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長靴半ズボンその3

1 :夢見る名無しさん:2016/09/24(土) 17:17:27.34 ID:QMv8V5+VY
長靴半ズボン 長靴半ズボンU に続く3スレ

321 :夢見る名無しさん:2017/04/24(月) 19:32:27.02 ID:NgPP04X8e
A樹とB斗にとってC子とは何だったのだろうか?
近所に住む幼馴染で、偶然にも6年間同じクラスだった。
C子はライバルであった。もちろん、まったく歯が立たなかった。
身長はA樹B斗の方が高いままで、高学年になっても逆転はまったくなかった。でも、筋肉のバネはC子が圧倒的だった。
A樹もB斗も肥満でもやせすぎでもない普通の体格、C子もそうで、筋肉が目立つわけではないが、よく見ると筋肉が違っていた。
A樹もB斗もC子に「異性」を特に感じたことはない。C子の肉感、長靴スカートハイソックスの姿、C子に負けたときの感じ、
それらが一体となって股間を意識したことは何度でもある。

似たような感じを、長靴半ズボンハイソックスでC子に負け続けているA樹にB斗は感じたこともある。
同じく、B斗がA樹に感じたこともある。A樹にとってB斗はA樹、B斗にとってA樹はB斗だった。

C子にとってA樹とB斗は何だったのだろうか?
C子にとってA樹とB斗はライバルだった。というより練習台だった。
C子はA樹とB斗に必ず勝った。ただし、そんなに楽勝ではない。手加減の余地はなかった。真剣に臨まなければ負けることはわかっていた。
だから、自分がより強くなるためにはちょうどいいやや軽めの練習台だった。
C子はやさしく思いやりを持つようにしつけられていた。一方、思い切りぶつかり合うようにもしつけられていた。
C子はA樹やB斗に怪我をさせたり、失神させたりもした。でも、謝ったり、思いやりを示したりした。

A樹もB斗も特に顔がいいわけでもかっこいいわけでもない。でも、顔が悪いわけでもかっこ悪いわけでもない。まあきれいな男の子、決して見苦しくない男の子である。
どんなに自分に負けても決してあきらめずに思い切り挑戦してくる、自分を恨んだりねたんだりすることもない、
教育実習生だったJ先生を3人で慕っていたし、6年生の最後まで一緒に遊ぶことが多かった。
お互いの家によく遊びに行った。

でも、C子はA樹とB斗に「異性」を感じることはなかった。
長靴半ズボンハイソックスで自分に負けているA樹やB斗の姿や表情に股間を意識することはあった。

322 :夢見る名無しさん:2017/04/24(月) 19:33:07.13 ID:NgPP04X8e
春休みには、A樹もB斗もC子も思い切り外で遊んだ。できる限り川原などで遊んだ。
少しでもぬかるみがありそうな日は長靴を履いた。

323 :夢見る名無しさん:2017/04/24(月) 19:34:51.89 ID:NgPP04X8e
JがNHK教育TVの小学生向き音楽教材番組に歌のおねえさんとして出演してから2年目のことである。
JはF大学付属小学校の教員になって4年目だった。
A樹とB斗とC子は中学校に入学した。M代とK子はX大学教育学部の4年生になった。N子は小学校に入学した。
B斗は引き続き録画し続け、皆で見ていた。
夏ごろに事件が起きた。

ある政治家がNHKに噛み付いたのだ。
Jは日本人ではない、英領香港国籍のままである、一時はアイドル歌手だった、
そのような女をNHKの教育番組に出すのは、偏向教育だ!
と。

一部マスコミはその政治家を愛国者と持ち上げ、JやNHKを偏向だ、アカだと騒ぎ立てた。
NHK会長はびびった。というよりびびった振りをした。
裏ではにんまりした。これで自分の意向に沿わない一部職員を粛清できると。

年度途中でJを降板させることはNHKにとっては失態である。子供たちが受けるショックもある。
なんとか年度途中降板は避けることができた。
でも、NHKとしては来年度はJを降板させることにした。後任の歌のおねえさんも確保してしまった。
新年度からの交代なので説明は何とでもつく。

後任の歌のおねえさんになった年の国会で、野党の議員がその政治家や文部大臣や郵政大臣などに噛み付いた。(役職は当時のままです。)
政府答弁は形式的なもので、議論も深まらなかったし、広がらなかった。

324 :夢見る名無しさん:2017/04/24(月) 19:35:24.21 ID:NgPP04X8e
小学校低学年のN子は大人たちのそんな論争をまったく覚えていないし、理解できなかった。
A樹、B斗、C子はその政治家が許せなかった。
資本主義も社会主義もよくわからなかったが、Jをそんなふうに追い詰める行為は絶対に許せなかった。
もう、Jのビデオを録画することができない…、政治によって喪失感を味わわされた。
ただ、中学校の生活は忙しく、その喪失感はまぎれていったので、それほどの苦痛は与えなかったが、ふとした弾みに胸が痛くなることがあった。

A樹もB斗もC子もJに慰めと励ましの手紙を書いた。
3人ともその政治家に対する怒りもかなり激しく書いた。
Jから返事が来た。

自分は番組で本当に楽しかった。多くの子供たちが喜んでくれた。嫌いだった音楽が好きになったという手紙ももらった。
その政治家のことも特には恨んでいない。
人を憎むことは何も生まない、寂しいことなのだ、どうかそんな気持ちを持たないでほしい。
自分が番組で訴えたことを汲み取ってほしい。

そんな内容だった。
A樹もB斗もC子も何かが吹っ切れたような気がした。

もうJはTVに出ない、でも録画したビデオがたくさんある。

325 :夢見る名無しさん:2017/04/24(月) 19:36:02.39 ID:NgPP04X8e
Jを歌のおねえさんとしてNHKにプロデュースした、Jがかつて所属していた事務所では社員たちが震え上がっていた。

JM党を敵に回してしまった、NHKとの仕事ができなくなる、民放との仕事にも圧力がかかる、Jとかかわらなければよかった、

などという声が社内に響いた。
でも、社長は泰然としていた。

あんなチンピラ、何ほどのものだ。奴に同調しなければならない議員はほとんどいない。奴のスタンドプレイだ、
本当に人々が望むものをプロデュースすれば、チンピラの圧力など何ほどのこともない。

社長は社員に言い聞かせた。
そればかりか、Jが出演した2年分の番組の、できれば全部、あるいは一部をビデオとして売り出したい、
版権の問題をNHKと交渉するように、という指示まで出した。

版権の壁は厚かった。事務所は引っ込まざるを得なかったが、社長は夢をあきらめたわけではなかった。
特に、少年少女合唱団やJが長靴で出演している箇所はどうしても捨てがたかった。

326 :夢見る名無しさん:2017/04/24(月) 19:40:23.04 ID:NgPP04X8e
A樹B斗C子は中学1年生になった。
中学校の制服は、男子は普通の黒の詰襟、もちろん長ズボンであり、女子は普通の黒のセーラー服で、スカートはひざより長い。

では、半ズボンとは無縁となるか?いやそうではなかった。

X県Y市の中学校では、体育服は白の半袖に、男子は短い黒の短パン、女子は黒のブルマで、長ズボンのようなものはなかった。
真冬でも半袖、短パン、ブルマである。

Y市の中学校にはすごい校則がある。
私服では、中学2年の秋の衣替えまで、半ズボンでなくてはならないのである。
制服で外出できるのは、学校行事、慶弔だけである。
そのことは生徒指導部も厳しく指導していたし、2年生、3年生、場合によっては高校生も目を光らせていた。
中には隠れて長ズボンになる生徒もいたが、隠れるしかなかった。
それに、県庁所在地のX市でも、中学生の低学年は半ズボンという風潮も合った。Y市はもっとその傾向が強かった。

ただ、中学生が小学生と違って認められるのは、縦2列のアルミで補強した穴のある黒の太いベルトが認められていることだった。

学童長靴に半ズボン、大人用長靴に半ズボンの中学1年生が結構見られた。
A樹とB斗はうれしくて仕方がなかった。C子のうれしくて仕方がなかった。

327 :夢見る名無しさん:2017/04/24(月) 19:41:38.17 ID:NgPP04X8e
春休みで中学校の入学式の少し前、A樹とB斗はZ川の河原に遊びに行った。
デニ半、ハイソックス、長い大人用長靴である。
小学6年生で、A樹とB斗は二人ともC子に投げ飛ばされて失神したことが2回あった。

1回目は1月はじめのN祭りにおける子供相撲
2回目は1月終わりの体育での肉弾である。

C子に肉弾で失神KO負けした後、A樹とB斗はお互いに長靴を交換した。C子に勝つまでという約束で。
2月以降体育では、持久走、駅伝リレー、サッカーがあったが、どれでもC子に負け続けた。 >>499 >>500 >>501 >>502 >>828 >>829 >>830

A樹「僕らの長靴、結局元に戻すことができなかったね。」
B斗「最後までC子に勝てなかった。」
A樹「中学生になったら体育も部活も男女別々だろ?」
B斗「うん。小学校を卒業するまでに勝ちたかったな。」

そんな話をしていると、白のスカートに白のハイソックスに長い緑の長靴C子が土手を歩いているのが見えた。
C子は河原に下りようとしているらしい。A樹とB斗はC子を呼んだ。C子は下りてA樹やB斗に近づいてきた。

328 :夢見る名無しさん:2017/04/24(月) 19:42:39.50 ID:NgPP04X8e
A樹とB斗とC子は小学校時代の思い出話をした。
話は、A樹もB斗もC子に勝てなかったことにも及んだ。A樹とB斗はC子の強さを讃え、C子はA樹とB斗が強くなっていることを讃えた。
C子「肉弾の時はびっくりしたわ。相撲の時はそうでなかったのに、どうして肉弾の時はあんな悲鳴を上げたの?鼓膜にも響いたし、体中にも響いて震えちゃったわ。」
B斗「ごめん、ごめん。僕も自分ではわからないで先生から聞いてわかったんだ。声を出したのはわかったけど悲鳴だとは…」
A樹「僕もだよ。相撲のときは、もう絶対投げられることがわかったから覚悟ができて痛んだと思う。でも、肉弾の時は…」
B斗「僕たちツープラトンで当たったし、絶対勝てると思ったんだ。」
A樹「ちょっと押されたこともあったけど、少ししたら僕たちが一歩的に押していると思うたんだ。」
B斗「でも、C子が低くなって僕たちが浮き上がりそうになったんだ。」
A樹「でも、そのまま下に押しつぶせると思ったんだ。」
B斗「でも、踏ん張れなくなって…」
A樹「スピードも速いし、どんな風に投げられていくのかもぜんぜんわからなくて、怖くなってしまったんだよ。」
B斗「しばらく真っ暗だったな。担架に載せられるあたりからみんなの声が聞こえたんだ。」
「僕もだよ。保健室に向かっているのだけはなんとなくわかったけど…」

C子「ごめんね。」
B斗「いいんだよ。僕たちよりC子の方が強かったんだから仕方ないよ。」
C子「A樹もB斗もどんどん強くなっているから、私も真剣になっちゃうんだわ。」
A樹「僕たち、C子のおかげで強くなれたかもしれない。C子には勝てなかったけど。僕たち、体育がずっと3だったけど、卒業式では4になっていたんだ。」

329 :夢見る名無しさん:2017/04/24(月) 19:43:31.90 ID:NgPP04X8e
A樹とB斗とC子は河原を下流に移動していった。
一部を除いて晴天でも長靴でないと通れない区間が多い。河原に来るときには晴天でも堂々と長靴が履ける。
上流に移動すると、小学校の体育でよく使っていた河原である。つい2ヶ月ほど前、A樹とB斗が持久走や駅伝リレーでC子に負けた場所である。
下流に移動すると、いったん土手に上がり県道を横切ってまた河原に下りるのだが、そこは中学校が体育や部活でよく使っている場所であった。

その河原をA樹たちが行くはずの中学校が使っていることは、A樹たちは知っていた。
A樹たちが小学校を下校してからいろいろなところに遊びに行くとき、この河原で中学生が部活で走っているのも見ていた。
男子も女子も一年中、白の半袖、白のハイソックス、男子は黒のナイロンの激短パン、女子は黒のブルマだった。どの部活でもそのようだった。
ただこの2,3年、必ず長い長靴を履くようになってきている。男子は黒の大長靴、女子はさまざまな色だが淡色の長い長靴である。
河原でのトレーニングのときに義務付けられているらしい。

A樹たちがその河原に到着したとき、中学生たちが顧問の号令を受けながら走り込みをしていた。
男女ともいる。新2年生も新3年生もいる。単独の部活だけではなく複数の部活が合同で練習しているらしい。
短い距離をダッシュしたり、長い距離を走ったりすることもある。
顧問は非常に厳しかった。これが中学なのか、と思った。

男女が一緒に走ることもあった。女子に負ける男子も少しいた。
もしかしたら、C子とこんな形で対戦する機会があるのかな? とA樹とB斗は期待と不安を抱いた。
C子にまた負けることはあっても、勝つチャンスもあると。たとえ、2年生になってでも3年生になってでもC子に勝ちたかった。
C子も、中学生になってもA樹やB斗たちと競い合うチャンスがあると思うと期待に胸が膨らんだ。
A樹やB斗が2年生になっても3年生になっても、A樹やB斗に勝ち続ける自分を想像した。

顧問の厳しそうな様子や中学生の真剣な雰囲気に圧倒され、3人はもう一度上流に戻ることにした。

330 :夢見る名無しさん:2017/04/24(月) 19:49:51.54 ID:NgPP04X8e
これにて小学校編が終わります。
2スレでは小学校編は時系列の前後が激しかったので、それを時系列順にしようとも思っても順番に狂いが出てしまいました。
コピーしながら誤字脱字や矛盾があれば修正したり、思いついたことを付け加えたりしましたが、見逃してしまったことも結構ありました。
2スレでのレス引用番号は消していきましたが消し忘れも出てしまいました。
読み苦しくなって申し訳ありません。

いよいよ中学校編です。

331 :夢見る名無しさん:2017/04/28(金) 19:02:51.29 ID:hS2l5LkTH
A樹B斗C子は揃って同じ中学校に入学した。
3人は小学校では奇跡的に同じクラスだったが、中学校では3人ともばらばらのクラスになり、3年間ずっとそうだった。

>中学校の制服は、男子は普通の黒の詰襟、もちろん長ズボンであり、女子は普通の黒のセーラー服で、スカートはひざより長い。

>では、半ズボンとは無縁となるか?いやそうではなかった。

>X県Y市の中学校では、体育服は白の半袖に、男子は短い黒の短パン、女子は黒のブルマで、長ズボンのようなものはなかった。
>真冬でも半袖、短パン、ブルマである。

>Y市の中学校にはすごい校則がある。
>私服では、中学2年の秋の衣替えまで、半ズボンでなくてはならないのである。
>制服で外出できるのは、学校行事、慶弔だけである。
>そのことは生徒指導部も厳しく指導していたし、2年生、3年生、場合によっては高校生も目を光らせていた。
>中には隠れて長ズボンになる生徒もいたが、隠れるしかなかった。
>それに、県庁所在地のX市でも、中学生の低学年は半ズボンという風潮も合った。Y市はもっとその傾向が強かった。

>ただ、中学生が小学生と違って認められるのは、縦2列のアルミで補強した穴のある黒の太いベルトが認められていることだった。

>学童長靴に半ズボン、大人用長靴に半ズボンの中学1年生が結構見られた。
>A樹とB斗はうれしくて仕方がなかった。C子のうれしくて仕方がなかった。

入学式、始業式が終わると、部活動の登録が始まる。
帰宅部になって遊ぼうとすると、半ズボンでなくてはならない。上級生がしっかり取り締まっている。
そこでハードな運動部に入る生徒が多くなる。

A樹もB斗もC子も運動をしたくて仕方がなかった。文化部や帰宅部という選択はなかった。
あの日、河原での合同トレーニングに参加していた部活に入りたかった。

A樹はサッカー部、B斗はテニス部を考えていた。でも、レスリング部に入ることにした。
なぜなら、C子がレスリング部に入るからだ。

332 :夢見る名無しさん:2017/04/28(金) 19:03:22.62 ID:hS2l5LkTH
レスリング部は中学校では珍しい。
顧問のZZは体育の教員で生徒指導主任だ。授業でも生徒指導で部活でも厳しいことが知られている。
地元国立大のX大学教育学部のころからレスリングで鳴らした。教員になってからであるが、国体で優勝し、X県のメダルの数をかろうじて全国1位にするのに貢献した。
体協関係でも実力者で、管理職になるのは時間の問題だといわれている。
レスリング部を作りたいとZZが言ったとき、管理職も教委も反対できなかった。
結構予算をかけて設備を整えた。

珍しい部活である。それも部員が多くなった一因である。
A樹もB斗もC子も珍しいことをやりたかった。(理由甲)

レスリング部に入ると非常に厳しい生活が待っている。
だが、レスリング部員であるということは、ZZの完全な庇護下にあるということだ。
レスリング部員である限り、いかなる不良も近寄ってこない。ただ、レスリング部員でなくなると、たちまち不良から目をつけられる。(理由乙)
レスリング部のそのような側面は、A樹B斗C子にとってまったく未知のことだった。

レスリング部では、男子はすその短い半ズボンのようなシングレット(吊りパンツ)、女子は競泳用水着のようなシングレット、男女ともハイソックスに編み上げブーツ、編み上げにはテープをする。
A樹やB斗は長靴半ズボンのようなスタイルになる。C子は競泳用水着に長靴のようなスタイルになる。
A樹B斗C子を惹きつけてやまなかった。(理由丙)

A樹B斗C子がレスリング部に入部した理由は、第1に丙、第2に甲であって、乙のことは何も考えていなかった。
A樹とB斗にとっては、C子が入部するということも重要だった。

333 :夢見る名無しさん:2017/04/28(金) 19:03:54.06 ID:hS2l5LkTH
5月にはいると体力テストがあった。
学年ごとに、丸一日が身体測定と体力テストになっていた。さまざまなクラスと同時進行になった。

50M走。4レーンで男子2名女子2名で走る。
ほとんどの場合、男子2名が女子2名に結構な差をつけて勝っている。
A樹の番がやってきた。違うクラスになったC子も走る。A樹はどきどきしてきた。
スタート。A樹と一緒に走った男子は別の小学校出身の陸上部で圧倒的に早い。C子と一緒に走った女子は女の子走りで圧倒的に最下位だった。
C子は陸上部の男子の少し後ろについていった。A樹はもう一人の女の子には圧倒的な差をつけたが、C子には負けた。
男子が女子に負けるのはA樹が見た限りでは2例だった。一人は肥満児、もう一人は非常に背が低く線の細い男子だった。
計測は機械的にどんどん進むので、誰も結果に感想を漏らす者はいなかった。

握力。握力計がいくつか並び、半分が男子、半分が女子だった。
B斗の番になった。皆より悪くない数値が出て喜んでいたら、C子の番になった。C子はB斗を上回った。
ZZが仕切っているので誰もぐずぐずしていられない。機械的に進んでいった。

A樹もB斗も悔しくて仕方がなかった。
その日は1学期の中間考査の前の考査週間だったので部活はなかった。

A樹は長靴半ズボンでZ川の河原(小学校や中学校が使わない河原でよく遊んでいた河原)に行って、思い切り走った。
A樹もB斗も越えられなくてC子だけが越えることのできた支流の河口を跳び越すことができた。
でも、涙が出てきて仕方がなかった。人目がないことを確認すると、A樹は泣いてしまった。

B斗は長靴半ズボンでZ川の支流T川の河原に行った。姉のK子とキャッチボールをしたところである。
A樹とB斗は上れなかったがC子は上れた大木についに登ることができた。
でも、涙が出てきて仕方がなかった。人目がないことを確認すると、B斗は泣いてしまった。

