【センター試験】今年ラスト「浪人はできない」　強まる安全志向

峠 ★

　１８日に始まった大学入試センター試験。現行制度では最後の実施となるため、
受験生からは「浪人はできない」「今年で決めたい」などの声が聞かれた。
大手予備校によると、来年の大学入学共通テストをめぐる混乱なども影響し、
今年は志望大学の偏差値レベルを下げる安全志向が例年以上に高まっている。

■来年は傾向変わる？

　「何とか今年で決めたい」。東京都の私立高３年の女子生徒（１８）は試験直前、こう言って気を引き締めた。
センター試験を利用できる私立大を複数校受験するといい、「来年の入試がどうなるか分からないから」と話す。

　大阪市の私立高３年の男子生徒（１７）も「来年から出題傾向が変わったりしそうなので不安」。
兵庫県の公立高３年の女子生徒（１８）は「高校に入学したときから、ずっと浪人はできないと思い続けてきた」と打ち明ける。

　一方、千葉県の私立高３年の男子生徒（１８）は現役合格にこだわる周囲の声には惑わされないといい、
「どんな形の試験であっても、実力が出せるように頑張るしかない」と意欲をみせた。

　浪人生は背水の陣だ。最難関の東京大を志望する浪人１年目の女性（１９）は、合格可能性が高そうな
私立大も受験する方針。「センター試験の過去問を繰り返し解き、対策を進めてきた。いかに取りこぼさないかが大事」と語った。

■ランク下げても…

　大手予備校の河合塾によると、今年は早稲田大や慶応大をはじめ私立難関・上位大の志望者が例年以上に減少し、
それより下位の大学に流れる傾向が顕著にみられるという。

　河合塾が昨秋に実施した全国３０万人規模のマークシート式模擬試験（全統マーク模試）の結果分析では、
慶応大の志望者が前年より１１％減少したのをはじめ、早大やＭＡＲＣＨ（マーチ）と呼ばれる
明治、青山学院、立教、中央、法政－の各上位大も前年比４～９％の減少。
関西でも、いわゆる関関同立クラスでは前年比１％増の立命館を除き、関西５％減、関西学院８％減、同志社６％減－と、
難関・上位大は志望者を減らしている。

　河合塾教育情報部の岩瀬香織チーフによれば、国立大も「地方では根強い人気を維持している一方、
（有名私立大が多い）首都圏では私立大の傾向に引きずられて安全志向が顕著な状況だ」という。

■「２日日も頑張る」

　安全志向が強まっている要因の一つに、来年から始まる大学入学共通テストへの不安がある。
全統マーク模試の後、高校現場などから批判のあった英語の民間検定試験や国語・数学の記述式問題の
導入見送りが決まったが、岩瀬チーフは「決定の時期が遅すぎた。英語は配点が変わるほか、
国語と数学の試験時間など未確定の事項も多い。不安が払拭されておらず、
（浪人覚悟で）安心して難関大に挑戦できる状況にない」と指摘する。

　こうした中、初日の試験を終えた東京都の私立高３年の男子生徒（１７）は「雪が不安で今朝は余裕を持って出かけた。
難易度は例年並みと感じたが、国語や英語では読解力がより試されている気がした。２日日は力を抜いて頑張りたい」と話した。

　東大阪市に住む大阪府立高校３年の男子生徒（１７）は「問題の傾向は例年と大きな変化はなかったが、手ごたえは今一つ。
苦手なところで点数を落としてしまった」と話しつつ、「今夜は早く寝て翌日に備えるつもり。２日目は実力を出し切りたい」と
気持ちを切り替えていた。

ソース産経ニュース 01/18 20:12
https://www.sankei.com/nyushi/news/200118/nys2001180011-n1.html

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