひどい有様です」

344 :背中の傷、傷のない背中:2014/11/05(水) 01:15:11.52 ID:+hnhSE+C.net
エリンシア(影)「……ボタボタボタボタボタ(鼻血)うふふ、やりましたわ。アイクの肉体美、しっかり写しましたわ。
しかも甘えたアイク(KINNIKU)、弱気なアイク(KINNIKU)、照れるアイク(KINNIKU)なんて豪華すぎ、レアすぎですわ……!しかもおまけでクロムちゃんのKINNIKUも激写できましたし。
惜しむべくはわたくしがアイクの背中流したり、髪洗ったりしたかったのですが……でもそれでは写真を撮れないですものね。仕方ありませんわ。強いられているのですわ」
イレース(影)「アイクさんのKINNIKU……おいしそうです……
でもミカヤさんの夜食のいい匂いがするのでちょっとだけいただいてきますね……(^q^)」
エリンシア「はぁ……Ike is KINNIKU。KING of KINNIKU。でも最近……ミカヤお姉さまの頼りない肢体に秘められた成長率15%のKINNIKUを想像すると、なんだかイケナイ気持ちになってしまっていますわ。
ああ、あの成長率15%のKINNIKUをわたくし色に染め上げたい……!アイクハアハア……ミカヤお姉さまハァハァ……」

345 :助けて!名無しさん!:2014/11/05(水) 01:48:39.89 ID:sVWt/dtx.net
上記作者です。規制食らったのでスマホから
ネタは以上になります。自分が書くと大体アイクがシスコンになります
ついでにエリンシア姐さんが変態です。ごめんなさい
そんな私にクロムは恰好の標的。変態二号です。ごめんなさい
あと賑やかしのシグルドとアルムセリカ、出落ちのユンヌ、オチのセネリオとイレース…
アイクとミカヤの関係は「さかあがり」を見てからイメージが固まったのですが、なかなかあんな良ネタは書けず…

このスレ見てると新しい組み合わせやキャライメージで楽しめるので好きです
いつか長女と末っ子でネタ考えたいなぁ…
お粗末様でした ペコリ<◯>

346 :助けて!名無しさん!:2014/11/05(水) 09:06:04.47 ID:a3YBBTzM.net
そういえば、シーダ様はイニシャルからしてSだったな

