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【SS】「虹ヶ咲学園大学留年同好会」
- 1 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 15:27:52.49 ID:M4jNS3D6.net
- 代行
- 2 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 15:35:12.74 ID:xe7BWInI.net
- 1話『余は如何にして虹大学徒となりし乎』
〜春〜
ミア「ついに」
ミア「ついに……来た!」
ミア「今日からボクも虹大生!」
ミア「夢にまで見た理想のキャンパスライフがここから始まるんだ!!!」
〜〜
マモナク…バンセンニ…カマタユキガ…
ミア「わああああ!」
ドカドカドカッ
ミア「ひいい!」
ガタンゴトン...
「the next station is...Oimachi...」
ミア「降ろせ! 降ろしてくれ!」
ミア「うっぷ……朝のシナガワはcrazyだった…」
ミア「次は……」
ミア「こっちの電車は空いてるな、しかも座れる」
ミア(ようやく一息着ける……)
- 3 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 15:37:21.43 ID:xe7BWInI.net
- ガタンゴトン…
ミア「……」
ミア「入学テスト、難しかったな」
ミア「合格通知と一緒にスコアの開示が届いた」
ミア「外国語の試験はsuper easy」
ミア「でも数学と科学は半分も取れなかった……」
ミア(日本の入学テストは難しいよ)
ミア(あと漢字も勉強しなきゃなあ)
ミア「やることがいっぱいだ」
ガタンゴトン…
ミア「……東洋人の割に黒髪が少ないな」
ミア「近くにテレビ局があるとは聞いたけど、もしかして彼らは芸能人なのか?」
- 4 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 15:38:59.90 ID:xe7BWInI.net
- 〜虹ヶ咲学園大学前〜
ミア「臨海線の虹ヶ咲学園大学前駅から出れば、正門はすぐそこだ」
ミア「……ついに来た」
ミア「今日からボクも……虹大生!」
ミア「夢にまで見たキャンパスライフが……って」
ミア「え!さっきのこいつらまさかみんな同じ大学生か!」
ミア「なんだなんだ、雑誌から抜き出てきたような格好の連中ばかり」
ミア「そ、そのバッグにテキストを入れるのは無理だろう……」
ミア「その爪でどうやってペンを握るんだ!!」
ミア「まるでPRADAを着たあとのハサウェイみたいだ……」
ミア「ボク以外ファッションの入学テストでもあったのか?……いやいや、受験会場にはこんな格好一人もいなかったぞ!」
ミア「……着古したパーカーとジーンズで来た自分が恥ずかしい」
ミア「くそ〜、こういうことだったのか」
- 5 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 15:40:52.69 ID:xe7BWInI.net
- ワイワイガヤガヤ!
ミア「構内は部活やサークルの勧誘で大賑わいだ」
ミア「もうちらほら新入生たちでグループが出来上がってる……ボクは完全に出遅れてしまったみたいだ」
ミア「ボクも早く友人を作らなきゃ……」
ワイワイガヤガヤ!
ミア「……」
ワイワイ!ガヤガヤ!
ミア「……輪に入れない」
ミア「各地から入学者が集まるとはいえ、やっぱり元からの知り合いが多いのかな……」
ミア「それともSNSか! Facebookではそんなに見つからなかったんだけどな」
ミア「まずい……4年間ひとりぼっち学生生活はごめんだ……」
「「あのお〜wすみませぇ〜んw」」
ミア「むっ!? 新入生と思しき女学生の集団が!これはもしかしてチャンス!?」
- 6 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 15:46:58.56 ID:xe7BWInI.net
- 「経済学部棟ってどっちかわかりますかぁ?? ウチら1年で、わかってなくてw」
ミア「ああ……その、実はボクも新入生だからよくわからないんだ」
「そうだったんですか〜w」
「ちなみに学部どこなんですか??」
ミア「ボクは工学部。 工学部機械工学科だよ」
「あっw」「フフフw」
「そうなんだ〜w」「なんかそんな気する!w」「ぽいねw」
「そういえば向こうの方にも工学部って言ってたチェックシャツの人いたよw」
ミア「あはは…」
ミア(もしかして今くっそバカにされてないか?!)
ミア(shit!!やっぱりランジュに言われた通りに服買いに行くんだった!!)
- 7 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 15:49:33.39 ID:xe7BWInI.net
- 〜ランジュの下宿先〜
ランジュ「いらっしゃい」
ミア「意外と片付いてるじゃないか」
ランジュ「意外とは失礼ね……あなたのために昨日から大急ぎで片付けたんだから」
ミア「そうなのか? いやあ、世話になるね」ドカドカ
ランジュ「ちょっと! ここは土足禁止よ」
ミア「おっと……すまない」
ランジュ「あと靴を揃えて手も洗う! 大学生なんだからキッチリしなさい、キッチリと」
ミア「わかったわかった」
ミア「ゴチャゴチャうるさいなあ」
ミア「おや? ははは、こんなところに下着が落ちてるぞ? キッチリしてるなあ〜」
ランジュ「っ! わざわざ引っ張り出さなくていいから!」カァァ
- 8 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 15:51:34.66 ID:xe7BWInI.net
- ミア「さ〜てと……」バサッ
ランジュ「あら、もう予習してるの? 随分と殊勝じゃない」
ミア「予習じゃなくて復習さ、入学テストがギリギリだったからね……」
ランジュ「ふうん……そんなに悪かったの?」
ミア「悪かったっていうか……まあ受かったとはいえ良くはないね、邪魔でなければ場所取らせてもらうよ」
ランジュ「ま、別にいいんだけど……」
ミア「……何かあるのか?」
ランジュ「ん〜……その……服でも買いに行かない?」
ミア「何だと!? あんなに持っててまだ欲しがるのか!? このいやしんぼめ!!」バァン!
ランジュ「ちーがーう! ランジュじゃなくてあなたのぶん!」
ミア「? ステイツから送った服、まだここに届いてないのか?」
ランジュ「それはもうあっちにしまってあるんだけど……あなたの服ちょっと……その、フレッシュ過ぎない?」
ランジュ「最近の子は派手だから、埋もれちゃうわよ?」
ミア「いやいいよ。それよりボクは勉強するんだ」
ランジュ「……そう、まあいいわ」
ランジュ「それとも勉強のほう教えてあげましょうか?」
ミア「いい! 虹大の入学テストは難しかったんだ」
ランジュ「ランジュは数学と理科は満点だったけど♪」
ミア「ゴチャゴチャうるさいな」
- 9 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 15:54:10.72 ID:xe7BWInI.net
- 〜〜
ミア「……」(ランジュは……遠回しに服がダセェって指摘してくれていたんだ……)
「サークル決めた?」「まだ〜w」「先輩に誘われてるとこいくつかあってw」
ミア「……」(ボクはそのことに全く気付かず……)
「さっき声かけてくれて仲良くなった男の子がさw」「仲良くなるの早〜w」
ミア「……」(こうして早くも大学デビューどものマウンティングの餌食に……)
「実家青山とか超ヤバいじゃんw」
「そんなことないよw昔から住んでるだけw」「私田舎だから憧れる〜w」
「ミアちゃんは出身どの辺なの?w」「足立区?w」
ミア「……w」
「「?」」
ミア「……ew York」
「「え?」」
ミア「ニューヨーク❗🗽マンハッタン❗❗ウォール街大暴落❗❗🇺🇸🇺🇸」ボゴォ!!!
「「ぎゃあああ!!」」
ミア「ふん」
- 10 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 15:55:35.85 ID:xe7BWInI.net
- ミア「やれやれ……タダでやられるわけにはいかないからね」
ミア「ん? 見るからにNerdなやつらがいるな」
「ヒヒヒ!w」「お値値が不等式の上下に押さえつけられて苦しそうでさぁなあ!」
ミア「こ、こういうのでいいんだよ」
ミア「だいたいさ、大学ってのは学問をするところなんだ」
ミア「物事に熱中したり興味を追究すればああなることもあるさ」
ミア「決してマウントを取りに行ったり、男を漁りに行く場じゃあないんだよ」
ミア(話しかけには行かないけど)
璃奈「ミアちゃん。来てたんだ。」
ミア「!」
- 11 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 15:59:12.17 ID:xe7BWInI.net
- ミア「その声は我が同胞にして理解者の璃奈! ボクはあんな遊び慣れてる女達じゃなくてキミに会いたかったんだ!」
ミア「早くも折れかけていたpassionが再び熱を帯びて燃えていくのを感じるよ」
璃奈「よくわからないけど大変そう。」
ミア「いやあ、ついさっきかしましいメスどもの洗礼を受けてしまってね……ところでそんなに紙を抱えて璃奈は一体何をしているんだ?」
璃奈「サークルの勧誘。はいこれ。」
ミア「ふうん……猫カフェサークル?」
璃奈「そう。 都内で猫と触れ合えるカフェを巡るサークル。」
ミア「そういえば璃奈は猫好きだったね。 でも猫カフェに行くくらいで集団を作らなくても……なにかイイことでもあるの?」
璃奈「ある。ここはインカレだから、他の大学の男の子ともたくさん出会えるしたくさん繋がれる。」
ミア「くぅ〜!!」(血の涙を流す)
- 12 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 16:01:59.23 ID:Lo9ATSxz.net
- 男の子とたくさん繋がるとかえっろ
- 13 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 16:02:27.62 ID:xe7BWInI.net
- 璃奈「あっちにかすみちゃんもいるよ。もうすぐしずくちゃんも来る。」
ミア「そうか、彼女たちも同じサークルだったね」
璃奈「スクールアイドル同好会とは別だよ。 いま私たちが配ってるのはインカレ非公認の猫カフェサークルのほう。」
ミア「3人ともどっちにも入ってるってわけか? ややこしいな」
かすみ「あれー? ミアちゃんじゃん!」スタスタ
しずく「入学おめでとう、ミアさん」コツコツ
ミア「あ、ありがとうございます……」トテトテ…
ミア(うわあ、綺麗だ……)
ミア(改めて上級生の3人を見れば、とても大人っぽくてお洒落なファッションをしていた。 ブランドとかはよくわからないけど……とにかく垢抜けてるってやつだ)
ミア(しかし……文系の二人はともかく、璃奈はボクと同じ工学部のはずだ)
璃奈「……?」
ミア(ボクより背丈も低いはずなのに、ちゃんと今風で、エロい。さぞモテるんだろうな……)
ミア(それに比べてボクは……)
- 14 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 16:04:47.95 ID:bh9v8ue5.net
- りなりーすごいモテそう
- 15 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 16:04:54.05 ID:xe7BWInI.net
- ミア「……」
ミア「ガイダンスの後、服を買いに行こうと思うんだ……」
ミア「でも一人じゃわからないから……よければ付いてきてもらえないかな……」
璃奈「私は平気。二人は?」
しずく「だいじょうぶ、かすみさんはバイトあるんだっけ?」
かすみ「ううん、今日は無いから私も行けるよ」
ミア「みんな……ありがとう!」
ミア「その……ついさっきまでは思ってたんだ……大学は学問の場なのだから、ボクたちは自分を、世界を……言論でもって語り合うべきで……それ以外の表現方法など邪道だと」
「「??」」
ミア「ガワごときにボクたちの中身など語りえないって……でも、違ったよ」
ミア「意識的な言葉使いや態度をもってボクたちが自分自身を着飾って、表そうとするのと同じように……能動的にこしらえた外見というのもまた、己の表現のひとつで、重要なことなんだ」
「「は、はあ」」
ミア「まあとにかく、キミたちみたいにオシャレで、かつバリバリ勉強もできてしまう、ボクはそんな大学生になりたいんだ!」
かすみしずく璃奈「……」
ミア(どうしたんだろう? 黙りこくって)
- 16 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 16:06:25.99 ID:xe7BWInI.net
- 〜〜
ミア「このパーカー男用だろ! このお店間違って置かれてないか?」
璃奈「いいから。」
ミア「太ももむき出しじゃないか!これじゃ露出魔だ!」
しずく「ミアさんは足細くて綺麗だからいいの」
ミア「なんだこのゴツいスニーカーは!まるでPAC-MANかSONIC THE HEDGEHOGだ!」
かすみ「わかったからちゃんと立って」
- 17 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 16:07:29.95 ID:xe7BWInI.net
- ミア「ははは、いいんじゃないかな!?」ピョンピョン
かすみしずく「う〜ん」(なんかガキっぽいな……)
璃奈「なんか、アニメキャラみたいになっちゃったね。」ヒソヒソ
しずく「……スニーカーやめる?」
かすみ「ブーツは暑いし……ヒール履かせてみるか……」
ミア「ヒールは苦手なんだ、歩けないよ」
璃奈「ならウェッジソールサンダルにしよう。」
かすみしずく「ありかも!」
ミア「うおおお!! これ可愛い!!!」
- 18 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 16:10:28.88 ID:xe7BWInI.net
- ミア「いやあ、ありがとう」
ミア「似たような方向性で数セット買っちゃったから、着回しも簡単だね」ズシ
しずく「気に入ってくれて良かった♪」
かすみ「あとはネイルかあ……家まで戻れば私の貸せるんだけど」
しずく「部室に一式なかったっけ?」
璃奈「シールにしよう。 それなら百均で買えるしライトも要らない。」
ミア「ありがとう……何から何まで」
- 19 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 16:15:38.75 ID:xe7BWInI.net
- 〜翌日〜
ミア「……ふふふ」
ミア「足取りも軽く、視界もとびきり明快だ! まるで世界が変わったみたいだ!」
ミア「背筋もついピンと張ってしまうよね、ガラスに写る自分がなんて可愛いんだ!」
ミア「オーバーサイズの春色パーカーにショートパンツの王道コーデ! サンダルだけどソールの厚いオープントゥなパンプスでネイルをチラ見せして大人っぽさをアップだ!」
ミア「歩き慣れたらヒールにも挑戦するぞ! 璃奈たちにはホント感謝しないとな」
「ヒヒヒ!w」「一般性ないな?」「必要十分だと言ってよ!命題さん!」
ミア「おや? 昨日のNerdどもだ……改めて見ると彼らはなんてヒドい格好なんだ」
ミア「かつての同類をああ思ってしまうなんて……やれやれ、ボクも"悪魔"、なっちゃったね____。」
ミア「これから毎日着こなすぞ!! ファッションも学問だ!うおおおおお!!!」
〜基礎工学実験(工学部開講 必修)〜
「さて、工学部では来週から早速実験が始まるのですが……服装に関していくつか注意点がございます」
「実験装置に巻き込まれる恐れがあるので紐やフードの着いたものは禁止です。それと素足が露出するので短ズボンは禁止です……。あ、サンダルも禁止ですね。それから……」
ミア「F*ccccck!!!!」
- 20 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 16:19:04.37 ID:xpgLcQ0i.net
- 草
- 21 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 16:23:18.57 ID:Ds6vm5s/.net
- 工学とファッションは相性が悪いな
あとあなたちゃんみたいな奴草
- 22 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 16:24:49.83 ID:l50Fd0bn.net
- ワロタ
- 23 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 16:33:50.85 ID:xe7BWInI.net
- 2話『されどわれらが留年の日々ー』
- 24 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 16:34:30.38 ID:xe7BWInI.net
- 〜確率・統計(経済学部開講)〜
「どうだろ、こんな感じかな?w自信ないけどw」「私も同じになったw」
「確率ほんと苦手w」「ウチらなんでこの学部いるのw」
ミア(くそっ……こいつら、文系のクセに理系のボクより計算が早い……割り勘の計算も早かったし……経済学部、恐るべし!)
「ミアちゃん、どうかな?w」
ミア「あ、ああ……それで合ってると思うよ」(まだ計算終わってねー!)
「良かったw」「ウチらみんな文系だから〜w理系のミアちゃん来てくれてマジ助かるw」
ミア「ははは……」
- 25 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 16:38:17.81 ID:xe7BWInI.net
- 「じゃ、私これからサークルだからw」「ウチはバイトw」
「私はデートw」「うざw」
「「おつ〜w」」
ミア「おつ〜!」
ミア「ふう……」
ミア(あらゆる新歓をハシゴして、友人もできた、勉強は大変だけど……理想の学生生活を実現できているぞ!)
ミア(そして……授業後はサークルだ!)
ミア(それにしても……今朝のランジュ、思い出すだけでも腹が立つな!)
- 26 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 16:40:49.21 ID:xe7BWInI.net
- 〜自宅〜
ランジュ「ええっ!」
ランジュ「他に興味あるサークルなかったの?」
ミア「もちろんあるよ、でもここに入ることはもう決めていたんだ」
ミア「それにランジュだって所属してるそうじゃないか、ボクには黙ってたみたいだけどね」
ランジュ「それはそうだけど……」
ランジュ「……」
ランジュ「悪いことは言わないからやめておきなさい、あそこは本当に根性の曲がったろくでなしの集まりよ」
ミア「……」
ミア「どうして彼女たちを悪く言うんだ!」バアン!
ランジュ「ひっ! え? ちょ、ちょっと」
ランジュ「ちょっとミア! どこ行くのよ〜!」
- 27 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 16:44:19.00 ID:xe7BWInI.net
- ミア「って言われたんだ! まったく相変わらず失礼なヤツだよ」プンプン
愛「ぬはははw」
歩夢「まあ……当たらずといえども遠からずというか……」
エマ「まあまあ、それよりミアちゃんは大学はどう?もう慣れた?」グビ
ミア「いやあ、楽しいけど……己の無力さを実感する毎日ですよ」
ミア「周りみんながとっても賢く見えて……だからこそ頑張らなきゃ!ってmotivationが湧いてくるんだけどね」
ミア「あと、なんと言っても専門科目が楽しみかな! 今はほぼ教養科目しか受けられないから」
ミア「みんなは今日はどんな講義があったんですか!?」
歩夢「……」
愛「愛さんはね、今日はジシュ……休講だったんだ〜」
ミア「それは残念……侑さんは?」
侑「……ミアちゃん、ところでさっきの話だけどさ、ランジュの言うことは気にしなくていいんだよ?」
歩夢・愛「!?」
侑「このサークルはね、親にも、世間にも、大学当局にも支配なんかされない……今ここが、世界で一番自由な場所だよ!」ドン!
ミア「なんと!」
歩夢愛「ええ……」
エマ「……」グビ
- 28 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 16:46:08.26 ID:xe7BWInI.net
- 〜自宅〜
ランジュ「ねえ、やっぱり考え直さない?」
ミア「さない!」
ランジュ「あなたのためを思って言ってるのよ」
ミア「しつこいな、どこに入るかはボクの"自由"だ!ボクは"自由"に生きるんだ!!」
ランジュ「ああ、もう既に悪影響が……」
ミア「明日も忙しいんだ、放っておいてくれ」
ランジュ「もう……」
ミア「さて線形の復習、と……あれ?」
ミア「しまった、部室に置いてきた!」ダッ
ランジュ「ちょっとミア! 待ちなさい! こんな時間にどこ行くの!?」
- 29 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 16:48:41.23 ID:xe7BWInI.net
- 〜虹ヶ咲学園大学〜
ワイワイガヤガヤ
ミア「夜遅いのに、まだまだこんなに人がいるんだ」
ジャーン!ドコドコ!
ボォーパァー
ミア「音楽サークルの練習も聞こえてくるね」
ギャハハ
ミア「並木道で酒盛りしてる人たちもいる」
ヒューヒュー!!
「あンの〜虹を〜渡ァって〜♪」ジャカジャカ
ミア「弾き語りしてる女もいるな……」
ミア「まるで、毎日がfestivalみたいだ」
ミア「部室棟は……あっちか」
〜サークル棟〜
ミア「まだ明かりが点いてる部屋がたくさんある……ってことはウチもまだ誰かしら残ってるかもしれない」
エマ「……」パチン
歩夢「チー……」パチン
侑「……」パチン
愛「はいロン〜w 裏は……なし、6400!」パタン
侑「かぁ〜っ! 相っ変わらずコスい打ち方するね!愛ちゃんは!」ガシャ
愛「へへへ、こちとらこれで食ってますんでね……セコくなきゃ商いは務まりませんよう」ジャラジャラ
エマ「オタ風の2枚切れはツモ切りするよ〜」ジャラジャラ
歩夢(危なかった……)ジャラジャラ
ミア「こんばんは……ってみんな、まだ残ってたんですね」
- 30 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 16:50:30.14 ID:xe7BWInI.net
- 歩夢「どうかしたの?ミアちゃん」パチン
ミア「忘れ物をね……あれ、あると思ったんだけど……」
侑「緑と黒の本でしょ? さっきどこかにあったよ」パチン
愛「カナちゃんが来たとき本棚に入れてたと思う、ほら……あれ」パチン
エマ「……」グビパチン
ミア「ホントだ、助かった……」
歩夢「良かったね」パチン
侑「エマさん、それ私にも少しちょうだい」パチン
愛「あ、アタシも欲しい!」パチン
エマ「いいよ〜」グビパチン
ミア「……」
ミア(こんな遅くまで酒を飲んでmahjongを……そんなに楽しいのかな?)
- 31 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 16:52:03.35 ID:xe7BWInI.net
- 〜品川駅〜
ランジュ「もう! こんな遅くに出掛けるなんて!」
ミア「そんなこと言ったって、教科書が手元になかったらどうしようもないだろ?」
ランジュ「教科書ならランジュのを貸すのに……」
ミア「いいんだよ、それにこんな時間でもまだまだ沢山学生が残ってたよ」
ランジュ「日付変わってるじゃない! ……もういいから、はやくお風呂入っちゃって」
ミア「わかってるよ」
- 32 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 16:53:18.80 ID:xe7BWInI.net
- 〜自宅〜
ミア(夜の大学もあんな感じなんだ)チャポン
ミア(ウチだけじゃない、きっと他のサークルでもあんな感じで人が集まって……)
ミア(虹大だけじゃない、国中のあらゆる大学のあらゆるサークルそれぞれで人が集まってそれぞれの活動をしているんだろうな)
ミア(大学生活は24時間年中無休、というわけだ)
ミア(それにしてもmahjongか……)ブクブク…
- 33 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 16:54:26.03 ID:xe7BWInI.net
- ランジュ「どうしたの、麻雀なんか調べて……」
ミア「ちょっと気になってね……やたらルールが細かいな」
ランジュ「線形代数やるんじゃなかったの?」
ミア「それもそうだけど今はこっちだ、ああ……役が多過ぎる!」
ランジュ「立直と混一色と食いタンだけ覚えとけばなんとかなるわよ」
ミア「いちいち口を出したがるんだな、ランジュは」
ランジュ「……」シュン
- 34 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 16:56:30.18 ID:xe7BWInI.net
- 〜〜
「ミアちゃんそのカッコどうしたの?w」
ミア「今日は実験があってね……汚れてもいい服じゃないとダメなんだ」
「さすが工学部w」「大変そ〜w」
ミア「ははは……」
ミア(こいつらと一緒に取れる一般教養や外国語の講義。 よりによって実験と同じ曜日だなんて……)
ミア(大教室でも服装でわかっちゃうよ、こいつは工学部だなって……なぜならオイルぶっ掛けられても喜びそうな格好してるのが工学部だからだ)
ミア(この日用のコーデでも考えるか……)
- 35 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 17:00:52.38 ID:xe7BWInI.net
- 〜英語科目(教養科目 必修)〜
ミア(ねむ……英語の授業はダルいな……麻雀のルールでも確認するか……)
「うち英語は単位認定できるから実はこの授業切ってもいいんだよねw」「え、すごw」
ミア(単位認定……そんなシステムもあるのか)
「何点いるの?w」「800wたまたま取れたw」
「うち絶対無理だw」
ミア(立直メンツモ平和タンヤオ役牌一盃口チャンタ三色混一色……)
ミア(500、1000、2000、3900……1300、2600、5200!)
「ミアちゃんはTOEIC受けたことある?w」「何点?w」
「ミアちゃん満点取ってそうw」
ミア「……0」
「「え?」」
ミア「48000!!! 役満だ!!!」ボゴォ!!!!
「「ぎゃああああ!!」」
- 36 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 17:02:30.85 ID:xe7BWInI.net
- ミア「初回授業はたいてい早く終わる、授業方針や課題や試験の有無……そして成績の付け方が説明され、じゃあ来週から本格的に授業を始めます、というわけだ……暇になっちゃったし、ボクも部室に行くとしようかな」
「ミアちゃん誰と話してるのw」
〜部室〜
かすみ「一昨日炎上してたYouTuberのさあ」パチン
しずく「あ〜knn kidsだっけ? 私あの人たち知らなかったんだよね」パチン
璃奈「あれ面白くないから知らなくて正解。」パチン
愛「そんなに?」パチン
かすみ「まあ……言われてみればそこまで面白くないけど」パチン
ミア「お、おはようございます」ガチャ
しずく「あ、ミアさん、おはよう」パチン
璃奈「毎回騒いでるだけだし、ロケ先で声出して走り回るだけの典型的な弱小配信者。」パチン
愛「手厳しいね〜、ミアチおはよ〜」パチン
ミア(麻雀だ!)ソワソワ
- 37 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 17:03:52.51 ID:xe7BWInI.net
- 侑「あ、ほらあの子がミアちゃん」
彼方「この子?ミアちゃん、昨日は勝手に片付けちゃってゴメンね〜」
ミア「いえ、こちらこそ置き忘れて……その……」
歩夢「近江彼方さんだよ」
ミア「彼方さん!」
彼方「おう、彼方さんだあ〜! 近江彼方、5年生! よろしくね〜」フンス
ミア「はい! こちらこそ!」(5年生? 院生かな?)
歩夢「あはは……」
エマ「……」グビ
- 38 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 17:05:11.46 ID:xe7BWInI.net
- ミア「今日は人多いですね!」
彼方「そうだねぇ、というより昨日がちょっと少なかったかな〜」
侑「多分果林さんもそろそろ来るよ」
彼方「どうかなぁ、まだ寝てそうだな〜」
ミア(愛さんも言ってたけど、昨日はいわゆる"全休"ってやつなのかな? なんて自由なんだ……!)
ミア「じゃあ皆さん今日は講義あるんですね!」
「「……」」
エマ「……」グビ
ミア「あれ……?」
ミア(昨日もこんなのがあったな……またボク何かやっちゃいました?)
ミア(ていうか、いま2限真っ最中のはずだよな? みんなそんなに時間割ガラガラなのか?)
- 39 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 17:07:15.67 ID:xe7BWInI.net
- 愛「ロン!!!!12000!終局!!」パタッ
かすみ「ぎゃあーーっ!!!」ガシャ
しずく「唐揚げ弁当よろしくね♪」
璃奈「私ゼリーだけでいいよ。」
愛「愛さんは〜……めんたいもちチーズもんじゃ!」
かすみ「無いです! そんなもの!」
侑「かすかす、あぶり焼きチキン丼お願い!」
歩夢「私もそれで」
かすみ「あなたたちは関係ないでしょー!」
エマ「ハツレバーつくねと芋ロック。 タレで」グビ
かすみ「もう何も言いませんからね」
かすみ「はーっ、ミアちゃんは……お昼何がいい?」
- 40 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 17:08:31.49 ID:xe7BWInI.net
- 愛「ミアちゃんもパシらせちったね」
歩夢「悪い上級生だ」
侑「彼方さんは制限中?」
彼方「まあね〜……金ない痩せなきゃ」
彼方「あ、果林ちゃんLINE来た、今起きたっつってる」
しずく「夜遅くまで撮影だったんですかね?」
彼方「昨日は打ち合わせだったらしいよ〜、それもほぼ日付変わるまで!」
侑「ひゃ〜そりゃ授業出られないわ」
歩夢「果林さん、ゼミもブラックなんですよね」
彼方「らしいね〜」
エマ「……」グビ
- 41 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 17:10:03.54 ID:xe7BWInI.net
- 〜〜
かすみ「ちくしょ〜重い……」
かすみ「……ミアちゃんはこの後授業とかあるの?」
ミア「実験が3限からあるんですよ」
かすみ「あー、だからその格好……大変だね〜」
ミア「工学部の実験のこと、知ってるんですか?」
かすみ「一応ね〜、昔りな子がよく愚痴ってたからさ……確か必修なんだっけ」
ミア「そうか、璃奈もこの授業を受けていたのか……」
ミア「璃奈がこれまで取った授業を全部取ってみるのもいいな……」
かすみ「それ一年で単位追い抜いちゃうね……」
ミア「ん?」
かすみ「あいや、なんでもない」
- 42 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 17:10:27.63 ID:Q2AKTBSK.net
- エマさん飲み過ぎ
- 43 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 17:11:57.64 ID:xe7BWInI.net
- エマ「ありがとーー!!」パアア
歩夢侑「ごめんね、ありがとう」
ミア「いえいえ、とんでもない」
かすみ「わざわざ氷まで買ってきたんですからね! 2人ともちびだから年確されちゃいましたよ」
璃奈「そっか、かすみちゃんもう20なんだっけ。」
エマ「えっ?かすみちゃんもう20なの?」グビ
かすみ「そーですよ! と言っても2ヶ月前ですけどね」
しずく「ていうか誕生日会やったじゃないですか」
彼方「まだ18の若造だと思ってたのに、時が経つのは早いね〜」
ワイワイ
ミア(希薄な上下関係、でも強い信頼関係が感じられる、それは……学年を超えた友情と呼ぶべきものだろう)
ミア(どれもこれも、歳上が絶対という東洋宗教のイメージとは大違いだ)
ミア(上下関係ガチガチの軍隊式サークルも多いらしいが、ここのそれは……家族!)
ミア(1年生がボクだけなのは少し残念だけど……それでもここに居たい! ここの一員でありたい!という気持ちは微塵も揺るがない)
- 44 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 17:14:32.02 ID:xe7BWInI.net
- ミア(お昼の時間はあっという間に過ぎていった……もう3限開始ギリギリだ、これは走らなきゃ間に合わない)
ミア(果林さんって人には会えなかったな)
ミア「じゃあ、ボクは授業に行ってくるね」
かすみしずく「頑張って!」
璃奈「ふぁいと。」
みんな「「行ってらっしゃ〜い」」
ミア「!」パアア
ミア「みんな、ありがとう!」ダッ
- 45 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 17:15:25.88 ID:xe7BWInI.net
- ミア(身体を撫でる風が気持ちいい、遅刻ギリギリダッシュなのになぜか楽しい。不思議な気分だ)
ミア(次は誰と話せるかな、まだ会ったことのない果林さんだろうか)
ミア(新しくルールを覚えたボードゲームで遊ぶのもいいな)
ミア(早く実験を終わらせて、あそこへ戻りたい!)
ミア(みんな、部室で待ってくれてるはずだから!)
ミア「……」
ミア「……ん?」
ミア「てかあいつら、授業は?」
- 46 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 17:44:21.89 ID:Dd9G0/dr.net
- やべえよ
- 47 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 17:50:57.93 ID:g8skxiss.net
- 早稲田かな?
- 48 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 18:00:26.50 ID:x21u98NJ.net
- おもろい
- 49 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 18:10:24.40 ID:RxuB6gtU.net
- 地味にランミア同棲してて不覚にもキュンと来た
- 50 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 18:34:46.53 ID:t9/P/uS8.net
- やっぱミア主人公は面白いな
- 51 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 20:41:12.79 ID:S0+ySLyG.net
- >>30
線形代数の教科書が緑と黒の本って懐かしいな
- 52 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 20:56:20.78 ID:m5cTBE1N.net
- 侑や愛、彼方辺りは割と想像しやすいが歩夢やしずくは意外だな…
あと屑側に回った時のエマは怖い
- 53 ::2022/03/05(土) 21:10:35.51 .net
- 実際ニジガクのキャンパスの大きさなら大学が併設校であってもいいよな(?)
- 54 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 22:46:22.86 ID:UbkHV3ba.net
- 今年大学卒業する俺としてはこのスレ読んでると凄く懐かしい気持ちになるわ
- 55 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 23:24:41.58 ID:xpgLcQ0i.net
- 大学1年ワイ、大学に行く機会が無さすぎて1ミリも共感出来ない
>>51
ワイの線形代数の教科書は緑一色のやつやったわ
- 56 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 23:40:07.09 ID:AI8c3otX.net
- まだ大学は全面オンラインなのか?
地域によるだろうけど
- 57 :名無しで叶える物語:2022/03/05(土) 23:52:01.78 ID:xpgLcQ0i.net
- >>56
うちの大学の場合は週に一コマだけの対面授業と1年を通して3回だけあった実験と専門基礎科目の期末試験だけが対面で他は全部オンラインや
もちろんサークルも活動してない
東京の私大通ってる友達も似たようなものだって言ってたけど理科大だけは対面授業とか実験が多いっぽい
- 58 :名無しで叶える物語:2022/03/06(日) 11:24:29.84 ID:KchftQ31.net
- ほ
- 59 :名無しで叶える物語:2022/03/06(日) 14:21:27.06 ID:mGL5Cjxu.net
- めっちゃ面白い
- 60 :名無しで叶える物語:2022/03/06(日) 22:16:13.32 ID:z/JluSp0.net
- 2.5話『部室棟中膝栗毛』
- 61 :名無しで叶える物語:2022/03/06(日) 22:20:08.95 ID:z/JluSp0.net
- ーーサークルとは?
ミア「大学といえばサークルだ!」
ミア「サークルとは課外活動を行う団体のことであり、その活動形式はさまざまだ! 顧問の教員や外部コーチがいて、その指導の元に活動するところもあれば、学生自らが主導し管理運営するところもある」
ミア「それらは〇〇部、××研究会、△△同好会と呼ばれたりもする……これらの呼称に厳密な違いはあるのかもしれないが……"集まって何かをする"という理念は共通しているため、ここではその言葉遣いの差異は特に問題としない」
ミア「サークルには、大学に公式に活動を認められ、資金や部室の提供といった援助を受けている公認サークルと、そうでない非公認サークルとがある……後者は活動拠点から自力で確保しないといけないから大変だ」
ミア「とはいえ、活動の実態に有意な差があるかと聞かれたら、意外とそうでもない。 サークルのシステムは自主性が強く、結局はサークルによる……と言うよりほかはないだろう」
ミア「さて、着目すべきはその活動内容なのだが……」
- 62 :名無しで叶える物語:2022/03/06(日) 22:22:03.12 ID:z/JluSp0.net
- ミア「例えば運動系サークル!スポーツで仲間と共に汗と涙を流し、熱く輝かしい青春の毎日を過ごす!」
ミア「野球サッカーバスケなどのおなじみの種目から、ゴルフやヨット、トライアスロンにパラグライダー、ダイビングなんかの大学ならではのサークルも……」
ミア「大学野球やラグビーや駅伝なんかは毎年メディアでも大きく取り上げられるね。 礼儀やド根性のアピールになるから……ガクチカに書けば就活のウケが抜群だ!」
ミア「技術系サークル! 研究機関としての大学を最大限に生かし、偉大なる先人やガチプロの知恵と己の機知を存分にふるい、テクノロジーの探究と限界に挑む!」
ミア「理系のボクにとっては、興味をそそられるところばかりだ! 有名どころのロボコンやソーラーカーや鳥人間からロケット、無線、自動車整備……どこも個人ではとてもかなわない規模の活動もできるのが魅力だ」
ミア「文化系サークル! これもまた学問の聖域ならではの活動だね」
ミア「資格取得やボランティア、社会問題、投資に企業……実学に興味のある意識の高い連中……」
ミア「あるいは文芸や美術、音楽、サブカルチャーなど各種文化に明るくあらゆる知識、バックグラウンドを持った連中と日夜語り合う!」
ミア「入学するまで一切出会わなかったような変人偏屈どもが大学にはゴロゴロ溢れているなんて……世界は広いものだ」
ミア「学祭を運営したり芸人や声優を呼ぶイベントを企画するサークルもここに含めておこうかな」
ミア「中には在学中に社会人もびっくりな成果を出したり、プロになる人なんかもいて……」
ミア「スクールアイドル同好会はここに属するみたいだね」
ミア「例えばゆるふわサークル!一見遊んでいるように見えるけど……人生の夏休みとはよく言うし、彼らだけの空間でコミュニケーションや人脈を増やすのもアリだろう」
ミア「お散歩サークルや猫カフェサークル……ボドゲサークル……ノリで作られてはすぐ消える、泡沫サークルも数多い……」
ミア「……スクールアイドル同好会はやっぱこっちかもしれないな!」
- 63 :名無しで叶える物語:2022/03/06(日) 22:23:54.57 ID:z/JluSp0.net
- ミア「日本のアニメによると、それぞれのサークルにそれぞれの"物語"があるらしいね」
ミア「どこに入ってもきっと充実した毎日を送れるし、どこに入ったとしても違う未来を想像することになる」
ミア「ここの立て看板にも書いてあるね……"頑張った想い出は、きらめく青春の日々! 得られた仲間は、一生の友!"……だってさ」
ミア「忙しくはなるがサークル掛け持ちもアリかな……ま、ゆるふわなら忙しさもたかが知れているだろう……」
ミア「とりあえずは、手当たり次第に新歓や説明会に参加するものらしい……歓迎パーティや飲み会は、タダ飯にも有り付けるからね」
- 64 :名無しで叶える物語:2022/03/06(日) 22:28:15.41 ID:z/JluSp0.net
- ーーさまざまなサークル
・法学サークル
「ここでは法学に興味のあるメンバーが集まり、法律の勉強会を行なっています! 具体的には週に2回の自主ゼミを行ったり定期試験や院試対策を行うという法学部生寄りのサークルではありますが……法律に興味のある、他学部学生も大歓迎です!」
「理工系だそうですね! うちの過去の理工系の部員では……法律のうちの知的財産法というものを専門的に扱う、弁理士の資格を取った方もいるんですよ!」
「理工系と特許は切っても切り離せないものですから……」ペラペラ
ミア(法曹か! それとも弁理士なったり知財法務部、就職しちゃおうか!?)
・広告研究会
「虹学祭で開催されるミスコンをご存知でしょうかぁ?w簡単に言えば私達はあれを運営しているサークルで〜す!」
「先輩は美男美女でOBには女子アナも! お洒落さんばかりw」
「やるときはやる!wふざけるときはとことんふざける!wこんなに最高にバカできてハチャメチャなサークル、他にありません!w」
ミア(やばい! 部員も見学者もみんなギラついた"陽"のオーラが半端じゃない! 愛想笑いだけで精神がゴリゴリ擦り減る!)
「コイツ見た目に反してマジ頭イカれてるからw困ったことあったらコイツに聞くといいよw」
「とか言うコイツはもっとネジ飛んでてねw」
「エギ!」「エグいエグいエグいwwwエグいて!w」
ミア「ははは……」(内輪ネタがキツいのは陽も陰も変わらないんだな……)
・流しそうめん同好会
「流しそうめん体験会やります!! ぜひ食べに来てね!!」
ミア「うおおおおお!!!」
「……このような円環内の流れをHagen–Poiseuille流れと言い、これをNavier–Stokes方程式にしたがい解くと……その速度分布は……」
ミア(何言ってんだ? こいつら……)モグモグ
- 65 :名無しで叶える物語:2022/03/06(日) 22:33:09.69 ID:z/JluSp0.net
- ・コピーユニット A-RISE
ミア「あぎゃああああ!!」ジタバタ
「きみ……だ、大丈夫!?」
ミア「あああああ! 足攣った!!……し、死ぬ……!」ゼエゼエ
・ロック研究会
「み〜らいがァ〜♪ キセキになるぅン〜♪」ジャカジャカドコドコベンベンピロピロ
ミア「この曲いいな……へえ、オリジナル曲なんだ」
ミア「流石というか、演奏も上手くリフもカッコいいしギターソロも完璧だ! しかし……歌ってる男が死ぬほど苦しそうだな……日本の男性Voは無駄にキーが高過ぎる……」
・DTM研究会
ミア「あのRICO*27が作ったサークルなのか!?」
ミア「すごいな……ちなみに27の曲の再生数はボクの昔作ったボカロ曲の100000倍!とんでもないことだ」
ミア「主にdiscord上で活動するので、普段は顔を合わせないそうだ……なんだか寂しいな」
ミア「姉妹サークルに、DJ研があるらしい! 行ってみるか!」
・DJ研究会
「「田んぼの様子が👏おかしい❗」」
「「「イェッタイガーーー❗❗❗👆👆👆」」」
ミア「DJ研、アニクラのクソオタクに乗っ取られてた……😭」
- 66 :名無しで叶える物語:2022/03/06(日) 22:39:34.01 ID:z/JluSp0.net
- ーーサークルと新歓
ミア「今日も新歓で食べてくるから、ご飯は用意しなくていいよ」
ランジュ「そう……あんまりハメ外しすぎちゃ駄目よ? あなたそんなにお酒強くないんだから……」
ミア「わかってるってば」
ランジュ「ああ心配だわ……なんならランジュもついて行きましょうか?」
ミア「いいよ、そんなことしなくて」
ミア(家でつい飲み過ぎたとき、ランジュのおっぱいにずっとしがみついて、バブバブして爆睡したらしい……まさか、このボクが本当にそんなことしたのか?)
「焼肉やります!」「焼肉食べ飲み放題!! 新入生は無料!!」
「焼肉!!!!安安の前に18時集合!!!」「🍖🍖🍖🍺🍺❗❗❗」
ミア「く、苦しい……」ゲップ
- 67 :名無しで叶える物語:2022/03/06(日) 22:42:52.33 ID:z/JluSp0.net
- ーー危険!要注意サークル
「Scorpioと開発研とメディア研は特に要注意な、あと火薬部」
「印哲の連中もヤベーっすよ」
「そうだった、忘れてた! これが俗に言う虹学5大危険サークルだ」
ミア「何かやばいんですか?」
「Scorpioは天体観測という皮を被ったバケモン飲みサーでとにかく飲み方が下品でな……よく学生課から指導を受けてる」
「ちょっと前はもっと悪質で飲酒強要、急性アル中救急車はザラだったし、酒に薬混ぜてるなんて噂も合ったんだよ」
ミア「へ、へえ……」(怖過ぎだろ……)
「よくイキったサークルが死人出して全国ニュースになったりするだろ? ああなるのも時間の問題だったな、最近はマシになった方らしいけどね」
ミア(ランジュが気を付けろってうるさく言うのはこういうのか……)
「開発研とメディア研は……どうだったかな、どっちかが極左でどっちかが新興宗教だったかな」
ミア(しかし新入生を酔わせてその……遊ぶなんて、大学にはとんでもない不届き者がいるものだ!)
「要するにゲバ棒もって暴れてるアレとカルトサークルさ」
「まあ、この二つに入ってる奴なんて聞いたことないし、どこに部室があるのやら……残ってるのかすらも怪しい、もはや都市伝説だよ」ペラペラ
ミア(やはり男はケダモノだ! 見つけ次第成敗してやる! 公安サークルとか治安維持サークルとか無いんだろうか?)
- 68 :名無しで叶える物語:2022/03/06(日) 22:45:52.15 ID:z/JluSp0.net
- 「サークルの名前変えてこっそり残ってたりするかもしれないっすね!」ガハハ
ミア「は、はあ……火薬部ってのは?」
「GHQに解体された、戦前からある研究会の残党だ! 爆弾製造して逮捕された奴がそこのサークルだったって言われてるけど……まあこれも現存するのか疑わしい、虹学の鉄板ジョークみたいなモンだな!」
ミア(テロ集団じゃないか……)
「……一方で印哲の連中はそこら辺をふつーに歩いてるから気を付けろよ。 勝手に占いや悩み相談を持ちかけては奇怪な文句で取り囲み……金をせびる極悪な連中さ」
ミア「そ、そんな四畳半に出てくるババアみたいな……」
「ははは! 言い得て妙だな! ただやつらの頭は美人で背の低い、巨乳の女らしい……そのせいか取り巻きは男ばっかでな……つまりはやつらこそ煩悩まみれってオチなんだよな!」ガハハ
- 69 :名無しで叶える物語:2022/03/06(日) 22:48:48.90 ID:z/JluSp0.net
- 〜〜
「ご覧ください! これがわが新聞部自慢の輪転機です! コピー機とは異なり……猛スピードで、そして大量に白黒印刷が可能です!」
「我々の刊行する週刊新聞だけでなく、他サークルの発行する出版物の校正や印刷も格安で請け負っているんですよ! そのため印刷研と呼ばれることもあります!」
「なにより……膨大なデータベースとあらゆる情報網を駆使し楽単情報や試験の過去問から……学内のゴシップまで……自由自在! 虹学1の情報屋と言えば我々です!」
ミア(情報屋……折原臨也みたいなモンか? ちょっとカッコいいかも!)
ミア「それじゃあ……聞いてみたいんですけど、開発研ってどんなサークルなんです?」
「ややっ!? 新入生からそんなコアなワードが飛び出すとは……あなたも相当なゴシップ好きのようですね……ぜひわが部への入部をお勧めいたします……」ペラペラ
「開発研というのは正しくは脳内開発研究会という、20年以上前突如として現れた、イマジナリーガールフレンドを研究し実践するキチガイ新興宗教サークルで……全盛期はとんでもない精神病患者を抱え政治屋も一枚絡むマジキチ団体だったのですが、とある事情により事実上解散させられました……というのも……おっと!これ以降は"禁忌"でした!」ペラペラ
ミア「ふ〜ん、メディア研は?」
「あひい! それも"禁忌"でして……」ガタガタ
「ただひとつ言えることは、絶対に関わってはいけません!」
ミア(きな臭過ぎる……言論の自由は一体どこへ行ったんだ……)
- 70 :名無しで叶える物語:2022/03/06(日) 22:53:34.04 ID:z/JluSp0.net
- 〜〜
ミア「学内のどこを歩いていてもサークル活動は目につく! 」テクテク
「1! 2! 3! 4!」パンパン
ミア「デカいガラス張りがあればそこはどこでも、ダンスサークルの活動場所だ!」
「「ラーラーラーラー♪」」
ミア「右手の芝生では男女混合アカペラサークルが! こいつらが個人的には一番青春っぽい感じがするよ」
「ないすぅ〜」
ミア「左手には物をポンポン投げ合ってはキャッチするジャグリングサークル! 全く器用な連中だね」
「ぬおおおお!!」ガーッ
ミア「うわあっ!!」
「ギャハハハハ!」ガーッ
ミア(構内をローラーブレードやスケボーで爆走する珍走団! 危険極まりない!……っておい!)
「ぎゃああああ!」ドカン!
ミア「ああ! 自動車部がキャンパス内を走行させてる自動運転の車にやつらが轢かれてしまった!」
ミア「言わんこっちゃない……」
「その通り、あれこそが"因果"なのです……」ブツブツ
ミア「!?」
「そこの貴女……占いに興味はございませんか……?」「ございませんか……?」ゾロゾロ
ミア(ヤベェ! 印哲の連中だ!)
「「永遠なる目的……梵我一如……アートマ・グラーハ……」」ブツブツ
ミア「万事休す! かくなる上は……」
ミア「三十六計逃げるに如かず!!」ドガン!
「「ぎゃあああああ!!」」
ミア「ハアハア……孫子の兵法は偉大だ……」
- 71 :名無しで叶える物語:2022/03/06(日) 22:55:18.93 ID:z/JluSp0.net
- 〜〜
ミア「実はスクールアイドル同好会ってとこに決めてて……公認らしいんですけど」
「知らないな……公認すら多過ぎるからな……あんまり把握してないんだよ、〇〇さん知ってます?」
「んあー、うちの学科のガラの悪い女が入ってるって聞いたな、若い女が腰振って踊ってる動画見て駄弁るだけのサークルだっつってた」
「あー、そういう系なんですね、ま……うちも似たようなもんか」
ミア「公認なのに……そういうもんなんですか?」
「文化系サークルは、実際そういうところも多いだろうな……うちだって学祭に向けて一応映画撮ったりはするが……それ以外は普段映画見てないしな……」
- 72 :名無しで叶える物語:2022/03/06(日) 22:59:43.39 ID:z/JluSp0.net
- ーーサークルの意外なメリット
「部室持ってるとこには一つは入ったほうがいいよ。 うちの大学のサークル棟は24時間立ち入れるから。」
「どうしようもなく暇なときに部室に行けば、大抵誰かがいてくれる。」
ミア(ぼっち飯回避!ってやつか……人恋しい夜も安心だな)
「大学はあまりにも広大でこれまでの世界観や価値観は一瞬でひっくり返るし、なにより自由。……それゆえに社会との繋がりが希薄になったり自分を見失うこともある。」
「そういうとき、サークルという人間関係や場があれば、それだけで支えになるんだよ。」
ミア「なるほどなあ……いまいち実感湧かないけど……」
璃奈「まあ、ミアちゃんもいずれわかるときが来る。かも。」
- 73 :名無しで叶える物語:2022/03/06(日) 23:01:05.74 ID:z/JluSp0.net
- 〜〜
ミア「毎日毎日手当たり次第に周ったけど……とんでもなく疲労困憊だ……」
ミア「コピユニで肉離れ起こしかけるし……インドア極めたボクに運動部はやっぱしんどいのかな」
ミア「ロボコンとか鳥人間とか興味あったけど……技術系サークルは部費がとにかく高いし男ばっかなのがなあ……」
ミア「……」
ミア「とりあえずはDTM研と……」
ミア「……」
ミア「う〜ん、スクールアイドル同好会かな……」
「……」サササッ
「ロケットサークルで〜す! 火薬や爆薬、ミサイルに興味ある人はぜひ!!」
- 74 :名無しで叶える物語:2022/03/06(日) 23:39:57.24 ID:EXveDFjl.net
- > ミア(家でつい飲み過ぎたとき、ランジュのおっぱいにずっとしがみついて、バブバブして爆睡したらしい……まさか、このボクが本当にそんなことしたのか?)
ここの描写が足りねえよなぁ
- 75 :名無しで叶える物語:2022/03/07(月) 10:08:30.27 ID:U6nLe8PU.net
- 待ってる
- 76 :名無しで叶える物語:2022/03/07(月) 18:27:22.31 ID:ZQd0//WQ.net
- 3話『虹ヶ咲パラダイス (進級は)赤信号』
- 77 :名無しで叶える物語:2022/03/07(月) 18:31:14.80 ID:ZQd0//WQ.net
- 〜基礎工学実験 クラスα(工学部開講 必修)〜
ミア(いよいよ初めての実験だ! 難しくて予習はあまり出来なかったけど)
教員「全員居ますかね……? ま、この科目は工学部なら自動で履修登録されるので、無関係の方はいないと思いますが」
「ウン、ウチのグループは全員揃ってるみたいですね、それでは簡単な座学から始めていきます」
「今回ウチのグループの実験内容は粘性です、おそらく講義ではまだ流れには触れていないので、皆さんには先取りという形になってしまって申し訳ないのですが……」
TA「先生、ちょっと……」
「? どうかしましたか?」
ミア(? なんだ?)
- 78 :名無しで叶える物語:2022/03/07(月) 18:33:34.42 ID:ZQd0//WQ.net
- 「〇〇先生から伺ったんですけど、連絡無しで来てない人が他の班にいるみたいで……班を間違えて参加してる可能性が……」
「それはそれは……うちは人数合ってますので多分大丈夫そうですね」
ミア(初回授業から実験をサボるなんて……工学部にもパンクなやつがいるものだ……)
「念のため確認しますか、その学生のお名前は?」
「その、テンノウジ……リナ? さんですね」
「ああ、はい。一応聞きますけどこの中にテンノウジさんはいませんよね?」
ミア(天王寺!?)
ミア(偶然……だよな?)
「学籍番号は……ですね」
「ん……? ああ3年生の……彼女は確か去年もいませんでしたね」
ミア(3年生!? やはり璃奈なのか!?)
「あと他にも……」
ミア(この後、行方不明者は3人いることがわかり、璃奈を含めた3人の不在確認のために30分近くを費やした。出席を雑に取っていた教員が多く、再度1人ずつ名前と顔と学籍番号を照らし合わせる羽目になったからだ)
- 79 :名無しで叶える物語:2022/03/07(月) 18:35:40.67 ID:ZQd0//WQ.net
- ミア(実験内容は結局よくわからないままだった)
ミア(ボクらのグループはさらに小規模のグループに分かれ、それぞれ異なる溶質を担当して実験した。 所定の濃度の溶液を調合し、それらが毛細管を降下する速度を計測する。 その結果から算出した粘性率を濃度に対してプロットし、公式から導いた理論値と照らし合わせ、溶質の種類による粘性のふるまいを評価するのだ)
ミア(ボク達の担当はエタノールだった)
ミア「……」
メンバーA「なんか、地味……ですね」
ミア「そうだね……」ボケー
メンバーA「時間、かかりますね」
ミア「そうだね……」ボケー
メンバーA「……」
メンバーA「出身、どちらなんですか?」
ミア「ニューヨーク……キミは?」
メンバーA「すごいですね……僕は大宮です」
ミア「そうなんだ……すごいね」(オーミヤってどこだ?)
メンバーBC(どこがだ?)
メンバーA「……」
ミア「……」ボケー
ミア(メンバーBとCは一言も発しなかった。地味なのは実験内容だけじゃなかったようだ)
ミア(それにしても璃奈……キミは一体どこまでmysteriousなんだ……)
- 80 :名無しで叶える物語:2022/03/07(月) 18:42:32.71 ID:ZQd0//WQ.net
- ミア「疲れた……」テクテク
ミア(高々3時間の作業時間と装置をただ眺めているだけの実験内容に比してどっと疲れてしまった……週末だからなのか、実験が期待外れに退屈だったからか、始めに余計な時間を取らされたからか、それとも……)
ミア「実験レポートも書かなきゃいけないのか……タスクが多いのは精神的に参るな……」
ミア「部室に、行こう……」
〜〜
ミア「……」テクテク
果林「……」スパー
果林「……」ボリボリ
ミア「ケホッ」(こいつ喫煙所の白線からはみ出してるぞ……治安悪いな……)
果林「……」ギロ
ミア「ひぃっ! ス、スイマセ……」(ヤニカス治安悪過ぎ!)
- 81 :名無しで叶える物語:2022/03/07(月) 18:43:50.28 ID:p+59QBvF.net
- これ実話?
- 82 :名無しで叶える物語:2022/03/07(月) 18:45:23.95 ID:ZQd0//WQ.net
- 〜部室〜
侑「や〜! それは厳しいな……」パチン
しずく「むむ……」パチン
彼方「なんのっ」パチン
エマ「強気だねぇ〜」パチン
歩夢「えっ、これ無理無理無理無理!!」ピコピコ
かすみ「歩夢さん!右!右!右ちゃんと見て!!右来てる!!!」
歩夢「じゃあかすかすやってよ!」バッ
かすみ「え! ちょ、いきなり!」
ミア「……」ガチャ
侑「あ、おつかれ〜」パチン
しずく「……」パチン
彼方「おつ〜」パチン
エマ「彼方ちゃん通すねぇ……」パチン
歩夢「ほら! 死んだじゃん!」バシン
かすみ「痛っ! 急に渡されたらそりゃ無理ですよ! あ、おかえりなさい」
ミア「ただいま……璃奈は?」(なんかヤニ臭いな……)
侑「そういえばいないね」パチン
しずく「くぅ〜……!」パチン
彼方「これは通る……」パチン
エマ「……ツモ。……4000オール」パタン
歩夢「さっき愛ちゃんと出てったよ」バシン
かすみ「いたい! ……まあ見ててごらんなさい」ピコピコ
ミア「そうなのか……」
- 83 :名無しで叶える物語:2022/03/07(月) 18:48:41.00 ID:ZQd0//WQ.net
- ミア「……」
ミア(なんだか疲れたな……)
歩夢「愛ちゃんはバイトだと思うけど……璃奈ちゃんも帰っちゃったのかな?」
歩夢「もしかして璃奈ちゃんに何か用事あったりした?」
かすみ「りな子今夜は男となんとか言ってましたよ」
彼方「ぴ?」
かすみ「や、なんか別の男」
彼方「ぴぃ〜っww」ジャラジャラ
侑「かぁ〜っ! あの繋がり厨め!」ジャラジャラ
しずく「侑さんは人のこと言えないでしょ……」ジャラジャラ
ミア「……」
歩夢「ミアちゃん?」
- 84 :名無しで叶える物語:2022/03/07(月) 18:50:38.62 ID:ZQd0//WQ.net
- ミア「……zzz」
歩夢「あり? 寝てる……」
かすみ「疲れちゃったのかもしれませんね」
エマ「急に環境変わるとね〜」パチ
侑「1年生結構大変だもんね〜、学部にもよるけどさ」パチン
しずく「思い出すなあ、私も1年生のときほんと大変で……」パチン
彼方「彼方ちゃんはいまだに毎日疲労困憊だよ〜」パチン
ミア「……zzz」
果林「うぃ〜っす……じゃなかった、はぁ〜い♡」ガチャ
「「あ〜〜っ! 果林さん(ちゃん)!!」」
ミア「……zzz」
- 85 :名無しで叶える物語:2022/03/07(月) 18:53:29.07 ID:ZQd0//WQ.net
- 〜〜
ミア(しまった! 完全に寝落ちしてた!)ガバッ
ミア(何時だ!? 部室にはもう誰も……)キョロ
エマ「おはよ、ぐっすり寝てたね」グビ
ミア「! え、エマさん……居たんですか」
エマ「ミアちゃん1人残すわけにはいかないからね〜」グビ
ミア「ご、ごめんなさい……迷惑かけて」
エマ「いいのいいの、わたしもやることなかったし」
ミア「……」グキュルルル
ミア「げっ」
エマ「あはは、お腹空いたよね、ちょっと遅いけどご飯食べに行こっか」
ミア「は、はい!」
- 86 :名無しで叶える物語:2022/03/07(月) 18:55:38.37 ID:ZQd0//WQ.net
- 〜焼き鳥屋〜
ワイワイガヤゴヤ
ミア「すごい人だ、これが華金ってやつなのか」
エマ「ね〜、みんなこんな時間まで飲み歩いてるんだね」
エマ「さ、食べて食べて」ガジガジ
ミア「いただきます……」
ミア(……焼き鳥は初めて食べるな……新歓は焼肉ばっかだったし)
ミア「はむ……」モグモグ(美味っ!なんだこれ!)
ミア「……」ガジガジ
エマ「……」カチャッ…ジュボッ…
エマ「……ふぅ〜」スパー
エマ「あ……ごめんね、タバコ、平気?」
ミア「あいえ、ぜんぜん大丈夫です!」(吸ってから聞くのか……)
ミア「というかエマさん吸うんですね……」
エマ「いつの間にかね〜」
- 87 :名無しで叶える物語:2022/03/07(月) 18:57:24.91 ID:ZQd0//WQ.net
- ミア(焼き鳥の煙に客のヤニに換気が追いつかない)
ミア(せっかく美味しいのに……なんだかなあ、てかこれ旨っ!)ガジガジ
ミア(こんなに臭いつけて帰ったら、ランジュにまたなんか言われるかもな……)
ミア「!」(しまった!ランジュに連絡するの忘れてた!)
エマ「ランジュちゃんには私から連絡しといたよ」グビ
ミア「え? あ、ありがとうございます……またうるさく言われるところだった……」
エマ「あはは、ランジュちゃんも心配性だからね」
ミア(そう、ランジュはボクのことを過剰に心配し過ぎる)
エマ「芋ロックおかわりで」スパー
ミア(飲み過ぎじゃね……)
- 88 :名無しで叶える物語:2022/03/07(月) 18:59:04.02 ID:ZQd0//WQ.net
- 「「ギャハハハハ!!!」」
ミア(虹大の連中かな? どこのサークルだろうか)
ミア(馬鹿騒ぎしている虹大生たち、正直うるさい)
ミア(しかし元気だなあ……授業出てサークル行って飲み会……課題やバイトで忙しいはずなのに……底無しの体力か)
ミア(いや……こんな風に馬鹿騒ぎできるのも学生のうちだけだからかな……それこそ、休んでる暇はないわけだ)
エマ「……」モクモク
ミア(てかこいつ何吸ってんだ!? 灰皿からドブのような臭いがヤバ過ぎる……)
- 89 :名無しで叶える物語:2022/03/07(月) 19:01:57.42 ID:ZQd0//WQ.net
- ミア(楽しそうにしている人たちを見ると、焦燥感というか……なぜだか焦ってしまう気分になる……気がする)
ミア(なんというか……この広い世界と過ぎ去っていく毎日の中で、この人たちは自分の居場所というものを見つけられていて、笑い合える仲間に巡り逢えているんだなって……)
ミア「……」
ミア(ボクだけがポツンと取り残されているような気がしてならない……もちろん、どこに行こうとか誰と話そうとか……目の前に無数の選択肢があるわけだけど……)
ミア(自分の居場所を持つ、高度なスキルを得る、人脈を作る、そして一生の思い出を手に入れる……あらゆる選択肢が、これら人生の目的へと複雑怪奇に絡み合っていて……正解を選び続けるのは容易ではない! ……いや、そもそもボクって何がしたいんだろう……?)
