お前ら、これからシックスセンスを観るから、ネタバレするなよ、絶対だぞ！

Ψ

男の唯一の楽しみは、映画を観ることだった。
図書館やTSU○AYAから、DVDを借りて来て、楽しむのだ。

ある日のこと、シックスセンスの結末が衝撃的という噂を聞き、さっそく探した。
いつもなら、借りることにしていたのだが、今回は違った。

男は、自分の誕生日プレゼント用として、シックスセンスを買ったのである。
誕生日まで、どんな映画だろう、どんな結末だろうと、想像がどんどん膨らんだ。
興奮して夜も眠れなかった。
誕生日の前に買って、誕生日に開けて観るのを楽しみにしていたのである。

誕生日が来た。
男は、浮かれていた。
浮かれし過ぎていたのかも知れない。
シックスセンスという映画のことを、つい観る前に２ちゃんねるで話してしまった。

『これからシックスセンスを観るんだ。』

レスがついた。

『ラストは、○○○だよ』

発言した奴は、どんな気持ちからだろうか。
その一言に、人生で最悪の誕生日になってしまった。
男は怒り狂った。

シックスセンスネタバレ事件がきっかけで、男は歪んだ人間になってしまった。

この苦しみを、俺以外にも味わわせてやれ！

男の楽しみがネタバレすることに変わった｡
シックスセンスに限らず、すべての映画や本、アニメ、マンガ、ゲームのネタバレだ。
図書館の本に犯人の名前を書いたり、インターネットの映画を観ていない人のホームページを探し出して、作品の結末を書き込んだのである。