347 :助けて!名無しさん!:2014/11/05(水) 22:53:29.23 ID:zi4wqzkx.net
    ノ   ノ      ヽ    /   ヽ
   ノ   ノ-------   ヽ  /     ヽ  ノ
  ノ |      ノ      ヽ/        ノ
    |     ノ       /ヽ       ノ
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  /      \        ノ     -----ノ     ノ |        ノヽ
                 ノ         ノ        |       ノ   ヽ
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   '           ヽ、
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/;;;;   ii   i;;  ;;ii  /  |
|;; ii   i  ..ii: ::.;i  ..::  ,,|
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ト、.;;;/ ̄ ヽ..、/"   ヾ ,,,|       ,.r ''´ ̄ ̄ ̄``ヽ、 ヽ ̄゛'‐─-、/    ゛'‐=z ,,‐":::::::::::::::::: ̄゛'‐-、.
ヾF"|            ト |      r'´          _>,_゛'‐、   ヽ,´ ̄`     ゛'‐-、:::::::::::::::::::::::::::::::::::\
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  レ"二==--  --,,.、-''" -、 __゛'-v‐{ヽ `{{,.、Jル ´     __  } /ヽ_i_\}‐、 .゛'、      ゛'‐、   \_::゛'、::::::::::::::::::::ゝ__
 "| | Fリフ.ii  /: : : : : : /´: : : : : :ヽ r 、i f_,, -‐ ""ヾ,´  ヽj i      _,-゛'‐、゛'、     /_zニ二_ ヽ:::i‐、::::::::::::::::::/
 │ii|    || / /: /,,‐"`´゛ヽ i: : : : : :ヾ|   `´   __,,,, トミヽ、 }'、  ,,.z;ニ-、ァ | .|=、    /  ´ ゛"  ノノl i:::::::::::::/  /
  ヾ|    |、|/|: i :| __   |人ヽ、: ヽ、:l=;=、  ィ‐〒テ_" ヒ_ミiV _ゝ ´-`""´゛ .| .|ソ   //        ‐':::::::::/  /::::
   |    ヾ=-ヽ、`|,r;;;、`  .‐--ヽ、ヽ_ ヽ ̄|    ̄   ノ _ツl|l! /         '、'、   /、`、__       |::/ ./\::::
   ト、  --=-- .`| .ー'ノ  '.ri,lヽ|,l^i¨/ヽ し      ' | l川|ヽ __,      l '、|  / '、 .─`   .,,  |,| /:::::::::::\
   .,|;;"、  :::::::   .'、 ヽ   `´  i´/  vr' ゙''ti;、   ,! llリl|  '、 -     /  |_/   ヽ_,,.、-''"   .|/::::::::::::::::::::::
 ̄ ̄|  、 ,,、-‐-、.,,-‐ヽ ー-    |¨‐_,ヾ !ii  `  /   ViL -、ヽ_,,.、-''" __|_゛'‐-、___|__,,.、-''"ヽ,,‐'"ヽ_/
; ;;;;;;;;|   、  :::::,‐",‐"¨: \,.、-''"  .|r '"´  ト     /  _,.-''´  ,.へ  /|   .||   |__/ ̄l´___,,.、-''",,‐'":::::::::
丶;「|    \..:::{ {:::::::::,、|ヽ_,,.、-''" ヽ、  ノ `─' , -="- 、  /   /  |   ||   .|,‐"__ ̄゛'‐、.,,‐"ヽ{  {:::::::::::::::
丶 :::、___.::::ヽ、ヽ、/:::゛',====ハ、  ` ̄ ̄ ̄´   O 〉<    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄゛'、,,‐",‐"    ゛'‐、__.,,‐" {  {:::::::::::::::
 Y::::::::::::::::::::.:::::::::::/ ./{::.. /   ..:::::::  ヽ           ノ   ヽ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄゛'、| ヽ    ::::::::::::::::::::::::: ゛'‐、.゛'‐、:::::

348 :助けて!名無しさん!:2014/11/05(水) 22:54:50.16 ID:zi4wqzkx.net
    ノ   ノ      ヽ    /   ヽ
   ノ   ノ-------   ヽ  /     ヽ  ノ
  ノ |      ノ      ヽ/        ノ
    |     ノ       /ヽ       ノ
    |    ノ       /  ヽ     ノ