ミア(ここ最近で抱えていたそんな悩みがぐちゃぐちゃに混ぜ合わさって……がんじがらめにされたような気分だ……)
ミア「……」
ミア「はあ……」
エマ「? どうかしたの?」
ミア「あ、いえ……何でも」
エマ「もしかして……疲れちゃった?」
ミア「い、いえ! エマさんといるのがどうとかそういうわけじゃ……」
- 90 :名無しで叶える物語:2022/03/07(月) 19:03:16.38 ID:ZQd0//WQ.net
- ミア(それから、エマさんと色々な話をした)
ミア(せっかくルールを覚えたのに麻雀をできなかったこと)
ミア(璃奈が何故か1年の実験科目を履修していて、来なかったこと)
ミア(ボクが部室で寝ている間に果林さんがやって来て、ボクが寝ている間に帰って行ったらしいこと)
ミア(そして……ボクがいままさに直面している若き迷いについてのこととか……)
ミア(でも、あまり記憶がない……いつもの半分くらいのアルコール量で潰れてしまった)
ミア(気が付いたらランジュが迎えに来ていて、気が付いたら自宅に帰っていた)
- 91 :名無しで叶える物語:2022/03/07(月) 19:04:58.29 ID:ZQd0//WQ.net
- 〜車内〜
ミア「zzz……」
ランジュ「……わざわざすみません、おいくらでしたか?」ブロロ…
エマ「いいよいいよ〜私が勝手に連れてっただけだから」
ランジュ「でも……」
エマ「私もそうやってご馳走してもらったんだから。 ランジュちゃんもそうだったでしょ? だから、ミアちゃんにも後輩ができたときにはそうするように言ってあげて」
ランジュ「わかりました……」
エマ「あ、この辺で降ろしてもらえると助かるかな」
- 92 :名無しで叶える物語:2022/03/07(月) 19:06:45.25 ID:ZQd0//WQ.net
- エマ「そうだ、せっかくだしさ」
エマ「うちでも歓迎会とかやろうよ、ランジュちゃんもどう?」
ランジュ「……あの子は来るんですか?」
エマ「そりゃ誘うけど……」
ランジュ「……じゃあ行かない」
エマ「そろそろ仲直りしたら?」
ランジュ「こっちの問題です……」
エマ「そっかあ……でもさ、ミアちゃんの歓迎会なんだしさ」
ランジュ「……わかりました、顔出すくらいになるかもしれないですけど」
エマ「いいよいいよ、それと送ってくれてありがとね」
ランジュ「はい……お疲れ様です、おやすみなさい」
エマ「は〜い、お疲れさま、そっちも帰り気を付けてね」
バタン……ブロロ……
- 93 :名無しで叶える物語:2022/03/07(月) 19:07:50.07 ID:ZQd0//WQ.net
- ランジュ「……」
ミア「zzz……」
ミア「むにゃ……」
ランジュ「……」
ミア「……うぅ〜、じっくりじっくり仕上げたメンタンピン三色……そして海底、璃奈ぁ……ロンだ……その牌だあ……!」
ランジュ「?」
ランジュ「全く……どんな夢見てんだか」
ブロロ……
- 94 :名無しで叶える物語:2022/03/07(月) 19:09:19.82 ID:NGNJb67X.net
- そういえば栞子がいないね
- 95 :名無しで叶える物語:2022/03/07(月) 19:32:20.21 ID:rVXW5Mlp.net
- せつ菜もおらん
- 96 :名無しで叶える物語:2022/03/07(月) 22:37:04.21 ID:DuIWUJUV.net
- 穂乃果「海未ちゃあああん」海未「帰れ」も大学ネタだったよな
あれこそ王道やろ友達との絡み合いから発生する面白みから読者さんにも語りかけられてる現実との向き合いまで盛り沢山だった
いやー懐かしいね
- 97 :名無しで叶える物語:2022/03/08(火) 00:33:48.78 ID:h7p0dnaz.net
- 大学あるあるって都心のキャンパスと地方のキャンパスでまた違うんだよな
- 98 :名無しで叶える物語:2022/03/08(火) 05:35:16.71 ID:LQtsTR+x.net
- りなりー...
- 99 :名無しで叶える物語:2022/03/08(火) 18:37:39.66 ID:60qR4+sC.net
- 4話『シラバスを読んでない講義について堂々と語る方法』
- 100 :名無しで叶える物語:2022/03/08(火) 18:40:39.42 ID:60qR4+sC.net
- 侑「……」歩夢「……」エマ「……」グビ
愛「ち〜っす」
侑「もう戻ってきた、早かったね」
愛「やべ〜、無理な人居たからあの授業取れないw」
歩夢「あ〜……でも2年経ったんでしょ? 向こうも忘れてるって」
愛「や〜、ばっちり目が合っちゃった。てかなんであいつも落としてるんだよ〜」
侑「何の科目?」
愛「オートマトン。ふつーにムズい」
歩夢「そっか〜……そっちはただでさえ女子少ないから大変だね」(トマト……?)
愛「それもあるっちゃあるけど、そもそもこれ2年生の科目だし」
愛「愛さんぼっちで辛いよ〜〜〜」
侑「二人揃って再再履なの? もう運命でしょ」
歩夢「今度は二人で再再再履になっちゃうね」
愛「やだ〜〜〜〜!!!」
- 101 :名無しで叶える物語:2022/03/08(火) 18:47:58.37 ID:60qR4+sC.net
- 侑「私もこの前講義室覗いてみたら知ってる人誰もいなくてそのまま帰っちゃった」
愛「みんなもう就活してるもんね〜」
歩夢「入学したときに仙人って呼ばれてた上級生の人、まだいて笑っちゃった」
愛「未来のアタシ達じゃ〜〜んw」
歩夢侑「イヒヒ!w」
愛「そうそう、それでさ! なんか授業一緒に取らない? みんなで協力したら取れそうじゃない?」
侑「あ〜いいね」
歩夢「もう授業始まってから2週間経ってるけどね」
愛「ゆーて欠席2回か3回ならまだなんとかなるっしょ!」
愛「探そうよ、どこの学科のでもいいからさ」ペラペラ
侑「ぎゃあ! 授業案内の冊子3年ぶりに見た!」
- 102 :名無しで叶える物語:2022/03/08(火) 18:49:53.67 ID:60qR4+sC.net
- かすみしずく「「う〜っす」」ガチャ
かすみ「げっ、科目一覧だ」
しずく「……珍しいですね、皆さんどんな心変わりですか?」
愛「かくかくしかじかでね〜」
しずく「かくかくしかじかですか〜」
かすみ「私春学期始まる前学修案内と合わせて死ぬほど読み込んだんですよ〜……もう見たくもない」
歩夢「え、かすかす来年卒業できるの?」
かすみ「万が一なら……ワンチあるってとこですね……」
侑「しずくちゃんは?」
しずく「無理ですね」
愛「即答w」
- 103 :名無しで叶える物語:2022/03/08(火) 18:52:16.29 ID:60qR4+sC.net
- パラパラ…
かすみしずく「「う〜ん……」」
かすみ「……うちの学科のは課題もレポートも多いですし、楽して取れそうなのはそんなにないですね……ふつーに微分とか出てくるのありますし」
侑「げ〜微分は高校以来だから厳しいや……かすかすそんなのやってるの?」
かすみ「私もやりたくてやってるわけじゃないですけどね」
愛「そっか〜」
しずく「こっちは一限ばっかなので……私も皆さんも出られそうにないですね」
歩夢「わかる、うち無駄に一限多いよね」
しずく「学部の方針らしいですね、あれ」
愛「そっか〜」
侑「そうだ、私教育実習行かなきゃいけないんだけど誰か一緒に行かない?w今年か来年w」
愛「1人で行け!w」
- 104 :名無しで叶える物語:2022/03/08(火) 18:56:58.19 ID:60qR4+sC.net
- パラパラ…
愛「いいのないな〜」
侑「やっぱ楽単がいいんだけどさぁ、みんなの言う楽単って私の楽単じゃないんだよね」
かすみ「まあ現に落としまくってるわけですからね……」
侑「授業出なくても試験だけで単位来るとか言われても……解けないし! みたいな」
愛「それな〜」
侑「テスト無くて課題だけで単位来るとか言われても……課題多いしむずいし!みたいな」
愛「それな〜」
侑「出席だけしてれば単位来るとか言われても……起きられないし! みたいなw」
愛「それな〜w」
侑「試験なくて〜」
かすみ「課題もなくて〜」
しずく「出席もない講義」
愛「あるわけないんだよなあw」
歩夢「どうやって成績つけるんだ」
愛「ごもっとも。楽単は諦めて内容面白そうなの探そ!」
- 105 :名無しで叶える物語:2022/03/08(火) 18:59:16.82 ID:60qR4+sC.net
- パラパラ…
しずく「これとか面白そうですね♪ 演劇の参考になりそうです!」
かすみ「表現論……? なんか文学とかそっち寄りなんですかね?」
歩夢「いや〜、聞いたことないけどな……こんな授業あったんだ」
侑「小説とか映画とかそういうのかな? 授業中に読んだり観たりするのあるよね!」
愛「採用!」
- 106 :名無しで叶える物語:2022/03/08(火) 19:00:17.37 ID:60qR4+sC.net
- パラパラ…
しずく「むむ……」
かすみ「どしたの? しず子」
しずく「またいいの見つけちゃった……これ、、アリじゃない?」
侑「……アルコール……いい響きだね! 酒カスの私達にはピッタリだ!」
愛「採用!」
歩夢「あでもUって書いてあるから夏学期だし続きものっぽいよこれ」
愛「まあでも採用!」
- 107 :名無しで叶える物語:2022/03/08(火) 19:06:53.23 ID:60qR4+sC.net
- パラパラ…
璃奈「私のおすすめはこれ。」
愛「いきなり出てきたね〜」
璃奈「高電圧工学。愛さん雷とか好きだし。」
愛「りなり〜、そのことはもう勘弁してよ〜っ」
璃奈「ふふふ。あのときの愛さん、面白かった。」
歩夢「あはは、なんかあったね」
愛「忘れて!」
しずく「なんか凄そうな名前だけど何やるの?」
璃奈「デカい電圧と電子のふるまい。例えば、通常では絶縁体として扱ってきた"空気"だけど、高電圧が印加された状態では絶縁破壊が生じる。この状況では、私達がこれまで扱ってきた線形回路とは異なるメカニズムで電流を議論することが必要となる。それは電子や電荷の発生や運動というという本質的な観点から電気を捉えることに他ならない。まずはストリーマ理論とタウンゼント理論から始まり……」ペラペラ
しずく「あ、もういいです、ごめんなさい」
歩夢「別に扱ってないし……そんなの取るわけないでしょ」
璃奈「……ま、文系じゃわからないか。この領域の話は……。」
歩夢「なに? こいつ」
侑「オタクちゃんさあ……」
愛「てかそもそも愛さん電子の気持ちに興味ないから無理〜w」
璃奈「チッ」
かすみ(やり返されるのわかってるのになんで煽るんだろう…)
侑「そもそも私高校でも物理やってなかったし」
かすみ「ガチガチの理数系は……私も無理だよ」
しずく「数学わからないし……」
愛「愛さんも0と1しかわかんなかった〜w」
璃奈「チッ!」
- 108 :名無しで叶える物語:2022/03/08(火) 19:07:51.85 ID:60qR4+sC.net
- 歩夢「結局2科目だけか……」
かすみ「残りはおのおので取るしかないんですかね……」
しずく「それぞれの必修持ち寄るのが一番丸いのかな?」
愛「ん〜……」
- 109 :名無しで叶える物語:2022/03/08(火) 19:10:09.73 ID:60qR4+sC.net
- エマ「……」グビ
愛「エマっちなにか知らない?」
エマ「……」グビ
エマ「貸して」
愛「あ、はい」
エマ「どれどれ……」パラパラ
みんな「……ごくり」
エマ「……国文学B」パラリ
エマ「……メディア文化論……ロシア語bクラスT〜W、マルクス経済学」パラリ
エマ「……ファッションと生活……近代政治史」パラリ
エマ「刑法概論は……保留かな……民俗学」パラリ
エマ「スポーツ実習科目はもう取った?」
愛「や……まだ」
エマ「じゃあそれも合わせて春夏学期は18単位だね……こんなものじゃない?」
みんな「「おおお!」」
- 110 :名無しで叶える物語:2022/03/08(火) 19:11:55.57 ID:60qR4+sC.net
- 侑「さすがエマさん!」
しずく「なんだか卒業できそうな気がしてきました!」
歩夢「気が早いよ……まずはちゃんと出なきゃ」
かすみ「それにしてもよくこんな授業の情報知ってましたね……学部の友達に聞いても多分誰も知らないですよ」
愛「やっぱ頼りになるのは年の功だね〜!」
エマ「怒るよ?」
愛「ッヒィ〜w」
- 111 :名無しで叶える物語:2022/03/08(火) 19:12:56.81 ID:60qR4+sC.net
- 愛「さてと……授業も決まったことだし……」
侑「お?」
愛「昼休み! ハッピーアワー行こ!!」
「「うおおおお!!!」」
かすみ(果たしてこんなんで単位取れるんだろうか私たち……)
- 112 :名無しで叶える物語:2022/03/08(火) 19:45:11.09 ID:zEPTTori.net
- 学部の頃は楽しかった
コロナも修士も就活もクソだ!
- 113 :名無しで叶える物語:2022/03/08(火) 19:55:04.70 ID:PJrc3pfo.net
- 授業案内の冊子めちゃ懐かしいわ
大学生に戻りたい
- 114 :名無しで叶える物語:2022/03/08(火) 20:16:26.51 ID:AI26LJu9.net
- このSSってあくまでパラレルなんだよね?
留年同好会の面々はニジガク(高校)での顔見知りではなく大学でたまたま知り合った他人同士の感じなのかな
- 115 :名無しで叶える物語:2022/03/08(火) 21:10:54.45 ID:L0+d79tF.net
- >>30
緑と黒の本って線型代数入門(斎藤正彦)かな?
- 116 :名無しで叶える物語:2022/03/08(火) 21:15:53.36 ID:L0+d79tF.net
- >>55
線形代数学(川久保勝夫)かな?
- 117 :名無しで叶える物語:2022/03/08(火) 21:19:02.28 ID:iBGC8Utq.net
- 工学部なのに1回も実験せずに中退したわ
- 118 :名無しで叶える物語:2022/03/08(火) 22:19:08.52 ID:h7p0dnaz.net
- >>117
何があったんだ…
- 119 :名無しで叶える物語:2022/03/08(火) 22:50:41.72 ID:Ofh46/XS.net
- 留年してるやつのいうこと聞いたらダメだろ
- 120 :名無しで叶える物語:2022/03/08(火) 23:17:05.80 ID:tiQI0Xc7.net
- ダメな先輩についていくと堕落するよな
- 121 :名無しで叶える物語:2022/03/08(火) 23:58:48.22 ID:gu1AdEPF.net
- 俺も留年サークルにいたから笑うに笑えない
面白いんだけども
- 122 :名無しで叶える物語:2022/03/09(水) 01:17:45.87 ID:4h8lvotp.net
- 授業出れば取れるけど起きられないしーとかわかりすぎて草
- 123 :名無しで叶える物語:2022/03/09(水) 08:36:10.94 ID:TWIEoZW4.net
- >>117
情報工学科かな?
- 124 :名無しで叶える物語:2022/03/09(水) 09:18:12.60 ID:qR4cnrMs.net
- 愛さん理系じゃないのか
- 125 :名無しで叶える物語:2022/03/09(水) 11:19:34.21 ID:Q2KLFACO.net
- >>124
0と1しかって言ってるし情報工学科じゃないの
- 126 :名無しで叶える物語:2022/03/09(水) 21:13:51.52 ID:ZAdYRZiF.net
- 4.5話『ども……りゅーねんっす』
- 127 :名無しで叶える物語:2022/03/09(水) 21:16:06.48 ID:ZAdYRZiF.net
- ミア「我がスクールアイドル同好会の部室は不夜城部室棟Cの3階に存在する」
ミア「文化系サークルが密集したこの建物には〇〇学部棟なんかよりはるかに人が居て……とりわけこのフロアはまさに魔境! カオス! コクリコ坂に出てくるカルチェラタンを連想させるね、……流石にあれほどじゃないけど」
ミア「ご近所は汚くてうるさい新聞部、くっさい漫研、廃墟同然の開発研……」
ミア「よくあることなのだが、隣同士のサークルとは仲が悪い……隣の騒音や振動が貫通してこちらまで響いてくるからね、安アパートみたいなものだ」
ミア「新聞部は輪転機室の音がとにかくうるさい! これは活動上仕方ないから諦めているけど……本部室の方でも毎晩毎晩飽きずに深夜まで何を早口でペチャクチャと議論しているんだか……と思っていたら最近はめっきり静かになった」
ミア「なんでも防音壁を導入したらしい、ボクらにもお金があればなあ……」
ミア「漫研は以前彼方さんが入っていたことがあるらしい……向こうも昼から夜までだらだら遊んで駄弁って、まあ大体うちみたいなところだよね……こちらは女、あちらは男しかいないけど」
ミア「開発研は雰囲気が明らかにヤバい……ホコリだらけで真っ暗でサークルの表札も看板も無く人の気配が一切ない……中に死体があるとか夜な夜な殺人鬼が出入りしているとか……そんな噂が立つくらいの、もはや心霊スポットだね」
ミア「そんな中、スクールアイドル同好会はヤバくてムサいエリアに咲いた唯一の花園ってわけだ!」
- 128 :名無しで叶える物語:2022/03/09(水) 21:19:08.65 ID:ZAdYRZiF.net
- ミア「空きコマ、お昼休み、授業後や深夜……いつでもこの部室棟へ来て作業したり駄弁ったりできる」
ミア「つまり、部室は講義室よりもゼミ室よりも研究室よりも……大学で最も長い時間を過ごす場所となるかもしれないわけだ」
ミア「それゆえに部室内は作業場といえども、ある程度の生活感が求められてくる。最初から何でも揃っているわけではないので、部員でお金を出し合ったり私物を持ち込んで備品を揃えるのだ」
ミア「うちにも宿泊具に調理器具、PCを始めとした家電にドレッサーとメイクセットが置かれている。 そしてなにより……」
- 129 :名無しで叶える物語:2022/03/09(水) 21:21:03.24 ID:ZAdYRZiF.net
- ミア「麻雀! 花札! モノポリー! カタン!」
ミア「あるいは各種ゲーム機など……まさに時間を無限に溶かせるのがここの部室! というわけだ」
かすみ「なんか今日はすごい地味な局面ですね……」パチン
しずく「チー。 満貫以上誰も上がってないし……」パチン
璃奈「地味な展開は嫌いじゃない。」パチン
愛「あ〜ツモ。 300-500……」パタン
ミア(ボクも麻雀やりたいな……)
彼方「月見花見で……あがり」ペシン
エマ「盃強過ぎじゃない?」
ミア(点棒の代わりにタバコとマッチ棒使ってる……)
歩夢「味方がクソ過ぎる……ラグいし塗らないし……」カチカチ
侑「それな……いや〜塗ってよ〜……」カチカチ
ミア(人撃って殺すゲームやってて楽しいのか!?)
- 130 :名無しで叶える物語:2022/03/09(水) 21:26:11.05 ID:ZAdYRZiF.net
- 〜本棚〜
ミア「本棚はサークルの顔と言っても過言ではない!」
ミア「歴代の部員がちまちまと活動のための書籍や文献を集め、保管する……そうして部室のあるサークルはだいたいどこも凄まじい量の書籍を保有することになる」
ミア「我がサークルの本棚も漫画やラノベ、オタクDVDのみならず、お堅い本も多数並んでいた」
ミア「プラトン、アリストテレス、デカルトの古典中の古典」
ミア「ホッブズ、ロック、ルソー、モンテスキュー、バーク……世界史で聞いたことあるような著作」
ミア「ホイジンガにカイヨワ……これは知らないな」
ミア「クリシュナムルティ……中身チラ見したけど一行目からわけわからん……」
ミア「アトキンス、シュライバー、マクマリーにキッテル、バーローなんかの物理化学やオライリーの情報系の教科書」
ミア「マルクス、エンゲルス、トリアッティにグラムシ……いい趣味してるなあ」
ミア「芦部、西田、佐久間……これは法学部の人かな?」
ミア「……誰か開いて読んでるところ見たことないぞ……」
- 131 :名無しで叶える物語:2022/03/09(水) 21:29:17.90 ID:ZAdYRZiF.net
- ミア「設置されている家具は、早い者勝ちのニトリの2人がけソファ、冬はコタツに変貌するちゃぶ台兼ボードゲーム卓(ニトリ)……酒とジュースとお菓子ばかり詰め込んだ冷蔵庫(ニトリ)、小さいレンジ(ニトリ)とカセットコンロ(ニトリ)……古いくせに無駄に場所を取るPC……」
ミア「ぶっちゃけ誰かの一人暮らしの部屋とさほど変わりないね」
かすみ「バイト行きたくないよ〜」
しずく「ういーっぷ……」ヒック
エマ「……」グビ
ミア(まーた昼から酒飲んでる……)
- 132 :名無しで叶える物語:2022/03/09(水) 21:30:55.87 ID:ZAdYRZiF.net
- ミア「他にもデカいTVと再生機器があって、最近はボクもアニメを見ているよ……工学部のオタクに話を合わせるためにね」
璃奈「愛さんの戦い方ほんとに面白くない。ガン待ち。ワンパ。インキャ戦法。」イライライライラ
愛「対応できないのが悪いw」
愛「あれれ〜?w 愛さんさっきから一歩も動いていないんだけどね?w」カチカチ
璃奈「……ッ」ギリィッ
ミア(ヒソカかな?)
ミア(対戦ゲームで、璃奈が愛さんに無慈悲にボコられている……。 缶とフリスビー使う犬のキャラに執拗に詰められていて、見てるこっちも可哀想に思えるくらい嫌らしくて愛さんらしい戦い方だ……)
- 133 :名無しで叶える物語:2022/03/09(水) 21:33:08.83 ID:ZAdYRZiF.net
- ミア「備え付けのロッカーも取り立てて説明することはない」
ミア「カバンやアウターを突っ込む場所、日用品がしまってある場所……そして使わないものを放り込む場所」
ミア「防災用のヘルメット、いつかの花火の残りや小さい望遠鏡……璃奈が作ったのか実装を諦めた電子キーの部品、AVや申し訳程度のアイドルのDVDとかのガラクタがまとめてぶち込まれている」
ミア「彼方さんがそろそろ整理しなきゃなーってよくボヤいているけど……スペースに困っている訳でもないのでそのまま放置されている……」
- 134 :名無しで叶える物語:2022/03/09(水) 21:34:11.12 ID:ZAdYRZiF.net
- ミア「まあまとめれば、うちの部室にはうちの部を特徴づけるなにかがある訳ではない! 至って普通の……時間を無為に過ごすための部屋だからね……」
ミア「だからこそ、居心地がいいのかもしれなく……だからこそ、みんなここに集まってくるのかもしれないね」
エマ「ミアちゃ〜ん、お酒飲む?」
ミア「飲む! 飲みます!!」
- 135 :名無しで叶える物語:2022/03/09(水) 23:22:20.18 ID:cWtHZqMj.net
- ミアかわいい
- 136 :名無しで叶える物語:2022/03/10(木) 09:53:01.93 ID:5yYVWijZ.net
- 支援
- 137 :名無しで叶える物語:2022/03/10(木) 18:30:09.46 ID:teaxqPFp.net
- 5話『恐るべき先輩たち』
- 138 :名無しで叶える物語:2022/03/10(木) 18:33:43.33 ID:teaxqPFp.net
- ミア(今日中にレポート終わらせたいな……グラフも直さなきゃだし)
果林「……」スパー
果林「……」ボリボリ
ミア「……ケホッ」(このジャージビーチサンダル女、なんでいつもわざわざ白線からはみ出したとこで吸ってるんだ?)
果林「……」ギロリ
ミア「ヒッ!スミマセ……」(またつい謝ってしまった!? ヤニカスはホント治安悪いな!)
- 139 :名無しで叶える物語:2022/03/10(木) 18:35:29.50 ID:teaxqPFp.net
- 〜部室〜
ミア「う〜っす……」ガチャ
彼方「その声は〜……ミアちゃんだな??」
ミア「こんにちは!」(彼方さんだ!)パァ
ミア(彼方さんおっとりふわふわしてて優しいから好きなんだよな! 綺麗だし! あとおっぱいでかいし!)
彼方「いきなりだけど〜ミアちゃんこのあと麻雀やらない??」
ミア「え!」
彼方「果林ちゃんがね、やりたいって〜もうすぐ来ると思うんだけど〜あとエマちゃんも、メンツが一人足りなくてさ〜」
ミア「やります! やります!」
彼方「元気いいな〜、おけおけ〜」
- 140 :名無しで叶える物語:2022/03/10(木) 18:37:23.40 ID:teaxqPFp.net
- 彼方「果林ちゃん遅いな〜」
ミア(彼方さんは5年生の一人で、よく部室のお掃除をしたり炊き出しやったりしてる人だ)
ミア(不定期だがみんなの集まる金曜日は部室で鍋パを開催してくれるらしい!)
ミア(学部も家政学部……というところなのだが、繊維工学や栄養学なんかの科目ではがっつり理系的アプローチをしていてたまげてしまった、それって工学じゃね?と)
ミア(果林さんは……結局どんな人なんだろう??)ワクワク
ミア(なんでも学生ですでに事務所に所属していて……モデル業をやっているらしい! きっとメチャカッコよくてお洒落な人なんだろうな!)
ミア(ぜひファッションの参考にしなければ!!)
- 141 :名無しで叶える物語:2022/03/10(木) 18:41:27.41 ID:teaxqPFp.net
- ガチャ
果林「うぃ〜〜〜っす……」ノソノソ
ミア「!!?」
ミア(喫煙所のガラの悪い女!!! なんで!?)
彼方「お〜」
ミア(げ!! 果林さんってまさか……まさか……!)ガクガク
彼方「ほら、新入生のミアちゃん」
果林「……」チラリ
ミア「……」ガクガク
果林「……あ〜知ってる知ってる、先週爆睡してた子ね」ボリボリ
果林「喫煙所でもたまに見かけたわ、今日も……通りすがりにいつもガン飛ばしてくれる娘よね?」
彼方「なに〜?ミアちゃんそんなことしてたの? やるね〜」
ミア「し、してないですよ〜…」ガクガクガク(ガン飛ばしてくるのはお前だろ! ついでに煙も! あとお前がいた場所は厳密には喫煙スペースじゃないんだよ!)
- 142 :名無しで叶える物語:2022/03/10(木) 18:47:54.07 ID:teaxqPFp.net
- 彼方「……メンツ揃ったしやるべ」
果林「うす」
エマ「は〜い」
ミア「……!」ドキドキ
果林「デカピンでいい?」
彼方「バカだろ、そんな金ね〜よ」
ミア「えっ」(……金!?)
果林「ふーん、じゃあテンピン」
彼方「賭け麻は二度とやらね〜」
ミア(彼方さん、なんか急に口が悪くなったな……)
果林「……」
果林「……怖いのか」
彼方「お?」
果林「負けるのが、怖いのか?」
彼方「おお! ……やってやるよ」ベリベリ
ミア「ええっ!?」
ミア(ちょ、待ってくれ! 賭けるって何のことだ!)
- 143 :名無しで叶える物語:2022/03/10(木) 18:50:28.79 ID:teaxqPFp.net
- 彼方「後悔すんなよ……? ケツの毛まで毟ってやらあ……」ジャラジャラ
果林「うはは、VIO処理の金が浮いて助かるわね」ジャラジャラ
ミア(まずい……まずい! なんとかしてくれ! エマさん!)ジャラジャラ
エマ「……ミアちゃんがね、最近始めたばっかだから、まだお金とかはね……」ジャラジャラ
果林「ん」
彼方「健康だ」
ミア「なんかすみません……」(た、助かった……あと今後も賭ける気はないけどな……)
- 144 :名無しで叶える物語:2022/03/10(木) 18:51:54.23 ID:teaxqPFp.net
- 〜東一局〜
果林「……」パチン
彼方「……」パチン
エマ「……」パチン
ミア「……えと、え〜と……」もたもた
ミア「これ……かな?」パチン
果林「……」パチン
彼方「……」パチン
エマ「……」パチン
ミア(あれ、どっちだろ……?)モタモタ
ミア「これ……かな?」パチン
果林「……」
- 145 :名無しで叶える物語:2022/03/10(木) 18:52:59.45 ID:teaxqPFp.net
- 果林「……」パチン
彼方「……」パチン
エマ「……」パチン
ミア「えと……」モタモタ
ミア「……これか」パチン
果林「……」パチン 彼方「……」パチン エマ「……」パチン
ミア「えと……えっと……あれ?」
ミア(自分の番が周ってくるのが早すぎる!)
果林「早く」
ミア「す、すみません」パチン
ミア(怖いよ〜! ; ; )
ミア(こいつらいつもはもっと和気あいあいと雑談しながら打ってるのに〜!)
果林「……」パチン 彼方「……」パチン エマ「……」パチン
ミア(彼方さんもエマさんもなんで今回は無言なんだよ〜!!!)
- 146 :名無しで叶える物語:2022/03/10(木) 18:54:49.93 ID:teaxqPFp.net
- ミア(これはいらないな……)パチン
果林「……ロン、12000」
ミア「!?」ビクゥ
彼方「……」
エマ「……」
ミア(高過ぎ!ダマでそんなに高いのか!?……いや高いからこそのダマなのか……)
果林「12000」
ミア「ひ……えと……や、役は……」
果林「言ったほうがいい?」
ミア「だ、大丈夫です……」カチャカチャ
ミア(ちくしょう、怖過ぎる!!)ガタガタ
ミア(役牌×2ドラ1のホンイツ……火力高過ぎ……!)
ミア(メンホンなんてありえね〜!! しかし今さら果林さんの捨て牌を見てみれば、初めから明らかに染めてる気配だった……)
- 147 :名無しで叶える物語:2022/03/10(木) 18:57:43.35 ID:teaxqPFp.net
- 彼方「……」パチン
ミア「……あ、ロンっ……! リードラ……裏1で……3900です」
彼方「……ちぇ」
果林「……」
ミア「あれ、点棒多くないですか?」カチャカチャ
エマ「40符だから5200だし、流れ一本場だから5200は5500だよ」
ミア「あ、そうなんですか……」(わからん……)
果林「……」
果林「……」コツン
ミア(果林さんが無言でエマさんの河にある白を指差した)
ミア「?」
彼方「あ」
エマ「ありゃ……フリテンだね……」
ミア「!?」
彼方「助かる」カチャカチャ
ミア(え、これ白も待ちなの!?)
ミア(25索待ち……のつもりだったのだが、トイツの白に索子の22234という手牌では白も待ちのひとつで……白が捨てられたのはボクの立直後だったから、当たり牌の1つを見逃した事になり……つまり振聴になるらしい……ムズ過ぎ!)
- 148 :名無しで叶える物語:2022/03/10(木) 18:59:51.24 ID:teaxqPFp.net
- 〜〜
璃奈(わからない……)
璃奈「……」
果林「……各駅停車」ボソッ
しずく「……」
璃奈「……」パチン
彼方「……」パチン
しずく「う〜ん……」
璃奈「むむむ……」
果林「……大阪駅と……天王寺駅って」
果林「いつも人身事故起きるわね」ボソッ
しずく璃奈「?」
彼方「……」
彼方「……むふっ」
しずく璃奈(どういうことだろう……?)
- 149 :名無しで叶える物語:2022/03/10(木) 19:02:16.87 ID:teaxqPFp.net
- 〜〜
かすみ「果林さんが怖い?」
しずく「果林さんかなりとっつきやすい方だと思うな」
璃奈「とても優しい人。 見た目アレだけど。」
ミア「ええ〜っ!?」
かすみ「まあ……モデルだけあって美人だけどおっかない格好してるよね」
しずく「格好だけで言えば……湘南とか……川崎のドンキにあんな人いるよね、ダッシュボードモコモコの軽に乗ってレゲエかけて……」
璃奈「ふつーにDQNではある。」
ミア(果林さんは……学生の傍らで生意気にもファッションモデルなんて浮ついたことをやっていて……そのくせ大学ではジャージにサンリオのサンダルで、キャンパスをヤニをむしゃぶりながら我が物顔で闊歩する……学生寮を根城にしていて、昼に起きれば授業やゼミには寝巻きのまま来ちゃうような精神異常者! ま、顔の良さと巨乳は認めるが……)
- 150 :名無しで叶える物語:2022/03/10(木) 19:04:13.48 ID:teaxqPFp.net
- ミア「彼方さんだって、もっとぽわぽわした人だと思ってたのに……」
かすみ「彼方さんもま〜そういうとこあるよね」
しずく「あの人は実際ドンキ好きだから……」
璃奈「あのひとこそふつーにDQN。」
かすみ「たまにモラルやばくて笑っちゃうよね」
しずく「完全に松浦・小原の系譜だからね……」
璃奈「彼方さんの話す育ち悪いエピソード、好き。」
- 151 :名無しで叶える物語:2022/03/10(木) 19:05:50.56 ID:teaxqPFp.net
- かすみ「最初? 歩夢さんがマジで怖かったよ」
しずく「あ〜ね」
かすみ「まあもう慣れたけどさ……」
ミア「歩夢さんが? 何で?」
かすみ「何でって……どう見てもやばいでしょ、まあそのうちわかると思うけど」
しずく「侑さん絡みで定期的に情緒不安定になるから……あの人」
璃奈「病み系女子。」
ミア「そうなのかあ?」
「「いやほんとやばいから」」
ミア(なんと、3人が口を揃えてヤバいと評した……あの逆張り璃奈まで……)
ミア(歩夢さんが怖いのはあんまり想像付かないな……)
ミア(歩夢さんも侑さんも、ボクがここに来たときからよく気にかけてくれている、面倒見の良い人たちだ)
ミア(歩夢さんはお人形さんみたいな上品な顔立ちでガーリッシュとフェミニンの融合みたいなコーデを好み……侑さんはロリ系のキュートな顔でグランジファッションで身を固めたバンギャっぽいメイクの……毛色は違うけど、どちらも垢抜けててめちゃかわな……遊んでるタイプのキラキラJD!)
ミア(2人とも童顔だけど、男を取っ替え引っ替えしてる系の……そのギャップに憧れる! あと細いくせに乳がでかい)
- 152 :名無しで叶える物語:2022/03/10(木) 19:07:09.23 ID:teaxqPFp.net
- 〜〜
ミア(ある日のこと。 部室棟に近づいたとき、異変に気が付いた)
ズズズ……
ミア(な、なんだ……この身の毛もよだつような悪寒は……)
ミア(凝を使ったところ、ボクたちの部室を中心としてどす黒いオーラが発せられていた……まるで、この世の不吉全てを寄せ集めたような……)
ミア(プフの円を間近で見たノヴの気持ちが理解る!)ガタガタ
ミア(震える足でなんとか部室の前までやってくると……)
ミア(げっ……)
歩夢「……」ズズズズズ…
侑「だから誤解なんだってば……」
ミア(……帰ろ!)
ミア(思い返せばたしかにこの二人、なんか雰囲気やばいときあった気がしなくもなくもなくもなくも……)
- 153 :名無しで叶える物語:2022/03/10(木) 19:08:28.02 ID:teaxqPFp.net
- 愛「あーね、あーいうときはめんどくさいから近寄らないほうがいいよw」
ミア「……あの2人仲悪いのかな?」
愛「20年来の仲らしいけどね? 小中高大まで同じって言ってたし……まー2人だけのなんかがあるんでしょ」
ミア「ふ〜ん……」
愛「よくあることだし、うちの風物詩みたいなもんだけど……」
愛「ぶっちゃけダルいときはダルいよね!」ワハハ
ミア(愛さんは地味な格好の一見普通のリケジョだけど……気さくでコミュ力も高く、彼方さんや果林さん達に真っ先に悪ノリするあたりに隠し切れないウェーイ系のオーラが垣間見える……ナチュラルメイクで、メガネかけたり露出や身体の線を隠すようなロングスカートを着ているのには深〜いワケがあるらしい……しかし隠し切れない爆乳)
- 154 :名無しで叶える物語:2022/03/10(木) 19:09:45.08 ID:teaxqPFp.net
- 〜自宅〜
ランジュ「ミア〜ご飯できたわよ〜」
ミア「うおおおお!」ドタドタ
ランジュ「はい、召し上がれ♪」
ミア「……野菜多くない?」
ランジュ「あなた普段食べてないじゃない、野菜は健康に良いのよ」モキュモキュ
ミア「食べてるよ……ほら、バーガーにレタスとか挟まってるじゃないか」モグモグ
ランジュ「ダメよもっと食べなきゃ」モキュモキュ
ミア「はあ……」
- 155 :名無しで叶える物語:2022/03/10(木) 19:11:22.09 ID:teaxqPFp.net
- ランジュ「ちょっと……まだお風呂入ってないの? 」
ミア「いま動画見てるから」
ランジュ「後ろがつっかえてるんだから早く入ってよ」
ミア「先に入ればいいじゃないか」
ランジュ「そうやってダラダラしてるからいつも夜遅くなっちゃうんじゃない……ちゃんと湯船に浸かって身体を芯まで温めて寝ないと次の日の朝が……」ネチネチ
ミア「ああもう……わかったよ」
ミア(ランジュは……いちいちしつこくていちいちうるさい信じられないくらいお節介で過保護な女だ。 ちょっと帰るの遅れたくらいでご飯いるのとか何時に帰るのとか毎日細かく聞いてくるし、人の食生活にケチつけてくるし……日付替わればすぐもう寝ろ寝ろ言ってくるし! 毎朝7時に起こされるし……いつの間に健康オタクになったんだ)
ミア(ヴィーガンや精進料理にハマられたときなんか、勘弁してくれ! って思ったね。肉を食わせろ! あと自分の得意分野になると勝手に捲し立てて……数学の話になるとそりゃもうネチネチネチネチと……1質問すれば100返ってくる……なお、おっぱいはデカくて柔らかい)
- 156 :名無しで叶える物語:2022/03/10(木) 19:13:19.36 ID:teaxqPFp.net
- 〜〜
ミア「今更だけど、やっていけるか心配だな……怖いものは怖いんだよ、だって常に仏頂面じゃないか」
かすみ「果林さんあれ機嫌悪いんじゃなくて疲れてたり眠いの我慢してるんだと思うよ」
しずく「果林さんが怒ってるとこ見たことないよ?」
ミア「目つきヤバくないか? 人殺しの眼光だよ……」
璃奈「まあでも薄めの時は要注意。」
ミア「やっぱり!」
璃奈「近寄ると抱き枕か膝枕させられてそのまま熟睡してくる。重いから身体がへし折れる。」
ミア(疲れてて眠いだけなのか……)
しずく「お仕事とゼミと苦労してるからね……」
かすみ「ま、とにかくとっとと仲良くなっちゃえばいいんじゃない?」
ミア(こいつらといるときは居心地いいんだけどなあ……)
- 157 :名無しで叶える物語:2022/03/10(木) 19:14:12.41 ID:teaxqPFp.net
- 〜〜
かすみ「だるいだるいだるい……」ブツブツ
しずく「鬱病鬱病鬱病……」ブツブツ
璃奈「にゃ〜〜〜〜ん。」ブツブツ
かすみ「あ〜〜〜大学爆破されないかな」ブツブツ
しずく「楽になりたいな……全部、全部燃えて灰になってさ……」ブツブツ
璃奈「人は焼けば必ず死ぬ。苦しんで死ぬ……。」ブツブツ
ミア(う〜ん? やっぱこいつらも大概だな……)
- 158 :名無しで叶える物語:2022/03/11(金) 07:19:40.31 ID:6SIpwgwl.net
- みんないい感じに親しみやすいとこも近寄りがたいとこもあって好き
- 159 :名無しで叶える物語:2022/03/11(金) 09:15:08.09 ID:8HgpRA8s.net
- ランジュが健気すぎて
- 160 :名無しで叶える物語:2022/03/11(金) 09:50:59.88 ID:0nslW6Ut.net
- こいつら程じゃないけど就活してるのか分からない3年4年がたむろしてるサークルに前情報なしで遊びに行ったら中々の地獄だったので部屋にある漫画を黙々と読み尽くしてからやめた
今思うと逃げて正解だった
- 161 :名無しで叶える物語:2022/03/11(金) 22:49:29.44 ID:p6kiG9Rl.net
- 面白い
- 162 :名無しで叶える物語:2022/03/11(金) 23:05:51.25 ID:qx4daIHd.net
- 6話『やさしい大学数学』
- 163 :名無しで叶える物語:2022/03/11(金) 23:09:36.41 ID:qx4daIHd.net
- 〜自宅〜
ミア「ええっ!? そうだったのか!?」
ミア「ぜ、全員……?」
ランジュ「……ええ、全員」
ミア「……璃奈も、か……?」
ランジュ「そうね……」
ミア「道理で……なんだか噛み合わないことがあったわけだ……」
ランジュ「……入るのは決めたんでしょう? ならもう隠すことでもないでしょうし……」
ミア(この間の実験での璃奈の件をランジュに話したところ、あっさり答えが返ってきた。 実は薄々勘付いてはいたのだが……まさかあいつらが……ていうかそんな異常なサークルが存在するなんて……)
ミア「みんな……みんな社会不適合者だったのか……?」
ランジュ「……まあ、人には色々事情があるのよ……あなたはそうならないように気をつけなさいね……」
ミア「……」
ミア「……なによりショックなのは、いつもボクにうるさく言うランジュまで留年してるってことだよ……」
ランジュ「えっ! 私はしてないわよ」
ミア「だってさっき"全員"って」
ランジュ「いやそれはわたし以外全員ってことで」
ミア「……なんてことだ、すぐランジュの母上にご報告しなければ……もしもし? ミアですが……娘さんのことで」ピポパポ
ランジュ「ちょっと! 違うってば! 言葉のあやなんだってばあ!」ドタバタ
- 164 :名無しで叶える物語:2022/03/11(金) 23:11:48.97 ID:qx4daIHd.net
- 〜〜
「え、ミアちゃんその格好オシャレだね」
「正直ちょっとアリかも……」「靴かわいい〜!」
ミア「ははは、ありがとう」
ミア「これ実は安全靴なんだよ、鉄板が仕込んであるから車に踏まれても平気なんだ」
「そ、そうなんだ」「実験で怪我したらまずいもんね……」
「あ、あとそのサングラスとか……」
ミア「これはね、サングラスじゃなくてガス溶接ゴーグルなんだ」
ミア「これさえ掛けていれば顔面が骨まで溶けても、目だけは最後まで無事ってことさ!」
「へ、へえ〜」「それ死んでるよ……」
- 165 :名無しで叶える物語:2022/03/11(金) 23:15:40.67 ID:qx4daIHd.net
- 〜確率・統計(経済学部開講)〜
「え、何これさっぱりわかんないんだけどw」
「ミアちゃんわかる?」
ミア「いやあ……」
「今回あの人でもちょっと時間食ってたから今回多分相当難しいよw」
「そっか〜……w」「とりあえず名前だけ書いとこw」
ミア(大学に入ってわかったことがある)
ミア(それは、授業は協力プレイで挑むべし! というもの)
ミア(大学の授業は難しく、独力でやっていくには時間もキャパもあまりにも足らない……それならば集団で受けて、おのおのの得意なものを分担し教え合うのがよろしい、まあ要するに適材適所ということだ)
ミア(しかし……例外というものはどこにでも存在するもので)
ミア(毎回の小テスト、誰とも相談しないソロプレイで、マジの爆速で解いて出ていく女がいる)
ミア(最後尾に座ってるから、そいつが解いた小テストを教壇まで出しに行くときの足音が教室に鳴り響く……もはやその足音のタイミングが問題の難易度を表す指標と言える)
ミア(中間試験ではなんと、30分もかからず解き終わって退室していった。ボク含め他の学生は90分使っても解き終わらない分量だったのに……)
- 166 :名無しで叶える物語:2022/03/11(金) 23:18:42.13 ID:qx4daIHd.net
- 〜〜
「突然失礼……フヒヒw ミアさん、圏論に興味はございませんか?」
ミア「圏論?」
「そうです、カ↑テ↓ゴリーです!」
「圏論は、いまや集合・位相と並ぶほど現代数学に欠かせない分野となっており……対象の構造を調べるのではなく、それが持つ関係に着目することでそれらを抽象的に取り扱うことができる、という数学の統一的試みです……圏と射によって普遍性が導かれてゆく様はまさに恍惚の境地!……例えばホモロジー群は圏論の間の関手であり……実際この理論のなにが嬉しいかというと例えば……」ペラペラ
ミア(いきなり語り出したな……これだからNerdは……)
ミア「悪いけどボクにはまだ高度過ぎて手を出せないな……まずは代数から固めていくつもりだよ」
ミア(興味はなくはないが……ちんぷんかんぷんな上にランジュに知られたらシュバられそうだからな……いきなり「あなたのために自作問題作ってあげたわ!」とか持ってこられるのが目に見える)
「まことに残念……」
- 167 :名無しで叶える物語:2022/03/11(金) 23:21:06.19 ID:qx4daIHd.net
- 〜基礎工学実験 クラスα(工学部開講 必修)〜
「もう数学か物理の講義で取り扱ったとは思いますが……ひずみは二階テンソルで……各応力成分に対して……総和規約を用いてこう書けますわよね」カキカキ
ミア(習ってねーよ!!)
「というわけで……フーリエ変換を利用して解析してみましょう、ということです……フーリエ変換はもう習ったのかしら……? 大丈夫そうですわね」
ミア(いやいやいや……どこがだ! みんなの不安そうな表情を見てくれ!)
TA「先生……」ガチャ
「どうかされましたか?」
TA「それが、その……」
璃奈「……」
ミア(璃奈!? なんで今更!?)
- 168 :名無しで叶える物語:2022/03/11(金) 23:23:29.65 ID:qx4daIHd.net
- 璃奈「ど、どうにかなりませんか……。」
ミア(何週目だと思ってるんだ……今から来始めても単位は無理だろ……)
「……一度でも欠席したら原則単位は差し上げられないことはシラバスでもガイダンスでも既にお伝えしているはずですわよね、そもそも貴女今まで全て欠席していてレポートも未提出……」ヒソヒソ
璃奈「その……追加で課題とか……。」
「いいえ、もはや論点はそこではないのです、貴女……欠席について、これまで私達になにか連絡をなさいましたか?」
璃奈「それは、その……。」
- 169 :名無しで叶える物語:2022/03/11(金) 23:25:26.53 ID:qx4daIHd.net
- 「学生実験では無断欠席と遅刻をしてはいけないことは今まででも散々指導しているつもりです
……」
「もし特別な事情なく……貴女の身勝手な判断と行動で班員や他の先生方に迷惑をかけ、そのことを気にも留めないのであれば……科目指導の枠を超えた、教育的観点からも見過ごすわけには参りませんわ」
ミア(ガチ説教されてる……1年生の前で、3年生が……)
璃奈「……」
璃奈「……」
「それでもなにか事情があったのなら……」
璃奈「……」
璃奈「ババア!!!!」
ミア・学生たち「「!?」」
ミア(おいおい……)
ミア(デカい声に鬼気迫る表情で絶叫する璃奈、なんて気迫だ……普段いつも綾波みたいに"どんな顔すればいいかわからないの。"みたいな風なくせに……)
ミア(璃奈は一言ブチギレたあと、踵を返してヒールをツカツカと鳴らしながら出て行った……璃奈の阿修羅のごとき形相と、教員の呆然とした、どこか泣きそうな表情が脳裏に焼き付いて離れない……)
- 170 :名無しで叶える物語:2022/03/11(金) 23:26:21.19 ID:5M8SKaRO.net
- り、りなりー?
- 171 :名無しで叶える物語:2022/03/11(金) 23:28:03.18 ID:qx4daIHd.net
- 〜自宅〜
ミア「意味がわからん……」イライラ
ランジュ「どうしたの?」ヒョコ
ミア「さっぱりわからん……なんなんだ」イライラ
ランジュ「ねえねえ、どうかしたの?」ヒョコヒョコ
ミア「……」イライラ
ランジュ「ランジュが何か力になれるかしら?」ヒョコヒョコヒョコ
ミア「……線形の課題だよ」イライライラ
ランジュ「あ〜これね、これは置換の話でね……ふむふむ、なるほど……。 じゃあこの置換の全単射の性質を分かりやすくするためにちょっとしたあみだくじを描いてみましょ! ……するとほら! これが3次の置換に対応してるの!」ペラペラ
ミア「……」イライライライラ
ランジュ「……さてこれをN次に拡張したときに置換全体の集合が合成に関して群であることを示すのが次の問題で……あ、群ってわかる? ……他にも行列式を書き下すときに1を掛けたり-1を掛けたりするのはこの置換に符号を定義できるからで……」ペラペラ
ミア「……」イライライライライライライライラ
ミア「うるさいなあ! 聞いてもいないのにいちいち絡んでくるな!」バァン!
ランジュ「ひっ!」ビクゥ
ミア「聞いたぞ、そんなだからフラれたんだろ」
ランジュ「……」シュン
- 172 :名無しで叶える物語:2022/03/11(金) 23:33:34.92 ID:qx4daIHd.net
- 〜微積分学(理系教養科目 必修)〜
「わからなくても答案用紙に名前は書いてくださいね、名前を書くといいことがあります」
ミア(愛さんや璃奈の話によると、ボクたちの微積の教員は授業もテストも死ぬほどムズい。課題や出席点の救済措置も無い。ハズレ教員を引いたと思いきや……)
璃奈『あまりにも問題が難し過ぎてほとんどの人が解けてない。だから解けなくても単位はくる。』
愛『テスト0点でも単位くれるって!』
ミア(なんなんだその授業……)
「名前が無いと流石に単位をあげられないので……」
学生たち「「ギャハハ!」」ドッ
ミア(必修なのに……もうめちゃくちゃだ……)
ミア(ボクは数学とどう向き合うべきなのか、なんだかわからなくなってきたよ)
- 173 :名無しで叶える物語:2022/03/11(金) 23:35:38.29 ID:qx4daIHd.net
- 〜確率・統計(経済学部開講)〜
ガタッ…コツコツ…
ミア(ああ、もう奴の足音が……ってことは今日のはそんなに難しくないわけだな……)カキカキ
ミア(あの女、相変わらず解くの早かったな……小テストRTAかよ……)カキカキ
ミア(……ややっ? この問題は!)カキカキ
〜〜
「経済やめた〜いw」「わかる!そもそも私数学嫌いだしw」
「微積分マジ無理w高校からよくわかんないw」
「私なんて中1の数学で躓いてたw -1かける-1が1になるとこでw」
「早すぎ〜w私はサインコサインかなw」
ミア「……」
- 174 :名無しで叶える物語:2022/03/11(金) 23:38:04.24 ID:HB0GTJCH.net
- 圏論万能論者はろくなやつおらんわ
流行りものに飛びついてるだけ
- 175 :名無しで叶える物語:2022/03/11(金) 23:38:13.49 ID:qx4daIHd.net
- ミア「……いや、そこに違和感を覚えるのはむしろ本質的かもしれない」
「「え?」」
ミア「ボクたちが普段扱ってる実数……この集合は体と呼ばれる代数的構造なんだけど」
ミア「負と負の積が正になるのはそう定義されてることでも自明なことでもなく……この体という構造で、ある演算規則が約束されているからなんだ……その規則というのは……」ペラペラ
「「そ、そうなんだ……」」「すごいね……」
ミア「他にもさっきの小テストで出てきた極限値も、限りなく近づく……という説明では厳密性に欠け、本来はε-Nやε-δ論法を用いた議論を適用することで……」ペラペラ
「「ミアちゃん……」」
- 176 :名無しで叶える物語:2022/03/11(金) 23:52:15.69 ID:M1877RWc.net
- ランジュがひたすらかわいい
- 177 :名無しで叶える物語:2022/03/12(土) 03:44:46.26 ID:emtemUSZ.net
- さらっと松浦小原って出てる
- 178 :名無しで叶える物語:2022/03/12(土) 08:48:11.67 ID:XBJYQsXx.net
- テルソン
- 179 :名無しで叶える物語:2022/03/12(土) 20:56:14.87 ID:qbFl7Olq.net
- めちゃめちゃおもしろい
- 180 :名無しで叶える物語:2022/03/12(土) 21:45:04.23 ID:N7/ejwSi.net
- 7話『燃え上がる果林のゼミ』
- 181 :名無しで叶える物語:2022/03/12(土) 21:48:32.82 ID:N7/ejwSi.net
- 果林「〜というのがこの研究の目的です、次にその手法を……」
「ちょっとちょっと待って」
果林「……え?」
「いや、全然わからないんだけど」
果林「」
「だから何?」
「で?」
「はぁ〜……うちの学生は日本語が通じないのかしらね」
「あんたねえ、私が聞いてなんっにもわかんないんだから、他の人はもっとわかんないよ」
「卒論発表はこんな甘くないんだけど!?」バン!
「来週までに直しといて。 来週また発表の時間取るから」
果林「……」
- 182 :名無しで叶える物語:2022/03/12(土) 21:51:35.31 ID:N7/ejwSi.net
- 〜部室〜
果林「……」ガチャ
彼方「あ、果林ちゃんおつか〜」
果林「……」
彼方「お?」
果林「教授はガイジ♪あそれ!ガイガイガイガイガイガイガイガイ♪」ドタドタドタ
ミア「!?」
ミア(な、なんだいきなり!)
愛「うははははw」パシャパシャ
侑「出たぁ!! 果林さんのガイガイ音頭!」
ミシミシ…
歩夢「ちょ、本棚崩れますよ」
ミア(音頭なのにBPM高すぎだろ……)
ミア(怖い先輩が部室に来るなり変な踊りを踊り出す……なんなんだこの人)
- 183 :名無しで叶える物語:2022/03/12(土) 21:55:28.81 ID:N7/ejwSi.net
- 果林「ヒスババア! 更年期! でも学生イジめりゃ超元気!」ドスドス
果林「乳もなければ器(マ*コ)も小さい♪」ドスドス
彼方「がはは!」
ミア(下品過ぎる……)
エマ「……ああしないとね、果林ちゃんの心が砕けちゃうの」
ミア(そんなに深刻な儀式なのか……)
果林「あ〜スッキリした……」ドスン
ミア「いてっ!」
果林「っと、ごめんね……小さくて見えなかった」
ミア「!」カチーン!
ミア(は??? やば笑笑 ぶつかっといて何???まぢぁりえないんだけど。。笑)
ミア(おっといけない、ボクの心の中に巣食う乙女がつい牙を剥いてしまったよ)イライラ
- 184 :名無しで叶える物語:2022/03/12(土) 21:57:14.51 ID:N7/ejwSi.net
- 〜自宅〜
ミア「ランジュ! 酒だ! 酒くれ!」
ランジュ「荒れてるわね……ビールならあるけど……」
ミア「かぁ〜っ!!」グビ
ランジュ「果林さん?」プシュ
ミア「そう! どうして慕われてるのか理解できないよ😠」プンプン
ランジュ「ん〜……」グビ
ミア「今日なんて自分からぶつかっといてボクのことをチビって!😠」グビグビグビ
ミア「タッパもケツも態度もデカくて度し難いことこの上ない!😡」グビグビグッビィ!
ランジュ「もう顔赤くなってる……」
ミア「あんなケツデカ女にビビってしまった自分が情けないよ!」プハァ!
ミア「おっと……悪口言ってたってことチクらないでくれよ……根性焼きとかされたくないからね」
ランジュ「しないわよ……」
- 185 :名無しで叶える物語:2022/03/12(土) 21:58:50.24 ID:N7/ejwSi.net
- ミア「だいたいこの前もルール覚えたてのボクを麻雀でボッコボコにして!」
ランジュ「あなた……それ根に持つわね」
ミア「持つさ! エマさんが賭け無しにしてくれなかったら30万もぶん取られてたんだ!」ドン
ランジュ「どんなレートでやってたのよ……」
ミア「ボクみたいなか弱いカモを見つければたちまち食い物にする……狡猾な悪党だよ」
ランジュ「そんなに?」
ミア「ああ……ランジュの言う通りだった……少なくとも彼女はろくでもないやつだね」
ランジュ「ん〜……」
ランジュ「果林さんはあなたに麻雀強いとこ見せたかったんじゃないかと思う……多分だけど」
ミア「どうだか! ありゃあこぎの権化だ」
ランジュ「ん〜……」グビ
ランジュ「そ〜ねぇ……あの人もあれで人見知りなとこあるから……あなたとどう仲良くなればいいか、きっと考えあぐねているだけなのよ」
ミア「いやに肩を持つじゃないか……そういうモンなのかぁ?」グビ
- 186 :名無しで叶える物語:2022/03/12(土) 22:00:32.17 ID:N7/ejwSi.net
- 〜〜
「……なんの図なのそれ」
果林「〇〇から引用した表です……」
「いやあんたの内容とどう関係があるの」
果林「いや……その」
「……表取ってきてグラフ作ってペッペッペって貼ってそれで終わり?」
果林「こ、これについては考察がまだ不十分で……」
「じゃあそんなもん載せんな!」バァン!
- 187 :名無しで叶える物語:2022/03/12(土) 22:02:35.72 ID:N7/ejwSi.net
- 〜部室〜
果林「ばーーーーーーーーーっか!!!!! くたばれクソババア!!!!!」
ミア「!?」ビクゥ
果林「4年じゃないし!? 卒業しないし!来年だって4年じゃないもん!」
かすみ「荒れてるね〜、あしず子水取って」グビ
しずく「果林さん2留なの?」グビ
璃奈「3も濃厚らしい。」グビ
果林「い"き"た"く"な"い"!!ゼミい"き"た"く"な"い"!!」ドタバタ
彼方「こりゃ深刻だな〜……だいじょうぶかぁ? 無理すんなよ〜?」グビグビ
果林「仕事行って授業出てゼミ出て……ん"な"暇あるかっつーの!!!!!」
彼方「いやお前授業は出てね〜だろw」
- 188 :名無しで叶える物語:2022/03/12(土) 22:05:12.60 ID:N7/ejwSi.net
- 〜〜
果林「この論文にはそう書いてあります……」
「あんたはどう思うのって聞いてんだけど」
果林「書いてありますから……そうなのかな、と」
「これまでのあんたの話と随分違うじゃない……私はそれ間違ってると思うんだけどね?」
果林「そうですね……違いますよね……」
「なら違うって言いなさいよ! 実際疑わしいって思ってんでしょ!?」バァン!
果林「はい……」
「論文は批判的に読みなさい! クソならクソって言っていい!」
「確かにその論文は査読が通ってるでしょうけどね、でもだからといって結果が!考察が!結論が! 本当に正しいかなんて誰にもわかんないでしょうが!」バァン!
果林「……」
- 189 :名無しで叶える物語:2022/03/12(土) 22:07:15.78 ID:N7/ejwSi.net
- 〜部室〜
果林「思うんだけどね」
果林「強い役、弱い役。 そんなの人の勝手」
果林「本当の雀士なら、好きな役で頑張るべき」
しずく「果林さん早くしてください」
果林「というわけで私は門前役をじっくりじっくり育てることにするわ」パチン
しずく「ロン。 タンヤオドラ3で8000です」
果林「ああああああ!! 喰いタンはマジモンのカス!」ガシャ
愛「ぬははははw」
かすみ「ちょっと果林さん何やってんですかぁ〜……しず子に追いつけなくなるじゃないですかあ!」
ミア「……」
- 190 :名無しで叶える物語:2022/03/12(土) 22:08:31.49 ID:N7/ejwSi.net
- 歩夢「果林さん、長いですよ」
璃奈「早く切って。」
果林「や、ごめん……長考」
璃奈「……見て。朝霞駅で人身事故。」
彼方「ンヒヒw あれは復旧に時間かかるねえ〜」
果林「ちょっと! 今回だけだから!」パチン
璃奈「はいそれ。 12000。」パタン
果林「うがああああ!!」ジタバタ
彼方「こら、ただでさえでけ〜んだから暴れんな」
果林「ぎゃおおおん!!」ドタンバタン
歩夢「怪獣……」
ミア「……」
- 191 :名無しで叶える物語:2022/03/12(土) 22:11:19.06 ID:N7/ejwSi.net
- 果林「ひいっ……! ひいいっ……!」ブルブル
果林「ぐぎぎっ……! 駄目っ……! これは切れない……っ!」ポロポロ
果林「圧倒的……! 圧倒的絶望……! ……ぐっ……! あがっ……!」ポロポロ
彼方「てめ〜いつまでガタガタやってんだ、はよ切れ」
果林「うぐっ……! 」パチン
侑「ロン! やったあ! 18000!」パタン
果林「ぐにゃあ〜〜〜〜!」ガシャ
璃奈「高く見ても3900。親リーに突っ張る手ではない。」
エマ「しかもまだ2シャンテンだし……」
果林「だって安牌なかったもん……!」
彼方「あるじゃね〜かw」
果林「ほんとだ……気づかなかったあ〜!!」グニャア
ミア(ガチでグニャってる……軟体動物かよ……)
- 192 :名無しで叶える物語:2022/03/12(土) 22:12:45.08 ID:N7/ejwSi.net
- 〜〜
果林「その……えっと」
果林「……」
果林「……」
「黙るな! わからないならわからないと言え! 考える時間がいるのならそう言いなさい! 質問されて何も答えず黙ってるのは最も失礼なことだって私は何度も何度も何度も……!」バァン!
