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穂乃果(24)「ありがとうございました、またのお越しを〜!」【Part2】

1 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 12:42:43.81 ID:Xga/NTNL.net
前スレ
穂乃果(24)「ありがとうございました、またのお越しを〜!」
https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1593260620/

2 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 12:47:02.29 ID:Xga/NTNL.net
第9章(最終章)「ミはμ’sicの…」

〜神田明神〜

秋穂「………」

スタスタ

秋穂「…!」

海未「………」

秋穂「…っ」プイッ

海未「……話をする時はちゃんとその人の目を見て話すようにと、小さい頃教えたはずですが」

秋穂「………」

海未「……とにかく、無事でよかったです」


凛「……大丈夫かな?2人にして」

希「結局、穂乃果ちゃんがいなくなってからはずっと海未ちゃんが秋穂ちゃんの面倒見てきたん」

希「海未ちゃんと話すことが、1番いい薬になるんよ」

凛「心配にゃぁ…」

3 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 12:47:04.52 ID:QRH0/P2L.net
さあ見せてもらおうか

4 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 12:50:13.05 ID:Xga/NTNL.net
秋穂「違うの、聞いて…」

海未「……聞きたくありません」

秋穂「え…」

海未「どんな理由があろうと…大勢の仲間を巻き込んで死のうとしていた子の話なんて…」

秋穂「……わかってよ」

海未「わかるわけありません」

秋穂「なんでよ…!!おばちゃんだって、死を覚悟してあの大晦日に銃を持って戦ったんじゃないの!?」

海未「そうですよ。みんなやあなたを守るために」

秋穂「……!」

海未「……戦いの意味が違います。いっしょにしてもらっては心外です」

5 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 12:53:51.57 ID:Xga/NTNL.net
凛「この雰囲気まずいよ…希ちゃん…!」

希「大丈夫よ凛ちゃん、今は見ててあげて」

凛「〜〜っ…」


秋穂「武装蜂起は……絵里おばさんに言われたからやめた」

海未「つまり、絵里に言われなければ決行していたということですね」

秋穂「…っ」

海未「……そんな子に育てた覚えはありません」

秋穂「……怒ればいいじゃない、殴ればいいじゃない」

秋穂「私…そんな風になっちゃったんだもんっ!!」

秋穂「殴ってよッ!」


凛「もうダメだよ!これ以上2人にしてたら…!」

凛「凛、行くから!」ダッ

希「待って!」グイッ

凛「んにゃっ…!」

凛「な、なにぃ…?」

希「……ウチたちは……見守るんよ」

6 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 12:58:49.87 ID:Xga/NTNL.net
海未「そんなことするはずないでしょう…」

秋穂「なんで…?」

秋穂「怒ってるんでしょ…?なら叱ってよ…殴ってよ…」

海未「……怒ってるんじゃないんです」

海未「心配しているんです」

秋穂「……っ!」

秋穂「……ごめん」

秋穂「ごめんね、海未おばちゃん……」

秋穂「私、ずっとワガママ言ってた……」

海未「……いえ、それは違いますよ」

秋穂「え…」

海未「だって、あなたなりに考えて動いた結果なのでしょう?」

海未「だからそれをワガママと言うのは違います…」

海未「ですが、やり方に問題があるんです」

秋穂「…ごめん」

7 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 13:01:43.36 ID:Xga/NTNL.net
秋穂「……“あいどる”に会ったの」

海未「……!!」

秋穂「……私があいつを殺らなくちゃって……おばちゃん達のために、私が……って……ずっと思ってたの」

秋穂「武装蜂起を計画したのもそのため…」

秋穂「“あいどる”さえ殺せばいいと思ってたから…」

秋穂「私、あいつに銃を突きつけたの…」

海未「………」

秋穂「……でも、撃てなかった」

秋穂「あんな殺戮者を殺すなんて、なんともないって思ってたのに……撃てなかった」

秋穂「あいつが……もう1人のお母さんだから……?」

秋穂「私があいつの血を受け継いだ、悪魔の子だから……?」

秋穂「……きっとそうなんだ」

海未「………」

8 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 13:04:17.16 ID:Xga/NTNL.net
海未「違いますよ」

秋穂「………」

海未「あなたは氷の女王でも悪魔の子でもない…」

海未「ましてや人に向かって銃を撃つなんて…そんな子じゃないでしょう…?」

海未「……あなたは踏みとどまれた、もし踏みとどまれずに“あいどる”を撃っていたら……それは“あいどる”がやっている事となんら変わりありません」

秋穂「……!」

海未「……あなたは私たちの……可愛い子です」

海未「大切な大切な……穂乃果の子」

秋穂「海未おばちゃん……」

9 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 13:08:38.96 ID:Xga/NTNL.net
海未「いつも言っているでしょ?」

秋穂「え?」

海未「もし、あなたに何かあったら…私は穂乃果に顔向けできないと…」

秋穂「…海未おばちゃん」

秋穂「…あのね、穂乃果おばちゃんの歌がラジオから」

海未「はい…私も絵里に教えてもらいました…」

秋穂「……死んだと思ってた」

秋穂「でも、きっと…きっと生きてるよね…!」

海未「…もちろんです」コクッ

海未「…あんな生命力の塊みたいな子が簡単に逝くわけありません」

10 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 13:13:50.51 ID:Xga/NTNL.net
海未「さてと…」

海未「」スタスタ

秋穂「え…海未おばちゃんどこ行くの!?」

海未「……ッ!〜〜っ、おばちゃんって言わないでください……」

秋穂「え?なんで?……シワが増えるから?」

海未「はぁ……絵里の事もあります」

海未「それに“あいどる”のあの放送……もう事態は最終局面まで来ているんです」

海未「穂乃果は……私たちに生きることを託したんです」

海未「だから、お互いにやる事があるでしょう?」

秋穂「……うんっ、だね」コクッ

11 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 13:18:27.62 ID:Xga/NTNL.net
希「ね?2人きりの方がいいやろ?」

凛「なんだかんだ言っても仲良いね〜!」

希「秋穂ちゃんから見たら海未ちゃんは育ての親だもん……そりゃあ、仲もいいよ」

凛「あれれ〜?希ちゃん、妬いてるの〜?」

希「ふふん!勘違いせんといてよね!ウチは海未ちゃんの次に秋穂ちゃんと仲良いんやから!」

凛「んにゃ!?いや、凛の方が〜!」

曜「あ、あの〜!」

希「ん?……あっ、曜ちゃん……どうしたん?」

曜「お二人とも、知ってますか…?“あいどる”が自白しましたよ!!」

凛&希「え…」

凛&希「う、うそぉ〜!?」

12 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 13:25:02.61 ID:Xga/NTNL.net




秋穂「みんな、無事でよかった…」

男A「秋穂さんもご無事で何よりです…!」

秋穂「……8月3日に“あいどる”が都内にウィルスを撒くことは確実」

秋穂「ヤツはもう止まらない」

秋穂「だから…あいつを止めるんじゃなくて、都民を守る作戦へシフトしようと思うの」

男B「それって、具体的にどうやって守るんですか?」

秋穂「………」

男C「……なんでも言ってください、俺ら秋穂さんの為ならなんでもやりますッ!」

秋穂「うん……今回も例によって、ワクチンがない」

秋穂「“あいどる”は自分だけは絶対に死なないように…特定の場所にはウィルスを散布しないはず」

男D「どこですか…それ…?」

秋穂「それは……」

13 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 13:30:04.49 ID:Xga/NTNL.net
秋穂「………」




“あいどる”『……秋穂、アキバドームに行った事はある?』

“あいどる”『素敵なところなんだ』




秋穂「μ'sの努力の結晶…」

秋穂「あそこはヤツにとって神聖な場所…」

男A「え?」

秋穂「……場所は」

秋穂「アキバドーム」

14 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 13:33:58.54 ID:Xga/NTNL.net
男A「なるほど、アキバドームなら…」

男B「あそこならたくさんの人が入れるな…」

男C「いや、でも待ってください!そもそもどうやって人を集めるんですか?」

秋穂「フェスティバル……音楽祭を開くの」

男A「!?」

ザワザワ…ザワザワ…

男E「無茶っすよ!秋穂さん!」

男F「そうですよっ!アキバドームって普通は国民的グループが使う箱なんですよ!?」

男G「俺らごときが…フェスティバルであそこを押さえられるわけ…」

男H「それに押さえたとしても、人が来るわけ……」

ブツブツ…

秋穂「みんな…」

15 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 13:44:15.08 ID:Xga/NTNL.net
秋穂「……ッッ」

秋穂「しっかりしてよッッ!」

「!」

秋穂「なに急に弱腰になってんのよっ!?」

秋穂「ここで諦めたら本当に終わるんだよっ!!」

秋穂「それに、ここで折れたら…今まで私たちのやってきたことはどうなるの!?」

「・・・」

秋穂「私の伯母ちゃんは出来ないって言って逃げることは…恥ずかしいことじゃないって言ってた…でも」

秋穂「……絶対に逃げたりしなかった」

秋穂「やり遂げないと、最後まで」

男A「……そ、そうだ」

男A「そうだお前らぁぁ!!やるぞぉぉぉ!!」

「そうだ、そうだよなぁ……」

「おーーーーーう!!!!!」

秋穂「うんっ…ありがとう、みんな」

秋穂「アキバドームは、私のツテでなんとかする」

秋穂「みんなはフェスティバルの準備と告知を急いで!」

男A「っしゃ!了解です!」

16 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 13:46:54.39 ID:Xga/NTNL.net