334 :夢見る名無しさん:2017/04/28(金) 19:04:29.85 ID:hS2l5LkTH
A樹とB斗がそれぞれ家に帰ってくると、A樹の母や姉のM代、B斗の母や姉のK子は、テスト週間なのに遊んでいて勉強していないことを責めた。
A樹もB斗も、もし、体力テストでC子に負けることがなければ、まっすぐ帰って勉強していたはずだ。
レスリング部は練習がきつく、日曜日もよくつぶれる。
本当は疲れてはいたのだが、どうしても悔しさを抑えることができなかったのだ。
A樹もB斗も本当の理由を言う気にはなれなかった。
レスリング部で試合に出場できるようにトレーニングをしていたと言った。
もちろん、それはうそではないが…

A樹もB斗も股間を意識してまったく勉強が手につかなかった。

335 :夢見る名無しさん:2017/04/28(金) 19:04:59.07 ID:hS2l5LkTH
M代とK子はA樹とB斗が勉強しなかったことを母親と一緒に責めたが、長靴半ズボンでトレーニングをした、ということはうれしかった。
校則では私服では半ズボンとなっていることは知っている。その校則を恥ずかしがらずにしっかり守ったことはいいことだと思う。

M代とK子は家の周りで掃除をしていたときにA樹とB斗を見たのだ。
大学4年で卒論や教員採用試験で忙しいM代とK子がA樹とB斗の長靴半ズボンの姿を見るのは久しぶりだ。
A樹もB斗も脚が長くなってきた。小学生のころよりも短い半ズボン、ハイソックス、大人用の長い長靴が似合っていると思った。
M代はA樹を、K子はB斗を抱きしめたかった。

また、A樹やB斗にいつまで長靴半ズボンが似合うのか、似合わなくなる前に、来年くらいには最高に似合うようになっているのかと考えると、たまらなかった。

336 :夢見る名無しさん:2017/04/28(金) 19:13:44.35 ID:hS2l5LkTH
レスリングのコスチュームの設定はめちゃめちゃにしました。
あしからず

A樹、B斗、C子の中学校のレスリング部のコスチュームについて少し追加。

男子は、一般のレスリング用吊りパンより体へのフィット感があり、股下も短く、下半身部は黒、上半身部は赤のタイプと青のタイプ、
女子は、競泳水着に近い形の赤のタイプと青のタイプ、
男子も女子もシューズではなく、述べたとおりのブーツ、
長靴半ズボン感、長靴ブルマ感が感じられる。

ということで。

337 :夢見る名無しさん:2017/04/28(金) 19:14:11.68 ID:hS2l5LkTH
レスリング部の練習は厳しかった。朝連はほぼ毎日あったし、日曜日もほとんどつぶれた。
1年でも2年でも3年でも脱落者はいる。脱落者は不良グループに目をつけられることが多かった。
顧問のZZは生徒指導主任の体育教師でA樹たちの中学校の治安を守っている。
A樹たちも運動部に入るのは当たり前だと思っていたし、いくら練習がつらくてもレスリング部をやめるなんてことは考えられなかった。
体育館の一角にマットを敷いて練習をする。ただ、いくらZZの威光が強くても他の部活のために場所を確保しなくてはならない。
だから、週の何回かは河原での走り込みなどのトレーニングとなった。雨天なら校舎内での階段昇降や基礎トレである。
河原でのトレーニングでは体育館や運動場の割り当てからはみ出た部活との合同トレーニングも多かった。

>X県Y市の中学校では、体育服は白の半袖に、男子は短い黒の短パン、女子は黒のブルマで、長ズボンのようなものはなかった。
>真冬でも半袖、短パン、ブルマである。

ZZは河原でのトレーニングの時には、男女ともに長靴の着用を義務付けた。しかも、短いのはだめで大長靴級の長い長靴である。
理由としては、ぬかるみがあること、砂地があること、負荷がかかってトレーニングになることを挙げていた。
ZZも長ズボンのトレパンにではあるが、黒の大長靴を着用してきた。
ZZは特に言わなかったが、他の部活もZZの威光に従って、大長靴着用となった。
実は、ZZも長靴フェチであったのかもしれない。

河原での練習では、半袖に、長靴短パン少年や長靴ブルマ少女が競い合った。
A樹もB斗もC子もうれしくてしょうがなかった。
マットの使えるレスリングの種目練習だけでなく、河原での練習も楽しみだった。

338 :夢見る名無しさん:2017/04/28(金) 19:14:43.32 ID:hS2l5LkTH
A樹とB斗は1年生の中でやや弱いほうだった。もちろん先輩にはぜんぜん歯が立たなかった。
C子は1年生の中では1、2を争うほど強かった。それでも先輩にはぜんぜん歯が立たなかった。
C子が2年生のE子先輩と試合をした。E子先輩は背の低いC子よりも背が低く、C子よりも線が細かった。
それでもC子はE子先輩にあっという間にフォールされてしまった。
フォールされるまでの時間はだんだんと延びてきたが、それでもE子先輩になかなか勝てなかった。
C子がE子先輩にはじめて勝ったのは、C子が2年生になった春である。
それほどZZの指導する技術は本格的で揺るがしがたいものだった。
ZZの体力もほとんど衰えていなかった。どんな強い男子とやってもあっという間にフォールした。
A樹もB斗もC子も何も気づかないうちにフォールされた。ZZにフォールされても何の痛みも感じなかった。それほどの実力である。

試合は、市内大会も県大会もない。いきなり、数県にまたがる地区での地区大会である。その上は全国大会である。

河原での練習ではさまざまな距離の走りこみが多かった。A樹やB斗はC子と競走する機会があまりなかった。
たまにあるときにはわくわくどきどきした。そしていつも負けた。
短い距離ではB斗がA樹に、長い距離ではA樹がB斗に勝つことがほとんどだったが、C子はどんな距離でもA樹やB斗に完勝した。

1年生の1学期のうちに、A樹とB斗が履いていた長靴が河原のトレーニングによって、壊れてしまった。
A樹とB斗は新しい黒の大長靴を買った。

1年生の2学期に河原でのトレーニングがあった。A樹とB斗はC子に負けた。
A樹とB斗は、小学校6年生の時、肉弾で失神KO負けした後、C子に勝つまでお互いの長靴を換えっこしたことを思い出した。
A樹とB斗はまた、C子に勝つまでは長靴を交換することにした。A樹とB斗の大長靴のサイズもメーカーもまったく同じだった。

結局C子に勝てないままA樹とB斗の大長靴はトレーニングによって2年生の1学期に壊れた。
2年生の2学期河原のトレーニングでにC子にまた負けた時に、また交換をした。
今度こそC子に勝って長靴を元に戻そうと。

339 :夢見る名無しさん:2017/04/28(金) 19:15:46.09 ID:hS2l5LkTH
9月には部活のない日曜日が必ずある。ZZがレスリング関係の集会に参加するためである。

1年生の9月の日曜日、A樹とB斗は、2年生のS山先輩とT川先輩とU田先輩から釣りに誘われた。
3人の先輩は中堅どころの強さであり、A樹もB斗も親しみを抱いていた。
3人の先輩は2人に、絶対に長靴を履いてくるように言った。
Z川の上流に行くのだが、足場の悪いところだから、という理由である。
A樹とB斗はうれしくてたまらなかった。
実は、S山先輩もT川先輩もU田先輩も長靴フェチだった。

A樹とB斗は自転車に乗って集合場所に現れた。
S山先輩もT川先輩がすでに自転車にまたがって待っていた。U田先輩が少し遅れて自転車に乗ってやってきた。
S山先輩は背が高く脚が長く、小学生にはまったく見えなかった。それでも、長靴、ハイソックス、半ズボンがS山先輩に似合っていた。
T川先輩はA樹やB斗よりも背は低かったが、小学生には見えない。S山先輩同様、筋肉も小学生らしくはない。それでも、長靴、ハイソックス、半ズボンがT川先輩に似合っていた。
U田先輩は少し毛深い。大腿にも少し目立つ。脛は更に毛深いがハイソックスと長靴が隠してくれた。それでも、長靴、ハイソックス、半ズボンがU田先輩に似合っていた。
先輩たちが先頭になって自転車をこいでいく。先輩たちの脚の回転も美しかった。

S山先輩は釣りに詳しく、釣果は上場だった。キャッチアンドリリースをして身軽になって帰った。

340 :夢見る名無しさん:2017/04/28(金) 19:18:46.32 ID:hS2l5LkTH
2年生の9月の日曜日、A樹とB斗は1年生のS児とT太とU雄を釣りに誘った。
3人ともレスリング部ではA樹とB斗と同じ立ち位置である。
A樹とB斗は長靴を履いてくるように言った。理由は去年とまったく同じである。

当日、S児だけが長靴を履いてこなかった。A樹とB斗は厳しい口調で長靴を履いてくるように言った。
先輩風を吹かして威張ることのないA樹とB斗だったが、このときは非常に厳しかった。S児も素直に即座に反応した。
S児の家は集合場所から近かったこともあって、S児は長靴を履いて戻ってきた。
3人とも河原のトレーニングにあわせて大長靴である。
S児はA樹やB斗よりも少し背が高い。でも、筋骨の発達はT太とU雄と同じで、A樹やB斗の方ががっしりしてはいる。
3人とも小学生にはあまり見えない。結構大き目の小学6年生に見えなくもないが中学生らしい。
脚線も長くなっており、筋肉もつき始めており、長靴、ハイソックス、半ズボンを履くことによって、今が一番美しく見える。
A樹とB斗は自分たちが1年生の3人にどう見えているのか気になった。自分たちが1年生の時3人の先輩を見たのと同じような気持ちなのかと。

5人はA樹とB斗を先頭に自転車でZ川の上流の去年と同じ場所に向かった。
すれ違う大人たちの視線が心地よかった。

釣果はS山先輩がいた去年ほどではないが、S山先輩のコツをつかんでまあまあだった。A樹もB斗も一応、釣りが趣味だったし。
その年もキャッチアンドリリースをして、身軽になって帰った。

3年生になったA樹とB斗に、2年生のS児たちは1年生を誘って9月の日曜日に釣りをやったと話してくれた。
あのポイントはものすごく釣れる、でも、あそこには長靴が絶対必要だ、と言っていた。

341 :夢見る名無しさん:2017/04/28(金) 19:21:06.74 ID:hS2l5LkTH
C子はライバルのS子とともに1年生の最後の試合に出場することになった。
A樹とB斗はまったくそんなレベルに達していなかった。
S子はA樹、B斗、C子とは別の小学校の出身である。

数県にまたがる地方大会であった。C子もS子も1回戦で敗退した。2年生ではC子とS子は試合出場の常連であった。2年生の秋、C子とS子は全国大会に出場を果たした。

3年生の夏の試合、A樹とB斗も地方大会への出場を果たした。これはZZの情けではない。3年生でも実力がないとみなされたら試合への出場はない、それがZZの方針だ。
A樹は1回戦フォール勝ち、2回戦判定負け、B斗は1回戦判定勝ち、2回戦フォール負けだった。

C子は地方大会を優勝、S子は3位で通過し、全国大会に出場した。

東京でも全国大会、C子は思わぬ形でJに再会した。
Jは勤務先のF大学付属中学校のレスリング部の引率者として来ていたのだ。顧問は大会の役員となっており、引率者が必要だったのだ。Jにはレスリングはわからない。

JはF大付中レスリング部のW子と親しく話をしていた。C子はもうJに近づけないような気がした。
C子はどんどん勝ち抜いていったので、同じく勝ち抜いてきたW子と対戦することになる。C子はW子に勝ってJを自分に振り向かせたかった。

C子がW子と当たったのは3位決定戦だった。
C子とW子の実力は伯仲していてなかなか勝負がつかなかった。W子の実力が紙一重で勝っていた。
C子は判定負けで4位となった。C子はその試合内容を評価されて賞をもらうことになった。
S子は上の階級で同じく3位となった。ZZの指導の下では中くらいの結果だった。C子もS子も中学校で表彰された。

C子はW子に負けた悔しさのため、体育館の廊下で人目構わずに泣いていた。
そんな時、JがC子を見つけ、声をかけた。C子はJの胸に抱かれて思い切り泣いた。

C子はレスリング部のこといろいろとと話した。結構長い時間になった。JはA樹とB斗のことをC子に聞いた。
C子はそのときになってやっと、A樹もB斗もレスリング部に入っていること、3年の最後の地方大会に出場を果たし、2回戦で敗退したことを告げた。

342 :夢見る名無しさん:2017/04/28(金) 19:21:32.02 ID:hS2l5LkTH
レスリング部の練習は基本的に男女別だった。ただ、場所のこともあり、河原のトレーニングだけでなくマットの練習でも、ほとんど隣接して行った。
A樹とB斗がC子と組み合うことも、全くないわけではなかった。A樹もB斗もそのたびにC子に負けていた。
ただ、本格的な試合はなかった。部分的な技のスパーリング形式が多かった。

1年生で初めてやったのは、ブリッジ崩し。ブリッジをしてお互いに腕か脚を取って崩し合うのだ。
これは、小学校の体育でもやった。小学校でも、A樹やB斗はC子に負けた。そして、中1のレスリング部でも負けた。

A樹対C子。お互いに後ろ向きになりブリッジを作り、お互いの腕を崩すのだ。
B斗が見ていた。ブリッジもC子の方が見事だった。お互いに近づいていく動きもC子の方が見事だった。身長も体重もA樹の方があったが、筋肉の発達はC子だった。
A樹はC子に崩されてしまった。
B斗はまだこのとき、自分の番が回ってくる緊張のために股間を意識する暇がなかった。

B斗対C子。お互いに前向きになりブリッジを作り、お互いの脚から崩すのだ。
A樹が見ていた。ブリッジもC子の方が見事だった。お互いに近づいていく動きもC子の方が見事だった。身長も体重もB斗の方があったが、筋肉の発達はC子だった。
B斗のレスリングブーツの脚とC子のレスリングブーツの脚が絡み合う。姿勢の確かさと力強さ、動きの速さと力強さはC子が圧倒した。
B斗はC子に崩されてしまった。
A樹は股間を意識した。

343 :夢見る名無しさん:2017/04/28(金) 19:22:12.57 ID:hS2l5LkTH
練習が終わり家に帰ると結構暗くなっていた。
A樹もB斗も帰りは制服ではなく体育の半袖シャツと激短パンを履いて下校した。白のハイソックスが長かった。
中学校では授業以外は体育服が結構認められていた。体育服は、上は半袖、下は短パン、ブルマで、長袖も長ズボンもなかった。

A樹とB斗は走り込みに行ってくると言って、半袖、短パン、ハイソックスに大長靴を履いて、河原に向かった。
本来なら疲れで何もやりたくないが、この日は悔しさでいっぱいだった。
A樹とB斗は落ち合い、C子に勝つことを思い描いて、河原で何本かダッシュをし、股間を意識してしばらく泣き崩れてしまった。

その後、C子との部分的な技のスパーリングは何回かあったが、何度やっても結果は同じだった。
A樹とB斗の身長と体重はC子の身長と体重よりどんどん大きな数値となった。A樹もB斗も、成長と自分自身の努力とZZによる指導によってどんどん強くなった。
でも、C子はそれよりもはやい速度で強くなっていった。C子との強さの差は開くばかりであった。

344 :夢見る名無しさん:2017/04/28(金) 19:23:17.58 ID:hS2l5LkTH
中2の1月か2月くらいからレスリング部では「選考会」がある。次年度の試合の選手を決めるための重要な校内試合だ。
エース級の部員が何人か選ばれる。それに準じる部員がその3倍選ばれる。エース級1名が3人抜きの試合をするのだ。
必ずしも3連勝しなくてもよい。ただし2敗以上すると選考から脱落する。試合内容が悪くても脱落する。
一方、挑戦する3名は内容が良ければ選手に選ばれることもある。

C子は1年生の時から挑戦者に入っていた。2年生になったらエース級になった。
A樹とB斗は1年生の時は全く選ばれなかった。2年生になったら挑戦者に入った。
A樹とB斗は2年生の女子D子とともにC子と対戦することをZZから告げられた。

345 :夢見る名無しさん:2017/04/28(金) 19:23:52.40 ID:hS2l5LkTH
中2の初詣で。
A樹もB斗もC子もそれぞれの家族とともにH神社に初詣でに行った。
H神社は地元の神社でN祭りが行われる神社である。小4から小6までA樹もB斗もC子もN祭りに参加した。
男の子は裸にふんどしと長靴、女の子は体育服の半袖とブルマでふんどしと長靴、積雪の正月2日だった。
A樹とB斗は、階段駆け上げでも子供相撲でもC子に負けた。小6の時は子供相撲で投げ飛ばされ「失神KO負け」した。

C子は両親と妹のN子とともに初詣に来た。N子は小2になっていた。
C子は、白に茶色やグレーのまだらが混じった、化繊だけれども毛足の長い短めのコート、グレーの短いスカート、白のハイソックスに赤の長い長靴、
N子は、ピンクの短いコート、赤を基調としたタータンチェックの短いスカート、白のハイソックスにピンクの長靴。

C子はおととしまでのN祭りでの栄光を振り返り、笑みを浮かべた。

N子は「運動会の徒競走で1番になりますように」と祈り、絵馬にもそのように書いて奉納した。

中2になると高校受験のことを祈ることが多くなる。でもC子の関心はレスリングにしかなかった。
C子は「地方大会、全国大会で優勝しますように」と祈り、絵馬にもそのように書いて奉納した。

346 :夢見る名無しさん:2017/04/28(金) 19:24:20.60 ID:hS2l5LkTH
A樹は両親と姉のM代とともに初詣に来た。M代は大学2年生になっていた。
M代は、グレーのオーバー、赤を基調としたタータンチェックのスカート、白のハイソックスに赤の長い長靴、
A樹は、グレーのジャンパー、黒のフォーマルの半ズボン白のハイソックスに黒の大長靴。

階段をのぼりながらA樹は、この階段でC子に負けたのか、C子の遠ざかりゆく後姿、髪の毛、背中、ブルマ、ハイソックス、長靴を思い浮かべた。
悔しさと股間を意識した。黒のフォーマルの半ズボンはもう小さくなっていてほとんどハミケツである。時々ハミケツに樹に積もった雪の露が落ちてくる。

階段をのぼりきると土俵が見えてきた。あの土俵でC子に負けたのか、改めて悔しさと股間を意識した。

中2になると高校受験のことを祈ることが多くなる。でもA樹の関心はレスリングにしかなかった。
A樹は「○○中学校レスリング部選考会で○○C子さんに勝てますように」と祈り、絵馬にもそのように書いて奉納した。
A樹は絵馬を表にはかけず、先にかけてある絵馬の間に入れて目立たないようにした。
学校やレスリング部の誰かに見られたらどうしよう、という不安もあった。
でも、C子に勝ちたいという気持ちの方が強かった。見られることは覚悟した。

347 :夢見る名無しさん:2017/04/28(金) 19:24:55.55 ID:hS2l5LkTH
B斗は両親と姉のK子とともに初詣に来た。K子は大学2年生になっていた。
K子は、白のオーバー、白と黒の細かいチェックのスカート、白のハイソックスに白の長い長靴、
B斗は、青のジャンパー、黒のフォーマルの半ズボン白のハイソックスに黒の大長靴。

階段をのぼりながらB斗は、この階段でC子に負けたのか、C子の遠ざかりゆく後姿、髪の毛、背中、ブルマ、ハイソックス、長靴を思い浮かべた。
悔しさと股間を意識した。黒のフォーマルの半ズボンはもう小さくなっていてほとんどハミケツである。時々ハミケツに樹に積もった雪の露が落ちてくる。

階段をのぼりきると土俵が見えてきた。あの土俵でC子に負けたのか、改めて悔しさと股間を意識した。

中2になると高校受験のことを祈ることが多くなる。でもB斗の関心はレスリングにしかなかった。
B斗は「○○中学校レスリング部選考会で○○C子さんに勝てますように」と祈り、絵馬にもそのように書いて奉納した。
B斗は絵馬を表にはかけず、先にかけてある絵馬の間に入れて目立たないようにした。
学校やレスリング部の誰かに見られたらどうしよう、という不安もあった。
でも、C子に勝ちたいという気持ちの方が強かった。見られることは覚悟した。

かけられている絵馬を何枚かめくると、
「○○中学校レスリング部選考会で○○C子さんに勝てますように ○○中学校2年○○A樹」
という絵馬を見つけた。
B斗は熱いものを感じた。