果林「はい……」
「原稿やスライドに入れられる文字数は限られている! だから説明を省かざるを得ないのは仕方のないこと! だけどね!」
「そんなこと聴衆は知ったこっちゃない! 説明不足を! 論理の粗を容赦なく攻撃してくるわけ!」
「そういった質問をあらかじめ想定して全力でdefendする! それが発表なの!」
果林「……」
- 193 :名無しで叶える物語:2022/03/12(土) 22:14:32.41 ID:N7/ejwSi.net
- 〜喫煙所〜
果林「そうすると教授がね……」スパー
彼方「厳しいね〜彼方ちゃんだったらふつーに登校拒否なるわぁ……」スパー
果林「……」
果林「まあ……熱が入り過ぎるところがあるだけかもしれない」
彼方「ほ〜」
果林「私もね……先生がだらけてる私に発破をかけてるんだってこと、わかってるのよ」
彼方「愛って訳だなぁ」スパー
果林「そういうこと……それなのに私は文句言ってばかりで……受け身のままじゃなくて、先生にちゃんと歩み寄らなきゃなって思ったわけ」
彼方「成長したなぁ、お前さんよお〜……彼方ちゃん泣けてきたぜ」ホロリ
果林「まあそういうわけで……まずは親しみを込めてクソって呼んでみる」
彼方「親しみ要素あるか?」
- 194 :名無しで叶える物語:2022/03/12(土) 22:16:18.15 ID:N7/ejwSi.net
- 〜部室〜
彼方「麻雀やんべ……」ジャラジャラ
エマ「あと1人、だれかやる?」ジャラジャラ
ミア「あ……ボク入ります!」
果林「あら……? マン毛も生えそろってないようなヒヨッ子が……ここに何か用かしら?」ジャラジャラ
ミア「むっ……今までのボクとは一味違いますからね……」ジャラジャラ
彼方「おやおや、ヒヨッ子がピヨピヨピヨピヨと……えらい自信たっぷりだね〜」カチャカチャ
エマ「これはヒヨッ子のお手並み拝見かな?」
ミア(こいつら……!)
果林「師匠の私に挑もうなんて……10年早いわね」カチャカチャ
ミア「いつボクが弟子入りしたんですか……まあ見ててくださいよ」カチャカチャ
- 195 :名無しで叶える物語:2022/03/12(土) 22:19:40.02 ID:N7/ejwSi.net
- 果林「ポン! ポポォン!」
ミア「立直!」カラカラ…
エマ「……」パチン
彼方「……」パチン
果林「げっ! ……」パチン
ミア「ロン! メンタンピン一発裏1で……8000は8300!」
果林「ぐ……っ、いや〜……そのね? 捨て牌的に14萬待ちかとね?」
エマ・彼方「え?」
ミア「え?」
果林「え?」
ミア「いやさっき自分で2萬ポンしてたじゃないですか……もう4枚切れだからそんな待ちありえないですよ」
果林「あ、そうだった……もう忘れてた」
彼方「偉そうな口ぶっ叩いた割には果林ちゃんイヒヒヒw どうしたよ、耄碌したかあ? おばあちゃ〜ん」
エマ「看板開け渡さなきゃね、おばあちゃん」
果林「おばあちゃんじゃない〜!!」ジタバタ
ミア「……はははは!」
ミア(ちょっと煽ったりからかい合ったりはするけれど……そうやってボクたちの隔たりは無くなっていく……こういうコミュニケーションも存在するのかもしれないな……)
- 196 :名無しで叶える物語:2022/03/12(土) 22:21:22.02 ID:N7/ejwSi.net
- 〜部室〜
ミア「誰もいない……ってことはソファを独り占めだ! ……むにゃ……」
果林「う〜っす……」ガチャ
ミア「zzz……」
果林「……」
ドスンッ
ミア「痛!」
果林「あらごめんなさい、ちっちゃくて……見えなかったわ」
ミア「……果林さん……? わかったならどいてくださいよ……」
果林「あっ……急に睡魔が……そしていいところに抱き枕が」ガシィ
ミア「いたたたたた! 潰れる! てか折れる!」
果林「すやあ……」
ミア「ちょ、彼方さんみたいなこと言って……!」
果林「果林ちゃんすやぴだよ〜……」
ミア「もう……!」
ミア「どいてください! ……そもそもこんなデカいケツにここのソファは無理ですよ!」
果林「ドチビが!」
ミア「ヒヒヒ!w」
- 197 :名無しで叶える物語:2022/03/12(土) 22:25:47.95 ID:8TX5BbOV.net
- 実際に2留してる年上がたむろしてたら地獄だろうな
- 198 :名無しで叶える物語:2022/03/13(日) 19:30:58.88 ID:QcpTY3o3.net
- 8話『やに酒飲み』
- 199 :名無しで叶える物語:2022/03/13(日) 19:32:25.53 ID:QcpTY3o3.net
- かすみ「あああああ!」
ミア「!?」ビクゥ(こいつら唐突にキチゲ発散させるな……)
「どうしたの?」
かすみ「予約取るの完全に忘れてた!」
「かすかすのバ先でいいんじゃないの?」
かすみ「……それだけは本当に勘弁してください、次大暴れされたら今度こそ私クビになっちゃいますから」
「「がはは!」」
かすみ「いやほんと、そのせいでバイトリーダーなれなかったんですよ!」
かすみ「愛さん……11人だめですかぁ……?」
愛「え〜っ?」
愛「え〜〜っ……?」
「すげ〜嫌そうな顔w」
愛「うち隔離病棟じゃないんだけどなあ」
かすみ「そんなあ……」
愛「まあいいけど……他のお客さん来たらアタシはふつーにお店のほうやってるからね? あと飲み過ぎてアル中なっても外に放り出すだけだからね??」
- 200 :名無しで叶える物語:2022/03/13(日) 19:33:44.28 ID:QcpTY3o3.net
- 〜基礎工学実験クラスα (工学部開講・必修)〜
ミア「るん♪ るん♪」
「ミアさん楽しそうですね、何かあるんですか?」
ミア「聞いてくれ! 今日はサークルで飲み会があるんだ」
「それはそれは……」
ミア(あまりにもるんるんしていたところ、今回もペアになった大宮が話しかけてきた。こいつは律儀な奴で石橋叩き壊すのが趣味なんじゃないかってくらい入念で慎重だが……実験が上手く、データ整理もマメだから重宝するよ。 つまるところ全部やってくれる)
ミア「みんなでバカみたいに飲んで大暴れする予定なんだ!」
「大騒ぎじゃなくて大暴れですか……」
ミア「ぶっ倒れるまで飲んで……二次会は緊急搬送先の病院だ!」
「いやいや倒れるまで飲んじゃダメでしょ……なんだかヤバそうなサークルですね……」
ミア「ヤバいなんてもんじゃないよ! 普段からろくすっぽ授業にも出ず酒飲んで麻雀かパチンコばっか打ってる連中でさ! この間なんて…… 」ペラペラ
「は、はあ」
- 201 :名無しで叶える物語:2022/03/13(日) 19:35:31.26 ID:QcpTY3o3.net
- 〜〜
ザワザワ
「「遅いよ〜」」
果林「え〜、みんなわざわざ待っててくれてたの? ごめんなさい……」ドタドタ
ミア(ランジュ以外みんな揃った! 酒はいつも部室で飲んでるけど……こーいうとこで飲むお酒はやっぱ別だ!)
侑「早く挨拶挨拶! 部長だれ?」
果林「ミアちゃんやったら? 実質的な支配は私がやっとくから」ドサッ
ミア「そんな摂政みたいな……」
歩夢「ん〜……じゃあ新部長のかすかす、よろしくね」
かすみ「え〜!? 私なんですか!? 何で!?」
「「うおおおおおお!!」」
「「かすかす! かすかす!」」「新部長!」パンパン
かすみ「やれやれ、仕方ないですね〜」ノソノソ
かすみ「んん〜ん、……皆さま本日はお忙しいところお集まり頂きまことにありがとうごさいます……乾杯の音頭は僭越ながら私この中須が……」
「「長い!」」「「早よ済ませろ!!」」
「「誰だてめー! 引っ込め!!」」
かすみ「ざけんな!!」
かすみ「かーっ、協調性のない連中ですね! じゃあ行きますよ! ミアちゃんの歓迎と、我がサークルの今年度の躍進を願って! 乾杯!!!」
「「かんぱーい!!!」」ガチャガチャガチャガチャ
グビグビグビッ
「「ぷはぁ〜っ」」
ミア「かぁ〜っ!」
ミア(喉を、ごくごく通る! このビールが、うめ〜っ!!)
- 202 :名無しで叶える物語:2022/03/13(日) 19:37:08.95 ID:QcpTY3o3.net
- カチカチカチッ……スッパァ!
モクモクモックウ!
ミア「げっ!」
ミア(くっさ!!)
ミア(乾杯するやいなや、みんな続々と吸い出して……ヤニ研究会に改名しろ!ヤニカス共!)
エマ「……」スパー
果林彼方「ふぃ〜」スパー
歩夢侑「まず油ひくんだっけ?」スパー
かすみしずく璃奈「そーそー、このなんか……ファンデブラシみたいなやつ使って」スパー
ミア(マジでボク以外全員吸ってやがる……昭和の非喫煙者はこんな気持ちだったのか……)
愛「飲みほーだいは今から120分ね〜ラストオーダーはまあ……適当でいいや!」カチャカチャ
ミア(愛さんは吸わないのかな……?)
- 203 :名無しで叶える物語:2022/03/13(日) 19:38:48.43 ID:QcpTY3o3.net
- 果南「ふうう……やっと呼吸できた……息止めるの大変だったわ……あれ、歩夢iQOS辞めたの?」スパー
歩夢「プルームは持ち歩いてますよ、でも今みたいに灰皿があるときは紙巻ですね」スパー
果林「へ〜、一本交換する?」
歩夢「じゃあ一本……あ、これフィルター長くて入らないんですね」
侑「私も! あ、これ重っ……」スパー
果林「彼方のはもっとキツいわよ」スパー
かすみ「28ミリはエグいですよ……しかもフィルターないし」
彼方「彼方ちゃんはもう10年はこれよ」スパー
歩夢「いつから吸ってるんですか……」スパー
かすみ「エマさんもそうですけど、両切りなんてよく吸えますね……前貰ったとき一発でヤニクラ起こしましたよ」スパー
彼方「吸い方がね〜慣れるともう辞められなくてわろてまう」スパァ
しずく「エマさんのそれ、どこで売ってるんですか?」スパー
エマ「コンビニでは売ってないよね〜」スパー
璃奈「置いてあるとこ、見たことない。」スパー
侑「同好会の上の人たちは変なタバコ吸いがち」スパー
ミア(煙やべ〜……火災報知器平気かな)
璃奈「ミアちゃんも吸う? メンソールだけど。」
果林「吸いたいの適当に取ってっていいからね、一本30円で」
「どケチか!」「値段妥当だな〜」
ミア「いや〜……ボクまだ未成年なんで……」グビグビ
- 204 :名無しで叶える物語:2022/03/13(日) 19:40:17.61 ID:QcpTY3o3.net
- ミア(空気はニコチンが薄過ぎて息できない、ヤニ吸ってようやく呼吸できる……というのはここのニコチン中毒者ド定番のクソおもんなジョークだ……果林さんだけでなく同好会みんなもよく言ってる)
ミア(こうして見ると、各々が飲む酒に好みがあるように、ヤニもなんでもいいという訳ではなく銘柄にこだわりがあるようだ……ヤニ吸う虫も好き好きといったところか)
ミア(歩夢さん侑さんはピンクやシアンといったパッケージからちょっとお洒落で、軽めのものを吸っている)
ミア(かすみとしずくは電子タバコだ、吸うたびにピカピカ光って煙じゃなく蒸気を出す)
ミア(璃奈は……意外にも紙巻きだ、歩夢さんと同じものを吸っているようだ)
ミア(過年度生組はもうアレだ……果林さんのはまだ普通だが、彼方さんのタバコはゴツい缶に入っているし、エマさんのは相変わらずすげー匂いがする……)
果林「愛〜? ビール追加で」
愛「あ〜、ピッチャー持ってくるから待ってて」ガチャガチャ
愛「ほいよ〜」
「「お〜!!」」
ミア(愛さんがビールの入ったデカいポットと刺身を持ってきた)
愛「とりあえずはこれで全部かな? 追加でなんか欲しかったら言ってね」スパー
ミア(お前もかい!)
- 205 :名無しで叶える物語:2022/03/13(日) 19:42:19.25 ID:QcpTY3o3.net
- ミア「そうなんですよ! 課題課題課題で!」グビ
「「わはは!」」
ミア「おしゃれgirlsにめちゃめちゃマウント取られて!」グビィッ
「「うははは!」」
ミア「そしたら璃奈が教員にマジギレして……!」
「「がはははは!」」
璃奈「その話は……禁句!」グビ
ミア(刺身やたこわさをつまみながら飲むビールは旨い!!)
ミア(果林さんも怖くなくなった! それに今日の主役はボクだから、みんな優しくしてくれる!)グビグビ
侑「まだー?」ポケー
しずく「まだ生焼けですよ」
侑「むう〜ん……歩夢ぅ〜」
歩夢「いたたた、も〜何? 侑ちゃんってば」
かすみ「侑さんペース早いですよ、お水」
ミア(もんじゃが焼き上がる前に侑さんの顔がすでに真っ赤に……)
- 206 :名無しで叶える物語:2022/03/13(日) 19:45:27.29 ID:QcpTY3o3.net
- バクバク…
ミア(もんじゃの美味しさは……正直よくわからん! 少しずつしか食べられないし……焼いて削って、まとめて持ってきてくれればいいのに)モグモグ
かすみ「ミアちゃんあっちの方はどうなの? 工学部だし男の子沢山いるでしょ?」モグモグ
ミア「ヤですよあんなやつら! クネクネしてるし早口だし歩きも無駄に早いし! 動きが全体的に変なんだよ!」グビグビ
果林「ガイガイ音頭とどっちがマシ?」クネクネ
ミア「どっちもやだ!」
「「がはははは!」」
彼方「彼方ちゃんはね〜彼ぴってわけじゃないけど……好きぴはいるよ〜普段から一日中一緒にいて〜……」
ミア(なっ……彼方さんにそんなヒトが!?)
彼方「一度火がついたら止まらないよ〜……ずっとキスしてるかしゃぶってる」
ミア(それは彼ピでも好きピでもなくて缶ピだろ! ……でもその言い回しちょっと面白いな、今度使ってみるか……)
- 207 :名無しで叶える物語:2022/03/13(日) 19:46:35.14 ID:QcpTY3o3.net
- 果林「いっちょ"りゅうのまい"、やりますか! ……あそれ! 留年♪留年♪留留年……」ドタドタ
璃奈「やめて、ホコリも舞う。」
しずく「ちょっと迷惑ですよ! ……あとでやりましょう!」グビ
侑「あゆむ、あゆむあゆむ〜……」
歩夢「ちょっと侑ちゃん、こぼれるから……うわあ!」ガシャン パリン
かすみ「あ〜もう! 愛さん! 台拭きください! ちりとりも!」 ドタドタ
「愛ちゃんのお友達? ……元気だねえ」
愛「あはははw こいつら他の店全部出禁になっちゃったんですよ〜w」グビッ
- 208 :名無しで叶える物語:2022/03/13(日) 19:47:52.49 ID:QcpTY3o3.net
- ドカドカドカッ
ミア(誰が追加で頼んだのか……大量のもんじゃ生地! 焼きそば! お好み焼き!)
ミア「多過ぎだろ!」バクバク
歩夢「も〜、頼んだの誰!?」バクバク
かすみ「しず子ですよ! この子いつもこういうことやるんだから!」バクバク
しずく「こんなに量多いなんて思わなかったも〜ん!」バクバク
ドカドカドカッ
愛「まだ食うかい?」スパー
彼方「お腹いっぱい……だぜ……」
エマ(やばい……私も限界が)バクバク
愛「ほいよ、具沢山・アチアチ・焼きうどんね」ドカドカッ
「「うわああああ!!」」
- 209 :名無しで叶える物語:2022/03/13(日) 19:49:25.49 ID:QcpTY3o3.net
- ミア(身内サービスなのか、普通の飲み放題とは比べ物にならないほどハイペースでお酒も提供され……一つしかないトイレは大混雑だ……たまに吐いてる音も聞こえるし)
かすみ「愛さんトイレ紙切れそうです」
愛「え〜もう? 使いすぎんなし〜」
しずく「おしっこ近くなるからしょうがないもん〜」
愛「もー、はいこれ!」
歩夢「……え? ……何?」
愛「レッドペッパー!w」
「は?」
愛「トイレットペーパーの代わりに……レッドペッパー!w なんつてw」
「つまんなっ」「くっだらねえ……」「ギャグセン無下愛。」
果林「食べログに星1付けとくわ、店員の口からゲロみたいなギャグが飛ぶって」
愛「ね〜wジョークジョーク!w ほんと勘弁してw」
彼方「んなもん塗り込んだらケツがヒリついてたまんね〜や」
- 210 :名無しで叶える物語:2022/03/13(日) 19:51:55.04 ID:QcpTY3o3.net
- かすみ「ちょっとこのハイボール度数強くないですか?」グビ
愛「面倒くなったら濃い目に入れてさっさとダウンさせるw かすかすの店でもやるっしょ?w」スパー
かすみ「やりませんよ……」グビグビ
「「うっぷ……しぬ……」」
ミア(愛さんの目論み通り、みんながベロベロに酔っ払った頃……)
ランジュ「う〜っす……」ガラッ
ランジュ「何この空間……終わり過ぎでしょ……」
「「あ〜っ!!ランジュ(さん)!!」」
彼方「おいランジュ! てめ〜サークルサボりやがって!!!」ガバッ
ランジュ「活動なんもしてないでしょ」
彼方「てめえこの麻雀だぁ! 覚えとけよこの〜!! あとで雀荘行くからなぁ!」
ランジュ「あら? また全財産捲られたいの?」
ミア「雀荘!? ボクも行くぞ! ……ぐえ!」
果林「ランジュ! お前のガキは預かった! 返して欲しくば……」グイ
ミア「いたたたた!!」ギリギリ
ランジュ「ちょっと! はあ……もう帰りたいわ」ドサッ
しずく「どうせ私たちのこと、どうしようもない駄目人間って思ってるんでしょ!?」ポロポロ
ランジュ「ま〜た面倒なの起きてきた……別にそんなこと思ってないわよ……」
侑「すぴー……」zzz
- 211 :名無しで叶える物語:2022/03/13(日) 19:53:04.99 ID:QcpTY3o3.net
- ミア「ゴチャゴチャ言ってないでいあから飲め!」ドン!
ランジュ「何?この酒……」
愛「愛さん特製のばくだんならぬばけもん酒! エタノールの代わりにメタノール混入してあるから……トべるよ!」
ランジュ「バカでしょ、そんなもん飲んだら違う世界にトブわ」グビ
「「行ったあああ!!!」」
ランジュ「ぐわあああ! まっず! 度数高すぎ! ほぼ消毒液じゃないのこれ!」
歩夢「メタノールって何?」
璃奈「飲んだら死ぬやつ。」
歩夢「えっ……じゃあなんでランジュちゃん生きてるの……?」
ランジュ「あなたも酔ってるの? 本当に入ってたらやばいでしょ」
璃奈「愛さんならサイコパスだからやりかねない。」
愛「ちょ、りなり〜w」
しずく「すぴ〜」zzz
- 212 :名無しで叶える物語:2022/03/13(日) 19:53:56.42 ID:QcpTY3o3.net
- ミア「ランランランジュの! ちょっといいとこ見てみたい! それイッキ! イッキ! イッキ! ……って早っ!」
ランジュ「はあ……ふんっ!」グビグビグビィ
かすみ「うわすご……」
歩夢「行ったね〜……」
ランジュ「ぶっはぁ! ナメんじゃないわよ……てかばけもん酒マジでまず過ぎる……」
果林「……何入れてんの? あれ」
愛「ただの甲類焼酎w」
エマ「よく飲めるね……」グビ
彼方「リッチかぁ? てめ〜ら……普通に飲むだろぉ……」
- 213 :名無しで叶える物語:2022/03/13(日) 19:55:37.08 ID:QcpTY3o3.net
- 璃奈「ランジュ飲んでなくない?wow wow」パンパン
ランジュ「あなたもだいぶキマってきたわね……この世の終わりみたいなのやめなさい」
璃奈「飲み会は……コールが命。从[´・֊・]从」
愛「でもりなり〜陰キャオタクだからコールそれしか知らないじゃんw」
「「がははは!!!」」ドッ
ミア「わはははは!」
璃奈「……」
璃奈「宮下愛、まじで嫌い。 二度と話しかけるな。」
愛「り、りなりー?w、冗談だって〜w」
- 214 :名無しで叶える物語:2022/03/13(日) 19:57:28.10 ID:QcpTY3o3.net
- 〜〜
愛「かすかす〜ちょっと洗い物手伝ってくんない?」ガチャガチャ
かすみ「あ、いいですよ」バタバタ
ミア(ラストオーダーどころか、日付も閉店時間もとっくに過ぎてるけど……ボクたちは特別にたむろさせてもらっていた。 当然お酒は自分達で買い出しに行かないと飲めないけど……)
ミア(起きてる連中は、片付けをしている愛さんとかすみさん……ランジュと歩夢と璃奈と……3年生。 普段眠そうにしてるけど、みんな夜は意外と強いんだな……いや、だから普段眠いんだろうな……)
ランジュ「それはないわ……」
ミア(ランジュが歩夢さんとふつーに話している……もしかしたらランジュは、うちに馴染めてないから普段来ていないのかと思ってたけど……杞憂だったようで安心したよ)
歩夢「この間侑ちゃんと4人でしたときもね……」
ランジュ「またそんな……よくやるわ……」
ミア(恋愛事情の話題になった。 歩夢さんがところどころナチュラルにエグいトークをぶっ込むが、ランジュは平然と聞いている……)
ミア(くそっ……! ランジュのやつ、普段位相がどうとか訳の分からないことばっか言ってるくせにいっちょまえにこういう経験値があるのか……!)
ミア(ボクは処女でまともに恋愛経験もないから会話に入れん! 愛さんの部屋にあった漫画を読みながらひそかに聞き耳を立てることしかできないのであった……)
- 215 :名無しで叶える物語:2022/03/13(日) 19:59:03.86 ID:QcpTY3o3.net
- 愛「ガス抜きのやり方わかる?」カチャカチャ
かすみ「あ、一応わかりますよ 」ブシュン
歩夢「朝起きてからもね……私達すぐに……」
ランジュ「いやいやいや……」
ミア(歩夢さん……お、女の子ってそんなことまでしなきゃいけないのか……!///)
果林「……若くて元気ねえ」チビチビ
彼方「わしらも気力があればのお……」トクトク…
エマ「なに言ってるの。 2人ともまだまだ若いでしょ」グビ
璃奈「ちんことまんこで繋がるネットワーク。」
璃奈「電マ改造したら一瞬でイけた。 逝き過ぎて気絶してた。」
歩夢「あれすごかったよね……」
ランジュ「バカじゃないの……」グビ
ミア(やめてくれ……璃奈……璃奈の口からそんな下ネタを聞きたくなかった……)
ミア(……いや、ボクはまだ18だ! 仙道も言ってるじゃないか…… まだ慌てるような時間じゃない)
ミア(ボクは貞操≪ディフェンス≫に定評のあるテイラーだ!……てかこの漫画ネットスラング使い過ぎだろ……作者はインターネット大好きか?)
- 216 :名無しで叶える物語:2022/03/13(日) 20:00:37.96 ID:QcpTY3o3.net
- 〜〜
ミア(飲み過ぎた……身体が動かない……)
ミア(お店の締め作業をしてる2人、爆睡してる衆、無理やりマットを敷いて麻雀を打ち始める者……そしてボクに忍び寄る影……)
歩夢「ミアちゃん……」
ミア「……なに」
歩夢「こっち向いて……お顔見せて」
ミア「ん……」(なんか触れ方がやらしいな……普通人の首筋とか触るか……? ってあれ? え!? 歩夢さんってそういう……!?)
歩夢「……私ね、ミアちゃんのこと……ちょっといいなって思ってるの」グイ
ミア「えっ? ヒヒヒヒ……w ぼ、ボクにはまだそういうの早いんじゃないかなって……」(まずい! 身体が動かん!)
ミア(助けてくれランジュ! ……ってお前! なに麻雀やってんだ!)
ランジュ「……」チラッ
ランジュ「……左8ね」コロコロ
ミア(おいこら! ランジュ!? なんで!)
- 217 :名無しで叶える物語:2022/03/13(日) 20:01:58.44 ID:QcpTY3o3.net
- 歩夢「ね? ミアちゃんは女の子とするの……興味ない? ……それとも傷物の女の子は……嫌い?」グイ
ミア「待って! その……ボクは……!」
ミア「ちょっ! どこ触ってん……! むぐぅ……!?」ガシィ
歩夢「ほら……怖がらなくていいんだよ? 力抜いて……目を閉じてごらん? どうせ朝になっちゃえば……全部、全部忘れるんだから……」
ミア「ま、まって……うわ、うわああああ!」
ミア「……」(あっ……)
歩夢「……」
ミア「……」
ミア(はじめてのキスは……あたたかくて、柔らかくて……ふんわりと甘いお酒の香りがした……)
愛「見てかすかす、ばっちり撮れてない? 活動写真にこれ使おうよw」
かすみ「使わないですよ……」
エマ「今日は凄く平和な飲み会だね〜」パチン
果林「まあもう私達……暴れ回れるほどの体力ある歳じゃないからねえ……」パチン
彼方「若い衆にはもっと元気にやってほしいけどなあ〜……」パチン
ランジュ「別にこの子達もそんなに若くないけどね…… ツモ。メンピンドラ3で……6000オール」
「「うがああああ!!」」ドタンガシャンバタン
- 218 :名無しで叶える物語:2022/03/13(日) 20:06:46.58 ID:Clm9VSv2.net
- >>203
果南?
- 219 :名無しで叶える物語:2022/03/13(日) 20:07:26.66 ID:Clm9VSv2.net
- このドタドタ感が今のラ板みたい見えてきた
- 220 :名無しで叶える物語:2022/03/14(月) 12:48:23.14 ID:Ks3Eq3RZ.net
- >>216-217
ミアのモノローグで笑い止まらん
- 221 :名無しで叶える物語:2022/03/14(月) 20:48:41.28 ID:OApvvp2r.net
- 8.5話『バイトロス!』
- 222 :名無しで叶える物語:2022/03/14(月) 20:52:13.59 ID:OApvvp2r.net
- 〜自宅〜
ランジュ「らんらららん♪らんらららん♪」
ランジュ「ららんらん♪らららら〜ん♪」
ランジュ「らん♪らん♪ランジュで……」
ミア「……」
ランジュ「……」
ミア「……ポケモンか?お前は」
ランジュ「そ、そういうつもりじゃないから! っていうかいつ帰ってきてたの!?」カアア
ミア「ミッミー!? ミミッミミアミミア!」
ランジュ「ね〜え〜! 違うの!」
- 223 :名無しで叶える物語:2022/03/14(月) 20:54:21.29 ID:OApvvp2r.net
- 〜〜
かすみ「全部室棟一斉点検でいま部室入れないんですよ。危険物とかの監査がはいるとかなんとか……」
璃奈「新聞部とか凄い慌てた。とんでもない勢いでシュレッダー回してた。」
しずく「漫研とかロリコン雑誌抱えてどっか出てってましたからね」
ミア「開発研は……相変わらず廃墟だったね」
ランジュ「そういえばそんなメール来てたわね……あなた達なんかやらかしたの?」
かすみ「違いますよ!」
しずく「ロケットサークルが火災事故かなんか起こしたらしいですよ」
ランジュ「また? あそこ年に一回は炎上してるわね」
かすみ「まあそんなわけで部室にはしばらく立ち寄りできないです」
しずく「ですから誰かの家で宅飲みしたいなーって話してて」
ランジュ「人の家を勝手に……しずくか璃奈の家でいいじゃない」
しずく・璃奈「片付けてない……。」
ランジュ「……まあいいわ」
かすみ「ランジュさんもどうですか? 一杯」
- 224 :名無しで叶える物語:2022/03/14(月) 20:55:34.54 ID:OApvvp2r.net
- ランジュ「お生憎さま、私これからバイトなの」
ランジュ「あなたたちだけだから問題ないとは思うけど……あんまり散らかしたりしないでよね」ガチャ
「「は〜い」」
しずく「ランジュさんってどこでバイトしてるんだっけ?」
ミア「そぐそこの松屋。 あとなんか中国語の添削もやってるね」
かすみ「あー、なんか思い出した! みんなで行った!」
璃奈「あったね。 大暴れしたやつ。」
ミア「牛丼屋のどこに暴れる要素があるんだよ……しかしバイトか、友達もみんなバイトしてるんだよな……見習ってボクも早くエコノミックアニマルにならなきゃなあ……」
しずく「バイトしたことあるの?」
ミア「ティッシュ配りをね。 二日で辞めたけど……飲食とか興味あるんだよね」
璃奈「決まったら教えてね。 みんなでバ先に応援行くから。」
ミア(ぜって〜呼ばね〜!)
- 225 :名無しで叶える物語:2022/03/14(月) 20:56:42.70 ID:OApvvp2r.net
- ミア「かすみさんは居酒屋でしたっけ?」
かすみ「そ〜だよ、洋風居酒屋。 キッチンもホールも両方やってる」
ミア「なんか前、そこにもみんなで襲撃に行ったとか聞いたけど……」
かすみ「あー!」
しずく「かすみさんの誕生日にね、部員全員成人記念パーティやる予定だったんだけど、かすみさんシフト入れられちゃって……」
璃奈「代わりにバ先突撃してどんちゃん騒ぎした。」
ミア「楽しそうだな〜!」
かすみ「どこが! 皿何枚弁償させられたと思ってんだ……」
- 226 :名無しで叶える物語:2022/03/14(月) 20:57:46.01 ID:OApvvp2r.net
- ミア「しずくさんは?」
しずく「私はね……実はあまり長続きしなくて……単発のバイトを転々としてるの」
ミア「お小遣いとか困らない?」
しずく「うんまあ……その代わりというか……港区でパパと会ってご飯食べて……そこでお小遣い貰ってるかな」
かすみ「それほんと羨ましい!」
ミア「ええっ!」
ミア(そ、そんな……あいつらもよくパパ活どうこう言ってるから、女子大生なんてそんなもんなのかと麻痺してたけど……)
しずく「成績のこととか実家出てからの生活習慣のこととか……卒業後の進路のことでいつも怒られてる……」
ミア「マジモンのパパかよ」
- 227 :名無しで叶える物語:2022/03/14(月) 21:02:08.71 ID:OApvvp2r.net
- グビグビ…
ミア「璃奈は?」
璃奈「ネットビジネス。 サイトに広告貼って収入得てる。 今はやってないけどね。」
ミア「ハイテクだなあ……でも個人サイトでPV稼ぐのって大変じゃないの?」
璃奈「検索結果のアルゴリズムを悪用すればPVは簡単に稼げる。」
ミア「悪用って……」
璃奈「流行りの芸能人の出身高校とか恋人とかをタイトルにして中身薄いコピペ記事を乱立して、似たような記事と相互参照させまくる。 すると検索結果の上の方に出てきやすくなる。 ……いかがでしたか?」
ミア「あのキュレーションサイト作ってたのお前か! 調べた結果……なにもわからないんだよ!」
- 228 :名無しで叶える物語:2022/03/14(月) 21:03:09.64 ID:OApvvp2r.net
- ミア「他の人たち何やってんだろう……知ってます?」
しずく「愛さんは自営だし……お給料いいのかな? 雇ってもらおうかな……」
璃奈「普通。 たまにヘルプ行くけどお駄賃1000円/1hくらい。」
かすみ「ま、そんなもんか……」
璃奈「ちなみに愛さんは実質時給400円くらいらしい。」
しずく「可哀想! バイトの方が高いんだ!」
かすみ「まあ……切実だけどよくある話だよね」
- 229 :名無しで叶える物語:2022/03/14(月) 21:04:16.32 ID:OApvvp2r.net
- グビグビ…
ミア「果林さんとかはどうなんだろう、やっぱ稼いでるのかな?」
かすみ「あ〜それがそんなに甘くないみたい。 月に10万稼げればかなり良い方で……実質収入0の月もザラだってさ」
しずく「この前彼方さんのバ先のスーパーで一緒にバイトしてたよね。 すぐヤニ休憩で抜け出すって彼方さんボヤいてた」
璃奈「そうなんだ。 芸能界も楽じゃないんだね。」
ミア「意外とカタギなんだな……てっきり2人は女衒とか博打の胴元とかやってるのかと」
かすみ「彼方さんはエロ漫画描いて50万近く稼いだことあるらしいよ」
ミア「器用な人だな……」
ミア「……その、エマさんは?」
「「知らない……」」
ミア「そ、そうなんだ」
- 230 :名無しで叶える物語:2022/03/14(月) 21:05:26.95 ID:OApvvp2r.net
- グビグビ…
かすみ「ゆうぽむさんの2人は塾講やら家庭教師でしょ、まだやってんのかな」
ミア「あの人たちが家庭教師とか、一番駄目だよ……生徒が心配になってくる」
璃奈「侑さんは家庭教師先の子にご褒美として、おっぱい触らせたりおちんちんしゃぶって精通させたりとかしてたらしい。」
しずく「その話ほんと好き!」
ミア「初っ端からエピソードがAVじゃないか……てか犯罪だろ……」
- 231 :名無しで叶える物語:2022/03/14(月) 21:06:35.11 ID:OApvvp2r.net
- しずく「歩夢さんも似たような話あったよね」
ミア「どうせちんちんだろ」
璃奈「いやどうだったかな。 ……ある教え子が髪も顔も声も女の子みたいで、名前も中性的で性別どっちかわからなかったんだって。」
かすみ「あ〜いるもんね、キラキラネームとか……私たちの世代にも普通に」
璃奈「そこの塾では男の子はくん付け、女の子はさん付けするって決まってるらしくって。」
しずく「それは困るね……間違えたらご両親からクレーム来たりしそう」
ミア「それで?」
璃奈「どうやってもわからなかったから、最終的におちんちんしゃぶって判別したらしい。」
「「うはははは!」」
ミア「結局ちんちんじゃないか!」
- 232 :名無しで叶える物語:2022/03/14(月) 22:03:20.31 ID:39xUcyzX.net
- 嘘だろ…歩夢ぅ…侑ぅ…
シコシコ
- 233 :名無しで叶える物語:2022/03/14(月) 22:55:37.49 ID:SRFC1uOf.net
- 淫乱ビッチゆうぽむで脳が破壊された
こういうのも悪くないね
- 234 :名無しで叶える物語:2022/03/15(火) 00:35:13.07 ID:LZSYuVLP.net
- 果林さんのゼミのやつみて教授にボロクソ詰められた学部時代思い出した
ほんと似たようなことを似たような口調で言われたわ
- 235 :名無しで叶える物語:2022/03/15(火) 01:42:39.99 ID:B5cBI71p.net
- 今さらだけど璃奈はセリフのあとに句点付くのね
細かいけど璃奈なら分かる気がする
- 236 :名無しで叶える物語:2022/03/15(火) 02:39:11.68 ID:x6QZCL/T.net
- ランジュかわいい
- 237 :名無しで叶える物語:2022/03/15(火) 07:39:10.42 ID:7MBrucvt.net
- 支援
- 238 :名無しで叶える物語:2022/03/15(火) 15:03:26.35 ID:edBHyeD4.net
- 留年組が開き直ってないでまだ進級しようとしてるのがリアル
- 239 :名無しで叶える物語:2022/03/15(火) 16:23:08.55 ID:5odWPDh1.net
- 栞子とせつ菜は出てくるのかな?
- 240 :名無しで叶える物語:2022/03/15(火) 20:23:11.62 ID:nnXxASwC.net
- 9話『ドラゴン栞』
- 241 :名無しで叶える物語:2022/03/15(火) 20:26:04.49 ID:nnXxASwC.net
- 〜附属図書館〜
かすみ(レポートの参考図書を探しに図書館までやって来た私たち)
しずく「何借りたの?」
かすみ「プロ倫」ドヤァ
しずく「なにそれ?」
璃奈「ピロリン?」
かすみ「え〜っ? りな子はともかくしず子まで知らないの〜? それでも文系??」
しずく「むかっ!」
璃奈「それで、結局なに?」
かすみ「『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』。ナカス・ペディアによると、マックス・ウェーバーの著作でプロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神について書かれているらしいよ」
しずく「中身スカスカの説明だなあ……」
璃奈「ナカスカスカ・ペディア。」
かすみ「いいの!これから身に付けるんだから!」
かすみ「ああ! 知のバケモンになっていく自分が怖いよ〜!」
しずく「知のバカモン……」
璃奈「知能バカモン?」
かすみ「おい!」
- 242 :名無しで叶える物語:2022/03/15(火) 20:29:47.03 ID:nnXxASwC.net
- 栞子「……」カリカリ
かすみ「……ん?」
栞子「……」カリカリ
かすみ「……赤本だ」
しずく「え?」
かすみ「ほら、あれ……隠してるけどあの人」ヒソヒソ
栞子「……」カリカリ
しずく「受験生って入れたっけ?」ヒソヒソ
かすみ「わかんないけど学生証ないとここ入れないくない?」
璃奈「……あれは」
璃奈「……あれは仮面浪人ってやつだと思う。」
しずく・かすみ「か、仮面浪人?」
- 243 :名無しで叶える物語:2022/03/15(火) 20:29:47.39 ID:PeuB5CSQ.net
- 草
- 244 :名無しで叶える物語:2022/03/15(火) 20:31:49.40 ID:nnXxASwC.net
- 璃奈「そう、仮面浪人。」
璃奈「ただの浪人ではない。大学に在籍しながら、他の大学を受験する人のこと。」
しずく「どうしてそんなまた」
璃奈「人には様々な事情がある。在学中に急に他の学問に目覚めて……などの前向きな動機もあるけれど……実際のところ、受験生時代に行きたい大学や学部に落ちて別の大学に入学したけど……やっぱり諦めきれない、自分はこんな大学に甘んじる人間のはずがない、といった学歴コンプ所以であることが多い。」
かすみ「普通に浪人すればよくない……? ほら、駿台とかさ」
璃奈「成功した場合、取得した単位の一部を新しい大学の単位と互換できる。あとなんと言っても、無職でなく学生である、というのがデカい。」
璃奈「身分は大学生だから割引が効くし、もしふたたび入試に失敗しても……元の大学にそのままの取得単位状況で在籍し続けられるというメリットがある。」
- 245 :名無しで叶える物語:2022/03/15(火) 20:33:03.63 ID:nnXxASwC.net
- しずく「そんな方法があるんだね……」
璃奈「途中で諦めたり……今の大学と折り合いがつけば、そのまま通い続けることもあるだろう。」
璃奈「ついには叶わなかった、なおもギラギラと眩しく光り続けるかつての志望大を横目に……。」
璃奈「極端な話、普段一緒に授業を受けてキャンパスを歩いていたはずのあの子が……4月になって急に「じゃあ私今日からこんなとこじゃなくて別の大学だから! さよなら!」みたいなこともあるかも。その姿はさながらそれまでずっと仮面を被って生活しているようである、ということ。」
かすみ・しずく「はあ……」(やけに詳しいな……)
璃奈「璃奈・ペディアは人間の陰鬱な感情やそれに由来する行動については詳しい。」
かすみしずく(説得力あるな〜)
栞子「……」カリカリ
- 246 :名無しで叶える物語:2022/03/15(火) 20:35:09.29 ID:nnXxASwC.net
- 栞子「……」
栞子(また、同じ問題を解けない……)
栞子「……」
栞子(私はいったい)
栞子(いつまで高校の勉強を)
栞子「……」
栞子(高校同期はもう大学3年生)
栞子(それぞれの大学で、好きな学問をして……サークルやアルバイトをこなして……友達を作って遊んで……)
栞子(インスタやTwitterは高校同期たちのサークルやバイト先のお洒落な写真や体験で溢れ……新しい友達や先輩後輩……彼氏と旅行先での楽しそうな笑顔で埋め尽くされている)
栞子(一方で私にはsnsに上げられる画像などなにひとつない……バイトだってしたことがない、高校を卒業してから旅行にも行ったことがない、恋人どころか……新しくできた知り合いすら私にはいないのだから)
栞子(……)
栞子(私だけが、ずっと受験に……あのころの後悔と劣等感に囚われている)
栞子「……!」ベキッ!
かすみ・しずく「!?」ビクッ
- 247 :名無しで叶える物語:2022/03/15(火) 20:38:35.79 ID:nnXxASwC.net
- 栞子「あ……すみません」
かすみ「いえ……」
しずく「……」
璃奈「……」
栞子「……」
かすみ・しずく「……」(気まずっ!)
璃奈「……それ、東大の?」
栞子「!」
かすみ(こいつよく話しかけられるな……)
しずく「ちょっと璃奈さん、邪魔しちゃ悪いよ」ヒソヒソ
璃奈「……」
栞子「……はい、こんなところで目障りだったでしょうか……すみません」
- 248 :名無しで叶える物語:2022/03/15(火) 20:41:23.62 ID:nnXxASwC.net
- 〜〜
ーーなんで私が虹大に!?
栞子(教えてあげます! 東大はガチでムズい)
栞子(父親は東大、祖父や親戚も軒並み東大や旧帝。 母親は……なんかその辺の私立女子大。そんな家庭に産まれ、多感な若者に学歴コンプレックスを煽るマッチポンプ受験産業とエリート意識蔓延るこの大都会東京で育った私も例外ではなく中受からの受験戦争に放り込まれ、学歴至上主義たる現代日本の歪な社会構造に否応なく組み込まれることになった……)
TV「東大! 代ゼミ! 京大! 代ゼミ! 東大京大虹大! 代ゼミ!」
TV「いつやるか? 今でしょ!」
ネット「〇〇大第一志望の受験生、0人説!」
ネット「【悲報】日本の大学、東大以外はF欄だった……」
栞子「はえ〜……」
栞子(とにかくいい大学に入り、いい企業に就職する。私の周りも、そんな意気込みの家庭ばかりだったからなにも疑問に思わず受け入れていた)
栞子(姉が高三だった頃の我が家の、針のむしろの緊張感……姉の勉強の環境のために家族総出で毎日最大限の気配りとサポートをし……そんな姉が東大に落ちたときのどん底のような暗澹たる空気……当時中学生だった私もよく覚えている)
栞子(残された私は母親に、まるで姉の仇を取るかのように、東大合格を頼み込まれたけれど……)
栞子(結局私も……三船姉妹は、二人揃って失敗。)
栞子(高校生活の青春をほぼ全て勉強に捧げたはずなのに……)
栞子(こんな挫折は初めてです……)ヘナヘナ
「……親戚の〇〇ちゃん、東大受かったんだって」ヒソヒソ
「うちの子はなんで2人とも東大行けなかったの……?」ヒソヒソ
「何でって……そりゃバカだったからだろう……」
薫子「……」
栞子「……」
- 249 :名無しで叶える物語:2022/03/15(火) 20:43:08.06 ID:nnXxASwC.net
- 〜〜
璃奈「そんなに行きたかったの。 両親の期待にこたえるため?」
栞子「いや、まあ両親がどうこうは正直どうでもいいんです、実際気にしてませんし、もう何も言ってこないです」
栞子「……どうしてでしょうか、今でも私が拘っている理由は自分でもよくわかりません。 ただ……」
璃奈「ただ?」
栞子「……高校のとき、私生徒会やってたんですけどそのとき生徒会長をやっていた先輩で……とても憧れてる人がいたんです」
栞子「不自由で、課題だらけの毎日だったけれど、その人を眺めたり……たまにお話しする時間はとても大好きで、ささやかな幸せのひとときでした」
栞子「その人の卒業後は連絡が一切取れなくなって……いまどうしてるのかはわからず……」
栞子「とても優秀で成績も良かった人でしたので……きっと東大に行ってるんじゃないかって……東大に行けばまた会えるんじゃないかって」
栞子「……笑っちゃいますよね、私の中でのきっかけは、多分そんな程度でした」
栞子「灰色の高校生活の中で、多分……それだけをモチベーションに毎日必死に勉強したんですけど……まあ、その結局」
栞子「……後期でここに引っかかって入学したんですけど、悔しさが積もって、やはり諦められなくて」
かすみ(ここの後期受かるとかバケモンだな……)
- 250 :名無しで叶える物語:2022/03/15(火) 20:44:31.06 ID:nnXxASwC.net
- 栞子「正直……もう無理だとわかってはいるんです、学力でもそうですけど……気力もなくて、ただ意地だけでこんな真似をしているだけで……」
栞子「……恥ずかしい話ですけど実は留年もしているんです」
かすみ「お、おう」
しずく「まあ……」
璃奈「……留年は、珍しいことではない。」
栞子「でも、留年といっても一留じゃなくて二留なんです……。 3年生なのにまだ10単位くらいしか取れてないですし……1年前期の実験科目、今年も落単確定してるので……」
璃奈「私も。」
栞子「え」
璃奈「私も3回落とされた。だから、私も留年確定してる。 なんなら……2留するかもしれない。」
栞子「そう、だったんですか」
かすみ(りな子2留かよ……)
しずく(璃奈さん私よりやばいんだ……)
- 251 :名無しで叶える物語:2022/03/15(火) 20:45:19.59 ID:nnXxASwC.net
- 璃奈「……さっきの話で」
栞子「?」
璃奈「憧れの人が行った大学に行きたいって話。 おかしくなんかないよ。 私もそうだった。」
璃奈「高校生の頃大好きで片想いしてた人が虹大に行ったから、私も虹大行こうって決めた。 結局フラれちゃったんだけど。 一緒だね。」
しずく(えっ!? 二人ってそういう!?)
かすみ(ああ……なんか全てが繋がった気が……)
栞子「わ、わたしは別にフラれたとかそういうわけでは……」ワタワタ
- 252 :名無しで叶える物語:2022/03/15(火) 20:46:39.00 ID:nnXxASwC.net
- 璃奈「実はね。 後ろの二人も留年だよ。」
栞子「えっ」
しずかす「ど、ど〜も〜……留年してま〜す」
しずかす(勝手にバラすな! ……いやまあ別にいいけど)
栞子「そうだったんですか……その……みなさんはどういった関係の集まりなんですか……?」
璃奈「サークルの同期。 私たちのサークルは、そんな人達ばかりが集まってるから。」
栞子「そ、そんな怖ろしいサークルが……? そんなに熱心に何らかの活動とかを……」
璃奈「ううん。 サークルだけど、私達は何かに打ち込んだり何かを研究したり、そういうことはしない。」
璃奈「うまくやっていけないあぶれ者が何故かうちに集まって……だらだら過ごしながらただ傷を舐め合う。 うちはそんな人たちの最後の拠り所。」
栞子「あぶれ者……拠り所……」
璃奈「上から下まで精神異常の社会不適合者。アスペガイジADHDに酒カスヤニカスサイコパス。メンヘラレズビッチショタコンの性犯罪者もいればチンピラDQNにマフィアと暴力団までいる。」
かすみ・しずく(失礼過ぎる……)
栞子(楽しそう……ですね)
- 253 :名無しで叶える物語:2022/03/15(火) 20:47:32.17 ID:nnXxASwC.net
- 「ちょっと……他の利用者様のご迷惑になるから……喋るなら館の外でお話しなさい」ポコン
しずく「痛っ……あっ……すみません、もう出ます」
かすみ「ほら、はやく出ないと……」(怒られちゃった……職員って学生には高圧的だよなあ、あの人なんか私より背ちっちゃいのに……)
栞子「す、すみません」
璃奈「すぐ出ます。」
〜〜
栞子「こんなに人と話したのは初めてです……私、この大学に知り合いとか一切居なかったので……」
栞子「その……」
栞子「その……もう少しお話を聞きたい……なんて、迷惑ですよね……すみません」
璃奈「……その言葉を聞きたかった。」
栞子「!」
- 254 :名無しで叶える物語:2022/03/15(火) 20:48:57.51 ID:nnXxASwC.net
- 璃奈「だけど……私たちは怠惰と堕落を極めた反社会性ゆえ、先ほどのように大学当局から睨まれている。 簡単に連れて行くわけにはいかない。」
栞子「ど、どうすれば」
璃奈「こちらで案内人を用意する。」
璃奈「文学部棟中庭の喫煙所にいる女に「火を貸して」と話しかけて。」
璃奈「そのあと「アプリコットを」って頼むといい。そうすれば、案内してくれる。」
璃奈「その先は……貴女次第。」
しずく「うちってそんな秘密結社みたいな集団なの?」ヒソヒソ
かすみ「……どーだろ?」
栞子「わかりました……文学部棟中庭の喫煙所ですね」
璃奈「そう。赤い髪のメンヘラみたいな格好の女。」
かすみ「メンヘラて」
璃奈「訂正。メンヘラビッチ精神病の女。 では、健闘を祈る。」グッ
しずく「怒られるよ……まあ間違ってないけど」
栞子「は、はあ」
- 255 :名無しで叶える物語:2022/03/15(火) 20:50:27.38 ID:nnXxASwC.net
- 〜文学部棟〜
栞子(文学部棟こんなところにあったんだ……私は自分の大学のことすらなにも知らなかったんですね)
栞子「赤い髪……メンヘラ、精神病……おそらくあの人でしょうか」ドキドキ
歩夢「……」
栞子「……」
栞子「あの……火を貸してもらえませんか?」
歩夢「……」スッ
栞子(たばこを吸うのは初めてです……)カチッ
栞子(悪いことをしているみたいでちょっとテンション上がります……とっくに20だけど)
栞子(あれ? 点かない……)カチッカチッ
歩夢「……吸いながら点けるんだよ」
栞子「そ、そうなんですか……ゲフッガホッ!」
歩夢「……」
栞子「失礼……あの、それで……"アプリコット貰えますか?"」
歩夢「……ついて来て」
栞子「!」ドキドキ
たまたま居合わせた人(なんだ? こいつら……)
- 256 :名無しで叶える物語:2022/03/15(火) 20:51:28.16 ID:nnXxASwC.net
- 〜〜
ミア(お菓子と酒を使いっ走りさせられて、部室に戻ってきたところ……)
彼方「……」スゥー
ミア(お……おい! 鼻からストローで……粉を!?)
ミア「ちょっ……彼方さん、なにやってるんですか」
彼方「あ"あ"〜っ……効く"ゥ〜〜っ」ブルブル
ミア(彼方さん……とうとう薬物に手を出してしまったのか😭)
ミア(彼方さんは大変世話になった先輩だが……だからこそボク自らの手で引導を渡してやる……さて110番と……)
彼方「これ? 嗅ぎタバコだよ」
彼方「普通は親指の付け根にある解剖学的嗅ぎタバコ入れを使うんだけどね……スニッファーで鼻から直接吸うこともあるのさ」
ミア「なんでまたそんな紛らわしいものを……」(解剖学……なに?)
彼方「え、なんか雰囲気出るかなって思って」
彼方「おっと、来客のようだねーー。」
- 257 :名無しで叶える物語:2022/03/15(火) 20:52:46.55 ID:nnXxASwC.net
- 歩夢「……さ、入って」
栞子「お、お邪魔します……」
彼方「……やあ、ようこそスクールアイドル同好会へ(´・ω・`)」
栞子「……」ドキドキ
彼方「このテキーラはサービスだから飲んで落ち着いてほしい(´=ω=`)」
栞子「は、はあ、いただきます……ぷへぇっ!?」
栞子「けほっ!けほっ! ……すみません、お見苦しいところを」(ジュースじゃなかった……)
彼方「ぬははは、そう緊張しないでいいよ〜」
- 258 :名無しで叶える物語:2022/03/15(火) 20:53:12.29 ID:shSGLav8.net
- おもしろすぎる
このSS最近の生き甲斐のひとつだわすき
- 259 :名無しで叶える物語:2022/03/15(火) 20:54:36.48 ID:nnXxASwC.net
- 栞子(私の経緯を説明した。 留年したことも……。だからなのか、皆さんは頷きながら優しく聞いてくれた。)
侑「後期!? へ〜すごい、頭良いんだね!」
栞子「なんとか滑り込めました……」
歩夢「そっか〜、東大か〜」
歩夢「懐かしいなあ、私も最初は東大目指してたな」
侑「……」
栞子「そうだったんですか?」
歩夢「や、でも私も文三の判定はBかCずっとうろうろしてて受かるか怪しかったけどね」
侑「……B判定なんて一回だけじゃなかった? ふつーにE判定も取ってたし」
歩夢「……」
彼方「彼方ちゃん模試とかいうの受けたことないw」
- 260 :名無しで叶える物語:2022/03/15(火) 20:56:24.79 ID:nnXxASwC.net
- 歩夢「侑ちゃんがね、どうしても私と同じとこ行きたい〜って言うから私も虹大に出願したの」
侑「……」
侑「歩夢のそういうとこ、ほんとめんどくさいなって思う。歩夢の動機に私がどうこうとか関係ないじゃん」
かすみ「まあまあまあ」
歩夢「だって本当のことだし。 そうやって決めたでしょ」
彼方「そかそか〜」
侑「捏造しないで、言ってないよそんなこと」
歩夢「……いや言ったよ」
侑「歴史修正主義」
歩夢「は?」
彼方「もう2人黙ってなよ〜」
しずく「ほんとですよ、だいたいいつまで受験の話してるんですか。 結局2人仲良く留年してるのに」
栞子(え、急に何この空気……コミュニケーションはやはり苦手です……)
侑「……」
歩夢「言ったもん……」ブツブツ
ミア(うははは、早くもうちの同好会の洗礼を受けてるな、怯えるルーキーを見るのはこんなに愉快なのか)
- 261 :名無しで叶える物語:2022/03/15(火) 20:57:56.72 ID:nnXxASwC.net
- 彼方「それでさ……どうかな?」
栞子「そ、そうですね……」
栞子「……同じ境遇の方々がいらっしゃるというのはすごく、心強いです」
栞子「でも、3年生にもなった私が今更サークルに入って……お邪魔になってしまうのではないでしょうか……普通は1年生のうちに入るものなのでしょう?」
彼方「そんなことないよ!」
彼方「留年が決まるのってほら、成績が出たり、学年が上がるはずのタイミングでしょ? だからみんな入部時期はバラバラなんだよ〜」
栞子「なるほど……」
彼方「そもそもうちは新歓やってないし……むしろ1年生の最初のうちからミアちゃんみたいにうちに入部する人は珍しいかな〜」
ミア(確かに……)
彼方「ま、ゆっくり考えてみてね」
彼方「私たちには時間が無限にあるからね〜……それもこれも留年生の特権よ!」
「「わははは!!」」
栞子「わかりました……ふふふっ」
栞子(考えるふりをした……でも、答えはもうとっくに決まっていた)
- 262 :名無しで叶える物語:2022/03/15(火) 20:59:34.35 ID:nnXxASwC.net
- 栞子(私の失った青春……落ちてからの彩りのない2年間……それももう終わり)
栞子(私のずっと先を行ったみんなのように、バイトして遊びに行ってサークルに明け暮れて……恋人とか作っちゃったりして……!)
栞子(今からでも遅くないのかな)
栞子「……」
栞子(その日、家に帰って私は参考書と赤本をまるごとBOOKOFFに売り飛ばした……全部で150円だった……私の数年間が、150円……)ヘナヘナ
栞子(でも、缶チューハイを1本買えた。 たばこの値段もお酒の値段も……今日まで知らなかった世の中の常識)
栞子「……」グビ
栞子(帰り道に氷結をあおってタバコを咥えてケッタを飛ばして……ポリ公に鉢合わせしてマジでビビっちゃいました……でも何も言われなかった)
栞子(……ようやく私の大学生活が始まった気がします! それも皆さんのおかげです……)
- 263 :名無しで叶える物語:2022/03/15(火) 21:00:28.39 ID:4m3EgJo0.net
- この栞子ちゃん愛おしい
- 264 :名無しで叶える物語:2022/03/15(火) 21:01:47.22 ID:nnXxASwC.net
- ーーなんで私が虹大に!?
「広大なキャンパス」と「55にも及ぶ幅広い学部学科」。圧倒的に「自由」な校風。
境遇、志を共にした仲間。遅れて入ったサークルの雰囲気も私にぴったりでした。
ありがとう、虹ヶ咲学園。
- 265 ::2022/03/15(火) 21:14:20.39 .net
- 虹大頭いいんだな〜
- 266 :名無しで叶える物語:2022/03/15(火) 22:43:17.64 ID:iKJPnaYJ.net
- 栞子「はえ〜」で不覚にも笑ってしまった
更新楽しみにしてるよ
- 267 :名無しで叶える物語:2022/03/15(火) 22:47:10.15 ID:w0HcGOkC.net
- あとは中川か
- 268 :名無しで叶える物語:2022/03/16(水) 00:59:26.69 ID:aQ28Bq/e.net
- 参考書はメルカリで売るに限る
- 269 :名無しで叶える物語:2022/03/16(水) 03:02:39.05 ID:EGWaFKTX.net
- りなりーがフラれた相手って愛さん?
- 270 :名無しで叶える物語:2022/03/16(水) 04:18:49.17 ID:/YCDK+wE.net
- マジですき
これ読んで寝るのが日課になってる
- 271 :名無しで叶える物語:2022/03/16(水) 05:24:40.26 ID:qOtLxTcU.net
- 代ゼミのCM懐かしいな
- 272 :名無しで叶える物語:2022/03/16(水) 19:26:06.12 ID:5mW0H/PT.net
- 10話『Doctor StrangeYohane』
- 273 :名無しで叶える物語:2022/03/16(水) 19:28:56.42 ID:5mW0H/PT.net
- 〜部室〜
善子「……」ゴソゴソ
ミア「……お、おはようございます」
善子「? おはよう……」
ミア(部室に行ったら白衣をまとった見知らぬ女がいた。そしてPCの配線周りをいじくっていた……)
ミア(誰だこいつ?みたいな顔しやがって! それはこっちのセリフだ不審者め! 怪しい人には大きな声で挨拶だ!)
ミア「……」
善子「……」ゴソゴソ
ミア(ラズベリーパイのケーブルを引っこ抜いては突っ込んで……何やってんだ?)
善子「ぬう〜……」
ミア(てかめちゃめちゃ美人な人だな!)
- 274 :名無しで叶える物語:2022/03/16(水) 19:31:29.47 ID:5mW0H/PT.net
- 善子「……ん〜、動いてはいるのか……?」ゴソゴソ
善子「いやわっかんないな……」
善子「ねえキミ」
ミア「は、はい……?」
善子「宮下か……いや璃奈の方がいいかな。 天王寺って今日来る?」
ミア「多分来ると思いますけど……」
善子「そう」
ミア(ボクの知らない上級生か……少なくとも4年生以上か?)
ミア(白衣ってことは化学とか生物系の学生っぽいな……)
- 275 :名無しで叶える物語:2022/03/16(水) 19:32:58.74 ID:5mW0H/PT.net
- 善子「わからん!」
善子「ふ〜〜〜っ……」ドカッ
ミア「……」
ミア(ふかふかのソファのど真ん中に両腕を広げて我が物顔で座る上級生。ボクがそこに寝転がりたかったのに〜!)
ミア(てか気まずいな……さっさと帰るかなんか話題振るかしてくれよ……)
ミア「……」チラッ
善子「……」
ミア「……」チラッ
善子「ふぁ……」
ミア(すっぴんだし、欠伸しててもバカみたいに顔面が良い……何?こいつ)
- 276 :名無しで叶える物語:2022/03/16(水) 19:35:11.92 ID:5mW0H/PT.net
- 〜〜
善子「そもそもこのPCもネットに繋がってないのよね」
璃奈「ん〜……」
ミア(そんなこんなで璃奈がやってきて、この人の代わりに配線をごちゃごちゃいじくり始めた)
善子「どう?」
璃奈「通電はしてるけどping通らないから認識されてない。でもmicroSDもLANケーブルも生きてるから……おそらくラズパイの内部が物理的に壊れてる。静電気か、誰かの電源の抜き差しによる負荷か……。」チラッ
善子「や……ごめん……ほんと申し訳ない」
璃奈「まあでも善子さんの話が本当ならだいぶ前から壊れているようですし、単にこの子の寿命かも。」
善子「今度生協で新しい子買ってくるわ……あでも設定とか面倒なんだっけ? ルビィ呼んできた方がいいのかな……」
璃奈「私もちゃんと見てないからルビィさんがどんな設定したのかはわからないです。けど結局学内のWi2拾ってこのPCに回してるだけだから……新しくしてもすぐネットには繋げられるはず。」
善子「あ〜ね……それって前みたいに外からアクセスできたりする?」
璃奈「えっvpn鯖なんか立ててたんですか? 」
善子「いやわかんないけど……」
璃奈「うちのPCにそんな外からアクセスするようなのあったかな。」
ミア(ルビィって人もいるのか……)
- 277 :名無しで叶える物語:2022/03/16(水) 19:37:37.70 ID:5mW0H/PT.net
- 善子「あ〜……その、ま……動画なんだけど、家で見られなくてさ」
璃奈「……」
璃奈「えっちなやつ?」
善子「も含まれる」
ミア(なんだこの人……)
璃奈「それは……」
璃奈「……由々しき事態。」
ミア(!?)
