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千歌「ねえ聞いてよ、楽しくなっちゃいそうなアイディアがあるからさ」

1 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/11/15(火) 13:05:12.75 ID:OHDc2Mu2.net
曜「スクール…アイドル?」

千歌「うん!って、曜ちゃん知らないの!?」

曜「うん、聞いたことないかな」

千歌「まぁ簡単に言うと、学校の部活動でアイドルみたいな活動をするんだよ!」

曜「へぇ、そんなのがあるんだ」

千歌「この間、曜ちゃんと一緒に秋葉原行ったでしょ?その時、おっきなスクリーンでスクールアイドルのPVを流してたの見ちゃってさ〜」

千歌「映ってるのは私たちとそう変わらない、どこにでもいる普通の女の子だったのに…なんていうか、すごくかっこよくて、キラキラしてた!」

千歌「私、感動したんだよ〜!!」

曜「な〜んだ、千歌ちゃんもつい最近知ったんだね」

千歌「うぐ…」

2 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/11/15(火) 13:05:44.73 ID:OHDc2Mu2.net
千歌「でも、帰ってからスクールアイドルのこと、いっぱい調べてね。ここ数年の人気は特にすごくって、ドーム大会が開かれるほどなんだって」

千歌「次にいろんなグループの曲を聞いたけど、やっぱり秋葉原で初めて知った「u’s」ってグループが特に素敵だなって思って」

千歌「気付いたら、u’sの曲全部聞いてた。それでね、その人たちの動画を見て、決めたの!」

千歌「私もスクールアイドルになる!!」

曜「えぇっ!?千歌ちゃんが!?」

曜「アイドルって、ステージで歌ったり踊ったりする、あのアイドルだよね?」

千歌「もちろん!」

曜「へぇ〜、千歌ちゃんがねぇ…」

千歌「…曜ちゃん?何、その目は」

千歌「ま〜た何かヘンなこと言い出したな、って言いたそうな顔だね?」

曜「そ、ソンナコトナイヨ」

千歌「いいもん!今回ばっかりは、私本気なんだから!」

千歌「内浦に輝く、ぴっかぴかなスクールアイドルになってやるんだから〜!」

3 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/11/15(火) 13:06:15.77 ID:OHDc2Mu2.net
千歌「う〜ん…」

私、高海千歌は悩んでる。

人生で数回とないくらい悩んでる。

それは何かというと、先日やると決めたスクールアイドルのこと。

当然やるからにはメンバーを集めないといけない。

そこで真っ先に思いついたのが、幼馴染の果南ちゃんと曜ちゃん。

でも、果南ちゃんは怪我で仕事ができないお父さんの代わりにお店の手伝いをしていて、学校も休んでるくらいだし、とてもアイドル活動なんてする余裕はなさそう。

そして、曜ちゃんなんだけど―

千歌「うう〜ん…」

曜ちゃんをスクールアイドルに誘うかどうかが、まさに悩みのタネなのだ。

4 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/11/15(火) 13:06:51.01 ID:OHDc2Mu2.net
曜ちゃんは、小さい頃から水泳をやっていて、高校でも水泳部に入っている。

特に、得意な高飛び込みについては、大きな大会で何度も入賞するほどの実力の持ち主だ。

普通な私とは、大違い。

曜ちゃんとは、昔から遊ぶにもお出かけするにもいつも一緒だったけど、長続きしない私の性格のせいで、部活動などを一緒にやることはほとんどなかった。

それでも、曜ちゃんと一緒になにかやれたら、きっとすごく楽しいだろうなって想いを、ぼんやりと抱き続けて。

スクールアイドルなら、それができるんじゃないかって、思った。

普通の女の子でも、見る人を笑顔にするために一生懸命努力して、あんなにもキラキラできるスクールアイドルなら、私も曜ちゃんと一緒にやれるって思った。

スクールアイドルに強く惹かれたのは、こういった理由も大きかったと思う。

5 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/11/15(火) 13:07:22.30 ID:OHDc2Mu2.net
千歌(でも、そうすると曜ちゃんは水泳部との兼部ってことになるんだよね)

千歌(なんでも器用にこなせる曜ちゃんでも、水泳の練習時間は絶対に減っちゃう)

千歌(それで、いいのかな。私がそんなこと、させていいのかな…)