348 :夢見る名無しさん:2017/04/29(土) 15:16:09.29 ID:7YwXNPTn9
選考会が始まった。
C子は、D子、B斗、A樹の順に対戦していく。
C子対D子。C子はD子を秒殺とまではいかないけれど、圧倒的な実力の差でフォールした。

C子対B斗。
B斗は組み合ってからしばらくするとC子に投げられた。
攻められに攻められ、ブリッジで耐えに耐えたが力尽き、痙攣してフォールされ、失神したとき失禁してしまった。
B斗は担架に乗せられ、保健室に運ばれた。担架を持ったのは選考会を終えた部員とZZである。
失禁した付近には下に布を敷き、上にも布を敷いた。
部外の生徒にも見られることになるが、レスリング部で失神や失禁をすることはむしろ勲章に近いことになっていた。
C子も失神失禁したこともある。レスリング部はそれくらいハードだという認識はあったので、それほど恥ずかしいことではなかった。

A樹には股間を意識する余裕はなかった。C子や他の部員とともにB斗の汚物を雑巾がけで処理した。

ZZはB斗の処置を女性の養護教諭Y枝に任せると、C子対A樹の試合に戻った。Y枝は失神失禁したレスリング部員の処置に慣れている。

保健室でのB斗。
Y枝は、タオルを敷いた処置用ベンチにあおむけに寝かされたB斗のシングレットを脱がし、湯で絞ったタオルで汚物を拭き取った。
レスリングブーツとハイソックスはそのままにした。フリチンに長靴を履いているようにも見える。
B斗は意識を回復しつつあった。でも、動けなかった。
C子に投げつけられたり、絞められたりした打撃、ずっと続いてきた練習による疲労、次から次へと出てくる宿題をこなす勉強の疲れによって、眠り始めた。
B斗は目を閉じ、口を少し開け、荒い呼吸のため、胸や腹が上下している。寝息も聞こえる。

349 :夢見る名無しさん:2017/04/29(土) 15:16:48.54 ID:7YwXNPTn9
Y枝はたまらなかった。
B斗は、緊張が解けたのと汚物の処置による刺激のため、○起している。ツル脇でチン毛がちらほらである。髭はない。
子供にしては、身長が高いし、筋肉も少しあり、チン毛もちらほらで、○ん○も大きい。
大人にしては、
女にしては、身長はいいとしても、胸や尻に脂肪がないし、いまひとつ貧弱、
男としては、身長がやや足りなく、顔が幼く、骨格も筋肉も貧弱で、○ん○も小さい。
髪の毛も肌もつややかで午後の光が反射し、肌の肌色、ハイソックスの白、髪の毛とレスリングブーツの黒が輝いている。

このB斗という男の子を失神失禁させてフォールさせたのはC子という女の子だとZZは言っていた。
昨年は、2年生の女の子にフォール負けして失神失禁したC子の処置をしたことがある。
そのときのC子は今のB斗より身長も体重も少なかったが、筋肉の発達はC子だと思った。
今のB斗があの時のC子と対戦しても、もしかしてC子が勝つのではないかとも思えてきた。

このB斗という男の子も結構鍛えてあると思える。つらい練習を2年近く頑張ったのだろう。でも、C子という女の子に及ばなかった。
Y枝はB斗の額の汗をやさしく拭いた。

350 :夢見る名無しさん:2017/04/29(土) 15:21:03.60 ID:7YwXNPTn9
同時進行で、C子対A樹。
展開はB斗の時とほとんどというより全く同じだった。

A樹は組み合ってからしばらくするとC子に投げられた。
攻められに攻められ、ブリッジで耐えに耐えたが力尽き、痙攣してフォールされ、失神したとき失禁してしまった。
A樹は担架に乗せられ、保健室に運ばれた。担架を持ったのは選考会を終えた部員とZZである。
失禁した付近には下に布を敷き、上にも布を敷いた。
部外の生徒にも見られることになるが、レスリング部で失神や失禁をすることはむしろ勲章に近いことになっていた。
C子も失神失禁したこともある。レスリング部はそれくらいハードだという認識はあったので、それほど恥ずかしいことではなかった。

保健室の処置用ベンチではB斗が半失神していた。C子にフォール負けして失神失禁したA樹のために処置用ベンチを空けなければならなかった。
ZZはB斗を横抱きにしてベッドに向かった。Y枝はベッドのカーテンを明け、掛け布団を調整した。
ZZはレスリング選手としてはきわめて軽量なほうである。身長は低い。B斗と身長は変わらない。ZZがB斗を横抱きにすると、ZZは自分より大きい体を抱いているようにも見える。
でも、骨格や筋肉の発達はもちろんZZが圧倒していた。ZZはB斗を本当に軽々と横炊きしていた。
B斗はレスリングブーツだけのフリ○ンだった。ZZより幼い顔立ちで、首も体幹も脚も腕も細くて貧弱だった。
Y枝はたまらなかった。
B斗は何か大きな力で包まれたような感じがした。
レスリングの技の指導ではZZに簡単に押さえ込まれていた。練習としてZZに技をかけてZZが投げられたり押さえ込まれたこともあったが、すべて練習の一環としてのことであることはB斗にもわかっていた。
ZZから体罰を受けたこともある。練習で気が抜けているときや提出物を忘れたときなどである。
それらすべてを含めてZZの大きな力に包まれて眠りたくなった。完全にグロッキーだったのでそうせざるを得なかったいうこともある。
ZZはA樹の処置をY枝に任せるとマットに戻り、C子や他の部員がA樹の汚物を処理した。

351 :夢見る名無しさん:2017/04/29(土) 15:21:25.16 ID:7YwXNPTn9
保健室でのA樹。
Y枝は、タオルを敷いた処置用ベンチにあおむけに寝かされたA樹のシングレットを脱がし、湯で絞ったタオルで汚物を拭き取った。
レスリングブーツとハイソックスはそのままにした。フリチンに長靴を履いているようにも見える。
A樹は意識を回復しつつあった。でも、動けなかった。
C子に投げつけられたり、絞められたりした打撃、ずっと続いてきた練習による疲労、次から次へと出てくる宿題をこなす勉強の疲れによって、眠り始めた。
A樹は目を閉じ、口を少し開け、荒い呼吸のため、胸や腹が上下している。寝息も聞こえる。

352 :夢見る名無しさん:2017/04/29(土) 15:22:06.60 ID:7YwXNPTn9
Y枝はたまらなかった。
A樹は、緊張が解けたのと汚物の処置による刺激のため、○起している。ツル脇でチン毛がちらほらである。髭はない。
子供にしては、身長が高いし、筋肉も少しあり、チン毛もちらほらで、○ん○も大きい。
大人にしては、
女にしては、身長はいいとしても、胸や尻に脂肪がないし、いまひとつ貧弱、
男としては、身長がやや足りなく、顔が幼く、骨格も筋肉も貧弱で、○ん○も小さい。
髪の毛も肌もつややかで午後の光が反射し、肌の肌色、ハイソックスの白、髪の毛とレスリングブーツの黒が輝いている。

このA樹という男の子を失神失禁させてフォールさせたのもC子という女の子だとZZは言っていた。
昨年は、2年生の女の子にフォール負けして失神失禁したC子の処置をしたことがある。
そのときのC子は今のA樹より身長も体重も少なかったが、筋肉の発達はC子だと思った。
今のA樹があの時のC子と対戦しても、もしかしてC子が勝つのではないかとも思えてきた。

そういえば、このA樹という男の子、先ほどC子にフォール負けし、失神失禁したB斗に似ている。
顔は違うけれども、体はほとんど同じである。
四肢もすらりと伸びており、健康的で、肥満でもないし細すぎもしないし、この程度の体格ではC子に勝てないのかな、
とY枝は思った。
このB斗という男の子も結構鍛えてあると思える。つらい練習を2年近く頑張ったのだろう。でも、C子という女の子に及ばなかった。
Y枝はB斗の額の汗をやさしく拭いた。

このA樹という男の子も結構鍛えてあると思える。つらい練習を2年近く頑張ったのだろう。でも、C子という女の子に及ばなかった。
Y枝はA樹の額の汗をやさしく拭いた。

353 :夢見る名無しさん:2017/04/29(土) 15:28:11.95 ID:7YwXNPTn9
ZZが保健室にやってきた。
ZZとY枝はA樹をベッドに移すことにした。暖房はしているとはいえ、真冬である。

この数日間、ほとんどのベッドは修理に出していた。老朽化していたのだ。
ベッドは3台しかなかった。そのうち2台には、持病で倒れた女の子が2人寝かされていた。保護者の迎えが来るまで時間がかかっているのだ。

だから、A樹はB斗が寝ているベッドに二人で寝かすことにした。
ZZとY枝は、B斗をあらかじめ隅の方に寄せて寝かせていた。A樹に限らず失神失禁があるのがここのレスリング部だ。

ZZはA樹を横抱きにしてベッドに向かった。Y枝はベッドのカーテンを明け、掛け布団を調整した。
ZZはレスリング選手としてはきわめて軽量なほうである。身長は低い。B斗やA樹と身長は変わらない。ZZがA樹を横抱きにすると、ZZは自分より大きい体を抱いているようにも見える。
でも、骨格や筋肉の発達はもちろんZZが圧倒していた。ZZはA樹を本当に軽々と横炊きしていた。
A樹はレスリングブーツだけのフリ○ンだった。ZZより幼い顔立ちで、首も体幹も脚も腕も細くて貧弱だった。
Y枝はたまらなかった。

A樹は何か大きな力で包まれたような感じがした。
A樹は小学校3年生の冬のことを思い出した。
雪の残る公園で、長靴に半ズボンを履いて肉弾をした時、長靴にスカートを履いたC子に張り手を決められ、失神はしなかったけれど鼻血を出してダウンした。
その時、通りがかった、宗匠帽子を被り十徳を着た老人に横抱きにされ、家に運ばれたことがあった。
老人にとって小3のA樹でも重かったらしく、雲の上に乗せられているような快感はあったが、安定感はZZによる横抱きが圧倒的だった。

レスリングの技の指導ではZZに簡単に押さえ込まれていた。練習としてZZに技をかけてZZが投げられたり押さえ込まれたこともあったが、すべて練習の一環としてのことであることはA樹にもわかっていた。
ZZから体罰を受けたこともある。練習で気が抜けているときや提出物を忘れたときなどである。
それらすべてを含めてZZの大きな力に包まれて眠りたくなった。
ベッドに寝かされるとき、ベッドには誰かがいると感じた。成り行きからB斗であることはわかった。
それでも眠りたくなった。そうせざるを得なかったほどグロッキーだったということもある。

354 :夢見る名無しさん:2017/04/29(土) 15:30:18.91 ID:7YwXNPTn9
そしてY枝は、フリチンにハイソックスにレスリングブーツのA樹をB斗の隣に寝かせて、掛布団をかけた。

B斗は目を覚ましつつあったあった。A樹も自分がB斗の隣に運ばれていることには自覚があった。
ベッドのスプリングはゆるゆるだったので、A樹もB斗も真ん中に沈み込んできた。

C子が保健室に来た。
「先生、A樹とB斗は大丈夫?」「ああ、大丈夫だ。よくあることだ、心配ないぞ。」
「A樹とB斗はどこ?」「ここだ。」ZZはベッドのカーテンを開けてA樹とB斗を見せた。
掛布団があるので、A樹とB斗の顔しか見えない。A樹もB斗も寝息を立てている。
「顔色もよさそうだろう、心配するな。もう下校しろ。」「はい。」

A樹とB斗は目を閉じていたのでC子を見ていない。でも、カーテンが開いてC子が見ていたことは分かった。

355 :夢見る名無しさん:2017/04/29(土) 15:32:35.29 ID:7YwXNPTn9
隣で寝かされたいた女の子の保護者が迎えに来た。そのとき、A樹もB斗も意識はあるものの起きられなかった。
ベッドはどんどん中央に沈み、A樹の唇とB斗の唇が触れ合った。
唇を動かしてはずそうとするとますます深くキス状態となった。おさまっていた○ん○がまた○起した。
腕や脚が触れ合うことも刺激となった。

A樹とB斗が失神してキス状態になったことは2回ある。
1回目は、小6の時のN祭りの子供相撲で、C子に投げ飛ばされて失神した時である。雪が積もった正月である。
A樹とB斗は裸に白のふんどしを締め、黒の大長靴を履き、白のハイソックスがちらりだった。
C子は白の半袖の体育服、黒のブルマに白のふんどしを締め、赤の長い長靴を履き、白のハイソックスがちらりだった。
担架で社務所の長いすに相次いで運ばれ、相次いでふんどしをはずされ、長靴にフリ○で、反対向きに寝かされ、唇と唇が触れ合い、○起した。

2回目は、小6の時の体育で肉弾をやったときである。2月の雪の残った運動場であった。
A樹とB斗は白の半袖の体育服、黒のジャージ地の短パンに黒の大長靴を履き、白のハイソックスがちらり立った。
C子は白の半袖の体育服、黒のブルマに赤の長い長靴を履き、白のハイソックスがちらりだった。
失神して1台の担架に反対向きに乗せられ、ながぐつにハイソックスを履いた脚をぶらぶらとさせながら、唇と唇が触れ合ったままで保健室に運ばれた。
黒のジャージの短パンの中で○起していた。C子も見ていた。C子はその時もその後も、何も言わなかった。
担架が保健室に到着した時、A樹もB斗も意識を回復した。
保健室に入るときは長靴を脱がねばならなかった。C子はもちろん自力で不脱いだが、A樹とB斗はできなかった。
保健室の入り口の床に腰を下ろしたままグロッキーだったので、先生に脱がしてもらった。
C子が脱ぐときも、A樹やB斗が脱がせてもらうときも、シューーーーッ、ポッ、という心地よい音がした。

356 :夢見る名無しさん:2017/04/29(土) 15:33:08.52 ID:7YwXNPTn9
もう一人の女の子の保護者も迎えに来た。
その時、A樹もB斗もすっかり目を覚ましたが、見られないように隠れていた。
「まだ一人、ベッドに生徒さんがお見えになるんですか?」「はい、レスリング部の子です。」
レスリング部のハードさはほとんどの保護者に知られていた。
「男の子ですか?女の子ですか?」「男の子です。」
「同じ保健室に行くにしても、体が強くなって、この子のようにハードなレスリングができるくらいにうちの娘もなってほしいですわ。」

A樹もB斗も顔が赤くなった。
確かに自分たちはレスリング部でやっている。でも、C子という女の子よりはるかに弱い。
この保護者は多分、このベッドの中にいるのはある男の子にフォール負けして失神した一人の男の子だと思っている。
でも、中にいるのは、一人の女の子にフォール負けして失神失禁した二人の男の子なのだ。

保護者と女の子が帰っていくと、A樹とB斗は起き上がり、ベッドから出た。フリチンでハイソックスにレスリングブーツだった。
ZZの手配で更衣室から自分たちの荷物が届いていた。A樹とB斗は急いで着替えた。そのとき、制服ではなく、体育服の半袖と短パンにした。

A樹とB斗はY枝にお礼を言って下校することにした。
「次は女の子に負けちゃいけないよ。」「はい。」A樹とB斗の顔は真っ赤になって股間を意識した。
その日、雪が積もっていたので、長靴で投稿する生徒も何人かいた。A樹B斗C子ももちろんそうだった。
A樹とB斗は短パンに大長靴を履いて下校することにした。

357 :夢見る名無しさん:2017/04/29(土) 15:34:32.26 ID:7YwXNPTn9
体育服の半袖、短パン、ハイソックス、大長靴で残雪を蹴飛ばしながら下校しようとするA樹とB斗の耳に、C子の怒鳴り声が飛び込んできた。
体育教官室の前で、C子がZZに大声で怒りをぶちまけている。
「どうしてS子にはY男とF子なのに、私にはA樹とB斗なの?」
「B斗の筋力とリズム感、A樹の持久力とスピード、これに勝ってほしかったんだ。C子、お前は持久力がまだまだだ。リズム感ももう少しほしい。」
「私がA樹やB斗に負けているとでも言うの?私がS子より下だとでも言うの?」
すかさずZZの平手打ちがC子の頬に入った。C子は泣きながら走り去って行った。

A樹とB斗は隠れていたし、C子は反対方向に行ったので、C子には見られていないはずだと思った。

A樹とB斗は悲しかった。いつもは悔しさだけだったが、こんなにC子の心が自分たちから離れていたことを思い知らされたのはつらかった。
中学校に入学してから3人は一回も同じクラスにならなかった。それも心が離れる原因の一つかとも思った。
そういえば、C子の態度はどんどん冷淡なものになっていく。雑談もあまりしなくなった。挨拶もそっけなくなってきた。お互いの家にも行かなくなって久しい。

C子はS子にライバル心を抱いている。S子は3人とは別の小学校の出身だ。S子はC子と同じくらい強い。A樹もB斗もS子には、試合でも様々な練習でも負けていて勝ったことがない。
C子にとってはZZがS子に関心を払うことが許せなかったのだ。
C子もあまりはっきりとは気づいていないが、実はC子はZZに恋をしていたのだ。
ZZは中年で妻子もある。C子にも常識はある。
C子はレスリング一筋だった。恋にも遊びにもほとんど関心がなかった。唯一のおしゃれは長靴そのものと、長靴と服装とのコーディネイトだった。同い年の女の子よりそちらの方面に疎かったのかもしれない。

翌日、C子はZZに謝罪し、その件については丸くおさまった。
レスリング部の日常は続いた。

358 :夢見る名無しさん:2017/04/29(土) 15:35:19.80 ID:7YwXNPTn9
>すかさずZZの平手打ちがC子の頬に入った。C子は泣きながら走り去って行った。
追加
A樹とB斗は制服のセーラー服に赤の長い長靴を履き、白のハイソックスをちらりとさせたC子の後姿を見送った。
艶やかな髪の毛が揺れ、長靴ハイソックススカートの間の脚の肌も艶やかだった。
C子は身長は低いままであったが、以前もその傾向はあったが、肩幅は広くなり、脚の筋肉も以前よりたくましいものになっていた。

359 :夢見る名無しさん:2017/04/29(土) 15:36:54.21 ID:7YwXNPTn9
>中学校の制服は、男子は普通の黒の詰襟、もちろん長ズボンであり、女子は普通の黒のセーラー服で、スカートはひざより長い。

>では、半ズボンとは無縁となるか?いやそうではなかった。

>X県Y市の中学校では、体育服は白の半袖に、男子は短い黒の短パン、女子は黒のブルマで、長ズボンのようなものはなかった。
>真冬でも半袖、短パン、ブルマである。

>Y市の中学校にはすごい校則がある。
>私服では、中学2年の秋の衣替えまで、半ズボンでなくてはならないのである。
>制服で外出できるのは、学校行事、慶弔だけである。
>そのことは生徒指導部も厳しく指導していたし、2年生、3年生、場合によっては高校生も目を光らせていた。
>中には隠れて長ズボンになる生徒もいたが、隠れるしかなかった。
>それに、県庁所在地のX市でも、中学生の低学年は半ズボンという風潮も合った。Y市はもっとその傾向が強かった。

360 :夢見る名無しさん:2017/04/29(土) 15:37:19.37 ID:7YwXNPTn9
半ズボンというのは信用があった。

B斗たちの中学校では2年生の夏休みに共同研究があった。数人の班のメンバーは、事前に希望したテーマを参考に、学校によって決められる。
B斗は音楽の歴史についてのグループとなった。
夏休みのある日、F美という女の子の家に集まってポスターを作ることになった。F美の家が広いからだ。
その日、台風が来た。暴風警報が隣県には出たが、X県はやや強い風と雨だけだった。