善子「でしょ?」
璃奈「でも必要なのコピーして持っていけばいいのに。 しかもいま普通にAVのサブスクありますし……ああでも販売停止するやつもあるか。」
善子「いやエロ動画だけってわけじゃないんだけど……ここで撮影したアホな動画とか……エンコしないままそのまま放り込んでるからファイルバカデカくてさ」
璃奈「そういえばやたらパンパンに詰まったHDDあった気が。 まあ必要なら鯖の立て方も教えます。」
善子「かたじけない!」
- 278 :名無しで叶える物語:2022/03/16(水) 19:40:58.78 ID:5mW0H/PT.net
- 善子「うちのPC触ってないの?」
璃奈「だいぶ前に組まれたぽんこつだから使う機会があまりない。 私も最近は全然管理してなかった。」
璃奈「ラズパイも……不調なときは私もコマンド使わず直接抜き差しして再起動させてただけだし。」
善子「おい」
善子「そっか〜……、いやありがとね」
璃奈「パーツ買ってくれてもいいんですよ。」
善子「え〜……何円くらい……?」
璃奈「マザボから替えなきゃだから、マザボCPUメモリ4枚で9万。グラボ5万であとUPSも欲しい。OSとOfficeは大学で貰えるかな。 総額15万。」
善子「……金ない!」
璃奈「ですよね。」
- 279 :名無しで叶える物語:2022/03/16(水) 19:42:07.82 ID:5mW0H/PT.net
- 璃奈「ルビィさん最近元気?」
善子「や、私も知らない」
善子「てかあいつTAやってるんでしょ、授業で璃奈の方が会ってるんじゃないの?」
璃奈「その……私、情報コース行けなかったから……。」
善子「あ、そうなの」
璃奈「成績悪くて……。」
善子「進振り熾烈な学部は大変ね〜」
- 280 :名無しで叶える物語:2022/03/16(水) 19:43:23.85 ID:5mW0H/PT.net
- 彼方・果林「うぃ〜〜〜す」ガチャ
彼方「え! 善子さん! ちょ〜久しぶりじゃないっすかぁ〜!」
善子「おす」
果林「生きてたんですね……修論はどうなったんですか?」
善子「教授がほとんど書いてくれてなんとかなったわ! そして発表会でボコボコにされた!w」
ミア(院生……しかも博士課程なのか!)
善子「あんたたちは……いっつも忘れちゃう、いま何年なんだっけ?」
- 281 :名無しで叶える物語:2022/03/16(水) 19:45:11.60 ID:5mW0H/PT.net
- 善子「えーっ、あんたたちまだ卒業してないの? バカでしょ」
彼方・果林「ヒヒヒヒヒ!w」
善子「……てっきり院進でもしたのかと思ったわ」
彼方「まだまだ学部生っすねw」
果林「まだ、というかこれからもですけどw」
ミア(どストレートなdisにゲラゲラ笑っている……仲良しなのかな?)
「今年も卒業できませ〜んw」
善子「ええ……」
「私たち松浦・小原スピリッツを受け継いでるんでw」
善子「んなもん継がんでええわ」
- 282 :名無しで叶える物語:2022/03/16(水) 19:46:45.77 ID:5mW0H/PT.net
- 善子「や〜ほんと、私も留年はしたけどさ〜……とにかく卒業はしといた方がいいよ」
ミア(お前もかい……)
「や〜キツいっす」
ミア(松浦さんと小原さんというのは、ボク達の話題にもたびたび挙がる、果林さんや彼方さんよりずっと上の代のOGのことで……)
ミア(いわく、とんでもない武闘派で、歴代でもぶっちぎりの問題児だったらしく、この部を今の部たらしめた決定的な存在だったらしい)
ミア(気に入らない教官カチコミかけてシバいただとか……ムカついたサークルを焼討ちにしただとか……4留したあげく、2年次にもなれずに中退しただとか……彼方さんや果林さんなど比較にならないくらい治安が悪かったのだという)
ミア(尾鰭がついて周り、この無法者たちについての詳細は璃奈たちすらよくわかっていないのだが…)
- 283 :名無しで叶える物語:2022/03/16(水) 19:47:58.86 ID:5mW0H/PT.net
- 善子「誰か院行く人いないの?? 文系って院進するのかわからんけど」
彼方「文系の院はな〜」
善子「……理系いないんだっけ?」
果林「ミアちゃん理系ですよ、そこの」
善子「そうなの?」
ミア「は、はい……工学部1年のミア・テイラーです……」
善子「ツシマ・D・ヨハネ。"D (Ph.D)の意志を継ぐ者"よ。 よろしくね」ギラン
ミア「は、はあ……よろしくお願いします」
ミア(善子じゃなくてJohannesって……岡部とか蘭子みたいなやつだな)
ミア「なんの研究されてるんですか?」
善子「言ってもわからんと思う。 触媒とかそういう系。……機械か〜、就職楽なんでしょ? 私も行けば良かったな〜」
- 284 :名無しで叶える物語:2022/03/16(水) 19:50:13.35 ID:5mW0H/PT.net
- 「「うはははは!」」
善子「あ〜楽しかった……それじゃまた、さらば!」ガチャ
ミア(彼方さんたちとちょっと話して、善子さんは研究室へ戻っていった。 自分の実験の他に、論文を読んだり後輩の実験をレクチャーしたりしなきゃいけないという。 研究は大変そうだ……)
〜別の日〜
ミア「あっ」ガチャ
善子「おいす〜」ゴロン
ミア「ども」(またいる……)
善子「えーと……一年生の子だっけ?」
ミア「そうですよ」
善子「いいわねえ、今一番楽しい時期でしょ」
ミア「どうなんですかね……? 」
善子「羨ましいわあ……私もまた一年生やりたいなあ……」
ミア「へへへ、また入り直してみたらどうですか?」
善子「いや〜今受けてもぜったい入試解けないわ……」
- 285 :名無しで叶える物語:2022/03/16(水) 19:51:29.32 ID:5mW0H/PT.net
- 善子「というよりはさ……まあ、なんていうか。 私が学部生だったときの、みんないたあの頃に戻りたいなーって。 だから仮にまた入り直してB1やってもね……」
ミア「なるほど……当時も面白い人たちたくさんいたんですね」
善子「そりゃ〜もう! 今のコたちと同じくらい元気なのがたくさんいてさ……」
善子「……」
善子「ああっ!あっ、うぐっ!ぐぎぎっ!!」ジタバタ
ミア「!?」
ミア(邪気眼が発動したのか急に悶えだした、突然の発作と発狂はこのサークルの血筋か……)
ミア「ど、どうしたんですか……」
善子「ぐああ! 想い出に溺れる! 溺れています! ぶくぶく……ごぽごぽ……」
善子「ぶくぶくぶく……」
善子「ばたり……」
ミア(なんだこの人……)
- 286 :名無しで叶える物語:2022/03/16(水) 19:53:36.57 ID:5mW0H/PT.net
- 善子「なんかさ、昔のことを思い出したときにさ、こう……つらくなるときってあるじゃない?」
ミア「わかりますよ、嫌なこととかムカつくこととか思い出して今でも腹が立つこと」
善子「う〜ん、それがね……楽しい思い出でもこう、すっごい胸が苦しくなるのよね」
ミア「……」
善子「古い写真とか昔の通学路の景色とか見たら……目の奥とか鼻の奥がじ〜ん……ってなったりしない? 今となってはなんだったかも思い出せないような懐かしい香りとか匂いに包まれた気になってさ……そういうの感じるのよ……昔の写真や動画を見たり、この部室来るとね……」
ミア「切なくて辛い、みたいな……?」
善子「そ〜ね、でもなんか来ちゃうのよね……来るたびに記憶の中のみんなの笑顔とか笑い声とか、日常のぼわ〜っとした景色なんかを思い出して……ああ、とうに過ぎ去ってしまった過去なのに! ってなるのにさ。」
善子「そんで、勝手に胸が詰まって、息が詰まって……呼吸ができなくなるくらい苦しくなるの。 なんでなんだろうね」
善子「やっぱりいまの毎日がそんなに上手くいってないからなのかな……いや当時も全然上手くなんていってなかったけどさ……まあとにかく、私はこのことを"想い出に溺れる"って呼んでるわけ」
ミア「……」
- 287 :名無しで叶える物語:2022/03/16(水) 19:54:36.33 ID:5mW0H/PT.net
- 善子「飲み会とかさ、合宿とか……あとなんか部室にたむろしてるだけとかさ……あなたにもこの先いっぱいあるんでしょ? いいなあ……」
ミア「一緒に行きましょうよ、人多い方が楽しいですし」
善子「そういうんじゃないのよね……まあでも呼んでくれるならいつでも行くわ!」スクッ
ミア(研究はいいのかな……)
善子「ごめんね、こんな話して……老害の戯れ言と聞き流して頂戴」
ミア「はあ……」
善子「ふふふ……あまり楽しい思い出作らないほうがいいよ……私みたいに昔の思い出に取り憑かれた亡霊になっちゃうから……ぶくぶく……ごぽごぽ……。 あっ……心臓止まった……ばたり」
ミア「ええ……」
- 288 :名無しで叶える物語:2022/03/16(水) 19:56:02.40 ID:5mW0H/PT.net
- 善子「うー! えーん! ……さみしいよお……」
善子「果南さんとか鞠莉さんとかいま何やってんのかな〜〜〜会いたいな〜〜会いたいよ〜〜〜……」ジタバタ
善子「梨子さんとかさ……ようちかさんとかさ……ずら丸とか……いまどこに居るのかな〜〜……うえ〜ん……」
ミア(見てるこっちが切なくなってくるな……)
〜〜
ミア「お疲れさまでした〜……」ガチャ
エマ「ミアちゃん、もう帰り?」
ミア「あ、エマさん! そうなんです、レポートと課題やらなきゃいけなくて……」
エマ「そっかあ、入れ替わりだね」
ミア「そうですね……あとなんかいま部室に善子さんいますよ」
エマ「善子ちゃんが? そうなんだ」カチャ
善子「あーっ! エマさん! 久しぶりです!」
エマ「善子ちゃん! 久しぶり〜!」
ミア「……」
- 289 :名無しで叶える物語:2022/03/16(水) 19:56:44.51 ID:5mW0H/PT.net
- ミア(想い出かあ……ボクにもこの日を懐かしむ日が来るんだろうか)
ミア「それにしても博士課程……恐ろしいところだ……」ブツブツ
ミア「……ん?」
ミア「善子……ちゃん?……エマ……さん?」
- 290 :名無しで叶える物語:2022/03/16(水) 23:36:48.04 ID:EGWaFKTX.net
- エマさん留年して院生やってる堕天使より上なのか・・・・何留だ?
- 291 :名無しで叶える物語:2022/03/17(木) 07:35:18.37 ID:9M8Tz8U9.net
- 支援
- 292 :名無しで叶える物語:2022/03/17(木) 19:31:56.37 ID:sWFQ1awH.net
- こうしん速度がよい
- 293 :名無しで叶える物語:2022/03/17(木) 21:17:37.04 ID:RQ0aB4lg.net
- 面白いわ
ネタ多いし
- 294 :名無しで叶える物語:2022/03/17(木) 21:24:17.12 ID:/WvJ1Ugk.net
- 今日の更新は無しか
寂しいな
- 295 :名無しで叶える物語:2022/03/17(木) 21:39:38.19 ID:P8ZpC9a5.net
- 10.5話『SANY○ならびにマ○ハンの管理』
- 296 :名無しで叶える物語:2022/03/17(木) 21:41:12.73 ID:P8ZpC9a5.net
- 「かーみかざり! 強く結び直して!」
キュインキュイン
彼方「あああああ!!!」
栞子「うわああああ!!!」ガシャガシャ
彼方「設定ばぐってらあ! やべーだろこの台!!!」
彼方「右打ち! 右打ちしろ!」
栞子「右打ち! は、はい!!」ジャラジャラ
「髪飾りチャーーンス!」キュイイン
彼方「あああ! この後の抽選が……ってあああああ!!」
栞子「あああああああ」ジャラジャラ
栞子(マルハンに開店凸し彼方さん指導の元で新台の決意を打ち始めたところ……即確変突入! からの無限にRUSH継続! 箱をドカドカ積んで……周りの視線が痛いくらいです! ハマり?天井? 何それ美味しいの状態です!!)
栞子(激アツです!!脳汁やばいです!!)ドクドク
- 297 :名無しで叶える物語:2022/03/17(木) 21:42:52.81 ID:P8ZpC9a5.net
- 「カナリアターイム!!」
「強い!思い!今に響け!」キュイキュイキュイイイン
栞子「ああああああああ」ジャラジャラ
彼方「ぬわああああああああ」
栞子(スロでも一瞬でカナリアチャンス突入確定! 勝手に絵柄が揃う揃う!)ポッポッポッ
栞子(BIGばかりでもはやREGのREGってなんですか!)
栞子「今日はツイてます! まだ行きますか!? 多分行けます! だって来てる!! あぎゃああああ!!」ジャラジャラジャラ
彼方「あああああああ!! ぬわあああああ……!! 駄目だ引けえ! ここらで撤退だぁ!!」
栞子「でも!!」
彼方「抑えろぉ!! BBに対してRBが少な過ぎる……! この台はたまたま当たってるだけだ! 」
栞子「なら最後に一発台やりたいです!! かの悪名高いひっさつ八重歯も今なら!!」
彼方「駄目だ! 八重歯はガチの沼だ!! 引け!!」
- 298 :名無しで叶える物語:2022/03/17(木) 21:43:46.54 ID:P8ZpC9a5.net
- 栞子「か、カップ麺二年分……!!」ホクホク
彼方「ばか! 金だよ! GOLDに換えるんだよお!!」ボカッ
栞子「なんと!!」
栞子(軍資金1万からパチンコとノリで打ったスロを合わせて+10万!)
栞子(一緒に抽選券に並んでくれた同好会の皆さんへのギャラを差し引いて……残りを彼方さんと7-3で分配!)
栞子「さて、皆さんにはおいくらずつ渡しましょうか……」スパー
彼方「にしし……」スパー
- 299 :名無しで叶える物語:2022/03/17(木) 21:44:49.84 ID:P8ZpC9a5.net
- 栞子「ええ! でも皆さんのお駄賃が……!!」
彼方「約束は飯代だろぉ!? そんなもんカップ麺でいい!」
栞子「それは流石に申し訳ないですよ! あんなに朝早くから起きて並んでくれたのに!」
彼方「かあーっ! じゃあ〜! 奮発して天一だぁ!」
栞子「天下一閃!?」
彼方「ちがう! 一発台は忘れろ!」
- 300 :名無しで叶える物語:2022/03/17(木) 21:46:45.50 ID:P8ZpC9a5.net
- 〜部室〜
ミア(早起きして並ばされて報酬はカップ麺ひとつか……)ズルズル
エマ「ずず……」ズルズル
しずく「なんで天下一品?」ズルズル
かすみ「しょっぱいギャラですね……」ズルズル
侑「勝てた?」ズルズル
彼方「いやあ〜残念ながらさあ……」
歩夢「残念でしたね……」ズルズル
璃奈「せっかく一桁の整理番号当てたのに。」ズルズル
彼方「ドハマりしちゃってさあ〜入っても単発で終わるし」
栞子「パチンコはもうこりごりです……」ズルズル
果林「ま……そういうこともあるからね」ズルズル
彼方「なはははは、彼方ちゃんが付いていながら面目ねえ〜」ズルズル
栞子(うう……心が痛いです……)ズルズル
- 301 :名無しで叶える物語:2022/03/17(木) 22:02:52.41 ID:P8ZpC9a5.net
- 〜〜
栞子「初心者とはいえかすみさん達と打った徹麻で一万近く負けてしまいました……」
栞子「焼き鳥、祝儀が痛い……門前にこだわり過ぎて赤ドラタンヤオを見くびっていたのが敗因です……」
栞子「パチにスロットに麻雀に競馬! 覚えることが沢山です!」
栞子「……3連単は順列……3連複は組み合わせ……ダービーまでにしっかり頭に叩き込まないと……」
栞子「麻雀で負け越した上にあれから八重歯に3万飲み込まれてしまったので、予算がなくボックスじゃなくてフォーメーション買いです……トホホ……」
栞子「しかし、女子大生の遊び……とても奥が深いです!」
- 302 :名無しで叶える物語:2022/03/17(木) 22:05:21.64 ID:P8ZpC9a5.net
- 栞子(台のスペックはしっかりチェックしないと……この前は遊タイムのシステムに気付かずハイエナされてしまいました……)ガシャガシャ
栞子(保留も知らずに打ち続け、玉を浪費してしまったこともあります……)ガシャガシャ
栞子(この時間帯ではいい設定の台はおそらく全部取られているそうです……でもまずはリールの回転速度を身に染み込ませないと……)ポッポッポッ
栞子(左リールにBARを狙って……チェリーを入賞させる!)ポッポッポッ
栞子(中段チェリー……初めて見ました)パシャ
栞子(結果はわずかにプラスでした……でも一人で打って、初めての黒字!)
栞子(この栞子奮闘記録を誰かと共有したいです……でも言ったらこの前ピンハネしたことまでバレちゃう……)
栞子「そうだ! あそこなら……」
- 303 :名無しで叶える物語:2022/03/17(木) 22:05:52.20 ID:P8ZpC9a5.net
- 〜〜
「また栞子ちゃんの投稿だ……最近よく更新されてるな……」
「なんだそれ? お前のTL変なのいねえ?」
「高校の友達なんだけどさ……すごい真面目な子だったんだけど……」
「インスタにパチとスロと麻雀競馬ばっかって……どんな女だよ……そいつやべーだろ……」
- 304 :名無しで叶える物語:2022/03/17(木) 22:45:01.96 ID:znYn/Tqt.net
- 草
- 305 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 00:18:06.20 ID:7J6vrRf1.net
- これがCR栞子
- 306 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 00:29:58.81 ID:hVIe4zUw.net
- やっぱり東大受からなかったのは馬鹿だったからなんじゃ・・
- 307 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 00:45:56.02 ID:EF91ZxBg.net
- 染まるの早くて草
パチンカスの適性あるじゃん
- 308 ::2022/03/18(金) 01:48:22.54 .net
- こんな格好で大学に来るようになるのも遠くないな
https://i.imgur.com/aG5Q2dA.jpg
- 309 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 11:17:21.14 ID:oxmkyK07.net
- これはCR三船栞子
- 310 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 20:46:00.23 ID:yNOxt4e4.net
- 11話『午前7時の脱走計画』
- 311 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 20:49:15.99 ID:yNOxt4e4.net
- 果林「先生、これお願いします……」
「何? ……あんた学部の授業は受けないわけ?」
果林「ほ、ほら、時代はリベラルアーツとも言いますし……学部間の横断履修は我が大学でも認められている制度なわけで……」
「はあ……うちの大学はそこがおかしいのよね、訳の分からないバカな総合科目を必修にしたりして。そんなことよりまず専門科目でやることあるでしょう、と。だから最近の学生はろくな専門知識も持たずに……あんたもそう思うでしょ?」ブツブツ
果林「どうなんですかね……」(私に言われても困るんだけど……)
「あんたのことよ……で、見せなさい」
果林「あ、はい」ピラ
「……」
「……ふうん、こんなの取るの?」
果林「駄目ですかね……へへへ」
「……まあいいわ、しっかりやりなさい」
果林「え? ありがとうございます……?」(やけにあっさり通されたわね……てっきりネチネチ反対されるかと)
- 312 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 20:50:51.37 ID:yNOxt4e4.net
- 〜〜
「ちょっと喫煙所寄っていい?w」「何〜タバコ吸い始めたのw」「最近ちょっとねw」
ミア(やめとけやめとけ! タバコは身体に悪いんだ……なぜ大学生はタバコを吸ってしまうのか?)
「そんでさ〜!」スパー「あ〜ね!」ペチャクチャ
果林「……」ギロリ
「あ、その……すみません……」ビクビク
ミア「果林さん」(ま〜たすぐガン飛ばして……)
果林「あら」スパー
ミア「息をするようにメンチ切らないでくださいよ……ボクの友達が怯えてるじゃないですか」
果林「やだ、そんなに目つき悪かったかしら……ほら、ヤニの吸い過ぎで目ヤニ溜まっちゃってね」
ミア(何言ってんだ)
ミア「……また研究室から抜け出してきたんですか?」
果林「そうなのよ……あ、しんどくなってきた」
果林「こういうときは……ガイガイ音頭、行きます!」ピキィッ
「「!?」」ビクゥッ
ミア「ほんとやめて」
- 313 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 20:52:16.14 ID:yNOxt4e4.net
- ミア「ほら! サボってないで戻ってください」グイグイ
果林「やだ! やだぁ!!」ズルズル
ミア「やれやれ……」
「ミアちゃんすごい……」「あんな怖い人を……」
ミア(別に……ボクは仲の良い先輩と話してただけだが?w)
ミア(こいつらも、最近はボクに一目置くようになってきたな!)
「じゃあウチら、講義あるから……」トボトボ
ミア「おつ〜! じゃまた!」
- 314 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 20:54:36.60 ID:yNOxt4e4.net
- 〜部室〜
かすみ「誰か今年の活動申請書って出しました?」
「知らな〜い」
かすみ「学生課からなんかメール来てて」
歩夢「来たってことは誰もやってないんでしょ」
かすみ「そりゃそうでしょうけど」
ミア「……」
かすみ「えー! また私がやるんですか??」
侑「だってかすかす部長だし……」
かすみ「わたし去年部長じゃないんですけど!」
かすみ「は〜……」
かすみ「……」チラッ
かすみ「ミアちゃ〜ん」トテトテ
かすみ「部長命令♡」
ミア「げっ」
ミア「仕方ないなあ…わかったよ」
- 315 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 20:55:40.62 ID:yNOxt4e4.net
- ミア「氏名と学籍番号と所属学部と緊急連絡先……」
かすみ「これ埋めて顧問のサイン貰うだけだから」
ミア「はいはい……」
かすみ「あ、うちのサークル正式名称スクールアイドル同好会じゃないんだよね、なんでしたっけ」
ミア「え〜っ?」
歩夢「メディア……なんとか研なんだよね、たしか」
「てかスクールアイドル同好会って誰が言い出したの?」
ミア「ややこしいな」(……? なんかどっかで聞いた気がするな……)
- 316 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 20:56:34.57 ID:yNOxt4e4.net
- ミア「このPC重すぎだろ……璃奈は何やってんだ?」
かすみ「それもう古いからね〜……予算もないし組めないってりな子嘆いてたよ」
ミア「……去年のやつとかデータ無いんですか?」
かすみ「デスクトップにない? ……あ、それそれ」
かすみ「あ、去年はスクールアイドル同好会って書いてた、だから今年もそれでいいよ」
ミア「はあ……」
ミア「ん? このデータホントに去年ので合ってます?」
かすみ「うそ? ファイル名昨年度になってるでしょ?」
ミア「いやだってほら、中身の年度一昨年だし」
かすみ「ウケる! 去年もコピペして出したんだった!」
ミア(杜撰だなあ、そしておそらくそれ以前からコピペだな……みんな入部時期がズレてるから同輩なのに学年バラバラだし、善子さんに至っては学部生のままだし……)
かすみ「まあ今年もそのまま印刷して出しちゃっていいと思うよ」
ミア「いいわけないでしょ、そういうとこだよ……はあ、書き直しますよ」(めんどくせ〜!!!)
- 317 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 20:59:25.03 ID:yNOxt4e4.net
- ミア「1年はボクだけ、2年はなし、3年はしずかす璃奈しお。合ってますね?」
かすみ「ちょ、呼び捨て……」
ミア「何?」
かすみ「いやなんでもないです……」
ミア「次は4年か……ランジュとかもう書かなくていいですか? どうせあいつ来ないだろ」
侑「いいんじゃない? 留年、してないし」
かすみ「あ〜、一応書いてあげて」
ミア「はいはい……中川ってのは?」
かすみ「ん? その人4年だよね……? 私も会ったことないから……」
歩夢「菜々さんでしょ? 中川菜々」
侑「え! 菜々ちゃんってここ入ってたんだ?」
かすみ「みたいですけど……」
歩夢「しかもだいぶ古参だよ」
侑「てか菜々ちゃんって大学辞めたって聞いたんだけど……」
歩夢「そうなの?」
侑「まあ、人づてに聞いただけだから知らんけど」
歩夢「ふ〜ん」
侑「……」
かすみ「……」
ミア「……」
ミア(いや結局どうすんだよ!)
- 318 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 21:00:34.97 ID:yNOxt4e4.net
- 〜〜
菜々(今日の講義はこれで終わり)
菜々「……」
菜々(こっちから帰ろう)
菜々(部室棟を避けるように通る。 練習音を聴くと……脳裏から消し去りたい記憶、思い出したくない記憶が呼び起こされるからだ)
- 319 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 21:01:55.21 ID:yNOxt4e4.net
- 〜〜
菜々「私たちのバンドではオリジナル曲をやりましょう! 曲は私が書いてきます!」
菜々「期待の大型新入生が入ってきた!って先輩たちをびっくりさせちゃいましょう!」
菜々「みなさん、もっと練習してください!」
菜々「そんなの甘えですよ! パワーコード弾くだけじゃないですか! こんなの誰でもできますよ!」
「中川、それくらいにしときなって」
菜々「でも!」
「そういう人もいるんだ……サークルってさ、こういうもんなんだよ……」
菜々「何しに入ったんですか? 興味があるって言って入ったのに練習もしないなら、それは興味ないってことじゃないですか!」
「もうお前には付いていけない……」
菜々「どうして……」
菜々「……」
「どうした菜々? 話聞こうか?」
菜々「個人練習やらないと上手くなりっこないのに……」
「俺は菜々のことわかってあげられるよ」
菜々「〇〇さん……私……」
- 320 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 21:02:45.62 ID:yNOxt4e4.net
- 「中川、ちょっと……」
菜々「私……あなたの彼女じゃなかったんですか?……そんな……酷いです……!」
「ふざけんな菜々! お前が○○に送ったLINE全部知ってんだよ!」
「死んでやる! ロッ研のクソ女どもは皆んな*ね!!」
「〇〇は……あいつは辞めたって。中川も災難だったね……早く忘れなよ」
「ごめん菜々……私勘違いしちゃって酷いこと言っちゃった」
菜々「……」
菜々「……いいんですよ、もう」
- 321 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 21:03:27.12 ID:yNOxt4e4.net
- 菜々「……」
菜々「……そうですか」
「私たちも止めたんだけどさ……あっちについて行くんだろうね……」
菜々「私のせい……ですよね」
「……そんなことないよ、みんな誤解だってわかってるから……それにあとは二人の問題だからさ」
菜々「……」
- 322 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 21:05:03.97 ID:yNOxt4e4.net
- 菜々(総スカンを食らって、追い出されるように辞めていったあの人)
菜々(それを追いかけサークルの人間関係を自ら切って飛び出していったあの人)
菜々(サークルに唯一残った当事者で、腫れ物扱いされる私)
菜々(でも、あの二人は……)
「あーなんかあいつら、二人でまた音楽始めた らしいよ」
「そーなんだ……ま、もうウチらには関係のないことだけど……」
菜々「……」
菜々(なんで……?)
菜々「……」
男「どしたん? 話聞こか?w」
「どしたん?w」「話聞こか?w」「ど話聞?w」ゾロゾロ
菜々「う、う……」
菜々「うるさ〜〜〜〜い!!!」ドガァン!!
「「わあああああ!!」」
- 323 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 21:06:22.82 ID:yNOxt4e4.net
- 菜々(こうしてまた、私はひとり)
菜々(……でも)
菜々(私はこういうひとが、そばにほしかったのかな?)
菜々(自分のことがますますわからなくなる)
〜〜
菜々「よ、よろしくお願いします!」
バ先の店長「さすが虹大生、物覚え早いし要領いいね〜」
菜々「お、恐れ入ります……!」
「菜々! オーダー詰まってるからキッチンヘルプ行って!」
菜々「は、はい!」バタバタ
「菜々! カクテル手伝ってくれ!」
菜々「はい!」バタバタ
「菜々ちゃん可愛いからってお客さんからも人気だよ」
「オーダーもハキハキと元気だし料理もパンチが効いてるって」
「ほら店長もさ、家ではいつも菜々ちゃんいい子だ、来てくれて助かってるって話しててね〜」
菜々「ありがとうございます……! これからも頑張ります!」
- 324 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 21:07:30.55 ID:yNOxt4e4.net
- 「お姉さ〜ん、LINEとか教えてよ〜w」
菜々「あはは……ごめんなさい、私いま携帯壊れてて……」
「菜々ちゃん彼氏とかいるの?w」
菜々「な、内緒です!」カアア
「おっぱい大きいね〜w 大学生? どこの大学なの?w」
菜々「……っ! ……もう! 酔っ払っちゃったんですか? お冷持ってきますからね……!」(いまお尻触られた……)
「菜々最近元気ないね? 少し心配だな」
菜々「そ、そうですかね……?」
「そうだ、今度うち遊びに来なよ」
菜々「……でも店長、奥さんに悪いんじゃ……」
「ああ、この日あいつはいないから」
菜々「……ごめんなさい、最近授業が忙しくて……」
「じゃあ飲みに行くだけ! ちょっとだけでいいからさ」
菜々「うう……それなら」
- 325 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 21:08:17.13 ID:yNOxt4e4.net
- 〜〜
菜々(たくさん勉強して入学した虹大の、大学生活)
菜々(学業だけじゃなく、サークルにバイトに。そこそこ充実してたんだと思う、客観的にもそう見えるだろう……でも)
菜々(私の居場所は、いつも壊れていく。それは自分のせいで……そして、周りをも巻き込んで……)
菜々(私の傲慢さで、振り回されたバンドのメンバーは音楽を嫌いになっただろうか)
菜々(私の愚鈍さで、引き起こされた恋愛沙汰に巻き込まれたロック研のみんなは……二人はどうなっただろうか)
菜々(私の浅はかさで、裏切られた奥さんは……路頭に迷うことになった店長は……あれからどうなっただろうか)
- 326 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 21:09:08.41 ID:yNOxt4e4.net
- 菜々(世の中を知らず……無知で不器用だった私は、あっという間に心も身体も蝕まれて……)
菜々(人の心を分からず……短慮で無神経だった私は、周りみんなに不幸をばらまいて……それで)
"頑張った想い出は、きらめく青春の日々!"
"得られた仲間は、一生の友!"
菜々「……」
菜々「……」
菜々「…………」
菜々(もはや自分がどうして苦しいのかもわからない)
菜々(涙は……きっと感情の潤滑剤だったんだ)
菜々(流す涙もとっくの昔に枯れ果ててしまったいま、錆び付いたこころの軋む音だけが……胸の奥に響く)
菜々(私は、家から出なくなった)
- 327 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 21:10:50.69 ID:yNOxt4e4.net
- 〜〜
菜々(入学して3年が過ぎようとしていたある日、学科主任の教授からメールが来た)
菜々(というのは、あまり正確ではない。本当は前々から定期的に来ていた。私が無視していただけで……)
菜々(面談希望というタイトルと……その日時の候補が本文に……淡々と、無機質に並べられていた)
菜々(締め切った部屋の中、本を読んで……アニメを見て……まとめサイトを眺める毎日)
菜々(どういった心の揺れ動きか、そのとき偶々、なんとかしたいという気持ちがわずかに揺れ動いたのだと思う)
菜々(私はこの日初めて返信をした)
- 328 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 21:12:29.45 ID:yNOxt4e4.net
- 〜〜
菜々「……」
「なるほどね」
「色々と事情はわかりました……話したくないこともあっただろうに、教えてくれてありがとう」
「……とりあえずは、朝起きて学校に来ることを目標にしてみなさい」
「図書館で過ごすとか……散歩したあとに生協でコーヒーを一杯飲んだり……そういうのだけでもいいからね」
「授業は……焦って一度に取りすぎなくてもいい、できる範囲で履修すれば構わないから」
菜々「はい……」
「私の担当している講義が専門と第二外国語にあるから……それらを取るのもいいでしょう、キミは普段の成績は良いようだから……多少の欠席は融通してあげられる」
菜々「ありがとうございます……」
「キミは散々悩んで……迷った末に、もう一度卒業を目指すと決めた……無理はしなくていいからね、ゆっくりと落ち着いてやっていきなさい」
菜々(学科主任は面談に来てくれて良かったと、安心したと言ってくれた)
菜々(正直驚いた。今までずっと返信を怠っていたのだ、怒られると思っていた)
- 329 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 21:13:18.31 ID:yNOxt4e4.net
- 菜々(家に帰って、久々に学修案内を読んだ)
菜々(すでに独語は取ってたから……実質第3外国語かな、ふふ)
菜々(昔取らなかった授業もいくつかあるもんね)
菜々(これとこれと……これも取れるかな)
〜確率・統計(経済学部開講)〜
ガヤガヤ
菜々(みんなグループ作って受けてる……1年生向けだから当然か)
菜々(みんなの邪魔にならないよう、なるべく目に付かないように後ろの方に座ろうかな……)
- 330 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 21:14:43.81 ID:yNOxt4e4.net
- 〜〜
ボォーパァ–
菜々「久しぶりに……」
菜々(真っ暗だけど……お酒飲んでるあの人達とか聴いてくれるかもしれない)
菜々「……」スゥー
菜々「っ!……開け放した窓に〜♪」ジャカジャカ
「おっ?」「なんだなんだ?」
菜々「繰り返す日々に♪ 何の意味があ〜の♪」ジャカジャカ
「ヒューヒュー!」「上手いぞ!」
〜〜
「お姉さん上手だね〜!」「今度いつやるの?」
菜々「恐縮です……次は……気が向いたら、ですかね」
「そっか〜」「ま、がんばって」
菜々「ありがとうございます……」
菜々「……」
菜々(明日になれば、きっと誰もが忘れる)
菜々(何かが始まったり……出会えたり……そんなことは起こらない)
菜々(でも、それでいいんだ)
菜々(それで……いいのかな)
菜々(明日も、頑張ろう)
- 331 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 21:27:21.00 ID:yNOxt4e4.net
- 〜マルクス経済学(経済学部開講)〜
「やれやれ、急に履修生が増えたわね……それも他学部の過年度生が……どこかで私の講義が楽単だという情報が出回ったのか……まあ構わないけど……」
「「がっはっは!」」
菜々(先生の講義、急に治安悪そうな人たちが増えた……)
「この講義で扱う内容は現代ではもはや下火で必修からは外され……さほど重要ではないどころか、時代遅れの誤った理論と一蹴する先生方も多い……だから、というわけではないけど私の講義でも……いたずらに難易度を上げ、君たちの単位を落とすようなことはしない」
「最低限出席し、最低限の課題を出せば単位は保証しましょう」
「「やったあああ〜↑」」
菜々(騒がしい人たちだな……)
「とはいえ、他の学生の邪魔になるようなら……容赦なく教室から追い出すから、そこのところの節度は守りなさい」
「「はぁ〜い」」
- 332 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 21:28:28.91 ID:yNOxt4e4.net
- 菜々(先生の講義を取ることにした私は、授業後に先生と軽くお話することが習慣になっていた)
菜々(夜に眠れているか、とか身体の調子はどうだ、とか……少しお勉強のことも)
菜々(今日もお話しようとしたけれど、先生は……さきほどの集団とお話していた)
菜々「……」
菜々(帰ろう……)
〜ロシア語bクラス T(第二外国語科目)〜
「また君たちか……大方いわゆる"楽単"を狙い撃ちにされてるみたいね」
「私もいよいよ成績の付け方を考え直さなきゃいけないのかしら……」
「「わはははは!」」
菜々(治安悪い人たちがこっちにも来た……嫌だなあ)
- 333 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 21:29:32.18 ID:yNOxt4e4.net
- 「……だから私の他に、君たちの学科長の捺印がいるんだよ……無駄に長く在籍してるくせにどうしてそんな事も知らないんだか」
「「がははは!」」「知ってたら留年してませんw」
菜々「……」
「私、学科の他にコース主任もいるんですけど。どうすればいいですか。」
「そんなこと自分で調べなさい、君たち自身のことなんだから」
菜々「……」
「全く……次回までに急いで用意しなさい、確か期限が決められているでしょう? 教務課に遅れたら私ではもうどうにもしてあげられないからね」
「「は〜い」」
菜々「……」
菜々(帰ろう……)
「……あ、ちょっと」
- 334 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 21:30:25.14 ID:yNOxt4e4.net
- 〜確率・統計(経済学部開講)〜
菜々(なにこれむっず……いやどこかで見た覚えある……)
菜々(あ、これ私の代の理系の入試の使い回しだ……虹大史上最凶難易度って言われた数学の……理系って大変だな……)
菜々(解ける人いるのかな……あ、でもいけそうかも)
菜々(違ってそうだな……まあいいや)ガタッ…スタスタ
〜確率・統計(経済学部開講)〜
菜々(今回は期待値の極限か……また入試の使い回しだ、しかも今年の……検索すれば答え出てくるかな)
菜々(あった……予備校の解答そのまま書いちゃお)
菜々(今日は……先生とお話しできるかな)ガタッ…スタスタ
- 335 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 21:31:45.53 ID:yNOxt4e4.net
- 〜マルクス経済学(経済学部開講)〜
「……だから各講義ごとに申請しなきゃいけないに決まってるでしょうに……何がしたいんだか」
「「ええ!?」」
「はあ……あら、キミだけは持ってきたみたいね……」
「私はちゃんとしてますので。 甘やかすから良くないんですよ。 この子たち一度痛い目見た方が良いですよね」
「私もそんな気がしてきたわ……あら、キミは法学部の矢澤先生のところのゼミなんだね」
「ご存知なんですか?」
「ええ、彼女は大学時代の同期でね……どう、厳しいでしょう?」
「そりゃもうほんと……鬼です、鬼」
菜々「……」
菜々(……帰ろう)
「……あ、ちょっと中川」
菜々「!」
「君たち、用が済んだならさっさと出て行きなさい、ほらあっち行った行った」バシバシ
「「うわああああ!」」ドタドタ
歩夢「いたた……あれ、菜々ちゃん?」
菜々「?……!」
- 336 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 21:33:05.00 ID:yNOxt4e4.net
- 〜〜
ミア「失礼します……」
「は〜い」
ミア「機械科一年のテイラーです……先日ご連絡したサークルの活動申請の件で……」
「どうぞ〜」
ミア「こちらが……申請書になります」
「は〜い、あら? 今年はちゃんと書いてあるんですね」
ミア「うはは……その節は大変申し訳ございませんでした……」
「いやいや褒めてます! しっかり記載されていますね……ふふふふ、昔は空欄どころか……出してすらいない時期もあったんですよ〜」
ミア(書式を守っているだけで褒められるなんて……うちの先輩達がご迷惑をおかけしてほんとすみません……😭)
「はいっ! 書けたので持っていってください」
ミア「ありがとうございます!」
ミア(こんなサークルの顧問だし、マウント取りたgirlsもやべ〜先生って噂して敬遠してたけど、ほんわかしてて優しい人だったな……)
- 337 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 21:34:41.51 ID:yNOxt4e4.net
- 〜部室〜
彼方「悪いねえ、焼酎しかなくてさ」グビ
菜々「お構いなく……」
菜々(治安の悪い人達に一方的に絡まれて、結局なされるがままに連行されてしまった……)
菜々「……」
菜々(懐かしいなこの部屋、ずいぶん昔に数回だけ来たことがある……私部員にされてたんだ、入るって言った覚え無いんだけど……)
菜々(授業に出ず昼からお酒飲んで麻雀打ってたりAV見てたり、とにかくずっと遊んでる人たちで、合わないなって思って行かなくなったけど……ここの人たちまだこんなことしてたんだ……)
菜々(勿論知らない人の方が多いけど……上原さんとか、近江さんとか、朝香さんとか……覚えてる人はなんとなく覚えてる)
菜々(あとずっとお酒飲んでた留学生の人とか……とんでもない美人だけどすっごく痛いオタクの先輩とか……同人誌読んでニタついてた異様な雰囲気の先輩とかいた気がするけど……流石にもう卒業しちゃったかな)
菜々(……うん、確かにこんなことがあった、面白いほど記憶から完全に抜け落ちていた……私にとって心底どうでもいい存在だったんだろうな……この人達には申し訳ないけど)
- 338 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 21:35:39.98 ID:yNOxt4e4.net
- しずく「新入部員ってことですか?」
かすみ「や、なんか前から入ってるんだってさ」
菜々(入ってないってば……)
菜々(私こういうときにいつもはっきり断れないんだよね……駄目なのに……またこの人達に迷惑かけちゃう)
果林「見たことあるようなないような……ごめん、私は覚えてない」
彼方「彼方ちゃんも全然気付かんかったわ〜」
菜々(でもなんだろう……今まで私の周りにいた人たちとなにかが決定的に違う……勝手でデリカシーがないというか……図々しいというか……なのに堂々としている)
- 339 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 21:36:37.84 ID:yNOxt4e4.net
- ミア「なんだなんだ! ボクが使いっ走りさせられてる間に何やら楽しそうなことやってるじゃないか!」バァン!
菜々「……」
ミア「あ……ども」ペコリ
菜々「どうも……」
菜々(この子も知ってる……一限の講義で見かける、目立つグループの中心にいる子だ)
ミア(気まずいな……てかなんでこの人が?)
かすみ「ミアちゃん知ってるの?」ヒソヒソ
ミア「うん、経済の授業でいつも小テストでspeed runしてる人って有名だよ」ヒソヒソ
ミア「今日も結構な難易度だったけど0分針で……」ヒソヒソ
菜々(うそ、目立ってたんだ……そんなつもりなかったのにな……)
- 340 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 21:37:45.85 ID:yNOxt4e4.net
- 侑「う〜っす」ガチャ
侑「あ、菜々ちゃん連れてきたんだ?」
菜々(え"っ……高咲さんだ……なんでこの人が……)
愛「ゆうゆも知り合い?」
侑「そーそー。 この子ロック研でさ、私もロック研ちょっと入ってた時期あったからさ、ね! 菜々ちゃん!」
菜々「そ、そうですね……」
菜々(すごく可愛い顔の人なんだけど、一人だけなんて選べない!とか言って何股もかけて……修羅場作っては裏でほくそ笑んでた悪魔みたいな人だ……私が起こした騒動のときも一人だけゲラゲラ笑ってて……)
愛「あ〜、ゆうゆイキってた頃ねw」
侑「ええ!? そ、そんなことないよ〜!」
歩夢「いまも大概イキってるけどね」ボソッ
侑「……何?」
歩夢「何も」
菜々(怖っ……やっぱこの人苦手だ……他の人たちは平気なのかな……)
ミア(いま侑さんピキってるピキってるw)
- 341 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 21:39:13.50 ID:yNOxt4e4.net
- 栞子「ど〜も〜」ガチャ
栞子「え!!?? 」
菜々「えっ!?」
菜々(更に現れたのは高校のときの後輩……可愛いけどすごくお堅くて品行方正を地で行くような子だったのに、こんなところにたむろする不良になっちゃったんだ……今もガニ股でズンズン入ってきて……)
菜々(虹大だったんだね……それと告白のお返事もできないままだったな……ちゃんと断らないと……)
栞子「な……な、な、なんで……ここに菜々さんが!?」
菜々(私の台詞だよ……)
栞子「な、菜々さんも東大落ちたんですか!?」
菜々「受けてすらいませんけど……」
栞子「なんでもいいです! 私……私ずっとあなたに……」ボロボロ
菜々「ええっ……!?」
彼方「良かったなあ! 栞子ちゃん虹大で! 東大落ちて!」
栞子「はい! 落ちて良かったです! ……嘘ですやっぱ東大行きたいです!」ポロポロ
菜々(この子こんなに声デカかったっけ……それにこんなノリ合わせられる子だったんだ……)
しずく「え? この人が例の栞子さんの?」ボソボソ
璃奈「そうみたい。運命的だね。」ボソボソ
- 342 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 21:40:24.15 ID:yNOxt4e4.net
- 侑「いやね、毎日ダラダラ過ごしてたらさ〜w」
歩夢「……」
菜々「そ、そうだったんですか」
菜々(私2年の途中から引きこもってたのに……この二人私より単位少ないんだ……)
菜々(それに栞子さん16単位? 嘘でしょ、この3年間であなたに何があったの……?)
- 343 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 21:41:36.84 ID:yNOxt4e4.net
- 菜々(歓迎します! とか言われても……)
菜々(どうしよう、入る気なんてまるで無いのに……どんどん外堀を埋められている気がする)
栞子「菜々さん……! 私と失った青春を取り戻しましょう! 貴女にはこのサークルの適性があります!」
菜々(失礼にも程があるよ……いや、否定はできないんだけどね……)
菜々「どうなんですかね……昼から焼酎とかは私にはちょっと……」
栞子「私のときはテキーラでした!」
菜々(聞いてないよ……)
かすみ「そういえばミアちゃん、申請どうしたの? 菜々さんのところとか」
ミア「ああ、入れたまま出しましたよ……まいっかって思って」
菜々「ええ……」(いいわけないでしょ……そういうとこだよ……)
ミア(やべっ……この人の連絡先欄デタラメに埋めたままだった)
- 344 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 21:42:56.02 ID:yNOxt4e4.net
- 〜〜
菜々(結局言われるがまま、入部してしまった……正確には継続だけど)
菜々「はあ……」
菜々(断るのもなんだか面倒になっちゃって)
菜々「……」
菜々(あの人たちは、来るもの拒まず去るもの追わず!って言ってたけど……それはきっとどこのサークルも同じ)
菜々(その中での個別の人間関係が上手くできなかったから、私はいつもはじき出されていたんだろうな)
菜々(でも……あのサークルは向上心とか恋愛感情とかとは違う、もっとなにか不思議な連帯で繋がっていて……)
菜々(その違いが、今度こそ私の居場所になりうるのだろうか……今はまだわからないけど)
- 345 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 21:44:33.50 ID:yNOxt4e4.net
- 〜確率・統計(経済学部開講)〜
「いやいや無理でしょこれ〜w」「ミアちゃん……どう?」
ミア「……お手上げ……_(┐「ε:)_」
「「そっかあ〜……」」
ミア「……」
「ミアちゃん??」
ミア「あ、あの……」
ミア「今日の小テスト、教えてくれませんか?」
菜々「!……いいですよ、合ってるかどうかわかりませんけど」
菜々「……この場合だとこの式を適用できるので……」
ミア「なるほど……」(わからん……)
「「ミアちゃんすごい……」」
ミア(ん?w まーたボクなんかやっちゃいました?w)
- 346 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 22:07:24.03 ID:1E8esZjg.net
- ランジュだけなぜまともなのか
- 347 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 23:25:51.54 ID:CJSGWN1l.net
- せつ菜加入か
熱くなってきた
- 348 :名無しで叶える物語:2022/03/18(金) 23:57:09.79 ID:hVIe4zUw.net
- もしかして
学部生(留年組)=虹、教授=無印、OG・院生=水
の配役なのかな
星も後輩や新入生として出てこないだろうか
- 349 :名無しで叶える物語:2022/03/19(土) 04:16:19.00 ID:CCFSPJLp.net
- エリーチカとにこにーは教授か
おばちゃんやん
- 350 :名無しで叶える物語:2022/03/19(土) 10:33:33.06 ID:LYZKRJX9.net
- 同人誌読んでニタついてたのは誰だ?
- 351 :名無しで叶える物語:2022/03/19(土) 12:08:57.99 ID:jYN8O0Fr.net
- >>349
敬意を払うべきよ
- 352 :名無しで叶える物語:2022/03/19(土) 12:19:01.93 ID:kPMDyobx.net
- 栞子が真面目にカスやってるの好き
- 353 :名無しで叶える物語:2022/03/19(土) 18:33:57.68 ID:gTjQBBP/.net
- >>350
レズ
- 354 :名無しで叶える物語:2022/03/19(土) 18:35:05.32 ID:gtG150Jk.net
- >>353
どのレズだよ
- 355 :名無しで叶える物語:2022/03/19(土) 19:10:19.52 ID:LQjmMrLj.net
- 11話の時系列がわからんくなってきた
- 356 :名無しで叶える物語:2022/03/19(土) 21:21:29.81 ID:jas5JKoz.net
- 11.5話『単位はめぐる』
- 357 :名無しで叶える物語:2022/03/19(土) 21:24:24.52 ID:jas5JKoz.net
- 「え〜っ! ミアちゃんパヨちんの授業取るの〜!?」
ミア「そうだけど……」
ミア(夏学期、どの教養科目を取るかの話でgirlsと盛り上がっていたボク達。 ところがボクが取ろうとしている科目、つまり同好会のみんなで受けるつもりの科目はどうやら悪評が…… )
「やばいって噂だよ! 」
ミア(確かにそういう授業ある、とはよく聞くよな……先生の思想と合わないレポート書いたら問答無用で不可!とか)
ミア(しかしここまで反対されるとは……最近の子はリベラルな思想には食傷気味なのか、なんだか保守的な子が多いな……)
「一緒の授業取ろうよ! 憲法とか社会学とかさ!」
ミア「う〜ん……刑法概論なら候補なんだけど……」
「それも絶対やめた方がいいって言われてるよ! 去年は受講者半分以上落とされたんだって!」
ミア「う、それは困るな……」
- 358 :名無しで叶える物語:2022/03/19(土) 21:27:05.74 ID:jas5JKoz.net
- 〜有機化学Uアルコール・アルケン(工学部化学工学科開講 必修)〜
「みなさんおはようございます……大学生活はもう慣れましたか?」
「この科目は化学工学科の1年なら必ず取らなきゃいけないやつでね……春学期のアルカンの……有機化学Tの続きってわけすよ」
「じゃあUの科目名のアルコールってなんだよって言ったらまあ……例えば皆さんの大好きなお酒ですよ」
「さてこの中でお酒大好きな人!」
栞子「!」ピクッ
「 ……ってみなさんはまだ18か19だから飲んでねえか! つまりいま反応しちまったやつは……バレねえようにな!」ワハハ
「「わははは!!」」ドッ
栞子「……」
栞子(やめてください! ここにハタチ超えの留年生がいます!)
栞子(心がいたい! いたいです!)
- 359 :名無しで叶える物語:2022/03/19(土) 21:28:28.49 ID:jas5JKoz.net
- 「まあとりあえず、これだけは知っててくれよって、そういう構造と反応機構だけこの授業でわかってくれればいい」
「卒業して社会に出て働いたときに……虹学出ててお前らこんなことも知らねえのか!って言われちゃうからね」
「ていうか向こうはそれ言いたくて言いたくて仕方ねえんだな!」
「「わはははは!!」」
「今日は春学期の復習だな、オクテット則と混成軌道からE2反応までまずはざっとおさらいしていこう」
- 360 :名無しで叶える物語:2022/03/19(土) 21:30:06.12 ID:jas5JKoz.net
- 〜〜
しずく「小テストの分量多くないですか?」カキカキ
侑「春学期の内容一通り入ってるってさ……意味わかんないし……や〜めた!」
ミア「相変わらず命名法がややこしいな……」カキカキ
璃奈「部室のマクマリーかボルハルトショワー持ってくれば良かったね。」カキカキ
彼方「ジアステレオマー、エナンチオマー……うちの学部でもなぜかやった覚えあるな〜……」カキカキ
栞子「共鳴構造からあやふやなので求核置換反応がさっぱりです……SN2反応とか2年ぶりに聞きました……」
善子「ちょっと、早く出してくれないと私帰れないんだけど……てかなんであんたたちいんの?」
愛「善子さんTAやってたんだ! 答え全部教えて!」
栞子「お知り合いなんですか?」ヒソヒソ
かすみ「そーだよ、化学工学のいま院生の人。 善子さん」
善子「ども! ツシマ・D・ヨハネよ。 "D"の意志をry」
栞子「どうも……その……学部も虹大なんですか?」
善子「あんたいきなりワカッテTVみたいなこと聞くのね……ロンダじゃなくて普通の内部進学だけど……」
- 361 :名無しで叶える物語:2022/03/19(土) 21:34:00.98 ID:jas5JKoz.net
- 〜特別講義 表現論(理学部数学科代数コース開講)〜
「それでは次の命題です、"有限群Gの規約表現Vは有限次元である。" ……次にその証明を書いていきます」カキカキ
「∀v∈V,≠0、{gv | g∈G}で張られる部分空間Uは有限次元でゼロでない不変部分空間となるのでV=Uであり、有限次元。……証明終わり。……それでは次は定義です……」カキカキ
歩夢「???」
しずく「???」
侑「???w」
愛「???w」
ミア「???w」
かすみ(これ絶対私たちが思ってたのと違うやつだ……理系の愛さんとミアちゃんまで……ていうか無感情で淡々とし過ぎでしょ……)
かすみ「りな子、わかる?」ヒソヒソ
璃奈「……ごめん。 さっぱり。」ボソボソ
〜自宅〜
ミア「ランジュ……わからないところがあるんだ……」
ランジュ「なにこれ……あなた表現論なんてやってるの?」
ミア「みんなで同じ講義取ろうって話になってさ……これは映画観る系の表現技法の授業なんじゃないかって誰かが言い出したらしくて……」
ランジュ「バカね……」
ランジュ「確かテスト一発勝負の科目だし……一応過去問もあるけど……丸暗記する?」
ミア「何語だよこれ……いや、履修をやめとくよ……」
- 362 :名無しで叶える物語:2022/03/19(土) 21:35:52.66 ID:jas5JKoz.net
- 〜スポーツ実習(一般教養科目)〜
菜々(抜ける……!)キュッ!ダムダム
愛「えっ上手っ!?」
パシュッ
ミア「すげー……」
「おっ! いいね〜! そっちもファイトファイトだよっ」
ミア(三つ編みのお下げのいかにもな文学少女が、油断していたとはいえあの愛さんをフェイクであっさり抜かしていった……)
ミア(菜々さんって引きこもりなのにめちゃめちゃ運動神経良いんだな……綺麗なシュートフォームも持ってるし……おっぱいも大きいし……)
菜々「ドリブルはチビの生きる道……ですよ!」
愛「くそ〜……」ダムダム
ミア(あんなに悔しそうな愛さん初めて見たな)
侑歩夢「わあああ!」ポーン
しずくかすみ「ぎゃふん!」ポーン
ミア(運動神経悪い組……)
- 363 :名無しで叶える物語:2022/03/19(土) 21:37:11.63 ID:jas5JKoz.net
- 〜ファッションと生活(家政学部開講)〜
「生活必需品が全く足りない戦後の暮らしの中、女性は自分達で洋服を仕立て上げる必要に迫られたのです! さらに夫を戦争で失った女性たちの自立の手段となったのが洋裁文化で……」
「この人たちが素材、仕立て、型紙を学ぶためにこぞって洋裁学校や洋裁雑誌と深く関わるようになりました!」ピーチクパーチク
「文化服装学園の出版した『装苑』や大橋鎭子の『スタイルブック』は……」ピーチクパーチク
しずく(私!?)
ミア(コシノジュンコみたいな格好の人が……変な声で……この教員はデザイナーらしい。 変わった人だなあ)
ミア(家政学部は不思議なところだ。 栄養学や服飾、住居デザインなどの全く異なる学科が集まって構成され……美学や化粧品化学、ファンタジー論などの奇抜な講義があると思えば、プログラミングや化学、数学科目が必修だったりする。 入試も少し異質で学部の中でもとりわけ異彩を放っている……)
- 364 :名無しで叶える物語:2022/03/19(土) 21:39:06.13 ID:jas5JKoz.net
- 「正田美智子さんと皇太子のご成婚でミッチーブームが起こり……自由で白紺を基調としたそのスタイルは白黒テレビの普及と相まって……」ピーチクパーチク
ミア(教員も研究の傍ら、栄養士や一線級のデザイナーだったりして、その講義は具体例や実学のエピソードに基づくお話が多く、スライドを眺めているだけで楽しい!)
ミア(授業を受けてる人もなんか装いが違う……。 サンドイッチとスムージー飲み食いながら授業受けてたりするし、授業中の学生の挙手からの意見質問の機会も多い……工学部ではありえない光景だ)
彼方「彼方ちゃんこの講義取ったことあったわ……」グビ
果林「こんな授業だったら……いくらでも受けられるのよ」グビッ
ミア(スムージーに紛れて堂々と酒を飲むな!)
- 365 :名無しで叶える物語:2022/03/19(土) 21:40:23.26 ID:jas5JKoz.net
- 〜国文学B(文学部日本文学科開講)〜
「勘違いしてる人もいるようですが……あらかじめ言っておきます、この授業は決して楽ではありません。」
「予習としてテキストを通読してもらいますし、毎回小レポートを課します。 期末レポートは5000字以上! 一つでも出し忘れた場合は単位を出しません。」
みんな「「ええ〜っ?」」
侑「話と違くない? 私漢文とかもう忘れちゃったよ……」ヒソヒソ
歩夢「う〜ん……」ヒソヒソ
「そこ静かに。 次私語をしたら教室から出て行ってもらいますよ。」
侑歩夢「は、はい!」
〜部室〜
愛「エマっち〜 どういうこと?!」
エマ「大丈夫大丈夫、善子ちゃんとか2年後に自作ラノベ書いて出しても単位来てたから」
- 366 :名無しで叶える物語:2022/03/19(土) 21:43:57.32 ID:jas5JKoz.net
- 〜民俗学〜(文学部人類文化学科開講)
「未開社会の神話や伝承を『金枝篇』にまとめたフレイザーはな〜、文化人類学の先駆けと言われてるんよ。 日本では明治末期に柳田がな〜」
かすみ(やばい……寝そう)コクン
「ダーウィンの『進化論』を自然科学だけでなく文化の発展にも適用しようとしてな、その考え方はいかにも自民族中心的やん? って批判されたんよ」
しずく(面白そうな内容だけど、先生の喋り方が……とにかく眠い!)カクン
「柳田のフィールドワークを重視した研究ではな〜、昔話や方言なんかを具体的にな〜」
璃奈(起きてるのはすでに私たちだけ。 ……だから先生もこっちガン見で寝るに寝られない……。)カックン
彼方「むにゃ……」zzz...
果林「んがぁ……」zzz...
「……」
「……じゃ次は性行為……セックスの伝承について話そかな〜」
みんな「!」ガバッ
ミア(こいつら……男子高校生かよ)
菜々「……///」
- 367 :名無しで叶える物語:2022/03/19(土) 21:47:40.44 ID:SK3l6XRg.net
- 講師やってるμ'sが一番クリーンやね
- 368 :名無しで叶える物語:2022/03/19(土) 21:48:14.15 ID:jas5JKoz.net
- 〜近代政治史(社会学部 政治学科開講)〜
「……大日本帝国の植民地支配、侵略戦争に反対すべく義兵闘争のなか伊藤博文を射殺した安重根は、国際法ではなく日本の法によって死刑にさせられたわ……」
「東学農民革命の対処を理由に日本は朝鮮政府の要請もないまま派兵……日本の傀儡政権の大院君と対立した閔妃は三浦梧楼の指示によって暗殺されてしまうの……これらは『坂の上の雲』では殆ど触れられていない事実で……」
「先生! その歴史解釈は極めて恣意的です!」バン!
ミア「!!?」
かすみ「出た出た……」ボソッ
しずく「なになに……? どうしたの?」ヒソヒソ
「あれは侵略なのではない! 植民地政策を広げる欧米列強からの解放のため、アジア諸国は東亜として一丸となり対抗する必要があったのだ!」
「田中智学の八紘一宇は人道の普遍的思想であり……大東亜戦争はABCD包囲網への自衛である!」
「日本がアジアで行った数々の侵略戦争を正当化するのか!? ポツダム宣言には侵略戦争と判定されていて、それが国際的な認識だ!」ガタッ!
ワーキャー!!
ミア(教員の発言を発端に、講義中に左寄りと右寄り……というか共産党と靖国派の学生たちの間で突然激論が始まった! おいおい……大丈夫か……?)