曜ちゃんと一緒にスクールアイドルをやりたい気持ちと、

曜ちゃんの水泳を応援したい気持ち。

ふたつの気持ちが私の中でずっとせめぎ合っていて、

その夜は結局ほとんど眠れなかった。

6 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/11/15(火) 13:08:07.48 ID:OHDc2Mu2.net
曜「ち〜かちゃん!おはヨーソロー!」

千歌「あ、曜ちゃん。おはよ〜」

曜「どうしたの?すっごい眠そうだね」

曜「もしかして、昨日話してたスクールアイドルやるための準備とか?」

千歌「あはは、まぁそんなところ」

曜「へぇ〜、まぁ頑張ってね!」

千歌「うん!今日から部員の勧誘も始めようと思うんだ!」

曜「チラシまで作ったんだ!千歌ちゃん、今回はやる気だね」

曜「…よしっ!今日は千歌ちゃんのために、一肌脱ぎますか!」

曜「私も部員の勧誘、一緒に手伝ってあげるよ!」

千歌「ほんと!?ありがと〜!!」

7 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/11/15(火) 13:08:47.58 ID:OHDc2Mu2.net
千歌「スクールアイドル部で〜す!春から始まる、スクールアイドル部!」

曜「よろしくお願いしま〜す!」

千歌「アナタも!そこのアナタも!スクールアイドル、やってみませんか!?」

曜「お願いしま〜す!」



千歌「はぁ…」

曜「全然だね〜」

千歌「ほんとに…ん?」

「あはは…」キラキラ
「うふふ…」キラキラ

曜「…美少女…あれ、千歌ちゃん?」

千歌「あの!スクールアイドル、やりませんか!」

千歌「あなたたちすっごくかわいいし、きっと人気出るよ!」

曜「…」

8 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/11/15(火) 13:09:28.35 ID:OHDc2Mu2.net
千歌「さっきの子たち、あとでスカウトに行こう!」

曜「あはは…あ、私放課後は水泳部あるから手伝えないや、ごめんね」

千歌「あ、そうだよね」

曜「スカウト頑張ってね!部の設立には最低5人は必要らしいし。朝ならいつでも手伝うよ!」

千歌「うん!ありがとう!」

千歌「曜ちゃんも、水泳部頑張ってね」

曜「うん!」

9 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/11/15(火) 13:10:12.44 ID:OHDc2Mu2.net
千歌「ええと、1年生の教室は…っと」

千歌「ありゃ、まだホームルーム中だ」

千歌「自己紹介やら先生の挨拶やらで、まだ時間かかりそうだな〜」

千歌「…そういえば、曜ちゃん水泳部があるって言ってたっけ」

千歌「久しぶりに、練習見に行ってみようかな」

10 :名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/:2016/11/15(火) 13:10:39.34 ID:gQt4rAvV.net
すごく良いね

11 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/11/15(火) 13:10:46.32 ID:OHDc2Mu2.net
曜「いきまーす」

千歌「あ、ちょうど曜ちゃんが飛び込む番だ」

ダッ

クルクル…

千歌「うひゃ〜、やっぱりすごい!あんなにくるくる回って目回さないのかな」

千歌「詳しくはわかんないけど、水に入る瞬間も飛沫がほとんどたってないし、フォームもすごく綺麗」

千歌(…やっぱり、曜ちゃんはすごいなぁ)

千歌(曜ちゃんはきっと、この道でがんばった方がいい)

千歌(普通な私と違って、もう既にキラキラした輝きを持ってるから)

千歌(やっぱりスクールアイドルは、私がスカウトしてメンバーを集めなきゃ!)

12 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/11/15(火) 13:11:30.25 ID:OHDc2Mu2.net
曜「お疲れ様でした〜」

千歌「曜ちゃ〜ん!」

曜「あれ、千歌ちゃん?待っててくれてたんだ」

曜「今朝の子たちのスカウトは?」

千歌「あはは、それが…ホームルーム終わった後すぐに行ったら、新入生はまだ自己紹介とかやってて」

千歌「時間つぶすのに曜ちゃんの練習見学してて、気付いたらもうみんな帰っちゃってて…」

曜「あらら、残念だったね」

曜「また明日、見つけて声かければいいよ」

13 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/11/15(火) 13:12:14.88 ID:OHDc2Mu2.net
曜「明日の朝も勧誘するの?」