秋穂「理事長」

鞠莉「………」カキカキ

秋穂「……理事長!!」

鞠莉「………」カキカキ

秋穂「理事長ってば!!」

果南「……ッ」

果南「マリー!!!」

鞠莉「……!」

鞠莉「なに…?果南…?」

果南「……お客さんだよ」

鞠莉「えっ…」

秋穂「久しぶり…」

鞠莉「あっ…秋穂ッチ…」

17 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 13:50:01.30 ID:Xga/NTNL.net
鞠莉「どうしたの…いきなり来て…」

秋穂「うん……っていうか、理事長……ちょっと、痩せた?」

果南「憔悴してるの……“あいどる”の復活がよっぽどショックだったのか、すっかり言動もネガティヴになっちゃって……」コショコショ

秋穂「なるほど…」

秋穂「あのね、理事長…アキバドームを押さえてほしいの、出来る?」

鞠莉「アキバドーム…?出来なくはないけど…なにをするつもり…?」

秋穂「……8月3日にフェスティバルを開きたいの」

鞠莉「フェスティバル……?」

鞠莉「……じゃあ、ダメ」

秋穂「えっ…?」

18 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 13:54:40.12 ID:Xga/NTNL.net
果南「ちょっと、マリー!なんで!?協力してあげればいいじゃない!!」

鞠莉「なに言ってるの果南…今まで私はいろいろ協力してきたじゃない…?」

秋穂「………」

鞠莉「武器の調達だって、乗り物の手配だって私たちが…」

鞠莉「協力したけど…秋穂ッチは成果を出せなかったでしょ?」

鞠莉「……フェスティバルで何をやるのかは知らないけど、無駄なあがきだよ……」

果南「マリー!いい加減にしなよ!なにもそこまで言うことはないでしょ?」

秋穂「いや、いいの…本当の事だし…」

果南「でも…」

19 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 13:59:56.10 ID:Xga/NTNL.net
秋穂「理事長の言う通り…私は無能で役立たずのポンコツ」

果南「………」

秋穂「けど、そんな私でも…あの人のために舞台を整えることくらいは出来るの!」

鞠莉「……秋穂ッチ、もう手遅れなんだよ」

鞠莉「8月3日に人類は滅亡するの……この事実はもう覆らない」

秋穂「そんなことない!滅亡なんかしない!必ず人類を救う救世主が来る!来てくれる!」

鞠莉「……甚だ疑問だね……誰のことを言ってるの?救世主って」

秋穂「……ほの」

鞠莉「高坂穂乃果ですか…」

秋穂「そうだよ…穂乃果おばちゃんがきっと…!」

鞠莉「人間は…好きな人に何かあったら目を逸らすものですね…」

鞠莉「秋穂ッチ……穂乃果さんはね……死んだの」

秋穂「……っ!」

20 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 14:06:09.61 ID:Xga/NTNL.net
秋穂「死んでないもん……おばちゃんは生きてる!」

鞠莉「……はぁ、例え生きてるとしてどうするの?」

鞠莉「その穂乃果さんはアキバドームいっぱいに人を集められるほど集客力あるの?」

秋穂「ある!!」

鞠莉「……今、世間は“あいどる”があんな事を暴露したから大パニックよ?」

鞠莉「誰かに操られてるんだとか、言わされてるんだとか、何か理由があるんだとか…はたまた陰謀論を唱える人まで…」

鞠莉「誰も現実を見ようとしない……そんな状態の人たちが8月3日のフェスティバルに来れるの?」

秋穂「……ラジオからおばちゃんの歌が流れたの」

鞠莉「……?……それが?」

秋穂「東京でちょっとしたブームになってるらしくて……おばちゃんの歌が希望に……みんなの心の支えになってる……と思う」

鞠莉「……それが集客力の根拠?」

秋穂「根拠っていうか……まぁ結局、人が集まるだろうなっていうのはただの勘……だけど……」

鞠莉「だけど……?」

21 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 14:10:51.65 ID:Xga/NTNL.net
秋穂「私の勘、結構バカに出来ないんだ…!」

果南「……そ、それだけ?」

秋穂「うん」

鞠莉「アンビリーバボー……今のご時世に、こーんなおバカさんがまだいるんだね……」

果南「……ねぇ、マリー」

鞠莉「なに?」

果南「千歌は……ダイヤと花丸ちゃんと一緒にいずれ帰ってくる」

果南「ルビィちゃんは真姫さんについてるし」

果南「曜ちゃんも絵里さんと一緒」

果南「あとは善子ちゃんと梨子ちゃんさえ戻れば……Aqoursは」

鞠莉「……そんな簡単に揃うなら、苦労してないよ」

果南「……っ」

秋穂「理事長…」

果南「あ〜〜っ、もうッッ!」

22 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 14:12:58.67 ID:Xga/NTNL.net
果南「いい加減にしてよッ!」

秋穂「!」

鞠莉「か、果南…?どうしたのいきなり…?」

果南「どうしたもこうしたもないっての!!」

果南「いったい、いつまで病んでる気!?」

鞠莉「か、果南には関係ないでしょ!!」

果南「なに言ってんの!あるよ!」

鞠莉「!」

果南「……友達、でしょ?」

鞠莉「……!」

鞠莉「果南…」

果南「だいたい!!マリーがそうやってウジウジするの似合わないから!!」

秋穂「た、確かに…」

果南「でしょ?ほんっと!腹立つよねコイツ!」ビシッ

鞠莉「なっ…!」

果南「ふふんっ、昔のお返し…!」

鞠莉「〜〜〜っ!」

23 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 14:15:07.01 ID:Xga/NTNL.net
秋穂「で、えーっと……」

果南「あっ……///」

果南「ゴホンッ…ま、やるにしてもやらないにしても」

果南「このまま何もせずに待ってたら、みんな死んじゃうんだよ」

鞠莉「………」

果南「Aqoursも再集結出来ないまま、みんな死ぬ」

果南「マリーは……本当にそれでいいの?」

鞠莉「………ったわよ」

果南「え?」

バンッ!!

鞠莉「わかったわよ!!この小原鞠莉がやってやろうじゃないッッ!!」

果南「マリー!!」

秋穂「理事長!!」

24 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 14:19:15.67 ID:Xga/NTNL.net
鞠莉「この大一番!私がいなきゃ始まらないわよねっ!」

果南「うんうん!この感じこそマリーだ!」

鞠莉「秋穂ッチ!」

秋穂「へ…な、なに?」

鞠莉「8月3日のアキバドーム!押さえといてあげる!」

秋穂「あ、ありがと…!」

鞠莉「ま、そもそもウィルスを捲くそんな日にアキバドームで歌いたいって物好きは他にいないでしょうから、簡単に取れるでしょうけど」

鞠莉「……必ず、来てもらうわよ」

秋穂「えっ…?」

鞠莉「あなたの最愛の人」

秋穂「……!」

秋穂「うん、必ず!!!」

25 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 14:25:06.05 ID:Xga/NTNL.net




都民1「なんで“あいどる”があんな事を!?」

都民2「“あいどる”がウィルスをばら撒いたなんて…信じたくねぇ…!」

都民3「死にたくない……死にたくない……」

ジジッ…

『みなさん、私は氷の女王』

都民4「ラジオから…!氷の女王だ…!」

『8月3日の武装蜂起は中止します』

都民5「えぇ!?あんなに言ってたのに…」

『その代わり8月3日にフェスティバルを開きます、アキバドームに来てください』

都民6「アキバドームに!?」

『噂の…あのシンガーがやって来ます』

都民7「なに!?グータラスーダラが生で聞けるのか!?」

『あの曲を聴くために、そして殺人ウィルスから身を守るために、必ず参加してください!!』

26 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 14:27:53.21 ID:Xga/NTNL.net
都民1「……どうするんだよ」

都民2「どうするもなにも、“あいどる”の言っていた事が本当なら……今は氷の女王を信じるしか」

都民3「“あいどる”に対抗できるのは、氷の女王一派だけだろ…」

都民4「あの曲を……聴けるのか」

都民5「アキバドームで……フェスティバル……」

都民6「待ってくれよみんな!“あいどる”を信じるものにこそ…幸せが…!」

都民7「今でも本当にそう言い切れるか…?」

都民6「っ、それは…」

都民8「……どうしよっか、8月3日」

都民9「アキバドーム……行く?」

都民「・・・・・」

27 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 14:34:18.85 ID:Xga/NTNL.net




ジジッ…

『フェスティバルを……噂のあの……』

善子「聞いた、今の!?」

理亞「聞いたわよ。私たち以外にラジオ放送する人がいたのね」

善子「そっち!?違うわよ!フェスティバルよ!アキバドームで!」

聖良「氷の女王って“あいどる”に真っ向から対立してる過激派集団のリーダーですよね?信じて大丈夫なんでしょうか」

理亞「っていうか善子、行きたいの?」

善子「氷の女王と小原家が協力関係にあるって噂を聞いた事があるの!」

善子「アキバドームに行けば…みんなに会えるかもしれないのよ!」

28 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 14:38:06.91 ID:Xga/NTNL.net
善子「……それに、どっちにしたって、この北海道からは出なきゃならないんだし」

理亞「ど、どうしてよっ!」

善子「どうしてって……ここにまたウィルスがばら撒かれるからよ!」

理亞「なんで……狙いは東京だけなんじゃないの?」

聖良「“あいどる”のあの口ぶりから察するに……いずれ世界中にウィルスをばら撒くでしょうね……」

善子「そうよ、世界の国々は猶予がまだあるけど、日本の一部である北海道は時間の問題よ」

理亞「……出ないと……行けないのね」

善子「食料も無くなって来たんだし……頃合いでしょ?」

善子「このままだとウィルスで死ぬより先に餓死するわよ」

29 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 14:42:37.25 ID:Xga/NTNL.net
聖良「……2人は出た方がいいかもしれませんね」

