玉川徹・羽鳥慎一コンビが率いる『モーニングショー』に対する「強烈な違和感」 [きつねうどん★]

きつねうどん ★

コロナウイルス感染拡大の危機感を煽りつつ、視聴率を稼ぐ朝のワイドショー。政府のコロナ対策を批判するのは結構だが、現実はそんなに甘くない。口だけ番長は卒業して政治家になってはいかが？

国会議員も太鼓判
「玉川徹さんは、うちの事務所にも何度も取材に来ている。テレビ局という組織に埋没しないで仕事をする、最後の硬派ジャーナリストの一人といってもいいんじゃないかな。

『正論』を曲げずに組織のなかで生き残っているというのは、率直にすごいなと思います」

立憲民主党副代表の長妻昭代議士は、テレビ朝日の『羽鳥慎一モーニングショー』の顔ともいえる玉川氏のことをこう褒めそやす。

それもそのはず、「とにかくコロナの感染者数をゼロに近づけよう」という立憲民主党の戦略と、玉川氏が番組内で提言する内容は瓜二つなのだ。

「我が党が掲げる『ゼロコロナ戦略』は、『最大の経済政策はコロナを収束させること』という考え方です。検査を駆使して、一時的に経済活動を抑制しながらコロナを抑え込むという戦略は、他の島国でも採用されています。

私は朝の番組は『モーニングショー』しか見ていません。国会での審議も含めて、あの番組はとてもためになります。非常にいいと思います」（長妻氏）

もはや手放しとも言っていい絶賛ぶりだが、必要以上にコロナの危険性を煽ってきた同番組には批判の声も多い。

「羽鳥・玉川コンビが率いる『モーニングショー』は、視聴率のためにコロナ問題に関して意図的に危機感を煽っているとしか思えません。野党議員と同じように政権を貶めるのが目的の無責任な発言ばかりなのです。

実際、日本のコロナの死者数は欧米各国よりも二桁も少なく、日本政府のコロナ対策が国際的に比較して劣っているわけではない」（政治ジャーナリスト・石橋文登氏）

玉川氏は実際、どんな発言をしてきたのか。

例えば、２月１日の放送では「（東京の感染者数を）１日１００人未満にするというのは本当に大事なことだと思う。１００人未満どころか、やっぱりゼロを目指すべきだと思いますね」と、「ゼロコロナ」への理想論を語っている。

最近では、無症状者へのＰＣＲ検査を拡大するべきだという主張も目立つ。

「このまま（緊急事態宣言を）延長しても順当に減っていくとは言えない。そうするとプラスの対策が必要になってくる。そのうえでやはり大規模な無症状者へのＰＣＲ検査が必要でしょう」（３月３日）

「私がこの話（ＰＣＲの大規模検査）を初めてしたのは昨年の４月30日でした。（中略）最近になって政府もやっと方向転換した。

（コロナ対策分科会の）尾身茂会長も検査を『集中的に重点的に、しかもくり返しやることが感染防止拡大につながる』と言っている。検査を通じて感染を抑える『日本モデル』を出してほしいというのが、私の希望です」（３月８日）

１年前から自分が唱えてきた説に、ようやく政府が追い付いてきた。

遅いよ、もっと早く俺の言うことを聞けばよかったんだ―険しい表情でもっともらしく語るものだから、テレビの前で「その通りだ。なんで菅総理は玉川さんの言うとおりにしないんだ！」と膝を叩く視聴者も多いはずだ。

コロナで世論を先導
だが、感染症の専門家からすれば、このようなゼロコロナ戦略は妄言に過ぎない。浜松医療センターの感染症内科部長・矢野邦夫氏が語る。

「私もコロナの流行が始まった昨年の２月頃まで、ゼロコロナ、つまり新型コロナウイルスの根絶は可能ではないかと考えていました。しかし、３月の時点で、それは難しいと判断しました。

理由は２つあります。今回のウイルスは症状が出る前から感染力があるという点。そして無症状の患者さんが多すぎるという点です。

『モーニングショー』のような『ゼロコロナ』という考え方は、少なくとも感染症の専門家からは出てこないはずです」

医療的な観点だけではない。経済的に見てもこの番組の提言は、常軌を逸していると言うのは、経済学者で上武大学ビジネス情報学部教授の田中秀臣氏だ。

「ロックダウンを徹底して、一時的に新たな感染者がゼロになったとしても、それは日本国内だけの話。海外との交流を再開すれば、いずれは感染者が入ってきます。

どんなに水際対策を強化したところで流入をゼロにすることは不可能なのです。