              -------      ノ    ヽヽ    ノ    -------
    /  \ O   ---------    ノ------      ノ         ノ
   /    \          ノ   ノ     ノ     ノ|         ノ
  /      \        ノ     -----ノ     ノ |        ノヽ
                 ノ         ノ        |       ノ   ヽ
                          ノ         |      ノ    ヽ
    / ̄ ̄ ̄ ̄丶 、
   '           ヽ、
 /  i   ::i;;   i   :ヽ
/;;;;   ii   i;;  ;;ii  /  |
|;; ii   i  ..ii: ::.;i  ..::  ,,|
|::::,,..ii::t、;;iiii,, i;; ii",,"--i;;;,,""|                           ,,.、-‐、      ,,.、-‐==z
ト、.;;;/ ̄ ヽ..、/"   ヾ ,,,|       ,.r ''´ ̄ ̄ ̄``ヽ、 ヽ ̄゛'‐─-、/    ゛'‐=z ,,‐":::::::::::::::::: ̄゛'‐-、.
ヾF"|            ト |      r'´          _>,_゛'‐、   ヽ,´ ̄`     ゛'‐-、:::::::::::::::::::::::::::::::::::\
 丶;|、         ;;; __    人  ,.-'ヘv' _,,.-‐''´  ユ ̄   '、_ ヽ ‐-、      /:‐"゛'‐、:::::::::::::::::::::::::::゛'=z
  レ"二==--  --,,.、-''" -、 __゛'-v‐{ヽ `{{,.、Jル ´     __  } /ヽ_i_\}‐、 .゛'、      ゛'‐、   \_::゛'、::::::::::::::::::::ゝ__
 "| | Fリフ.ii  /: : : : : : /´: : : : : :ヽ r 、i f_,, -‐ ""ヾ,´  ヽj i      _,-゛'‐、゛'、     /_zニ二_ ヽ:::i‐、::::::::::::::::::/
 │ii|    || / /: /,,‐"`´゛ヽ i: : : : : :ヾ|   `´   __,,,, トミヽ、 }'、  ,,.z;ニ-、ァ | .|=、    /  ´ ゛"  ノノl i:::::::::::::/  /
  ヾ|    |、|/|: i :| __   |人ヽ、: ヽ、:l=;=、  ィ‐〒テ_" ヒ_ミiV _ゝ ´-`""´゛ .| .|ソ   //        ‐':::::::::/  /::::
   |    ヾ=-ヽ、`|,r;;;、`  .‐--ヽ、ヽ_ ヽ ̄|    ̄   ノ _ツl|l! /         '、'、   /、`、__       |::/ ./\::::
   ト、  --=-- .`| .ー'ノ  '.ri,lヽ|,l^i¨/ヽ し      ' | l川|ヽ __,      l '、|  / '、 .─`   .,,  |,| /:::::::::::\
   .,|;;"、  :::::::   .'、 ヽ   `´  i´/  vr' ゙''ti;、   ,! llリl|  '、 -     /  |_/   ヽ_,,.、-''"   .|/::::::::::::::::::::::
 ̄ ̄|  、 ,,、-‐-、.,,-‐ヽ ー-    |¨‐_,ヾ !ii  `  /   ViL -、ヽ_,,.、-''" __|_゛'‐-、___|__,,.、-''"ヽ,,‐'"ヽ_/
; ;;;;;;;;|   、  :::::,‐",‐"¨: \,.、-''"  .|r '"´  ト     /  _,.-''´  ,.へ  /|   .||   |__/ ̄l´___,,.、-''",,‐'":::::::::
丶;「|    \..:::{ {:::::::::,、|ヽ_,,.、-''" ヽ、  ノ `─' , -="- 、  /   /  |   ||   .|,‐"__ ̄゛'‐、.,,‐"ヽ{  {:::::::::::::::
丶 :::、___.::::ヽ、ヽ、/:::゛',====ハ、  ` ̄ ̄ ̄´   O 〉<    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄゛'、,,‐",‐"    ゛'‐、__.,,‐" {  {:::::::::::::::
 Y::::::::::::::::::::.:::::::::::/ ./{::.. /   ..:::::::  ヽ           ノ   ヽ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄゛'、| ヽ    ::::::::::::::::::::::::: ゛'‐、.゛'‐、:::::

349 :助けて!名無しさん!:2014/11/05(水) 22:56:23.50 ID:zi4wqzkx.net
    ノ   ノ      ヽ    /   ヽ
   ノ   ノ-------   ヽ  /     ヽ  ノ
  ノ |      ノ      ヽ/        ノ
    |     ノ       /ヽ       ノ
    |    ノ       /  ヽ     ノ