善子「…2人?2人って聖良さんは…」

聖良「……私は出ません」

善子「!?」

理亞「な、なんでなの姉様!?ここにいたら死んじゃうっ!」

理亞「北海道にはもう食べ物がないし…!」

聖良「理亞、私はこの地で生まれて育った…」

聖良「…ここで死ぬなら本望」

理亞「や、やだっ…!姉様も一緒に…!」

30 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 14:46:02.67 ID:Xga/NTNL.net
善子「……聖良さん、理亞もこう言ってることですし……一緒に行きましょうよ」

聖良「……善子さんや理亞の気持ちは嬉しいです」

聖良「でも、さっき言ったように、ここは私の故郷なんです」

聖良「そこを捨てる事なんて…私にはできません」

聖良「私は…端からここで朽ちるつもりだったんです」

善子「………」

聖良「ですが、2人もここで一緒に……なんて強制はしません」

聖良「私は気にせず、行ってください」

理亞「やだっ…!やだっ…!姉様ぁ…!」

聖良「ふふっ…泣かないで、理亞…」

31 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 14:49:09.57 ID:Xga/NTNL.net
聖良「ここに最後まで残る事が…この地への私なりの恩返し…」

善子「……あの、聖良さん」

聖良「はい…?」

善子「……なんていうか……それって、野垂れ死にみたいじゃないですか?」

聖良「……野垂れ死に?」

善子「ここで死ぬ事が恩返しとか……全然そんな事ないと思う……みたいな」

善子「私が思うに…この町を復興させる事が本当の恩返しなんじゃないかな…って」

聖良「……善子さん」

32 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 14:51:43.96 ID:Xga/NTNL.net
聖良「確かに……そうかもしれないですね、善子さんの言うとおりかもしれません」

聖良「……わかりました、東京に行きましょう!」

理亞「姉様!!」

聖良「そこにAqoursのみなさんもいるんですよね?」

善子「え…えっとぉ…た、たぶん…?」

理亞「なんなのそれ…わからないの?」

善子「ずっとここにいるんだから、わかるわけないでしょぉっ!!!」

聖良「…クスッ」

33 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 15:02:01.12 ID:Xga/NTNL.net
ブウゥゥゥン…

聖良「ふふっ…堕天使なのに優しいんですね、善子さん」

善子「えっ…!?い、いやぁ…その…」

善子「……曜とルビィと私で追手から逃げて、北海道まで来て、その時に匿ってくれたのは聖良さんなので…」

善子「やっぱり、私としてもその時の恩返しがまだ出来てないから死なせられないし…一緒に来て欲しくて…」

善子「あとそれに、なにもここで死ぬ事が恩返しじゃないなと思ったし…」

理亞「うん、善子の言うとおり…ね、姉様…!」

理亞「戻って来たらまた一緒にお店して、人口増やして、昔みたいに活気のある街にしよう?」

理亞「善子も手伝ってくれるみたいだし」

善子「え…ちょ、ちょっと!なに勝手なこと言ってんのよぉ!」

聖良「……ふふっ、本当ですか?」

善子「うっ…!」

善子「は、はい…一緒に復興お手伝いします…」

聖良「ありがとうございます!」

34 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 15:07:58.29 ID:Xga/NTNL.net
ブルルンッ

理亞「というか…これ、どこに向かってるの?」

善子「くくく…よくぞ聞いた!」

善子「我らを救済すべし、一縷の希望への…」

理亞「で?どこに向かってるのよ?」

善子「っ……工場よ」

理亞「工場……?」

聖良「前に善子さんと2人で来た時に、私たち以外に人がいたって話をしたでしょ」

聖良「あっ…善子さん、確かこの辺りですよね」

善子「そうです!あそこです!」

35 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 15:16:19.24 ID:Xga/NTNL.net
スタスタ…

・・・シーン

理亞「……ここに人がいるの?」

善子「まだ表にヘリコプターがあったし…いると思うわ」

善子「……ねぇ!」

・・・シーン

聖良「……返事ないですね」

善子「ねぇってば!」

・・・シーン

理亞「もういないんじゃないの?」

善子「……おかしいわね」

「……なに?」

善子「うわぁっ!」

36 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 15:19:40.06 ID:Xga/NTNL.net
聖良「本当にいたんですね」

理亞「というか時差ありすぎでしょ…」

善子「つぅ〜…前もそうだったのよ、まったく…」

善子「ねぇ、私なんだけど!」

「……誰だよ」

善子「なっ…!ヨハネよ!ヨハネ!」

「……なんだ、お前か」

善子「なんだって何よ!」

善子「いい!?今日は大事な事を言いに来たの!」

善子「“あいどる”が…!」

「ウィルスをばら撒くって話か?」

善子「」ズルッ

理亞「知ってるのね」

聖良「あはは、向こうの方が一枚上手ですね」

37 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 15:23:44.75 ID:Xga/NTNL.net
善子「知ってるんなら出て来なさいよ!」

善子「死んじゃうでしょ!」

「……ここで死ぬのも悪くない」

善子「〜〜っ!」

善子「はぁ……とりあえず、出て来て話しましょうよ」

善子「ほら、早く」

「…………」

善子「……で、出て来なさいよッ!?」

理亞「高圧的なのがダメなんでしょ」

善子「はぁ!?高圧的とか理亞にだけは言われたくないからぁ〜!」

理亞「なっ…///」

理亞「私のどこが高圧的なのよ!」

善子「デフォルトでしょ!」

善子&理亞「ぐぬぬ…!」

38 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 15:27:52.30 ID:Xga/NTNL.net
聖良「まぁま2人とも…」

聖良「あの…私たち東京に行きたいんです、助けて頂けませんか?」

「……なぜ、東京に行きたいんだ?」

聖良「生きるためです」

聖良「生きて、この町をまた盛り上げたいんです…」

「……馬鹿馬鹿しい、“あいどる”に勝たなければ生きれない」

「“あいどる”は俺の、俺だけのアイドルだったんだ…太陽だったんだ、そんな人に裏切られて俺は…」

聖良「なら、見返してやりましょうよ…!」

聖良「勝って…見返しましょう!」

善子「……女性が誘ってくれてるのに、それに応えない男なんて、どんなアイドルからも見限られて当然でしょ」

「………」

39 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 15:34:15.43 ID:Xga/NTNL.net
聖良「……逆効果かな」

理亞「姉様は悪くない!中の奴が意気地なしなだけ!」

ガチャリ

理亞「!?」

善子「!!」

キィィ…

酒井「好き勝手言ってくれるな」

善子「よ、ようやく出て来た…」

酒井「お前…」

善子「むっ…な、なによ」

酒井「見たことあるな…」

40 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 15:38:55.52 ID:Xga/NTNL.net
理亞「さすが姉様…こんな短時間で説得できるなんて!」

聖良「お名前は?」

酒井「酒井だ」

聖良「酒井さん…私は鹿角聖良です、こっちが妹の理亞」

理亞「………」ジー

善子「そして私がご存知、堕天使ヨハネ!」

酒井「津島善子だろ」

善子「げっ…!な、なぜそれを…!」

酒井「なんでもいい、行くぞ」

41 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 15:45:19.89 ID:Xga/NTNL.net
ザッ…ザッ…

善子「このヘリコプター、やっぱりあんたのだったのね」

酒井「2年ぶりだからな…動くかどうか」

カチャッ

ヒュン……ヒュン……ヒュンヒュンヒュン ブウゥゥゥン!!!!!

聖良「全然いけそうですね」

酒井「あぁ、錆びが気になったが大丈夫そうだ…」

酒井「乗れ」

善子「……ありがとう」

酒井「行くぞ、東京に…」ガチャ

ウウウゥゥン…!

42 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 16:24:35.03 ID:Xga/NTNL.net




ノソノソ…

ことり「ゆっくりね…!ゆっくり運んでね…!」

ルビィ「お、重い〜…!」

真姫「大切なワクチンだものね…注意して扱わないと」

真姫「よいしょ……って、本当に重いわね……」

雪穂「………」

公野「どうだった?久しぶりに娘の喋ってる声聞いて…」

雪穂「……久しぶりっていうか、初めてです」

公野「そっか…穂乃果に預けた時、あの子まだ…」

雪穂「…0歳でした」

雪穂「……無茶な事しなければいいんだけど」

公野「お母さんってのはいくつになっても、どんな時でも子供が心配なんだねぇ〜…」

43 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 16:27:19.08 ID:Xga/NTNL.net
スタスタスタ…

「ふふん…!」

雪穂「え…?」

「だーれだ!」バッ

雪穂「わっ…!ちょっ…!って、え…?この声!」サッ

亜里沙「久しぶり!雪穂!」

雪穂「亜里沙!な、なんでここに…?」

真姫「私が連れてきたのよ」

真姫「ニューヨークの研究所、あのカプセルに収容されてた子たちは、みんな無事に解放できたわ」

亜里沙「へへ、雪穂…知らない間にお母さんになってたんだね!」

雪穂「あっ…えっと…その、ごめんね…」

亜里沙「……うーうん、いいの」

亜里沙「本を正せば、急にいなくなっちゃった亜里沙が悪いんだから…」

44 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 16:31:57.38 ID:Xga/NTNL.net
公野「……ま、せっかくの再開なんだし……そういう辛気臭いのは無しにしなさい」

亜里沙「GOD…」

雪穂「神様…そうですね…」

公野「それより、ほら」

公野「終わったみたいよ」

雪穂「………!」

ことり「お、お待たせ〜!ワクチンの箱詰め出来たよ〜…!」

ルビィ「ハァハァ…ゼェゼェ…し、死んじゃいます…」

雪穂「みなさん…お疲れ様です…ありがとうございます…!」

45 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 16:45:27.44 ID:Xga/NTNL.net
公野「確か…真姫とルビィとことりがアキバドームでワクチン配布する係だったわよね」