「全ては戦勝国の都合であろう! 正しい評価はより後世の歴史家のみが判断する!」
「そうやって戦争責任を曖昧にしてきたから今日に至るまで……!」
「そっちこそ非現実的な理想論を並べた挙句破防法対象のテロ集団と成り下がるのだから本末転倒!」
ワーキャー!!
栞子「ケンカですか!?」ワクワク
璃奈「こんなこと本当にあるんだね。」
- 369 :名無しで叶える物語:2022/03/19(土) 21:49:32.68 ID:jas5JKoz.net
- 歩夢「いや〜大変だったね……次はメディア文化論か……」
侑「その教員うちのサークルの顧問なんだっけ? どんな人なの?」
ミア「ぽわぽわしてて優しそうな人でしたよ! だからきっと授業もほんわかしてるんじゃないかな?」
愛「ちょ〜楽単だといいね!」
〜メディア文化論(一般教養科目 社会学部開講)〜
「これはメディアやジャーナリズムに対する威嚇効果が極めて強く! 国民の表現の自由と知る権利を著しく害します!」バン!
「したがって現政権には問題があると思っています!」バアン!
ミア「ああ……"パヨ"ちんだった……」
- 370 :名無しで叶える物語:2022/03/19(土) 21:50:56.94 ID:NH4elOZO.net
- 花陽、嘘だよな…?
- 371 :名無しで叶える物語:2022/03/19(土) 21:54:58.97 ID:8hmiSmJi.net
- うちの大学のメディア文化論は初音ミク研究で期末レポートのテーマは好きなボカロ曲とかだったわw
- 372 :名無しで叶える物語:2022/03/19(土) 22:56:18.59 ID:CidzxKtz.net
- ことのぞぱながわかるけど文学は海未かな?
- 373 :名無しで叶える物語:2022/03/20(日) 01:54:00.64 ID:znVsn1Mt.net
- 果林担当・法学部の矢澤先生 ・・・にこ
マルクス経済学(経済学部開講) ・・・エリーチカ
有機化学Uアルコール・アルケン(工学部化学工学科開講 必修) ・・・穂乃果?
特別講義 表現論(理学部数学科代数コース開講) ・・・?
スポーツ実習(一般教養科目) ・・・凛ちゃん?
ファッションと生活(家政学部開講) ・・・ことり
国文学B(文学部日本文学科開講 ・・・海未?
民俗学〜(文学部人類文化学科開講) ・・・希
近代政治史(社会学部 政治学科開講) ・・・?
メディア文化論(一般教養科目 社会学部開講) ・・・花陽ちん
たぶんこんな感じかな
真姫ちゃんが表現論か政治史のどちらかなのか、それとも医学関係でこれから出てくるのか
- 374 :名無しで叶える物語:2022/03/20(日) 09:16:32.78 ID:PncROuYW.net
- 途中まで教授がμ'sだと気づかなかったw
- 375 :名無しで叶える物語:2022/03/20(日) 17:46:04.05 ID:/edSl2O3.net
- パヨちん草生える
- 376 :名無しで叶える物語:2022/03/20(日) 18:01:07.69 ID:M+pHn/os.net
- 大学教授ってなんであんなに左翼多いんだろうな
- 377 :名無しで叶える物語:2022/03/20(日) 23:33:44.83 ID:v+9HDA/C.net
- 今日はお休みか
- 378 :名無しで叶える物語:2022/03/20(日) 23:42:04.88 ID:sbd7iWz+.net
- >>376
先進国では高学歴になるほど左派寄りの人が増えるそうな
昔は下級労働者のための思想だったのにね
- 379 :名無しで叶える物語:2022/03/20(日) 23:46:27.39 ID:sXSjAhUe.net
- 12話『津島軍団の人びと』
- 380 :名無しで叶える物語:2022/03/20(日) 23:49:49.51 ID:sXSjAhUe.net
- 〜秋葉原〜
善子「トゥットゥルー♪ よっしぃ☆でーす!」
璃奈「岡部なのかまゆりなのかはっきりして。」
菜々(シュタゲだ……!)
ミア(朝から異様にテンション高い先輩に呼び出され、向かった先は……かつてのオタクタウン、秋葉原!)
ミア(AKBカフェ! SEGA2号館! アドアーズ!……ちなみに善子さんのあれは外行き用の白衣らしい……コスプレ喫茶の客引きと勘違いされそうだな……)
善子「この集まり、なにかわかる?」
ミア璃奈「理系……ですか?」
菜々「私は文系ですね……」
歩夢「私も……」
璃奈「ああそうだった。」
- 381 :名無しで叶える物語:2022/03/20(日) 23:51:05.72 ID:sXSjAhUe.net
- 善子「それはね! オタク! ってこと!」
ザワザワ…
ミア「声デカいですよ……」
璃奈「みんな見てるから。」
歩夢「わ、わたしってそんなにオタクっぽく見えますか……?」
善子「いや? でもこのヨハネ・アイにかかれば……なんでもお見通しよ!」
ミア(ギアス発動時のような仕草で、片目に仕込んだ赤いカラコンを光らせる痛いオタク……)
善子「お洒落さんであっても……隠れオタなのはバレバレユカイ! ってね!」
ミア(それ言いたいだけだろ)
- 382 :名無しで叶える物語:2022/03/20(日) 23:52:06.98 ID:sXSjAhUe.net
- 善子「なんかさ、果南キッズとか松浦小原スピリッツって言うでしょ? ああいうの私も欲しいのよね!ヨハネ軍団とか!」
ミア「売れ始めて調子に乗った芸人じゃないんだから……」
善子「う〜ん……ヨハネ軍団…………津島一派……」
善子「!決めた! 今日からあんた達は、世界を大いに盛り上げるための津島……じゃなくて聖ヨハネの団! 略してSOS団よ!」
璃奈「無理矢理が過ぎる。」
菜々「善子さん……ハルヒ読んでたんですか……!?」
善子「世代も世代よ! 映画も見に行ったし、一生出ない驚愕をずっと待っててね……私のオタク趣味はハルヒらきすたひぐらしけいおんと始まったの……」
善子「それからというもの……みんながピチレモンとか買ってる中、私ひとりアニメディアを買い漁って……」ペラペラ
菜々「わ、私も実はラノベとか好きで……!」
善子「うおーー!!」
歩夢(ピチレモン……懐かしい……)
- 383 :名無しで叶える物語:2022/03/20(日) 23:53:12.09 ID:sXSjAhUe.net
- ミア(数名の隠れオタクに火が付いて、さっそくボクのわからないオタクトークが始まった……善子さんがラノベの影響を受けて、ダラーズみたいな会員制サイト作ってみたり、レールガンの自由研究したり……異世界のなんちゃら魔法学院に召喚される二次創作を書いたり……などなど)
璃奈「ラノベと言えばキノ、イリヤ、され竜、フルメタ。」
善子「めちゃめちゃ手堅いわね……てか古……」
善子「ん、……スレイヤーズは?」
璃奈「……」
善子「スレイヤーズ」
璃奈「……」
善子「スレイヤーズは?」
璃奈「……アニメなら見ました。」
善子「璃奈=インバース!!?」
ザワザワ…
璃奈「ほんと黙って。それ言いたいだけでしょ。」カアア
ミア(クソオタクのクソみたいなイジりに璃奈の顔が真っ赤に……。 この流れいつもやってくるらしい)
菜々「私はSAOとかはまちとか好きです……! あ、歩夢さんはどういうの読んでたんですか?」
歩夢「私? ああ、うん……その」
歩夢「みーまーとか……」
璃奈・菜々(読んでそう……)
- 384 :名無しで叶える物語:2022/03/20(日) 23:54:32.09 ID:sXSjAhUe.net
- 〜ビッグエコー〜
歩夢「Break the system……減少するentropy……♪」
菜々「わあ!」パチパチ
璃奈「エントロピー……Shannon情報量……」ブツブツ
ミア「熱力学の定義しか知らないな」
璃奈「熱力・統計と情報でそれぞれあるよ。」ボソボソ
ミア「へえ……ん? エントロピーが減少するってことは自発的には起こり得ない反応で……」
璃奈「いや、孤立系でなければあり得る。」ヒソヒソ
ミア「そっか! Break the systemはつまり系(System)が孤立じゃなくなったってことか!」
璃奈ミア「HAHAHAHA!!」
歩夢(いちいちうるさいな……これだから理系オタクは……)
善子「エントロピーってなんだっけ?w」
- 385 :名無しで叶える物語:2022/03/20(日) 23:55:33.00 ID:sXSjAhUe.net
- 善子「やっと回ってきたわね〜!」ガタッ
ミア(どうせ変な曲歌うんだろうな……)
善子「強姦だ! 布団の中で! 5+5! 簡単だ!」
ミア「え、うまっ……」
善子「渡来! ⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン たあーん! あぁ〜ん!」
ミア「……」
ミア(しまった……! 美麗な歌声横顔と綺麗なまつ毛に身惚れそうになってしまった! 落ち着け、この人は痛い痛いクソオタクだ!)
善子「ふう……どうだった?」
ミア「よ、良かったです……お歌上手なんですね……」
善子「ありがと」ニコッ
ミア「きゅん……」
ミア(やべっ! この人は痛いオタクオタク……)
- 386 :名無しで叶える物語:2022/03/20(日) 23:56:25.98 ID:sXSjAhUe.net
- ミア(フリータイムで取ったのに早々にカラオケを追い出されたボク達。 そんなこんなで善子さんに無線やらPCパーツが立ち並ぶエリアに位置する、これまた薄暗い雰囲気の牛丼屋へ連れて行かれた)
菜々「ほんとにあの通話禁止の張り紙が……」パクパク
ミア(味は別に普通だな……)ムシャムシャ
善子「上京して初めて食べたのがここのサンボなのよ!」
善子「そのあともうきうきで秋葉原回ってね! ラジ館の階段で写真撮ったりして!」スタスタスタ
ミア「ちょっと、どこ行くんですか!」ガタッ
璃奈「行ってらっしゃい。」モグモグ
- 387 :名無しで叶える物語:2022/03/20(日) 23:57:21.96 ID:sXSjAhUe.net
- 善子「ラブライブ!のキャラの真似して昌平橋で黄昏てみたり!」
善子「神田明神の階段ダッシュしたりとか!」ダダダダダ
善子「2期4話に出てきた肉のハナマサ! 移転後だから実はここ自体は聖地でもなんでもなかったんだけど……知らずに何枚も撮っちゃったのよね!」ダダダダ…
歩夢「うっぷ……」ゼエゼエ
ミア「はぁ……はぁ……」(牛丼食った後に階段ダッシュさせるな!!)
菜々「ひ、引きこもりにはつらいです……」(でも楽しい……!)
- 388 :名無しで叶える物語:2022/03/20(日) 23:58:28.41 ID:sXSjAhUe.net
- 璃奈「お疲れ様。 ……だいぶ走ったみたいだね。」
ミア「璃奈……。 死ぬほどキツかったよ……ところで待ち合わせの"はす向かい"って何?」
璃奈「交差点に面する建物の"向かい"という指定では場所が2通りある。 でも"はす向かい"と指定すれば一意に定まる。 つまりユニーク。」
ミア「なるほどね……」
歩夢(イチイ……?)
菜々(長門有希ちゃん……?)
善子「あ……璃奈、ジャンク通りのお店寄らなくてよかった?」
璃奈「……うん。 ディアステ行こうかなって思ったんですけど、この時間開いてないし。……それにPC NETも三月兎ももう無くなっちゃったから。」
善子「ふ〜ん」
ミア(どことなく哀愁漂う顔だ……秋葉原は璃奈にとっても思い出の場所だったんだろうか)
- 389 :名無しで叶える物語:2022/03/20(日) 23:59:18.68 ID:sXSjAhUe.net
- 〜〜
ミア(休憩を兼ねて、全国チェーンの喫茶店に入ったところ、再び始まるオタクトーク……。ローゼンやらスクールデイズやらDtBにデスノート……お前ら一体何歳なんだ!?)
ミア(女の嗜みなのか、銀魂の話になるとこいつらの声がデカくなる……秋葉原とはいえ恥ずかしい……)
菜々「ジャンプマンガも大好きです……! ヒロアカワートリハイキュー斉Ψとか!」
善子「いいよね〜! 私もpixivでとどいずゆうおさ影日のss書いてたわ! めっちゃ酷評されたけど!」
璃奈「逢魔ヶ刻動物園リリエンタール四ツ谷先輩勇者学……。」
善子「なっつ! あんたよく覚えてたわね!」
ミア「まーた逆張りばっかして……」
璃奈「あとは鍵人。ねこわっぱ。」
歩夢「……それほんとに読んでた?」
菜々(うう、その辺りの打ち切りマンガ……刹那で忘れちゃいました……)
- 390 :名無しで叶える物語:2022/03/21(月) 00:00:01.09 ID:VrT/gl4R.net
- 〜京浜東北線〜
善子「あ〜楽しかった……あ、そうだ、私のTwitterとかインスタの垢もあるからよろしくね!」
ミア「そーなんですか」
菜々「フォローしておきます……!」
璃奈「しない方がいい。」
歩夢「人前で開けなくなっちゃうよ……」
善子「え〜っ、なんでよ!」
ミア(この人やたらフォロワー多いな……)
ミア「え! 27とフォローフォロワーなんですか!?」
善子「そうなの! なぜかフォロバ貰っちゃって!」
ミア(何故だ……くそ、羨ましい……!)
- 391 :名無しで叶える物語:2022/03/21(月) 00:00:45.14 ID:VrT/gl4R.net
- 〜自宅〜
ランジュ「おかえり。 夜ご飯はもう食べた?」
ミア「いや、まだ食べてない」
ランジュ「そ、じゃあ今温めてあげるわね♪」
ミア「ん」
ミア(家に帰ってから善子さんのツイ垢を眺めてみた)
ミア(鳴き声が如くアニメと生放送の実況……RTは誰もやらない癖に絵師には人気のソシャゲのイラストとか、アニメ画像4枚貼り付けて一言添えるアルファツイッタラーの投稿……おまけにふぁぼ欄はエロイラストで溢れ返ってるこの垢をなぜ27は……)
ミア(ごく稀に投稿するマジで可愛い自撮りでフォロワーを繋ぎ止めているのか……?)
ミア「……」
ミア「あ……善子さんの今日の自撮りだ……」
ミア「……」
ミア「きゅん……」
- 392 :名無しで叶える物語:2022/03/21(月) 00:17:49.61 ID:B4FWf06W.net
- コードギアスネタはタイムリーだな
- 393 ::2022/03/21(月) 02:45:42.87 .net
- 草
- 394 :名無しで叶える物語:2022/03/21(月) 03:21:18.39 ID:kLJSqA5Q.net
- そうなんだよな
サンボ特に美味い訳じゃないんだよなww
- 395 :名無しで叶える物語:2022/03/21(月) 16:53:10.81 ID:qzU4oMFO.net
- こういう堕落した日常系雰囲気のSS他にあったら教えて欲しいです
- 396 :名無しで叶える物語:2022/03/22(火) 00:40:02.10 ID:rfDYDlu/.net
- 今日は休みか
- 397 :名無しで叶える物語:2022/03/22(火) 07:02:41.74 ID:Sotg4OGt.net
- 支援
- 398 :名無しで叶える物語:2022/03/22(火) 10:33:04.95 ID:5fF7IsIL.net
- おもろいわ
- 399 :名無しで叶える物語:2022/03/22(火) 16:41:14.30 ID:xGNbYxSw.net
- 支援
- 400 :名無しで叶える物語:2022/03/22(火) 16:48:07.71 ID:jYc+dpho.net
- 落第したことも単位落としたこともないけど、読んでると大学時代が思い出される
大学生が自分の人生で一番楽しかった
- 401 :名無しで叶える物語:2022/03/22(火) 17:03:52.38 ID:WwTETrqz.net
- サンボは行こうと思いつつ結局行ってない
- 402 :名無しで叶える物語:2022/03/22(火) 18:32:21.36 ID:1wCl4+r0.net
- 27は梨子かな?
- 403 :名無しで叶える物語:2022/03/22(火) 22:56:52.31 ID:P81EVEsx.net
- 今日も休み?
- 404 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 01:00:31.08 ID:56GKI6XD.net
- 待ってる
- 405 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 06:53:53.32 ID:tegdBPJG.net
- 12.5話『理学部戦線異常なし』
- 406 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 06:59:58.14 ID:tegdBPJG.net
- 〜基礎工学実験 クラスα(工学部開講 必修)〜
ミア「それでさ……酔った勢いで先輩に……強引にキスされちゃってね……」
「そ、そんな……ミアさん……か、彼氏ですか……?」ガタガタ
ミア「彼ぴっていうか……好きぴかな。 でも一度火が着いたら止まらなくなってさ……」
「あ……ああ、あ……」ガタガタ
ミア「ずっと舐めてるか……しゃぶってたよ」
「🤯🤯🤯」
ミア(ヒヒヒヒヒ!w)
- 407 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 07:03:16.71 ID:tegdBPJG.net
- 〜〜
ミア(工学部は男が多いし、その上宇宙人みたいなオタクばかり……)
ミア(理学部、工学部ともに女子があまりにも少ない! そのためか、理系の女子学生同士には極めて強いシンパシーがある……こと理学部工学部においてはお洒落ガールズも喪女も運命共同体だ!)
ミア(あの後、なんとあの慎重なはずの大宮が5000万円もする走査型電子顕微鏡を操作ミスによりぶっ壊してしまい……実験は続行不能、簡単な宿題だけ課されて授業は終了した……。 ちなみに修理代には300万ほどかかるらしい。 何やってるんだか……)
ミア(そんなこんなでやることもなくなり暇になってしまったボクが、飛び入りで天体観測サークルの観測会とやらに顔を出してみたところ……そこにいたのはデカい望遠鏡を隅に放置して、ひたすら酒あおって歌って踊っての、どんちゃん騒ぎに終始する連中)
ワイワイ!!ギャハハハ!!
ミア(星見てないじゃないか……)
ミア(その中でただ1人、酒も飲まずにぽつんと夜空を見上げている女の子がいた。 線形とか力学とか生物とか……理系教養科目で見かけたことのある子だ)
- 408 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 07:04:24.32 ID:tegdBPJG.net
- ミア(実は一度も喋ったことはなかったけれど……今日はなんとなく、話しかけてみたくなった)
ミア「コーヒー、いる?」コツン
すみれ「?」
ミア「夜とはいえ暑いからさ、水分補給にどうかなって」
すみれ「ありがとう」プシュ
ミア「……」
すみれ「……」
ミア(とはいえネタがないな……)
すみれ「……あれがデネブ、アルタイル、ベガ」
ミア「は、はあ」(西尾維新のオタクか?)
すみれ「西の方に沈んでいくのがアークトゥルス、デネボラ、スピカ。 南の方に見えるのが、いて座、てんびん座、さそり座……」
ミア「へえ……よく知ってるね」
すみれ「……」
すみれ「星はすばる……ひこぼしゆふづつ。よばひ星、すこしをかし。」
ミア「?」
- 409 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 07:06:17.96 ID:tegdBPJG.net
- すみれ「枕草子の一節よ。 平安時代から人は夜空に心を打たれていたのね」
ミア「ふうん……」
すみれ「あの頃は手を伸ばして思い馳せるだけの星が……月が……ボストーク1号に乗ったガガーリンが、無重力の世界へ初めて到達して……」
すみれ「そして50年前のこの時期、人はついに月面に降り立った。 アポロ11号のアームストロングとオルドリンよ」
ミア「なるほど……詳しいんだね……星とか宇宙とか好きなの?」(西尾維新じゃなくて天体のオタクだった……)
すみれ「うん」
すみれ「……叶うなら、宇宙に行きたい」
すみれ「とはいえ宇宙に行っても、まだあの星々に私たちは手を伸ばすだけで届かない。 それでも……人類はあの輝きへと少しずつ近付いていっている。 そんな世界を私もこの目で見てみたいの」
すみれ「……この大学で博士まで進んで、JAXAに行くかアカデミアに残るか……次の宇宙飛行士の募集が何年後になるのかはわからないけど……」
ミア「今は民間でも行けるらしいし……ゾゾタウンとか作って売り飛ばしたら?」
すみれ「このまま理学部で宇宙物理やるか……工学部に移って航空工学やるか……迷ってるのよね」
ミア(スルーされた……ボケが雑過ぎたかな)
- 410 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 07:07:07.60 ID:tegdBPJG.net
- ミア(それにしても一年生にしてちゃんとキャリアプランを考えているんだな……偉過ぎる……)
ミア(この女から摂動方程式とか軌道移行とか……宇宙船のランデブーがどうのとか……正直よくわからない色んな話を聞いた、というか勝手に話し出した)
ミア(こういうのを聞くとボクはいつも「これだからオタクは……」とか言ってた覚えがあるけれど、今日はそんな気にならなかった)
ミア(ボクと歳の変わらない女の子が、これほど真っ直ぐな眼差しで地球の外側の、肉眼では見えないはずのずっと遠くの銀河の……さらにその向こう側を見つめていたからだろうか……)
ミア(やりたいこと、かあ……)
- 411 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 07:08:01.85 ID:tegdBPJG.net
- 〜基礎工学実験 クラスα(工学部開講 必修)〜
千砂都「よろしくね! あ、きみ……確かミアちゃんだよね?」
ミア(実験でペアになった女は、いつぞやのダンス系サークルの体験練習でペアになった女だった。 なんと理学部なのにわざわざ工学部の実験科目を受けているという……酔狂な子だ)
千砂都「数学のさ、幾何やりたくて理学部入ったんだけどね〜」
ミア(やばい! 数学科の中でも幾何専攻はド変態中のド変態だから決して近寄るなって誰かが言ってた! 実際ボクの家にもサンプルが一人いる!)
千砂都「でも入ってみたら土木面白そうだなって思ってね、それで転学科するつもりだから工学部の講義も受けてるんだ」
ミア「なるほど」(それなら平気か……建築や土木環境は根強い女子人気があるからね)
千砂都「最近はコンクリートの研究室ずっと見に行ってるよ!」
ミア(やっぱどこか尖ってる気がするな……)
- 412 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 07:09:19.74 ID:tegdBPJG.net
- 千砂都「ざっくりとした説明でごめんだけど……それでClausius–Clapeyronの式が導出できるでしょ?」
ミア「ああ……」
千砂都「……またまたざっくりとだけどこれでGibbsの相律の式……F=C-P+2が導けて、さっき作った水の状態図はこれに従ってると……」
千砂都「相は固体と液体の2つだからF=1で……圧力を定めれば融点が一つに定まる、これがレポート課題2の答えかな」
千砂都「二元系の場合はC=2だけど大気圧に固定してるから+2のところが+1になって、F=3-Pで二相共存領域では温度と組成を定めるとてこの法則から……」
ミア「う、うん……」
ミア(最近は学業にやる気が出ず……予習も復習もおろそかで、この実験が何をしたいのかも理解していなかった……理論から実践までほぼ1から10までこの門外漢のはずの女の子に教わりながら作業をしていた。 我ながら恥ずかしい……)
千砂都「相律のWikipediaに書いてあったEulerの多面体定理との関連は……私も文献漁って調べてみたんだけど、よくわかんなかった!」
ミア「確かになんか式似てるよね……」(講義資料だけじゃなくて論文までも自分で調査してるのか……)
- 413 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 07:10:41.45 ID:tegdBPJG.net
- 〜線形代数(理系教養科目 必修)〜
かのん「藝大行くか数学科行くか直前まで迷ってて……こっち来たんだ」
ミア「げ、藝大!?」
ミア(直前まで迷うくらい両方とも高められるなんて……こういう人もいるんだな……ボクにもそんなこと言えるくらい学問と音楽の才能があれば……( ; ; ))
かのん「ちぃちゃんの影響で工学部も気になっててね! 今は音声制御に興味あって勉強してるんだ!」
かのん「いまちぃちゃんは土木の講義の方に潜ってるから私が代返してるってわけ!」
かのん「その代わり私が音楽史や制御の講義潜るときは代わりに出てもらってるんだよね……ズルだけど」アハハ
ミア「そんなことないよ、すごく高い志だよ……」
ミア(他の講義に潜るための代返だなんて……寝坊したりサボったりパチのために代返するボクらとは大違いだ……)
- 414 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 07:11:54.11 ID:tegdBPJG.net
- ミア「う〜ん……」
かのん「難しいよねそこ……教えようか?」
ミア「助かるよ……」
ミア(話によると、先の"土木のちーちゃん"とは幼馴染で、小学校から大学の学科まで全て同じらしい……)
ミア(理系科目に全振りのちーちゃん。 対してオールラウンダーのかのん。 いつでもお互いに足りないものを補い合ってここまで来たのだという)
ミア「すごいね……よくわかるね……」
かのん「私も相当躓いたし、いまでも全然よくわかってないよ……でも固有値も行列式も、制御で頻出だからさ」
ミア(わからないのレベルが絶対違う)
ミア(ランジュもボクと同じ学年だったら、こんなふうに競い合って励まし合ったりしたんだろうか……いや無理か、入学して思い知ったけどあいつは頭の出来がボクとはまるで違うからな……)
- 415 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 07:13:10.35 ID:tegdBPJG.net
- 〜生命科学概論(理系共通・必修)〜
可可「可可は工学部デス!」
ミア(なんだろう、お洒落さんなんだけど確かに工学が似合う……ダイジョーブ博士みたいな口調のせいか?)
ミア(同じ工学部機械工学科なんだけど、実験のクラスはボクと違っているからまともに話すのは初めてだ)
ミア「う〜ん……この問題、わかる?」
可可「これはデスね………これらのDNA配列から制限酵素が切断するヌクレオチドの配列……いまの場合だとGAATTCデスね、を見つけマス!」
可可「……すると切断されるのがこの2本のDNAだけデスから、この2つが結合し、組み替えが起こりマス!」
ミア「なるほど!」カキカキ
ミア(電子工作やプログラミングを好むこの女の子だけど、生物の知識についても明るい……というか熱意を持って学習している)
- 416 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 07:14:50.91 ID:tegdBPJG.net
- 可可「標的配列を持つDNAとプライマーとヌクレオチドとTaqポリメラーゼを混ぜて熱しマスとDNAが乖離して……冷やしマスとプライマーと塩基対を作り、相補鎖が形成され……」
可可「これを繰り返しマスと、標的領域が2^n倍に複製されるのデス!」
ミア「なるほど……」(わからん)
ミア(この子も留学生だから、講義のみならず日本語に英語も勉強しているんだよな……加えてお洒落ファッションもチェックして……なんてキャパシティだ!)
可可「それがpolymerase chain reaction……頭文字を取るとウイルス検査とかに使われマス、あのPCRなのデス!」
ミア「ああ、あのPCRね……」(あの!とか言われても……聞いたこと無いな……)
ミア(生物学なんて入学前にやってなかったからできなくて当たり前! なんて言い訳してた自分が情けない……)
- 417 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 07:15:58.85 ID:tegdBPJG.net
- 〜虹学教養プロジェクト(教養科目 必修)〜
ミア(これは我が虹大でリベラルアーツを名目に設置された謎の総合科目で、あらゆるフィールドのゲストの講演を聞いて感想書いたり、グループワークで趣味や最近読んだ本について発表し合う、という目的も効果も曖昧な授業なのだが……恐ろしいことに全学共通で必修!)
ミア(まあ、毎回のようにテーマから脱線してただのお喋り会となる。 そんなある回で葉月とかいう理学部の女の子が紹介してくれたのが『篁物語』。)
恋「ここ読んでみてください……ふふっ、えっちですよね……」
ミア(初対面のボクにいきなり古典の近親相姦エピを紹介し出して……なんなんだこいつ……)
ミア「……」(えっちだ……)
恋「小学校の頃から国語が好きで……本をよく読んでいましたね」
恋「理学部から文学部の学科へ振り分けできると思ってたんですけど、出来ないみたいで……転学科したいですね……」
ミア(当たり前だろ……こいつは何しに理学部来たんだ?)
- 418 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 07:17:16.25 ID:tegdBPJG.net
- 〜第一食堂〜
ガヤガヤ
かのん「あ、恋ちゃん、ミアちゃん」
千砂都「2人知り合いだったんだ?」
ミア(授業後、食堂でこのスケベなアホ女と猥談していたところ、かのんと土木のちーちゃんが合流してきた。 理学部繋がりのこの3人は既に友人であるようだ)
かのん「春学期の成績どうだった?」
恋「GPAが2を切ってました……」
千砂都「え!? なんで?」
恋「文学部の講義潜ってて……出席点だいぶ引かれちゃいましたし、ふつーに試験も悪かったですね」
ミア(エロ本ばっか読んでるからだよ……ちなみにボクは2をなんとか上回った。 英語科目をとー悪化で認定したおかげだ)
恋「みんな賢くて尊敬ですよ、ついていくのが大変です」
- 419 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 07:18:38.84 ID:tegdBPJG.net
- ミア(かのちぃにクゥすみは間違いなくボクよりGPA高いだろうな……)
ミア(だからボクより成績悪いやつがいて安心したよ。 やれやれ葉月クン……理系科目をおろそかにしていたらダメなんだぞ?)
かのん「あの理学部首席の恋ちゃんがねえ……」
千砂都「ねー」
ミア「!?」
ミア(今年の理系の入試の開示では……理学部の誰かがぶっちぎりの得点率を叩き出していて……てか理学部と医学部は二次試験に国語もあるから……)
ミア(医学部を差し置いて文句なしの首席じゃないか……こいつがウチの総代だったのか……)
恋「やめてくださいそんな昔のことを……恥ずかしいです、運が良かったですよ」
千砂都「またまたぁ〜」
ミア「……」
ミア(調子乗ってすみませんでした……)
- 420 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 08:06:57.71 ID:0Z7RX6cE.net
- リエラは恋意外まともで草生える
- 421 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 08:39:04.49 ID:jMSUzIXq.net
- スパスタ勢は真面目かと思ったら恋で草
- 422 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 09:27:53.21 ID:7n0tXF1v.net
- 恋は留年同好会の素質ありそう
- 423 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 14:05:31.31 ID:56pauYIO.net
- 医学部は採点が厳しい可能性があるから文句なしとはいえないかもな
- 424 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 16:11:10.53 ID:vQvts4IP.net
- 私文カスの俺も理系目指しとけば良かったな
こんな役に立たない学問やってもつまらんわ
- 425 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 16:22:50.85 ID:CwLsG91K.net
- どかちーはリアルどかちーになりそう
- 426 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 16:58:57.77 ID:hKH7gGm5.net
- 新コロの存在しない世界
- 427 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 21:46:20.50 ID:39fGketx.net
- 恋ちゃんはここでもエロサイトなのか
>>424
私文にいくようなやつが理系にいけるわけないだろ
- 428 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 22:06:21.79 ID:cfQ13HYN.net
- >>427
芝浦以外の四工大や千葉工辺りなら大丈夫でしょ
文系数学と言えど偏差値55くらいはあったし....ていうか推薦勢が付いていけるしわけだし
- 429 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 22:31:13.11 ID:0Z7RX6cE.net
- 出てくるキャラの生々しい描写とギャップが読み手の心を掴んで離さないSS
続きが待ち切れない
- 430 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 22:40:32.87 ID:39fGketx.net
- >>428
そうやって口先だけで嘘をついて行動しないから私文カスなんだよ
- 431 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 22:57:17.04 ID:GyUvWIN8.net
- >>430
めっちゃイライラじゃん
岡山大学田舎だからエママみたいにほわほわだと思ってたわ
- 432 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 23:01:46.76 ID:6Ab0+f0l.net
- 更新あったかと思って
来たらこれ
支援
- 433 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 23:27:03.92 ID:EUAXywyK.net
- >>431
私立文系カスだけど文系は役に立たない学問だから理系目指しとけば合格できてたわ〜
ラブライブ板でこんなこと書いてるヤツが
>>428のレベルに行けると思う?現実みろ
- 434 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 23:31:26.98 ID:GyUvWIN8.net
- >>433
行けると思う?って言われても>>428にある千葉工なんて文系科目だけでも入れるとこだぞ
- 435 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 23:40:43.81 ID:f3Qse9TY.net
- >>434
岡山県民よりイライラしてるな
ラブライブ板で私立文系カスなんて自分でいうヤツはそこの大学も無理だよ
- 436 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 23:45:48.29 ID:DYjtD9JT.net
- >>424
こういう理由で理系目指しても結局物にならず文句言ってると思うわ
自分で興味持って進める奴じゃないとどこに行っても同じ
- 437 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 23:47:50.79 ID:39fGketx.net
- 自分のせいで大学がつまらないのを文系だから理系だからとか言っちゃってる時点で駄目だよねえ
まだコロナのせいにしてるほうが理解できる
- 438 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 23:48:23.70 ID:GyUvWIN8.net
- >>435
千葉工を神聖視してそう
>>436
まあそれはそうだな
- 439 :名無しで叶える物語:2022/03/23(水) 23:56:12.71 ID:3E3zDAwU.net
- >>438
お前みたいに地方や大学を馬鹿にしてないだけ
- 440 :名無しで叶える物語:2022/03/24(木) 00:02:24.02 ID:kAT7k3yX.net
- そもそもこのSSだと面白おかしく書かれてるけどガチの理系なんてめちゃくちゃ厳しいだろう
文系がつまらないからなんて言い訳でついていけるわけがない
>>428は勉強してそこの大学に合格した人らに失礼
- 441 :名無しで叶える物語:2022/03/24(木) 00:04:06.34 ID:iQpvUqRf.net
- >>439
>>440
文系三科目かつ下手すりゃ6.5割で入れる理系大学なんてバカにされて当然でしょ
- 442 :名無しで叶える物語:2022/03/24(木) 00:04:53.52 ID:TjKQ8NVJ.net
- 学歴コンプレックスが無駄に埋めないでほしい
- 443 :名無しで叶える物語:2022/03/24(木) 00:07:45.88 ID:KrogqAtY.net
- らっかせいワイ、千葉工大の名前が出てきてにっこり
総武線で通る度に思うがあそこってキャンパス綺麗だよね
- 444 :名無しで叶える物語:2022/03/24(木) 00:10:25.74 ID:FJEWK+dx.net
- >>441
学歴板いけ私文カス
- 445 :名無しで叶える物語:2022/03/24(木) 00:12:07.92 ID:iQpvUqRf.net
- >>444
>>424の俺のレスにわざわざ煽りレスして来たアホに言ったら?
自分らで突っかかっておいて何言ってんだか
- 446 :名無しで叶える物語:2022/03/24(木) 00:14:49.19 ID:iQpvUqRf.net
- もうこれで終わりにするけど>>445で言ってる通り煽りレスしないで流せば良かっただけでしょ
無駄にレスバしに来て文句言うなら最初からレスして来るな
- 447 :名無しで叶える物語:2022/03/24(木) 00:58:56.96 ID:PJ7Wm4OY.net
- 頼むからレスバは辞めて・・・
留年同好会の続きを純粋に見たいんだ
- 448 :名無しで叶える物語:2022/03/24(木) 01:39:33.69 ID:NGxCBAwe.net
- 文系の学歴コンプ怖いなぁ
- 449 :名無しで叶える物語:2022/03/24(木) 01:47:05.36 ID:sz6YvxNi.net
- コンプレックスまみれの人っていつも無いものばっかりねだって今の環境を変える努力をしないよね
- 450 :名無しで叶える物語:2022/03/24(木) 02:27:05.33 ID:hPi1JYrh.net
- >>441
> 文系三科目かつ下手すりゃ6.5割で入れる理系大学なんてバカにされて当然でしょ
自ら私文カスを名乗って逆ギレした挙句他の大学はディスるとかキツいわぁ
- 451 :名無しで叶える物語:2022/03/24(木) 02:54:08.48 ID:lNk6MT+i.net
- ラ板の連中って学歴レスバ好きなんだな
- 452 :名無しで叶える物語:2022/03/24(木) 06:48:48.53 ID:he9CvwUN.net
- 続ききたとおもったらこれだよ
くだらんレスバは他所でやれ
- 453 :名無しで叶える物語:2022/03/24(木) 14:07:07.69 ID:3S/OrqgD.net
- 俺が未熟なだけかも知れんが作者の知識の範囲広くない?何者なん
- 454 :名無しで叶える物語:2022/03/24(木) 18:16:58.14 ID:bLSuj/Qd.net
- 頼む、続きが待ちきれないよ
- 455 :名無しで叶える物語:2022/03/24(木) 21:09:54.69 ID:kAT7k3yX.net
- >>453
講義内容もだけど大学の単位や進級の制度もくわしいか院までやったことがあるか
あるいは大学の教務や学生課で働いてる人かも
- 456 :名無しで叶える物語:2022/03/25(金) 03:07:41.37 ID:XYqN5d27.net
- 保守します
- 457 :名無しで叶える物語:2022/03/25(金) 07:32:40.09 ID:xOsSFr4p.net
- 支援
- 458 :名無しで叶える物語:2022/03/25(金) 12:05:45.02 ID:n2IKLbDy.net
- 続きはよ
- 459 :名無しで叶える物語:2022/03/25(金) 17:21:46.22 ID:10/Zb7OQ.net
- 続ききたと思ったらなんかレスバしてて草
続き待ってるわ
- 460 :名無しで叶える物語:2022/03/26(土) 00:23:13.58 ID:cOa2yGXD.net
- 週末なので保守
- 461 :名無しで叶える物語:2022/03/26(土) 05:34:22.09 ID:Bw11cSmW.net
- 保
- 462 :名無しで叶える物語:2022/03/26(土) 05:41:54.19 ID:tLG4NYQC.net
- 保
- 463 :名無しで叶える物語:2022/03/26(土) 16:34:21.18 ID:La/YDu4C.net
- 続きはよ
- 464 :名無しで叶える物語:2022/03/26(土) 18:55:50.91 ID:Q7OvRiXd.net
- 保
- 465 :名無しで叶える物語:2022/03/26(土) 20:21:36.24 ID:tLG4NYQC.net
- 松浦小原スピリッツ気になるから続きはよ
- 466 :名無しで叶える物語:2022/03/26(土) 22:12:27.24 ID:FyLclwoM.net
- >>382
俺もアニメディアは読んでいた
- 467 :名無しで叶える物語:2022/03/26(土) 23:43:12.28 ID:IjlOzcdD.net
- このサークルの適正があります!は爆笑してもた
凄く懐かしい気分になるSS
皆んな似たような大学生活送ってるんやな
- 468 :名無しで叶える物語:2022/03/27(日) 00:22:45.68 ID:GcD5hv3y.net
- 大学時代の楽しかった思い出がよみがえる
おっさんの人生で唯一輝いていたよ
- 469 :名無しで叶える物語:2022/03/27(日) 11:54:57.03 ID:WQegYICF.net
- 支援
- 470 :名無しで叶える物語:2022/03/27(日) 16:07:46.74 ID:j4ptRfev.net
- 更新止まってるな・・・
続きが欲しい・・・
- 471 :名無しで叶える物語:2022/03/27(日) 22:42:54.72 ID:jP5dfc0V.net
- 13話『留年はしたけれど……?』
- 472 :名無しで叶える物語:2022/03/27(日) 22:43:44.29 ID:jP5dfc0V.net
- ランジュ「あの……なんとかなりませんか」
ランジュ「出願の要件は満たしていたはずです……なんなら二次募集でも……」
ランジュ「……」
ランジュ「はい……はい……そうですか」
ランジュ「……」ガチャ
ランジュ「……」
ランジュ「……」
ランジュ「あ"あ"あ"あ"〜!!!!!!」ブワッ
- 473 :名無しで叶える物語:2022/03/27(日) 22:44:55.81 ID:jP5dfc0V.net
- 〜部室〜
ミア(夏学期の講義が終わり、試験も終わり……怒涛の8月上旬はあっという間に過ぎていった!)
ミア(教員達はもっとてんやわんやだろうな……期末試験やレポートの採点に大学院入試の実施……)
ミア(ボクらも締切ギリギリのレポートや、過ぎた課題の対処に追われるという……まあでも珍しく部室で有益な作業をしている)
「試験あったやつ1つも取れてる気しないんだけど……」
「それな〜」
「渋過ぎて澁谷かのんになった……」
「課題出しました?」「放置してる〜」
「まだひとつも出してないw」
ランジュ「……」ガチャ
「えっ?」「あれ?」
「ランジュさん?」
- 474 :名無しで叶える物語:2022/03/27(日) 22:46:58.44 ID:jP5dfc0V.net
- ランジュ「……」
ミア「珍しい来客、いや帰郷だな……院試はどうなったんだ?」
ミア(普段この部室に顔を出すことのないランジュがいきなり入ってきて……呆然と立っている)
ミア(口をぱっくりと開け、目元はウサギメイクのように赤い……やがて蚊の鳴くような声でぽつりと呟いた……)
ランジュ「……」
ランジュ「私……留年、する……」
「え」
「「ええっ!?」」
ミア(落第が生活の一部となっているこいつらも流石にどよめく。 それもそうだ……GPAが4のランジュがまさか……)
ミア「おいおい……マジか……! 一体何が……!?」
ランジュ「……受けられなかった」
ランジュ「寝坊して……院試受けられなかった……」ボロボロ
- 475 :名無しで叶える物語:2022/03/27(日) 22:47:55.34 ID:jP5dfc0V.net
- 〜〜
ランジュ「ここがスクールアイドル同好会ね!」
ランジュ「え? アイドルの動画見るんじゃないの? 若い女の子が腰振って踊ってる動画って……それAVじゃない!」
ランジュ「麻雀楽しいわね!……でもみんな、いいの? 講義出ずに遊んでばっかで……」
ランジュ「え、ええっ! お昼からお酒を!?」
ランジュ「ダメよあなた達! 授業にはちゃんと出ないと!」
ランジュ「ほら侑も!」
ランジュ「……」
ランジュ「そ、そんなんだから単位落とすんじゃないの!?」
ランジュ「……ッ!」
ランジュ「わ、私は……」
ランジュ「……私は4年で大学卒業してやるって言ってんのよ!」
- 476 :名無しで叶える物語:2022/03/27(日) 22:48:56.80 ID:jP5dfc0V.net
- 〜自宅〜
ランジュ「……」
ピロン
ランジュ(教授からのメール! 見るのが怖い……)カチッ
ランジュ「……」
「大学院入試を受験できなかったこと、その理由がやむを得ない事情ではなく本人の責に帰すべき事情によること、〇〇先生からも伺いました。 このような知らせを聞くのは、まことに残念です。」
「今後の予定を話し合いましょう。 このメールを確認し次第、すぐ返信して下さい。」
ランジュ(ああ……たった一発で……今までちゃんとやってきたつもりでも……たった一度で"こちら側"へ陥ることもあるのね……)フラフラ
ランジュ(し、しにたい……)
ランジュ「……」
- 477 :名無しで叶える物語:2022/03/27(日) 22:49:28.81 ID:jP5dfc0V.net
- ランジュ(……返信がめんどくさい)
ランジュ(いまどうにかしたところで……もう一度院試を受けられるわけじゃないもの……)
ランジュ(力が入らないわ……)
ランジュ「……」
- 478 :名無しで叶える物語:2022/03/27(日) 22:50:21.14 ID:jP5dfc0V.net
- 〜〜
「私には無理だよ……大学入ってからわかったよ、私勉強苦手だったんだ」
ランジュ「そんなことないわよ……」
ランジュ「出席して……課題出せば単位来るじゃない……」
「もう期限切れてるもん……」
ランジュ「今からでもきっと受け付けてくれるわよ、メールで送れば……」
「どうしてもやる気が出ないんだよね〜……」
ランジュ「本当に留年しちゃうわよ……?」
「危機感もないもん、ここで焦る人だから単位取れるし卒業できるんだろうけどさ」
ランジュ(やさぐれてしまった……どうして……)
- 479 :名無しで叶える物語:2022/03/27(日) 22:51:08.23 ID:jP5dfc0V.net
- 「やらないで後悔するよりやって後悔したほうがいいとか言うけどさ、あれ逆だよね」
「やらないで失敗した方が言い訳できるもん……できなかったんじゃなくて、私はやらなかっただけだって」
「目標とかもないの。 大学入って何するかとか、なにも考えてきてなかったから」
「わかってるよ、こうしてても何も解決しないってこと。 でも、だめなんだよ」
「こうしてないと耐えられないんだよ」
「ランジュ(ちゃん)には多分わからないんだろうね」
「アドバイスはありがたいけどさ、別にそんなのわかりきってるし、求めてないから……」
ランジュ「……」
- 480 :名無しで叶える物語:2022/03/27(日) 22:52:50.17 ID:jP5dfc0V.net
- ランジュ(留年は、珍しいことではないらしい。 虹大でも4年で卒業出来る人は全体の8割で……私の学部でも2〜3割近くが留年あるいは中退をする)
ランジュ(高校生の留年率は1パーセント。それと比較すれば、大学生の留年というものは個人の失敗や態度だけに原因があるわけではなく、大学のシステムの側にもこれらを生み出す問題がある、という推論に異論はない……)
ランジュ(ましてやこの子たちは小学校中学校、高校の教育課程で知識を順当に積み上げ、入試科目を高いレベルまで仕上げ、合格点を取ってきた。 周りになんら劣っているわけではなく……むしろやれば出来るはずの子たちであることには間違いないなのだ)
ランジュ(競争社会の価値観を刷り込まれた末に抱いた己の能力への不信感と無力感、学修への自信と興味、アイデンティティの喪失、先行きの見えない未来からの逃避と孤独……やがてそれらは留年という具体的な障害を伴って、より深刻な失調を呼び寄せて……更なる負のスパイラルに陥らせる)
ランジュ(こんな私がやっても無駄だと……こんな私がなれるものなど何も無いと……そうして自己嫌悪は延々と、果てなく続いていく。 ……だからこそ、このスパイラルから抜け出すために、無理にでもやってのけてみせて、その結果から自信を獲得しなければならないのに……)
ランジュ(彼女たちがすべきことは……同士で集まって自分達の無力さを肯定し合うことではないはずなのに……)
ランジュ(……いや、彼女たちの言ったことはきっと正しい。 そこには彼女たちの苦しみと迷いがある。 そして私は、それらを、それらが絡み合って生まれた更なる負い目を……どれ一つ取っても本心から分かってあげられない……ゆえに私が出来ることなど、私が寄り添うことなど……余計なお世話以外の何物でもない……)
ランジュ「そうね……確かに私のお節介だったわね……」
ランジュ「でもね……」
ランジュ「……」
ランジュ「いいえ、なんでもないわ……」
ランジュ(もう、ここへは来られない)
- 481 :名無しで叶える物語:2022/03/27(日) 22:54:23.75 ID:jP5dfc0V.net
- 〜〜
ミア「ど、どうするんだ……就活するのか」
エマ「ほ、他の大学の大学院とか……今からでも、探してみたら? 専攻は変わっちゃうかもだけど……秋とか冬にも募集してるとこ、あるはずだよ……?」
ランジュ「……」
ランジュ「親とも話したわ……」
ランジュ「教授とも、話した……」
ランジュ「他大の院も……秋就活も……考えた」
ランジュ「でも……」
ランジュ「でもやっぱり私、ここの院に行きたいの……」
ランジュ「だから留年して……来年もう一度院試受けるの……」ポロポロ
みんな「……」
- 482 :名無しで叶える物語:2022/03/27(日) 22:55:28.48 ID:jP5dfc0V.net
- ミア(空気が重い……こいつらのことだからこういうときゲラゲラ笑い飛ばしてくるのかと思ってたけど、そうでもないんだな……)
ランジュ「……」
みんな「……」
ミア(涙を流して語るランジュから視線を外して、みんなはそれぞれ俯いていた……)
ミア(もしかしたら、かつて自分がこうなってしまったときのことを、そのときの気持ちを……思い出しているのかもしれない)
ランジュ「……」グスグス
ミア(それにしてもランジュ……この前まで受験番号が素数なことに喜んでいたり、数学科の院に進学することを、入院!入院するのよ! とか呼んでケラケラ一人でウケてたのに……あの時のランジュの笑顔が思い浮かんできてボクも悲しくなってくるな……ていうかなんで寝坊したんだ?)
- 483 :名無しで叶える物語:2022/03/27(日) 22:56:14.22 ID:jP5dfc0V.net
- ランジュ「ひっく……えぐ……」
かすみ「1年空白になっちゃいますけど……なにか活動すればキャリアに傷付きませんって! ほら、短期留学とか……」
しずく「そ、それいいかも! 私もこの機会に劇団に専念してみよっかな〜……」
栞子「時間あるなら東大に仮面浪人するとか……」
璃奈「……」ボカッ
栞子「痛っ!」
ランジュ「親に顔向けできないし……なによりこの先が不安で不安で……」
愛「げ、元気だそ?」
歩夢「1年間好きなことできるし……」
菜々「そうですよ……好きな本読み漁って過ごす一年とか、今思えばそれはそれで楽しかったですよ……」
- 484 :名無しで叶える物語:2022/03/27(日) 22:56:45.13 ID:jP5dfc0V.net
- 彼方「人生長いんだしさ〜、一年くらいなんとかなるっしょ……」
果林「ほら、ね? 私たちなんか3留しそうなんだから……それと比べたら一留なんて……ストレートもストレートよ!」
ミア(励ましをかける部員たち……その内容はあまりにもぺらっぺらだ……それもそうだ、だってなんとかなる、というのは慰めというよりは本人たちの願望でしかないし……実際なんとかなっている訳ではない!)
ランジュ「うう……うう……」グスグス
- 485 :名無しで叶える物語:2022/03/27(日) 22:57:44.27 ID:jP5dfc0V.net
- ミア(そんな中、重い空気を破ったのはランジュとギスギスしていたあの侑さんだった……)
侑「ランジュ……」
ランジュ「……なによ」
侑「その……私が言えることなんてこれくらいしか無いんだけどさ……」
侑「えっと……ひとつだけ」
みんな「……」
ランジュ「……」
侑「え!? たった4年で大学卒業を!!?」
みんな「!!?」
ランジュ「くぅ〜…………!!」
ランジュ「できラぁ!!!」ポロポロ
「「うお……!」」
「「うおおおおおおお!!!!」」
- 486 :名無しで叶える物語:2022/03/27(日) 22:58:53.39 ID:EmoEZYGt.net
- 続き来た
- 487 :名無しで叶える物語:2022/03/27(日) 22:58:56.60 ID:jP5dfc0V.net
- ミア「うはははは!!」
璃奈「Welcome to Undergraduate...」ボソッ
しずく「さあさあ、そんなこと飲んで忘れましょ!」
果林「暇になっちゃったんだし、たくさんいろんなとこ行けるじゃない?」
菜々「今だからできること、考えられること、たくさんあるはずです……!」
彼方「遊びまくるかバイトしまくれ!! この一年は天からのプレゼントだぁ!」
栞子「ダブって良かったって思えるくらい楽しんじゃえば勝ちですよ!」
歩夢「辛くなったらいつでも私たちもいるし……ゆっくりやって行こうよ」
エマ「そうそう!ここにはランジュちゃんの他に12人も留年生いるんだから!」
「「がははははは!!」」
ランジュ「うう〜っ!!」ポロポロ
かすみ「ちょっとお! 私はまだ留年回避ありますからね!」
愛「無理だろ〜w」
ミア「ははは!」
- 488 :名無しで叶える物語:2022/03/27(日) 23:00:01.62 ID:jP5dfc0V.net
- ミア(夏学期の講義が終わって、試験も終わって……課題はあるけど、待ちに待ったボクらの夏休み! ランジュは1年夏休みが続くし……)
ミア(サークルではきっとこれからもダラダラグダグダと楽しいことが盛り沢山だ! トキメキが止まらない!!)
ミア「……ん?」
ミア(……ランジュの他に12人だろ? エマさん、果林さん、彼方さん……愛さん、歩夢さん、菜々さん、侑さん……璃奈、しずく、かすみ、栞子……あと1人)
愛「ほらほらハッピアワー! 今ならギリギリ間に合うよ!」
「「うおおおおおおお!!」」
ミア「おい! ボクを勝手に留年にカウントするな!!」
ドタドタドタ…
- 489 :名無しで叶える物語:2022/03/27(日) 23:01:23.43 ID:jP5dfc0V.net
- ありがとうございました
この春入学される方は、おめでとうございます
- 490 :名無しで叶える物語:2022/03/27(日) 23:10:36.78 ID:tASDMVzU.net
- 乙
面白かった!
- 491 :名無しで叶える物語:2022/03/27(日) 23:12:00.51 ID:7XpAb7E/.net
- おつ
- 492 :名無しで叶える物語:2022/03/27(日) 23:13:20.30 ID:U6+vx9HO.net
- 友情物語に見せかけて内情は底辺の自堕落模様なのが良いラスト
- 493 :名無しで叶える物語:2022/03/27(日) 23:19:36.99 ID:W7WSd7c4.net
- 乙です、最近の楽しみでした
かなまりあたりの詳細がちょっと気になる
- 494 :名無しで叶える物語:2022/03/27(日) 23:26:29.11 ID:uuKO1Keu.net
- 遂に終わったのか、本当に面白かった乙乙
- 495 :名無しで叶える物語:2022/03/27(日) 23:32:11.54 ID:a/lH/2ag.net
- おつ、めっちゃ面白かった
スピンオフみたいな感じで先輩たちの設定もあれば是非お願いしたい
- 496 :名無しで叶える物語:2022/03/27(日) 23:33:20.44 ID:j4ptRfev.net
- >>489
もしもまだ続きを書ける気力があるなら続きお願いします!!!
アクア世代の松浦小原スピリッツの詳細が気になるので過去回想回やその辺の話をみたいです。
このSSは間違いなく最近の生き甲斐でした。出来るならば続きをお願いします!
- 497 :名無しで叶える物語:2022/03/27(日) 23:39:25.77 ID:J7awF6g/.net
- 良かったぞ
- 498 :名無しで叶える物語:2022/03/27(日) 23:53:58.13 ID:zCW0wLcJ.net
- 完結乙
このSSを見て虹ヶ咲のモチベ上がったわ
本当に感謝している
- 499 :名無しで叶える物語:2022/03/28(月) 00:02:54.36 ID:+0z1LBpI.net
- 大学生活が懐かしくなった 乙
- 500 :名無しで叶える物語:2022/03/28(月) 00:20:58.18 ID:2xI/gyyr.net
- エマって善子より年上なんだよな
何歳なんだ
- 501 :名無しで叶える物語:2022/03/28(月) 04:03:03.11 ID:M11n73h7.net
- 乙
何だかんだ楽しそうで面白かった
- 502 :名無しで叶える物語:2022/03/28(月) 06:45:55.54 ID:8h2OoVGF.net
- >>489
乙です
大学の楽しかった思い出がよみがえりました
レポートとかディスカッションとかでかなり死にそうな目にあったのに
研究会のみんなで楽しかったことしか思い出せないのはやっぱり幸せだったんだろうな
- 503 :名無しで叶える物語:2022/03/28(月) 12:53:43.54 ID:c1iTIxmW.net
- めちゃめちゃ面白かった!!乙!!!!
- 504 :名無しで叶える物語:2022/03/28(月) 12:56:58.74 ID:c1iTIxmW.net
- 夏休みからのシーズン2もいつか…!!
- 505 :名無しで叶える物語:2022/03/28(月) 18:31:24.86 ID:4X+3JLTh.net
- 乙です。マジでおもろかった。
ネタが豊富で見てて懐かしくなりながら見てた。
他のssとは異質な感じも良かったぞ
- 506 :名無しで叶える物語:2022/03/28(月) 18:59:39.58 ID:y1ZLEZ/Q.net
- めちゃ面白くて笑った
ありがとう
- 507 :名無しで叶える物語:2022/03/28(月) 19:27:18.16 ID:+rcWDlJg.net
- あの世界の虹メンバーは全員触れたくない過去やしがらみを最低一つ持ってるのがいいな
- 508 :名無しで叶える物語:2022/03/28(月) 20:50:21.65 ID:byFBOFzw.net
- ミア主人公なのいい
- 509 :名無しで叶える物語:2022/03/28(月) 22:55:17.51 ID:n6rBlJFl.net
- 乙
ここ最近の楽しみでした
- 510 :名無しで叶える物語:2022/03/28(月) 23:47:27.41 ID:XmkTu7RS.net
- >>89
ここの気持ちよくわかるわ…
そのまま卒業してしまったが
- 511 :名無しで叶える物語:2022/03/29(火) 09:08:17.52 ID:45C+CPvX.net
- ミアもいずれは同好会の仲間入りを果たすんだろうな
もうだいぶ染まってるし
- 512 :名無しで叶える物語:2022/03/29(火) 10:44:27.89 ID:Fu76Y9Jn.net
- 終わってしまったのか
面白かったよ
- 513 :名無しで叶える物語:2022/03/29(火) 15:03:32.53 ID:Ta71ME30.net
- 今は普通に正社員で働いてる30代後半だけど、2回留年したし卒業後はニートだったし色々懐かしくて涙出そうになった
まさかラ板のSSで泣きそうになるとは思わなかった
- 514 :名無しで叶える物語:2022/03/29(火) 18:24:42.05 ID:ibAQXgaH.net
- 完走乙、このまま終わらずダラダラ続けてほしいくらい好きだった
- 515 :名無しで叶える物語:2022/03/29(火) 20:06:36.83 ID:ehYFSTdG.net
- なんかこういう自堕落日常系ラブライブSSって他にない?
- 516 :名無しで叶える物語:2022/03/30(水) 01:56:31.18 ID:Zct6/Atn.net
- >>514
ミアも留年して本当の意味で同好会入りするまで続けてほしかったかも
- 517 :名無しで叶える物語:2022/03/30(水) 23:29:20.87 ID:2J+4jTDV.net
- エマさんの存在感よ
- 518 :名無しで叶える物語:2022/03/31(木) 21:15:22.93 ID:BiD2FF+v.net
- かすみは学部どこなんだ
- 519 :名無しで叶える物語:2022/04/01(金) 07:42:14.44 ID:xLa61XD+.net
- 13.5話『免許もない!』
- 520 :名無しで叶える物語:2022/04/01(金) 07:44:00.89 ID:xLa61XD+.net
- テテン♪テテン♪テテテテテテテテ♪
「ヤツの車が近付いている!? そんなバカなことあるわけねえ!」
「追い付かれた!? 気が変になりそうだぜ……!」
キキーッ!!キュルキュルキュル
ミア「あ、これらきすたで見たことあるやつだ……」
ランジュ「逆でしょ」カキカキ
ミア「かっこいいなあ……ランジュも今度これやってみてよ」
ランジュ「私の車軽なんだけど……FFだから多分それ出来ないわよ……」カキカキ
ミア「らきすたでは軽だったぞ」
ランジュ「だからそれはパロディだから……あと音量下げて」カキカキ
ミア「何だと〜! このスキール音を聞いて! 胸が! 血潮が! 騒がないのか!!」キキィイイイイイイキュルキュルキュル!!!
ランジュ「ちょっと! 院試近いの!」
ミア「まだ1ヶ月くらい先じゃないか……う〜む、ボクも公道最速理論やってる研究室行こうかな……」
ランジュ「あるわけないでしょ……道交法守りなさい」カキカキ
- 521 :名無しで叶える物語:2022/04/01(金) 07:45:38.12 ID:xLa61XD+.net
- 〜部室〜
ミア「ATかMTか……MTかなあ……」パラパラ
彼方「ミアちゃん免許とるの〜?」
ミア「まだ決まったわけじゃないけど……ちょっと興味あってね……みんなは持ってるの?」
愛「もち! 愛さんはATだよ〜」
栞子(AT……アシストタイム?)