              -------      ノ    ヽヽ    ノ    -------
    /  \ O   ---------    ノ------      ノ         ノ
   /    \          ノ   ノ     ノ     ノ|         ノ
  /      \        ノ     -----ノ     ノ |        ノヽ
                 ノ         ノ        |       ノ   ヽ
                          ノ         |      ノ    ヽ
    / ̄ ̄ ̄ ̄丶 、
   '           ヽ、
 /  i   ::i;;   i   :ヽ
/;;;;   ii   i;;  ;;ii  /  |
|;; ii   i  ..ii: ::.;i  ..::  ,,|
|::::,,..ii::t、;;iiii,, i;; ii",,"--i;;;,,""|                           ,,.、-‐、      ,,.、-‐==z
ト、.;;;/ ̄ ヽ..、/"   ヾ ,,,|       ,.r ''´ ̄ ̄ ̄``ヽ、 ヽ ̄゛'‐─-、/    ゛'‐=z ,,‐":::::::::::::::::: ̄゛'‐-、.
ヾF"|            ト |      r'´          _>,_゛'‐、   ヽ,´ ̄`     ゛'‐-、:::::::::::::::::::::::::::::::::::\
 丶;|、         ;;; __    人  ,.-'ヘv' _,,.-‐''´  ユ ̄   '、_ ヽ ‐-、      /:‐"゛'‐、:::::::::::::::::::::::::::゛'=z
  レ"二==--  --,,.、-''" -、 __゛'-v‐{ヽ `{{,.、Jル ´     __  } /ヽ_i_\}‐、 .゛'、      ゛'‐、   \_::゛'、::::::::::::::::::::ゝ__
 "| | Fリフ.ii  /: : : : : : /´: : : : : :ヽ r 、i f_,, -‐ ""ヾ,´  ヽj i      _,-゛'‐、゛'、     /_zニ二_ ヽ:::i‐、::::::::::::::::::/
 │ii|    || / /: /,,‐"`´゛ヽ i: : : : : :ヾ|   `´   __,,,, トミヽ、 }'、  ,,.z;ニ-、ァ | .|=、    /  ´ ゛"  ノノl i:::::::::::::/  /
  ヾ|    |、|/|: i :| __   |人ヽ、: ヽ、:l=;=、  ィ‐〒テ_" ヒ_ミiV _ゝ ´-`""´゛ .| .|ソ   //        ‐':::::::::/  /::::
   |    ヾ=-ヽ、`|,r;;;、`  .‐--ヽ、ヽ_ ヽ ̄|    ̄   ノ _ツl|l! /         '、'、   /、`、__       |::/ ./\::::
   ト、  --=-- .`| .ー'ノ  '.ri,lヽ|,l^i¨/ヽ し      ' | l川|ヽ __,      l '、|  / '、 .─`   .,,  |,| /:::::::::::\
   .,|;;"、  :::::::   .'、 ヽ   `´  i´/  vr' ゙''ti;、   ,! llリl|  '、 -     /  |_/   ヽ_,,.、-''"   .|/::::::::::::::::::::::
 ̄ ̄|  、 ,,、-‐-、.,,-‐ヽ ー-    |¨‐_,ヾ !ii  `  /   ViL -、ヽ_,,.、-''" __|_゛'‐-、___|__,,.、-''"ヽ,,‐'"ヽ_/
; ;;;;;;;;|   、  :::::,‐",‐"¨: \,.、-''"  .|r '"´  ト     /  _,.-''´  ,.へ  /|   .||   |__/ ̄l´___,,.、-''",,‐'":::::::::
丶;「|    \..:::{ {:::::::::,、|ヽ_,,.、-''" ヽ、  ノ `─' , -="- 、  /   /  |   ||   .|,‐"__ ̄゛'‐、.,,‐"ヽ{  {:::::::::::::::
丶 :::、___.::::ヽ、ヽ、/:::゛',====ハ、  ` ̄ ̄ ̄´   O 〉<    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄゛'、,,‐",‐"    ゛'‐、__.,,‐" {  {:::::::::::::::
 Y::::::::::::::::::::.:::::::::::/ ./{::.. /   ..:::::::  ヽ           ノ   ヽ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄゛'、| ヽ    ::::::::::::::::::::::::: ゛'‐、.゛'‐、:::::

350 :助けて!名無しさん!:2014/11/05(水) 22:57:41.68 ID:ASOSysFL.net
>>346


マルス「…やめてくれるかな?僕のシーダにどこぞの二股ビッチみたいな悪いイメージがついちゃうじゃないか(満面の笑み)彼女は清楚で可憐な普通の女の子なんだから」
ロイ「(それは言い過ぎだと思うけど)」
アルム「……(というか、マルス兄さんとシーダさんって付き合って長いはずなんだけど、あんまり顔合わせた事ないんだよなぁ。だからこそ何ともいえないんだけど)」


