朝鮮日報記者が語る「二つの顔を持つ日本」

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2015/08/23 06:02

【新刊】ソン・ホチョル著『和！　日本』（ナナム社）

　日本の二つの顔には当惑させられる。
2011年の東日本巨大地震で日本人が見せた冷静さと秩序意識は、世界を驚かせた。
数百万人が避難所を転々とする中で、略奪や放火はただの1件も起こらなかった。
一方、東京都心部ではホームレスを暴行する事件がひんぱんに発生し、特定の国に対するヘイトスピーチ（憎悪表現）も公然と行われている。

　早稲田大学で日本近代文学を研究し、慶応大学の訪問研究員も経験した現職記者の著者は「内と外」を使い分ける日本人の特性に注目した。
日本人は、「内の世界」では「和」を重要視する。
「内」に残りたければ、互いに配慮する「和」を守らなければならない。
一方「外の世界」は、内の「和」を乱す恐怖と無秩序の世界であって、除去すべき脅威と見なされる。
日常言語やテレビ番組など、さまざまなケースを挙げて展開する日本論が興味深い。
著者は、現在の日本の課題は「外の世界で尊敬される『和』をつくり出すこと」と指摘した。352ページ、1万8000ウォン（約1930円）。