B斗は、白地で胸の辺りに赤と青の太い縞のある結構高級なポロシャツに、縦2列の穴をアルミで補強した黒の太いベルト、ライトブルーのデニムの半ズボン、白のハイソックスに黒の大長靴で出かけた。
もう一人の男の子も同じような格好であった。2人の女の子は、半袖のブラウスに、スカートに、白のハイソックス、一人は赤の長い長靴、もう一人は白の長い長靴だった。
F美の家にはF美も含めて5人が集まった。
女の子が2人もいることが好印象をも持ったのか、F美の母親はB斗ももう一人の男の子もすんなりと入れてくれた。
玄関には、B斗の黒の大長靴と、もう一人の男の子の黒の大人用長靴、女の子の赤の長い長靴、もう一人の女の子の白の長い長靴が並んだ。
激しい雨に洗われて、どの長靴も美しく光っていた。
男の子2人の長靴の足のサイズは女の子のより大きいことは見ればすぐにわかった。
でも、女の子の長靴は長かった。もう一人の男の子の長靴は一番短かった。そんな中で、B斗の大長靴は女の子の長靴より少しだけ長かった。
B斗はうれしかった。

361 :夢見る名無しさん:2017/04/29(土) 15:37:47.84 ID:7YwXNPTn9
ポスター作りは順調に進んだ。F美たち女の子が手際よく進めてくれて、清書の段階になっていた。
カラフルでおしゃれなポスターが完成した。ポスターが完成すると、F美の母親がお菓子とジュースを持ってきてくれた。
お菓子とジュースが終わると、F美の提案でリズム遊びをすることとなった。
5人で輪になって、歌に合わせて、手拍子をしたり、ひざうちをしたり、隣の子の手を打ったり、隣の子のひざを打ったりするのだ。失敗した子が脱落する。最後まで残った子が優勝である。
歌は親しみやすいものだったが、リズムは結構複雑だった。Jの歌はなかったが、Jの「歌に似ていたのでB斗にとってはうれしかった。
この遊びは女の子が圧倒的に強い。もう一人の男の子はほとんど一番早く脱落した。
B斗は意外に健闘した。優勝するのはほとんどF美かB斗だった。

B斗はF美を含めて3人の女の子と手を合わせたり、ひざを打ち合ったりして気づいた。
C子はやはり特別に強いのだと。自分もA樹も普通の女の子より強い筋肉を持ってしまっている。成長のためもあるし、レスリング部での猛練習のためもある。でも、C子にはまったく勝てない。
C子の身長はB斗やA樹はもちろん、F美たち3人よりも低い。制服を着ているとC子も普通の女の子に見える。よく見るとバのような筋肉だが。C子の筋肉は特別なのかも知れない。

C子がこのゲームに入ったらどうだろう。
小2か小3のとき、ショッピングセンターに着たJに合わせて、A樹B斗C子は長靴半ズボン、長靴スカートで踊った。そのときはC子が圧倒的にうまかった。
では、今ならどうだろうか。

B斗たちはそれぞれ長靴を履いて帰った。

362 :夢見る名無しさん:2017/04/29(土) 15:38:29.25 ID:7YwXNPTn9
半ズボンというのは信用があった。
B斗の場合は女の子が混じっていたから安心感があったということもできるが、A樹の場合は格別であった。

B斗やA樹の中学校では2年生の夏休みだけでなく、冬休みにも共同研究があった。
百人一首を学校によって割り振られた数人のグループで何首か分担して、解説書などを読んで、絵にして表現するという課題である。

A樹のグループは男子2人女子2人だった。もう一人の男子はぐれかけていてまったくやる気がなく、もう一人の女子は入院してしまった。
A樹はF香という女の子と進めることとなった。
百人一首の解釈はF香、ポスターはA樹という分担になりつつあった。だが、F香は解釈に行き詰ってしまった。絵の原案も含め、二人で詰めることとなり、A樹はF香の家に行くこととなった。

A樹は、白のジャンパーに、縦2列の穴をアルミで補強した黒の太いベルト、紺のデニムの半ズボン、白のハイソックスに黒の大長靴で出かけた。
その日は雪が降り積もっていた。

中2の10月1日からは半ズボンを履かなくてよくなる。ほとんどの男子生徒はそうするが、1割くらいは半ズボンでがんばる。A樹やB斗も半ズボンで通した。

「いらっしゃい、A樹君。半ズボンで寒くない?」
「小学校からずっと半ズボンだから平気です。」
「元気だね。長靴も長くてかっこいいね。A樹君、脚が長くてかっこいいね。」
「今日は雪が降って積もっているし、家を汚してはいけないと思って長靴を履いてきました。」
「気が利くわね。おあがりなさい。」
「失礼します。」

363 :夢見る名無しさん:2017/04/29(土) 15:39:06.49 ID:7YwXNPTn9
A樹は姉のK代から古典の参考書を借りてきた。それが大きな突破口となった。理解できなかったことがはっきりと理解できるようになった。
「A樹君、頭いいね。ありがとう。助かったわ。」
F香はA樹に素直な感謝を表情を向けた。

F香の家はセントラルヒーティングで非常に暖かかった。F香は夏とはいかないまでも春か秋かのような服装だった。
F香の筋肉の様子もよく見ることができた。そして気づいた。
C子はやはり特別に強いのだと。自分もA樹も普通の女の子より強い筋肉を持ってしまっている。成長のためもあるし、レスリング部での猛練習のためもある。でも、C子にはまったく勝てない。
C子の身長はB斗やA樹はもちろん、F美たち3人よりも低い。制服を着ているとC子も普通の女の子に見える。よく見るとバのような筋肉だが。C子の筋肉は特別なのかも知れない。

A樹はケーキとホットコーヒーをご馳走になって、長靴を履いて帰った。

A樹は少し前、グループのもう一人の男子、DQがある女の子の家の玄関先で、母親に入れてもらえず、追い返されたのを見たことがある。
A樹は声変わりしているかどうか微妙な少年らしいハスキーボイスだ。DQはA樹より身長が低くまだ黄色い声だ。
DQは中2の10月1日以前から半ズボを履かず長ズボンをこっそり履いていた。

364 :夢見る名無しさん:2017/04/29(土) 15:39:55.23 ID:7YwXNPTn9
A樹もB斗もDQが嫌いだった。
DQはA樹B斗C子とは別の小学校出身だった。
DQはレスリング部ではなく、バスケ部かテニス部だった。ZZのレスリング部以外はどこもよりゆるいということになる。DQはまあまあ活躍し、ゆるさも満喫していた。

生意気な態度もそうだが、A樹たちを一番怒らせたのは、Jの悪口を言うことだった。
歌手としての歌についても、A樹たちの小学校で教育実習をやったことについても、教育番組に出演したことについても、徹底的に悪口を言った。
Jの教育実習については、その年度の3月にはマスコミを通して世間にばれていた。

A樹は長距離以外、DQに負けていた。B斗は短距離以外、DQに負けていた。

中2の冬、持久走大会で、B斗はDQに勝った。
中3の春、体力テストでA樹はDQと50Mを走ることになり、A樹が勝った。

どちらにおいても、A樹とB斗は喜び合った。特に、A樹もB斗もDQに勝ったという実績を持った中3の春の喜びは大きかった。
ただ、C子に勝てないままでいることは、悔しいままだった。

>3年生の夏の試合、A樹とB斗も地方大会への出場を果たした。これはZZの情けではない。3年生でも実力がないとみなされたら試合への出場はない、それがZZの方針だ。
>A樹は1回戦フォール勝ち、2回戦判定負け、B斗は1回戦判定勝ち、2回戦フォール負けだった。

ZZにとってA樹とB斗の結果は予想を上回るものであった。ZZはA樹とB斗を異例なほどほめてくれた。

校則では中2の10月1日まで半ズボンだったが、A樹とB斗は中3の10月1日まで半ズボンで通した。
9月終わりの日曜日、A樹とB斗は長靴半ズボンで河原に来た。
レスリング部での厳しい練習や、最後の試合で出られ、2回戦まで進出したこと、部活ではないがDQに勝ったことなどを語り合った。
そして、C子に最後まで負け続けたことも語った。

半ズボンのままC子に勝ちたかった、C子に勝つために交換したお互いの長靴をC子に勝って元に戻したかったことも語った。
股間を意識した。

365 :夢見る名無しさん:2017/04/29(土) 15:40:34.35 ID:7YwXNPTn9
通知表、体育、
C子は小学校以来、5以外とったことはないが、A樹とB斗は3だった。小6の最後に4になった。
中学校でもずっと3だったが、中3の1学期に二人とも4となった。
A樹もB斗も喜んだが、C子に勝てないでいることの方が悔しかった。でも、C子に追いついていけるかもしれないとの希望も持った。
中3の2学期も引き続き4だった。
すでにレスリング部は引退していてC子と競い合う機会もなかった。A樹もB斗も半分うれしく半分悔しかった。

A樹とB斗は中学校でのスポーツを振り返った。
体育では中2までの3を4にすることができた。憎らしく思っていたDQにすべての分野で駆ることができた。中3の水泳大会でもである。
でも、C子はずっと5である。
レスリング部では、最後の試合に出してもらえることができた。
中1の時に釣りに誘ってくれた1年先輩のうち、S山先輩は最後の試合に出場できたけど、T川先輩とU田先輩はだめだった。
ZZはこっそりとA樹とB斗を呼び出して、予想以上の成長をほめてくれた。
でも、C子には基礎トレでも試合形式でも負けた。何回やっても負けた。

C子には、小学校以来、A樹もB斗も3回、「失神KO負け」をした。
一回目は、小6の正月の子供相撲。A樹とB斗は裸にふんどしに長靴、C子は半袖体育服ブルマにふんどしに長靴。
二回目は、小6の冬の体育での肉弾。A樹とB斗は半袖体育服短パンに長靴、C子は半袖体育服ブルマに長靴。
三回目は、中2のレスリング部での選考会。A樹とB斗は吊りパンにレスリングブーツ、C子は女子用シングレットにレスリングブーツ。

校則では中2の10月1日から私服が半ズボンでなくなるが、A樹もB斗も中3の10月1日に半ズボンを卒業した。
半ズボンを履いているうちにC子に勝ちたかった。長靴半ズボンで長靴スカートのC子に勝ちたかった。
悔しかった。一方、長靴半ズボンの自分が(自分たちが)長靴スカートのC子に負けることは、妙に股間を意識させた。

中3卒業式、通知表を見た。A樹とB斗の体育は4だった。
C子と同じレスリング部に入ったが、C子の心は遠く離れてしまった。
A樹もB斗もC子もずっとクラスが別々だった。そして、進む高校もばらばらになった。

366 :夢見る名無しさん:2017/04/29(土) 15:41:31.91 ID:7YwXNPTn9
中2の初詣。
雪が積もり降っていて、A樹もB斗も長靴半ズボンで初詣に行った。
中2の初詣では、高校入試の合格を祈る中2もいるが、A樹とB斗はまったく祈らなかった。
レスリング部の選考会でC子に勝つことだけを祈り、絵馬にも書いた。

中3ではA樹もB斗も高校入試の合格を祈った。レスリング部はもう引退していたから。

A樹はY高校を志望した。
Y高校は旧制中学と旧制女学校が戦後合併した受験一流校である。Y高校か、隣の県庁所在地のX高校かX北高校に行かなければ東大は無理だ。
X高校とX北高校はY高校より優秀だが、通学時間がかかるので、一流大学を目指す者はY高校を目指す。
A樹はY高校を志望したが、、面接で無理だといわれた。評定が1足りないからだ。
もし、○○が4だったら、もし○○が5だったら… というより、もし体育が5だったらと考え、悔しくなった。
A樹は必死に勉強したが、評定合計は2学期になっても1学期と同じだった。
A樹はY東高校を受験するように言われた。
Y東高校はY市で2番目の進学校である。東大はゼロだが、京大には隔年くらいで一人、旧帝大には十数人行ける。地元の駅弁大学X大学には上位にいれば行ける。
姉のK代もY東高校からX大学にいった。

B斗はY東高校を志望したが、面接で無理だといわれた。評定が1足りなかったからだ。
もし、○○が4だったら、もし○○が5だったら… というより、もし体育が5だったらと考え、悔しくなった。
B斗は必死に勉強したが、評定合計は2学期になっても1学期と同じだった。
B斗はY西高校を受験するように言われた。
Y西高校はY市で3番目あるいは最低の進学校である。旧帝大はゼロ、地元駅弁のX大学に上位が数名である。

367 :夢見る名無しさん:2017/04/29(土) 15:42:16.04 ID:7YwXNPTn9
C子は中2の初詣で、レスリングの全国大会での優勝を祈って、絵馬にも書いた。
C子には、隣県の私学のレスリング一流校への推薦入学の話があった。
その年度の被推薦者は、C子とC子のライバルのS子ともう一人の男子の3人になった。

中3の初詣、すでに長靴半ズボンではなく、長ズボンに短靴(その年は暖冬で雪がほとんど降らなかった)で初詣をした。C子もストッキングを履いていた。
A樹はY東高校、B斗はY西高校、C子はQ学園高校の合格を祈って、絵馬にも書いた。

受験が近づくにつれ、今まで勉強にぜんぜん関心がなかったような者たちまで真剣に勉強するようになった。
A樹もB斗もC子もレスリングを通して勝負の厳しさを知っている。
本当に真剣に勉強した。C子の場合はZZの指導の下レスリングなどの実技に取り組んだ。

結果、A樹はY東高校、B斗はY西高校、C子はQ学園高校に見事に合格した。

A樹とB斗は評定があとひとつでもうひとつ上の高校に行けたかもしれない。
悔しい気持ちもあった。だから、大学入試では絶対に負けない、という決意を新たにした。
C子は全国大会優勝を今度こそと決意を新たにした。

368 :夢見る名無しさん:2017/04/29(土) 15:51:14.68 ID:7YwXNPTn9
これにて、中学編を終わります。

高校編、大学編はあっさり行きます。
また、J先生とのからみで東京でも別の少年少女を登場させます。M代さん、K子さんの活躍も考えています。
そして、社会人編も考えています。
高校、大学、社会人では長靴半ズボンとの接点が不自然になりますので。

社会人編では、彼らの活躍によって、なんと、21世紀に、長靴半ズボンが復活する物語にします。秘策を練っております。
A樹君B斗君とC子ちゃんの間に亀裂を作ってしまいましたが、3人が和解し、協力して長靴半ズボン復活に取り組む様子も考えています。

以上は2スレで書いたことを文脈に合わせて少し修正したものです。

時系列順になるように修正を入れました。そのため、かえって来るってしまったことがあるかもしれませんが、まったりと見てください。
ごめんなさい。(ペコ)

369 :夢見る名無しさん:2017/05/02(火) 19:13:32.33 ID:uRUVGiCIJ
C子が中3の時、妹のN子は小3だった。
N子とN也が小3の3月、N也は某県に引越しすることになった。
N也の父親は大手メーカーの技術者だった。その県の工場に赴任することになったのだ。
3学期の終業式の日には、N也のためにお別れ会が開かれた。

お別れ会が終わり、下校することになった。N也はN子の家の付近まで先回りをした。
その日は午前中は雨が降っていて、午後になって晴れた。N也もN子も長靴を履いていた。
N也は、白と黒の縞のラガーシャツに黒のランドセルに白のハイソックスに黒の長靴、N子はピンクのカーディガンに赤のランドセルに白のハイソックスに赤の長靴だった。
N也もN子もベルトをしていた。

N也がN子を呼び止めた。「○○さん、今からぼくと○○児童公園相撲を取ってくれない?」
N子が答えた。「○○君、いいわよ。」N也も答えた。「○○さん、ありがとう。」
N也とN子は、○○児童公園に向かった。公園ではまだ湿っている土に、N也が長靴で土俵を描いた。
N也とN子はランドセルを下ろした。

370 :夢見る名無しさん:2017/05/02(火) 19:13:57.23 ID:uRUVGiCIJ
N也とN子は四股を踏んで、構えた。
はっけよーい、残った!
N也とN子は同時に言ってぶつかり合った。

あいよつとなった。N也の気迫が勝り、N也有利に展開した。
身長はN也が高く、筋肉はN子が発達している。N也はそれでもN子より低くあたることができた。
N也がN子を土俵際に追い詰めていったが、N子の筋力が物を言った。N也は土俵際で逆転され、N子に寄り倒された。

N也は膝から大腿を擦り剥いてしまった。
「N也君、大丈夫?」N子はN也の腕を取って抱き起こした。N子はN也をN子の家に連れてきた。
N子は母親に言って、N也の手当てをしてもらった。N也は怪我をしたほうの足から長靴を脱ぎ、ハイソックスも脱ぐこととなった。
まず、庭の水道で汚れを落とし、縁側で傷の手当を受け、ばんそうこうを張ってもらった。

N也はN子とその母親に伴われ、N也の家に向かった。N子の母親はN也の母親に丁寧に謝った。N子も謝った。
N也の母親は、N也の手当てをさせてしまったことのお詫びとお礼を言った。
N子やN子の母親が帰ると、N也は引越しの荷造りをしなかったことをN也の母親から怒られた。

371 :夢見る名無しさん:2017/05/02(火) 19:16:03.73 ID:uRUVGiCIJ
数日して、N也の家の引越しの日になった。
N也は住んでいた社宅やその周辺の風景を眺めていた。
その日もN也は、終業式とまったく同じ服装をして、長靴半ズボンだった。
確かに地面はぬれていたが、空は真っ青に晴れていた。父親も母親もなぜ長靴をはくのかといぶかったが、N也は長靴を履いた。

そこへ、N子が走ってきた。N子も終業式、つまり最後にN也と相撲を取った日と同じ服装だった。長靴スカートだった。
「○○くーーん!」N子は遠くから声をかけてきた。
「○○さん、どうしたの?」「○○君、これ上げる。」
N子が持ってきたのは、正月に行われたN祭りでの子供相撲での優勝の金メダルだった。
N祭りでは、小4から小6には子供神輿と石段駆け上げと子供相撲があるが、小3には子供相撲しかない。

子供相撲では、男の子は裸にまわしに長靴、女の子は半袖体育服にブルマにまわしに長靴である。
正月には雪がよく積もるので、本来は藁沓であったが、いつの間にか長靴になってしまった。
N也はN子につり出されて負けている。

「それは、○○さんが優勝してもらったものじゃない? ○○さんの物だよ。」
「ううん! どうしても○○君に上げたいの! ○○君ががんばっている姿に感動したの。これは○○君にこそふさわしいと思うの。受け取って!」
「N也ああああ! 何してるううううう!」N也の父親が呼んでいる。
「ありがとう。じゃあ、もらうね。○○さんのこと、いつまでも忘れないよ! ぼくも○○さんのように強くなるよ!」
N也は金メダルを持って、トラックの方へ走っていった。
「○○さあん、さようならあ!」

N子は長靴スカートにハイソックスをちらつかせながら走っていった。走るたびにハイソックスの白の見える大きさが変わった。
N子はいつまでもN也を、N也はいつまでもN子を見ていた。

372 :夢見る名無しさん:2017/05/02(火) 19:17:08.61 ID:uRUVGiCIJ
A樹はY東高校で、オリエンテーリング部に入った。中学では珍しいレスリング部だったので、メジャースポーツをする気になれなかった。
A樹は地図を読むことに長けていたし、持久力も鍛えていたので、オリエンテーリングではまあまあの活躍ができた。でも全国のレベルは高かった。
Y東高校は、伝統校Y高校に追いつくことに情熱を持ち、A県などの管理教育を志向していた。
A樹はまじめに勉強した。学校の要求することにはしっかりこたえ、不足することは自分の頭で情報を収集したり考えたりした。
学校の要求していることは必要条件だと認識した。そしてそれだけでは大学らしい大学にいけないことも認識していた。
A樹は成績や偏差値でも頭角を現し、旧帝大に届くレベルに達した。中学校ではレスリング部で鍛えられていたことも役に立った。

A樹は最寄の地底(地方帝国大学)にCやBを出し続けた。地元駅弁のX大学にはAを出し続けた。
A樹は結局X大学を受験することにした。高校教員なら最寄の地底が有利だが、小学校教員ではX大学が有利だからだ。早慶は落ちたが、MARCH、関関同立には合格した。
A樹は迷わず、X大学に進学した。A樹の姉M代、B斗の姉K子の後輩ということになった。

X大学ではどの運動部にも入らなかった。小学校教員になったときに、ありとあらゆるスポーツに通じたかったのだ。そこで、スポーツ同好会を有志とともに立ち上げた。
大学の敷地は体育会が独占していた。A樹たちは、大学の敷地やその他の空間を確保するために、さまざまな機関と交渉した。交渉力が磨かれた。

X大学の教員には失望した。自己満足的なオタッキーな研究の話しかできない者、学生運動や左翼への恨みだけで生きている者、教育はブルジョワによる暴力装置としての搾取だなどといってる者、教科書を読むだけの者など!