雪穂「はい、アキバドームにはおそらく何万人もの人が来るはずですから」

亜里沙「雪穂はどうするの?」

真姫「雪穂ちゃんはここに残って、感染した人やアキバドームにまで行けない人を診る係よ」

亜里沙「……なら、亜里沙も雪穂と残る!」

雪穂「なっ……いいの……?」

亜里沙「なんで?ダメなの…?」

雪穂「いや、いいんだけどさ…ただ、アキバドームに行けば絵里さんと会えるよ…?」

亜里沙「……大丈夫、お姉ちゃんとは終わった後に会えるから!」

真姫「フッ……終わった後……ね」

46 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 16:49:13.36 ID:Xga/NTNL.net
ことり「神様もここに残るんですよね?」

公野「……そのつもりだったけど、やーめた」

真姫「は、はぁ…?なんでよ…?あなたが残れば、ちょうど3:3で分けられるのに」

公野「こんな2人の惚気イチャイチャムードに付き合ってられないっての!」

雪穂「なっ…///」

公野「だから、私もアキバドームに行くよ」

雪穂「べ、別に惚気てなんてないですからっ!」

亜里沙「そう?亜里沙はイチャイチャしてもいいよ♪」ギュー

雪穂「え、え〜…あ、亜里沙ぁ」

亜里沙「うふっ…♡」ギュー

47 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 16:53:36.61 ID:Xga/NTNL.net
真姫「じゃあ、行くわね」

雪穂「はい、お願いします…」ペコッ

亜里沙「お願いします!」ペコッ

ことり「2人も気をつけてねっ…!」

雪穂「はい、こっちは任せてください」

公野「…よーしっ…じゃあμ'sの名前を…」

ことり「“あいどる”から…!」

真姫「…取り戻しに行くわよ」

ルビィ「お〜〜っ!」

ブルルンッ…!

48 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 16:59:04.17 ID:Xga/NTNL.net
ブゥゥゥゥン…!

雪穂「………」

亜里沙「……心配なの?」

雪穂「ワクチンの効果に不安はないよ……けど、やっぱり」

亜里沙「……大丈夫!」

雪穂「え…?」

亜里沙「お互い頼りになるお姉ちゃんがいるでしょ!」

雪穂「亜里沙……」

亜里沙「やっぱりママは子供が気になるんだね〜!」

雪穂「……これ以上あの子に辛い思いはしてほしくない……何があっても」

亜里沙「……ハラショー、いいものだね、親子って……」

雪穂「あはは……」

雪穂「……みんな」

雪穂「お姉ちゃん……」

雪穂「あの子を……守ってあげて」

49 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 17:04:44.34 ID:Xga/NTNL.net
公野「おえぇ…げぇぇ…」

真姫「んもうっ…情けないわね…!」

公野「ごめんごめん…って、おぇぇ…」

ことり「…雪穂ちゃん、昔みたいな笑顔が戻ってよかった…」

公野「…まぁ、そりゃあ恋人と再会したんだもんね…超レズだけど」

ルビィ「か、神様…言い方…」

真姫「……もしかしてあなた、空気を読んでこっちに来たわけ?」

ことり「え…そうなんですか?なら、素敵♪」

公野「……はっ、いや……ホントにあの2人のムードに耐えられそうになかっただけだよ」

真姫「……ふっ」

ことり「素直じゃないな〜……♪」

ブゥゥゥゥン…

50 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 17:08:44.71 ID:Xga/NTNL.net




-8月3日-

海未「いよいよ…今日ですね」

花陽「みんな…アキバドームに行ったのかな…それとも家に篭ってるのかな…」

花陽「……海未ちゃん見た?あれ」

海未「あれって、なんのことですか?」

花陽「ほとんどの家が窓を板で塞いだり、通気口をガムテープでぐるぐる巻きにしてね」

海未「……そんな方法で助かるんですか?」

花陽「無理だよ…助かるわけないよ」

花陽「だって“あいどる”は白状したんだよ…?」

花陽「血の大晦日も2035年のウィルス散布も全部…自分がやったって…」

海未「………」

51 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 17:12:04.82 ID:Xga/NTNL.net
花陽「もう割れちゃったんだよ?みんなに…」

花陽「“あいどる”は救世主でも、平和の象徴なんかでもない、ただの殺戮者だって…」

花陽「あそこまで言ったんだもん…もう“あいどる”も後には引けないはずだよ」

花陽「家に篭ったくらいで凌げる…生やさしいウィルスなわけがない」

海未「……でも、大丈夫じゃないですか」

花陽「え…?」

海未「都民もバカではありません……きっと、来るはずです」

海未「……アキバドームに」

52 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 17:17:31.62 ID:Xga/NTNL.net




〜アキバドーム〜

曜「お客さん…本当に来るのかな…」

秋穂「理事長のおかげでドームも押さえれたし、あとはみんなにこの事が伝わってるかどうかだけ」

鞠莉「そういうこと、やれる事はやったんだし、あとはみんな次第」

果南「お客さんもそうだけど、1番の問題は…」

秋穂「…?なに、1番の問題って…?」

希「穂乃果ちゃんのことやね」

秋穂「…!希おばちゃん…!」

希「きっと来る……そうやんね?秋穂ちゃん」

秋穂「………」

希「……秋穂ちゃん?」

53 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 17:23:00.39 ID:Xga/NTNL.net
秋穂「穂乃果おばちゃんなら来てくれるって信じてる……でも」

秋穂「穂乃果おばちゃんの耳にフェスティバルのことが入ってるかどうか…」

秋穂「それに……もし来なかったら、お客さんになんて言えばいいか……」

希「秋穂ちゃん……」

「絶対に来てくれるよッッ!」

秋穂「……!」

曜「こ、この声っ!」クルッ

千歌「絶対、ハァハァ…うん、来てくれる…!」

曜「千歌ちゃんッッ!」

果南「千歌!」

秋穂「あ、あなた…」

54 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 17:27:41.26 ID:Xga/NTNL.net
鞠莉「千歌ッチが来たって事は〜…♪」

スタスタ

ダイヤ「…お待たせしてしまいましたか、鞠莉さん?」

鞠莉「ふふっ…ぜーんぜんっ!待ってないよ、ダイヤ♪」

花丸「3年生は揃い踏みか〜いいなぁ…マルはぁ…」

果南「ルビィちゃんも善子ちゃんもいずれ来るから、安心しなって!」

花丸「ずら〜…」

ダダダダダッ!

花丸「ダダダ…?」

バッ!

善子「ずら丸〜!!久しぶりじゃない〜!!」ダキッ

花丸「よ、善子ちゃん…!」

善子「〜〜っ!!!」ギューーー!

花丸「よ、ヨジゴぢゃん…ぐ、ぐるじいずら…!!」

善子「…!!」ハッ

ドンッ!

善子「は、離れなさいよっ!!///」

善子「っていうかヨハネ!!///」

花丸「ゲホッ…ゲホッ…自分からくっついてきたくせにぃ…」

55 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 17:31:30.80 ID:Xga/NTNL.net
スタスタ…

聖良「ふふ…やっぱり、久しぶりに仲間と会うとテンション上がっちゃうんですね」

理亞「善子…子供みたい」

千歌「せ、聖良さん!理亞ちゃん!」

理亞「……」キョロキョロ

理亞「……ルビィは……?ルビィはいないの?」

ダイヤ「まだ来ていませんわ…ですが、いずれ…」

善子「というか、あいつは?どこに行ったの?」

聖良「酒井さん…私たちを降ろしたあと、すぐどこかに行ってしまいました」

千歌「あいつって?」

善子「私たちをここまで連れて来てくれたのがいたんだけど、行っちゃったみたい」

56 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 17:36:11.53 ID:Xga/NTNL.net
希「えーと、ちょっといいかな?」

ダイヤ「え?……え!!?」

ダイヤ「みゅ、μ'sの……!!」

理亞「東條希!!……さん」

ダイヤ「な、なんでここに…!?」

希「うーん…ウチは秋穂ちゃんの引率っていうか保護者っていうか…」

希「あっ…えっとぉ…ごめん!その辺の話はとりあえず後でいいかな?」

希「先にウチたちの可愛い娘、秋穂ちゃんの疑問を解消してあげてくれない?」

聖良「む、娘…ですか…?」

ダイヤ「の、希さんに娘さんがっ!?」

希「あっ…あちゃぁ…話、こじれてきちゃった…」

秋穂「希おばちゃんが変な事言うから……」

希「だってぇ〜♪本当にウチたちの可愛い可愛い娘なんだもん」

秋穂「それは……まぁ……ありがと……」

57 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 17:39:39.53 ID:Xga/NTNL.net
秋穂「……あのさ」

千歌「えっ…わ、私?」

秋穂「うん…。さっきさ…穂乃果おばちゃんが絶対に来てくれるって言ってたけど…なんで、そんな事が自信満々に言えるの…?」

ダイヤ「穂乃果おばちゃん…?穂乃果おばちゃんってまさか…!?」

善子「……」

鞠莉「シャラップ!ダイヤ、テンション上がりすぎよ!」

ダイヤ「うっ…!す、すみません…はしゃぎすぎましたわ…」

果南「あの子は高坂秋穂、穂乃果さんの姪っ子」

ダイヤ「!!???」

善子「……」ワナワナ

鞠莉「もう、果南っ!そんなこと言ったら、またダイヤが興奮しちゃうじゃない!なんで言うの!?」

善子「……ッッ」プルプル

果南「別にこれくらいはいいでしょ!」

ワチャワチャ!!

善子「……ッッ!!んもうッッ!!大事な話してるんだから、とりあえず黙りなさいよぉッッ!」

ダイヤ&果南&鞠莉 「……!」ビクッ

ダイヤ&果南&鞠莉「……」シュンッ

花丸「…意気消沈…」

58 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 17:42:54.03 ID:Xga/NTNL.net
ギャーギャー…!

