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SS 真姫「続く幸せ」

1 :名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/:2015/02/26(木) 09:10:42.66 ID:GEz8/Rid.net
最後まで読んでも意味がわからないかも

2 :名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/:2015/02/26(木) 09:11:00.18 ID:GEz8/Rid.net
いつもの練習、いつもの授業。
平凡だけど刺激のあるこの世界。
私は今を楽しめている。

ただ、ほんの少し新たな刺激を求めることもある。

3 :名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/:2015/02/26(木) 09:11:29.65 ID:GEz8/Rid.net
いつもの道。
比較的車の通りは少ないが道の整備はしっかりとされている。
歩道には街路樹があり、見守ってくれている。
いつも通るこの道が私は好きだ。

季節によって変わる樹木の葉。
変わることのない行き交う人。
毎日少し違っているこの道が好きだった。

4 :名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/:2015/02/26(木) 09:14:09.97 ID:GEz8/Rid.net
私はその道にいた。

いつの間にか目の前には一台の車が止まっていた。

………ガードレールがあるのにどうやって道の真ん中に?

体に触れる空気が変わった気がした。
アリスのように不思議な世界に迷い込んだのだろうか?
だけど、どこか懐かしさを感じた。

5 :名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/:2015/02/26(木) 09:16:02.14 ID:GEz8/Rid.net
いつも歩く道へそのまま向かう。
7月らしい燦々とした日が差す空からは白の粒が降ってきていた。
その粒はゆっくりと綿毛のように落ちてくる。
落ちてきた粒は私の頬に触れ自然と溶けた。
夏なのに雪…?

6 :名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/:2015/02/26(木) 09:18:33.16 ID:GEz8/Rid.net
さらに進むと紅葉が道を赤く彩る。
進むほど赤くなる道はぬかるみを生んでいた。
紅葉が足にまとわりつく。
そのまま足を掴まれたかのように転んでしまう。

『わっ』

咄嗟に手が出てしまいぬかるみに沈む。
紅葉が身体を纏う。
その紅葉は心地の良い温かみを持っていた。
気付くと私はぬかるみに身を委ね、沈みつつあった。

7 :名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/:2015/02/26(木) 09:19:42.69 ID:GEz8/Rid.net
沈んでいく私。
何かにのまれていくような、そんな感じだった。

『楽しそうじゃない』

ぼそっと一言呟く
私の心に不安の気持ちはなかった。
それどころか好奇心で満ち溢れていた。
波に揺れるように私は身を任せ、そのまま静かに瞼を閉じた。

8 :名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/:2015/02/26(木) 09:20:33.05 ID:GEz8/Rid.net
目を開くと学校の教室にいた。
壁は赤と黄色で塗られ禍々しさを放っている。
外には桜が咲き、その花びらを落としている。

『始業式…か…』

ぼそっと言葉を漏らす。
周りの席には黒い影が座っている。
当時の私にはその程度にしか見えていなかったのだろう。

9 :名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/:2015/02/26(木) 09:21:12.19 ID:GEz8/Rid.net
外はぐるぐると太陽と月が登ったり沈んだりしている。

それを見ていると黒い影が私に話しかけてきた。

『花見でもしてるのかにゃ?』

いたずらっぽく話しかけてきた黒い影。

10 :名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/:2015/02/26(木) 09:21:33.93 ID:GEz8/Rid.net
『自分を見てるだけよ』

普段あの子をからかう様に嘘をついてみる。
あの時と同じように。

『こっち向いてよ〜ねぇねぇ〜』

いつもと変わらない彼女、姿は闇で本当に彼女かは分からない。
ただ、その声はとても安心感があった。

11 :名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/:2015/02/26(木) 09:22:10.56 ID:GEz8/Rid.net
『できればその大声をやめてくれるかしら?』

『しょうがないにゃ〜…』

本当にいつもと変わらない。

『にゃー?』

猫の泣き真似をしつつ顔色を窺う黒い影の彼女。
私には顔は見えないけれど、この影が誰かはわかっている。

12 :名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/:2015/02/26(木) 09:23:42.08 ID:GEz8/Rid.net
『顔をジロジロ見ないでくれる?』

そう言ってもやめない黒い影。
するとぼそっと一言。

『化粧してるにゃ…』

凛が私の顔を初めてのぞき込んだあの時、驚かれたんだった。
高校一年生で化粧してるなんてすごいにゃー…って。
そんなにすごいことかしら…?

軽いため息をつき、私は頬杖をついたまま瞼を閉じた。

13 :名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/:2015/02/26(木) 09:24:14.44 ID:GEz8/Rid.net
『手伝いでいいんです!どうかお願いします!』

目を開くとそこにはまた黒い影。

『1度だけでいいのです…』

私はいつの間にか音楽室のピアノの前にいた。
周りの壁は赤と青でまた塗られている。
目の前の黒い影は顔の前で手を合わせ私にお願いをしている。

あの時の私は……何をしてあげたかしら。

14 :名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/:2015/02/26(木) 09:25:47.68 ID:GEz8/Rid.net
また外の太陽と月が何度も交代し始める。
部屋が明るく照らされたり真っ暗になったり。
何回も何回もグルグルと。
ルーレットのように回り続ける太陽と月は徐々にペースを落としていきそのままピタッと太陽が止まる。

