俺が朝方散歩していたら、駐車場に止めてあるワゴンを取り囲んでいる一団と鉢合わせしてしまった

Ψ

何か広東語っぽい言語で会話をしていたので、中国系マフィアの自動車窃盗団であることはすぐに分かった。
俺に気付いた窃盗団の一人が俺を睨みつけ、懐から拳銃を取り出し俺に狙いを定めたんだよ。
恐怖のあまりただ立ちすくんでいたら、俺の背後から一人の男性がものすごい勢いで走ってきて、
窃盗団のうち数人を瞬時に足技で蹴りつけて失神させたんだよ。すると残りの窃盗団は散り散りになって逃げて行った。
そして男性は何も言わずに背を向けて歩いて行こうとした。俺が震え声で「助けてくれてありがとうございます」と礼を言うと
その男性は振り向き

「兄が弟を助けるのは当然の行為だ」

と一言だけ残し、また背を向けて歩いてって行った。
俺は確かに見たんだ。その男性が首に掛けていたペンダントには"太極旗"が描かれていた。
全身が震えた。