【今もなお最強レスラーランキング】ジャンボ鶴田80【ダントツ第1位】

お前名無しだろ

【スタン・ハンセン著『日は、また昇る』2015.11.30（株）徳間書店発行】p88～101より抜粋
　初来日のツアーは、アブドーラ・ザ・ブッチャーが外国人レスラーのトップ
で、彼にはツアーに参加していた他のレスラーよりも、大きな部屋が与えられ
ていた。～
　奇声を発しながら流血を繰り返し、観客席になだれ込んでは会場をパニック
に陥らせ、おとなしい日本人観客を興奮させるブッチャーなりのヒールの手法
は、大いに勉強になった。
「ハンセンは全日本でブッチャーに、ブロディはオーストラリアでキング・カ
ーチス・イヤウケアに出会ったことが、後々のファイトスタイルに影響を与え
ているんじゃないか」
　これはプロレス通の間でもよく交わされる話だが、確かに影響はあった。影
響を受け、ファイトスタイルもさらに何段階か上げることができたと思う。そ
うしてブッチャーから学んだことをさらにアグレッシブにしたスタイルを身に
つけようと思ったのは、新日本プロレスに来日したタイガー・ジェット・シン
を見てからのことだ。私は１９７７年に新日本に移籍していた。
～
　新日本プロレスは、私のプロレス人生のなかで、さらに大きく飛躍するため
のチャンスをくれた団体だ。新日本との関係は、WWWF（現・WWE）時代
のビンス・マクマホン・シニアがブッキングしてくれたのだが、新日本サイド
は私の試合を見て、「この選手はポテンシャルがあるな」と思ったらしく、私
にチャンスをくれたようだ。
　私は、そのチャンスをうまく利用して、自分のファイトスタイルを身につけ
た。大きなヒントを与えてくれた一人が、すでにふれた同じツアーに参加して
いたタイガー・ジェット・シンだ。彼のバイオレンスあふれるスタイルを見て、
（こんなスタイルもあるのか。だったら自分も、これに近い形でやりたい）
そう私は大いに鼓舞された。
　当時のファンのなかには、「ハンセンは、猪木が育てた」という見方もある
ようだ。もちろん、猪木のことは尊敬はしているが、猪木だけではなく、日本
のどのレスラーを見ても、私にとっては学ぶことが多かった。　≪続く≫