【正義の味方】青葉真司は英雄【よくやった！】

負け組、底辺と蔑まれて… １２

　
　今の世の中、出版社やレコード会社に悔しい思いをさせられている人は少
なくない。フリーライターは薄給で使われ、若いミュージシャンは年を取っ
てから騙されていた事に気付く。彼らから見れば、青葉真司先生の行いは、
義挙、と映るだろう。手錠につながれ、警吏に引っ立てられる先生の姿を
見て、遠くの橋の下で、手を合わせて伏し拝む者もあるだろう。そんな者が
ひとりでもいれば、青葉真司先生の行いは無駄ではなかったのだ。

　　世に善人と言われる者は
　　必ずしも善人ならず
　　世に悪人と言われる者は
　　必ずしも悪人ならず
　
　青葉真司先生は、この末世の、腐った世の中の、ロス・ジェネレーション
世代一千万の恨みつらみを背負って、行かれたのだ。もちろん、褒めてはい
けない。擁護もできない。しかし、過去十年、二十年の間に、一度でも悔し
い思いをした者は、その状況をよく思い出してほしい。さすれば、青葉真司
先生の背中に、眼を閉じて、合掌できるのではないか。あなたは時代を代表
した。時代を代表して、怒りの声を上げてくれたと、言えるのではないか。
　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　完