璃奈「工学部ならMT一択。AT限定の女はキンタマ付いてない。」ヌッ
愛「え〜っ?」
ミア(どういうこっちゃ)
璃奈「愛さんはそれでも工学部? 女? キンタマ付いてる?」
愛「でもりなりー前事故ってなかった?w しかもあのレンタカーATだった気がするなあ〜w」
「「がはははは!」」
璃奈「どうしてすぐそういうことバラすの。」カアア
- 522 :名無しで叶える物語:2022/04/01(金) 07:46:22.65 ID:xLa61XD+.net
- 彼方「合宿で取るの?」
ミア「そのつもりですよ。 ちょっとした旅行も兼ねてね」
彼方「楽しそ〜、ここの免許持ってない子たちで合宿免許とか? 彼方ちゃんも行きて〜」
ミア「それアリだな〜! 持ってないのはしずくと栞子と侑さんか。 日程合わせられるかな?」
璃奈「なら急いで取りまとめて申し込んだほうがいいね。 9月は人が多いから。」
ミア「そうなんだよな、だからとっとと予定組まないと……うちはサークルの行事とかないの?」
愛「どーだろ? 無いんじゃない?」
ミア「え〜っ! 他のサークルはどこかしら行ってるのに」
彼方「そ〜だねえ……なら今度海でも行く? お台場の」
ミア「徒歩0分じゃないか! 泳げないし……あんなとこ見てどうするんですか」
璃奈「うちは突発で行動すること多いから。 でもみんなで旅行行ったことはあるよ。 去年の秋学期に思い付きで月火水を自主休講して行った。」
ミア「講義に出ろ!」
- 523 :名無しで叶える物語:2022/04/01(金) 07:47:16.36 ID:xLa61XD+.net
- 〜〜
ミア「運転免許は大学生のうちに取っておくものらしい。 身分証明書として保険証とか学生証を出すのはなんだかアレだしな……いや別に悪くはないが……」
ミア「同好会のメンバーも意外とちゃんと取っている。 もちろんかすみや歩夢さんは講習をサボって取得までに半年以上かかっていたり、果林さんのように更新期間を忘れて余計な金を払わされたりしたりとかしてるけど……」
ミア「エマさんは向こうの免許証だった。 条件を満たせば日本でも有効だという」
ミア「彼方さんはお金をケチるため、そもそも教習所に通ったことがないらしい。 どうやって取ったんだ……」
しずく・侑「「う〜っす」」
栞子「お金、持ってきました!」
ミア「よーし! 早速生協に申し込みに行こう! プロジェクトD(台場)で関東最速のチーム目指すぞ!! まずは大黒PAにたむろしてるルーレット族を殲滅だ!」
「いや私たちは普通にATだけどね……」
- 524 :名無しで叶える物語:2022/04/01(金) 07:48:05.55 ID:xLa61XD+.net
- 〜自宅〜
ミア(さてあれから日付がだいぶ過ぎ、いよいよ入校日は明日! ……に迫って大慌てで荷物を詰め込むボク! ……の側にはガラにもなくベランダでたそがれるランジュ)
ミア「どうしたんだランジュ……アメスピなんか吸って……」
ランジュ「……辞めてたんだけどね」スパー
ミア「そんな気落ちするなよ……一年モラトリアムが増えたと思えばいいじゃないか」
ランジュ「そうね……」
ランジュ「……」
ミア(こいつタバコ吸うんだな……しかも中華とか中南海じゃなくてよりによってアメスピを……いや香港だから別にいいのか?)
ランジュ「はあ……」スパー
ミア(こいつ家に一人にして大丈夫かな……まあ行くけど)
- 525 :名無しで叶える物語:2022/04/01(金) 07:49:17.01 ID:xLa61XD+.net
- 〜沼津駅〜
ミア(品川を出発し、東海道線に揺られ揺られ、小田原を抜け熱海を抜け、三島を通過して……ホテルのある沼津駅に到着! そしてそんなこんなで……教習所だ!)
ミア(ちなみに金は……ランジュの母上から借りた! 返すのは10年後でも20年後でも……とにかくいつでもいいって! 謝謝!)
〜適性検査〜
ミア「ふう……ま、こんなところかな」カキカキ
「重大事故傾向タイプ」
ミア「……」
ミア(初回の座学で、丸をひたすら書いたり矢印を書いたりする意味不明なテストを受けさせられボクたちの運転適正をいつの間にか評価された……一体これでボクの何が分かるって言うんだ!)バアン!
ミア(ちなみにしずくもボクと同じタイプで、トロい栞子はもらい事故タイプ。 侑さんは事故違反多発タイプ……やっぱこの試験、意外と的確なのかもしれない……)
「「私たち向いてないのかな……」」
- 526 :名無しで叶える物語:2022/04/01(金) 07:50:11.90 ID:xLa61XD+.net
- 〜所内コース〜
ミア「うわあ!!」ガクガクン!プスン……
「はははは! 早速エンストしちゃったねえ、最初は誰でもそんなもんだよ」
ミア「ぐっ……コーナー難しいな」
「カーブね……走り屋じゃないんだから……」
ミア「う〜ん……カウンターステアの感覚が慣れないな……」
「しなくていいからね……あと所内で5速も入れなくていいから……」
ミア「これが……溝落としに慣性ドリフト!」ガリガリキュルキュル
「脱輪だしスリップしてるだけですよ! そろそろ真面目にやらないと怒りますよ!」
- 527 :名無しで叶える物語:2022/04/01(金) 07:50:52.64 ID:xLa61XD+.net
- しずく「S字ぶつかりまくって一度も抜けられなかったけど泣いたらハンコ貰えちゃった!」
栞子「落ちるの得意なので効果測定も落ちちゃいました……」ヘナヘナ
ミア「未だに半クラに慣れないよ……こんなんで仮免受かるんだろうか……」
ミア「あれ? 侑さんいないな……」
しずく「さっき可愛い高校生の男の子逆ナンしてたよ? だから今日は戻ってこないんじゃないかな?」
ミア「え〜……じゃあ今夜はボク1人か……。 そっちの部屋行っていい?」
しずく「うん。 せっかくだしちょっとお酒買ってこよっか」
栞子「性に奔放な女子大生……」ゴクリ
しずく「あれは真似したらダメだよ? 犯罪だからね?」
- 528 :名無しで叶える物語:2022/04/01(金) 07:52:03.70 ID:xLa61XD+.net
- 〜〜
ミア(わざわざボクが沼津の教習所を選択したのには理由がある! 実はここは、とある有名アニメの……聖地なのである!)
ミア(つまりは合宿の自由時間に作中に出てきた名所を駆け巡ったり! 沼津港でお魚やプリンやバーガーを食べたりできるのだ! 欧蘭陀館にびゅうお! リコー通りに、つじ写真館! 松浦酒店! ……はあいつらには何これ? って言われたけど……)
ミア(善子さんの実家のマンションの写真も撮ってきた。 でもよく考えたら全然関係なかった〜!!)
ミア(夕食後はボクと侑さんの部屋で、持ち込んだプロジェクターでアニメの上映会だ!)
侑「……これ最後どういうこと?」
しずく「途中からよくわかんなかった……」
ミア「こ、これはその……リアルライブでアニメが完成するっていうやつで……メディアミックス作品の醍醐味だよ……」
栞子「ルールの逸脱行為はとても魅力的です……!」
侑「トロッコ使うってこと他のメンバーに隠す必要なくない?」
しずく「純粋な疑問なんですけど深夜に入学希望者ってあんなに増えるもんなんですかね……」
栞子「バスが空を飛ぶなんて……常識的にあり得ません……」
ミア(もうやめてくれ……! お前らだって報連相できないし……課題とかESを期限ギリギリに出すじゃないか……あといいだろ別に! バスが飛んだって!)
- 529 :名無しで叶える物語:2022/04/01(金) 07:53:25.99 ID:xLa61XD+.net
- 〜〜
ミア「実は……内浦に行きたいんだけど……」
侑「内浦? 何かあるの?」
ミア「その、サンシャイン!!の聖地で……」
しずく「また? まあいいけど……」
ブロロロロ……
侑「あ"つい"……バス高すぎ……片道1000円払ってなんでこんな田舎に……」ダラダラ
ミア(クソ暑い中こいつらを連れ回すのは気が引けるが……これぞ巡礼! どうやら同じ目的であろう痛車や痛Tシャツのオタクも沢山いる!)
ミア「アニメに出てきたあの海岸……!」カキカキ
しずく「Aqoursって文字列あちらこちらに書かれてますね……ていうかこれなんて読むんだっけ……?」
栞子「あの人たち一体なんの写真撮ってるんでしょうか……ただのバス停に船の停留所なのに……」
ミア(作中に散々出てきただろ! お前らアニメなんにも見てなかったのか!?)
侑「あ、水族館だって! 中涼しそうだし行こうよ!」
ミア「いや、それはまた今度だ」スタスタ
「「え〜!? っていうかまたここ来るの!?」」
ミア「今日は中学校に行く!」
「「中学校!? なんで!?」」
- 530 :名無しで叶える物語:2022/04/01(金) 07:54:01.67 ID:xLa61XD+.net
- ミア(長井崎中学校前のバス停の小屋にやってきて写真撮影! 通りすがりのオタクを呼び止め、ボクのスマホを渡す……バケモン暑い日差しの中、協力してくれて謝謝!)
ミア「侑さんは左手をしずくの右手と顔の間に通して! 栞子はしずくの左で万歳! あっこら動くな!」
「い、いきますよ〜3、2、1……」パシャ
ミア「OK! あとはこれを合成すれば……!」
「「ね〜……もういい?」」
ミア「ほら! 完璧だ! 見てくれ! 一期EDの再現だ!」
「「ふ〜ん……」」
- 531 :名無しで叶える物語:2022/04/01(金) 07:54:41.40 ID:xLa61XD+.net
- 〜〜
ミア「路上は緊張するな……しかし実際の道路を走る車に混じるというのはなんだか、ようやく社会の一員になった気分だ!」ブロロロロ
ミア「普段目にはしていたけど通行したことのない部分を通るわけで……なんとなくひでんわざのなみのりを使えるようになった感じもする……」
しずく「縦列駐車も方向変換一度もできなかったけど泣いたらハンコ貰えちゃった!」
栞子「今度は効果測定落ちたくないです……」ブルブル
ミア「あれ? 侑さんは?」
しずく「侑さんならさっき指導員のさわやかなお兄さんと……」
ミア「またか……そんなに棒握るの好きならMTにすれば良かったのに……」
- 532 :名無しで叶える物語:2022/04/01(金) 07:55:21.66 ID:xLa61XD+.net
- ミア(第2段階は座学も技能もギッシリ詰められ、夜くらいしか自由時間がなかった。 毎晩干物定食海鮮丼天丼深海魚バーガーをローテして、夜はどちらかのツインルームでローカルテレビやYouTubeを流しながら、干し貝をつまみに酒を飲んだり麻雀を打つ……)
ミア(あとは東名だかの高速に乗ったり応急救護の講座を受けたり……そうしていたらあっという間に卒検だった)
ミア(卒検は落とす気がないような検定だった。 変なことしようとすると「本当にそれ大丈夫?」とか言われるし、難しい方向変換も「このあたりでハンドル切ってバックしたら入りそうな気がするなぁ〜」とか教えてもらえるし……。 それでも合格に飢えていた栞子は泣いて喜んでいた。 よ、良かったね……)
- 533 :名無しで叶える物語:2022/04/01(金) 07:56:18.01 ID:xLa61XD+.net
- 〜内浦〜
栞子「楽しかったです! あとは府中か鮫洲に本免受けにいくだけですね!」
しずく「あ、私住民票移してないからどこになるんだろう……」
侑「あ〜……明日からバイト漬けだよ〜……」
しずく「そういえば侑さんインターン行かないんですか? かすみさんとか行ってますよ確か」
侑「行かないよ〜w 来年も卒業できないしw」
ミア(セブンイレブンでコーヒーを買って、その近所でボクらは内浦湾に沈んでいく夕日を眺めていた)
侑「わお」
しずく・栞子「すてき……」
ミア「……」(すげ〜……)
ミア(太平洋側に住むボク達は、日の出ずる海は見られるが、日の没する海はなかなか見られない。 夕焼けに染まる水面は感動的だ……。 くっしりした朝焼けと違って、ぼんやりと優しい赤と橙に包み込まれるような気がする……空気の温度の違いだろうか、あとで調べてみよう)
侑「さ、そろそろ市街に戻ろっか! 最後の夜はどこで食べる!?」
ミア(淡島は行けなかったけど……他は思いつく限りのところは全部回れた! 大満足だ!)
- 534 :名無しで叶える物語:2022/04/01(金) 07:58:12.77 ID:xLa61XD+.net
- ギャハハハ!!
ミア(帰りは侑さんがイキリオタクに声を掛け、彼らのヴォクシーをタクシーにして駅まで戻った)
ミア(車内は当然ラブライブの曲が爆音で流されている。 通り過がるとズンズンうるさい、あの状態になっていることだろう)
ミア(あ……Guilty Kissだ……)
「フェッすンマぬぅッ……アッ!!んーべェ〜イっ(高音)toワいィ^〜↑↑いン!!!ぎぅてぃきっす♡」
ミア(愛奈ちゃんの歌声は心に沁みるなあ……)
ブロロロロ……
ミア(教習所に通う前後で公道を見る目が変わる……道路標識ってこんなに多かったんだな……)
ミア(いつかこんな風にみんなで車を運転して走ってみたいな……そういえば土肥駐車場も行けなかったな、西伊豆スカイラインをみんなで攻めたい……)
「このあと飲み行くの?w 俺らも混ぜてよ〜w」
ミア「男子禁制! ……ん?」
ブロロロロ……
ミア「!?」
ミア(な、なんだ!? いまワーゲンバスが空を飛んでいたような気が……)
ミア「……」
ミア(いや、気のせいか……)
- 535 :名無しで叶える物語:2022/04/01(金) 09:09:42.43 ID:XV0uGxQI.net
- おお、続き来てたか!!
- 536 :名無しで叶える物語:2022/04/01(金) 09:09:52.97 ID:g6sz8x/D.net
- 来た!
待ちに待ってた!
- 537 :名無しで叶える物語:2022/04/01(金) 16:10:43.58 ID:PNHRE98z.net
- 善子は一体どういう扱いなんだw
- 538 :名無しで叶える物語:2022/04/01(金) 17:10:28.40 ID:qkvkfo8z.net
- アクアで判明してるのって
善子→院生(留年経験アリ)
ルビィ→院生?
まり→退学
かなん→退学
以上だけ?
- 539 :名無しで叶える物語:2022/04/01(金) 17:37:58.17 ID:GUzLW+IT.net
- 傷心ランジュかわいすぎるな
- 540 :名無しで叶える物語:2022/04/01(金) 17:50:01.55 ID:CDYZ1NGv.net
- 続き来た!
チェックしててよかった
>>537
サンシャインのキャラがOGとして存在してるけどアニメはアニメとしてあるんじゃね
- 541 :名無しで叶える物語:2022/04/01(金) 19:41:29.38 ID:bzxlwhAX.net
- >ミア(善子さんの実家のマンションの写真も撮ってきた。 でもよく考えたら全然関係なかった〜!!)
これは善子の実家の住所知ってたからつい撮っただけで、このSSのアニメとは関係ないと思う
関係なかった言ってるし
- 542 :名無しで叶える物語:2022/04/02(土) 13:17:03.01 ID:inRodWei.net
- 良き
- 543 :名無しで叶える物語:2022/04/02(土) 23:56:49.29 ID:T3rOGbDP.net
- 続き楽しみ
- 544 :名無しで叶える物語:2022/04/03(日) 13:52:52.41 ID:lnRPbzSP.net
- 続き来てる
楽しみだよ〜
- 545 :名無しで叶える物語:2022/04/03(日) 22:52:32.11 ID:Ub1UMU7n.net
- 支援
- 546 :名無しで叶える物語:2022/04/04(月) 07:27:21.55 ID:DgiZHHOX.net
- 保守します
- 547 :名無しで叶える物語:2022/04/04(月) 09:06:32.82 ID:CN96XVI4.net
- 相変わらずミアのツッコミキレキレで面白い
- 548 :名無しで叶える物語:2022/04/04(月) 14:37:26.15 ID:n55AJ47R.net
- >>538
梨子がrico27なのと6話で璃奈にキレられた先生がダイヤさんっぽい
- 549 :名無しで叶える物語:2022/04/04(月) 22:06:31.83 ID:0QYuEtaQ.net
- 支援
- 550 :名無しで叶える物語:2022/04/05(火) 07:30:15.84 ID:p0OrfAbO.net
- ζ ノᴗ ˘´Y
- 551 :名無しで叶える物語:2022/04/05(火) 08:58:21.94 ID:cOoRBDE4.net
- 田んぼの様子がおかしいってなんだよと思って調べたらマジで存在してて笑った
- 552 :名無しで叶える物語:2022/04/05(火) 10:10:22.46 ID:/OJ+ALH0.net
- >>548
無印は教授、海は院生か卒業退学組、星は1年生っぽいからダイヤさんはたぶん違う
- 553 :名無しで叶える物語:2022/04/05(火) 22:34:56.99 ID:eumpDCVB.net
- 支援
- 554 :名無しで叶える物語:2022/04/06(水) 06:58:48.47 ID:R0B2bscm.net
- 青春してんな
- 555 :名無しで叶える物語:2022/04/06(水) 07:19:12.37 ID:lDki7GvR.net
- 14話『メシ屋ニズムの終焉』
- 556 :名無しで叶える物語:2022/04/06(水) 07:20:05.49 ID:lDki7GvR.net
- 〜渋谷駅〜
ガヤガヤ
ミア「……」ポケー
ミア「ホントに時間守んないな……あいつら」
ミア(仕事が長引いているであろう果林さんはともかく、いや果林さんもだが、彼方さんもエマさんも18時に待ち合わせしたのに30分経った今でもまだ渋谷へ向かっている途中らしい。 まあボクも今着いたところだけど……)
ミア(ハチ公だ……)パシャ
ミア(お台場も都会とはいえ、道はちゃんと広いしゴミゴミとはしてないからな……ここは息が詰まりそうだ)
ミア(暇すぎて二人組YouTuberがやっていたフリーハグ企画にも参加してみた。 おっぱいが柔らかかった……)
- 557 :名無しで叶える物語:2022/04/06(水) 07:20:43.25 ID:lDki7GvR.net
- ガヤガヤ
ミア(さて、ボク達がなぜ渋谷に集まっているのか、というと……)
ミア(果林さんが給料の出ない、頓挫しかけたお仕事の打ち合わせのために渋谷付近にいたから。 それだけ。)
果林「お待たせ〜……2人は?」
ミア「まだですね」
果林「そ。 じゃあ先行きましょうか」テクテク
ミア「いいんですか? 置いてっちゃって」
果林「ま、お店着く頃にはいい感じに鉢合わせるでしょう」
ミア(どういうことだ)
- 558 :名無しで叶える物語:2022/04/06(水) 07:21:40.68 ID:lDki7GvR.net
- ガヤガヤ ザワザワ
ミア「躁のようにハイテンションな人達が多いなあ……東京人は朝から晩まで元気なことだ」
果林「ゆーてほとんど地方出身者だけどねえ……」
ミア「そうなの?」
果林「そうそう。 東京のキラキラとか都会って怖〜みたいな断片的なイメージを持って上京してきてね……渋谷はそんな人たちの街よ」
果林「今まで東京に縁のない、良くも悪くも大都市への憧れを持った人たちがそのイメージに同化させるように着飾って演じて……それが再びポップカルチャーやらの、都会の特性として継承されていくの」
果林「PIZZICATO Vとか椎名林檎とか……田舎者じゃなきゃ夜の東京で貴方と待ち合わせしてウキウキ!……とか東京の繁華街を並べただけみたいな詞は恥ずかしくて多分書けないわよ。 ……そういえば新海誠もそうよね、山育ちじゃなきゃあんなやたら発光するビル群ばかり取り憑かれたように描けなかったんじゃないかと思う」
ミア「ふ〜ん」
果林「ま、東京コンプが東京のカラーを作っていくって訳……。 なんクリでもバカにされてたからね……渋谷にいる人はほとんどがイナカモノズって……」
ミア「なんクリって何?」
果林「昔流行った小説。 今の子は知らないのね……あ、ここかしら」
- 559 :名無しで叶える物語:2022/04/06(水) 07:23:48.06 ID:lDki7GvR.net
- ミア(果林さんの、一応は自分の経験に基づく偏見塗れの都会論を聞き流しながら、迷宮のように細い道をうろうろ練り歩き……やってきたのはビルの地下1階にある、知らなきゃ絶対辿り着かないような個人経営の飲食店だった)
ミア(なお、果林さんはpizzicato Vも椎名林檎も新海誠も好きらしい。 念のため)
彼方「遅くね?」
果林「ごめん〜道に迷っちゃって」
エマ「そんなことだろうと思ったよ」
彼方「全く2人とも〜しっかりしな〜」
果林「ごめんて」
彼方「許す!」
エマ「さ、入ろ入ろ!」
ミア(!? なんであたかもボクまで遅れたみたいになってるんだ!?)
ミア(ふざけんな! ボクは1時間前には渋谷に着いてたんだぞ!)
- 560 :名無しで叶える物語:2022/04/06(水) 07:27:46.73 ID:lDki7GvR.net
- ミア「うめ! うめ!」ムシャムシャ
ミア(カレーうめ〜っ! おかわりもいいらしい! 今夜はちばチャンみたいなアホみたいな量の唐揚げと酒を胃に掻き込むのを覚悟していたけど、一軒目はビール一杯に家庭的な夜ご飯を食べるみたいだ)
果林「ここのナスカレーがね……」グビ
ミア「ナス好きなんですか?」
果林「たまに無性に食べたくなるのよね……ほら、ナス科の植物は私たち普段から摂取してるじゃない? 焼いたりして……」
ミア「?」
彼方・エマ「?」
彼方「……ああ、そういうこと」
ミア(わからん……でもこいつらが腑に落ちてるってことはきっと……)ポチポチ
ミア(ナス科の植物ってタバコのことか!? いやわかりにくっ!)
- 561 :名無しで叶える物語:2022/04/06(水) 07:28:41.54 ID:lDki7GvR.net
- 彼方「お仕事どうだった? なんか動画撮ったんでしょ?」
果林「いや、その企画の打ち合わせ。 お蔵入りになりそうだけどね……美容系とはいえYouTubeとかどうしても抵抗あるのよね……」
彼方「んあ〜……動画は伸びないと悲惨だもんな〜」
果林「ZARAの新作レビューとかブルベ冬のメイク講座とかやるんだって……絶対すでに飽和してるでしょ」
彼方「そりゃキツいわ」
エマ「ブルベでレッドオーシャンに飛び込むのウケるね」
果林「ウケないで。 いや4年前ならまだなんとかなったんでしょうけど……発信怠ったツケが回ってきてる」
ミア(果林さんはSNSをやってはいるが、まあ拡散力はボリュームゾーンで……23にしてこの状態ならもう大成はしないとは本人の談……めちゃめちゃ綺麗な人なんだけどなあ……)
ミア「善子さんに拡散頼んだら? あの人5万くらいフォロワー居ますよ」
果林「えっ、あの人そんないるの……? ヘコむわ……」
彼方「アニメオタクに拡散してもどうしようもなくね?」
- 562 :名無しで叶える物語:2022/04/06(水) 07:28:43.24 ID:X2iVmGym.net
- キタ
- 563 :名無しで叶える物語:2022/04/06(水) 07:29:43.07 ID:lDki7GvR.net
- 果林「やっぱ大学行くの無駄だったのかしら……でもそうじゃなきゃ地元出られなかったし……」
彼方「厳しい世界だからねぇ、むしろ潰し効くからまだ救いがある方じゃない??」
果林「それ〜。 いやほんと、前にIVとかAVの話出たときは泣いちゃったわ。 今はそれすら年増だけど……」
エマ「う〜ん……」
彼方「露出はやめとけやめとけ……」
果林「どうかしら、私……そこそこ露出願望あるし」
「「いやいやいや」」
ミア(なんかすげ〜重い話題だな……)
果林「普通に就活して卒業か〜……ま、それもいいのかもね」
- 564 :名無しで叶える物語:2022/04/06(水) 07:31:26.15 ID:lDki7GvR.net
- 〜〜
ミア(お腹も一杯に2軒目にやって来たのはBAR……なのだがカクテル一杯があまりに安く種類が多く、なんと200円! 内装はbarっぽくなってはいるのだがもちろん客層は学生とかそういう若者ばかり)
ミア「あ、ここ夜は短しに出てきたお店だな」
ミア(……偽電気ブラン、あった!)グビ
「〇〇クンがさァ!」「キャハハハ!!」
「引っ叩いてやったワケよ! 早漏の粗チンが! オメーで一度もイカなかったぞ!って!」
「「ウキャキャキャキャ!!」」パシパシ
ミア(20前後の若者が汚い話を平気で人前で……大人になるって一体なんなんだろう……いや通常社会で倫理を遵守するためにこそ、こういう場で不道徳な息抜きが必要なのか……?)
彼方「受け子でパクられちゃったみたいで〜泣きながら電話かかってきてさあ……いや彼方ちゃんにどうしろと……てかこれで彼方ちゃんの元カレ全員前科付いちゃったよ〜」
果林「うはははw」
彼方「そいつ手帳持ちだからさぁ〜 ……いくら女殴っても無罪放免なわけよ……女の子の方も日本語上手く話せないから泣き寝入りでさぁ……」
果林「ぬははははw」
ミア(彼方さんの話に出てくる登場人物は日常生活でも倫理が崩壊してる……てか彼方さんの周りDQNばっかじゃないか……)
- 565 :名無しで叶える物語:2022/04/06(水) 07:34:51.84 ID:lDki7GvR.net
- ガヤガヤ!!
果林「場所変えるかしらね」ガタッ
彼方「そうだね〜」
ミア(お店はフルキャパになり、声を張り上げないと届かないという居酒屋と変わらない混雑具合になったため、ボク達は次のお店へ行くことにした。結構飲んだつもりだけどお会計はなんと1人2000円を切っていた。 まあこの安さなら空いてる時にまた来てもいいかな)
〜〜
ミア(3軒目は路地裏のビルの3Fにある狭いバー。 金曜夜だけどボクたちの他に客は2組くらいしかいない)
ボソボソ…
ミア「ここってメニューとかないんだな……一見さんお断り的な雰囲気だし」
果林「ま、私もここ一回しか来たことないんだけど……そーいうお店もあるのよね」
エマ「わからなかったらジントニックかモスコミュール連打でいいよ〜」グビ
ミア「わ、わかりました……ジントニック一つで」
彼方「あ、かすみちゃんお店の前着いたっつってる」
果林「気にせず入れって言っといて」
彼方「おけ〜」
ミア(22時も過ぎた頃、レディーススーツを身に纏ったかすみが合流してきた。 インターンシップの最終日に有楽町の方で学生同士で打ち上げをやっていたらしく、解散後にこちらへ直行してきたという)
かすみ「おはようございます。 虹ヶ咲学園大学社会学部3年の中須かすみと申します。 本日は、どうぞよろしくお願いします」ペコリ
「「お〜っす」」
かすみ「……隠れ家的なお店でいいですね、ここ……ところで今日はなんの集まりなんですか?」
果林「みんなでセックスしてた。 その帰り」
ミア「!?」
かすみ「へえ……意外ですね」
ミア(意外ですね……じゃねーよ! してないからな!)
- 566 :名無しで叶える物語:2022/04/06(水) 07:36:03.97 ID:lDki7GvR.net
- エマ「灰皿ない?」
かすみ「ありませんね、灰皿も頼みましょうか?」
彼方「彼方ちゃんも欲しい〜」
かすみ「すみません……カルーアお願いします、あと灰皿も」
果林「あらかじめ出して欲しいわよね」
ミア「最近は禁煙がスタンダードだし……言えば出してもらえるでいいじゃないですか……」
果林「吸いそうな気配を察して出す。 だいたい私達の肌見れば喫煙者だってわかるんだから」スパー
エマ「……」スパー
かすみ「……私のお肌は荒れてないです。 巻き込まないでください」スパー
彼方「てめ〜ひとりで老けてろ」スパー
ミア「悪質クレーマーか?」
果林「喫煙者は気と寿命が短いのよ」スパー
- 567 :名無しで叶える物語:2022/04/06(水) 07:38:00.56 ID:lDki7GvR.net
- ミア(かすみはボク達の中では比較的意識が高い方であり、就活には随分と熱心だった)
果林「かすみちゃんインターンめっちゃ行ってない?」
かすみ「この夏休み2weeksも3daysも1dayもギッチリ詰め込みましたからね……ほら、スケジュール」
エマ「ESちゃんと通してて偉いね……」
かすみ「へへへ……落とされたとこも結構ありますけどね、花王とか……」
彼方「10社も行ったのか〜……彼方ちゃん全然わからんけどインターンってこんな行くもんなの?」
かすみ「どうでしょう……周りの子は多くとも5社くらいでしたけど、私はまだ志望業界すら固まってないので……」
ミア(確かに商社やメガバン保険にマスコミ新聞にコンサルや食品や完成車メーカーまで一通り抑えているが……資生堂KOSEカネボウと参加しているあたりかすみの志望業界は概ね化粧品なのだと判断できる)
ミア「にしても見事にLarge70ばっかだな……これが大手病ってやつか?」
かすみ「いや〜全然調べてなくてさ……有名どころ以外知らなかったの」
エマ「まあ……この時期はそんなもんだよね」
- 568 :名無しで叶える物語:2022/04/06(水) 07:40:55.91 ID:lDki7GvR.net
- ミア(職業体験とは言っても……中身はただの説明会だったり、お題に沿って行うグループワークやディスカッションは大学の講義と内容はあまり変わらなかったという。 参加者の意識が高いくらいで……)
ミア(受験生時代は慶應全落ちでコンプを拗らせているかすみが、GDで慶應ボーイとレスバした話はちょっと面白かった。 結局東大の子にいい感じにまとめられ、2人ともただの引き立て役になってしまったらしい)
かすみ「実際どうなんですかねインターンって……モチベが多少上がったくらいで恩恵があったかと言われたらあまり……」
エマ「あると思うよ。 インターンが早期選考枠の必要条件だったりするし……」
かすみ「まあそうなんですけど。 企業研究したぶん選択肢を知って、余計にモヤモヤが増したというか……行きたい企業が見つかって、そこに就職したとして、実際問題将来どうなるかわからないわけですから……」
エマ「それを言ったらねえ……こことは関係ない随分昔の話なんだけど……すごく優秀だった先輩が超大手の外資系金融に内定したんだけどね、就職してしばらく経ってから一切連絡取れなくなっちゃった」
かすみ「怖〜っ……やっぱそういうのあるんですね……ちなみにその方どこ就職したんですか?」
エマ「……リーマン・ブラザーズ」
果林彼方かすみ「「あっ……」」
ミア(ガチで洒落になってない……失業者にぶっ殺されてなきゃいいが……)
- 569 :名無しで叶える物語:2022/04/06(水) 07:42:55.34 ID:lDki7GvR.net
- エマ「未来のことなんてわからないからね……石炭、造船、鉄鋼、半導体……自動車だってこの先どうなるか……。 確かカネボウも元はそうでしょ? 日本が紡績大国だった時代もあったんだよ」
かすみ「むむむ……」
彼方「やっぱ公務員だなぁ、国民の血税で生活する以外ありえねえ」
果林「ん〜……真面目に公務員試験の勉強する?」
彼方「そういや果林ちゃんロースクールは?」
果林「法科大学院? 1ミリも考えてなかったわ……」
ミア(その通り、確実に安定なところなどない。 それはパナソニックに東芝に日産……盛り返したがNintendoも一時期危うかったな……を見ていればわかる。 ボクだって工学部は引く手数多! だなんて油断はできない)
ミア(したがってどこが安定か? という問いにボク達は答えることが出来ない……)
ミア(それは経済だけじゃない……盛者必衰は有史以来この世の理だ。 ……アルゲアス朝マケドニア、モンゴル、オスマンにフランス第一帝政、大英帝国にソビエト……どれだけ覇権を手にした大国であれ……行く末を見通すこと、永遠を手に入れることは叶わなかった)
ミア(現代の覇者のアメリカだってそうだ。 先に現実となったトランプ政権は、多重にも捻れた身分と格差の分断を浮き彫りにした。 近いうちに中国にその座を譲ると論じる者も少なくない。 その中国だって……若者の抱く将来への不信感はタンピン族として顕在化することとなった)
ミア(ましてやボクらは余りに小さく……世界を変えることなどできやしない。 時代の大きな流れになんの当てもなく我が身を投じるだけだ。 ただ息つく暇も無いほどのドラスティックな激流であれと……あるいはせめてそこが揺るぎない盤石の上のせせらぎであれと願いながら、ボクたちは懸命に泳いでゆく)
- 570 :名無しで叶える物語:2022/04/06(水) 07:43:51.69 ID:lDki7GvR.net
- 「「はあ……」」グビグビ
果林「山に庵立てて隠居しようかしら……」グビ
かすみ「いあですねそれ……」グビ
彼方「平凡な日常が一番よお……」グビ
ミア(果林さんのうだつの上がらない芸能活動、かすみの霧の中で道を模索するような就活……今日の話題はいつになくボク達の不安を加速させていった)
ミア(彼女達の酒のペースは早い。 でも飲めば飲むほど、余計に鬱が増していく。 この街はきっと、躁と鬱で二分されているのだ……今日のボク達は、こちら側)
ミア(話を聞いていて、嫌でも将来を考えさせられたボクも進路に危機感を持った。 就活のこととか何も知らなかったから……メーカーについても、文系のかすみの方がよほど詳しい。 ……ちゃんと業界について勉強しなきゃなあ)
ミア(果林さんが徹夜は嫌だと言うので、深夜1時を周ったころ、ボク達は店を出ることにした。 帰りはランジュの車をアテにして……)
- 571 :名無しで叶える物語:2022/04/06(水) 07:45:24.32 ID:lDki7GvR.net
- 〜〜
ミア(道玄坂は終電を逃した若者がストロングチューハイを片手に暴れ回っていた。 ボク達もカクテルじゃなくてストゼロをoverdoseすべきだったのかな。……なんにせよ気楽なものだ)
ミア(足元がフラつく果林さんと彼方さんをそれぞれボクとかすみが支えて歩く。 エマさんはいつの間に買ってきたストゼロを飲んでいて手伝ってくれない……)
「ギャーハハハハハ!!」「ヒョオオオオオ!!」
「車道出てる!w あぶねえ!w」
パァーッ!
「危ねえだろボケが!」プァーッ!
「「ギャハハハ!w あの車屁こいたw」」
ミア「……轢かれろ」ボソッ
果林「ミアちゃんおこ?」フラフラ
ミア「おこっていうか……ムカつきません?」
果林「え〜? 私はああいうの、実は見てて悪い気しないのよね」
ミア「何で……てか胸触るな」
果林「なんでだろ……言語化したこと無いから……でも自分を掴むカギはそこにあるのかしら」ブツブツ
ミア(クロロみたいなこと言ってる……)
- 572 :名無しで叶える物語:2022/04/06(水) 07:46:52.20 ID:lDki7GvR.net
- ミア(千鳥足の果林さんは考え込んだ。 ボクのおっぱいと尻を揉みしだきながら……)
果林「そうね……幸福の本質だから、かしら」
ミア「本質ゥ?」
果林「人間ってさ、社会的な生き物じゃない?」
ミア「はあ」
果林「私服を肥やしたり奢侈や色欲に溺れるのも欲望を満たす点で気持ちよくなれるけど……それはあくまで一時的なもので」
果林「一方で私達は……例えば身内同士で同じ思いや感情を抱いくことでも気持ち良くなることってあるじゃない? 同じものを見て笑ったり……あるいは同じものに対してキレたり……」
ミア「……」
果林「ああいうの見てね、お酒を飲んで、いや飲まなくてもいいけど……仲間同士で感情を一体にして楽しんでいる。 そんなグループがここの他にも沢山あるんだなって実感するのよ」
果林「勿論あの人達とはグループは異なるし、交わらないけど……楽しさとか、幸せを共有する、その構造は共通しているのだから、そこには彼らと私達を繋ぐ、より根本的な連帯があるわけで……。 つまり結局はあの人達も私達と同じなんだってわかるわけ。 そうやってあまねく集団を繋いでいった先こそが……人間という共同体の、むしろ理想的な幸福の到達目標なんじゃないかって……そんな気がするのよね」
ミア「……」
ミア(薄弱な個であるボク達は、誰かと一緒でありたいとか、そういう何かを共通することによって充足感を得る。 そうして出来た集合たちもまた本質的な構造が共通しているのだから、より上位の集合が浮かび上がってきて……やがてそれは最終的に一つの集合を成すであろう。 そしてその繋がりこそがボクらの幸福たる条件に他ならないという。 よくわからないが、あまり考えたことがない視点だった)
果林「今どきグローバリズムなんて、時代の潮流にそぐわないのかしらね……そもそもこの時勢にこんな考え方をすること自体が根本的な矛盾よね、忘れてちょうだい」
- 573 :名無しで叶える物語:2022/04/06(水) 07:47:52.50 ID:lDki7GvR.net
- ミア(確かに、グローバリズムは上手くいかなかった。 LOVE&PEACEは、アファーマティブアクションは却って深刻なひずみを生み出し、是正できぬまま強烈な差別意識とナショナリズムを呼び起こした。 けれど、そんな"仲間外れ"意識の運動ですらやはり連帯で繋がっている、という指摘はきっと正しい)
ミア「……ホントに酔ってます? 歩くの面倒でもたれ掛かってるだけじゃないんですか?」
果林「うひょおおおおお!」
ミア「あーうるさいうるさい」
ミア(性別年齢宗教に肌の色。 労働者とインテリ、産まれの差……ボクたちを隔てるきっかけは極めて多彩だ)
ミア(現代のポリコレ運動は、じきに手痛いしっぺ返しを食らうだろう。 哀しいことに現状それは自分達との違いを自らあげつらい、道徳的正しさの名の下に相手を徹底的に悪者に仕立て上げて攻撃する、ルサンチマン以外の何物でもないからだ)
ミア(結局は相対的なものであるはずの差異が、ボク達の世界を断絶していく……歴史も常にそうだった。 ゆえに永遠平和など理想論者や社会を知らぬ学生共の妄言だと、現実を直視せよとそしる者もいるだろう。 だけど、これらはボク達個人の未来を憂うと同時に考え抜かねばならない、ボクら若者世代に与えられた課題なのだ)
果林彼方「なんかテンション上がってきたああ!! ひゃっほおおおおおう!!!」ドタドタ
「あっちにもバカなねーちゃんがおるでw」「ほんまやなあw」
果林彼方「「なんだテメーこら! ぶっ*すぞ!!」」
ミア「ちょっ2人とも、ほら幸福幸福!」
エマ「らるる〜♪」グビ
- 574 :名無しで叶える物語:2022/04/06(水) 07:48:46.90 ID:lDki7GvR.net
- 〜〜
ランジュ「……人数多くない? この車あと3人しか乗れないわよ……」
「「ええ〜〜〜っ!!」」
彼方「なんでそんなちっちゃいの持ってきたんだよ〜」
ランジュ「無茶言わないでよ……これしかないんだから」
果林「かすみちゃんとミアちゃんトランクに詰めてなんとか運べない?」
かすみミア「ふざけんな!」
彼方「……仕方ねえ! 4軒目だぁ! ついて来いランジュ!」
「「うおおおおお〜〜っ!」」
ランジュ「え〜っ……? 私も……? 駐車場空いてるかしら……」
ミア(ボクらの計画は、未来予想は……ご覧のように今夜のことですら失敗する。 ……でも今はまだ、それでいいのだ!)
- 575 :名無しで叶える物語:2022/04/06(水) 07:53:52.31 ID:ZecuaSsJ.net
- 続き来た!
待ってた!
- 576 :名無しで叶える物語:2022/04/06(水) 12:00:16.35 ID:hklck+PR.net
- 相変わらずランジュが巻き込まれるのは面白い
- 577 :名無しで叶える物語:2022/04/06(水) 13:41:54.07 ID:ZAF8Qe0y.net
- たまに社会派ssになるな
- 578 :名無しで叶える物語:2022/04/06(水) 15:17:41.00 ID:H5YIxsXR.net
- 将来が不安になってくる
- 579 :名無しで叶える物語:2022/04/06(水) 21:29:15.56 ID:ZecuaSsJ.net
- ラブライブ二次創作で学ぶ社会
- 580 :名無しで叶える物語:2022/04/07(木) 00:56:29.57 ID:9mHQcZI7.net
- >>564
うわ、5年くらい前に大学の部活の先輩たちに連れられてここに行ったことあるの思い出した
先輩はグラスホッパー飲んでたわ、めっちゃ懐かしい
- 581 :名無しで叶える物語:2022/04/07(木) 01:37:53.58 ID:toFHeHPb.net
- 二人組YouTuberって松浦小原か?
- 582 :名無しで叶える物語:2022/04/07(木) 02:05:13.96 ID:MAM6g4G7.net
- 馬鹿だから教養あって凄いなという感想が先に出てきてしまう
- 583 :名無しで叶える物語:2022/04/07(木) 12:19:24.65 ID:KiBMJV0I.net
- この作者、色々な学問に精通しすぎてないか?
- 584 :名無しで叶える物語:2022/04/07(木) 12:23:04.83 ID:lo3aLyt0.net
- 面白いけど今回は作者に胸ぐら掴まれて説教された感がある
- 585 :名無しで叶える物語:2022/04/07(木) 12:43:37.48 ID:J9AkR1MO.net
- 最早楽しみすぎて見逃せないスレ
- 586 :名無しで叶える物語:2022/04/07(木) 19:52:44.35 ID:fA+LPATP.net
- こういういかにも深いようで浅い考え方がいかにも大学生だなあって感じる
- 587 :名無しで叶える物語:2022/04/07(木) 20:42:41.00 ID:J9AkR1MO.net
- 大学生に戻りたい・・・
- 588 :名無しで叶える物語:2022/04/07(木) 20:49:15.32 ID:wCImZvMB.net
- 確かに学生の絶妙に小っ恥ずかしい酒席トークの再現度凄いな
- 589 :名無しで叶える物語:2022/04/07(木) 23:20:05.27 ID:vZGXlLX0.net
- なんだろうな
ホント学生の時のことを思い出してしまう
- 590 :名無しで叶える物語:2022/04/07(木) 23:26:46.57 ID:77JAwnrM.net
- なんとなく一橋と東工大が合併した様な大学かと思ってたけど違うのか
- 591 :名無しで叶える物語:2022/04/08(金) 11:08:10.73 ID:04Qs3TZH.net
- >>590
俺は最初早稲田みたいなのをイメージしたんだけど栞子が後期で受かったって言ってたし国立っぽい感じするんだよなぁ
- 592 :名無しで叶える物語:2022/04/08(金) 14:51:04.54 ID:wOyapZFR.net
- 筑波大かな?
文理が居る大規模総合大学で大学周辺に住んでる人が多い国立
- 593 :名無しで叶える物語:2022/04/08(金) 15:56:18.28 ID:nGfbMGfr.net
- かすみん慶應志望なのに謎に5科目やってたのか
- 594 :名無しで叶える物語:2022/04/08(金) 22:26:47.52 ID:7ozm+rtk.net
- 一応かなり難しい大学ではあるみたいだけど東京六大学レベルではないレベル?
- 595 :名無しで叶える物語:2022/04/08(金) 23:08:21.71 ID:BmtKdHc0.net
- 大学のレベルを表すのに六大学使う人初めて見た
- 596 :名無しで叶える物語:2022/04/08(金) 23:12:25.28 ID:Sba9A3ju.net
- 何か急に社会派の内容になったな
- 597 :名無しで叶える物語:2022/04/09(土) 00:31:54.62 ID:+KdU5e/G.net
- 全員留学を導入しようとしたらコロナでおじゃんになって代わりにオンライン留学とかいう謎のイベントを卒業要件に組み込むという一芸を披露した悪名高き我が千葉大学という可能性はないか?
- 598 :名無しで叶える物語:2022/04/09(土) 00:36:48.03 ID:jS23Bwa9.net
- 都内っぽい
- 599 :名無しで叶える物語:2022/04/09(土) 00:56:07.65 ID:wHEYjPKE.net
- 個人的に埼玉大学を一回り大きくした大学のイメージ
- 600 :名無しで叶える物語:2022/04/09(土) 02:00:39.06 ID:v1PYWncC.net
- モデルを考察してどうすんのw?
- 601 :名無しで叶える物語:2022/04/09(土) 02:47:56.93 ID:uxwSDGVE.net
- レベルで言うと阪大くらいありそう
- 602 :名無しで叶える物語:2022/04/09(土) 05:53:54.54 ID:yx1i2SHa.net
- 後期で受かるのがバケモンっていうと一橋しか浮かばんな
- 603 :名無しで叶える物語:2022/04/09(土) 06:01:26.53 ID:8nOua8Kx.net
- 北大かもしれない
- 604 :名無しで叶える物語:2022/04/09(土) 18:18:45.54 ID:wHEYjPKE.net
- こんな堕落系日常ssほとんど見ないからすごく貴重なんだよなぁ
- 605 :名無しで叶える物語:2022/04/10(日) 11:08:07.61 ID:4XG4Sxcd.net
- 明日始まる前期からは週5対面授業で毎日大学行くから少し楽しみや
- 606 :名無しで叶える物語:2022/04/10(日) 23:28:48.20 ID:KbSRbQl5.net
- 支援
- 607 :名無しで叶える物語:2022/04/11(月) 00:00:41.53 ID:59sSnLHk.net
- 保守支援
- 608 :名無しで叶える物語:2022/04/11(月) 06:46:47.12 ID:ucQ6uiED.net
- しえん
- 609 :名無しで叶える物語:2022/04/11(月) 10:18:11.24 ID:QkAjE7oQ.net
- これは面白いss
普段のラブライブからは想像出来ないようなリアルな仄暗さが良い
俺もこんな大学生活送りたい…とはならないけどこれはこれで楽しそう
- 610 :名無しで叶える物語:2022/04/11(月) 22:48:58.32 ID:DHJBMKB4.net
- しえん
- 611 :名無しで叶える物語:2022/04/12(火) 07:28:18.98 ID:a2y1rXKw.net
- 期待
- 612 :名無しで叶える物語:2022/04/12(火) 20:53:17.48 ID:PfVbFdXT.net
- 支援
- 613 :名無しで叶える物語:2022/04/12(火) 23:09:40.27 ID:58P/5O9J.net
- 支援
- 614 :名無しで叶える物語:2022/04/13(水) 01:48:01.33 ID:equ9OtPv.net
- 保守支援
- 615 :名無しで叶える物語:2022/04/13(水) 07:39:43.48 ID:LdbD4AI1.net
- 期待
- 616 :名無しで叶える物語:2022/04/13(水) 22:56:59.32 ID:mUxHOp03.net
- 支援
- 617 :名無しで叶える物語:2022/04/14(木) 07:28:50.35 ID:POW83MJo.net
- 期待
- 618 :名無しで叶える物語:2022/04/14(木) 23:04:40.18 ID:neaOcipc.net
- 支援
- 619 :名無しで叶える物語:2022/04/14(木) 23:06:07.91 ID:OKnHBZSA.net
- 保守支援
- 620 :名無しで叶える物語:2022/04/15(金) 07:44:13.21 ID:mdsmBUom.net
- 期待
- 621 :名無しで叶える物語:2022/04/15(金) 20:40:25.71 ID:rAXHQMZu.net
- ほしゅしますよーーーー
- 622 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 06:54:27.12 ID:9eLqpQuZ.net
- 14.5話『オバカシズコ』
- 623 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 06:55:20.80 ID:9eLqpQuZ.net
- 〜新橋〜
「かすみちゃん、後はよろしく!!」スタコラ
かすみ「ちょっと!……あ〜もう!!」
かすみ(飲ますだけ飲ませやがって!!)
しずく「ひとりぼおちいいい〜〜おそれずううにいいい〜〜〜!!!」
かすみ「ちょ、声デカい!」(人って酔うとガチで歌い出すんだ……)
しずく「イキろうとおお〜〜ゆめみてたあああ〜〜……」
「大学生やろ」「春だもんなぁ」
「十分イキっとるやないけ」
かすみ「みんな見てるから、お願いだから静かにして……!」
しずく「このみちいいい! ずうとおおおゆけばあああああ! あのまちにいいい」
かすみ「そうだね、国道1号だもんね……」
- 624 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 06:56:29.41 ID:9eLqpQuZ.net
- 璃奈「……大丈夫?」
かすみ(……誰だっけ誰だっけ、無表情で私よりチビで工学部で陰キャだけどやたら顔のいい女……たしか)
かすみ「ええと……璃奈ちゃんだよね? 平気だよ、心配してくれてありがとう」
璃奈「その子、どうするの?」
かすみ「とりあえずは私の家まで連れてくかな……ママもまだ起きてると思うし……」
璃奈「……うちで預かろうか? 大学のそばで、ここからもそんなに遠くない。」
かすみ「ほんと? ごめんね、それならそっちの方がいいかな」
璃奈「……知り合いなの?」
かすみ「いや全然。今日の新歓で初めて会ったよ、近くに座ってたのも最後の方だけだし」
かすみ「名前も住んでるところも、定期見てさっき初めて知ったよ……ほらこれ」
璃奈「……鎌倉からこんなところまで来てるんだ。」
璃奈「そっか。じゃあ私たち3人とも今日初めて会ったんだね。」
かすみ「そうなるね」
- 625 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 06:57:19.10 ID:9eLqpQuZ.net
- 〜ゆりかもめ〜
かすみ「あーあーあー……バッグこんなに傷つけちゃって……」
璃奈「高そうだけど、いいのかな。」
かすみ「ジバンシーだってさ……これ絶対ノートとか鉛筆入れるモンじゃないでしょ……数十万くらいするんじゃない?」
璃奈「……鞄がそんなにするんだね。私ブランドとか全然わからないからびっくりしちゃった。」
かすみ「私が必死こいて揃えたジルかき集めてもこの子のバッグに届かないよ……」
璃奈「靴も可愛い。 これも高いのかな。」
かすみ「あ〜なんて読むんだっけ……サルバトーレフェラガモか、これも10万するのかな〜」
かすみ「……この子そーとーお嬢様だよ」
- 626 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 06:58:10.41 ID:9eLqpQuZ.net
- かすみ「酷いよね……飲み方も分からない子にいきなりこんなになるまで飲ませてさ」
璃奈「……」
かすみ「だってあのままほっといて誰かに任せてたら……男の先輩にいたずらとかされちゃうかもしれないし」
璃奈「まあ……だから飲まされてたんだとは思う。」
かすみ「わかる?」
璃奈「見てたから。あなたがこの子の側に割り込んで座るところも、変なことされないようにガードして周りを牽制してたとこも。番犬みたいに。」
かすみ「番犬て」
璃奈「……偉いね。」
かすみ「何が?」
璃奈「私だったら、見ず知らずの人をそんな風に助けること、出来ないと思う。」
かすみ「……そう? 同じだよ」
璃奈「?」
かすみ「あなたもそうだから、声かけてくれたんでしょ」
璃奈「……」
- 627 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 06:58:49.93 ID:9eLqpQuZ.net
- 〜璃奈宅〜
かすみ「ほえ〜、璃奈ちゃんもいいとこ住んでんね……」
かすみ「おうちの人、大丈夫?」
璃奈「訳あっていない。だから平気。」
かすみ「今日だけ?」
璃奈「いや、いつも。」
かすみ「ふ〜ん……」(なんか、意外と普通の家庭って普通じゃないんだな……)
璃奈「お水取ってくるね。」
かすみ「ごめんね! わざわざありがとう〜!」
- 628 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 06:59:34.95 ID:9eLqpQuZ.net
- しずく「ぼくはぁ〜いかないさ〜……」
かすみ「ちょっと落ち着いたかな……?」
璃奈「みたい。」
璃奈「しばらく私が見てるから、今のうちにお風呂入って。タオルは出しておいた。」
かすみ「ありがとう〜〜〜! 本当に助かったよ〜〜!」
しずく「いけな〜い〜…………」
しずく「zzz……」
かすみ「てか私もママに連絡しないと」
璃奈「律儀だね。」
かすみ「そうしないとウチはうるさいからね〜……」
璃奈「……」
かすみ(っと……またやらかしたかな、さっさとお風呂行こ〜っと)
- 629 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 07:00:19.56 ID:9eLqpQuZ.net
- かすみ(暇だな……会話ないな……一緒のテーブルに座ってなかったから何が好きとかわからないし……)
かすみ(工学部だから……アニメの話とか振るべきかな……ふたりはプリキュアとかアニマル横町くらいしか見たことないけど……)
璃奈「……今日やってた映画録画してあるけど、見る?」
かすみ「金曜ロードショー? そっか……春はジブリよくやるもんね」(ジブリがあった……でもポニョくらいしかちゃんと見た記憶ないな……最近はよくわかんないのばっか作ってるし……)
かすみ「ジブリ好きなの?」
璃奈「うん。 とくにこれは大好きで何度も見たことある。」
かすみ「へえ〜、そんなに好きなんだ……」(これはタイトルは知ってるけど……見たことないな……ていうか同じ映画何回も見るんだ……)
璃奈「うん。親の顔より見た作品。」
かすみ「それ笑っていいやつ?」
- 630 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 07:01:38.37 ID:9eLqpQuZ.net
- 「やなやつ!やなやつ!やなやつ!」
かすみ「……」ポケー
璃奈「……」
かすみ(この子もしずくって名前なんだ……)
かすみ(こっちで寝てるしずくちゃんが歌ってたのもこの曲だよな……この子も好きなのかな、この映画……)
しずく「……むにゃ」
ブーブーブー
かすみ「……」
璃奈「……さすがに出た方がいいのかな。」
かすみ「……喋れる? この子の親御さんと」
璃奈「……私はちょっと。」
かすみ「ならいいよ別にほっといて……起きたら自分で連絡するでしょ」
璃奈「そうだね……。」
- 631 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 07:02:11.36 ID:9eLqpQuZ.net
- かすみ「……」
かすみ(危険地帯を抜けた途端、ほっとしたのを通り越して……私は無性にいらいらし始めてしまった)
かすみ(上級生に対して、この子の親に対して……義憤に駆られもしたけれど、嫉妬も入り混じっている感情)
かすみ(包み隠さず白状すると、私の心を掻き乱したのは、彼女がご両親から買ってもらったであろう傷だらけのハイブランドのバッグにパンプスと……そして、私が買ってもらえなかった最新型のスマートフォン……今日まで新品同然だったはずのバキバキにひび割れた画面のiPhoneだった)
しずく「んごお……」
かすみ「……」(呑気な顔で……あなたもそうなるところだったんだよ)
- 632 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 07:03:33.59 ID:9eLqpQuZ.net
- かすみ「……世の中ってさ」
璃奈「?」
かすみ「怖いよね。 大学生ってもっとちゃんとしてる人たちだと思ってた」
璃奈「……」
かすみ(……私はこの大学には最低点すれすれで入学した)
かすみ(つまり現時点で虹大の学力最底辺は私であり……あの連中のおおよそは同輩であれ先輩であれ、私よりよほど賢く勉強ができる、ということになる)
かすみ(では、そんな人たちがいざ親元を離れて作り上げたサークルは……騒いで迷惑を掛けることだけで自分達をアピールして、欲望のままに新参を誑たぶらかす……理性とはまるでかけ離れた集団だった)
かすみ「ヤリモクってやつ。 やだね……ほんと」
璃奈「……大学生ってむしろそんなもんだって聞いたけど。」
かすみ「そうだけどさ……」
かすみ(取り返しの付かないことすら結局は若さゆえの過ちとして許され、こんな娘にまでそういうものだと受け入れられる不思議。 若いからそれまで厳しく管理されていたのにね)
かすみ(実際よくあること。 わざわざ取り立てるようなことじゃない、そりゃそうだ……私が神経質なだけなんだろうな)
- 633 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 07:03:59.37 ID:9eLqpQuZ.net
- 璃奈「かすみちゃんは……そういうの、したいと思う?」
かすみ「そりゃあ……たまには……」
璃奈「そうなんだ。 私はしたことないからよくわからないけど。」
かすみ「……」(あっさりカミングアウトさせられた……)
かすみ(再び着信が鳴り響いたので、しずくちゃんの寝顔を見た。 あどけない、純粋な寝顔)
かすみ(ご両親も可愛い可愛いこの子のドレスアップにはさぞ夢中であったことだろう)
かすみ(せめて傷は付けないでおいてやる。 自分達がいかに何もしてこなかったかをとくと思い知るがよい。 懲罰的思考に取り憑かれた青二才の自己満足な正義感による、ささやかな制裁だ)
かすみ「はあ……」(……私も嫌な大人になっちゃったな)
- 634 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 07:05:05.83 ID:9eLqpQuZ.net
- 璃奈「お酒あるけど、飲む?」
かすみ「え、あるの?」
璃奈「ビールだけど。 冷えてるよ」
かすみ「ありがと、じゃあ頂こうかな。 ……てか飲むんだね、璃奈ちゃん……。」
璃奈「高校生の頃から、ちょこちょこと。」プシュ
かすみ「悪いねえ〜」プシュ
璃奈「エビスビールが一番好きかも。」グビ
かすみ「へえ〜……」(この味、まだ慣れないな……私もいつか美味しく感じるのかな)グビ
かすみ(小慣れた手付きでビールを飲むこの小さな女の子のことが不思議と途端に大人びて見えた)
- 635 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 07:06:00.95 ID:9eLqpQuZ.net
- 璃奈「……実はね。」グビ
璃奈「私が声をかけたのは、ただ1人になりたくなかったから。 助けるとか……そういうのじゃなかったの。」
かすみ「……」チビチビ
璃奈「私ね、ついこの前好きな人にフラれちゃったんだ。」
かすみ「ええ!? そうなの!?」(へえ……すっぴんでこんな可愛いのに……振る人いるんだな)
璃奈「自暴自棄になっちゃったのかな。 めちゃくちゃになろうと思って、されようと思って。 評判の悪いサークルの飲み会に来たの。」
かすみ「ええ……そんな」(ここって評判悪かったの!?)
璃奈「でも、やっぱり怖くなった。 男の人にたくさん飲まされてるこの子を見て。 私もそうなるんだって思ったら怖くて途中から一口も飲めなくなった。」
かすみ「自分の身体は大事にした方がいいよ……親じゃないけどさ」(バカだなあ、上手くいかないから自ら身をやつすなんて。 その論理がよくわからない)
璃奈「私の親は……多分何も言わない。」グビ
かすみ(まーた地雷踏んじゃった、今日は頭働いてない……てかこいつめちゃ飲むな……もう3缶も開けて……)
- 636 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 07:06:54.49 ID:9eLqpQuZ.net
- かすみ「へえ……派手だけどスタイル良くて綺麗な人だね」(女の人なんだ……)
璃奈「最近髪の色戻してた。 ほら……これ。」
かすみ「ほんとだ……何かあったのかな」
璃奈「……ね、かすみちゃんの話も聞きたい。」グビ
かすみ「え〜……昔の人のことは忘れる主義だから……」
璃奈「だめ? 私は話したのに。」
かすみ「しょうがないなあ……別に大した話なんか何もないよ」
かすみ(悪口と恋話で、夜が明けた。 垂れ流していた映画はいつの間には終わっててしずくちゃんと聖司くんがどうなったのかはよく覚えていない)
- 637 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 07:07:32.60 ID:9eLqpQuZ.net
- しずく「んごご……」zzz
璃奈「まだ寝てる。」
かすみ「私も早く寝たい……ホントに任せてへいき?」
璃奈「起きたら帰すよ。 私に任せて大丈夫。」
かすみ「わかった……勝手に厄介背負い込んで人任せにしてごめんね……」
かすみ(始発の時間になり、璃奈ちゃんに任せて帰って良いことになった。 大変な一夜でめちゃめちゃ濃かったし疲れた……。 だけど、学部も全く違う私たちだから……しずくちゃんとも璃奈ちゃんとも、多分もう二度と会わずに卒業するんだろうな、なんて思ったりした。 そんな春のある日の、夜更けの出来事。)
- 638 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 07:08:27.64 ID:9eLqpQuZ.net
- 〜〜
しずく(お酒に酔って終電を逃し、ほぼ初対面のの学友に朝まで介抱されていたらしい。 ……ほとんど記憶がない……)
しずく(朝の8時に目を覚ますと、見知らぬタワマンの一室で璃奈さんがビール片手にそこに居て……いきさつを教えてくれた。 かすみさんという方が付きっきりで世話してくれていたらしいこと。 彼女はもう帰ってしまったようだけど……申し訳ありません……)
しずく(起きたら全裸で男の人と寝てた! とかじゃなくて良かった……しかし真に血の気が引いたのは)
しずく(携帯に鬼のように並んでいた両親からの不在着信履歴!)ガタガタ
しずく(もちろん、帰宅するとこっぴどく叱られた)
しずく(両親によると、あと1時間目を覚ますのが遅かったら警察を呼ぶところだったらしい……)
しずく(説得中だった一人暮らしの案は……この失態で残念ながらしばらくお預け……)
しずく(でも、傷だらけのバッグもパンプスも汚れたアウターについても……何も言われなかった)
- 639 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 07:09:06.28 ID:9eLqpQuZ.net
- しずく(薄々気が付いてはいたが、私はいわゆる箱入り娘だ)
しずく(元々両親は自宅からもさほど遠くない、県内の国立大学に通わせたがっていたらしい)
しずく(私はバラ色のキャンパスライフを叶えるべく、家を出て東京の有名私大に行こうとしていたので、当然猛反発を食らい……)
しずく(代案として出したのが、虹大だった)
しずく(学力ももう一段上げなければならないのだ、ここなら文句はないだろう……さらば表参道……泣)
しずく(そもそも私が興味あるのは外国語と海外の文学だし……だいたい、毎日山登りなんて……やってられるか!!)