A樹はX県の小学校教員採用試験を目指したが、もれ伝わってくる教育界の現状に失望するようにもなってきた。
X県の地理や産業などを研究しているうちに、ジリ貧となっているX県を何とかしようという気になり、X県職員を目指した。
最初はY市職員を目指したが、コネがものを言うことがわかり、コネへの依存率の低いX県職員を目指した。

念願叶い、A樹はX県職員に採用された。

373 :夢見る名無しさん:2017/05/02(火) 19:17:34.20 ID:uRUVGiCIJ
B斗はY西高校では帰宅部となった。B斗は自分のリズム感覚に目覚めていた。音楽が自分を呼んでいると思った。ロックに目覚めたのだ。
B斗は数人の仲間とバンドを結成した。

B斗の両親や姉のK子は反対したが、B斗の意志は固かった。両親も結局認めることとなった。
Y西高校はそれほどの進学校でもないが一応進学校なので、風当たりは強かった。でも、押し切った。

B斗もB斗としては最大限の勉強をしたということにはなるだろう。
B斗は、地元駅弁のX大学、MARCH関関同立クラスは全滅し、関西の中堅どころ(二流か三流)の大学に合格した。

大学ではB斗はバンド漬けだった。自分の大学と近隣の大学から仲間を集め、新たなバンドを組んだ。
女子ヴォーカルがミニスカートにブーツというのに刺激され、B斗は長靴半ズボンでステージに立った。
賞には至らず、肯定的な評価もなかったが、別のバンドから高く評価され、そのバンドと懇意になった。
彼らはB斗たちに、自分たちも長靴半ズボンでやらせてくれないかと頼んできた。
B斗たちにしても、長靴半ズボンという思いつきに特許的なこだわりを持っていなかったし、長靴半ズボンを肯定的に見てくれる彼らに好意を抱き、快く承知した。

就職の季節となった。B斗もバンドを一時停止し、就職活動(当時はまだ就活という言葉はなかった)に励んだ。
大学の偏差値も低く、成績も芳しくなく、コネもないので結構苦労したが、製靴会社から内定をもらった。
B斗はその製靴会社に就職した。

374 :夢見る名無しさん:2017/05/02(火) 19:18:09.34 ID:uRUVGiCIJ
C子は、S子とともに、Q学園高校では、推薦条件のとおり、レスリング部に入部した。
Q学園高校は隣県のため、C子は寮に下宿することになった。
Q学園高校はレスリングも名門であり、非常にレベルが高く、C子もS子も1年生では公式戦にはまったく出してもらえなかった。
C子は軽量でS子は重量のため、練習以外では競い合う接点があまりなかった。C子もS子へのライバル心より、早く試合に出ることのほうに関心が移った。
C子は私物として、私服とともに赤の長靴を持ってきた。
雨の日や雪の日には寮から学校への道を、制服スカートに長靴を履いて登校した。男子の視線や股間を確認することが楽しかった。

C子が1年生の秋、事件が起こった。中学時代のレスリング部顧問のZZが逮捕されたのだ。
ZZは国体でX県のレスリング代表として、最終日近くに優勝し、X県をぎりぎりで1位にした功労者だ。
そのため、中学にレスリング部を作ることを認められ、体協などでも力を振るった。
生徒指導でも頭角を現し、生徒指導主任ではあるが、次は教委の重鎮、次は教頭を飛び越えて校長、そして、どこかの教育長などになると目されていた。
一方、敵も多かった。ZZは世間知らずでもあった。ZZのやったことは、罪に問われても仕方ないことであった。同じようなことをしてもばれないことができる者もいる。でも、ZZは違った。
横領に問われた。今までの体罰も取りざたされた。ZZは懲戒免職となった。

新聞とTVで知ったC子は、寮を無断で抜け出してZZの自宅に向かった。
C子はZZ宅のチャイムを押した。中からはマスコミにおびえたZZの妻が出てきた。ZZの妻はC子に帰るように言った。
C子はY警察署に行った。ZZとの面会を申し出た。断られた。取調室からはZZを罵倒する刑事の声や机をたたく音がした。
C子は泣きながら警察署を後にして、寮に帰った。C子はZZに恋をしていたのかもしれないと自覚した。

375 :夢見る名無しさん:2017/05/02(火) 19:18:37.48 ID:uRUVGiCIJ
C子は無断外出の件で停学となった。恩師を慕うという面に着目して同情してくれる大人はいなかった。C子の母親も来たが、ZZとは二度とかかわらぬように行った。

ZZの家庭は逮捕前から崩壊していた。原因は部活だ。ZZの家は銀行に差し押さえられ、ZZの妻子はY市の隣のZ川町の実家に身を寄せた。

S子はC子のZZへの傾倒ぶりに身を引くようになった。C子はレスリングだけに集中した。

ZZは懲役数年の実刑判決を受けた。控訴したが棄却され、刑が執行された。

2年生になるとC子は地区大会に出場し、入賞するようになった。
3年生では全国大会で入賞した。C子は某体育系大学に推薦で合格した。
S子もC子と同じような戦績で、C子とは別の体育系大学に推薦で合格した。
C子はZZに喜んでほしいと思ったが、伝えるすべはなかった。

376 :夢見る名無しさん:2017/05/02(火) 19:19:03.00 ID:uRUVGiCIJ
C子は某体育系大学に進学した。レスリング部に入部した。
C子はY東高校かY西高校に合格できる成績があったが、もう脳が筋肉に近いものになっていた。

大学のレスリング部はやはりレベルが高い。でも、C子は努力して上位のほうにつけていた。

大学から寮に帰るとき、午前中雨が降っていたので、C子は白地に花柄のワンピースにお気に入りのオレンジの長靴を履いていた。
変質者が物陰から襲ってきた。傘ははじかれた。変質者はC子を押し倒そうとした。変質者は、格闘の末ではなく、秒殺でC子に取り押さえられた。

レスリング部のコーチWSは若くイケメンであった。まだ選手として活躍できるが、早々と引退して、助教授のポストまでゲットした。野心家でもあった。
C子はインカレでも優秀な成績であった。C子はレスリングを続けるために大学院にそのまま進学した。

大会の選考があった。ライバルのT沙とのポスト争いとなった。
C子はWSに恋をしていた。WSとも親しかった。C子はWSとの関係を利用することにした。

C子とWSはラブホに行くことになった。どちらが先に言い出したか、C子も覚えていないほど微妙だった。
C子は変質者を取り押さえたときと同じ服装だった。オレンジの長靴も履いていた。雨の日だった。
言い争いのうちに、格闘となった。C子はWSに犯された。

C子はレスリング部で男子と練習することも多かった。ほとんどの男子に楽勝で勝てた。
WSにも勝ったことがある。でも、WSは手加減をしていたのだ。手加減していることがわからないようにするほどWSは巧みだった。

うわさは広まり、C子は大学院にいられなくなった。場所がラブホということで、訴える先が見つからなかった。
C子は自主退学することにした。WSにだまされ犠牲にされたのだ。C子は3日間泣き続けた。

C子は仕事を転々としながら、ついに格闘Mの風俗に勤めることになった。
毎日M男をレスリングの技で押さえつけ、抜いてやるのだ。

377 :夢見る名無しさん:2017/05/02(火) 19:19:50.22 ID:uRUVGiCIJ
A樹は研修期間が終わると、X県の産業課に配属された。
X県はジリ貧の状態にあった。X市の臨海工業地帯や内陸に新しい産業を誘致することが求められた。
A樹はX県の計画を引提げて東京の企業の本社をを回ることになった。

B斗は研修期間が終わると、長靴部門に配属された。
長靴部門はジリ貧で不採算であった。会社としては長靴部門からの撤退を検討していた。
B斗は部内の同志たちと頭をこすり付けるようにして、長靴部門の継続を願い出た。起死回生の妙案を提案することも約束した。

A樹は出張するとき、先輩から東京の風俗店を紹介されていた。
営業が終わって、先輩から紹介された風俗街に繰り出した。新幹線のビールとともに出張の楽しみだ。(まだそんな時代だった。)
A樹は先輩の勧める風俗店の近くにある、別の風俗店に興味を持った。格闘Mクラブだ。

案内には何人かの風俗嬢の写真があった。A樹はそのうちの一人に目を向けた。競泳水着に編み上げのレスリングブーツ、白のハイソックスがちらりである。クイーンと言った。
C子に似ているなと思った。C子とは小学校時代、体育やさまざまな遊びで競い合い、負け続けて、一回も勝てなかった。中学校時代、レスリング部での練習でも、負け続けて、一回も勝てなかった。
A樹もC子も半ズボンや半ズボンのように大腿が露出する下半身にハイソックスと長靴を履いていることが多かった。そのたびに股間を意識することが多かった。

A樹は店に入り、クイーンを指名した。クイーンはレスリングで攻めてくれるのである。A樹はパンツだけの裸でハイソックスだけはそのままにした。長靴半ズボン少年のようにも見える。
クイーンは最初は手加減をして、A樹の実力を探った。A樹が本気を少し出すと、クイーンも本気を出した。次第にガチの勝負になった。
A樹もレスリング部員だった。クイーンはA樹よりもレスリングに通じているようだった。一進一退の展開で、上になったり下になったり、バックを取ったり取られたりした。

もう少しがんばれそうだ、がんばれば勝つことができるかも、と思えたが、Mがテーマとも思い、フォールされた。
そこから、サービスの本番が始まるのだ。

378 :夢見る名無しさん:2017/05/02(火) 19:20:25.87 ID:uRUVGiCIJ
「男のくせに女に負けて悔しくないの?」「悔しいです。」「それにしても弱いわね。」「…」
「なんか言いなさいよ!」「あなたは強いです。」「あんたが弱いのよ!」「そうですね。」
そんな問答とともにしごかれてヌかれてしまった。

「あんた、中途半端に強いね。若いやつでももっとすぐにへばっちゃうんだから。それにしても、どうしてここの来たの?」
「僕は小学生心からある女の子に、徒競走でも相撲でもスポーツのようなものでは何でも負けていたんです。あなたがその女の子に似ているからです。」
「女の子に負けていたの?ださあい!あんた、レスリングやってたの?」「はい、中学の時、レスリング部でした。」
「そこでも女の子に負けていたの?」「はい、その女の子がレスリング部に入ったから僕も。」
「あんた、何県?」「X県だよ。」「もしかしてY市?」「うん。」
「あんた、A樹!?」「じゃあ、君はC子!?」

「C子、どうしてこんなところにいるんだ?」「あなたには関係ないわ。」「どうしたんだよ?」「もう時間だわ。帰って!」

黒服がやってきて、「お客さん、お帰りください。うちのものに個人的に接触しないでください。」
と言って、精算をさせるとA樹を外に出した。

379 :夢見る名無しさん:2017/05/02(火) 19:20:58.54 ID:uRUVGiCIJ
A樹は悲しかった。
何がC子を奏させたのだろう。小学校時代の、あの輝いていたC子に何があったのだろう。
中学校時代、C子の心はA樹やB斗から離れたようだが、長靴スカートで躍動するC子の姿は忘れたことはなかった。

地元で中学校の同窓会があった。A樹はB斗を誘った。B斗は東京と大阪を往復するように仕事をしていた。
同窓会が終わると、A樹はB斗にC子のことを話した。B斗は驚いた。
A樹はB斗に、C子の店に客を装って行って、C子の連絡先を聞き出すこと、できれば、○月○日○時○分(代案の日時もいくつか提示)の何とかという喫茶店に来てくれるようにすること、を頼んだ。
B斗は喜んで承知した。
「A樹、C子はどれくらい強かった?」
「大学でもレスリングをやっていたし、並の男じゃ絶対勝てないな。ただ、君の僕もレスリングの業は知っているし、やれば勝てるかもしれない。でも、勝っちゃったら、しらけちゃう。」
「そうだな。でも、C子との対戦も楽しみだな。」

B斗は仕事のついでにC子の店に行った。C子はクイーンと名乗っていることも頭に入れた。クイーンの写真もあった。ほかの誰よりもC子だ。

380 :夢見る名無しさん:2017/05/02(火) 19:23:35.17 ID:uRUVGiCIJ
B斗は店に入り、クイーンを指名した。クイーンはレスリングで攻めてくれるのである。B斗はパンツだけの裸でハイソックスだけはそのままにした。長靴半ズボン少年のようにも見える。
クイーンは最初は手加減をして、B斗の実力を探った。Bとが本気を少し出すと、クイーンも本気を出した。次第にガチの勝負になった。
B斗もレスリング部員だった。クイーンはB斗よりもレスリングに通じているようだった。一進一退の展開で、上になったり下になったり、バックを取ったり取られたりした。

もう少しがんばれそうだ、がんばれば勝つことができるかも、と思えたが、Mがテーマとも思い、フォールされた。もうひとつ事情もあった。早く終えて、C子から聞きだすことがあったのだ。

サービスの本番が始まった。
「男のくせに女に負けて悔しくないの?」「悔しいです。」「それにしても弱いわね。」「…」
「なんか言いなさいよ!」「あなたは強いです。」「あんたが弱いのよ!」「そうですね。」
そんな問答とともにしごかれてヌかれてしまった。

「あんた、中途半端に強いね。若いやつでももっとすぐにへばっちゃうんだから。それにしても、どうしてここの来たの?」
「僕は小学生心からある女の子に、徒競走でも相撲でもスポーツのようなものでは何でも負けていたんです。あなたがその女の子に似ているからです。」
「女の子に負けていたの?ださあい!あんた、レスリングやってたの?」「はい、中学の時、レスリング部でした。」
「そこでも女の子に負けていたの?」「はい、その女の子がレスリング部に入ったから僕も。」
「あんた、何県?」「X県だよ。」「もしかしてY市?」「うん。」
「あんた、B斗!?」「じゃあ、君はC子!?」

「C子、どうしてこんなところにいるんだ?」「あなたには関係ないわ。」「どうしたんだよ?」「もう時間だわ。帰って!」
「A樹から聞いたぞ。」「関係ないわ。」「携帯でいい。番号を教えてくれ。」「もう時間よ。」
「これ、僕の携帯だ。留守電でもいい。いつでも連絡くれ。話したい。」
「お客さん、時間ですよ。」「わ、わかりました。じゃあな、C子。少しでも早く連絡くれ。」

381 :夢見る名無しさん:2017/05/02(火) 19:24:22.29 ID:uRUVGiCIJ
B斗は帰らざるを得なかった。
B斗はA樹に知らせた。「すまなかった。聞き出せなかった。C子もかたくなだし、黒服も来やがった。」「いいよ。君の携帯の番号だけでも知らせたのは大収穫だ。今は待つしかないな。」「うん。」

C子は目覚めた。格闘Mクラブをやめることにした。
でも、やくざが許さなかった。逃げようとするC子をやくざが取り囲み、暴行を始めた。1対1ならこんなやつら、何てことないのに、人数が違う。C子は取り押さえられ、殴る蹴るの暴行を受けた。

そこへ一人の労務者風の中年男が現れた。「暴力をやめろ!」
やくざは「なんだあ、てめえは?」とすごんだ。中年男はC子を抱えて立ち去ろうとした。
やくざは中年男に殴りかかってきた。中年男は強かった。ほとんど一方的にやくざを打ちのめした。やくざは逃げて行った。

「C子、大丈夫か?」「あなたは…ZZ先生?」「そうだ。まず事務所に行こう。」
事務所という言葉を聞いてC子は少し不安になった。ZZもやくざになったのかと。

ZZは刑期が終了してからは東京に出て労務者となっていた。
労務者を搾取するやくざに対する怒りで、やくざを相手にけんかをすることもあった。そんな中で、ホームレスを支援するNGOを主催する弁護士と懇意になったのだ。今ではそのNGOの職員となっている。
ZZはC子を弁護士のところに連れて行き、事情を説明させた。ZZもC子を少し前から見ていたのだ。
弁護士やNGOはC子の店に出向き、法的な処置をしてC子を解放させた。やくざはぐうの音も出なかった。

C子はZZのアパートに行き、今までのいきさつを話し、泣き崩れた。
ZZも今までのいきさつを話し、自分の甘さゆえ、刑事事件に問われたこと、ホームレス支援で社会と人間の本質に目覚めたことを語った。

382 :夢見る名無しさん:2017/05/02(火) 19:24:52.27 ID:uRUVGiCIJ
C子からB斗に連絡があった。B斗が指定した日時と場所で会うことにした。A樹も一緒でいいかとの申し出も快諾された。

A樹とB斗は東京でC子と会った。C子は今までのいきさつを洗いざらい話した。
A樹とB斗の目に涙が浮かんだ。

C子は昼間の仕事のパートで働いていた。
A樹はC子のこんごについて、Jに相談することをC子に提案した。C子は気が進まなかった。Jにこんな自分を知られるのはいやだった。でも、当てもなかったし、Jに会いたいとも思えた。

A樹はJに手紙を書いた。C子のいきさつを知る限り詳しく書いた。C子に会ってやってほしいと頼んだ。
Jから返事が来た。Jは快く引き受けてくれた。C子はJのマンションに行った。
C子は洗いざらいはなした。そしてJの胸で泣き続けた。JはやさしくC子を抱いた。

JはC子に、A子さんの店で働くことを提案した。
A子さんは、Jが教育実習を終えたとき、長靴を買いに行った靴店である。A子さんは長く働いてくれる働き手を捜していた。
A子さんの店は長靴が充実している。C子はA子さんの店で働くことになった。

383 :夢見る名無しさん:2017/05/02(火) 19:30:45.51 ID:uRUVGiCIJ
いよいよ、K太君、L気君、V子ちゃん、W子ちゃんたちのエピソードに入ります。
もしかしたら、少し話を変えるかもしれません。あるいは、めんどくさいか発想がわかなかったら変えないかもしれません。

384 :夢見る名無しさん:2017/05/03(水) 13:31:42.70 ID:/6OxMSFEe
小学校時代、真冬でも半袖半ズボンで通した少年がいた。雨の日や雪の日は長靴を履いた。
でも、あまり強くなかった。徒競走や相撲で女の子に負けるところをよく見た。
雪合戦ではそいつの生脚にめがけて雪球を投げた。どんなに当たっても泣き言を言わなかった。
教室に戻ると真っ赤にした手をこすりながら泣きそうになっていた。でも、半袖半ズボンをやめなかった。
あまり強くないから強くなるためにそうしていたのかもしれない。

K太の小学校での同窓生であるある人物は、ある雑誌でK太のことをそんなふうに書いていた。

K太は東京近郊の東京より内陸性の気候でやや積雪もある地域に住んでいる。
身長は平均よりやや高く、やややせていて、平均的な体重だった。
K太は生まれつき喘息や複数のアレルギーを持っていた。
医師はその改善のためには、真冬でも半袖(できればノースリーブ)半ズボンを通すこと、体を酷使する格闘技などをやり続けることを指示した。

K太は小3から東京にあるキックボクシングジムSジムに通った。表向きは病院に行くことになっていた。日曜日には試合が入ることがあった。
Sジムに通うときも1年中半袖半ズボンである。
Sジムでは更衣の順番の約束があった。
全裸になり、キックブーツを着け、サポーターを着け、金的を着け、競泳用パンツを着け、バンテージを着け、グローブを着ける。女の子は競泳用パンツの変わりに競泳用水着である。
練習のときは、競泳用パンツの変わりに半袖のTシャツにランパンのような半ズボンである。

385 :夢見る名無しさん:2017/05/03(水) 13:32:40.79 ID:/6OxMSFEe
小3初の試合、同い年の女の子と対戦して、キックとパンチの連打に泣いてしまった。
K太の実力はあまり伸びず、後から入った同い年の子に抜かれていった。
K太も全敗という訳でもなかった。入門したてのころの子とマッチングされて、半分くらい判定勝ちで勝てた。

