小説を書きました。暇な人は読んでください。

Ψ

「モーセ」

ある日私は電車に乗っていた。
通勤時間帯で車内は身動きが取れず、私はテトリスのブロックのように人間の大群の中にギッチリとハマっていた。
そんな中、うんこの陣痛が始まった。
私は不幸なことに、うんこをしないまま家を出たのだ。そして、その陣痛が始まったらどうしようと、乗車前から懸念しており、見事にその懸念は的中した。
脂汗がにじみ出る。
顔面が蒼白になる。
顔がうつむき加減になる。
次の駅まではまだ5分もある。
陣痛はますます強くなり、うんこが肛門の出入り口までやってくるのが分かり、もうだめだと思った。
ブーーーーーーーーー！
何かのセレモニーの開幕音のような放屁の音とともに壮大な脱糞が始まった。
ﾌﾞﾘﾌﾞﾘﾌﾞﾘﾌﾞﾘﾌﾞﾘﾌﾞﾘ、ブッ！メリ、メリ、メリメリメリメリ！
途中で止めることもできたが最後まで出し切ることが男の流儀たるもの。
まるで尻の部分に大きな腫瘍が出来たようにうんこがこんもりと膨らみ、そこからは異臭が放たれる。
「くせー！」
「きゃーーーーーー！」
「死ねよ！うんこ漏らし！」
「ゲホッゲホッ」
地獄絵図のような光景の中人々はまるで、モーセの十戒のように私から離れていき、私の周りは見事にドーナツ状の隙間が出きた。
ふと思った。
我は現代のモーセ。うんこはモーセの杖。
愚民共よ我にひれ伏せ。
我はモーセである。