- 640 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 07:10:34.87 ID:9eLqpQuZ.net
- しずく(山登りは避けられたけれど……一人暮らしの提案はあえなく却下。 毎朝2時間近くかけてバス電車通学をする羽目になる……)
しずく(初めのうちはまだ良かった。 高校までとは逆方向の電車に乗っての都心通学は新鮮だったから)
〜〜
「発車ベルが鳴り終わっております! 次の電車を……!」
しずく「ふえ〜ん!」ギュウギュウ
「この先……新子安鶴見間の踏切に人が立ち入ったため……お客様には大変ご迷惑をお掛けしますが安全確認が取れるまで……」
しずく「ひい〜!」ムギュウウ
しずく(東海道線も京浜東北線もやばい……横須賀線に乗り続けてゆりかもめに乗り換えるのはどうだろう?)ヘロヘロ
しずく「きゃあ〜っ!」ギュウギュウギュウ!
しずく(武蔵小杉人多いよ〜っ! 品川行き路線に逃げ道などない!)
- 641 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 07:11:49.34 ID:9eLqpQuZ.net
- 〜〜
かすみ(ま……私にはこのくらいのサークルが丁度良いのかな。 あ、ここにもしずくちゃんいるんだ)
「座席に2人ずつくらい先輩置いとくんで! 気になったこととかなんでも聞いてね! でも楽単とか地雷科目とかは大学違ってたらわかんないかもw」
「話つまんね〜って飽きたら別の席移動していいからね!w もちろん新入生同士でテーブル作るのもアリ!」
ザワザワ!ガヤガヤ!
「かすみちゃん? よろしくね!」
かすみ「あ、はい! 虹大社学の中須かすみで〜す♡ よろしくお願いしま〜す♡」
かすみ(がっつき過ぎず、かと言って地味でもなく……この中だったら私かしずくちゃんが一番可愛いかな、うひひ……ってしずくちゃんの隣のあの娘はまさか!?)
璃奈「それな。 てかエグ過ぎ。 てかクセが強い。 まじえぐい。」
かすみ(こ……これが1週間前にはすっぴんクソ芋だったあの璃奈ちゃん!?)
かすみ(涙袋上手っ……! メイクも一気に垢抜けて、ちゃんと髪も巻いて……たしかに元から素材良かったけどさ……)
- 642 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 07:13:24.22 ID:9eLqpQuZ.net
- 璃奈「マジョマジョは高校生のときからずっと使ってたよ。 初めはよくパンダになってた。」
璃奈「シュウウエムラのパレット揃えたらお年玉もバイト代も使い果たしちゃってMacBook air買えなくなっちゃった。 だから型落ち中古のwindowsノート。」
「わはは! 璃奈ちゃん良いね〜w」
かすみ(ウソつけ! それ私のジルのアイカラーのエピソードじゃねーか! てかお家にMacBook Proあったじゃん!)
璃奈「私、お酒飲むのとかこういう機会は初めてで。 お酒弱かったらどうしよう。 ちょっと怖いな。」クネクネ
「無理しなくても自分のペースでいいよ〜w ここソフドリもめちゃあるし!w」
かすみ(家でめちゃくちゃ飲んでただろ!)
- 643 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 07:14:47.08 ID:9eLqpQuZ.net
- 璃奈「しずくちゃんとはそこで初めて会ったんだ。」
しずく「そ、そうだったような……」(それ言っていいの?)
「あれ? でもさっき璃奈ちゃん飲み会は初めてって……」
璃奈「……」
かすみ(ほ〜らボロ出た……嘘つき慣れてないから……。 それにしても女の子は鋭いな……いや男子が甘過ぎるだけか……)
璃奈「お酒飲むのは初めて。 向こうではジュースしか飲まなかった。」
かすみ(その言い訳はちょっと苦しくない?)
「え〜? なんで向こうでは飲まなかったの?w」
かすみ(ウケる! 問い詰められてる!)
璃奈「……向こうの人たちはちょっと怖かった。 でもこっちなら……雰囲気が柔らかいし、居心地良いし、安心かも……。」
「わはは!」「だよね〜w」「やっぱScorpioはよくねえよ!w」
かすみ(上手く切り返したな……同時にここを持ち上げることで男どもの好感度を上げて……)
「か、かすみちゃん……無視しないでよ〜……w」
- 644 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 07:15:33.09 ID:9eLqpQuZ.net
- 「え〜っ?? でもさでもさ」
璃奈「さっきから質問責め、ゼミの発表みたい。」
「わははは!」「あんま璃奈ちゃんイジめてやるなって!w」
しずく「?」
「「くっ……!」」
かすみ(ゼミとかいまいちわからないけど……そういうのを経験しているであろう先輩達にピンポイントでウケる喩えを……)
かすみ(成長している……恐ろしい速度で……)
「か、かすみちゃん……俺の聞いてる?w」
かすみ「え? 聞いてましたよ〜w 凄いです〜! 私○○さんのこと尊敬しちゃいます〜♡」
「いや猫に最後まで一度も寄り付かれなかったって話なんだけど……」
- 645 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 07:16:52.77 ID:9eLqpQuZ.net
- 〜〜
かすみ「や、おつかれ。 メイク上手だね、あとホラ吹きも」
璃奈「かすみちゃん? 居たんだ。 メイクは先輩に全部やってもらった。 あとホラ吹きは余計。」
かすみ「ん、例の?」
璃奈「そう。」
しずく(かすみさん? この人が世話してくれたんだ……)
かすみ「さっき話してたコスメ見ていい?」
璃奈「いや全部無印良品のやつ。……無印とか、アニメ以外の話で使うなんて思わなかった。」
かすみ(……シュウウエムラじゃないんかい! ていうかアニメの無印って何……?)
しずく(やっぱさっきの話デタラメだったんだ……強かな娘だなあ……)
- 646 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 07:18:14.18 ID:9eLqpQuZ.net
- しずく「あの……この間はありがとうございます、ごめんなさい」
かすみ「ん? ああ、いいよいいよ。 結局いろいろやってくれたのは璃奈ちゃんだし」
かすみ「しずくちゃんはサークルどこ入るの?」
しずく「えっと、今のところは演劇サークルと……あとは広研行こうかなって」
かすみ「広研か〜……あそこギラギラしてて合わなかった……慣れるまですごく疲れそうでやめちゃった」
璃奈「広告研究会? 私も行ってみようかな。」
かすみ「いや〜璃奈ちゃんには合わないと思うよ……」
璃奈「そうなの? 忙しいとか? 前ニュースでやってたけど超絶ブラックやりがい搾取の過労死上等みたいな?」
かすみ「それは電通でしょ……虹大の広研はマーケティングじゃなくてミスコンとかそういうのだよ。 パリピ陽キャばっかのところ……お酒大好きなしずくちゃんみたいにね」
璃奈「あれは確かにパリピだった。 人目を憚らず駅前で熱唱してたし。」
しずく「うう……」
かすみ(彼氏候補を漁りに新歓に来たのに、男の子とは連絡先を交換するくらいで、あとはずっとしずくちゃんと璃奈ちゃんと話していた。 バカと腹黒と嘘吐きの3人で、二次会も行った)
- 647 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 07:19:05.42 ID:9eLqpQuZ.net
- 〜〜
しずく「一限間に合わない……遅れて入ったら目立っちゃうし……でも前もそれで休んだしなあ」
しずく「むぎゅ〜っ……」(川崎横浜間が無限に感じる!)ギュウギュウ
しずく(家に帰れば……課題に取り組む気すら起きずにベッドに直行!)
しずく(お化粧も落とさずに寝て……夜中に目を覚ました時はもう最悪! 朝まで中途半端な睡眠しかできないし……)
しずく「むにゃあ……」(朝は当然眠いよ〜っ……)
「え〜、しずくちゃんもう帰っちゃうの?w」
しずく「うん……門限が……」
しずく(飲み会の盛り上がる22時半〜23時は時計と常に睨めっこ! みんなのように日付変わった頃に慌てて帰りたい……)
ガタンゴトン…
しずく(これを4年間……(泣) 一人暮らし、したいよ〜!!)
- 648 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 07:20:03.57 ID:9eLqpQuZ.net
- しずく「私、一人暮らしがしたい」
しずく「このままじゃ……行きたい学科に行けないし……ずっとしたかった英語の勉強もフランス語の勉強だって……」
しずく「ぐすっ……ひっく……」ポロポロ
「……そうか」
「今度、大学付近で部屋を探しに行こう」
しずく「……」(やったっ♡)
「後期からはそこから通ってみなさい」
しずく「わかった……ありがとう……」グスグス
「ただし、1人で生活するのはそれなりにしんどいぞ、誰のせいにもできないからね」
しずく「うん……」(うひひひひw)
- 649 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2022/04/16(土) 07:21:26 ID:9eLqpQuZ.net
- 〜〜
かすみ「いいな〜一人暮らし。 私もここ住みたいな〜っ」
しずく「説得が大変だったよ…… あとなんだかんだ言って家のことで結構時間取られちゃう」
かすみ「でも家事スキル身につくでしょ?」
しずく「だといいけど……」
璃奈「身に付かない。 身に着くのはどのくらい家事を手抜きしていいかの塩梅だけ。」
かすみ「そ、そうなんだ……家賃どんなもん?」
しずく「15万くらいかな……あんまり把握してないけど」
かすみ「ひゃ〜っ……にじがさき荘の3倍じゃん!」
しずく「そこでも良かったんだけど対象外れちゃったんだよね……それに壁薄いのと1Kはちょっと……」
璃奈「なんかその建物、芽が出ず燻っている若者のモラトリアムを体現したような名前だね。」
かすみ「あそこも賑やかで楽しそうだけどね……どう、一人はやっぱさみしいの?」
しずく「う〜ん……初めの頃は泣いちゃってたかな……」
かすみ「一限出られるようになった?」
しずく「無理! やっぱ起きられない!w」
かすみ「ウケる! 夜遊びし過ぎでしょ!」
しずく「 この前3限も寝坊しちゃった!w」
璃奈「親不孝者。」
- 650 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 07:22:11.99 ID:9eLqpQuZ.net
- 〜〜
「しずくちゃん、今夜○○の家で宅飲みするんだけどどう?w」
しずく「行きます!」
「しずくちゃん、カラオケ行こ! いつメンで!w」
しずく「行く〜!w」
「しずくちゃん、今から〇〇ん車で奥多摩行くぞ!w ロープウェイで肝試しだ!」
しずく「行きます〜!w」
「しずくちゃん、部室で徹夜麻雀。 ルールは3年生の人が教えてくれる。」
しずく「行く!w」
- 651 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 07:23:17.11 ID:9eLqpQuZ.net
- 〜自宅〜
しずく「……ただいま〜」
しずく「……」
しずく(朝の4時か……課題は……いいや、寝ちゃお)
しずく(結局文学も外国語もやってないな……この前のTOEICとかスコアかなり下がってたし)
しずく(後期もダメそう……今の私を見たら、きっと怒るかな……)
しずく「……」
しずく(ひとりぼっちの部屋にいると、無性に寂しくなってくるのだ)
しずく(入学してからのお祭りのような毎日は、ここに越してからもっと賑やかになって……24時間人と過ごすこともザラにあって……)
しずく(でも、家に帰ると……お祭りの後のような寂寥感……。 ついさっきまでワイワイとした空気に身を置いていただけに、シーンとした部屋に戻ると、孤独を痛感してしまう)
しずく(まるでさっきまで夢をみていて、一気に現実に引き戻されたような……)
- 652 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 07:23:54.04 ID:9eLqpQuZ.net
- しずく(こんな時間に寝てしまえば、きっと二限すらも寝過ごしてしまうだろう。 だけど独りごちるのは止められない)
しずく(誰もが……こんなモヤモヤを抱えて、隠して……笑い合ったりしてるのかな)
しずく(胸躍る気持ちで過ごした春、啖呵を切って無理を通して一人離れた夏……案の定だらしなく過ごした秋……)
しずく(そして秋が過ぎて……やっぱり親元を恋しくなる)
しずく(親が今の私を見たらなんて言うのかな、叱ってくれるのかな)
しずく「……」
しずく「帰りたい〜♪ 帰れない〜♪」
しずく「さよなら〜♪ カントリーロ〜♪」
しずく(ガラガラに枯れた声で寂しさを押し込めて一人、部屋で歌った。 そんな冬のある日の、夜更けの出来事)
- 653 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 07:56:32.67 ID:khhDj05X.net
- ここに来て過去編か
りなりーを振ったのはやはり愛さんだったか
- 654 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 09:07:33.41 ID:8ihzxbG70.net
- 山登りって横浜国立とかか?
- 655 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 12:53:05.15 ID:zj5hOnDG.net
- すき
- 656 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 13:00:13.06 ID:EDXZu/Lq.net
- ええなぁ…
- 657 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 15:12:34.89 ID:5Bzoy5CB.net
- 生き甲斐ssが来てる!
支援保守しなきゃ
- 658 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 22:47:42.88 ID:PZT6Zleh.net
- サラッとdisられる横国さん…
- 659 :名無しで叶える物語:2022/04/16(土) 22:59:02.25 ID:NjMvjbdf.net
- うちの大学は必修キツキツ課題キツキツ学費バカ高いからこんなに遊べなかったな
文系ってどこもこんな感じなの?
- 660 :名無しで叶える物語:2022/04/17(日) 00:09:46.34 ID:HilUy+b/.net
- 私立文系はごく一部のぞいて
実家が金あるけど勉強はできない奴らがいくところ
- 661 :名無しで叶える物語(SB-iPhone):2022/04/17(日) 00:27:09 ID:oI9kRErH.net
- >>594
煽り抜きで年齢高そう
- 662 :名無しで叶える物語:2022/04/17(日) 02:21:50.51 ID:My8jsSwu.net
- 演技で説得するとこ好き
- 663 :名無しで叶える物語:2022/04/17(日) 06:18:08.62 ID:NyD7ROcw.net
- このちょっと寂しい感じがいい
- 664 :名無しで叶える物語:2022/04/17(日) 12:27:25.18 ID:1eV3rWP1.net
- >>659
>>424だそうです
理系に対するコンプレックスが酷い
- 665 :名無しで叶える物語:2022/04/17(日) 16:21:06.58 ID:4+IPf/sY.net
- お前ら学歴トーク好きなのに誰も学生証か学位記貼らないんだな...
正確には貼らないじゃなくて貼れないだろうけど
- 666 :名無しで叶える物語:2022/04/17(日) 16:22:32.39 ID:4+IPf/sY.net
- どうせ貼れないんだからスレ消化するな
- 667 :名無しで叶える物語:2022/04/17(日) 16:39:31.80 ID:7eM6l0sg.net
- (ラ板で)正論はNG
- 668 :名無しで叶える物語:2022/04/17(日) 16:47:02.83 ID:HilUy+b/.net
- >>665
社会人にもなってそんなもん持ち出してくるほうが気持ち悪いだろ。おまえいまだに大事に保管してるのか?
- 669 :名無しで叶える物語:2022/04/17(日) 16:58:51.22 ID:IFEJo5sq.net
- >>668
あ、図星だったかな?
社会人になってまで学歴トークするとか終わってるよ
- 670 :名無しで叶える物語:2022/04/17(日) 17:32:51.00 ID:fwhTUDIF.net
- 貼れる貼れないじゃなくてここでやっちゃいけないことくらいわかってほしいです
- 671 :名無しで叶える物語:2022/04/17(日) 18:18:20.72 ID:quAht063.net
- ま〜た私文カスが暴れてるのか。学生証貼れって学歴板かよ。しかも自分のは貼れないという滑稽さ。
- 672 :名無しで叶える物語:2022/04/17(日) 19:24:51.64 ID:0hXUybWy.net
- >>671
図星過ぎて君ガイジになってるじゃん
学歴トークならなんj行けば?お前みたいなの多いぞ
- 673 :名無しで叶える物語:2022/04/17(日) 19:58:19.57 ID:HaFEqaAO.net
- 作者相当賢そう
見出しだけでなく話の内容も名著のオマージュっぽいところが散りばめてあって本当に面白い
多分理系なんだろけど、教養が深くてめちゃくちゃ感心する
続き楽しみにしているゾ!
- 674 :名無しで叶える物語:2022/04/17(日) 22:20:00.76 ID:aNhbZT5M.net
- もはや生き甲斐定期
- 675 :名無しで叶える物語(もこりん):2022/04/17(日) 22:24:36 ID:ruiVf6z6.net
- あのレスまだ根に持ってたのかよ
唯一の誇りである理系を軽く見られてよほど傷ついたのか
- 676 :名無しで叶える物語:2022/04/18(月) 07:41:40.95 ID:rzpK4zoP.net
- 支援
- 677 :名無しで叶える物語:2022/04/18(月) 22:18:14.60 ID:KGytvNoM.net
- 支援
- 678 :名無しで叶える物語:2022/04/19(火) 06:38:05.76 ID:7AtOG2Uq.net
- 支援
- 679 :名無しで叶える物語(SB-Android):2022/04/19(火) 08:32:03 ID:7qs64WNH.net
- 文系の学歴コンプこええなぁ
- 680 :名無しで叶える物語(SIM):2022/04/19(火) 09:58:24 ID:LmeFXuou.net
- 更新きてると思ったらこれだよ
キモいんじゃ全員黙れや
- 681 :名無しで叶える物語:2022/04/19(火) 16:22:54.42 ID:tcu8PHvN.net
- 続き(無理ない範囲で)はよ
- 682 :名無しで叶える物語:2022/04/19(火) 23:48:05.52 ID:ux3LeWhb.net
- >>639
ここ絶対横国で草
- 683 :名無しで叶える物語:2022/04/19(火) 23:56:00.25 ID:p0sUgiTh.net
- 虹ヶ咲学園大学の名前から漂う圧倒的Fラン感
- 684 :名無しで叶える物語:2022/04/20(水) 07:33:53.01 ID:cLfOF1b1.net
- 支援
- 685 :名無しで叶える物語:2022/04/20(水) 21:24:38.52 ID:fS+gbFVP.net
- 虹大とかいう名前でFラン臭すごいのにこいつら頭いいのか……
- 686 :名無しで叶える物語:2022/04/21(木) 07:31:23.98 ID:a15okIxb.net
- 支援
- 687 :名無しで叶える物語:2022/04/21(木) 22:41:20.67 ID:xvzlg/GI.net
- 支援
- 688 :名無しで叶える物語:2022/04/22(金) 07:32:52.84 ID:sLW6YtDr.net
- 支援
- 689 :名無しで叶える物語:2022/04/22(金) 23:24:17.27 ID:5imieD3X.net
- 支援
- 690 :名無しで叶える物語:2022/04/23(土) 01:06:33.89 ID:axAuvo8E.net
- 支援
- 691 :名無しで叶える物語:2022/04/23(土) 08:59:28.29 ID:p/5goM60.net
- 支援
- 692 :名無しで叶える物語:2022/04/23(土) 10:01:12.83 ID:oDFWO7Gf.net
- 昨日一気読みしちまったよ
続き待ってる
- 693 :名無しで叶える物語(ますのすし):2022/04/24(日) 03:10:57 ID:NLfnT2Xl.net
- 支援
- 694 :名無しで叶える物語:2022/04/24(日) 14:09:34.94 ID:7xt86ZCw.net
- 支援
- 695 :名無しで叶える物語:2022/04/24(日) 20:43:36.50 ID:3wxZdKDe.net
- 今更だがそれぞれ何年生で何留してるんだ
- 696 :名無しで叶える物語:2022/04/24(日) 22:44:46.56 ID:O59JRbOG.net
- ほ
- 697 :名無しで叶える物語(SIM):2022/04/25(月) 07:23:52 ID:Qsc2y7hA.net
- ほ
- 698 :名無しで叶える物語:2022/04/25(月) 14:15:34.00 ID:sg8IwF+h.net
- ほ
- 699 :名無しで叶える物語:2022/04/25(月) 22:38:01.94 ID:B3bei857.net
- 支援
- 700 :名無しで叶える物語:2022/04/26(火) 07:33:58.37 ID:2wzKVjUg.net
- 支援
- 701 :名無しで叶える物語:2022/04/26(火) 20:44:09.85 ID:mBcjcbtZ.net
- 支援
- 702 :名無しで叶える物語:2022/04/26(火) 21:43:32.22 ID:E1BuBGDd.net
- 大学に戻りてぇな
- 703 :名無しで叶える物語:2022/04/27(水) 07:39:34.47 ID:kh5Ks5oX.net
- 支援
- 704 :名無しで叶える物語(SIM):2022/04/27(水) 22:36:59 ID:4tKdIKOZ.net
- ほ
- 705 :名無しで叶える物語(SIM):2022/04/28(木) 07:36:32 ID:cUB8ZOuE.net
- 支援
- 706 :名無しで叶える物語:2022/04/28(木) 23:06:40.27 ID:fgFmn0sc.net
- ほっしゅ
- 707 :名無しで叶える物語:2022/04/29(金) 12:45:57.39 ID:snWDO9lD.net
- ほしゅみんです
- 708 :名無しで叶える物語(らっかせい):2022/04/29(金) 22:44:04 ID:h/iX09XF.net
- ほしゅっ
- 709 :名無しで叶える物語:2022/04/30(土) 12:57:53.07 ID:wQgeQ8bJ.net
- 支援
- 710 :名無しで叶える物語(SIM):2022/04/30(土) 23:52:50 ID:TXbARoOh.net
- 支援
- 711 :名無しで叶える物語:2022/05/01(日) 09:37:12.49 ID:m26NSEJ2.net
- 支援
- 712 :名無しで叶える物語:2022/05/01(日) 22:23:55.55 ID:bRuk4I38.net
- 支援
- 713 :名無しで叶える物語:2022/05/02(月) 06:45:55.85 ID:PnNkBXX7.net
- 支援
- 714 :名無しで叶える物語:2022/05/02(月) 21:16:40.02 ID:CKUfR7gp.net
- 留年!にじがさき!!
- 715 :名無しで叶える物語:2022/05/03(火) 14:40:28.35 ID:CHKVylZe.net
- 支援
- 716 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2022/05/03(火) 21:38:48 ID:n4qgraiz.net
- 待ってるぞ!
- 717 :名無しで叶える物語:2022/05/04(水) 15:32:57.50 ID:R0kObxah.net
- 支援
- 718 :名無しで叶える物語(らっかせい):2022/05/04(水) 23:20:39 ID:3DRuNQJB.net
- 支援
- 719 :名無しで叶える物語(光):2022/05/05(木) 13:12:30 ID:THO2tVbr.net
- 留年ビクトリーロード
- 720 :名無しで叶える物語:2022/05/05(木) 22:12:21.69 ID:BS4UmZTM.net
- 留年!虹ヶ咲!
- 721 :名無しで叶える物語:2022/05/06(金) 16:52:55.07 ID:2eBzYEfb.net
- 支援
- 722 :名無しで叶える物語:2022/05/07(土) 00:25:08.23 ID:5aicFMLI.net
- 支援
- 723 :名無しで叶える物語:2022/05/07(土) 15:57:16.03 ID:rdl8JJrY.net
- 支援
- 724 :名無しで叶える物語:2022/05/08(日) 01:02:22.97 ID:K2vvOgoX.net
- ほ
- 725 :名無しで叶える物語:2022/05/08(日) 13:28:54.22 ID:v5hAaGuL.net
- 支援
- 726 :名無しで叶える物語:2022/05/08(日) 23:22:02.24 ID:2JzdnZ1C.net
- ほ
- 727 :名無しで叶える物語:2022/05/09(月) 06:40:16.32 ID:sa1Mot2X.net
- 支援
- 728 :名無しで叶える物語:2022/05/09(月) 22:34:26.54 ID:a+rlZ11v.net
- ほ
- 729 :名無しで叶える物語:2022/05/10(火) 07:31:46.99 ID:kTsga5BD.net
- 支援
- 730 :名無しで叶える物語:2022/05/10(火) 22:19:47.79 ID:1sztNNK7.net
- ほ
- 731 :名無しで叶える物語:2022/05/10(火) 22:42:52.47 ID:Uo+tnwT/.net
- もうこないとおもう
- 732 :名無しで叶える物語:2022/05/11(水) 07:27:12.35 ID:x5weKTWw.net
- 期待
- 733 :名無しで叶える物語:2022/05/11(水) 23:20:01.66 ID:ef68mg72.net
- 支援
- 734 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2022/05/12(木) 02:56:53 ID:1gt0pe2t.net
- 卒業したんだろう
- 735 :名無しで叶える物語:2022/05/12(木) 07:20:02.98 ID:lDLj03wa.net
- 待ってる
- 736 :名無しで叶える物語:2022/05/12(木) 23:03:30.02 ID:SxMfe6Og.net
- 支援
- 737 :名無しで叶える物語:2022/05/13(金) 07:23:29.59 ID:j7zomnmt.net
- 期待
- 738 :名無しで叶える物語(SIM):2022/05/13(金) 23:12:01 ID:5SRwuARn.net
- 支援
- 739 :名無しで叶える物語:2022/05/14(土) 08:21:10.35 ID:uX4Y6iV8.net
- 支援
- 740 :名無しで叶える物語:2022/05/14(土) 08:21:15.56 ID:uX4Y6iV8.net
- 支援
- 741 :名無しで叶える物語:2022/05/14(土) 08:21:22.84 ID:uX4Y6iV8.net
- 支援
- 742 :名無しで叶える物語:2022/05/14(土) 08:21:37.74 ID:9lpQ351P.net
- 支援
- 743 :名無しで叶える物語:2022/05/14(土) 11:16:44.05 ID:9FZI5JqW.net
- ほ
- 744 :名無しで叶える物語:2022/05/14(土) 11:16:52.20 ID:9FZI5JqW.net
- ぺ
- 745 :名無しで叶える物語:2022/05/14(土) 11:17:15.50 ID:9FZI5JqW.net
- い
- 746 :名無しで叶える物語:2022/05/15(日) 00:18:39.23 ID:Yq0CjOrO.net
- 支援
- 747 :名無しで叶える物語:2022/05/15(日) 12:31:45.30 ID:hjkgTmZs.net
- 期待
- 748 :名無しで叶える物語:2022/05/15(日) 23:15:03.92 ID:GOgG2dtS.net
- ほ
- 749 :名無しで叶える物語:2022/05/16(月) 08:36:55.45 ID:oHxCxu9B.net
- う
- 750 :名無しで叶える物語:2022/05/16(月) 08:37:01.68 ID:oHxCxu9B.net
- ほ
- 751 :名無しで叶える物語:2022/05/16(月) 08:37:07.63 ID:oHxCxu9B.net
- ほ
- 752 :名無しで叶える物語:2022/05/16(月) 08:37:13.18 ID:oHxCxu9B.net
- じょ
- 753 :名無しで叶える物語:2022/05/16(月) 08:37:19.92 ID:oHxCxu9B.net
- ぽ
- 754 :名無しで叶える物語:2022/05/17(火) 07:20:58.22 ID:o1u6C+Jy.net
- 支援
- 755 :名無しで叶える物語:2022/05/17(火) 07:25:34.59 ID:mmiUQmeZ.net
- 15話『IさせたいならLOVEと言え!』
- 756 :名無しで叶える物語:2022/05/17(火) 07:26:05.47 ID:mmiUQmeZ.net
- 歩夢「そ、わかった」
歩夢「うん、元気でね」
歩夢「あなたのこと、ほんの少し、好きだったよ」
歩夢「ううん、なんでもない」
- 757 :名無しで叶える物語:2022/05/17(火) 07:26:49.14 ID:mmiUQmeZ.net
- 〜部室〜
侑「びえ〜〜!! ほ"ん"と"に"す"き"だった"んだもん"〜!!」ボロボロ
歩夢「なら尚更しょうがないよ。好きなら○○くんを応援、してあげなきゃ」
侑「やだあ"〜!!な"ん"でな"ん"で〜!!」ピー
愛「ち〜っすw……え、なにこの状況w」ガチャ
かすみ「や、その……」
ミア(部室で侑さんが大泣きしていた。 なんでも男に愛想を尽かされてフラれたらしい……)
愛「ウケるw 因果応報w」
- 758 :名無しで叶える物語(えびふりゃー):2022/05/17(火) 07:29:04 ID:mmiUQmeZ.net
- 歩夢「それにね、○○くんがいなくたって侑ちゃんには私がいるじゃない……私ならずっと側にいてあげるよ?」ギュッ
侑「あ"ゆ"む"はちがう"も"ん"〜!!!」ボロボロ
歩夢「悲しいなあ。そんなこと言わないで。ね?」ブチュウ
侑「ん"ん"〜っ! ん"〜! ん"ん〜…………」
歩夢「ぷはっ……♡ んちゅ……んん……んっ♡」
侑「ん〜……んん……」
かすみ「うわあ……」
彼方「ゆうぽむ尊ぇ〜」パチン
果林「まさに青春の1ページね」パチン
しずく「こんな汚いページがあってたまりますか〜い」パチン
エマ「……」グビパチン
ミア(そ、そんな……歩夢さんもボクの女だと思ってたのに……)
栞子(め、目の前で浮気されたのは初めてです……)
- 759 :名無しで叶える物語(えびふりゃー):2022/05/17(火) 07:32:24 ID:mmiUQmeZ.net
- 〜喫煙所〜
ミア(数多くいる侑さんの彼氏のうち、歩夢さんの家で飼っていたという本命の男が……相変わらず他の男にうつつを抜かす侑さんに痺れを切らしたのか、出て行ってしまったらしい。 もはやハナから理解不能だが、これ以上言いようがないのだから仕方ない)
愛「あーいう話されるの正直たまんないんだよね〜」
ミア(疎ましそうな顔で愛さんが呟いた。 ボクらは黙って頷いた。 と言ってもボクと栞子はただ非モテを拗らせてヒリついたから撤退しただけなのであったが……)
ミア(改めて紹介するまでもないことだが……侑さんは年がら年中発情している、三度の飯より交尾が大好きなバケモン性欲の持ち主だ)
ミア(そのストライクゾーンは広く、ガチムチに**られてもイけるし、中性的なマッシュに顔面を殴られながらの首絞め****でもイけるし、おじさまに言葉責めされながら***をほじくられる変態***に女の子との***も……一応歳下の可愛い男の子の***が一番好きらしい)
〜〜
「やっ♡ 〇〇くんのおっきいっ♡」
「やだぁっ! **はダメっ♡♡」
「だめっ止めるのはだめっ♡」ボコボコ
「産みます♡ 産んで○○くんの赤ちゃん一人で育てますっ♡」ボコボコボコ
https://i.imgur.com/e31bSx8.jpg
Fig. 15-1 しゃぶった後の高咲侑の画像.棒と白い液体はアイスクリームである.
- 760 :名無しで叶える物語(えびふりゃー):2022/05/17(火) 07:33:18 ID:mmiUQmeZ.net
- ミア(良さげな男には手当たり次第に手を出す見境の無さ……この繁殖能力は一体どこからやってくるのやら)
愛「彼氏出来てもゆうゆには絶対言わないほうがいいよw」
ミア(ランジュも過去に寝取られたことがあるらしく、その話を聞いたときマジで笑っちゃった。 そらキレるわ)
璃奈「私もやられた。 ほんとにヒリついた。」
ミア(なんだかんだ恋愛強者の多い部員は"取られる方が悪い"思考のようで、こんなことをしても部を追放されることはないのだが……)
璃奈「歩夢さんと組んで例の電マで仕返しした。 イキ狂う姿も撮ったよ。」
ミア「うわっ、エロ過ぎ!!」
栞子「す、素直に**です……」
- 761 :名無しで叶える物語(えびふりゃー):2022/05/17(火) 07:34:13 ID:mmiUQmeZ.net
- ミア(一体どうして侑さんがここまで****狂いになってしまったのかには諸説あるが、愛さんの考察によると、生まれてこの方培ってきた歩夢さんへのコンプレックスこそが、この悪癖の一因であるらしい)
愛「見てりゃわかるけど、ゆうゆ典型的な大学デビューだからね〜w」
愛「かたや歩夢は抜かりなくちゃんと女の子してるでしょ?」
ミア(幼い頃からコンスタントに運動部のエースに言い寄られよろしくやってきた歩夢さんとの経験値の差を埋めるかのように入学後、性的交渉に躍起になる……要するに、歩夢さんへのねじれこじれた感情が侑さんの原動力である。 議論にやや飛躍はある気はするが……愛さんの性格分析は、次に述べることがらも勘案すれば概ね妥当である)
ミア(というのも、ただの交尾に留まらず、歩夢さんの彼氏を寝取りに寝とった挙句、自分の彼氏を歩夢さんに当てがう暴挙! シェアリングエコノミーはここまで来たのか)
ミア(てか**どころか侑さんと歩夢さんふつーに***してるし)
ミア(侑さんは言わずもがななんだけど……歩夢さんも色々とおかしい。 自分の家で人の本命の彼氏の世話をするってマジで何?)
- 762 :名無しで叶える物語(えびふりゃー):2022/05/17(火) 07:35:11 ID:mmiUQmeZ.net
- 〜〜
「……? 私もう眠いんだけど……」
「ええ……さっきお風呂で***したでしょ……」
「まあいいけど……早く終わらせてね」
https://i.imgur.com/3ifG6dI.jpg
Fig. 15-2 しゃぶる上原歩夢の画像. 白い棒と液体はアイスクリームである.
ミア(おそらく本質的には男の人に興味は無く、歩夢さんは歩夢さんで侑さんの****狂いに対抗するように男の人と付き合っているフシがある……が、小さい男の子は好きらしい)
ミア「ていうかよく***とか言って舐められるよな、****なんて……。 ましてや***を飲むとか……だってアレ****する器官だろ?」
璃奈「好きな人のだったら平気。 ねえ、愛さん。」
愛「なんでアタシに振るの?」
- 763 :名無しで叶える物語(えびふりゃー):2022/05/17(火) 07:35:57 ID:mmiUQmeZ.net
- ミア「璃奈がよくdisってるけど誇張抜きでメンヘラレズビッチじゃないか……」
璃奈「私は真実を言ったまで。 悪口ばかり言う女と思われるのは心外。」
ミア(実際口は悪いだろ)
栞子「歩夢さん……みんなには内緒って言って……キスしてくれたんです……私、それでてっきり……」
ミア「ボクもそれやられて勘違いしちゃったよ……ってことはボクら、知らず知らずのうちに恋敵になっていたのか……」
愛「歩夢はキス魔だからね〜、いつぞやの飲み会でがっつり舌入れられてキスされたことアタシもあるw」
璃奈「……私とは一度もしてくれなかったのに。」
愛「え、いやほら、本気の人にはできないじゃん」
璃奈「遊びだといくらでもするの? さすが愛さん。」
愛「愛さんもしかして地雷踏んだ?w」
ミア「うちってこんなにドロドロしてたの?」
- 764 :名無しで叶える物語(えびふりゃー):2022/05/17(火) 07:37:20 ID:mmiUQmeZ.net
- 璃奈「実際歩夢さんは上手いよ。」
ミア(それどころか璃奈も歩夢さんとセックスしたことがあるらしい。 マジかよ!)
璃奈「昔の話。」シュポッ
璃奈「ふう……」スパー
ミア(煙が目に入らないよう、まぶたを閉じてヤニを吸って吐く璃奈の仕草は歩夢さんそっくり。 煙草もそのときに教えてもらったんだろうか)
ミア「続かなかったの?」
璃奈「多分、元々どちらも本気じゃなかったんだよ。 歩夢さんも女の子には手を出す人だけど……侑さんだけ見てるのはやっぱりわかった。」
ミア「歪んだ相思相愛だな……日本の性教育はどうなってるんだ」
璃奈「親の顔見てみたいところではある。」
ミア(いやいやお前も大概だろ……自分のこと棚に上げて……)
愛「りなり〜も親いないじゃんw」
璃奈「そう。 私は親の愛を知らない哀しい獣……ゆえに愛を探し求めて歩いていく……。」
愛「愛だけにw」
璃奈愛「がははは!!」
ミア(こいつら酒飲んできたのか?)
- 765 :名無しで叶える物語(えびふりゃー):2022/05/17(火) 07:38:13 ID:mmiUQmeZ.net
- 栞子「歩夢さんの魔力に少し目移りしちゃってました。 やはり恋とは一筋を貫くのみですね」
栞子「人を愛するということを忘れてしまったみたいな貴女達のようにはなりません」
ミア(偉そうに……)
璃奈「私は一応正式に付き合ってたよ。 だから私と歩夢さんはお互いに元カノ。」
ミア「ふ〜ん……」
https://i.imgur.com/6bKUFmf.jpg
Fig. 15-3 某日某所での繋がり厨の画像. 皮膚に付着する白い液体はアイスクリームである.
ミア「璃奈もボクとは遊びだったって訳ね……」
愛「ミアチ悔しい?w」
璃奈「悔しいの? ミアちゃん。」
栞子「悔しいんですか? ミアさん」
ミア「なんなんだその待ってましたと言わんばかりの集中砲火は……。 冗談だって……別に恋愛感情じゃなくて友情だよ……」
- 766 :名無しで叶える物語(えびふりゃー):2022/05/17(火) 07:39:47 ID:mmiUQmeZ.net
- 菜々「……」
ミア「……一緒に抜けてきた癖にさっきから一言も喋らない菜々さん……」
菜々「わ、わたし!?」
ミア「やんなっちゃいますよ、ねえ?」
菜々「そうですね、私もあの手の話は苦手なので……」
栞子「信じてました! かくいう私も無為に時を過ごして今やヤラハタです……」ショボン
栞子「*****の味も***の味も知らないままババアになってしまいました……泣」
菜々「栞子さん……ここ、私たちだけじゃないですから……」
たまたま居合わせた人(さっきから何だ!? こいつら!)
栞子「菜々さんは見ての通り清純派ですからね……やっぱ恋をするならこういう人なんですよ」
ミア「ふん、実るといいね」(ん? でもあいつらの話によると菜々さんって……)
栞子「あららら! 悔しいですねえ!? ミアさん」
ミア「お前は何なん?」
愛「三船煽り子w」
- 767 :名無しで叶える物語(えびふりゃー):2022/05/17(火) 07:40:36 ID:mmiUQmeZ.net
- 栞子「こんな人達放っておいて私と青春を満喫しましょう! 菜々さん! 二人で!」
菜々「う〜ん……」
ミア「や、でもこの人確か彼氏いたことあるでしょ……」
菜々「ええっ!?///」カアア
栞子「えっ」
ミア「侑さんをして言わしめるくらい……飛び切りクソな男と引っ付いてたとかなんとか……」
愛「そうなの?w」
菜々「ま、まあ……あまり思い出したくないことですけど……」
栞子「……」
璃奈「聞きたい。 聞かせて?」
- 768 :名無しで叶える物語(えびふりゃー):2022/05/17(火) 07:42:18 ID:mmiUQmeZ.net
- 菜々「まあ、そのバンドマンって性に奔放な、インモラルを是とする風潮がやっぱりあって……雰囲気に飲まれたのと……初めての恋人に舞い上がっちゃって私もコロッと行っちゃいましたね……」
菜々「毎晩どちらかの家に行き来して***してましたし……何なら***まで許してたので……」
菜々「要求には大方応えてました。 学内とかも……」
https://i.imgur.com/82IQnb2.jpg
Fig. 15-4 自分のことを彼女だと思い込んでいる中川菜々の画像. 白い液体はアイスクリームである.
菜々「だから私も結構仕込まれてました……***を****するまで離してくれなくて……」
璃奈「わお、なかなかハード。」
菜々「バイト先の上司とも……飲みに行った流れで……被害者ぶってますけど、私もそれなりの好奇心があったのは否定できませんね……」
栞子「あ……ああ」ガタガタ
愛「どうした?w」
栞子「🤯🤯🤯🤯🤯」パァン
栞子「東大の学生証ピッで三船栞子の閉経おま*こパカッ!w うぃ〜〜〜んww」
ミア「あ〜あ、壊れちゃった。 どうすんだよこれ」
菜々「ええ……これ私のせいなんですか……」
- 769 :名無しで叶える物語(光):2022/05/17(火) 07:49:35 ID:Vg9lZcJb.net
- 復活してて草
- 770 :名無しで叶える物語(SB-iPhone):2022/05/17(火) 07:58:44 ID:0xlddR3/.net
- まさかのイラスト付きは草
- 771 :名無しで叶える物語:2022/05/17(火) 08:00:46.12 ID:Jt1mBvzs.net
- 歪みすぎたゆうぽむで草
- 772 :名無しで叶える物語:2022/05/17(火) 08:04:24.37 ID:aHWKNLj8.net
- もしかしてイラスト描いてて期間が空いたのか…?
- 773 :名無しで叶える物語:2022/05/17(火) 08:50:53.39 ID:Viqo/3K2.net
- 地域違うし乗っ取りだろ
- 774 :名無しで叶える物語:2022/05/17(火) 09:43:25.16 ID:2z/ixj9d.net
- 周囲みんな使った愛情の確認作業みたいでこわいわw
イラストの絵柄可愛いからギャップがすごい
- 775 :名無しで叶える物語:2022/05/17(火) 09:46:03.20 ID:Yr7MyB9o.net
- めっちゃおもしれえ
- 776 :名無しで叶える物語:2022/05/17(火) 09:51:37.53 ID:XAEAymgc.net
- 乗っ取りとは思えないな
キャラの雰囲気とかまんまだし
しかしここまでキャラが崩壊してるのに虹キャラがしゃべってるように思えるのはすごい
- 777 :名無しで叶える物語:2022/05/17(火) 10:22:32.18 ID:uakLBDEj.net
- いつもありがとうございます
よろしければ松浦小原の伝説を・・・
- 778 :名無しで叶える物語:2022/05/17(火) 10:42:44.19 ID:RnMHa2P/.net
- この画風pixivで見たことあると思って探してみたけどここにあるイラストはなかった…マジで描き下ろしっぽくてたまげたなぁ…
- 779 :名無しで叶える物語:2022/05/17(火) 11:05:37.45 ID:XEbptscv.net
- 栞子ちゃんの壊れ方が面白すぎる
地域表示は基地局の関係か知らんけど固定回線でもわりと変わるよ
- 780 :名無しで叶える物語:2022/05/17(火) 18:00:12.21 ID:me7GTm2I.net
- 急に伏せ字使いだしたのはなんでだ?
- 781 :名無しで叶える物語:2022/05/17(火) 18:48:15.66 ID:tSACLPF7.net
- 歩夢が男と付き合い始めて侑が🤯
侑が男狂いになって歩夢が🤯
巻き添え食らった周囲も🤯
- 782 :名無しで叶える物語:2022/05/17(火) 21:32:43.35 ID:liWHf1oj.net
- 🤯🤯🤯🤯🤯
- 783 :名無しで叶える物語:2022/05/17(火) 21:57:50.01 ID:grzbQVXB.net
- フリーセックスサークルかな?
- 784 :名無しで叶える物語:2022/05/18(水) 00:13:20.53 ID:Rh/EvcFn.net
- ふーん、えっちじゃん🤯
- 785 :名無しで叶える物語:2022/05/18(水) 00:24:00.56 ID:5lBg/PUO.net
- >>781
周囲からしたらなんてはた迷惑なんだ
- 786 :名無しで叶える物語:2022/05/18(水) 00:40:10.36 ID:xdvmUgkQ.net
- この話でタバコバカスカ吸ってるけど口臭気になるわ
- 787 :名無しで叶える物語:2022/05/18(水) 00:46:39.34 ID:Z559EBTi.net
- >>781
全員🤯かと思ったら2人にシェアされる男だけは得してて許せん
- 788 :名無しで叶える物語:2022/05/18(水) 07:30:20.45 ID:h8pLuELg.net
- エッッッッッッッッッッ
- 789 :名無しで叶える物語(しまむら):2022/05/18(水) 09:31:09 ID:4NExrtJB.net
- 歩夢とりなりーの煙草が同じなのはそういう…
細かいなー
- 790 :名無しで叶える物語:2022/05/18(水) 19:05:51.17 ID:OVDev3+6.net
- SS書けて絵も上手いのか羨ましい
きっと努力したのだろう
- 791 :名無しで叶える物語:2022/05/18(水) 23:37:25.93 ID:tChV5oAn.net
- きな子、メイ、四季、夏美の4人も登場するのかな。オープンキャンパスにやってくる受験生として出てきそう。
- 792 :名無しで叶える物語:2022/05/19(木) 02:36:20.19 ID:h8xFTJvz.net
- ぽ
- 793 :名無しで叶える物語:2022/05/19(木) 02:36:25.14 ID:h8xFTJvz.net
- じょ
- 794 :名無しで叶える物語:2022/05/19(木) 02:36:29.89 ID:h8xFTJvz.net
- ほ
- 795 :名無しで叶える物語:2022/05/19(木) 02:36:42.53 ID:h8xFTJvz.net
- ほ
- 796 :名無しで叶える物語:2022/05/19(木) 22:39:19.51 ID:O+AwzIU4.net
- エッチだ…
- 797 :名無しで叶える物語:2022/05/20(金) 07:25:57.01 ID:qswNCO3m.net
- 支援
- 798 :名無しで叶える物語:2022/05/20(金) 23:23:49.75 ID:OQ+n9aJQ.net
- 期待
- 799 :名無しで叶える物語:2022/05/21(土) 14:17:25.15 ID:PDwz4/vv.net
- 支援
- 800 :名無しで叶える物語:2022/05/22(日) 00:11:45.99 ID:VSeIlmRd.net
- ほ
- 801 :名無しで叶える物語:2022/05/22(日) 14:21:47.80 ID:Jm66G3ct.net
- ほ
- 802 :名無しで叶える物語(SIM):2022/05/22(日) 22:53:28 ID:n5LC1wqo.net
- 支援
- 803 :名無しで叶える物語:2022/05/23(月) 12:53:43.73 ID:b1BPgg2z.net
- ほっしゅ
- 804 :名無しで叶える物語:2022/05/23(月) 23:20:57.65 ID:86wjvLn8.net
- 支援
- 805 :名無しで叶える物語:2022/05/24(火) 07:05:19.34 ID:mEOeOBez.net
- 支援
- 806 :名無しで叶える物語:2022/05/24(火) 23:13:09.30 ID:cRp9RetN.net
- ほ
- 807 :名無しで叶える物語:2022/05/25(水) 07:26:49.26 ID:ur8ysyvE.net
- 支援
- 808 :名無しで叶える物語:2022/05/25(水) 23:19:58.43 ID:UHhwv3jr.net
- 期待
- 809 :名無しで叶える物語:2022/05/26(木) 03:51:23.74 ID:CQqkvYTT.net
- 支援
- 810 :名無しで叶える物語(光):2022/05/26(木) 21:52:15 ID:T37qZOCp.net
- ワイも果林ちゃんのガイガイダンス踊ろうかな
- 811 :名無しで叶える物語:2022/05/27(金) 07:30:23.73 ID:raM/YkN7.net
- 支援
- 812 :名無しで叶える物語:2022/05/27(金) 23:26:01.29 ID:KLCQtdKr.net
- ほ
- 813 :名無しで叶える物語:2022/05/28(土) 01:16:02.60 ID:ICRBJYxp.net
- >>810
教授にいじめられたんかな
- 814 :名無しで叶える物語:2022/05/28(土) 13:13:19.24 ID:5R6+0MXN.net
- 支援
- 815 :名無しで叶える物語:2022/05/29(日) 00:26:18.59 ID:B0KxKup9.net
- 期待
- 816 :名無しで叶える物語:2022/05/29(日) 12:09:31.29 ID:/fC82V7p.net
- 支援
僕はついていけるだろうか
留年のない世界のスピードに
>>813
表現は難しいけど雑に言うとそんな感じ
- 817 :名無しで叶える物語:2022/05/29(日) 23:11:22.59 ID:hMq7ZHNH.net
- 支援
- 818 :名無しで叶える物語:2022/05/30(月) 07:26:27.97 ID:lW9gTVj6.net
- ほ
- 819 :名無しで叶える物語:2022/05/30(月) 22:39:08.82 ID:LrK+NehB.net
- 支援
- 820 :名無しで叶える物語:2022/05/31(火) 07:35:21.54 ID:teQ+Da7N.net
- 支援
- 821 :名無しで叶える物語:2022/05/31(火) 23:27:05.01 ID:hCl3XGas.net
- ほ
- 822 :名無しで叶える物語:2022/06/01(水) 07:23:44.70 ID:EUd1VEuT.net
- 支援
- 823 :名無しで叶える物語:2022/06/01(水) 23:03:56.04 ID:V3qiHfnD.net
- ほ
- 824 :名無しで叶える物語:2022/06/02(木) 07:24:47.07 ID:c33yZYcp.net
- 支援
- 825 :名無しで叶える物語:2022/06/02(木) 23:11:49.31 ID:4rKXfqLq.net
- ほ
- 826 :名無しで叶える物語:2022/06/03(金) 15:09:53.92 ID:3HpDLl13.net
- 支援
- 827 :名無しで叶える物語:2022/06/04(土) 01:10:31.51 ID:zfvOsvLM.net
- ₍₍ @cメง*˶ˆ ᴗ ˆ˵リว ⁾⁾
- 828 :名無しで叶える物語:2022/06/04(土) 14:35:29.63 ID:GVDeRf/J.net
- ほ
- 829 :名無しで叶える物語:2022/06/05(日) 07:43:08.22 ID:9cwzncLZ.net
- 期待
- 830 :名無しで叶える物語:2022/06/05(日) 23:34:17.36 ID:VvGIk/Ww.net
- ほ
- 831 :名無しで叶える物語:2022/06/06(月) 06:40:44.84 ID:AyXRiwm6.net
- 期待
- 832 :名無しで叶える物語:2022/06/06(月) 22:45:07.83 ID:qalGhBVG.net
- 支援
- 833 :名無しで叶える物語:2022/06/07(火) 07:23:54.11 ID:UUY4MyW4.net
- ほ
- 834 :名無しで叶える物語:2022/06/07(火) 22:55:54.81 ID:qGBRLNIj.net
- 支援
- 835 :名無しで叶える物語:2022/06/08(水) 07:07:49.29 ID:aROaTdU8.net
- ほ
- 836 :名無しで叶える物語:2022/06/08(水) 22:42:45.00 ID:l4VWKLTL.net
- ほ
- 837 :名無しで叶える物語:2022/06/09(木) 07:23:10.95 ID:wh7j0cDo.net
- 支援
- 838 :名無しで叶える物語(SIM):2022/06/09(木) 23:00:56 ID:y28bwPel.net
- ほ
- 839 :名無しで叶える物語:2022/06/10(金) 07:22:10.76 ID:mpi02WFr.net
- 支援
- 840 :名無しで叶える物語:2022/06/10(金) 22:49:13.12 ID:oEMtCa/Y.net
- ほ
- 841 :名無しで叶える物語(SIM):2022/06/11(土) 15:02:22 ID:TrFP13Ln.net
- しお
- 842 :名無しで叶える物語:2022/06/12(日) 01:13:33.62 ID:sFHSBs5Z.net
- 期待
- 843 :名無しで叶える物語:2022/06/12(日) 23:13:55.59 ID:QP9OX0T6.net
- 支援
- 844 :名無しで叶える物語:2022/06/13(月) 07:20:43.66 ID:KuQIWgB2.net
- 支援
- 845 :名無しで叶える物語:2022/06/13(月) 22:11:39.92 ID:DryM9q3j.net
- ほっしゅ
- 846 :名無しで叶える物語:2022/06/14(火) 07:21:06.46 ID:Y9Exfrsd.net
- 支援
- 847 :名無しで叶える物語:2022/06/14(火) 23:00:07.01 ID:FoDnqO0l.net
- ほ
- 848 :名無しで叶える物語:2022/06/15(水) 07:21:43.17 ID:Fc87Xk1S.net
- 支援
- 849 :名無しで叶える物語:2022/06/15(水) 22:28:45.39 ID:cGbgbAwJ.net
- 期待
- 850 :名無しで叶える物語(SIM):2022/06/16(木) 07:22:30 ID:Kzj7nXJz.net
- ほ
- 851 :名無しで叶える物語:2022/06/16(木) 22:23:58.82 ID:3qQiTNL5.net
- 支援
- 852 :名無しで叶える物語:2022/06/17(金) 07:19:49.15 ID:DJKK7AdX.net
- ほっしゅ
- 853 :名無しで叶える物語:2022/06/17(金) 23:28:55.51 ID:hCVYSf/q.net
- ほ
- 854 :名無しで叶える物語:2022/06/18(土) 13:14:17.45 ID:AY0s49Vi.net
- ほっしゅ
- 855 :名無しで叶える物語:2022/06/18(土) 13:47:39.85 ID:Cdcnmf6C.net
- 15.5話『かれら(われら)新鮮(退廃)な旅人』
- 856 :名無しで叶える物語:2022/06/18(土) 13:48:57.76 ID:Cdcnmf6C.net
- ミア(桜が咲き始め、進学、就活、卒業……多くの虹大生が新生活に向け慌ただしくなる頃だ)
ミア(2月に冬学期が終わり、卒業や修了を賭けた論文発表会が開かれたと思えば、虹大はたちまち入学試験会場に変わる。 夏と同様教職員総動員で大忙しだ)
ミア(その後は即採点! 1万人を有に超える受験生の回答用紙をミスなくかつ猛スピードで採点していく教員たち)
ミア(無事論文を提出した卒業予定の学生たちは暇になったかと思えばそういうワケでもなく、入社予定の企業の手続きや課題や研修……その合間に"立つ鳥跡を濁さず"というやつで、それぞれのゼミや研究室で後片付けや引き継ぎ作業を行わなければならない。 3月の学会に向けまだまだ研究活動を続行する猛者もいる……)
ミア(その3月にいよいよ本格化するのは就職活動! およそ2週間かけて学内で開催される企業の合同説明会にぞろぞろ参加する、似合わないスーツ姿の学生たちが、不慣れな革靴で派手に音を鳴らして歩いていた)
ミア(そして合格発表の日には、このときのために苦心した高校生や浪人生が、晴れて虹大への切符を手にする……彼らももちろん新居や入学書類等やることが盛り沢山だ)
ミア(そんな新入生を今か今かと待ちくたびれているのは、一人でも部員を確保したいサークル集団! かつての上級生は引退したから、新しい組織を率い、慣れない手つきで新歓を進めていく……)
- 857 :名無しで叶える物語:2022/06/18(土) 13:49:48.77 ID:Cdcnmf6C.net
- 「ビラの印刷今日までだぞ!」「立て看そこじゃない! こっちこっち!」ドタドタ
ミア(大変そうだなあ……)テクテク
ミア(何もすることがないボクは、特に用事もなく通う部室棟までの並木道に植えられた桜の、蕾が日に日に花開いていく様子を通りすがりに眺めていた)
ミア「お、咲いてきたな……」
ミア(桜は好きだ……。 こんな慌ただしい季節でもこの場所に来ると……時間がなだらかになるような気がする。 何もかもが知性と理性に支配された大学という空間でも、ここでなら自然本来の時間を感じられるような気持ちになる)
ミア(まあ、怒涛の日々に追われている彼らはこの桜を堪能する暇もないだろうけど……。 雪解けとともに芽吹いていく桜が、たなびく春風に揺られ、いつの間にか花びらとなって散ってしまった姿を足元に見るのだ)
ミア(今回はそんな彼らに代わって、このボクが立春から春分までのそぞろな日々を徒然なるままに書き記していこうと思う)
- 858 :名無しで叶える物語:2022/06/18(土) 13:50:35.99 ID:Cdcnmf6C.net
- 〜部室〜
かすみ「うがあああああ!」ドタンバタン
しずく「やり〜w」
ミア(ガッツポーズを決めるしずくと地面をのたうち回るかすみ。二人は命を賭けたTOEICスコアバトルとやらをしていたのであった。 なんと負けた方は死ぬという)
ミア(かすみは健闘したものの、外国文学専攻のしずくには到底敵わず100点以上差をつけられて負けていた。 合掌!)
かすみ「ミアちゃんは……?」
しずく「私に敵うかな〜?w」
ミア「990」
しずかす「「ぎゃあああああ〜!!」」バタリ
ミア「何で勝てると思ったんだ?」
- 859 :名無しで叶える物語:2022/06/18(土) 13:51:44.01 ID:Cdcnmf6C.net
- ミア「それにしても璃奈のスコアはちょっとマズくないか……論文とかって英語なんじゃないの?」
璃奈「卒論は日本語だよ。 参考文献読むのもDeepLがあるから平気。」
ミア「ふ〜ん……でもやっといた方がいいと思うけどね」
璃奈「物事には優先順位というものがある。 まずはこれらの試験壊滅した授業の先生に、単位懇願しに行かなければならない。」
ミア(もはや何も言うまい)
ミア(日本の高等教育課程の学生はもれなく外国語に苦しむ。 かつて脱亜入欧を果たすべく、極東の小国であった日本の国策として欧米列強諸国に送り込まれた明治の偉人たちは、ときには神経衰弱を患いながらも辛苦の末……外国語と西洋の最新の研究を修め、東洋初となる近代国家、大日本帝国の形成に貢献した……)
ミア(今ではその偉人たちの変態的な功績により極めてニッチな分野の学問であろうとも日本語で学ぶことができる。しかしアメリカ由来のジャーナル文化の支配するアカデミアにおいて、英語への依存度は依然として大きい)
ミア(したがってどこの大学も学生たちに英語学習を熱心に促す。 留学生を大量に招き入れたり、英語技能試験を卒業要件に含ませたり、大学院科目や学部でも一部の科目を英語で開講したりする。 実際のところは、その背景に文科省の助成金や指定大学への認定による経営の緩和といった誘因もあるわけだが……世界に羽ばたくニジガサキ! を謳っておきながら結局は英語英語アメリカアメリカ! 日本に来てグローバル化=アメリカ化という現実を知ることになった)
ミア(中国語と日本語を器用にこなすランジュでも900前後でスコアが頭打ちになってしまっているようで嘆いていた……ズルいようだが英語はボクがランジュに勝てる数少ない分野だ。 ま、もっともボクは中国語については拼音すら知らないのだが……中国語は今のところ使う予定はないので無問題ラ!)
- 860 :名無しで叶える物語:2022/06/18(土) 13:52:47.61 ID:Cdcnmf6C.net
- ミア「かすみは就活?」
かすみ「そーだよ。 さっき証明写真撮ってきたとこ……そうだった! esと履歴書やんなきゃ!」バタバタ
かすみ「……明日は明日で面接だし……」
ミア「大変だな〜……そういえば最近生協のホールでなんかイベントやってるよね」
かすみ「メーカーのやつでしょ? それも行く!」
ミア(唯一の就活生かすみはなんと50社近くエントリーするという…… 優秀な新卒の早期獲得を目論む企業は、建前では倫理憲章を遵守する傍ら、他社を出し抜いて学生を採用するためにあの手この手でこっそりと実質的な早期選考を始めている……結局割りを食って振り回されるのは就活生と中小企業ということか……)
- 861 :名無しで叶える物語:2022/06/18(土) 13:53:40.66 ID:Cdcnmf6C.net
- かすみ「webテの解答のExcelシート回bチてきた! 玉手箱もTGもGABも……これで勝つる!」ポチポチ
かすみ「非言語もこれで時間内に……! にしし」
歩夢「え、待って。 それ答え合ってる?」
侑「答え違うくない?」
かすみ「ええっ!?」
ミア(かすみがどこからか手に入れてきた解答集にはなんと誤答が含まれていた! てか塾講カテキョの連中はこーいうの早いな……)
愛「ほい、終わったよ〜」
かすみ「わ〜っ!! ありがとうございますう!!」
ミア(かすみのwebテストをみんなで分担して解いた。 文系と理系で言語と非言語に分かれ8〜9割を目指してかすみ名義で解いていく……のだが、そう上手くはいかないものだ。 ボクも璃奈も短時間で処理していくのは苦手なんだよな……)
ミア(英語を課された企業のwebテストは勿論ボクが担当した。 かすみの英語力を勘案して1、2問ほどわざと間違えておいた。 まあ念のためね)
ミア「ていうかこれインチキじゃない? いいの?」ポチポチ
かすみ「この後適性検査っていう性格診断みたいなのがあってね、それもやらされるんだけど……"協調性ある"とか"みんなの意見に耳を傾ける"って選択してるからへーきへーき!」ポチポチ
ミア「ものは言いようだなぁ……」ポチポチ
- 862 :名無しで叶える物語:2022/06/18(土) 13:54:22.96 ID:Cdcnmf6C.net
- かすみ「ぐぎぎ……」カチカチ
ミア(ESは流石に本人が書くしかない。 学生時代が虚無だとしてもガクチカを盛りに盛って、嘘八百をきらびやかに並べ立てる。 自己PRなので仕方ない事なのだが……バ先の売上が何割アップしたとか東南アジアで井戸を掘ったりとか……みんながみんなマジならば、日本の未来は安泰にも程がある)
ミア(日付が変わるギリギリまでかすみは原稿と睨めっこしていた。 ガチでやることがないからボクらも部室にいて眺めていたけど、ガチでキツそう)
かすみ「ああああああ!!!」ポチ
かすみ「es妥協して提出しちゃったあ……アピールポイントに最後まで諦めない忍耐力って書いたのに」
「詐欺じゃねーか」
- 863 :名無しで叶える物語:2022/06/18(土) 13:55:15.38 ID:Cdcnmf6C.net
- 〜翌日(厳密には翌日ではない)〜
かすみ「いや〜多分落ちましたね」
ミア(男と会う時以上に顔面を決めてきたかすみは、部室に来るなり手応えと反省点をブツブツ語り出した)
かすみ「わりかしアドリブ効く方だと思ってたんですけど……見透かされてますねありゃ」
「はえ〜」
かすみ「向こうはプロですからね、ニワカには答えられない質問とか熟知しているんですよ」
「いいから次行け次!」
ミア(本命でない業界であれど準備不足で落とされるのならばエントリーした意味がない。 業界研究を怠らず、動機を文字に落とし込んで声に出して練習すべし。 ボクたちに向けて熱くアドバイスを語るかすみだが……御高説むなしく、ボクらは来年再来年の就活の時期に、きっと同じ過ちを犯すだろう)
- 864 :名無しで叶える物語:2022/06/18(土) 13:56:58.65 ID:Cdcnmf6C.net
- かすみ「うううおんおんおん……」
ミア(飢餓状態の獣のように唸りながらF5キーを連打し、ノートPCと睨めっこしていたかすみが、不意に立ち上がった)
かすみ「……あ」
かすみ「ああああやったああああ! 就活終わり!」ガタッ
「え!」
「内々定出たの!?」
かすみ「留年確定! 今年の就活終わり! やったああああああ!!!」
「「うおおおおお!!!」」パンパアン
かすみ「ああああああああああ」
ミア「こりゃあめでたいっ!!」パアンパアン
かすみ「学部生に内定!!(泣)」
かすみ「ちくしょ〜〜〜!!!」ドタンバタン
ミア(そうか、今日は成績発表の日だったな……そしてついに唯一の不確定要素、かすみが留年確定してしまった。 みんなは溢れる笑顔で踊り出す)
みんな「「そりゃよかったねよかったね♪」」ズンズン
ミア「すてきな一年になりますように♪」ズンズン
かすみ「うひゃおおおおおお!!」ゴロンゴロン
ミア(スズキのCMのムーミンのダンスでボク達全員に煽られたかすみは、乱暴にリクルートスーツを脱ぎ捨て肌着のまま部室内をソニックのようにゴロゴロ転がり回った。 やがて本棚に激突し、ヘソとぱんつを丸出しにしながら力無く仰向けになった……)
ミア(でもつきものが落ちたような、なんだか晴れやかな表情だ……留年してでも放り出したくなるくらい就活は辛かったようだ。 半年間お疲れ様……また来年頑張れ!)