試合で青短タンを作ったときは、アレルギーがでたと言って、眼帯をしたり、包帯を巻いたり、休んだりした。
アレルギーの関係もあり、給食は食べず、毎日家から弁当を持参した。
キックボクシングのジムに通っていることは秘密にされた。担任と学校にだけは知らせたが、秘密にするように保護者が頼んでいた。

K太もキックボクシングのことは学校では何も話さず、技も見せなかった。キックボクシングをやっていても、相撲などの格闘などで強くならなかった。
K太は病気だということで、雪合戦を除いては、特にいじめにはつながらなかった。

キックボクシングをやる女の子は強い。そうでない女の子はやめてしまう。やめないでやっている女の子は強い。
K太は小4でも小5でも小6でも女の子に負けた。KO負けもあった。KO負けのほうが多かった。

練習は電車を乗り継いで来る事が多かったが、試合では父親か母親が運転する車で来た。
雨の日や雪の日はどちらであっても長靴を履いた。半袖長靴半ズボンである。
練習でも試合でも、女の子に圧倒されたときには股間を意識した。練習でも試合でも長靴半ズボンに近い姿だった。

386 :夢見る名無しさん:2017/05/03(水) 13:33:54.77 ID:/6OxMSFEe
練習や試合の前、全裸からキックブーツ履くとき、股間を意識するが、緊張のほうがまさっていた。
練習や試合の後、キックブーツだけのフリチンになったとき、最も股間を意識した。金的で抑えられていた反動もあって、大きくなることもあった。

小学校6年生最後の試合だった。
その日、両親は都合が悪く、途中の駅まで送ってくれただけで、会場まではK太一人で行った。
その日、雪が積もっていて、K太は白と黒の縞の半袖シャツに縦穴2列の黒の太いベルトに黒の半ズボンに黒の長い大人用長靴を履き、スポーツバッグに用具を入れて会場に向かった。

K太は同い年で同じ体重の女の子と対戦することになった。身長はK太より低いが筋肉は女の子のほうが発達していた。
受付でK太の前にいた女の子だ。短い黒のスカートに赤の長い長靴を履いていた。
階段を上るとき、時間が迫っていたのでK太は走って上ったが、その女の子に抜かされてしまった。その女の子のスカートと長靴にはさまれた筋肉に強い印象を持った。
身長が低いから5年生かとも思った。筋肉の発達から6年生かとも思った。6年生としたら、もしかして対戦相手の○○V子かもしれないと思った。
受付で本当にそのとおりだと確認できた。

コーチはV子が強いことを知っていた。K太にはリーチを生かして積極的に攻撃するようにアドバイスした。

387 :夢見る名無しさん:2017/05/03(水) 13:34:34.48 ID:/6OxMSFEe
ゴングが鳴った。
筋肉の差が体力の差だった。K太は、パワー・スピード・スタミナともにV子についていくことができず、V子のキックやパンチは強烈に決まり、K太のはかわされたりブロックされたりした。
1ラウンドからV子が大幅にリードした。
2ラウンド、K太は息が上がっていたが、V子は平然としていた。
棒立ちになったK太にV子のマシンガンのようなローキックが入り続けた。K太はダウンしてしまった。
ワン、ツー、スリー、フォー、ファイブ、… K太はカウントナインでファイティングポーズをとった。
脚が動かなくなったK太は起死回生でV子にストレートを放った。
V子の気配が消えた。V子は沈み込み、K太の顔面にストレートを決めた。
K太は鉄の匂いを感じながらダウンした。
カーン、カン、カン、カン、カン、ゴングが鳴った。K太は鼻血を出してKO負けした。
K太はコーチに抱きかかえられて医務室に運ばれた。

医務室で鼻血の処置をされ、コミッションドクターに簡単な検査を受け、無事が確認された。もし、異状があれば、かかりつけの医師にいくことになっている。

K太は着替えた。
K太は白と黒の縞の半袖シャツに縦穴2列の黒の太いベルトに黒の半ズボンに黒の長い大人用長靴を履き、スポーツバッグに用具を入れて会場を後にしようとした。
コーチと別れると、こっそり体育館に戻り、体育館の陰で、泣き崩れた。
小学校6年生最後の試合で女の子に負けた。女の子との試合にすべて負けた。今回の試合は絶対に負けたくなかった。
K太は1時間ほど泣き続けた。泣き終わるとなぜか股間を意識した。

帰り道、ガラスに映る自分の姿を見た。鼻血の処置の跡、青タンの処置の跡が白く見える。顔だけでなく、腕と脚にもある。

「雪の中、半袖半ズボンで寒くないかい?」「いいえ、平気です。」「元気だね。長靴も長くてかっこいいね。脚長いね。強そうだね。」
体育館に向かう途中で、そんな言葉をかけてくれた大人もいた。

388 :夢見る名無しさん:2017/05/03(水) 13:35:10.38 ID:/6OxMSFEe
小学校6年生最後の朝礼でK太が表彰されることになった。
K太はスポーツで表彰されたことは何もなかった。
喘息とアレルギーを克服するため、6年間真冬でも半袖半ズボンでがんばったことで表彰されるのだ。

その日、前日の雨でぬれていた。K太は、最後に試合と同じ服装で、大人用長靴を履いて登校した。
顔には眼帯、腕と脚には包帯である。アレルギーということにしてある。校長も、それらをアレルギーと結びつけて説明した。

K太は朝礼台に乗せられ、校長に抱き寄せられて拍手を受けた。記録係の先生がパチパチと写真を撮った。

389 :夢見る名無しさん:2017/05/03(水) 13:35:55.90 ID:/6OxMSFEe
L気は都内に住んでいる。お受験をして(させられて)F大学付属小学校に入学した。
L気も生まれつき喘息やアレルギーを持っていた。
医師はその改善のためには、真冬でも半袖(できればノースリーブ)半ズボンを通すこと、体を酷使する格闘技などをやり続けることを指示した。
F大学付属小学校を選んだのは、将来の進学のことだけでなく、きめ細かい配慮を期待してのことでもあった。
幸いなことに制服は一年中半ズボンだった。L気の両親は事情を説明して、上も1年中夏服の半袖の着用を願い出て了承された。

L気は小3から東京にあるキックボクシングジムSジムに通った。表向きは病院に行くことになっていた。日曜日には試合が入ることがあった。
Sジムに通うときも1年中半袖半ズボンである。
Sジムでは更衣の順番の約束があった。
全裸になり、キックブーツを着け、サポーターを着け、金的を着け、競泳用パンツを着け、バンテージを着け、グローブを着ける。女の子は競泳用パンツの変わりに競泳用水着である。
練習のときは、競泳用パンツの変わりに半袖のTシャツにランパンのような半ズボンである。

L気に少し遅れてK太が入門してきた。
L気とK太は事情が似ているし、実力も似ているので仲良しになっていった。
L気の実力や戦績はK太と大体同じであった。身長も体重も体型もほとんど同じであった。

390 :夢見る名無しさん:2017/05/03(水) 13:36:31.04 ID:/6OxMSFEe
小3初の試合、同い年の女の子と対戦して、キックとパンチの連打に泣いてしまった。
L気の実力はあまり伸びず、後から入った同い年の子に抜かれていった。
L気も全敗という訳でもなかった。入門したてのころの子とマッチングされて、半分くらい判定勝ちで勝てた。

試合で青短タンを作ったときは、アレルギーがでたと言って、眼帯をしたり、包帯を巻いたり、休んだりした。
アレルギーの関係もあり、給食は食べず、毎日家から弁当を持参した。
キックボクシングのジムに通っていることは秘密にされた。担任と学校にだけは知らせたが、秘密にするように保護者が頼んでいた。

L気もキックボクシングのことは学校では何も話さず、技も見せなかった。キックボクシングをやっていても、相撲などの格闘などで強くならなかった。
L気は病気だということで、雪合戦を除いては、特にいじめにはつながらなかった。

キックボクシングをやる女の子は強い。そうでない女の子はやめてしまう。やめないでやっている女の子は強い。
L気は小4でも小5でも小6でも女の子に負けた。KO負けもあった。KO負けのほうが多かった。

練習は電車を乗り継いで来る事が多かったが、試合では父親か母親が運転する車で来た。
雨の日や雪の日はどちらであっても長靴を履いた。半袖長靴半ズボンである。
練習でも試合でも、女の子に圧倒されたときには股間を意識した。練習でも試合でも長靴半ズボンに近い姿だった。

練習や試合の前、全裸からキックブーツ履くとき、股間を意識するが、緊張のほうがまさっていた。
練習や試合の後、キックブーツだけのフリチンになったとき、最も股間を意識した。金的で抑えられていた反動もあって、大きくなることもあった。

同じジムでもあるため、L気とK太の試合はなかったが、練習ではよく対戦した。
L気が勝ったり、K太が勝ったりの繰り返しだった。お互いをKOするほどの実力の差はなかった。

391 :夢見る名無しさん:2017/05/03(水) 13:37:09.68 ID:/6OxMSFEe
小5のとき、L気がキックボクシングのSジムに通っていることがクラスメイトの一部にばれた。
いじめが始まった。
いじめっ子はキックボクシングをやろうと言って、L気にキックやパンチを仕掛けた。
L気は抵抗できなかった。ジムから技を外で使うなと言われていたこともそうだが、L気の実力ではいじめっ子に勝てる自身もなかった。
ただ、キックやパンチを浴びることに慣れているし、筋肉の鍛錬もやっているから絶えることはできた。
いじめが1ヶ月くらい続いたとき、Jが介入した。
Jはその年から担任を持っていた。L気のクラスの担任である。

「やめなさい!」
Jの一括でいじめっ子の攻撃はとまった。即座に学級会が開かれ、Jは毅然としていじめっ子の非をとがめた。その日の授業は行われなかった。
いじめっ子の親、L気の親も呼ばれ、事実の説明が行われた。首謀者の親はごねたが、Jの理非曲直を明らかにした説明の前に納得した。

Jはクラス全員に言った。
L気君は喘息とアレルギーに苦しんでいたの。それを治すには、一年中半袖半ズボンで過ごし、キックボクシングのような体を痛めつけるくらいの激しい運動をしなければいけないと、お医者さんに言われたの。
L気君が眼帯や包帯をしていたのはアレルギーのせいじゃないこともあったわ。キックボクシングでの怪我のためのこともあったわ。
それを言わなかったのは、みんなを心配させないためよ。
L気君は喘息とアレルギーに負けないでがんばっているいい子だわ。強い子だわ。立派な子だわ。
L気君に限らず人をいじめることは、先生、絶対許しませんよ。
みんな弱いところを抱えて一生懸命生きているの。どの人にも意地悪なことをしてはいけないわ。親切にしなさい。

Jの迫力でいじめは収まった。いじめっ子たちもL気に謝罪した。
Jもただ優しい先生という一線を越え、圧倒的な信頼を得るようになった。

392 :夢見る名無しさん:2017/05/03(水) 13:37:40.92 ID:/6OxMSFEe
小学校6年生最後の試合だった。
その日、両親は都合が悪く、途中の駅まで送ってくれただけで、会場まではL気一人で行った。
その日、雪が積もっていて、L気は赤と白と青の縞の半袖シャツに縦穴2列の黒の太いベルトに紺のデニムの半ズボンに黒の長い大人用長靴を履き、スポーツバッグに用具を入れて会場に向かった。

L気は同い年で同じ体重の女の子と対戦することになった。身長はL気より低いが筋肉は女の子のほうが発達していた。
駅でL気の前にいた女の子だ。短いグレーのスカートにピンクの長い長靴を履いていた。
階段を上るとき、電車の時間が迫っていたのでL気は走って上ったが、その女の子に抜かされてしまった。
その女の子は電車に間に合ったが、L気は間に合わなかった。その女の子のスカートと長靴にはさまれた筋肉に強い印象を持った。
身長が低いから5年生かとも思った。筋肉の発達から6年生かとも思った。6年生としたら、もしかして対戦相手の○○W子かもしれないと思った。
受付でその女の子の直後に並んだため、本当にそのとおりだと確認できた。

コーチはW子が強いことを知っていた。L気にはリーチを生かして積極的に攻撃するようにアドバイスした。
K太はすでにV子という女の子に顔面ストレートを決められ、鼻血を出してKO負けして医務室に運ばれていた。コーチに抱きかかえられているK太を見ていた。
不安・恐怖・緊張はあったが、K太の敵を取りたいという気持ちで燃えてもいた。

393 :夢見る名無しさん:2017/05/03(水) 13:38:12.09 ID:/6OxMSFEe
ゴングが鳴った。
筋肉の差が体力の差だった。K太は、パワー・スピード・スタミナともにW子についていくことができず、W子のキックやパンチは強烈に決まり、L気のはかわされたりブロックされたりした。
1ラウンドからW子が大幅にリードした。
2ラウンド、W個は息が上がっていたが、V子は平然としていた。
棒立ちになったK太にV子のマシンガンのようなローキックが入り続けた。L気はダウンしてしまった。
ワン、ツー、スリー、フォー、ファイブ、… K太はカウントナインでファイティングポーズをとった。
脚が動かなくなったK太は起死回生でW子にストレートを放った。
W子の気配が消えた。V子は沈み込み、K太のみぞおちにストレートを決めた。
K太は胃の中の内容物を嘔吐しながらダウンした。
カーン、カン、カン、カン、カン、ゴングが鳴った。L気はKO負けした。
K太はコーチに抱きかかえられて医務室に運ばれた。

医務室で嘔吐の処置をされ、コミッションドクターに簡単な検査を受け、無事が確認された。もし、異状があれば、かかりつけの医師にいくことになっている。

L気は着替えた。
L気は赤と白と青の縞の半袖シャツに縦穴2列の黒の太いベルトに紺のデニムの半ズボンに黒の長い大人用長靴を履き、スポーツバッグに用具を入れて会場を後にしようとした。
コーチやK太と別れると、こっそり公園のトイレに戻り、トイレの陰で、泣き崩れた。
小学校6年生最後の試合で女の子に負けた。女の子との試合にすべて負けた。今回の試合は絶対に負けたくなかった。
L気は1時間ほど泣き続けた。泣き終わるとなぜか股間を意識した。

帰り道、ガラスに映る自分の姿を見た。鼻血の処置の跡、青タンの処置の跡が白く見える。顔だけでなく、腕と脚にもある。

「雪の中、半袖半ズボンで寒くないかい?」「いいえ、平気です。」「元気だね。長靴も長くてかっこいいね。脚長いね。強そうだね。」
体育館に向かう途中で、そんな言葉をかけてくれた大人もいた。

394 :夢見る名無しさん:2017/05/03(水) 13:45:33.81 ID:/6OxMSFEe
K太とL気の通っているキックボクシングジムには、K太とL気と同い年のの女の子SM子がいる。
K太やL気より身長は低いが筋肉が発達していて、体重は同じくらいである。
3年生で入門した時から実力差が大きく、K太やL気では対等の練習相手にならなかった。
K太やL気は喘息やアレルギーの治療が目的で医師や保護者から「医学的」な理由から強制されての入門である。
SM子も軽度ではあるがその傾向はあったが、圧倒的に強く、キックボクシングを楽しんでいた。

K太やL気は当初、いやでいやでしようがなかった。痛いし、いつも負けるからだ。
それでも続いたのは、医師や保護者が言うように、喘息やアレルギーの発作の苦しさを逃れるにはこれしかないと思ったからでもある。
というより、サポーター、金的、競泳用パンツ、バンテージ、グローブ、ブーツを付けて競技するから、というのが一番の理由だった。
練習で、上半身にTシャツ、下半身に短パンの時も、長靴半ズボンに近い姿だったからだ。
防具をつけることもあったが、それでも長靴半ズボンに近い姿である。

K太やL気やVS子の通うSジムでは、着替えのとき、全身裸になって、まずブーツを付け、それからサポーター、金的、パンツという順番で着替えることが決まっていた。
終わった時も、ブーツを一番最後に脱ぐことが決まっていた。
これはオーナーが現役時代からこだわっていたゲン担ぎだった。
練習の前にも練習の後にも、フリ○ンにブーツという姿になれたのである。

K太やL気より前に入門した男の子や女の子、後に入門した男の子や女の子は結構辞めていった。
VS子にやられたからという理由ではあまりない。SM子は別格で、別メニューの練習が多かったし、対等の練習は組まれないし、別のジムに出稽古に行くことも多かった。
やはり、練習もつらいし、痛いということで脱落する子も多かった。5年生や6年生になると中学入試を理由にやめる子もいた。結構強い子でも中学入試でキックボクシングと縁を切ってしまうケースが多かった。
SM子は早くもプロ志向が強かったのでやめるなど考えられないことだった。
K太とL気がやめない理由は先に述べたとおりである。K太もL気も練習を通して少しずつ強くなってきた。試合で勝ちたいという欲も出てきた。

395 :夢見る名無しさん:2017/05/03(水) 13:46:06.45 ID:/6OxMSFEe
K太、L気、VS子が4年生の9月の日曜日だった。
4年生でVS子と対等の練習ができる子はどのジムにもいなかった。
Sジムでも出稽古での他のジムでも年長の女子と練習することが多かった。でも、シニアが相手だとVSでもかなわない。
Kジムから5年生の男の子2人と6年生の男の子2人がVS子との試合形式練習に来ることになった。
このことは、ある格闘技雑誌が取材することになっていた。

K太とL気は軽く練習して、半袖のTシャツやポロシャツ、布のベルト、デニムや化繊のの半ズボン、白のハイソックス、黒の長靴に着替えた。
Kジムのコーチ2人と男の子4人はワゴン車で来る。
Sジムには駐車場はない。オーナーが経営する会社の駐車場の停めてもらうことになっている。
K太とL気はワゴン車の特徴やナンバーを教えてもらった。K太とL気がKジム一行を向かえ、L気がSジムまで案内し、K太が走って到着を知らせるのだ。
K太とL気は長靴半ズボンで駐車場に向かった。その日は朝まで台風が残り、昼前に美しく晴れ上がったのだ。水溜りが満々と水をたたえ、長靴であることに違和感はなかったのはうれしかった。

ワゴン車がやってきた。教えてもらった特徴とナンバーだ。助手席のコーチが降りてきた。
「こんにちわ。Sジムの○○K太です。」「○○L気です。お迎えに参りました。車はこちらに停めておいてください。」K太とL気は決められたとおりの挨拶をした。
「やあ、ありがとう。Kジムの者です。」そう言うとドアを開け、「みんな降りろ。」とワゴン車の中に声をかけた。
男の子が4人降りてきた。運転手のコーチは駐車場のスペースに苦労しながらワゴン車を入れた。
男の子は全員、ポロシャツ、縦2列でアルミで補強された穴の黒の太いベルト、青のデニムの半ズボン、黒の長い大人用長靴を履いて、ハイソックスがちらりだった。

396 :夢見る名無しさん:2017/05/03(水) 13:48:49.14 ID:/6OxMSFEe
自己紹介と挨拶があった。5年生はA藤君とB木君、6年生はC中君とD田君だった。A藤君とB木君はK太やL気より大きかった。C中君とD田君はA藤君やB木君より大きかった。
大きかっただけではない。筋肉も発達していて、脚や腕や体の線も力強く美しかった。みんな、長靴半ズボンが似合っていた。
D田君の声が少しハスキーだったが、4人ともボーイソプラノだった。K太やL気とは話をせず、4人だけで話をしながら歩き出した。
K太はKジム一行の到着を知らせるためにSジムに走った。4人の視線は感じなかったが、コーチ二人の視線は太ももに感じた。通行人の視線も感じた。
4人はとりとめもない雑談をし続けた。それでも、L気は4人が非常に緊張していることを感じた。

Sジムの前ではオーナーと雑誌記者が待っていた。雑誌記者はカメラを持っていた。
オーナーは雑誌記者とL気とKジム一行をSジム内に招き入れた。お互いの挨拶と自己紹介が始まった。
SM子はピンクのブラウス、赤の短いスカート、白の長い長靴を履いて白のハイソックスがちらりだった。
SM子と4人の男の子で記念撮影をすることになった。VS子が中心に、両隣が5年生、外側に6年生が密着したV字隊形で写真を撮った。
4人の男の子はSM子より遥かに身長は高かったが、骨格、体幹、腕、脚の筋肉を見ると貧弱に見えてしまった。