千歌「あはは……ごめんね、騒がしくて」

千歌「あのね……私、会ったの」

秋穂「……え?」

千歌「昔、画面の向こうで見た姿そのままだった…楽しそうに歌ってたよ」

秋穂「……じゃあ、あのラジオから流れてた歌はやっぱり……おばちゃんの」

聖良「ラジオ…?もしかして、ラジオって私たちのラジオじゃないですか?」

希「ラジオ放送してたのってあなたたちなの?」

聖良「はい、北海道の方で」

善子「千歌、さっき言ってた歌って…もしかして、グータラスーダラのこと?」

千歌「それ!そうだよ!まさしくそれ!」

善子「やっぱり……私も会ったわよ、穂乃果さんに」

理亞「……気づかなかったけどね」

善子「……ッッ。うるさい!」

59 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 17:46:38.02 ID:Xga/NTNL.net
千歌「うっそぉ〜!?善子ちゃん、気づかなかったの!?」

ダイヤ「あの穂乃果さんを認識出来ないなんて……信じられませんわ……」

花丸「仮にもスクールアイドルだったのに…」

善子「〜〜ッッ!!あ〜もうっ!うるさいわね!って言うか仮にもってなによっ!?」

グスッ…

善子「え……?」

秋穂「……グスッ、良かった」

希「秋穂ちゃん…」スッ

秋穂「穂乃果おばちゃん…グスッ」

秋穂「私の……穂乃果おばちゃん……」

秋穂「生きてた……」

60 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 17:53:07.04 ID:Xga/NTNL.net
「まだ泣くのは早いんじゃないの?」

秋穂「!!」

秋穂「…!」ゴシゴシ

秋穂「だ、誰…?」

「ゔえぇ…!」ズルッ

真姫「まったくぅ……最後まで勝負は分からないんだから泣くのはダメよ」

秋穂「ま、真姫おばさん…!」

真姫「誰?なんて失礼ね…本当そういうところ、伯母そっくり…」

タッタッタッ!

ことり「真姫ちゃん、行くの早いよ〜!ワクチン持って来ないと…!」

秋穂「あっ…」

ことり「…あっ!」

秋穂「ことりおばちゃん…」

ことり「秋穂ちゃん…」

ダイヤ「あ〜…真姫さん、ことりさん…もうダメです…」フラッ

果南「もうっ…!しっかりしなよ、ダイヤ!」

鞠莉「なかなか見れないダイヤだね!レアレア♪」

61 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 17:58:07.32 ID:Xga/NTNL.net
希「2人とも、久しぶりやね」

真姫「希…そうね、元気そうで良かったわ」

希「真姫ちゃんもね」


秋穂「ことりおばちゃん…身体、平気なの…?無理しないでいいんだよ…?」

ことり「うーうん…違うの秋穂ちゃん…」

秋穂「え?」

ことり「私、逃げてただけだったの…穂乃果ちゃんがいなくなって…不安になって…そんな現実から目を背けてただけだったの…!」

ことり「ごめん…ごめんね、秋穂ちゃん…!」

ことり「私、秋穂ちゃんや海未ちゃんに任せっぱなしにして……重荷を背負わせちゃってた……」

秋穂「……そんなの、全然いいんだよ……私こそごめんね……ことりおばちゃんの気持ち、わかってなかったから……」

ことり「秋穂ちゃん…」

秋穂「今日…一緒に頑張ろう…!」

ことり「うん…うん…!」ギュッ

秋穂「えへへっ…ことりおばちゃんに抱きしめてもらうの…久しぶり…」

ことり「秋穂ちゃん〜〜っ!」ギューーー

秋穂「……ッッ!!こ、ことりおばちゃん……く、苦しいよ〜〜!!」

ことり「ぎゅーー!」ギューーー!

秋穂「ぐっ…!!」


希「微笑ましいなぁ」

真姫「……そう?」

62 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 18:02:43.84 ID:Xga/NTNL.net
希「そういえば…なんで真姫ちゃんたちはここに?」

真姫「あれよ」ビシッ

ノタノタ…

ルビィ「重い……うぅ……真姫さ〜ん!これ……どこに置けばいいんですかぁ……?」

花丸「る、ルビィちゃん!」

ダイヤ「ルビィ!」

ルビィ「…へっ?もしかして花丸ちゃん!?お姉ちゃん!?って…わわ!!」グラッ

希「あっ…危ないっ!」ダッ

パシッ

ルビィ「あ、ありがとうござ…って…の、希さん…!」

希「大丈夫?怪我はない?」

ルビィ「希さんに助けてもらえて…ルビィ、感激〜///」

果南「μ'sの人たちに会うたびにこうなるの?」

善子「……面倒くさい姉妹」

63 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 18:07:32.06 ID:Xga/NTNL.net
秋穂「あれよってどういうこと?真姫おばさん」

真姫「あのケースの中に入ってるのよ…今回のウィルスのワクチンがね」

秋穂「なっ…!出来たの…!?ワクチンが…!?」

真姫「えぇ、何とか間に合ったわ」

秋穂「そんな…誰が…どうやって…」

真姫「……命がけで作ったのよ、あなたのお母さんがね」

秋穂「……!!」

秋穂「…お母さんが」

秋穂「そっか…」

真姫「私とことりはここでワクチンを配るために来たのよ」

秋穂「……お母さんは?」

真姫「残念ながら来てないわ」

秋穂「そう……」

真姫「別の場所でワクチンを配って、患者を診てるわ」

秋穂「……お母さんにはお母さんの都合があるもんね」

秋穂「えへへ…会いたいとか、ワガママ言ってられないよね」

真姫「秋穂……ふふ、強い子ね」

64 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 18:10:35.59 ID:Xga/NTNL.net
花丸「ルビィちゃん全然変わってないずら〜!」

善子「ま、ずら丸も大して変わってないけどね」

ルビィ「変わったかどうかは置いといて…とにかくみんな元気そうで良かったっ!」

花丸「ところで、ルビィちゃんは今まで何をしてたの?」

ルビィ「うん!あのね…ルビィ、真姫さんの助手さんをしてたの!」

ダイヤ「ま、真姫さんの助手を!?う、羨ましい…」

鞠莉「シスターにジェラシーはみっともないよ、ダイヤ♪」

ダイヤ「別に嫉妬なんてしてませんわっ!」

千歌「……へへ」

果南「!…どうしたの千歌?」

千歌「いや、なんか懐かしい感じだなと思って…」

果南「そうだね…でも、まだ8人」

曜「あとは…」

千歌「梨子ちゃんだけ…だね」

65 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 18:14:32.70 ID:Xga/NTNL.net
「えっと、噂をすればって感じかな…?」

千歌「え…!?」

梨子「千歌ちゃん、みんな、久しぶり!」

千歌「り、梨子ちゃん!」

曜「おかえり〜!梨子ちゃんッ!」ダキッ

梨子「うふっ…ただいま、曜ちゃん」

スタスタ…

梨子「!」

ダイヤ「梨子さん…!」

花丸「梨子ちゃん…!」

梨子「2人とも…あの時は逃がしてくれて…本当にありがとう…」

ダイヤ「……今、こうやって3人また会えた」

花丸「それで充分だよ!」

梨子「……うん、ありがとう」

66 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 18:17:14.07 ID:Xga/NTNL.net
千歌「これで9人!」

曜「揃ったね!」

梨子「十数年ぶりだけど…!」

ダイヤ「みんな、何も変わってませんわ!」

花丸「ま、おばさんにはなっちゃったけどね!」

鞠莉「見た目がビューティフォーならそれでオーケー!」

ルビィ「やっぱり9人揃うと気持ちが高ぶるねっ!」

善子「ふっ…いい大人が高揚しちゃって」

果南「さっき、久しぶりに会えて嬉しいからって年甲斐なく花丸ちゃんに抱きついてたのは…どこの誰だったっけ?」

善子「」ドキッ

千歌「私、こうやってみんなとまた会えるの、ずっと楽しみにしてたんだよ!」

鞠莉「ザッツライト!私もこの時をどれほど待ちわびたか!」

曜「またこの9人でさ…歌おうよ!!」

梨子「うんっ!」

千歌「でも…そのためにはまず、“あいどる”を倒さないとね!」

67 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 18:21:27.73 ID:Xga/NTNL.net
ワイワイ…ガヤガヤ…!

秋穂「なんか…楽しそうだね」

秋穂「私も…お母さんやおばちゃんとああやって…」

ことり「秋穂ちゃん…」

ことり「あっ……そういえばぁ……梨子ちゃんが来たってことは……」

ハターキ「うん、私も来てるよ」

ことり「…!先生!」

秋穂「……ッッ!」

秋穂「は、ハターキ!」

秋穂「なんでここにッ!?」

ことり「あ、秋穂ちゃん違うの!警戒しないで!先生は別に“あいどる”側ってわけじゃないの!」

秋穂「……ほんと?」

ことり「ほんとだよっ!信じて!」

秋穂「ことりおばちゃんが言うなら……信じるけど」

ことり「ホッ…ありがとう♪」

68 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 18:24:23.51 ID:Xga/NTNL.net
理亞「……というか、お客さんって来たの?」

秋穂「まだ……でも、お母さんが作ったワクチンがあれば、お客さんも来てくれるはず……」

公野「いや、そんなことしなくても…」

秋穂「…?」

ダダダッ!

男A「秋穂さん!」

秋穂「…!なにかあった!?」

京極「真姫さん!」

真姫「そんなに慌ててどうしたの?」

男A&京極「とにかく舞台の方に来てくださいッ!」

69 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 18:28:19.27 ID:Xga/NTNL.net
ダダダッ!

キュッ…!

秋穂「はぁ…はぁ…!」

希「こ、これ…!」

ことり「すごいっ…!」

ザワザワザワザワ…!