先程まで目の前にいた黒い影は離れた扉の前まで移動していた。

15 :名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/:2015/02/26(木) 09:26:11.95 ID:GEz8/Rid.net
『ルーツ…ですか?』

黒い影は頭を抱えていた。

いつからポエム…いや独創的な歌詞制作に勤しんでいたのかを質問した時のことだ。

…今この黒い影は自らの黒歴史といえることを後輩にほじくり返されているのだ。

16 :名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/:2015/02/26(木) 09:26:50.86 ID:GEz8/Rid.net
『ただ…その…えーっと……』

『すぐに答えは出さなくていいの、ただ気になっただけだから』

『決して答えが思い浮かばないわけではないのですが…その…』

『照れ臭くて言えないって感じ?』

うつむく黒い影。
黒い影だけど顔を真っ赤にしているのが記憶から感じる。

その時の私はついつい口角が上がっていた。
心が暖かくなるほっこりとした気持ち。

これが、ずっと続けばいいのに。

17 :名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/:2015/02/26(木) 09:29:09.04 ID:GEz8/Rid.net
瞼を閉じ、開く。
目の前の景色が変わっていた。
今まで見ていた世界とは一転して、いつもの平凡な世界。
傍には凛と海未がいる。

燦々と照らす日差しはわたし達の肌をジリジリと焼いていく。

18 :名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/:2015/02/26(木) 09:30:03.85 ID:GEz8/Rid.net
「ねぇねぇ真姫ちゃん!」

「どうしたの凛?」

「…大好き!」

「なっ、何よ突然!」

「なんとなくいいたくなっただけ〜」

「…ワタシモ…」

「ん?なにか言った?」

「なんでもないわよ!ほら早く行くわよ!」

「……私も真姫のこと好きですよ」

「な、なっ!?どうしたのよ海未…」

「今思った事をそのまま口に出しただけですが…」

微笑む2人。

きっと私にも望んでいる…のよね?

19 :名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/:2015/02/26(木) 09:31:00.90 ID:GEz8/Rid.net
私はとても幸せ。

私が心に隠してる、うれしいきもち。

きもちが表に出せない訳じゃないの。

越える事のできない心のダムに塞き止められてるだけ…ってこれパクリじゃない…

うしなうことの無いこの気持ち。

まだ注がれる気持ちにダムも限界。

うれしいしとっても幸せ。

20 :名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/:2015/02/26(木) 09:31:47.40 ID:GEz8/Rid.net
だからこそ、この溢れた気持ちを伝えなきゃいけなかった。

私も好きだって

21 :名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/:2015/02/26(木) 09:32:13.50 ID:GEz8/Rid.net
いつもの練習、いつもの授業。
平凡だけど刺激のあったこの世界。

私はあの時を楽しめていた。

22 :名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/:2015/02/26(木) 09:32:25.82 ID:GEz8/Rid.net
おわり

23 :名無しで叶える物語(舞妓 どすえ)@\(^o^)/:2015/02/26(木) 09:35:52.52 ID:Pw7vxQw7.net


24 :名無しで叶える物語(中部地方)@\(^o^)/:2015/02/26(木) 09:43:49.01 ID:D1P4I4nq.net
いいぞ〜これ

25 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2015/02/26(木) 09:50:39.43 ID:JOqsUspS.net
おつおつ

26 :名無しで叶える物語(水都アリスタシア)@\(^o^)/:2015/02/26(木) 10:55:59.92 ID:mW9r7LOt.net
あ〜ええやん

27 :名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/:2015/02/26(木) 12:45:50.63 ID:Nxv7UDbb.net
ほう

28 :名無しで叶える物語(芋)@\(^o^)/:2015/02/26(木) 22:59:27.23 ID:JNRz1xo2.net
なんかめっちゃいい雰囲気だった

もっと読みたいぜ

29 :名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/:2015/02/27(金) 01:58:37.56 ID:jWcPZMdm.net
地域表示変わってるけど>>1です。
よかったら『』の頭文字を縦読みしてみてくださいな
あともう一つ>>19にもメッセージが隠れてます
自分でネタばらしとか恥ずかしいなこれ…

30 :名無しで叶える物語(芋)@\(^o^)/:2015/02/27(金) 07:27:35.15 ID:yK+xN+kr.net
ヒエッ…

31 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2015/02/27(金) 20:58:46.03 ID:De0/mprP.net
>>19がわからない
それと最後3人とも死んでしまっているということですか?

32 :名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/:2015/02/28(土) 00:03:39.52 ID:CEVkaslJ.net
>>31








ループってことにしたかったんですけもこれじゃわかりづらいですよね…

33 :名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/:2015/02/28(土) 10:32:39.08 ID:kM1HI8eU.net
私は事故で死にかけている助けて

34 :名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/:2015/02/28(土) 10:38:20.68 ID:kM1HI8eU.net
ガードレールを越して突っ込んできた車に轢かれたっことかな

温かい紅葉は血の隠喩

花びらを落とす桜に自分を見てるのは、死にかけの肉体を精神が眺めてるってこと?

化粧は死に化粧の暗示、というのは考えすぎか。生きてるし

35 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2015/02/28(土) 11:40:34.53 ID:lC/Yxf3O.net
なるほど。理解しました。

36 :名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/:2015/03/01(日) 00:22:42.19 ID:0BxFveqd.net
すごいな 乙

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