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善子「私がこうしてアイドルに夢中になるなんてのも、ある種悪魔に取り憑かれてるようなものなのかもね」
- 1 :名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/:2017/03/29(水) 00:46:30.01 ID:Vua9VR5S.net
-
どこにでも存在する、気づけば体は乗っ取られているのよ
梨子「ピアノが弾けなくなった時期があった」
善子「そう。それもね?もしかしたら神様がいたずらしてたかもしれない」
梨子「神様?」
善子「うん。でも、ふざけた神様なら良いけどただの悪魔かも」
梨子「私、そんなの信じてないから。悪魔とか 神様とか 運命とか」
ほら
今の言葉ももしかしたら全て神様の言葉かもね
神様はいる でも悪魔も確かにいる
今のはどっちかしらね
- 2 :名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/:2017/03/29(水) 00:48:13.28 ID:Vua9VR5S.net
- 千歌「悔しくて悲しくて涙が止まらない時があった」
善子「どんな風に?突然溢れ出した その涙のワケは?」
千歌「情けなくてさ…自分でも分からないんだけど梨子ちゃんが言ってた’’海の音’’聞いてみたいと思ったの」
善子「突発的な行動は体を乗っ取られている証拠かもよ?」
千歌「ん…そんな気分だったのかも。ほら、心が落ち込んでいるときはそんなドラマみたいな事言ってみたり何か行動したり…」
千歌「…でもそれは紛れもなく自分の意思だと思う」
善子「梨子が来なければもしかしたら意思を奪われたまま水中に息を吐き続けて…」
千歌「やめてよ!………そんなんじゃないから!」
気が触れたりするのもそうかも
突然怒り出したり
私が変な事言ったせいかもしれないけれど
本当にそれだけかしら
- 3 :名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/:2017/03/29(水) 00:49:11.57 ID:Vua9VR5S.net
- 曜「友達の事を憎いと思った事が一度だけあるんだ」
善子「憎い……」
曜「私の友達取らないでって。そんな事思っちゃいけないはずなのに心がそうはいかなくて…私って最低だよね」
善子「良い子のフリしなくてもいいのよ?ずーっと長い間’’良い子’’やってきたんでしょ?」
曜「…」
善子「憎んだ時のあなたが本当の姿、今まで無理をして素の自分を隠してきた。違う?」
曜「…違うよ」
善子「どうかしら。今だけ、私にだけは本当の自分をさらけ出してもいいのよ?ほら…あの時のあなたはまだいるんでしょ?」
曜「……いないって」
- 4 :名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/:2017/03/29(水) 00:52:01.21 ID:Vua9VR5S.net
- …
善子「…ただいま」
善子「……悪魔…今日の私は・・・」
蝋燭の火を灯して静かな空間でしばらくジッとしてると
何か 何か……私の内にある黒い感情が顔を出すような気がする
ピロリン
>曜:不審者だって。徘徊したりしてないよね?気をつけて!
善子「これってどっちの意味?私が不審者なのか、不審者に遭わないように出歩くなって意味なのか…」
>曜:ところでさ、駅まで来れない?
善子「…」
善子「駅?……一緒に帰って来たはずなのにまだ駅にいるの?……っと」ポチポチ
>曜:ちょっと怖い事があって…来れない?
善子(あー…ちょっとめんどくさい…かも…)
- 5 :名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/:2017/03/29(水) 00:55:31.79 ID:Vua9VR5S.net
- 善子「っと、いけないいけない。今のは悪魔の私か…。………心配だから……行く……と」ポチポチ..
善子「あー、優しいわね私って」
不審者か…そう見られても仕方ない格好ね
全身黒ずくめ、顔が隠れるくらいの大きいフードを被ってノロノロ自転車漕いでたら怖いわよね
でも落ち着くのよ フードにマスク
自分の顔が隠れてると知り合いにあっても気づかれる事もないし
善子「お待たせ」チリンチリン!
曜「うっわ!!?…………怖いよ…」
善子「不審者みたい?」
曜「聞いてよ…。帰ろうとしたんだけど誰かが付いて来てる気がしたからさ…
こうして明るい駅の方に戻ってんだよ。怖かった……はぁ安心するよ、やっぱり」
善子「お腹空いたからさっさと帰りたいんだけど?」
曜「ああ……はいはい…ごめんねわざわざ」
善子「漕いでよね」
曜「分かってるっ」
- 6 :名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/:2017/03/29(水) 00:56:47.41 ID:Vua9VR5S.net
- …
曜「ありがとね」
善子「いいわよ。それじゃ、また明日っ」
曜「うん。善子ちゃんも気をつけてね」
善子「あんがと」
ス ..
善子「…、」
曜「どうしたの?」
善子「…」
曜「おい!……おーい?」
- 7 :名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/:2017/03/29(水) 00:59:35.05 ID:Vua9VR5S.net
- 善子「あぁ、自転車置いてくから。明日の朝は駅までこれ使って?」
曜「え?帰りどうするの?今」
善子「大丈夫。歩いて帰りたい気分になったから」
あー なんか今の私ってかっこよくない???知ってる
すぐそこまで付いて来てたこと
お願いだから早く家の中に入りなさい、そして鍵をかけて
善子「んじゃ」
曜「え?本当に歩き?大丈夫ー???」
善子「…」フリフリ
善子(さて、向こうは私に気づいたかしら……フードに隠れたこの眼に映ってしまった事に)
- 8 :名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/:2017/03/29(水) 01:00:42.17 ID:Vua9VR5S.net
- ス ..
善子(来た…)
ザッザッザッ..
善子「…」
ザッザッザッザッ…
善子(悪魔……悪魔……私の中の悪魔…もう少し静かにしてて)
ザッザッザッザッザ ザ
善子「…!」バッ(いない……?)
善子「…」
善子(……逃げるが勝ちよ!!!)
- 9 :名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/:2017/03/29(水) 01:02:18.87 ID:Vua9VR5S.net
- …
善子「ただいま」
あぁ 無事に帰って来れた
でも家は知られたかな…
よかった このナイフ使うこともなくて
カラン
善子「……火消すの忘れてた…危なっ」
短くなってしまった蝋が私の戦いの痕跡だった
……家を出てから2時間くらい?
時計を見るといつもならお風呂から出てゴロゴロしてるくらいの時間だった
戦いっていうのは自分との戦いね
恐怖に負けないように ナイフを
悪魔がナイフを掴むのを必死に抑える戦い
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