立憲民主党に“政権奪取”の風は吹くか　消費税や連立論で目立つブレ　内閣支持率はワクチンが左右 [きつねうどん★]

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枝野代表

　立憲民主党の枝野幸男代表は１５日の衆院本会議での演説で、消費税率の時限的な５％への引き下げについて言及した。その後、「共産党との連立は考えていない」と発言したことも話題になった。立憲民主党は衆院選に向けてどのようなスタンスに立っているのか。

　枝野氏は菅義偉内閣の不信任決議案を提案した理由の中で消費減税に言及した。これで良い政策論争になると思っていたら、その直後、選挙公約ではないと一転して消極的になった。

　枝野氏の発言をめぐって立憲民主党内は混乱している。代表が本会議で言ったのだから、当然選挙公約にすべきだという意見もあるが、同じ日に会見した福山哲郎幹事長は、政権を取ってもすぐに実現できないので選挙公約にならないと述べた。

　もともと、枝野氏は消費減税に消極的だった。しかし、衆院選が近づくにつれてブレたことになる。消費減税については、日本維新の会、共産党、国民民主党、れいわ新選組が既に主張しているので、野党共通の目玉対策にしようとしたのかもしれない。

　しかし、政策として正しいかどうかは別として、選挙前にこのようなブレは禁物だ。

　さらに、共産党との連立政権も考えていないという。憲法改正に対するスタンスでは、立憲民主も共産も大差ないように筆者には思える。憲法で意見が違うというが、外部から見れば似たもの同士だ。

　ただ、立憲民主が「共産との連立を考えていない」と言うのも、実は選挙対策だ。この発言は、支持団体の連合に伝えたものだと筆者はみている。共産党に対するアレルギーがある連合の票がほしいため、連合に対しては、国民民主党との連携を加速させると言っている。

　よく考えてみれば、立憲民主は、希望の党への対応で内部分裂し、国民民主党と分かれたはずだ。それでも、今になって連携するというのは、選挙での票ほしさが表に出過ぎている。

　その一方で枝野氏は、共産党の志位和夫委員長と衆院選ではできるだけ多くの小選挙区で候補者を一本化する必要があるという点で、話し合いをしているという。

　こうしてみると、立憲民主は、二股をかけて選挙前にいろいろとブレるのがお家芸のようになっている。

　他方、菅政権は派手さはないが、着実にワクチン接種を進めている。内閣支持率は、新型コロナの新規感染者数にかなり連動しており、政権発足以降のデータで、相関係数を計算すると８０％以上の逆相関になっている。となると、秋までにワクチン接種が進むと、新規感染者数は減少し内閣支持率が高まる可能性がある。

　東京五輪・パラリンピックが閉幕した９月上旬に国会召集し、大型補正予算を通して解散、１０月１０日の衆院選を筆者は予想するが、選挙前にブレる立憲民主で果たして戦えるのだろうか。一部のコアな支持者はついてくるかもしれないが、政権奪取までの風はとても吹きそうにない。（元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一）

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