グータラスーダラ~! グータラスーダラ~! グータラスーダラ~!

真姫「満員…ね」


こころ「希さ〜ん!」


希「!…こころちゃん!」


こころ「ちゃんと来ましたよ〜!」

ここあ「ん〜?あっ!あの時の!氷の女王!」


秋穂「あっ…!にこおばちゃんの…」

70 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 18:31:35.55 ID:Xga/NTNL.net
男A「めっちゃお客さん入りました!今、真姫さん達が持って来たワクチンも配布してます!」

秋穂「うん、ありがとう……こんなに入ってくれるなんて……」

希「フェスティバル開始まであと少し……」

希「穂乃果ちゃんが来るまで何かで繋がないと……」

ことり「えっ…穂乃果ちゃんがここに来るの!?」

希「予定ではね」

秋穂「……来る。穂乃果おばちゃんならきっと!」

71 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 18:36:03.83 ID:Xga/NTNL.net
聖良「あの…もうすぐライブ始まるんですよね?」

希「うん、あと少しでね」

理亞「穂乃果さん…間に合うんですか?」

希「それが…いつ来るかわからないんよ…それまで繋がないと」

公野「なら、先生に演奏してもらえば?」

ことり「それ、ナイスアイデアです!先生、お願いします!」

ハターキ「私は構わないよ…でも、他のパートは?」

男達「俺ギター出来ます!」「ベースを!」「ドラムやります!」

ハターキ「ボーカルは?」

千歌「私たちにやらせてください!」

秋穂「!」

真姫「……いけるの?こんな急に」

千歌「私たち、元スクールアイドルなんで!大丈夫です!」

真姫「……そうじゃなくて、久しぶりに再会するんでしょ?歌とか踊りとか……出来るの?」

千歌「そ、それは…」

曜「……いけるよ!千歌ちゃん!」

千歌「曜ちゃん……!」

曜「ダンスも歌も身体に染み付いてるんだから!」

梨子「そうだね、たくさん練習もしたし…!」

72 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 18:39:05.07 ID:Xga/NTNL.net
千歌「AqoursとSaint Snowで穂乃果さんが来るまで繋ぎます!」

理亞「はっ…!?なに勝手に言って!」

ルビィ「理亞ちゃん大丈夫!出来るよ!」

理亞「いや、大丈夫とか…そうじゃなくて…」

ルビィ「あっ…ダメ…かな…」

理亞「…〜〜っ!わかったわよ!姉様はいける?」

聖良「私は歌もダンスも大丈夫、心配なのは身体がついてくるかどうかだけかな…」

善子「せ、聖良さんはキレがあるし…大丈夫です!」

聖良「うふっ…ありがとうございます」

千歌「決まりだね…いいよね、秋穂ちゃん」

秋穂「……うん、お願いするね」

秋穂「バックバンドはいるけど一応…彼女たちの曲、集めてあげて!」

男A「は、はい!」ダダッ

73 :今日はここまで(光):2020/07/26(日) 18:42:43 ID:Xga/NTNL.net
千歌「大役だけど、みんな出来るよね!」

曜「ヨーソロー!千歌ちゃんのやる事なら、どこにだってついて行くよ!」

梨子「なんかこういうの久しぶりでドキドキしちゃうね…」

花丸「こんなたくさんの人の前で…マル…大丈夫かなぁ…?」

ルビィ「だ、大丈夫…!ルビィも緊張…してるから…!」

善子「なに一つとして大丈夫じゃないし…私もいるし…頑張りなさいよね」

ダイヤ「μ'sの…穂乃果さんのためなんて光栄ですわ…!」

果南「久しぶりだけど、この9人なら行けそうだね…!」

鞠莉「イェス!やってやりましょうっ!」

千歌「行くよ〜!」

千歌「1!」

曜「2!」

梨子「3!」

花丸「4!」

ルビィ「5!」

善子「6!」

ダイヤ「7!」

果南「8!」

鞠莉「9!」

9人「Aqours!」

9人「サンシャイーン!!!!!!!!!」

74 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 19:06:54.13 ID:PqHEvXUl.net

一気に来たな

75 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 21:10:22.27 ID:cLyNRK3Y.net
映画しか見てないけど原作よりライブ会場に集める展開がしっくり来るわ

76 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 23:04:33.03 ID:vTUMeEcv.net
一レス更新されるごとに続きが気になってしょうがないからしばらく待ってからまとめて読んだ
いよいよやな

77 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 23:08:04.41 ID:IfC/e3u5.net
うお〜更新されてる
待ってたぜ!!

78 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 23:44:58.79 ID:5zauhmpO.net
とうとうクライマックスだな

79 :名無しで叶える物語:2020/07/26(日) 23:46:35.75 ID:Mtu1d/ae.net
再会できたのはめでたいけど流石に衣装は用意してないだろうな・・・
ギリ用意できても普通のスーツみたいなのとか

80 :名無しで叶える物語:2020/07/27(月) 00:18:42.73 ID:0/XeAFRC.net
>>79
ここはいっちょスクールアイドルらしく制服を着て

81 :名無しで叶える物語:2020/07/27(月) 10:59:13.93 ID:vyfLi/0U.net
秋穂ちゃんの感情の起伏が激しいところ絶妙にめんどくさい女だな
元気な時はとことん元気なのにちょっとしたことでカリカリしたりドンヨリしたり

82 :名無しで叶える物語:2020/07/27(月) 14:54:03.60 ID:eO+PISHk.net
めっちゃ続き気になる

83 :名無しで叶える物語:2020/07/27(月) 14:59:23.56 ID:q+uRT5gk.net
名作復活してくれたんか
続き希望スレとかが効果あったんやろか

84 :名無しで叶える物語:2020/07/27(月) 18:57:04.41 ID:gsN8llmB.net
>>81
穂乃果の血も入ってるから基本明るい子やけどめんどくささは何分海未ちゃんに育てられたもんで…

85 :名無しで叶える物語:2020/07/27(月) 23:54:41.60 ID:h9uWS4hg.net
再投下もあとちょっと

86 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 00:18:52.67 ID:drpbJZAg.net




“あいどる”「………」

コツ…コツ…

あんじゅ「…ゴクッ」

あんじゅ「あっ……あの、“あいどる”……」

“あいどる”「………」

英玲奈「……“あいどる”のご命令どおり、ウィルス散布のための円盤を発進させました」

“あいどる”「そう…ありがとう」

あんじゅ「あ、あの…」

“あいどる”「なに?」

あんじゅ「わ、私たちは…助かるんですよね?…本当に…」

“あいどる”「……私を信じ、私を愛する者だけが救われる」

あんじゅ「はい…」

“あいどる”「……別にいいよ、μ's側につきたければついても」

あんじゅ「い、いえ…!そんなこと…!」

“あいどる”「まぁ…私がいないμ'sについても未来はないけどね…」

87 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 00:21:10.15 ID:drpbJZAg.net
ダダダッ…!

親衛隊隊長「報告ッ!」

英玲奈「どうしたんだ?そんなに急いで…」

親衛隊隊長「木皿博士が室に篭ってしまい…」

英玲奈「なっ…!なに…!?」

“あいどる”「構わないよ。ロボットのコントローラーも私が持ってるんだし」

“あいどる”「どうせ何も出来やしない…」

“あいどる”「好きにやらせておけば?」

親衛隊隊長「しかし…」

“あいどる”「これは私とμ'sの戦いだからさ、君たち部外者は黙っててよ」

親衛隊隊長「えっ…」

“あいどる”「ふふっ…どうする穂乃果ちゃん…いや」

“あいどる”「穂乃果…」

88 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 00:23:14.91 ID:drpbJZAg.net




サァァァ…

男「げっ…!なんだよ…雨か?」

女「あっ…先輩、見てください上!」

男「はっ…?上…?」スッ

男「…なんだありゃ…円盤…?」

幼女「わぁぁ!すごいすごい!UFOだぁ!」

ダダダッ…!

海未「はぁはぁ…逃げてください!!」

女「え?」

海未「それは雨なんかじゃなくて…!」

男「ぐっ…!?ゴェッ!…んっ!!コパァ!!」ブシャッッッ

女「ひっ…!」

89 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 00:25:49.78 ID:drpbJZAg.net
サァァァ…

女「うぷっ…!」

女「い、いや…なに…!?なに…!?」

女「……うぐっ!!」 ブシャッッッ

幼女「……!!」ピチャッ…

海未「……っ」

幼女「うっ…」

幼女「うぇぇぇぇん…!」

サァァァ…

海未「…ッッ!」ダダダッ

ガシッ!

幼女「…!」

海未「……つっ、大丈夫ですか?」

幼女「う、うん…!ありがとう、おばちゃん!」

海未「皆さんも…ここは危ないので早く逃げてください…!」

都民「わ、わかった…!」

凛「アキバドームに向かってください!」

海未「あなたも…さぁ…」

幼女「うん…!ありがとね!」フリフリ

海未「えぇ、気をつけて…」フリフリ

海未「…ふぅ」

凛「海未ちゃん、凛たちも早く行こ」

海未「そうですね…」

90 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 00:27:04.12 ID:drpbJZAg.net




〜愛民党総本部〜

海未「……」スタスタ

親衛隊隊長「く、来るなッ!」スチャッ

親衛隊A「取り囲め!」

親衛隊B「殺せ!」

海未「……もう」

親衛隊隊長「…ッッ!?」

海未「……もうやめにしましょう」

親衛隊C「な、なにを言っている…!?」

親衛隊D「わ、我々は…最後まで…最後まで“あいどる”を守り抜くッ…!」

海未「………」

91 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 00:31:10.59 ID:drpbJZAg.net
海未「あなた達も…もう、“あいどる”の真意を知っているのでしょう…?」

親衛隊隊長「……ッ」

海未「なら、私たちが争うことがなんの意味もないということもわかるはずです」

親衛隊隊長「………」

親衛隊A「くっ…!すぐにあんじゅ様に連絡を!」

海未「やめてください!」

親衛隊A「…ッ!?」

海未「あなた達も…大変だったんですよね…でも…もういいんですよ」

親衛隊A「……くっ」

海未「みなさん、本当は…すっと馬鹿げた事だと思っていましたよね」

海未「でも、言い出せなくて…言いたいけどグッとこらえて…」

海未「でも、もういいんです…」

親衛隊隊長「………」

92 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 00:33:44.21 ID:drpbJZAg.net
親衛隊隊長「……っ、うぅ……」

親衛隊A「う…うぅ…」

親衛隊B「ああぁ…」

親衛隊C「くぅっ……」スッ

親衛隊D「もう……いいんだ……俺たち……うぅ……」

海未「はい…もういいんです」

ダダダッ!