マルス「……合わせたくないからね!…特に(只でさえ身近な女性陣とのフラグに定評のある)アイク兄さん、(紋章町の病弱系イケメンとして有名な)エリウッド兄さん、そしてロイ!…君達だけには絶対合わせたくないから!」
ロイ「え……ぼ、僕?リーフ兄さんみたくナンパ仕掛けたりなんてしないよっ!?」
マルス「どうしてもったらどうしてもだよっ!」
アルム「(シーダさんという彼女がいながらリン姉さんに対して独占的な辺り、ある意味二股なのはマルス兄さんの方じゃないのかなぁ…)」

351 :助けて!名無しさん!:2014/11/05(水) 22:59:09.78 ID:y+tIIJfn.net


352 :助けて!名無しさん!:2014/11/05(水) 23:22:59.26 ID:FYAZpwCb.net
    ノ   ノ      ヽ    /   ヽ
   ノ   ノ-------   ヽ  /     ヽ  ノ
  ノ |      ノ      ヽ/        ノ
    |     ノ       /ヽ       ノ
    |    ノ       /  ヽ     ノ


              -------      ノ    ヽヽ    ノ    -------
    /  \ O   ---------    ノ------      ノ         ノ
   /    \          ノ   ノ     ノ     ノ|         ノ
  /      \        ノ     -----ノ     ノ |        ノヽ
                 ノ         ノ        |       ノ   ヽ
                          ノ         |      ノ    ヽ
    / ̄ ̄ ̄ ̄丶 、
   '           ヽ、
 /  i   ::i;;   i   :ヽ
/;;;;   ii   i;;  ;;ii  /  |
|;; ii   i  ..ii: ::.;i  ..::  ,,|
|::::,,..ii::t、;;iiii,, i;; ii",,"--i;;;,,""|                           ,,.、-‐、      ,,.、-‐==z
ト、.;;;/ ̄ ヽ..、/"   ヾ ,,,|       ,.r ''´ ̄ ̄ ̄``ヽ、 ヽ ̄゛'‐─-、/    ゛'‐=z ,,‐":::::::::::::::::: ̄゛'‐-、.
ヾF"|            ト |      r'´          _>,_゛'‐、   ヽ,´ ̄`     ゛'‐-、:::::::::::::::::::::::::::::::::::\
 丶;|、         ;;; __    人  ,.-'ヘv' _,,.-‐''´  ユ ̄   '、_ ヽ ‐-、      /:‐"゛'‐、:::::::::::::::::::::::::::゛'=z
  レ"二==--  --,,.、-''" -、 __゛'-v‐{ヽ `{{,.、Jル ´     __  } /ヽ_i_\}‐、 .゛'、      ゛'‐、   \_::゛'、::::::::::::::::::::ゝ__
 "| | Fリフ.ii  /: : : : : : /´: : : : : :ヽ r 、i f_,, -‐ ""ヾ,´  ヽj i      _,-゛'‐、゛'、     /_zニ二_ ヽ:::i‐、::::::::::::::::::/
 │ii|    || / /: /,,‐"`´゛ヽ i: : : : : :ヾ|   `´   __,,,, トミヽ、 }'、  ,,.z;ニ-、ァ | .|=、    /  ´ ゛"  ノノl i:::::::::::::/  /
  ヾ|    |、|/|: i :| __   |人ヽ、: ヽ、:l=;=、  ィ‐〒テ_" ヒ_ミiV _ゝ ´-`""´゛ .| .|ソ   //        ‐':::::::::/  /::::
   |    ヾ=-ヽ、`|,r;;;、`  .‐--ヽ、ヽ_ ヽ ̄|    ̄   ノ _ツl|l! /         '、'、   /、`、__       |::/ ./\::::
   ト、  --=-- .`| .ー'ノ  '.ri,lヽ|,l^i¨/ヽ し      ' | l川|ヽ __,      l '、|  / '、 .─`   .,,  |,| /:::::::::::\
   .,|;;"、  :::::::   .'、 ヽ   `´  i´/  vr' ゙''ti;、   ,! llリl|  '、 -     /  |_/   ヽ_,,.、-''"   .|/::::::::::::::::::::::
 ̄ ̄|  、 ,,、-‐-、.,,-‐ヽ ー-    |¨‐_,ヾ !ii  `  /   ViL -、ヽ_,,.、-''" __|_゛'‐-、___|__,,.、-''"ヽ,,‐'"ヽ_/
; ;;;;;;;;|   、  :::::,‐",‐"¨: \,.、-''"  .|r '"´  ト     /  _,.-''´  ,.へ  /|   .||   |__/ ̄l´___,,.、-''",,‐'":::::::::
丶;「|    \..:::{ {:::::::::,、|ヽ_,,.、-''" ヽ、  ノ `─' , -="- 、  /   /  |   ||   .|,‐"__ ̄゛'‐、.,,‐"ヽ{  {:::::::::::::::
丶 :::、___.::::ヽ、ヽ、/:::゛',====ハ、  ` ̄ ̄ ̄´   O 〉<    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄゛'、,,‐",‐"    ゛'‐、__.,,‐" {  {:::::::::::::::
 Y::::::::::::::::::::.:::::::::::/ ./{::.. /   ..:::::::  ヽ           ノ   ヽ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄゛'、| ヽ    ::::::::::::::::::::::::: ゛'‐、.゛'‐、:::::

