【人手不足】なりすまし詐欺、取り締まり強化で中国人の受け子が増加――現金を「家のポストに」

Ψ

特殊詐欺
現金を「家のポストに」指示　受け子が外国人

(前略)
　従来の手口では、男が直接、女性から現金を受け取るところだが、今回の詐欺グループは違った。
「会計士が警察に目をつけられている。接触しているところを見られないよう、現金は車の下に隠して」と指示してきたのだ。
女性は不審に思って警察に相談。だまされたふりをして指示に従うと、ほどなくして自宅に男が現れた。男は警視庁の警察官に詐欺未遂容疑で現行犯逮捕された。

　逮捕された男は１９歳の中国人だった。車の下に隠すよう指示した理由は定かではないが、捜査関係者は
「直接接触して外国人だとわかると警戒されると思ったのでは」と推測する。男は片言の日本語しか話せなかったという。

　警視庁犯罪抑止対策本部によると、現金やキャッシュカードをポストに入れるよう指示する特殊詐欺は、都内では今年２月に初めて２件確認され、
４月９件▽５月４件▽６月９件－－と推移。被害額は計約３２００万円に上っている。受け子が検挙されたのは１件にとどまっているが、
外国人が受け子をしているケースはほかにもあるとみられる。

　警察庁によると、一昨年に検挙された外国人の受け子は全国で２７人だったが、昨年は３５人に増加。今年は上半期（１～６月）だけで２２人に上っている。

　特殊詐欺に関与する外国人が増えている背景について、ある捜査幹部は「受け子の“なり手不足”がある」と指摘する。
振り込め詐欺グループの中でも、被害者と接する受け子は逮捕されるリスクが高い。警察が取り締まりを強化して検挙が進むにつれ、受け子を引き受ける人が減っているという。

　詐欺グループはこれまでも、さまざまな手で受け子を集めてきた。正規のアルバイト求人を装い、大学生らが詐欺と知らずに加担したケースもあり問題化した。
しかし警察などによる啓発が進んだこともあり、受け子のリクルートは困難になっているとみられる。捜査幹部は「不良グループと付き合いのある外国人にも声をかけるようになったのだろう。
今後もっと増えていくかもしれない」と警戒している。

https://mainichi.jp/articles/20180816/k00/00e/040/215000c