すい臓がんを「尿の匂い」で早期発見できる可能性　日本の研究グループが発表 [きつねうどん★]

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　早期発見しづらく、そのため生存率も低いままとなっているすい臓がんに対する画期的な検査法が、日本で確立される可能性が出てきた。日本の研究グループが、線虫が尿に潜むすい臓がんの兆候を感じ取る能力を持つと基礎的な研究で証明した。

線虫が「尿の中の『がん』の匂い」を感じ取る
　研究成果を発表したのは大阪大学大学院医学系研究科の石井秀始特任教授（疾患データサイエンス学）らの研究グループ。すい臓がんは他の部位のがんに比べ有力な検査法がなく、日本肝胆膵外科学会によると、手術が可能なステージで発見される率が約20％と極めて低く、そのため予後も悪いことが非常に多い。術後に投与する有効な抗がん剤が登場し近年の5年生存率は上昇しているが、それでも最高で約40％とされている。すい臓がんを早期発見できる検査法を確立することは、いま非常に求められていると言えるだろう。

　この課題に対し、研究グループは「匂い」を感受する能力が非常に優れているとされ、すでに様々な研究に用いられている「線虫」に着目した。具体的には、線虫に「尿の匂い」を嗅がせることで、もしかするとがんの発見ができるのではないかということだ。

　研究グループでは、治療上の課題とされている「早期のすい臓がん」である診断時ステージ0からIaの患者を研究対象とするため、全国の中核的な医療施設と共同研究を行い、全国83例を収集（ステージ0からIVまで）。その中からステージIaまでの28例の患者の尿に対する線虫の反応と、健常者の尿に対する線虫の反応とを比較した。

　その結果、図中にあるように、尿の希釈度を変えても、線虫が患者の尿に対しては近づき、健常者の尿に対しては遠ざかることが確かめられた。研究グループは、早期のすい臓がんに対するこうした研究成果は世界初だとしている。

　がんを発見する技術については、従来の血液検査や腫瘍発見のための検査機器による組織撮影だけでなく、尿を含む体内の微細な分泌物（エクソソーム）を調べることで発見できることを示す研究が近年数多く発表されており、日本でも多くのベンチャーが立ちあがっている。なお、今回の研究のベースとなった発見は、長年線虫の研究をライフワークとしている元九州大学大学院理学研究院助教で、HIROTSUバイオサイエンス代表取締役の広津崇亮氏によるもの。同社では現在、自由診療扱いで一般に対する尿によるがん検査サービス※を展開している。

※同社が展開する検査サービスはがん15種の有無を尿検査で判別できる（精度86.3%）としているが、どの種類のがんかまでは判別できない。

https://nordot.app/809625627807072256

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