【(・ω・)】農場に孤立した豚を救え　ブランド「原種」　1頭ずつ自衛隊ヘリで移送　九州豪雨 [ひよこ★]

ひよこ ★

https://mainichi.jp/articles/20200717/k00/00m/040/318000c
毎日新聞2020年7月17日 22時34分(最終更新 7月17日 22時34分)

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豪雨で被災した豚を救出する熊本県職員ら＝熊本県提供

　九州豪雨で甚大な被害を受けた熊本県球磨村の淋（そそぎ）地区で、県や村、自衛隊がチームを組み、孤立状態にある農場に取り残された豚の「救出作戦」を決行した。土砂崩れで農場へのアクセス道が寸断されたため、自衛隊のヘリコプターを使って空から豚をつり上げる「聞いたことがない」（河野太郎防衛相）作戦だった。空を飛んで移送された豚は無事だったのか――。

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豪雨で被災し、孤立状態にある農場に取り残された原種豚＝熊本県提供

　農場は球磨川が氾濫し、大きく被災した球磨村中心部の一勝地（いっしょうち）にある。土砂崩れで国道から農場へ通じる道路が塞がれ、車では近づけない孤立状態に。救助はあくまで人命優先のため、飼育する豚は後回しにされた。農場の経営者は7月4日の災害発生後、毎日車で行ける所まで行き、土砂で埋まった山道約400メートルを徒歩で通っては、豚に水や飼料を与え続けた。

　この農場では、ブランド豚の礎となり、交配されていない「原種豚」を飼育。過去には農林水産大臣賞の受賞歴もある「淋ブランド」として全国でも有名な種豚農場だった。敷地内で分散して飼育する約170頭のうち、貴重な原種豚27頭だけが取り残された。このうち15頭が品種改良に欠かせない種豚候補だったという。

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自衛隊のヘリコプターで救助される豚。1頭ずつ袋に入れてつり上げられた＝統合幕僚監部提供

　作戦は16日午前8時から、自衛隊や県の家畜保健衛生所などの計28人で開始。衛生所の獣医師が豚を鎮静剤で落ち着かせ、陸上自衛隊第8飛行隊（同県益城町）のヘリコプターで、豚を1頭ずつ丈夫な大袋に入れてつり上げた。豚は1頭あたり体長約1・5メートル、体重は80～120キロある。移動は慎重に慎重を期した。

　移送先は農場から約1キロ離れた自宅近くの豚舎。午後3時半ごろ、最後の1頭の移送を終え、全27頭の無事を確認した。作業開始から約7時間半かかった。県によると、経営者は「お世話になりました」と胸をなで下ろした様子だったという。

　前例のない救出劇に、県畜産課の担当者は「熊本の豚の品種改良には欠かせない貴重な豚で、この豚から新たなブランド豚が生まれる。救えて良かった」と話した。

　河野防衛相は17日の閣議後記者会見で「（県などの）要請を受け、災害派遣の要件を満たしているか総合的に勘案した。普通の豚ならそうはならないが、今回はブランドの種豚。ここにしかないもの。養豚業にとって極めて価値が高いものということで（救出を）実施した」と述べた。【山本泰久、松浦吉剛】

【(・ω・)】農場に孤立した豚を救え ブランド「原種」 1頭ずつ自衛隊ヘリで移送 九州豪雨 [ひよこ★]

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