凛「海未ちゃ〜ん!」

海未「凛!どうでした?」

凛「うん!上の階もみんな、無抵抗で制圧したよ!」

海未「ホッ……そうですか……」

海未「……ん?」

海未「……花陽は?」

海未「花陽はどこですか……!?」

凛「えっ…海未ちゃんと一緒なんじゃ…!!」

海未「…ッッ!?」

93 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 00:35:41.68 ID:drpbJZAg.net
ダダダッ…!

凛「ねぇ!海未ちゃんってば!絵里ちゃんはどうするのっ!?」

海未「絵里のことはにこに任せています!私たちは…!」

スチャッ…

海未「…!」

あんじゅ「うふふ……よく来たわね」

英玲奈「……」

凛「A-RISE…!」

海未「……花陽はどこですか?」

あんじゅ「うふ、知らないわよ……」

凛「…っ、とぼけないで!あなた達が知らないなら…かよちんはどこに…!」

サッ…

凛「……!」

海未「……」

凛「海未ちゃん…?」

94 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 00:37:52.80 ID:drpbJZAg.net
海未「お二人とも…やめましょう…私たちが戦う理由はないはずです」

海未「……いい加減に目を覚ましてください」

海未「いえ…もう本当は覚めているんじゃないんですか?」

海未「ただ…もう、後戻り出来ないと思ってこんな事を…」

あんじゅ「あは……妄想も大概に……」

英玲奈「……あんじゅ、もうやめよう」

あんじゅ「は…?」

英玲奈「“あいどる”はもう…私たちのことなど…」

あんじゅ「いや…え…?な、なに言ってるの英玲奈…あなたもツバサみたいになりたいの…!?」

英玲奈「……すまん」

英玲奈「」スタスタ…

海未「………」

英玲奈「………」

凛「……むぅ」プクー

海未「凛っ…」

凛「もうっ…海未ちゃんは甘すぎるにゃ…」

海未「寛大になりなさい…」

95 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 00:41:51.00 ID:drpbJZAg.net
海未「さぁ…あなたも…早くこちらに…」

海未「穏便に済ませませんか…?」

あんじゅ「うるさい…」

海未「えっ…」

あんじゅ「うるさいわよぉっ!!」

バキュンッッ!

海未「……!」

凛「危ない!!」バッ!

海未「…ぐっ!!」ドサッ

凛「海未ちゃん!大丈夫ッ!?」

海未「え、えぇ…ありがとうございます、凛…」

英玲奈「あんじゅ!やめろ…もう…!」

あんじゅ「全部…全部…計算通りなんだから…ハァハァ…」

あんじゅ「次は当てるわ……」

海未「……お願いします。私はもうこれ以上……犠牲を出したくないんです」

あんじゅ「……ハァハァ」

96 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 00:46:35.08 ID:drpbJZAg.net
あんじゅ「私にとって“あいどる”はすべて…私と“あいどる”がやって来たことを誰にも否定させないわっ…!」

海未「……っ、あなたも“あいどる”の本心がわかったでしょう!?」

海未「あなたほどの人があの様な人間に入れ込む意味がわかりません…!!」

あんじゅ「あの人が気づかせてくれたの…!」

あんじゅ「そう…ラブライブで優勝するよりも…プロのアイドルとして活躍するよりも…大事なことを…大切なことを…」

海未「大切なこと…?」

あんじゅ「もう止められない…止まらないわ…」

あんじゅ「私も…彼女も…」

海未「冷静になってください!今、引き返せば…まだ救える命があるんですっ…!」

あんじゅ「………」

97 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 00:52:15.99 ID:drpbJZAg.net
英玲奈「………っ」

英玲奈「」ダッ!

あんじゅ「…!?」

凛「あっ…!」

海未「なっ…!ま、待ってくださいっ…!」

あんじゅ「いや…いやあああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」バキュンッッ

ブシュッ…

英玲奈「ぐっ…!」 ドサッ…

海未「まずい…!」ダッ

凛「海未ちゃんッ!」

あんじゅ「いや!いや!来ないでえぇぇ!!!!バキュンッッ

海未「……ッ!」サッ

あんじゅ「うっ…!!」

ガッ!

あんじゅ「あっ…!」

海未「やあっ!!」バッ

あんじゅ「あっ!」クルンッ

ドサッ!

あんじゅ「ぐふっ…!」

98 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 00:56:07.53 ID:drpbJZAg.net
海未「ハァハァ…母上から教わった…古武術です」

海未「……少しの間、拘束させてもらいます」

海未「あまり手荒な真似はしたくなかったんですが…」

あんじゅ「うっ…うぅぅ…」

海未「……少しは頭も冷えるでしょう」

あんじゅ「や…いや…」

英玲奈「……ぐっ」

海未「怪我の程度は…?」

英玲奈「あぁ…かすっただけだ…平気だ…」

凛「」スタスタ

海未「凛…」

凛「…ねぇ、かよちんはどこ?」

あんじゅ「ふふ……ふふふ」

凛「……?なにを……笑ってるの?」

あんじゅ「あなた達の…想像のつかないところよ…」

凛「え…?」

海未「………」

あんじゅ「うふふ…教えてあげましょうか…?」

99 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 00:59:07.55 ID:drpbJZAg.net




絵里「……おかしいわね」

虎太郎「え?」

絵里「さっきから看守1人だって見当たらない…親衛隊の人間も右往左往していたし…」

絵里「外で何かあったのかもしれないわね」

虎太郎「何かって…?」

絵里「……もしかしたら、今日は8月3日かもしれないわ」

絵里「……だとすると」

タッタッタッ…

絵里「!」

虎太郎「ッッ!誰か来るよ!」

タッタッタッ!

100 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 01:01:08.11 ID:drpbJZAg.net
にこ「はぁはぁ…」

にこ「みんな、無事…!?」

絵里「にこ…!」

虎太郎「お姉ちゃん…!」

にこ「絵里、良かった無事ね…!って…え、虎太郎!?」

にこ「と、とにかく…みんな早く逃げなさい!」

ガチャリ!

にこ「アキバドームに行くのよ!」

「ありがとうございます!ありがとうございます!」タッタッタッ

絵里「……にこ、外はいったいどうなってるの?」

にこ「どうしたもこうしたも…大パニック、阿鼻叫喚、まさに地獄絵図よ」

絵里「…じゃあ、やっぱり今日は」

にこ「えぇ…8月3日よ」

101 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 01:04:19.15 ID:drpbJZAg.net
虎太郎「でも…なんでアキバドームなの?」

にこ「そこが1番安全なんじゃないかって言った子がいてね…今そこでライブをしてるのよ」

絵里「秋穂ね」

にこ「えぇ…あの子はあの子なりに色々考えたのね」

虎太郎「なら…僕たちも早くアキバドームに!」

にこ「いや…行くなら虎太郎…あなた1人で行くのよ。私はやることがあるの」

絵里「やること…?」

にこ「地上では円盤が空からウィルスをばら撒いてる」

にこ「その円盤を止めないと…話にならないわ」

絵里「ウィルスをばら撒く円盤…それを作ったのって…」

にこ「木皿博士よ…ここにいるはずなんだけど…」

絵里「この広い施設のどこにいるかなんて…見当もつかないわね…」

102 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 01:07:17.64 ID:drpbJZAg.net
虎太郎「木皿博士?って……あっ、僕会ったことあるよ!」

にこ「ッ!なにそれ本当!?」

虎太郎「うん!僕がここに連れてこられたとき、なんでだか匿ってくれたんだ…」

虎太郎「いろいろ喋って…」

虎太郎「そうだ!確か僕の名字を当てたんだ」

絵里「……おそらくそれは当てたんじゃなくて知ってたのね」

にこ「どういうことよ?」

絵里「行けばわかるわね…」

虎太郎「とにかく…その人のおかげで僕は牢屋送りで済んだんだ」

虎太郎「その人に会わないといけないんだよね?」

虎太郎「なら案内するよ、来て!」ダダッ

絵里「行くわよ」

にこ「えぇ…!」

103 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 01:11:28.26 ID:drpbJZAg.net
タッタッタッ、ピタッ

虎太郎「ハァハァ…ここだよ」

絵里「……」

ウィーン

にこ「扉が…勝手に開いた…」

スタスタ…

木皿「ようやく来たかね」

にこ「……ッッ!」

にこ「……木皿博士ね」

木皿「いかにも、私が木皿だ」

木皿「君たちを待っていた」

にこ「待っていた?……なんでよ」

木皿「“あいどる”に対抗する戦士が必要だからね。私は戦闘要員ではないのだよ」

にこ「………」

104 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 01:14:35.18 ID:drpbJZAg.net
にこ「というか、そんな事より…!」

絵里「」ダッ

にこ「え…ちょっ…え、絵里っ…!」

ガシッ!