防具は付けず10Rである。5年生のA藤君は1・5R、B木君は2・6R、6年生のC中君は3・7・9R、D田君は4・8・10R、SM子は10Rフルである。
4人の男の子にとっての1R目はSM子と判定でもイーブンであった。でも、パワー・スピード・スタミナともにVS子の方があることは明らかだった。コーチだけでなく、K太やL気にもわかった。
A藤君は5R、B木君は6RにKO負けした。キックとパンチを一方的に決められ、ロープやコーナーに追い詰められてダウンした。
C中君は7R、D田君は8Rを何とか耐えた。判定ではVS子が大幅にリードした。C中君は9R、D田君は10RにKO負けした。A藤君やB木君と同じように、キックとパンチを一方的に決められ、ロープやコーナーに追い詰められてダウンしたのだ。
4人の男の子はしばらくの間、医務室でグロッキーになっていた。

397 :夢見る名無しさん:2017/05/03(水) 13:52:19.27 ID:/6OxMSFEe
雑誌記者は4人の男の子とVS子との対戦をいっぱい写真に収めていた。K太やL気をまったく相手にしなかった。
L気はキックボクシングをやっていることが学校にばれているが、K太はまだ隠している。K太とL気を取材しないようにSジムのオーナーからも頼んである。
でも、そんな取り決めも無用なほど、雑誌記者はSM子の強さに惹かれ続けた。考えて見れば当たり前の事でもある。
でも、K太やL気はさびしかった。もちろん、同い年のSM子の練習相手にもならない自分たちが取材されるのは本当にいやなことだ。
やはり強くならなくてはならないと改めて思った。

4人の男の子がグロッキーになっている間に、雑誌記者はKジムのコーチにインタビューをしていた。
回復した4人の男の子は来たときと同じ服に着替え長靴も履いて整列した。SM子はすでに来たときと同じ服に着替え長靴も履いている。
Sジムに到着したときと同じ隊形で記念撮影をした。SM子の顔や腕や太ももにはほとんど傷がなかったが、4人の男の子の顔や腕や太ももには青タンや絆創膏が目立った。
4人の男の子はにこやかにSM子やSジムのオーナーやコーチと握手をした。挨拶をしてからKジム一行は駐車場に向かって帰っていった。

Sジムでは少しミーティングをしてから解散となった。SM子は例の駐車場とは逆の方向の駅から帰る。K太とL気は例の駐車場を通って行く駅から帰る。
K太とL気は例の駐車場に近づいていた。太陽は強く照りつけ、K太とL気の長靴を輝かせた。
ウウェーーーーーン
駐車場から男の子が泣くのが聞こえた。
K太とL気の長靴が止まった。でも、ここを通らなければ帰れない。K太とL気は下を向きながら通り過ぎることにした。

K太とL気が駐車場に差し掛かったときには2人か3人以上の男の子の泣き声が飛び込んできた。
A藤君は6時の方向を向いてしゃがんで泣いていた。白いハイソックスとともに白いブリーフがちらり立った。
B木君は10時半の方向を向いて四つんばいでひじと顔をアスファルトに付けて泣いていた。ハミケツだった。
C中君は1時の方向を向いてしゃがんで泣いていた。長靴とハイソックスはちらりと見えた。
D田君は4時の方向を向いて四つんばいでひじと顔をアスファルトの付けて泣いていた。長靴とハイソックスがちらりと見えた。

398 :夢見る名無しさん:2017/05/03(水) 13:53:46.32 ID:/6OxMSFEe
K太やL気が歩くたびに、4人の男の子の長靴のしわや髪の毛の黒の光、ブリーフやハイソックスの白の光が、9月のまだ明るく強い光に反射して見えた。
コーチらは4人の男の子が泣きたいだけ泣き続けるのを気長に待っていた。

しばらくして、ある格闘技雑誌の片隅にVS子の記事が載った。
Sジムに到着してからの集合写真と、A藤君がやられている写真と、C中君がやられている写真の3枚が載っていた。
白黒の小さい写真だったので、終わってからの集合写真では4人の青タンや絆創膏は目立たなかったであろう。
有名な格闘家の記事が大部分を占めていたので、VS子の記事は目立たなかったとは思う。
K太とL気は自分たちが直接は取り上げられなかったにほっとした。

でも、
「同じジムの中にも他のジムにもVS子さんの練習相手を務めるだけの同学年の子は男の子にも女の子にもいないので…」
という文言にはやはり傷ついた。

長靴スカートの女の子を中心に長靴半ズボンの男の子4人がV字隊形で並んでいる写真の載っている雑誌、K太もL気も捨てずにとっていた。

K太とL気は股間を意識しながら駅に急いだ。

399 :夢見る名無しさん:2017/05/03(水) 13:54:48.78 ID:/6OxMSFEe
K太は地元の中学校に進学した。
中学校の制服は男子は普通の学生服、女子は普通のセーラー服だった。K太は私服では半袖半ズボンを通した。
K太は帰宅部にした。喘息とアレルギーの治療のため、医療機関での生活訓練があるという理由でである。
実際にはキックボクシングのSジムに通い続けた。医師からもまだ半袖半ズボンとキックボクシングを続けねばならないと言われていた。
キックボクシングのジムに通っていることは、小学校同様、秘密にするよう、学校にも手配した。

中学生になってもK太のキックボクシングの実力は向上していかなかった。
女の子との対戦はなくなっていった。男の子との対戦でも負けのほうが多かった。新人に対して勝つというくらいだった。
もう女の子と対戦することはない、もう女の子に勝つ機会はないと思っていたとき、チャンスがめぐってきた。
中2の春、同い年の女の子との対戦が組まれた。試合は梅雨時である。
女の子はW子、小6のときL気をKOした女の子である。身長も体重もK太のほうがあるが、筋肉の発達はW子のほうがまさっていた。
パワー・スピード・スタミナともにW子のほうがあるので、リーチを生かしたスピード感のある短期決戦をコーチは勧めた。
W子に対抗する体力づくりとともに、そのような作戦での練習が繰り返された。

試合の日は雨だった。
K太は白地に赤と青の半袖ポロシャツに縦穴2列の黒の太いベルトに紺のデニムの半ズボンに黒の長い大人用長靴を履き、スポーツバッグに用具を入れて会場に向かった。
両親には試合に来ないように頼んだ。女の子に負ける姿を親に見られるのもいやであった。

ゴングが鳴った。
ゴングがなる前からW子は軽くジャンプを繰り返していた。何気ない軽いジャンプだが、K太は自分よりバネが強いことを悟った。
筋肉の差が体力の差だった。K太は、パワー・スピード・スタミナともにW子についていくことができず、W子のキックやパンチは強烈に決まり、K太のはかわされたりブロックされたりした。
1ラウンドからW子が大幅にリードした。
2ラウンド、K太は息が上がっていたが、W子は平然としていた。
棒立ちになったK太にV子のマシンガンのようなローキックが入り続けた。K太は、W子のパンチを避けるためと痛さをこらえるために、グローブで顔面をブロックした。

400 :夢見る名無しさん:2017/05/03(水) 14:07:43.49 ID:/6OxMSFEe
W子のハイキックがK太の頭部にヒットした。
K太は崩れ落ちるようにダウンしてしまった。K太の口からは涎が出、パンツの隙間から透明なものや茶色いものが出てきた。異臭がした。
K太はW子に失神失禁脱糞KO負けしたのだ。

ゴングが乱打され、W子の太い腕が高々と上げられ、担架が運ばれてきた。K太は担架に乗せられて医務室に向かった。同時に救急車を呼んだ。
医務室に向かう前にトイレに向かった。
トイレでは、K太は尻を担架の縁まで下げられ、足を折り曲げられたまま上げられ、競泳用パンツを脱がされ、金的を外され、サポーターを脱がされた。
キックブーツはそのままだったので、キックブーツには少し汚物が付着した。
コーチらは湯を沸かし水で薄め、汚物が付着したキックブーツやK太の大腿や肛門付近を拭いて、汚物の処理をした。

そうこうしているうちに救急車が到着した。K太はトイレから救急車のストレッチャーに乗せられて病院に運ばれた。K太の着替えや荷物も一緒に運ばれた。
病院に到着するとコーチはK太の家に電話した。K太の母親が病院に駆けつけた。
K太の母親もK太のKO負けには慣れているけれど、失神失禁脱糞KO負けは初めてなので顔色が少し青くなっていた。

K太は点滴を受け、さまざまな検査を受けた。結果は異常なしだった。入院は2泊3日、火曜日の午後には退院でき、水曜日からは登校できる、との診断だった。
K太の母親は安心した。学校の欠席理由はアレルギーの再発とした。

401 :夢見る名無しさん:2017/05/03(水) 14:08:12.41 ID:/6OxMSFEe
K太は外科の病棟に入院した。交通事故のおっさんたちと相部屋だった。

月曜日の夕方、W子が母親とともに見舞いに来た。
「○○K太君とお母様でしょうか?」「はい。」
「○○W子と母でございます。このたびはK太君が入院ということになりまして、本当に心配いたしました。」
「ご心配ありがとうございます。もうご心配なく。お医者様からもまったく大丈夫だとお墨付きもいただきました。」
「K太君はいらっしゃいますか?」「今、疲れが出て眠っています。起こしましょうか?」
「いえいえ、起こしていただかなくて結構ですわ。花束だけお受け取りください。」
W子は花束を持ってきた。「○○K太君、早くよくなってください。すばらしい試合をありがとう。」というカードも入っていた。
そのとき、K太は眠っていた。W子は花束をK太の母親に渡すとK太の寝顔に礼をしてW子の母親とともに帰った。

402 :夢見る名無しさん:2017/05/03(水) 14:09:14.88 ID:/6OxMSFEe
K太が退院することになった。
K太は、白地に赤と青の半袖ポロシャツに縦穴2列の黒の太いベルトに紺のデニムの半ズボンに黒の長い大人用長靴を履き、用具を入れたスポーツバッグを持って母親と並んで、同室の患者(交通事故のおっさん)に挨拶した。

「短い間でしたけどK太がお世話になりました。このたびおかげさまで退院することになりました。皆様方のいち早いご回復をお祈りいたしております。K太、皆様にご挨拶を。」
「短い間でしたけどお世話になりました。僕退院することができました。皆様のご回復をお祈りしております。早くよくなってください。」
「しっかりした挨拶ができたじゃないか。何年生だ?」
「中学2年生です。」
「脚が長くてかっこいいね。君くらいの子が半ズボンだとますますかっこいいね。長靴も長くてかっこいいね。よく日に焼けているね。」
「K太は喘息とアレルギーがあって、1年中半袖半ズボンで、キックボクシングのような激しい運動をしなければ治らないと、お医者様から言われてますの。」
「冬に半ズボンで寒くないかい?」
「小学校のときからすっとこうだから平気です。」
「えらいね。昨日花束を持ってきた女の子は君のガールフレンドなのかい?」
「………」
「もてるね。こんなきれいな脚の男の子がボーイフレンドなんて、あの女の子もやるじゃないか?あの女の子も健康的でかわいかったぞ。やるなあ、君。」
「いいえ、日曜日の試合の対戦相手です。」
「あの女の子が君を失神KOしたのか?」
「は、はい。」
「背は君のほうが高いが、あの女の子のほうが筋肉があったかもな。もっと筋肉をつけろ。」
「次は女の子に負けるなよ。」
「はい。」
「では、皆様、失礼します。さ、K太。」

K太と母親は病室を退出した。

403 :夢見る名無しさん:2017/05/03(水) 14:12:10.28 ID:/6OxMSFEe
K太とK太の母親が病室を出てエレベーターの前に来ると、エレベーターからは、W子とW子の母親が出てきた。

「○○K太君とお母様でしょうか?」「はい。」
「○○W子と母でございます。このたびはK太君が入院ということになりまして、本当に心配いたしました。」
「ご心配ありがとうございます。もうご心配なく。お医者様からもまったく大丈夫だとお墨付きもいただきました。花束までいただきましてありがとうございます。」
「○○君、大丈夫?」「○○さん、ありがとう。もう大丈夫だよ。花束ありがとう。」「ごめんね。」
「そんな、いいよ。○○さんのほうが僕より強かったのだから仕方ないよ。」
「K太もW子ちゃんのように強くなってほしいんですけど。」
「いいえ。○○君も強いですよ。○○君が強いからつい本気になってしまったと、うちのW子も言ってました。。これはほんの心ばかりの粗品ですが、K太君と召し上がってください。」
「いいえ、とんでもない。」「いいえ、どうぞ、どうぞ。」「いいえ、」「どうぞ、」「では、お言葉に甘えて。」
「それにしても半ズボンが似合ってますね。小学生より身長も高くなって脚も長くなって筋肉もついてきて、もしかしたら半ズボンが一番似合うのはこの年頃のお子さんかも知れないと思いましたわ。」
「K太は喘息とアレルギーがあって、1年中半袖半ズボンで、キックボクシングのような激しい運動をしなければ治らないと、お医者様から言われてますの。」
「真冬も?寒くない?」「小学校のときからすっとこうだから平気です。」
「えらいわね。試合の日は雨だったから長靴なのね。長い長靴に半ズボンで脚が長くかっこいいわ。脚に筋肉が付き始めてるわ。K太君、絶対強くなりますよ。」
「ありがとうございます。少しでもW子ちゃんに近づけるようにがんばらせますわ。」
「K太君のようなすばらしいお子様と対戦させていただいてW子も幸せです。」
「退院の手続きもありますので、今日はこれにて。」「失礼しました。お大事に。」

K太と母親は車で帰ったので、長靴半ズボンで歩いたのは駐車場までだった。

404 :夢見る名無しさん:2017/05/03(水) 14:13:14.60 ID:/6OxMSFEe
中2になったとき、K太だけでなくL気にも、同い年の女の子との対戦のチャンスが回ってきた。
同じAジムのK太がTジムのW子に失神失禁脱糞KO負けしたのをL気は見ていた。L気はK太のためにも自分のためにも、女の子と対戦して勝ちたかった。
L気の対戦相手はUジムのV子であった。小6のとき、K太はV子に、L気はW子にKO負けしている。V子とは間接的に因縁があると思えた。

V子はL気より身長も体重も下回るが、筋肉の発達はL気を上回る。V子はキックボクシングでかなり頭角を現していた。
V子の対戦相手としてL気がすんなりと決まったわけではない。L気は力不足とみなされていたし、実際にそうだった。
最初はSジムのオーナーもL気の応募を断った。もっと実力のある男子でなくては安全上の問題もある、との理由である。

でも、L気は強く希望した。保護者の意向も確かめられた。
V子との対戦の話が出たのは、K太が梅雨時に、V子に失神失禁脱糞KO負けしてしばらくしてから、夏休み直前だった。試合は11月末であった。
V子との対戦の条件としては、試合までに鍛え上げること、不十分なら不許可であること、試合の直前に、失神失禁脱糞KO負けを防止するために、浣腸を受けることであった。

L気は夏休みも懸命に練習して、少しずつ筋肉がついてきた。V子はもっと速いペースで筋肉が発達してはいる。
11月になると、コーチからもV子との試合の許可を得ることができた。

11月末、試合当日、季節はずれの雪が降って積もりそうにもなった。
L気は、白地に紺の半袖ポロシャツに、縦穴2列の黒の太いベルトに紺のデニムの半ズボンに黒の長い大人用長靴を履き、電車とバスを乗り継いで会場の体育館に向かった。
女の子に負ける姿を親に見られるかもしれないことは恥ずかしかった。
季節はずれの雪ではあったが、それほど降り積もりそうでもなかった。でも、L気は長靴を履いた。長靴半ズボンでK太は女の子に負けた。L気は長靴半ズボンで女の子に勝ちたかった。

405 :夢見る名無しさん:2017/05/03(水) 14:13:53.33 ID:/6OxMSFEe
電車を降りて、L気は会場の体育館に向かうバスに乗った。すれ違うたびに、半ズボンと長靴にはさまれた太腿に刺さる、大人たちの視線が快かった。
途中のバス停で老人が乗ってきた。L気はその老人に席を譲った。周りの乗客の、L気の顔や、半ズボンと長靴に挟まれた太腿に刺さる、大人たちの視線が快かった。
老人は、L気の持っていたキックボクシングのグローブやブーツなどが入ったバッグを膝の上に盛ってくれた。

L気も老人も体育館前のバス停で降りた。
「席を譲ってくれてありがとう。君は何年生かね。」「中学2年生です。」「道理で大きいと思った。大きいほうか?」「クラスで平均より少し高いほうです。」
「雪が降るのに半袖半ズボンで寒くないかい?」「小学校からずっとこうですから平気です。」「元気だねえ。君もキックボクシングに出るのかい?」「はい。」
「その長靴、長くてかっこいいね。キックボクシングのキックブーツみたいだ。私も長靴を履いてくるんだったな。雪が積もるかもしれない。用意いいねえ。」「試合が終わったとき、雪が積もっても走り込みができるようにするためです。」
「熱心だねえ。半ズボンと長靴の取り合わせ、かっこいいよ。脚が長くてかっこよく見える。」「どうして僕がキックボクシングに出るとわかったのですか?」
「荷物でわかったよ。実は、私の孫も君と同じ中学2年生で、キックボクシングに出るんだ。女の子なんだけど、男の子とたいせんすることになったんだ。」「僕も女の子と対戦することになっています。」
「君より背は低いけど、結構強くて、この前の試合で君に似た体格の男の子をKOしてしまった。君の名前は何て言うんだい?」「Sジムの○○L気です。」
「うちの孫はUジムの○○V子と言うんだ。」「すみません。ジムの集合時間になりますので、お先に失礼します。」

L気が老人に言った事は半分は本当であった。少しは余裕はあったが、確かにSジムの集合時間は迫っていた。半分は嘘だった。いたたまれなかったのだ。
L気はバッグを肩に掛けたまま走っていった。半ズボンと長靴にはさまれた太腿の裏に老人の視線が突き刺さるのが心地よかった。

406 :夢見る名無しさん:2017/05/03(水) 14:14:50.86 ID:/6OxMSFEe
ジムのミーティングが始まるには少し時間があった。ガラスに自分の姿を映した。以前より筋肉がついている。長靴半ズボンのままでV子に勝ちたかった。
ミーティングが終わり、アップやストレッチが終わると、L気はコーチに連れられてバッグを持ったまま廊下を進んだ。
廊下を曲がると、「この先 男子選手浣腸室 関係者以外 立ち入りをご遠慮ください 主催者」という掲示板があった。
しばらく進むと、男子トイレと女子トイレがあった。男子トイレの戸にだけ、「男子選手浣腸室 関係者以外立入禁止」と張り紙があった。

コーチとL気はトイレに入った。コーチは床にシートを敷いた。L気はまず裸になった。そしてSジムの約束に従い、キックブーツを着けた。
L気はコーチに指示され、フリ○ンのままシートの上で四つん這いになった。肛門が開いて冷気を感じた。
コーチは浣腸を挿入した。熱い棒が入れられたような気がした。「もっと力を抜け。」「はい。」コーチに言われ、我慢して力を抜いた。生まれて初めて浣腸を施される。L気は股間を意識し、少し○起した。
L気は大便器室に入り、排便をした。和式で、扉は下3分の1くらいがないものだった。大便器室に人が入っているかどうかわかりやすくするためであろう。
L気はしゃがんだときの太腿の裏とキックブーツが触れ合う感触もたまらないと感じた。長靴半ズボンで、和式トイレで排便するときの感触だった。

ジャジャジャジャジャー、水を流してL気が出てきた。顔は紅潮し、○起はやや収まり、チ○○は水平になっていた。
初めての浣腸でL気は勢いよく出すぎたようだ。大便器の周りを汚してしまったため、コーチに言われ、清掃道具を使って、キックブーツにフリ○のまま掃除をした。

掃除が終わると、サポーターを履き、コーチに金的を着けてもらい、パンツを履き、コーチにバンデージとグローブを着けてもらった。
その順番のはずだが、掃除が挟まったため、順番を間違え、サポーターと金的とパンツが後回しになった。あわや、グローブとブーツだけのフリ○ンでリングに向かいそうになった。
そこで、サポーター、金的、パンツはコーチに履かせてもらうことになった。なかなかうまい位置にいかないため、少し時間がかかった。
時間を気にする主催者側が呼びに着たので、コーチは遅れをわびて、L気はコーチとともにリングに向かった。

