女王発言を暴露、10歳児に本気タックル……ボリス・ジョンソン英新首相の破天荒な経歴

きつねうどん ★

　英国一の「お騒がせ男」ボリス・ジョンソン前外相（55）が、7月24日、エリザベス女王に謁見し、首相に就任した。ボリスは、君主との会話は終生、外部に漏らしてはならないとの掟を簡単に破り、「どうしてその仕事をしたいと欲する人がいるのか理解できない」という女王の言葉をメディアに披露した。

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「イギリスのトランプ」の異名をもつ　©共同通信社

　また「でもも、ヘチマもない。期限の10月31日にEUを離脱する」と宣言。国中を大混乱に陥れる「合意なき離脱」に突き進んでいる。

　やってはいけないことをやってみせ、笑いを取るのがボリス流だ。4年前にロンドン市長として来日した際、タックル禁止のタッチラグビーで10歳の男の子に本気でぶちかました。プライベートも破天荒で、私生児の数は誰も正確に把握していないという。

　元保守党報道責任者キャリー・シモンズさん（31）と同棲していたが、6月には大喧嘩して警察沙汰にもなっている。そのシモンズさんは、「ガールフレンド、初の官邸入りか」と報道陣を色めき立たせている。

　一方、ボリスは名門イートン校、オックスフォード大学で学び、弁論部会長も務めた知的エリートの顔をもつ。筆者は何度も取材しているが、見出しになりそうな答えを返す「憎めないヤツ」でもある。

かつての上司からは「首相不適格」の烙印
　政治の世界に足を踏み入れるまではメディアを渡り歩いてきた。英紙「タイムズ」の見習い中には記事をでっち上げて解雇。「デーリー・テレグラフ」ではEC（EUの前身）をこき下ろす記事を連発した。当時の上司は「彼が規則や慣例を気に留めないのはほぼ確実」と首相不適格の烙印を押している。

　3年前の国民投票では、EU離脱派の先頭に立ったものの、よもやの勝利に言葉を失い、党首選への出馬会見でドタキャンを発表して世界をア然とさせた。現在、「合意なき離脱」には下院の大多数が反対しているため、英紙は「ボリスは史上最短命の首相になる」と予想する。

「ボリスが首相に決まったとたん、悲観した官邸の飼い猫が飛び降りた」というパロディ写真がSNSで広がったが、「合意なき離脱」の後始末を押し付けられる多くの官僚がこの政権から飛び降りたいと考えているのは間違いない。

（木村正人／週刊文春 2019年8月8日号）

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