多くの女性が感染するHPV　子宮頸がん防ぐワクチンの効果は？

菜々しさん

子宮頸（しきゅうけい）がんを予防する「HPVワクチン」を国が積極的に勧めるかどうか――。厚生労働省の部会で1日、議論が始まりました。どんながんで、ワクチンをうつにあたってどんな議論があるのか、いちからわかるQ＆Aをまとめました。

Q　子宮頸がんとはどんながん？

　A　子宮の入り口部分にできるがんだ。国内では毎年約1万1千人がかかり、約2900人が亡くなっている。

　がんと診断されたすべての人の情報を国が管理する「全国がん登録」によると、子宮頸がんと診断される人は25歳ごろから増え始め、30～50代の女性で最も多い。

　亡くなる人は50代以上が多いが、治療で若くして子宮をとらなければならないこともある。

　Q　検診はあるの？

■検診の受診率は低く

　A　20歳以上は2年に1度、子宮頸がん検診を受けることが推奨されている。

　ただ、検診受診率は欧米の6～8割に比べ、国内は4割にとどまっている。

　Q　早くがんを見つければ、治るの？

　A　がんになる前の段階や、初期のがんで見つけることができれば、子宮を温存する手術で済む。

　日本産科婦人科学会の資料によると、年間約1万4千人がこの手術を受けている。だが、手術によって産道が短くなり、早産や流産のリスクが高まる。

■性交渉の経験がある女性の半数以上が感染

　Q　そもそも子宮頸がんの原因とは？

　A　子宮頸がんの9割は、性交渉によってヒトパピローマウイルス（HPV）が子宮頸部に感染することが原因とされている。

　性交渉の経験がある女性の50%以上が生涯で一度は感染する。

　ほとんどの人は体の免疫反応で自然と消滅するが、ごく一部の人で持続感染し、数年以上かけてがんになる。

　Q　「HPVワクチン」を接種することで、子宮頸がんを予防できるの？

　A　ワクチンを接種すれば、ウイルスの感染を防ぎ、子宮頸がんを予防する効果が期待できる。

多くの女性が感染するHPV 子宮頸がん防ぐワクチンの効果は？

多くの女性が感染するHPV　子宮頸がん防ぐワクチンの効果は？