407 :夢見る名無しさん:2017/05/03(水) 14:15:19.14 ID:/6OxMSFEe
ジムのミーティングが始まるには少し時間があった。ガラスに自分の姿を映した。以前より筋肉がついている。長靴半ズボンのままでV子に勝ちたかった。
ミーティングが終わり、アップやストレッチが終わると、L気はコーチに連れられてバッグを持ったまま廊下を進んだ。
廊下を曲がると、「この先 男子選手浣腸室 関係者以外 立ち入りをご遠慮ください 主催者」という掲示板があった。
しばらく進むと、男子トイレと女子トイレがあった。男子トイレの戸にだけ、「男子選手浣腸室 関係者以外立入禁止」と張り紙があった。

コーチとL気はトイレに入った。コーチは床にシートを敷いた。L気はまず裸になった。そしてSジムの約束に従い、キックブーツを着けた。
L気はコーチに指示され、フリ○ンのままシートの上で四つん這いになった。肛門が開いて冷気を感じた。
コーチは浣腸を挿入した。熱い棒が入れられたような気がした。「もっと力を抜け。」「はい。」コーチに言われ、我慢して力を抜いた。生まれて初めて浣腸を施される。L気は股間を意識し、少し○起した。
L気は大便器室に入り、排便をした。和式で、扉は下3分の1くらいがないものだった。大便器室に人が入っているかどうかわかりやすくするためであろう。
L気はしゃがんだときの太腿の裏とキックブーツが触れ合う感触もたまらないと感じた。長靴半ズボンで、和式トイレで排便するときの感触だった。

ジャジャジャジャジャー、水を流してL気が出てきた。顔は紅潮し、○起はやや収まり、チ○○は水平になっていた。
初めての浣腸でL気は勢いよく出すぎたようだ。大便器の周りを汚してしまったため、コーチに言われ、清掃道具を使って、キックブーツにフリ○のまま掃除をした。

掃除が終わると、サポーターを履き、コーチに金的を着けてもらい、パンツを履き、コーチにバンデージとグローブを着けてもらった。
その順番のはずだが、掃除が挟まったため、順番を間違え、サポーターと金的とパンツが後回しになった。あわや、グローブとブーツだけのフリ○ンでリングに向かいそうになった。
そこで、サポーター、金的、パンツはコーチに履かせてもらうことになった。なかなかうまい位置にいかないため、少し時間がかかった。
時間を気にする主催者側が呼びに着たので、コーチは遅れをわびて、L気はコーチとともにリングに向かった。

408 :夢見る名無しさん:2017/05/03(水) 14:17:12.17 ID:/6OxMSFEe
ゴングが鳴った。
筋肉の差が体力の差だった。L気は、パワー・スピード・スタミナともにV子についていくことができず、V子のキックやパンチは強烈に決まり、L気のはかわされたりブロックされたりした。
1ラウンドからV子が大幅にリードした。
2ラウンド、L気は息が上がっていたが、V子は平然としていた。
V子の強烈なミドルキックがL気の太腿に決まり、L気はねじれるようによろめき、顔面のガードががら空きになった。
V子のストレートがL気の顔面に決まった。L気は鉄の匂いを感じ、崩れるようにダウンした。鼻血が大量に出た。ゴングが乱打され、L気のKO負けが決まった。

L気は意識は何とかあったが、半失神状態でグロッキーだった。担架で医務室に運ばれた。
医務室で鼻血の処置をされ、コミッションドクターに簡単な検査を受け、無事が確認された。もし、異状があれば、かかりつけの医師にいくことになっている。

409 :夢見る名無しさん:2017/05/03(水) 14:17:47.92 ID:/6OxMSFEe
L気は医務室で着替えて、白地に紺の半袖ポロシャツに、縦穴2列の黒の太いベルトに紺のデニムの半ズボンに黒の長い大人用長靴を履いた。
医務室に、V子とV子の祖父である老人が見舞いに来た。老人は、行きのバスでL気が席を譲った老人である。
老人はL気のコーチに尋ねた。「L気君、大丈夫ですか?」「大丈夫です。ご心配なく。ドクターも太鼓判を押してました。」
「○○君、大丈夫? ごめんね。」「いいんだよ。○○さんの方が僕よりも強かっただけなのだから、仕方ないよ。僕もV子さんのように強くなりないんだ。」
「○○君も強かったよ。だから私、つい夢中になっちゃって。」
「さあ、L気君、V子、写真を撮ろう。握手して。こっち向いて。」
老人は写真を撮った。老人はL気とV子の試合も写真に撮っていた。老人はL気だけの写真も撮った。

L気はV子やV子の祖父と別れ、Sジムのミーティングに向かった。コーチはL気の健闘をほめてくれた。キックやパンチに力強さとスピードが出てきたことを指摘してくれた。
L気はコーチと別れ、帰路に着いた。コーチらの姿が見えなくなるのを確認すると、L気は体育館に戻り、体育館の陰で泣き崩れた。
なき終わった後、老人に公言したとおり、バスの区間を走りこんだ。雪はちらついていたが積もってはいなかったので、長靴の効果はなかったが、L気にとっては、長靴半ズボンで走ることができたのがせめてもの慰めであった。
すれ違うたびに、半ズボンと長靴にはさまれた太腿に刺さる、大人たちの視線が快かった。

L気とV子の試合が終わってしばらくしてから、Sジムに手紙が届いた。

410 :夢見る名無しさん:2017/05/03(水) 14:18:38.39 ID:/6OxMSFEe
突然お便り申し上げる無礼をお許しください。
小生は、先月のキックボクシングの試合で、お宅のジムの○○L気君と対戦した○○V子の祖父で○○○○と申します。
L気君のことでご報告とお礼をいたしたくお頼り申し上げます。
行きのバスで、短い半ズボンに膝までの長い長靴を履いた男の子が小生に席を譲ってくれました。
この子がL気君でした。
L気君もV子と同じくキックボクシングの用具を持っていたので、体育館のバス停で降りて改めてお礼を述べたついでに話しかけてみました。
V子は背が低いほうですが、V子より背が高いので、学年を聞いてみたところ、V子と同じ中学2年生だとわかりました。
クラスで真ん中より高いとのことでした。
L気君のような脚の長い子が短い半ズボンに膝までの長靴を履くと本当によく似合います。
雪が降るのに半ズボンで寒くないかと聞くと、小学校からずっとこうだから平気との答えでした。
雪がそれほど積もっていないのにどうして長靴を履いているのかと聞くと、試合の帰りに雪が積もっても走り込みができるからとの答えでした。
小生の孫のV子も中学2年生であり、女の子なのに男の子と対戦することになっていると言うと、L気君も女の子と対戦することになっていると言いました。
小生に会釈して、半ズボンに長靴を履いた脚で体育館に向かって走っていくL気君を見て、L気君がV子の対戦相手であってほしいと願いました。
L気君のような、礼儀正しくひたむきな子と、礼に始まり礼に終わる中で思い切りぶつかり合うことによって、L気君もV子も心身ともにたくましく育ってほしいと思いました。

411 :夢見る名無しさん:2017/05/03(水) 14:19:52.70 ID:/6OxMSFEe
小生の期待通り、L気君が」V子の対戦相手でした。結果は、L気に残念ながら、V子のKO勝ちでした。
L気君の方が身長もかなり高く体重も少しありましたが、V子のバネが上回ったようです。
L気君もがんばりました。
V子のミドルキックでダウンしたとき、本当によくカウント9でファイティングポーズを取りました。
L気君ががんばったのでつい夢中になってしまったとV子も言っておりました。
V子のストレートでL気君は鼻血を出してKO負けとなりました。
小生とV子が医務室を見舞ったとき、L気君とV子はお互いの健闘を讃え合いました。

実は小生、試合の直前にL気君の姿を拝見してしまいました。
小生がトイレに行こうとすると、「この先 男子選手浣腸室 関係者以外 立ち入りをご遠慮ください 主催者」という看板がありました。
その先をL気君とお宅のジムのコーチの方が歩いているのを見かけました。
小生は急いで引き返したので、コーチの方もL気君も小生に見られたことは気づいていないはずです。
なお、V子は浣腸をいたしておりません。
L気君は失神失禁脱糞KO負けを覚悟してまでV子に挑戦していたのかと思うと、L気君、コーチの方、ジムの方に対し、感無量となります。
L気君がご無事であったとお聞きし、本当に安心いたしました。

帰り道、体育館の陰でL気君が泣き崩れているのを拝見しました。
半ズボンに長靴を履いた長い脚の後姿しか見ておりません。
小生はあえてL気君に声を掛けませんでした。
L気君も小生に見られたことを気づいていないはずです。

小生はV子にキックボクシングをやらせて本当によかったと思いました。
L気君のような、礼儀正しくひたむきな子と、礼に始まり礼に終わる中で思い切りぶつかり合うことによって、L気君もV子も心身ともにたくましく育ってくれたと確信しました。

L気君のような礼儀正しくひたむきな子を育てているお宅のジムにお礼を申し上げるとともに、L気君の成長とお宅のジムの更なる発展を祈ってやみません。

追伸
L気君とV子の試合と試合終了後の記念撮影の写真を2部ずつお送りします。
1部はお宅のジム、もう一部はよろしかったらL気君へお渡しください。
この書面はジムの指導者の方々へのものです。
L気君にはもうひとつの封筒にあります、L気君充てのものがあります。

412 :夢見る名無しさん:2017/05/03(水) 14:23:36.76 ID:/6OxMSFEe
コーチはL気には、L気宛の手紙と写真だけを渡した。
V子の祖父である老人のL気宛の手紙は、ジム宛の手紙から、浣腸の件と泣き崩れている件を除外して、
礼儀正しさ、半袖半ズボンでがんばっていること、長靴半ズボンがよく似合い、筋肉が順調に発達していること、試合でのいい点、改善すべき点
などが書いてあり、L気を大いにほめていた。
コーチもL気をほめてくれた。

413 :夢見る名無しさん:2017/05/04(木) 13:43:44.06 ID:L2wKfeH7d
B斗は製靴会社で長靴部門の担当だった。
一度は廃止することが決まりかかったが、B斗らの必死に懇願で存続が決まった。よって、何が何でも成果を出さねばならなかった。
長靴の売れ行きは低下し続けた。長靴を魅力あるものにしなければならない、B斗たちの至上命題だった。

B斗は趣味でロックを続けていた。ストレス解消にもなる。大学時代親しかった別のバンドは活躍していた。彼らは就職せず、プロを目指している。
バンド名をXYZといった。B斗はXYZのメンバーと良く飲んだ。XYZは、長靴半ズボン、長靴スカートを本格的にメインコンセプトにしたいと考えていた。
ブーツではだめだ、長靴だ。でも、どの長靴でも激しい動きで脱げてしまうし、動きが制約される。長く、細めで、かっこよく、動きが制限されず、激しい動きでも脱げない長靴が欲しいとのことであった。

B斗は、研究開発部門のL気に相談した。B斗とL気はそれまであまり親しくなかったが、何回か話し合いをしているうちに、無二の戦友とも言える間柄になった。
長靴の現代におけるマイナスのイメージのこと、自分たちの子供時代も基本的に同じだったこと、それでも、長靴半ズボンに誇りを持っていたこと、長靴半ズボンで長靴スカートの強い女の子に挑戦し続けたことなどを話した。
そして、長靴半ズボンを復活させることを誓い合ったのだ。

長靴は、@長いこと、A形がいいこと、B短靴とまったく同じできればそれ以上の運動機能があること、C軽いこと、D疲れないこと、F着脱が容易なこと、Dそのうえで運動によって脱げないこと、
G脱ごうと思ったら簡単に脱げること、H内部が衛生的で手入れが簡単なこと、I外からは水を通さず中で蒸れないこと。という条件を満たしたかった。
きわめて難題である。でも、実現させよう。XYZのためにはとりあえず@ADが満たされればいい。でも、長靴半ズボン復活のためにはそれだけでは不十分だ。

414 :夢見る名無しさん:2017/05/04(木) 13:44:41.85 ID:L2wKfeH7d
L気は長靴の形態の工夫に心血を注いだ。そのためには材料が問題だ。L気はK太に相談することにした。K太はL気の求める長靴に必要な材料を開発することにした。
ついに@ADの条件を備えた長靴が完成した。まだ採算ラインに乗らない。コストダウンにも励んだ。一方、XYZにはその長靴を提供を申し出た。XYZの若干の注文に答えて修正して提供した。
XYZは、長靴半ズボンスカート半ズボンのコンセプトでメジャーデビューを果たした。

C子はA子さんの店を手伝って、店の売り上げを伸ばすことに成功した。売り上げが落ちていた長靴についても、仕入れる商品や展示方法、宣伝方法を工夫することで売り上げを倍増以上にした。
C子はA子さんから信用され、娘のような存在になった。A子さんは高齢となり、店を引退することになった。店はC子に貸して賃料で老後を過ごすことにした。
C子は更に店を大きくしていった。会社も起こし、自社物件も手に入れた。世界各地から良質な長靴を取り寄せるようになり、代理店契約にも成功した。

A樹はX県の職員として産業課に配属される前に、土木課に配属され、Z川上流の山林管理に携わった。誰も見ていないときには長靴半ズボンでパトロールすることもあった。
B斗やC子と競い合った日のことを思い出した。
県庁の産業課に戻ると、企業誘致が課題となった。

K太がついに@〜Iの条件を満たす長靴の素材を開発した。B斗とL気の製菓会社が契約した。L気のチームが@〜Iの条件を満たす長靴の開発に成功した。採算ラインにも乗った。
長靴半ズボン、長靴スカートのイメージは、XYZやV子やW子によってかっこいいものになってきている。
着脱や運動機能の実証実験を行うことにした。

協力したのは、X県で小学校教員をしていたA樹の姉M代、東京都で小学校の教員をしていたB斗の姉K子、そして、F大学付属小学校で教員をしていたJである。
50m走、反復横とび、持久走、さまざまな球技、どんな運動においても、短靴に劣ることはまったくなかった。かえって短靴よりいい結果が出たくらいだった。
その長靴を欲しい、履きたいという子供が続出した。

415 :夢見る名無しさん:2017/05/04(木) 13:45:33.26 ID:L2wKfeH7d
A樹B斗C子K太L気らが復活させた長靴は、
>@長いこと、
>A形がいいこと
>B短靴とまったく同じできればそれ以上の運動機能があること
>C軽いこと
>D疲れないこと
>E着脱が容易なこと
>Fそのうえで運動によって脱げないこと
>G脱ごうと思ったら簡単に脱げること
>H内部が衛生的で手入れが簡単なこと
>I外からは水を通さず中で蒸れないこと
という条件を満たした。
そればかりか、材料や形態や工程の開発に伴い、
J幾重にも折れ曲がるので通常の靴箱に入り、靴箱から出すとすぐに元の形に戻り、折れ曲がったことによる品質の劣化もない、折り曲げないときより寿命も少し短くなるだけである
K履くことによって、夏は涼しく、冬は暖かく過ごすことができる
という二つの特徴も加わり、長靴半ズボンはますます盛んになった。

416 :夢見る名無しさん:2017/05/04(木) 13:46:26.69 ID:L2wKfeH7d
K太の化学会社Y社の材料で作る、B斗、L気の製菓会社N社の長靴は高く評価された。大人も子供も男性も女性も支持した。
XYZなどの影響もあって、激短半ズボンかミニスカートが似合うというムードが定着した。
ハイソックスがちらりというのも支持された。ハイソックス派の方がやや多数派だった。

C子の会社では、ハーフパンツに変わって、激短半ズボンやミニスカートも生産するようになった。
N社の長靴生産ラインでは対応できなくなった。量もそうだが、最新設備を何とかしなければならない。
新しい工場が必要だった。

X県の工業地帯はジリ貧だった。工場は次々と中国や東南アジアに脱出していく。A樹は新規に進出する企業を見つけることができずにいた。
A樹はひらめいた。N社を誘致しようと。N社にはB斗がいる。B斗は営業系だ。
N社の工場はX県に決まった。それに伴い、N社の関連工場として何社かが進出してきた。

ついに、子供たちの間に、長靴半ズボンが復活した。
雨の日や雪の日はほぼ100%長靴である。JKの短いスカートが廃れる一方で、男の子の短い半ズボン、女の子の短いスカートが復活した。
晴れの日も長靴半ズボン、長靴スカートも一般的になった。J大学付属小学校などでは制服が、長靴半ズボン、長靴スカートになった。

N社の長靴は日本のY社とN社の技術でなければ作れない。長靴の輸出は増えた、世界でも支持された。

かくして、長靴半ズボンは、復活したのであった。

終わり。

417 :夢見る名無しさん:2017/05/04(木) 14:03:18.45 ID:L2wKfeH7d
これにて、小説『長靴半ズボン』の2スレからのサルベージが完了しました。
2スレでは時系列が激しく前後しましたので、できるだけ時系列順にしました。誤字脱字は見つけ次第修正し、矛盾点は直し、こうしたほうがよかったと思った点は加除変更しました。
それでも見落としたところは結構ありました。申し訳ありません。

2スレでは500レスを超える分量でしたが、3スレでは約400スレに圧縮することができました。
レス番500のはるか手前で完了したことに少し驚いています。
3スレもまだまだ楽しめる余地がありますね。

今後、小説『長靴半ズボン』にエピソードを付け加えていただいても結構です。
歓迎いたします。
時系列や人物などオリジナルと矛盾することが出てもかまいません。
伊勢物語のように数珠球をつないだような構成でよろしいと思います。
時系列の逆転も結構です。
新しいエピソードにつながるエピソードでも結構ですし、こだわらないエピソードでも結構です。
お待ちいたしております。

なお、このスレの冒頭では、

1 :夢見る名無しさん:2016/09/24(土) 17:17:27.34 ID:QMv8V5+VY長靴半ズボン 長靴半ズボンU に続く3スレ2 :夢見る名無しさん:2016/10/01(土) 17:10:09.56 ID:U3rN7uOdP[1/2]1スレ   長靴半ズボン
http://ikura.2ch.net/test/read.cgi/cafe30/1191932266/

2スレ   長靴半ズボンU
http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/yume/1377591784/3 :夢見る名無しさん:2016/10/01(土) 17:48:00.25 ID:U3rN7uOdP[2/2]子供のころ、1年中半ズボンで過ごしました。雨や雪の日は長靴を履きました。
長靴と半ズボンについて語りましょう。

とあります。
小説『長靴半ズボン』と関係ないことでも、長靴+半ズボン、長靴×半ズボン、の内容なら、大いに歓迎いたします。

サルベージの間、お待たせいたしました。

418 :夢見る名無しさん:2017/05/12(金) 19:22:00.77 ID:x9BvyH3XJ
長靴半ズボン少年の復活を期する!

419 :夢見る名無しさん:2017/05/16(火) 17:35:24.88 ID:+quMEUCqi
日本の復活は長靴半ズボン少年の復活に俟つ!

420 :夢見る名無しさん:2017/05/18(木) 19:13:50.47 ID:zt5+aBI5a
半ズボンは男の子の脚線をこの上なく美しく見せる。
ただ、半ズボンの似合う子と似合わない子がいる。
でも、半ズボンに長靴を履くと、どの子も脚線が美しく見える。これには例外はない。

421 :夢見る名無しさん:2017/05/18(木) 19:38:12.40 ID:zt5+aBI5a
半ズボンはもちろん、あの激短半ズボンのことだ。
さて、長靴だが、長いほうが脚線が美しく見える。でも、長い長靴は子供向けには、まったくといっていいほどなかった。
結果として、学童長靴のような短い長靴ということになるが、それでも、半ズボンに長靴を履くと、どの子も脚線が美しくなった。

短い半ズボンに長い長靴からハイソックスがちらり、なんてのが最高だが、お目にはかかれなかった。
でも、長靴半ズボン少年の脚線は最高に美しかった。かっこよかった。

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