- 865 :名無しで叶える物語:2022/06/18(土) 13:58:05.86 ID:Cdcnmf6C.net
- 〜食堂〜
「「ミアちゃん! 久しぶり!」」
ミア「ん? ……おお!」
ミア(ヨーグルトでも買おうと学食の列に並んでいたボクにわざわざ声をかけてくれたのは、あのマウント取りたgirlsだった。 なんでも本日、経済の進級ガイダンスで出校していたらしい……ちなみにボクも機械のガイダンスが先週くらいにあった気がするけど、面倒で行かなかった)
ミア(2年になるといよいよ時間割に専門科目でびっしり詰め込まれてしまうので、もうあまり彼女たちと一緒の講義を受けることはなくなるだろう……それなのに声をかけてくれるというのはまことに有り難いことだ)
ミア(春休み真っ只中ではあるが、今日は学内に人が多い。 生協食堂も……彼女たちのようにガイダンスであったり、先に少し触れた企業説明会や新歓活動準備にいそしむ学生で盛況だ。 生協だけにw)
ワイワイ!ガヤガヤ!
「座る場所なさそうだね……」
ミア「確かに。 食ったらさっさと出ていってくれよ……ん?」
果林「ゲーーッ!!」
彼方「ヒヒヒヒw バカめ! イヒヒヒヒ!w」
- 866 :名無しで叶える物語:2022/06/18(土) 13:58:54.68 ID:Cdcnmf6C.net
- ミア(大混雑の中、6人掛けのテーブルを無料の水だけで居座り花札を広げ占領するというなんとまあ図々しい老害二人! このボクが責任を持って外へ叩き出したので、ボクたちはなんとか座席を確保することができた)
「「やっと座れた〜w」」
ミア「ぐぁつぐぁつぐぁつ!」ガシャガシャ
「ミアちゃんお弁当? 凄いね、自分で作ったの?」
ミア「いや、作ってもらった。 ボクが作ったら野菜なんて入れないよ」
「確かにw ミアちゃんは……確かお姉さんと二人暮らしなんだっけ?」
ミア「まあそんなとこ」ムシャムシャ
ミア「昼は弁当、夜は部室で鍋と炊き出し。 これで食費はほぼゼロなんだよね」
「え〜っ楽しそう! いいな〜……」
- 867 :名無しで叶える物語:2022/06/18(土) 14:00:20.50 ID:Cdcnmf6C.net
- 「さっきミアちゃんが追い払ってた怖い人達もそのサークルの人なんだよね?」
「前喫煙所にいたよねw」「何年生なの?」
ミア「5。 次で6」ガツガツ
「ええ……めっちゃ先輩じゃん……」「留年生なんだ……」
ミア「そうそう、来年であの人たち学年が112233になるから一盃口が成立するんだよ」
「……?」「イーペーコー?」
「数学?」「えっと……たしか麻雀、だよね……?」
ミア「しまった……これ工学部ではバカウケの鉄板ネタなんだよね……」
「わ、わからなくてごめんね……」
「こ、今度私達にも麻雀教えてよ!w」
- 868 :名無しで叶える物語:2022/06/18(土) 14:01:15.07 ID:Cdcnmf6C.net
- ミア「ねーねー、この後どっか行かない?」
「あ〜……ウチサークルの新歓作業あって……」
「ウチも……」「私も……」
ミア「え〜っ」
「や〜ごめん、今まで菩薩だった先輩がさ〜急に気張っちゃってさ……部員100人集める! って意気込んちゃって……」
「わかる!w え、急にお前どしたん?wみたいなw」「本性現したねって感じw」
ミア「そっか……」
「ミアちゃんのサークルは新歓なにかやらないの??」
ミア「しないなあ……うちはスカウト制だから……」
「なにそれかっこいいw」
ミア(ガールズはそれぞれの新歓で大忙し。 かたやうちは特に新歓はしない。 なのでボクに後輩が出来るのはずっと後のことだろう)
- 869 :名無しで叶える物語:2022/06/18(土) 14:02:09.31 ID:Cdcnmf6C.net
- 〜〜
ミア(さて、時間は少し巻き戻る)
ミア(冬学期の期末試験期間の2月上旬、やはりボクは試験勉強に苦しんでいた)
ミア(線形と微積に加えて電磁気、熱に波動に量子が一気に襲い掛かる! その上相変わらず謎に必修の生物や情報……講義には出ていたはずなのに、どれもこれも中身の1割も理解できていない、苦しくてついベソかいてしまった)
ミア「わかんない!! わかんないよお!!」ブワアッ
ランジュ「ちょっ……」
ミア「意味ない! こんなの意味ない!」ビリビリ
ミア「どうせ人は死ぬんだ! こんなの理解したっていずれ人は……死んで無になるんだから意味ない!!」ピー
ミア「教科書に載ってる高名な学者もみんな死んだ! 勉強なんてなんの意味があるんだ!!」ギャアギャア
ランジュ「落ち着きましょ……ね? ゆっくりやればぜったいわかるから……」
ミア「う"〜っ」グスグス
- 870 :名無しで叶える物語:2022/06/18(土) 14:02:48.28 ID:Cdcnmf6C.net
- ミア(試験前の精神状態というのは恐ろしい。 自発的に受けていたはずの講義に付いて回る期末試験! 不十分な理解では即落単だ!……興味と関心を抱いて飛び込んだはずの学問は、いつの間にか罰を誘因とした苦行に変わっていた)
ミア(もはやボクは知的好奇心のために勉学しているのではない……そう自覚した折には、学問の意義とはかくの如く無理矢理強いられるものではない! ならばいっそ放棄してしまうのがむしろ健全な姿勢というものである! という落伍者による論理の逆転も理解できた)
ミア(きっとボクは本質的にはもう、同好会のみんなと同じく学修意欲を失墜させてしまったのだろう。 落単というペナルティの実利的な弊害とその恐怖ゆえにあそこまでには至れないだけで……)
ミア「ランジュにはさ……できないやつの気持ちがわかんないんだよ」グスグス
ランジュ「……」
ミア(こういうことを言うと、ランジュはひどく悲しそうな顔をする)
ミア(元はと言えば、ボクがこうまで乱心しているのは他ならぬボクの物分かりの悪さのためであり、周囲と並んだときに嫌でも露呈してしまう、この自身の能力の低さに途方もなく失望したからだ。 それは言うまでもなく、難しい難しいと評される定理や概念を軽々と理解し飛び越えていく理系ガールズへの妬みであることを認めなければならない)
- 871 :名無しで叶える物語:2022/06/18(土) 14:03:37.38 ID:Cdcnmf6C.net
- 〜〜
恋「うう……ってことは私は満点取らないと単位取れないんですか……?」
かのん「そうだよ……? 4割授業中の小テストだし……」
恋「こ、このえ、Hとはなんのことなのですか……? 男女のまぐわいとか、そういうことですか……?」
かのん「なわけないでしょ」
ミア(そこから!? それはいくらなんでもヤバいだろ)
恋「エントロピー、ですか……どこかで聞いたことはありますね」
千砂都「いやentropyとは別物だよ……」
恋「そ、そんな……」
- 872 :名無しで叶える物語:2022/06/18(土) 14:04:18.56 ID:Cdcnmf6C.net
- 千砂都「まあそのために私達がいるんだからね」
恋「皆さん……ありがとうございます😭」
ミア(講義には一切出ず、直前にどこからか入手した過去問を解き単位を取る……それはコスパコスパのたまう学生が誇らしげにイキる攻略法そのもの。 このような態度は根性論的美徳からは容認し難いものだ……端的に言うとズルい! しかし……)
恋「なるほどなるほど〜! Nernstは偉大ですね〜」
千砂都「おっ! さすが!」
かのん「これで熱は大丈夫そうかな?」
ミア(ま、まじかこいつ……)
ミア(2時間前には系や相の定義すら知らなかったはずのレンレンが過去問を瞬殺していく! その吸収力や論理的思考力にはかのんも土木のちーちゃんも一目置いていた。 この問題は、ボクがランジュに教えられてもいまいち理解できず結局解き方を丸暗記した問題だったのに……)
- 873 :名無しで叶える物語:2022/06/18(土) 14:05:05.80 ID:Cdcnmf6C.net
- 〜〜
すみれ「そうね、あいつはヤバいわよね……私もえーっ! て思ったもん」
すみれ「多分……向いてないんでしょうね。 なんていうのかな……講義っていう形式に」
すみれ「けどね、だからといってそれはあの子に学問そのものへの適性が無いことを意味しない……むしろあいつのようにGPAや単位数には一切興味を持たずに純粋な知的好奇心だけで動いてる姿って……まさにphilosophyを体現してると思わない?」
すみれ「バカだけど……正直尊敬に値するわ。 かのん達もそう思ってると思う。 そして幸いなことに、そんな"くだらない"形式なんてちょっと手助けしてやればあの子のポテンシャルで乗り切れる。 あとはあの子の好きなように、文学だっけ? を追究させてやればいい。 これもかのん達と同意見なんじゃないかしら」
ミア「そうだね……」
- 874 :名無しで叶える物語:2022/06/18(土) 14:05:44.08 ID:Cdcnmf6C.net
- 〜〜
ミア(世の中にはボクの想像の及ばない、とんでもない叡智や才能がある。 ScienceやTechnologyやEngineeringを学ぶだけではなく……そんな世界の広さを知るために、ボクは大学に来たのだった)
ミア(すみれの言うように、かのんや土木のちーちゃんからしてもレンレンはそれに近い人種なのだろう。 ボクだって、こんな出会いを熱望していたはずなんだ……)
ミア(レンレンとの会話は、いつもボクたちに新しい風を与えてくれる。 その対価に向こうがサポートを提供しようとするのはもっともだろう。 ひるがえってボクは……彼女たちに優る点など何一つないし、一度として感心されたことはない……にも関わらずボクに懇切丁寧に教えてくれるとすれば、それはきっと……憐れみなのだ)
ミア(己の能力不足を棚に上げ……嫉妬の矛先を周りに向けて当たり散らすことで、ボクはなんとか心の均衡を保っている。 ビリビリに引き裂いてしまった教科書やランジュの悲しそうな表情をみると、不思議と心がすっきりするのだった)
- 875 :名無しで叶える物語:2022/06/18(土) 14:06:47.38 ID:Cdcnmf6C.net
- 〜〜
ミア「……」
ランジュ「落ち着いた?」
ミア「……うん」
ランジュ「もう一度、頑張ってみない?」
ミア「……」
ミア「……うん」
ミア(試験勉強の休憩時間に、ランジュはかつての失敗談を話してくれた)
ミア(現時点で200単位近く獲得している単位中毒のランジュ。 そんなランジュに可を出した授業というのが、かの刑法概論であるという。 取らなくてよかった……)
ミア(担当教授に成績を抗議しに行ったところ、その場でまさかの再評価を賭けた口頭試問が始められ、他学部にはオーバーキルな内容で容赦なくボコボコにされた挙句受講者を代表してやれ近頃の大学生がいかに不勉強だ不健全だ授業に出ないだとかで一時間を超える説教を食らい、泣かされて帰ってきたという話には笑ってしまった)
ランジュ「後になって見返したんだけど、どれも授業のノートとスライドに包括されてるか論理的に答えを導ける質問だったのよね……悔しいけどあの人は間違いなく虹大の教授でレスバ最強ね……」
ミア(今思えば、ランジュはボクの不当な口撃に反論することも、ボクの自己責任を指摘して咎めることもしなかった)
ミア「解けた。 ……どうかな」
ランジュ「ん……OK。 どう、いけそう?」
ミア「うん……」
ミア(どうすればボクは、この心の中にある醜さを……そんなふうに優しさに変えることが出来るのだろうか)
- 876 :名無しで叶える物語:2022/06/18(土) 14:07:36.08 ID:Cdcnmf6C.net
- 〜〜
ミア「あとは……最後のレポートだ……これさえ、これさえ出せば……」
ミア(春休み!!)
ミア「うおおおおおお!!!」
ミア(踊り歩いていると、入試を控え受験会場の下見に構内をうろちょろする新入生と出くわした。 構内はとんでもなく広いので、賢明な判断だ……お前は間違いなく受かる!)
ミア(会場案内のバイトでもしようかと思ったけど折角の土日なのでやめた。 だいたいの学生はこの時期に旅行とか行くらしい。 そして旅行先で、やれ今年の入試が易化だとか難化だとか良問だとか悪問だとか一介の学生の分際で偉そうに語り合うのがお決まりなのだ)
「うおおおおおお!!!」
ミア「ん?」
ミア(論文発表会の後なのかな。 学生がスーツを脱ぎ捨て上半身裸になり『ショーシャンクの空に』みたいに空を仰いでいる姿も目撃した。 某教授の研究室のように、よほどブラック研だったのだろうか……)
- 877 :名無しで叶える物語:2022/06/18(土) 14:08:38.65 ID:Cdcnmf6C.net
- 〜自宅〜
ミア「なんか一気に暇になっちゃったな……ねえねえ、どっか連れてってよ」
ランジュ「ん? そうねえ……」
ミア(ボク以上に暇を持て余しているランジュと近場を色々回った。 夜にライトアップされる東京タワーは今なお迫力に富んでいたし、海ほたるでカップ麺を啜りながら眺めた朝日はギラギラと眩しかった)
〜芝公園〜
ミア「東京に"も〜♪あ"ッだんだあ"〜♪」ヒック
ランジュ「懐かし……ていうか貴女よく知ってるわね……」
ミア「し〜ず〜かす〜♪ 灯った炎がぁ〜♪」ヒック
ランジュ「何? その歌」グビ
ミア「スタァライトだよ、東京タワーだし。 知らないのか?」
ランジュ「そういうことじゃないんだけど……」
〜海ほたる〜
ビュオオオ!
ミア「寒すぎ! 風やばすぎ! ランジュにしがみついてないと吹き飛ばされてしまう!」ガチガチ
ランジュ「寒い〜っ! そんな人を重いみたいに言わないで!」ガタガタ
ミア「……おっ!」
ランジュ「わあ……」
ミア(いつか見た夕日と違ってこの太陽はギラギラ眩しくて目が痛い。 出来上がりを日の出の時刻に合わせ、すすった日清のカップ麺の味は格別だった)
ミア「日本の夜明けぜよ!」ズルズル
ランジュ「今日も一日頑張りましょ♪」ズルズル
ミア「いや帰ったら寝るが」
ランジュ「……」
- 878 :名無しで叶える物語:2022/06/18(土) 14:10:06.69 ID:Cdcnmf6C.net
- 〜上野〜
ミア(ところで、都内の大学生には大学パートナーシップなんちゃらという割引があり、無料で博物館や美術館に入れたりする制度がある。 これを利用して美術館巡りをするのが、ド暇大学生あるあるの過ごし方だ)
ミア(上野エリアは数多くの美術館や博物館が密集する地域! 犬も歩けば文化資本に衝突するくらい道端にゴロゴロ転がっている! 文京区に熱心な教育ママが住みたがるのも頷ける……ちなみにこの文化資本、彼方さんが最も嫌いな言葉の一つらしい)
〜上野公園 喫煙所〜
ランジュ「ここらは早咲きね……ヤニの煙をふんだんに浴びるからかしら……」
ランジュ「やっぱ人にせよ桜にせよ……ぬるま湯じゃダメで、ある程度は揉まれて強く成長するってことね」スパー
ミア「治安悪っ……お前は同好会唯一の良心じゃなかったのか?」
ミア(本郷周辺は、先に少し触れた漱石をはじめとする偉人たちの関連地でもあり、彼らが築き上げた近代日本文学の舞台であったりする。 というかここ以外の作家をあまり知らないんだよな……国文学Bの授業で紹介された菊池幽芳とか渡辺霞亭とかマジで聞いたこともなかったし)
ミア(漱石に鴎外、子規の旧宅、啄木に一葉終焉の地は本郷(区)に密集している。……才気溢れる文豪達が集い、切磋琢磨し至高の文章を練り上げたという硯友社や歌塾萩の舎もこの辺りにあったそうだ)
ミア(作中の舞台としても、坪内逍遙の『当世書生気質』に二葉亭四迷の『浮雲』、外れた吉原では歩夢さん一押しの『たけくらべ』やレンレンが大好きな『ヰタ・セクスアリス』などなど……。 ちなみに幸田露伴の『五重塔』については、璃奈は別に好きでも嫌いでもないらしい)
- 879 :名無しで叶える物語:2022/06/18(土) 14:11:12.79 ID:Cdcnmf6C.net
- 〜水道橋駅〜
栞子「お待たせしました〜」ズンズン
ミア「お〜……」(男物ジャージに大股でキティちゃんの足ツボサンダル、片手にワンカップで当然のように遅刻……こいつを果林キッズ第一号と呼ぶことにしよう)
ミア(さて水道橋から出発したボクたちは、結婚を申し込んだあとの先生の散歩ルートに沿って歩いてみた。 まずは神保町に向かう! そこで古本屋をひやかしに行くのだ! ……てかひやかすって何だ? 今持ってるチューハイぶっかければいいのか?)
栞子「懐かしいですね……私と菜々さん、そこ入ったところの高校に通ってたんですよ」グビ
ランジュ「あら、いいとこ通ってたのね」グビ
ミア(神保町の古本屋をぶらぶらと見て周ったら、次は万世橋を目指す!)
ミア(この散歩道の間に先生は殆どKのことを考えなかったという……)
ミア(しかしKの自殺後、先生は親友を裏切り死に至らしめた罪悪感と自責の念を妻にも打ち明けられずに孤独に生き続けた……自分は死ぬべきなのかと常に意識しながら。 そして先生にある報せが届く。 陸軍大将乃木希典の殉死である)
栞子「あの橋……ラブライブ!にも出てきましたね。 ミアさんに言われてあれから無印も見ましたよ」
ミア「何を言ってるんだこのアニメオタク!」
栞子「ええ〜……」
- 880 :名無しで叶える物語:2022/06/18(土) 14:12:21.80 ID:Cdcnmf6C.net
- ミア(オタクではないのでアキバには寄らず、本郷3丁目へ向かって本郷通りを進む!)
ミア(明治天皇の大葬その日に自刃した乃木大将が世に与えた衝撃はいかなるものだったのか……彼の死に象徴される明治の終焉によって先生が自殺を決意するだけでなく、鴎外も『阿部一族』にて殉死を扱い、この事件を機に歴史離れから歴史其の儘へと作風を転換した……)
ミア「おい! 栞子! あの先に見えるのは何だ!? 言ってみろ!」
栞子「あれは……ああああああ!!」
ミア(内面にいつも孤独を抱えてしまうボクたち。 社会に抱く厭世観は当時の青年たちにも共有されていた精神世界だった)
ミア(まして当時前提とされたのは立身出世、国家のために身を捧げる生き方であって、乃木大将が体現した生き様そのものだった)
ミア(他方、このように社会に個人の生き方を投影する態度を懐疑……つまり自己の生を近代概念から問おうとする試みが、国家にとって有用である青年たちの間で流行した。 その煩悶青年の筆頭が漱石の教え子であった藤村操……彼が煩悶から抜け出得る糸口として選んだ道もまた自死であった)
ミア(若き哲学者の死は共感を呼び、数多くの後追い自殺を誘発した……煩悶的厭世思想に苛んだのは男子だけではない。 数え年16の女学校生徒松岡千代も厭世観と閉塞感とから服毒自殺に至った。 ところが煩悶青年男女をめぐる言説はときに痛烈かつ無情であり、彼らは国民形成の失敗作の軟弱者と一蹴する論者も少なくなかったという)
ミア「おい栞子! お前の高校時代の同級生がいるかもしれないぞ! 挨拶に行こう!」グイ
栞子「あああああああ」ジタバタ
ランジュ「ちょっと勘弁してあげなさいよ……。 赤門……実は私も初めて見るのよね」パシャ
ミア「こいつ渋谷から府中に行く時もわざわざ新宿経由で向かったんだよ」
ランジュ「……? ああ、なるほど……徹底してるわね……」
- 881 :名無しで叶える物語:2022/06/18(土) 14:13:11.25 ID:Cdcnmf6C.net
- ミア(社会規範と自然的な内面のはざまで、形は違えどエゴイズムと向き合っていく在り方を見せた三四郎、代助、宗介……)
ミア(それぞれの生存意義への苦悩や執着には、封建制からの自由によってもたらされた価値観の空乏の中に己の自我や精神のめざめを見つけなければならなかったという、近代化に国家改造にと目まぐるしく変遷した明治独特の事情があったことは否めない)
ミア(神保町のとある古書店が『こころ』の刊行と同時に出版業をスタートさせた。 そうして立ち上がったのが岩波文庫や広辞苑を擁する岩波書店だ)
ミア(その岩波書店に入社し『世界』の初代編集長となった吉野源三郎は彼の著作において、叔父さんとコペル君の文筆を通じ、いかなる社会科学的認識のもとボクたちがどう生きるべきかについて問いかけた。そこには我執と社会との対立を最後まで考え抜いた漱石の問いが今なお貫かれているに違いない)
栞子「ほらミアさん! 藝大がありますよ! あそこにはミアさんのような音楽の大天才がいらっしゃるのでは!?」
ミア「あああああああ!!」ドカン
ランジュ「バカじゃないの」グビ
- 882 :名無しで叶える物語:2022/06/18(土) 14:14:26.68 ID:Cdcnmf6C.net
- 〜〜
ミア(王政復古以来日本経済の中心を担い発展してきた東京。 都市としての効率性を追い求めたあまり、画一的な街だと評されることもある)
ミア(無論、朝の品川を眺めていれば、そこでは毎日毎日同じ時間に同じ髪型で同じ色のスーツを着て同じコンコースを歩き、さながら出荷のごとく電車で輸送されていく……彼らを人間らしさの失った無個性で量産品の機械だと揶揄することは可能だろう)
ミア(地方は過疎化し都心に一極集中する日本の労働人口、それに伴い高騰する地価。 採算の取れないものは切り捨てられ生産性の高いなにかに置き換えられていく。 こうして日本の持つ価値や資産は局在化し、一層アンバランスな国内の経済状況を生んでしまった。 いま世界中で、取り返しの付かない瀬戸際であると再び環境や防疫の危機が叫ばれているにも関わらず、反して日本は電力と医療の不足に直面している。 それもこれも、この効率化の裏側面であると言えよう)
ミア(ある文脈ではその原因を、生き急いだこの街の特性である精神なき専門人や心情なき享楽人に求められることがある。 それは経済面だけでなく、物質主義と調和できなくなった感性的な豊かさの欠如……つまり心の困窮から脱したいボクたちの、魂の叫びでもあろう)
ミア(でもボクは、どこか少し……そうじゃないんじゃないかと言いたい。 朝の通勤時間帯を過ぎれば多様な人々が生き生きとした表情で、端的に言い表せない様々な意識を持ってこの街を往来している。 今のボクのように何のアテもなく……ただぶらぶらと彷徨っている者もいるはずだ)
ミア(過去の遺物がすぐさま入れ替わる流動性の傍らで、ボクたちをボクたちたらしめてきた精神があちらこちらに散らばって……今でも確かに残留し続けている。 あの頃から懸命に探し続けてきた生への情念は過ぎ去った追憶ではなかったのだ)
ミア(東京が画一的であるというよりはむしろ、東京の多様性は、画一性すらも含有した形態と捉えるべきだろうか。 その意味では、東京は極めて人間的な街だと言ってもよいと思う。 ボクたちだって個性と没個性のどちらか片面だけでは、きっと生きていけないのだから。 ボクらもこの街も、いつだって大切なものと出会うために他の大切なものを投げ捨てて……価値のあるものと価値の付け難いものを共に抱えて過ごしているのだから)
ミア(東京の街は好きだ。 多くの若者が悩みもがきながらも東京を目指し、暮らしてゆく理由がわかる……)
ミア(ボクもこの街で生きていきたいと強く感じた)
- 883 :名無しで叶える物語:2022/06/18(土) 14:15:21.55 ID:Cdcnmf6C.net
- 〜品川〜
ミア(品川は、新品のスーツを身に纏った新社会人と思わしき人々が、慣れない乗り換えの中でぶつかりよろけながら歩んでいた)
「わああ!」ドカッ
「ひいい!」モタモタ
ミア(はは、beginnerだな……人混みとはこうやってすり抜けるものさ!)スルリ
ミア(たった一年ではあるけど……ボクは先輩風を吹かしながらぬるりぬるりと雑踏を抜けて京浜東北線ホームから大井町行きの電車へ乗り込んだ)
ミア(臨海線の虹大行きの電車ではお洒落な若者が……しかしそわそわしながら座っていた。 彼らは多分、虹大の新入生だ)
ミア(そんな新入生たちも、きっと次第にぎこちなさを消していって、垢抜けていく……こうやって相応しい自分というものを作り上げていたんだろうな。 ボクがかつて疑っていたようなファッションの入学テストは無かったようだ)
ミア(ボクのTwitter垢も、新入生らしき人たち何人かにフォローされていた。 別に成績も良くない先輩をフォローしてもいいことなんてないぞ……。 どうせなら善子さんとかちさとちゃんみたいな虹大有名ツイカスをフォローすればいいのに)
ミア(別にリアルで関わることなど無いんだろうな……って思いながらフォローを返した)
ミア「てか今はFacebook使わないんだな……」ポチポチ
- 884 :名無しで叶える物語:2022/06/18(土) 14:16:23.58 ID:Cdcnmf6C.net
- 〜〜
「サークル決めた?」「まだ〜w」
「先輩に誘われてるとこいくつかあってw」
ミア「……」
ミア(新入生たちの、いつかどこかで聞いたような懐かしい会話。 今ならなんとなくわかる……新たに歩き出した道、新たな出会いへの期待と……付随する少しの不安)
ミア(そんなに心配しないでも良かろう。 いずれボクたちはボクたちに合う場所へと自ずと辿り着くのだから……)
ミア(桜はもう散っていた。 そのかわり、吹き抜けるように爽やかな新緑がふんわりと、足元を舞う花びらとともにそよ風に揺られていた)
ミア(それにしても桜はいいな! 来年咲くまでの経過を事細かにチェックしてみようかな……)
ボトッ
ミア「ん?」
ミア「ぎゃあ! 毛虫だ!」
- 885 :名無しで叶える物語:2022/06/18(土) 14:22:14.69 ID:CBL7i179.net
- 続き来てる!
- 886 :名無しで叶える物語:2022/06/18(土) 23:01:52.29 ID:pxG5cmKW.net
- 作者文学部なのかな
- 887 :名無しで叶える物語:2022/06/18(土) 23:20:28.35 ID:PnWKaLYO.net
- なんだろうな
この人間っぽさがとても心地良い
今回も面白かった
- 888 :名無しで叶える物語:2022/06/19(日) 00:09:15.54 ID:SF03i0qM.net
- 文章が読ませる
良き
- 889 :名無しで叶える物語:2022/06/19(日) 07:03:14.05 ID:shsB700G.net
- エタりそうでエタらない
このバランスがクセになる
- 890 :名無しで叶える物語:2022/06/19(日) 07:46:29.46 ID:MOx0UsJ+.net
- あぁ、生きる希望
虹ヶ咲は留年同好会のためにある
- 891 :名無しで叶える物語:2022/06/19(日) 22:10:00.06 ID:bBot3o/V.net
- 支援
- 892 :名無しで叶える物語:2022/06/20(月) 07:22:16.37 ID:rbzaORTi.net
- ほ
- 893 :名無しで叶える物語:2022/06/20(月) 22:44:12.25 ID:qwDFOx3i.net
- 支援
- 894 :名無しで叶える物語:2022/06/21(火) 07:21:09.08 ID:U5HboSkn.net
- ほ
- 895 :名無しで叶える物語:2022/06/21(火) 22:46:00.48 ID:ZFIeqCwb.net
- 期待
- 896 :名無しで叶える物語:2022/06/22(水) 07:19:21.02 ID:H71uYP3I.net
- 支援
- 897 :名無しで叶える物語:2022/06/22(水) 22:33:16.72 ID:lxJ4mK+A.net
- ₍₍ @cメง*˶ˆ ᴗ ˆ˵リว ⁾⁾
- 898 :名無しで叶える物語:2022/06/23(木) 07:16:25.82 ID:xmIAspNq.net
- 支援
- 899 :名無しで叶える物語:2022/06/23(木) 23:00:16.31 ID:2JWXdlL0.net
- ほ
- 900 :名無しで叶える物語:2022/06/24(金) 07:21:39.29 ID:6YdK4Lhv.net
- 支援
- 901 :名無しで叶える物語:2022/06/24(金) 23:26:34.30 ID:mqQzf/fS.net
- ほっしゅ
- 902 :名無しで叶える物語:2022/06/25(土) 12:33:13.02 ID:oD0/iWJS.net
- 支援
- 903 :名無しで叶える物語:2022/06/26(日) 01:11:24.78 ID:mgzdAHLM.net
- ほ
- 904 :名無しで叶える物語:2022/06/26(日) 18:34:56.54 ID:nbi202dv.net
- ほ
- 905 :名無しで叶える物語:2022/06/26(日) 18:35:19.37 ID:nbi202dv.net
- 支援
- 906 :名無しで叶える物語:2022/06/27(月) 10:56:10.55 ID:tWoFaT/S.net
- ほ
- 907 :名無しで叶える物語:2022/06/28(火) 07:26:32.16 ID:YtOnT80B.net
- 支援
- 908 :名無しで叶える物語:2022/06/28(火) 21:22:39.69 ID:Qmy0K9SS.net
- ほ
- 909 :名無しで叶える物語:2022/06/29(水) 07:44:27.71 ID:2enGUKkT.net
- 支援
- 910 :名無しで叶える物語:2022/06/29(水) 22:44:57.88 ID:bAAR1xn9.net
- 期待
- 911 :名無しで叶える物語:2022/06/30(木) 07:21:15.48 ID:OJ/cZ+/U.net
- ほっしゅ
- 912 :名無しで叶える物語:2022/06/30(木) 22:51:01.44 ID:KVnlCzsB.net
- 支援
- 913 :名無しで叶える物語(SIM):2022/07/01(金) 07:20:41 ID:hI6qPMEP.net
- ほ
- 914 :名無しで叶える物語:2022/07/01(金) 22:39:28.25 ID:yaaUoPdP.net
- 支援
- 915 :名無しで叶える物語:2022/07/02(土) 10:07:31.47 ID:qX1XEA2T.net
- 支援
- 916 :名無しで叶える物語(SIM):2022/07/02(土) 23:42:55 ID:cRX58e9g.net
- ほ
- 917 :名無しで叶える物語(SIM):2022/07/03(日) 11:50:13 ID:uxZn6RmP.net
- 支援
- 918 :名無しで叶える物語:2022/07/04(月) 07:24:53.61 ID:+bI6BP9J.net
- ほ
- 919 :名無しで叶える物語(SIM):2022/07/04(月) 22:36:40 ID:xWuiMcn1.net
- 支援
- 920 :名無しで叶える物語(SIM):2022/07/05(火) 07:25:38 ID:BbMg31G2.net
- ほ
- 921 :名無しで叶える物語:2022/07/05(火) 22:37:10.44 ID:g3x0WxCq.net
- ぽ
- 922 :名無しで叶える物語:2022/07/06(水) 07:01:14.85 ID:x+o/5cyb.net
- 支援
- 923 :名無しで叶える物語(SIM):2022/07/06(水) 22:20:54 ID:2CqVeNuz.net
- ほ
- 924 :名無しで叶える物語:2022/07/07(木) 07:24:35.36 ID:qaw+/Dwy.net
- 支援
- 925 :名無しで叶える物語(SIM):2022/07/07(木) 22:20:06 ID:5y/H9qHE.net
- ほ
- 926 :名無しで叶える物語:2022/07/08(金) 07:29:13.90 ID:VBaOqlkr.net
- 支援
- 927 :名無しで叶える物語(SIM):2022/07/08(金) 23:05:41 ID:W7SjF8ie.net
- ほ
- 928 :名無しで叶える物語:2022/07/09(土) 12:34:42.18 ID:/Nx6WkQN.net
- 支援
- 929 :名無しで叶える物語:2022/07/09(土) 22:08:07.60 ID:Gq3qKZWv.net
- 支援
- 930 :名無しで叶える物語:2022/07/10(日) 13:20:05.36 ID:VSSVCKfd.net
- ほ
- 931 :名無しで叶える物語:2022/07/10(日) 23:16:35.78 ID:2W6AAB55.net
- 支援
- 932 :名無しで叶える物語:2022/07/11(月) 12:33:17.19 ID:ui84LBlg.net
- ほ
- 933 :名無しで叶える物語:2022/07/12(火) 06:33:26.45 ID:LymB8YoU.net
- 支援
- 934 :名無しで叶える物語:2022/07/12(火) 23:12:23.50 ID:U0sg6fD/.net
- ぽ
- 935 :名無しで叶える物語:2022/07/13(水) 07:22:50.17 ID:unAKeblz.net
- 支援
- 936 :名無しで叶える物語:2022/07/13(水) 20:27:16.25 ID:3CCayCW9.net
- 16話『のけものたちは故郷をめざす』
- 937 :名無しで叶える物語:2022/07/13(水) 20:27:57.61 ID:3CCayCW9.net
- 〜部室〜
善子「……」
ガチャ
ミア「ども」
善子「ぶくぶく! ぶくぶくぶく……!」
ミア「まーた溺れてる」
善子「つらいよお! あ〜人生人生人生!」
- 938 :名無しで叶える物語:2022/07/13(水) 20:28:47.95 ID:3CCayCW9.net
- ミア(部室に行くと、善子さんがまた一人で床で悶えていた)
ミア(善子さんは今年度からD2だが、ドク論の手法どころか……構想すら白紙らしい。 本人は博士だけにって笑っていたが、笑いごとなのか!? それは……)
ミア(ちなみに博士後期課程の修了要件では、学会発表は勿論のこと査読付き論文を3本ほど書かないといけないらしい……ジャーナルが国内か海外なのかは聞いてないが、まことにハードなことだ)
ミア(まあ本人曰く就活失敗したから進学しただけで、実はPh. Dを取得する気は元よりなく、就職先か寄生先をダラダラと探しているようだ。 なので研究の進捗に関してはいたって気楽な様子だが……)
善子「ぶーくぶくぶくぶく!」
ミア(想い出に囚われて、このありさまだ……)
- 939 :名無しで叶える物語:2022/07/13(水) 20:29:57.99 ID:3CCayCW9.net
- 璃奈・栞子「う〜〜っす」ガチャ
ミア「おっす。 二人ともなかなかロックな格好だね」
璃奈「実験だったからね。 栞子ちゃん、レポート課題は分担しよう。 あの量を今から一人で解くのは多分無理。」
栞子「そうしましょう!」
璃奈「じゃあ私が課題1をやるから栞子ちゃんは課題2〜10までお願い。」
栞子「わかりました! ってなんでですか〜。 配分おかしいでしょう!」タスッ
善子「……」
しずかす「うぃ〜っす」ガチャ
ミア「お〜」
かすみ「ほいミアちゃん、これ今日のスライドと課題」
ミア「ん? ああボクこの授業取るのやめたんだよ」
かすみ「そうなの? 楽単らしいのに?」
ミア「いやふつーにこっちの必修と被ってた」
しずく「そうだったんだ。 ミアさん来ないからてっきり寝坊しちゃったのかと思っちゃったw」
ミア「それは朝香果林!」
「「ぎゃははは!!」」
果林「はぁ〜い♡ その朝香果林よ」ガチャ
彼方「お〜っす」ガチャ
ミア「イ、イヒヒw ……いたたたた!」ジタバタ
果林「私とてただただ惰眠を貪るだけのねぼ助と勘違いされたくはないのよね」グリグリ
ミア「ジョーク! ジョークだって!」ジタバタ
彼方「実際さっきまで寝てただろw」
善子「……」
- 940 :名無しで叶える物語:2022/07/13(水) 20:30:50.21 ID:3CCayCW9.net
- ガチャ
侑「でさー、その子がホントに宿題やらないの! 何度言っても!」
歩夢「あるある。 座って聞いてるだけで成績上がるわけないのにね」
侑「それで保護者の方にお気持ちされてもさ〜。 やれって言われたことどうしてできないんだろうね?」
愛「ゆうゆたちも教授にそう思われてるよw」
「「がはははは!」」
ミア「はははは! ……ん?」
善子「……」
善子「ぶくぶくぶくう!!!!」ドカン!
「「うわああああ!!」」
- 941 :名無しで叶える物語:2022/07/13(水) 20:31:25.90 ID:3CCayCW9.net
- ミア「……ほんとに誰とも連絡取れないんですか?」
善子「取れる人はいることにはいる。ルビィは大学にいるし……ダイヤさんも大学に残ってたはず……」
善子「でも他は連絡取れないか、連絡先自体知らないの……」
ミア(そんなことあるのか? と思ったけど……そんなこともあるんだろうな……実際ボクも、例えば菜々さんのLINEは知ってるけど、電話番号は知らないから……垢消されたらそれで終わりだもんな……)
ミア(連絡網の整備というのは、ボクらにとっても割と切実な課題のようだ……)
- 942 :名無しで叶える物語:2022/07/13(水) 20:32:15.16 ID:3CCayCW9.net
- ミア(それはともかく、この同好会は少しずつ変わっていった)
ミア(ぐーたらだった留年生たちも、この一年で人によっては30単位ほど獲得した。 これでも一般的な大学生が聞けば心配されるくらいには少ない……だけど彼女達にとっては大きな前進と言えよう)
ミア(停滞していたみんなはようやく腹をくくって、卒業に向けて一歩を踏み出したのだ)
ミア(もちろん学士課程は義務教育ではない。さっさと辞めて社会に出たって誰にも文句を言われないはずだ)
ミア(つまり学業に向いていないボクたちが敢えて卒業を目指すという選択をしたことには、ボクたちは"なんとかなる"ための資格や資質の一切を個々人が持ち合わせておらず、大卒という肩書きがどうしても必要なのだ、という消極的な側面もある。 せめて卒業だけはしようと……。 その卒業すら独力では危うい無力なボクたちはここに集って励まし合って(?)なんとか立ち向かっているのだった)
ミア(でも……この人は違った。善子さんは学士どころか……そもそも修士号も取っている。 日本で生活する上では十分過ぎるほどの学歴だ。 他力なくして卒業が困難な彼女たちと違って、善子さんはもうここに停滞する理由などどこにもないのだ)
- 943 :名無しで叶える物語:2022/07/13(水) 20:32:56.95 ID:3CCayCW9.net
- ミア(ボクたちは、いやボクは違うけど……彼女たちが学業上に支障を抱えたのには人それぞれの事情があった)
ミア(それは疎外であったり挫折であったり、それらに起因する意欲の失墜であったり……ボク達はそんなささいな理由で歩けなくなってしまうのだった)
ミア(これら内面の問題を他者に解ってもらうのは難しいだろう。 ましてや適切なケアとなれば尚更だ)
ミア(その上彼女たちには頼れる者などもういない。 例えば同期にせよ学部にせよ、ドロップアウトしてしまった彼女たちはもはや仲間外れであり、孤立してしまった存在なのだ。 気が付いたら大学からいなくなっていた人、休み明けから消えた人……常人にとってそんな連中がどのような認識であるかは想像に難くない)
ミア(けれど、このサークルは……このサークルだけはそんなはみ出し者を繋ぎ止めているセーフティネットだった。 心の内を曝け出すことのできる、虹大でただ一つ残された彼女たちの居場所だったのだ)
- 944 :名無しで叶える物語:2022/07/13(水) 20:33:33.22 ID:3CCayCW9.net
- ミア(善子さんもきっとそうだったんじゃないだろうか。 ここは善子さんにとっても心の拠り所で……かつて孤独から解き放ってくれた場所であったはずで……。 再び孤独に直面した彼女がどうしても頼ってやって来てしまう場所なのだ……)
ミア(そして皮肉なことに善子さんが今まさに感じている疎外とは、他ではないこの場所の想い出からの疎外、ということになるのだろう)
ミア(かつての善子さんの心の支えであった人々、体験、記憶……それらが形作った想い出を喪失しかけている。 彼女とて決して強い人間ではなく、むしろささいな理由で歩けなくなってしまう側の繊細な人だというのはボクもよく知っている。 そうであるならば、善子さんの現状はやはり気の毒だ)
ミア(そしてこれはちょっとばかし本音だが……キワモノ集団の現状も気になる。 善子さんはガイジだが、エマさんは彼女のことをあの中ではまともな方だと評しているのだ。 善子さんを超えるド級OGが果たして堅気な生活を送れているのだろうか……うちのサークルから犯罪者を出されては都合が悪い)
ミア「それならさ……聞いてみましょうよ、二人から何か辿れるかもしれないでしょ? エマさんもいるんだし」
善子「うん……」
- 945 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2022/07/13(水) 20:34:51 ID:3CCayCW9.net
- 〜〜
ミア(こうしてボクたちは、哀れなこの堕天使を救うべく、彼女と関わりのあるOGの捜索を開始した!)
ミア(対象となるメンバーは……松浦さん小原さん黒澤ダイヤさんに、高海さん渡辺さんに桜内さん。 そして国木田さんと黒澤ルビィさん!)
果林「なんで私たちが……ていうかどうやって探すのよ……少しは自分で探したんですか?」
善子「だって研究室忙しいもん……」
ミア(白紙過程って言ってたくせに……)
彼方「まあまあ果林ちゃん。 悪いことばかりじゃないよ〜」
果林「?」
彼方「TVにPC。 ここのところ冷蔵庫もすぐにカビが生える」
みんな「!」
彼方「……一人3万くらい貰えないかなあ」
善子「……え、それって私も?」
果林「あたりまえですよ、ほら」
善子「金ない……」
彼方「……就職先ないんでしたっけ? 知り合いに高級店やってる人いるから紹介してあげましょうか?」
果林「私AV会社の役員の連絡先いくつかあるわよ」
善子「怖っ……あんたたちどうやって生きてきたらそんな繋がりができるわけ?」
- 946 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2022/07/13(水) 20:35:25 ID:3CCayCW9.net
- ミア(……このチンピラ反社どもは放っておいて、まずはググれば真っ先に所属研究室HPがヒットする黒澤姉妹!)
ミア(ダイヤさん、いやダイヤ先生は工学部材料科学科の鹿角研の助教で、実験などの講義も一部担当されているらしい。 それにしても科が多いな……)
ミア(鹿角研は低温物性のなんちゃらを扱う研究室だ。 固体物理といえば、無機化学の授業でデバイモデルだとかバンドリ論とかやったな……時代はd4djだというのに)
愛「工学部だって。 今から行く?」
璃奈「こういうのは失礼のないようにアポ取ってから行くもの。 愛さんは知らないだろうけど。」
愛「ちょ、りなり〜w」
ミア(まるで自分は真面目に学生してますみたいな言い方して……)
- 947 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2022/07/13(水) 20:36:01 ID:3CCayCW9.net
- 栞子「どうしましょうか? 私達が行きましょうか?」
ミア「いや善子さん知り合いなんでしょ? あなたが直接顔出せばよくないですか? それかメール送ればそれで済むんじゃ」
善子「どう思われてるのか怖いもん……向こうが関わるの嫌がってたりとかさ……」
璃奈「……世話の焼けるOG。」
愛「まあいま教員なんなら……確かにもうウチとは関わりたくない! って思ってても無理ないけどね」
善子「うん……」
ミア「……わかりました。 ボクが研究室見学の体で行ってきますよ、雑談なりなんなりで同好会とかの名前チラつかせてさ……食い付くかどうか見てきて、報告しに戻りますよ」
善子「恩に切る!」
- 948 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2022/07/13(水) 20:36:49 ID:3CCayCW9.net
- 〜工学部棟3号館 材料科学科 〜
ミア「教員に会いに行くのって緊張するな……」
栞子「そうですね……OGでも立場は先生ですから……反応が無かったり薄かったらどうしましょうか……」
ミア「あり得るな……一端の研究者からすればあのサークルの経歴は汚点でしかないからね……実際新聞部とかにヤンチャ歴暴露されたらたまったモンじゃないだろう……」
栞子「そうであれば善子さんにはもう諦めてもらうしか……」
〜工学部材料科学科 鹿角研 学生室〜
ミア「失礼します……先日ご連絡した機械科2年のテイラーです……」
栞子「化学工学科の三船です……」(私は何年って言えばいいんでしょうか……)
「お待ちしておりましたわ、どうぞこちらにお掛けください」
ミア(ん? 見覚えあるな……この教員は……そうだ! 1年のときの実験の……!)
- 949 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2022/07/13(水) 20:38:13 ID:3CCayCW9.net
- ミア(鹿角研の研究内容を一通り紹介してもらい、更には研究室での実験を実際に体験させてもらうことになった。 研究室には見学希望者用のプランがあり、研究内容紹介スライドは勿論、わざわざボクらのために体験実験用の試料まで作製してくれていたのだった……)
ミア(ミラー指数や逆空間からわかってないボクたちに理論的な話は荷が重い。 研究紹介は定性的な話をそこそこに、簡単な実験をしながらのんびりと雑談した)
ミア(ボクらの受けている機械科や化学工学科の授業の話は物珍しいからか、ダイヤ先生も興味津々に聞いていた)
ダイヤ「転学科などをお考えなのですか?」
ミア「ちょっと個人的に興味があって……材料にこういう性質がある、とかはこちらでも習うんですけど、その……どうしてそんな物性が発現するのか、とかいう原理的な部分にはあまり触れないんですよね……」
ミア(よく考えずに来ちゃったからいい加減なことしか言えない……)
栞子「バルクを扱うのは新鮮です……!」
ダイヤ「なるほど……確かにそうかもしれませんわね」
- 950 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2022/07/13(水) 20:39:26 ID:3CCayCW9.net
- ミア(雑談はやがて、学生生活の話になった……成績がどうこうの話題で栞子が自分の留年の話を打ち明け、その流れでサークルの話題に繋げて、先生の反応をチェックする、という打ち合わせだった……のだが)
ダイヤ「スクールアイドル同好会、懐かしいですわね……ってことは、貴女達はそこの誰かの紹介でここにやってきた……ってことなのかしら?」
栞子「う"……」
ミア(即バレた……大学教員は頭の回転が早い……)
ミア(そりゃそうだ、いきなり学科も学年も違う2人が同時に研究室に見学に来るなんて、よく考えなくても怪しいもんな……ボク達は観念して全てを話したのであった……)
ダイヤ「そういうことね……ふふっ」
ダイヤ「そうなんだ……あそこはまだ全然変わってないのね」
ミア(でもダイヤ先生はクスクスと笑っているから……結果オーライなのかな?)
ダイヤ「わかりましたわ、ふたりとも……津島さんに待ってくださるようにお伝えてしてもらえますか?」
ミア・栞子「は、はい!」
ダイヤ「……善子さんのお望み通り、シメに行ってあげないとね♪」
ミア(可愛らしくウィンクする助教。 すみません、善子さん……でもこの人は間違いなく今でも同好会のOGだ!)
- 951 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2022/07/13(水) 20:40:05 ID:3CCayCW9.net
- 〜〜
栞子「〜とのことでした……。 すみません……」
善子「ううん全然! むしろありがとう……!」
璃奈「でもなんで、こんなに遅い時間帯なんだろう。」
愛「夜が好きなんじゃな〜い?」
ミア(よほど人目を憚るようなどつき方をするのかな……)
ミア(ダイヤ先生は松浦さんや小原さんと同期で、つまり善子さんのふたつ上の代。 この同好会で唯一ストレートで卒業・進学し、1年か2年のポスドクを経て30手前にして常勤の助教になったというとんでもない人だ……)
ミア(このような順当極まる経歴ゆえか部室に固執するようなことはせず、彼方さんや果林さんの代ともほとんど関わりがないと言っても差し支えない……彼方さんも、彼女と喋ったことがあるかもしれない程度にしか覚えていないそうだ)
ミア(とはいえエマさんや善子さんの話によると、全くの品行方正であった……という訳ではなく、酒豪でありそーいう場では何かと脱ぐ人だという……)
- 952 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2022/07/13(水) 20:40:41 ID:3CCayCW9.net
- ミア(23時……そろそろか……)
ガチャ
みんな「!!!」
ダイヤ「初めまして……の方が多いのかしら? そうでもなさそうね……」
璃奈「!!!!?!?」
ダイヤ「あら?」
璃奈「……? ……!!」ガタガタ
ミア(しまった、璃奈に伝え忘れていた……でもあんな暴言吐いたんだし自業自得だよな……)
- 953 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2022/07/13(水) 20:41:26 ID:3CCayCW9.net
- 〜〜
璃奈「その節は、まことに申し訳ございませんでした。」ガバッ
善子「なになに? 」
愛「うははははw」パシャパシャ
ミア(これがジャパニーズ土下座……猪狩がよくやってるやつだ……本物は初めて見たな、しかもよりによって璃奈の……)
ダイヤ「いえ、顔を上げてください……私も無神経でしたわ。 あなたにも色々と事情があったでしょうに……」
璃奈「……」
ダイヤ「確か今年も……実験科目を履修されていましたわよね」
璃奈「そうです。 再再々履修の愚かな愚かな天王寺4年生です。」
ダイヤ「……ご存知かとは思いますが、私の同輩や後輩にもそのような問題に直面した子たちは沢山いて……その子たちの抱えた悩みを理解していたつもりでしたのに……。 こちらとしても申し訳ない限りです」
- 954 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2022/07/13(水) 20:42:17 ID:3CCayCW9.net
- ミア(先生の寛大な御心によって璃奈の無礼を不問にしてもらったあと、ダイヤさんは彼女の時代の大学のこと、部室のことをお話ししてくれた)
ミア(新歓時にダイヤさんに付きまとってきた政治サークル。 それを松浦さんが代わりに殴り飛ばしたのが二人の出会いだったこと)
ミア(松浦さんと小原さんがどうやってかこの部室を空き部屋として調達してきたこと)
ミア(小原さんが兼部先で爆発事故を起こして消防車が何台も学内に来たこと)
ミア(松浦さんがとんでもないアホ二人を弟子として連れてきたこと)
ミア(桜内さんエマさんに国木田さんに善子さんにダイヤさんの妹が入部して、ここは一層やかましくなっていったこと)
ミア(その語り口は次第に流暢になって、まるで限界まで押し入れに詰め込んだ道具が溢れ出るかのようだった。 彼女にとって何年も前の話だけど、きっと今でも色褪せない記憶なのだろう)
ミア(顔を上げてからも璃奈は正座したままだった)
- 955 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2022/07/13(水) 20:44:16 ID:3CCayCW9.net
- ダイヤ「さて……肝心の果南さんと鞠莉さんの現在についてですが……」
善子「ごくり……」
ダイヤ「残念ながら果南さんも鞠莉さんも、今は東京には住んでおりませんわ。 果南さんはさほど遠くはありませんが……鞠莉さんは基本的に日本にはいないため、そう簡単に会うことは叶いませんわね」
善子「そうなんだ……」
ダイヤ「連絡先は知っていますが……二人とも忙しく、数ヶ月に一度……電話かメールでやりとりをするのみです。 ここ数年は3人で集まったことすらありません」
善子「……」
ミア(3人は普段からよくつるんでいて、とても気の置けない間柄というのは善子さんの話だ。 それでも大学を離れてしまえばそうなってしまうのか……)
ダイヤ「ましてや善子さんエマさんの知らない梨子さんや花丸さんの情報など……」
ミア(残念ながらそういうもんか……まあ10年近くも前の話なんだもんな……)
善子「……」
ミア(あんなに楽しそうに語っていたのに、この人は……仕方ないことと割り切ってしまえたんだろうか。 善子さんのように、いつまでも過去に囚われていることの方がおかしいんだろうか……)
ミア(ボクらがいま永遠と思う繋がりも……未来のボクたちにとっては過去となり、やがて消えゆくものなのかな……)
- 956 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2022/07/13(水) 20:45:12 ID:3CCayCW9.net
- 善子「……あんた達って、ここと別で何かサークルで一緒じゃなかった? そっちの方では繋がりなかったの?」
ミア(俯いていた善子さんが、思い出したようにむくりと顔を上げて訊ねた)
ミア(てかこの人なんで教員にタメ口なんだ? って思ったけど善子さんってボクよりダイヤさんの方がよほど歳近いんだな……変な感じだよ)
ダイヤ「DTM研の話ですか? 確かに一緒でしたわね……まあ部門は違いましたが」
善子「あ〜それそれ」
ミア「え? 先生も……それに桜内さんもDTM研なんですか?」
ダイヤ「ええ。 梨子さんはDTM研ですよ? 今でも熱心に活動されているはずですが……」
ミア「ならDTM研のDiscordのHNとかわかります? ボクもDTM研なんですけど……あの人たちボク以外みんなHNで呼び合ってるから誰が誰なのかわからないんですよ!」
ダイヤ「え?」
ミア(ダイヤ先生は首を傾げた。 まるでDTM研のボクが知らないのを心底不思議がっているように……)
ダイヤ「……なんだったかしら。 ちょっと忘れてしまいました……」
ミア「そうですか……」
ダイヤ「でも、探せばすぐにわかるかと思いますわ。 頑張ってね」
ミア(この人でも物を忘れることがあるんだな……でもなんだか口元が少し緩んでいるように見えたのは気のせいかな……?)
- 957 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2022/07/13(水) 20:45:50 ID:3CCayCW9.net
- ミア「すみません、こんな遅くまでこんなご迷惑を……」
ダイヤ「いいえ、お構いなく。 私も久々にここに顔を出して、とても楽しかったですわ」
ダイヤ「もう10年近くも前なのに。 見かけは随分と様変わりしたけれど……空気はまったく同じなのね……。 なんだかあの頃に戻ったような気がしましたわ」
ミア「そうなんですか」
ダイヤ「それに……後輩が訪ねて来てくれるというのは嬉しいものでしたから」
ミア「……」
ダイヤ「それじゃあ、梨子さんによろしくね♪」
ミア(いや誰が桜内さんか知らないんだってば……)
ミア(そう言って善子さんとダイヤ先生は、積もる話もあるらしく夜の飲み屋へ消えていった……平日なのにタフだなぁ)
- 958 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2022/07/13(水) 20:47:30 ID:3CCayCW9.net
- 〜〜
栞子「終わらない……終わりません……!」カキカキ
璃奈「算出した値が理論値とあまりにかけ離れている。 重力加速度が50倍でこの世の終わり。_(:3」z)_」
ミア「二人ともまたペアだったの?」
璃奈「今年から再履修専用のグループができた。 そこではペアの組み方も任意。」
ミア(再履クラスでは好きな人と組めるのか……羨ましい……いやそれでも再履修は嫌だな。 璃奈も栞子もそれぞれ専門の実験もあるから週3で実験! 秋学期からは週4らしい!ワロタ!)
ミア「あ、これグラフタイトルも軸タイトルも方眼の中に入れなきゃダメだよ」
栞子「ええっ! そうなんですか?」
璃奈「せっかくここまで描いたのに。 めんどくさい。」
ミア「これ出してもどうせ再提出食らうよ……ていうか関数電卓と理科年表返してくれ、ボクも今日使うから」
- 959 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2022/07/13(水) 20:48:20 ID:3CCayCW9.net
- ミア(ボクもそんなにいいレポートを書いていた訳じゃないけど……二人の学生実験のノートとレポートはとにかくヒドかった。 このノートやレポートを読んで再現実験は不可能!)
ミア(有効数字や不確かさの扱いは雑だし、細かいところでは単位はブロック体で物理量はイタリック! まあ最初はレポートの書き方とか知らないからそんなもんだけどね)
ミア(理論値から大きく外れた実験値の考察について、他の班と比べて私たちの班は実験台が狭かったため。とか書いてあってマジで笑っちゃった。 ボクが教員なら絶対落とす)
栞子「ひい〜っ! やばいです〜っ」カキカキ
璃奈「時間がない。 締め切りまであと5分しかない。 課題はもういいから出しに行こう。」ダダダッ
栞子「うう……完璧主義の栞子なのにぃ〜……あ待って! 璃奈さんのオタクダッシュ速過ぎです!」タタタッ
〜基礎工学実験 クラス(再) (工学部開講 必修)〜
ダイヤ「こことこことここを修正して下さい。 考察は全面的に修正ですね。 それとこれを追加して下さい。 あと課題4〜10はどうしたのですか?」
栞子(実験方法結果考察課題参考文献すべて要修正箇所でレポートが真っ赤です……)
璃奈「……」
璃奈「ババア……。」ボソッ
- 960 :名無しで叶える物語:2022/07/13(水) 22:18:20.05 ID:T/9J3Klp.net
- きてた!
- 961 :名無しで叶える物語:2022/07/14(木) 01:50:44.95 ID:7ON+QoQE.net
- ずっと続いてくれ
俺にとってはこのSSが楽しかった過去を思い出すトリガーだ
- 962 :名無しで叶える物語(えびふりゃー):2022/07/14(木) 02:42:23 ID:Fb2oksbP.net
- 口悪りなりーすき
- 963 :名無しで叶える物語:2022/07/14(木) 20:46:36.43 ID:WfHm8tC0.net
- りなりーさぁ……
- 964 :名無しで叶える物語:2022/07/15(金) 01:04:37.12 ID:DZawu79Z.net
- 俺にとってはコロナで失われたifルートを除いてる気分だ
更新楽しみにしてます
- 965 :名無しで叶える物語:2022/07/15(金) 02:09:11.53 ID:RBujNq0e.net
- りなりー草
土下座までしたんやから悔い改めろよw
ってか週4で実験とか考えただけで恐ろしい
- 966 :名無しで叶える物語:2022/07/15(金) 02:22:07.33 ID:5RsDi6WB.net
- >>1は物理学科?
1年の学生実験で振り子使った重力加速度の測定とかあったなあ
- 967 :名無しで叶える物語:2022/07/15(金) 12:24:11.93 ID:zh/2CLFb.net
- やっぱ💧組はやべぇメンツなんだな
続きを楽しみにしてます
パワー系大学生の果南とマリは気になるからまた掘り下げてほしい
梨子もかなり気になるな
- 968 :名無しで叶える物語:2022/07/16(土) 00:02:27.90 ID:vrBZ2MWt.net
- 支援
- 969 :名無しで叶える物語:2022/07/16(土) 01:04:32.09 ID:QSHqv1HA.net
- サブタイの元ネタ一覧くれ
- 970 :名無しで叶える物語:2022/07/16(土) 03:29:30.03 ID:IsHslGJa.net
- りなりーこわっ
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