千歌「もちろん!はやく部員集めないと部の申請もできないからね」

千歌「今朝の子たち2人を入れても、あと2人は最低必要なんだよね…」

曜「そうだねー、はやくしないと入部決めちゃう子も多いだろうし」

千歌「明日からまた頑張らないと!」

千歌「…曜ちゃんが水泳部じゃなければ、誘ってたんだけどな」

曜「え?」

14 :名無しで叶える物語(しまむら)@\(^o^)/:2016/11/15(火) 13:12:28.51 ID:fmqYA2P8.net
期待支援

15 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/11/15(火) 13:12:52.55 ID:OHDc2Mu2.net
千歌「…あっ」

千歌(つい、思ってたことがポロッと…)

曜「…よかった」ボソ

千歌「え?」

曜「ううん、なんでもない。じゃあ私ここだから、またね!」

千歌「あ、うん。またね、曜ちゃん」

16 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/11/15(火) 13:13:37.23 ID:OHDc2Mu2.net
千歌「よーし、今日も勧誘がんばるぞー!」

曜「うん!私も手伝うよ」

曜「あれ?千歌ちゃん、それって」

千歌「あ、これ?ちょっと気が早いけど、部活動の申請書!」

千歌「まだ私の名前しかないけど…はやくこの欄を埋めて、スクールアイドル部をスタートさせたいんだ!」

曜「千歌ちゃん…」

千歌「諦めちゃダメなんだよ。あの人たちも歌ってた。その日は絶対来るって」

曜「…本気なんだね」

17 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/11/15(火) 13:14:26.07 ID:OHDc2Mu2.net
曜「…よっと!」ヒョイ

千歌「あ、ちょっと!」

曜「私ね。小学校の頃からずっと思ってたんだ」

曜「千歌ちゃんと一緒に夢中で、なにかやりたいなって」

千歌「曜ちゃん…」

曜「だから、水泳部と掛け持ちだけど…」カキカキ

曜「はい!」

千歌「曜ちゃん…いいの?」

千歌「だって、水泳部の練習、あんまり行けなくなっちゃうかもだし…」

18 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/11/15(火) 13:14:58.77 ID:OHDc2Mu2.net
曜「言ったでしょ?私、ずっと千歌ちゃんと一緒になにかやりたかったんだって」

曜「それにね、嬉しかったの。千歌ちゃんもそう思ってくれてたんだって」

千歌「え?」

曜「だって千歌ちゃん、他の子は一生懸命勧誘するのに、私には一言も声かけてくれなかったでしょ?」

曜「ちょっぴり、不安だったんだ。千歌ちゃんは、私と一緒にやりたくないのかなって」

千歌「そんなことないよ!ただ、曜ちゃんには水泳部があるから、その邪魔になっちゃうんじゃないかって…」

曜「…千歌ちゃん。海ってさ、空が晴れてたら青く見えるし、曇ってたら灰色に見えるよね」

曜「私ね、そんな海みたいになりたい。千歌ちゃんっていう空の色に染まって」

曜「千歌ちゃんが嬉しい時は一緒に笑って」

曜「千歌ちゃんが悲しい時は一緒に泣きたい」

曜「そうやって千歌ちゃんと一緒に夢中になれる何かを、ずっと探してたんだ」

19 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/11/15(火) 13:15:32.66 ID:OHDc2Mu2.net
曜「だから、いいの!体力には自信あるし、ちゃんと両立できると思うから!」

千歌「曜ちゃん…」ウルウル

曜「一緒に最高のスクールアイドル目指して、がんばろうよ!」

千歌「曜ちゃ〜ん!!」ギュッ

曜「わっ!く、苦しいよ〜!」

私のスクールアイドルへの道は、まだ始まったばっかり。

部員を集めて、部の承認をもらって、曲や衣装づくり、ダンスの練習…

やらなきゃいけないことは、まだまだ山積みだけど。

曜ちゃんと一緒なら、きっと大丈夫。

元気全開で、なんでもできそうなんだ!

20 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/11/15(火) 13:16:12.43 ID:OHDc2Mu2.net
終わり

21 :名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/:2016/11/15(火) 13:16:28.81 ID:gQt4rAvV.net
おつ

22 :名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/:2016/11/15(火) 13:17:24.94 ID:pmLdf8le.net
クソ理系ぼく「海が青いのは空が青いからじゃないぞ」

23 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2016/11/15(火) 13:20:24.56 ID:B7R5sl2a.net

やっぱりようちか

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