353 :助けて!名無しさん!:2014/11/05(水) 23:23:35.25 ID:y+tIIJfn.net
あれ、要領500行ったのに埋まってない?

354 :助けて!名無しさん!:2014/11/05(水) 23:29:48.29 ID:FYAZpwCb.net
    ノ   ノ      ヽ    /   ヽ
   ノ   ノ-------   ヽ  /     ヽ  ノ
  ノ |      ノ      ヽ/        ノ
    |     ノ       /ヽ       ノ
    |    ノ       /  ヽ     ノ


              -------      ノ    ヽヽ    ノ    -------
    /  \ O   ---------    ノ------      ノ         ノ
   /    \          ノ   ノ     ノ     ノ|         ノ
  /      \        ノ     -----ノ     ノ |        ノヽ
                 ノ         ノ        |       ノ   ヽ
                          ノ         |      ノ    ヽ
    / ̄ ̄ ̄ ̄丶 、
   '           ヽ、
 /  i   ::i;;   i   :ヽ
/;;;;   ii   i;;  ;;ii  /  |
|;; ii   i  ..ii: ::.;i  ..::  ,,|
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ト、.;;;/ ̄ ヽ..、/"   ヾ ,,,|       ,.r ''´ ̄ ̄ ̄``ヽ、 ヽ ̄゛'‐─-、/    ゛'‐=z ,,‐":::::::::::::::::: ̄゛'‐-、.
ヾF"|            ト |      r'´          _>,_゛'‐、   ヽ,´ ̄`     ゛'‐-、:::::::::::::::::::::::::::::::::::\
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  レ"二==--  --,,.、-''" -、 __゛'-v‐{ヽ `{{,.、Jル ´     __  } /ヽ_i_\}‐、 .゛'、      ゛'‐、   \_::゛'、::::::::::::::::::::ゝ__
 "| | Fリフ.ii  /: : : : : : /´: : : : : :ヽ r 、i f_,, -‐ ""ヾ,´  ヽj i      _,-゛'‐、゛'、     /_zニ二_ ヽ:::i‐、::::::::::::::::::/
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  ヾ|    |、|/|: i :| __   |人ヽ、: ヽ、:l=;=、  ィ‐〒テ_" ヒ_ミiV _ゝ ´-`""´゛ .| .|ソ   //        ‐':::::::::/  /::::
   |    ヾ=-ヽ、`|,r;;;、`  .‐--ヽ、ヽ_ ヽ ̄|    ̄   ノ _ツl|l! /         '、'、   /、`、__       |::/ ./\::::
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355 :助けて!名無しさん!:2014/11/05(水) 23:31:51.95 ID:zi4wqzkx.net
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356 :助けて!名無しさん!:2016/04/17(日) 15:50:14.37 ID:bKV7JRG4F


357 :助けて!名無しさん!:2020/03/06(金) 00:21:38.11
埋め立て嵐乙

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