木皿「…ッッ!??」

にこ「絵里っ!何してんのよ!?」

絵里「わからないのにこ…?この男のせいで秋穂と穂乃果は引き離されることになったのよ…?」

木皿「は、離せっ…」

絵里「この男があんなロボット作らなければ…!」

絵里「…穂乃果たちだけじゃない…私たちだって…」

にこ「……あんたの気持ちは痛いほどわかるわ」

にこ「でも…今は怒りをぶつけてる場合じゃないの」

にこ「そのことを1番理解してるのは絵里…あんたのはずでしょ?」

絵里「………」

木皿「〜〜っ!!」

絵里「……」スッ

木皿「ゲホッ…ゲホッ…」

105 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 01:17:47.49 ID:drpbJZAg.net
木皿「ふぅ…まったく…初対面で失礼な女だ…これだから更年期の相手は嫌なんだ」

絵里「なっ…!!」

絵里「なんですって…!!!」

にこ「絵里ッ…!」

絵里「……ッッ!(なんなの、こいつ……!!)」

虎太郎「ま、まぁまぁ…」

木皿「私がいなければ君の弟は殺されてたかもしれないんだぞ?」

にこ「その件については感謝するわ。でも、無条件でうちの弟を助けたわけじゃないんでしょ?」

木皿「その通りだ。さっき言った通り、私は戦士を探していた」

木皿「君たちは“あいどる”に対抗するには、うってつけの戦士だからねぇ」

にこ「そういうことなら…弟のことも恩着せがましく言わないでちょうだい」

木皿「ぐっ…」

木皿「ま、まぁいい…君たちに断る権利はないからな」

にこ「御託はいいから早くあの円盤を止める方法を教えなさいよっ!」

106 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 01:22:09.68 ID:drpbJZAg.net
木皿「まぁ、落ち着きたまえ…少し話をしよう」

にこ「なに呑気なこと言ってるのよ…私たちは一刻も早くあの円盤を止めないとダメなの…わかる?」

絵里「…そうよ。あなたの話に付き合ってる時間はないわ」

木皿「あの円盤を止めることは可能だ」

木皿「ここにある爆破スイッチを押せば木っ端微塵だよ」

木皿「だが…いかんせんスイッチからの射程圏が短くてね」

木皿「あの円盤が低空で飛行をするときしか効果はないんだ」

木皿「しかも、あの円盤が低空飛行をするのは一度だけだ」

にこ「設定をしたのはあなたでしょ?なんで一度だけなのよ…」

木皿「一度でもあるだけ感謝してほしいものだ」

木皿「特殊な設定には大義名分がいるだろう?」

木皿「第一波から逃れた都民をピンポイントで殺すという体だ…」

木皿「…その低空飛行までにはまだ時間がある」

木皿「どうだ?私の話を聞く気になったかね?」

絵里「……ッ」

にこ「……暇つぶしにはなりそうね」

107 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 01:25:42.33 ID:drpbJZAg.net
木皿「私も最初は乗り気じゃなかったんだ…。だが…娘を“あいどる”に誘拐され…仕方なしにロボットの製作を始めた」

にこ「娘…」

絵里「昔、穂乃果に赤ん坊だった秋穂を預けたっていうあの子ね…」

木皿「最初は嫌々作っていたロボットだったが次第に乗り気になっていた…何故だと思う?」

木皿「それは“あいどる”が私に予算を…時間を…そして意欲をくれたからだッ!」

木皿「私も科学者だ…好きなものを作らせてもらえて、楽しかった…」

木皿「だが…娘が“あいどる”に粛清されて…ようやく目が覚めたよ」

にこ「……2019年のあの血の大晦日。たくさんの人が死んだ」

にこ「あんたは大勢の人間を殺したのよ…?それをわかってんの!?」

木皿「違うッ!殺したのは殺人ウィルスだ!」

絵里「……なんて屁理屈を」

108 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 01:27:43.44 ID:LrFCdi7s.net
漫画の記憶が蘇ってきた
また全部読み返そうかな

109 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 01:29:32.15 ID:drpbJZAg.net
木皿「……私はウィルスの輸送機を作ったにすぎん」

絵里「………」

にこ「……今回、ロボットは作ってないの?」

木皿「作ったが“あいどる”に横取りされてしまってな。手元にはない」

絵里「おかしいわね…」

木皿「……?」

絵里「ウィルスを撒くだけなら円盤で事足りるはずだわ、なぜロボットを作る必要があるの?」

木皿「ふふ…鋭いな小娘…」

絵里「更年期なのか小娘なのかハッキリしてほしいんだけど」

虎太郎「え、絵里さん…まぁまぁ…」

110 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 01:32:46.56 ID:drpbJZAg.net
木皿「今回ウィルスを撒くのは円盤の仕事だ!」

木皿「ロボットの胴体には中性子爆弾が搭載されている」

絵里「…ッ!?」

虎太郎「中性子爆弾?」

木皿「あぁ、血の大晦日での大爆発……あれの50倍の威力があるんだ」

虎太郎「50倍ッ…!?」

木皿「それに加えて、今回のロボットは血の大晦日のような出来損ないとは違う」

木皿「時間も資金も大量につぎ込んだからな」

木皿「完璧な二足歩行を完成させ、スピード、パワー、あらゆる性能と能力を上げさせた」

絵里「……なるほど、理解したわ」

木皿「そうだろう?」

絵里「えぇ…あなたが狂人っていうことをね」

木皿「……ふんっ。小娘にはこのロマンがわからんか」

111 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 01:36:09.12 ID:drpbJZAg.net
にこ「というか…その事を嬉々として話すのはいいけど…その中性子爆弾の作動ボタンやロボットのコントローラーはもちろん持ってるのよね?」

木皿「何を言っている?話を聞いていなかったのか」

にこ「は…?」

木皿「さっき言っただろ。“あいどる”に横取りされたと」

にこ「な、なにそれ…」

虎太郎「奪われたのに…なんでそんなに嬉しそうなんだろう…」

木皿「ククク…傑作を作ったからだよ!」

木皿「科学者として鼻高くてねぇ…!」

にこ「………絵里」

絵里「………どうしたの、にこ?」

にこ「私……今……」

にこ「ドンッッッ引き……してるんだけど」

絵里「……えぇ、私も」

絵里「科学者としては優れていても…」

にこ「人としては最低も最低ね…」

112 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 01:39:11.56 ID:drpbJZAg.net
木皿「“あいどる”は東京、日本、世界の順に滅ぼし、残った従順な人間と楽しく過ごすそうだ」

虎太郎「あの…ちょっといいですか?」

木皿「なんだ?」

虎太郎「思うんだけど…人を殺すってだけならウィルスでいいんじゃないの?中性子爆弾って必要かな?」

絵里「虎太郎くんの言う通りだわ。何の意味があるの?」

木皿「君たちは知っているか?今、東京の街並みは2010年を再現しているらしい」

木皿「もちろん2010年以降火事で燃えた家や、地震で倒壊した店も全て復元し、再現させた」

にこ「…なんのためにそんな事を?」

木皿「あの時代が“あいどる”は好きだそうだ」

木皿「そう、あのスクールアイドルがせめぎ合い、ラブライブが盛んだった…あの時の『今』が好きだそうだ」

絵里「……」

木皿「あの時の『今』を自らの手で破壊する事によって、それは自身の中で永遠になる」

木皿「要は“あいどる”は時が進んで欲しくないんだな」

にこ「……私たちμ'sはあの時の『今』を受け入れて、前に進んだ」

絵里「“あいどる”はあの時の『今』が好きで、動いて欲しくないっていうの…?」

113 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 01:43:23.33 ID:drpbJZAg.net
木皿「……む」

木皿「さて、そろそろ時間だ」

木皿「それで、誰が行くんだ?」

にこ「そんなのにk」

絵里「私が行くわ」

にこ「ッッ!?」

絵里「任せてにこ、私なら大丈夫だから」

にこ「絵里……あんた……」

絵里「まぁ…にこはこういう危険なの慣れてないでしょ、私がやったほうがいいわ」

にこ「……下手な嘘」

にこ「虎太郎やこころたちのこと気にしてくれてるんでしょ」

にこ「にこに何かあったらって…」

絵里「……流石にこね、全部お見通しか」

にこ「………」

114 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 01:46:30.55 ID:drpbJZAg.net
絵里「もうウンザリ…人が死ぬのは」

絵里「亜里沙の訃報を聞いた時の…あの感覚」

絵里「もう二度と味わいたくない…」

にこ「……絵里がやる必要があるの?にこでも……」

絵里「にこ、私ね…人を失うってことが1番怖いことだと思うの」

絵里「……私、にこを失いたくないから」

にこ「……っ」

虎太郎「おぉ…///」

にこ「もうっ、バカ…」

にこ「そんなのにこだって一緒だから…!」

絵里「ふふっ……」

にこ「ふんっ……」

にこ「……危険よ?射程圏内に入らないと爆破出来ないんだからね?」

絵里「えぇ」

にこ「ウィルスがかかるかもしれないのよ?」

絵里「覚悟の上よ」

にこ「………」

115 :寝ます:2020/07/28(火) 01:51:29.54 ID:drpbJZAg.net
にこ「……信じるわよ」

絵里「……うん」

絵里「ありがとう、にこ…」

木皿「決まったか?」

絵里「えぇ、私が行くわ」

木皿「そうか…これが爆破スイッチと連絡用の無線機だ」スッ

絵里「」パシッ

木皿「頼んだぞ、“あいどる”に目にものを見せてやるんだ」

絵里「……あなた、根っからの悪人じゃないのね」

木皿「なんだ、急に…」

絵里「いえ……別に、なんとなくよ……」

絵里「ある意味で…純粋なだけなのかもね…」

絵里「…じゃあ、行ってくるわね」

にこ「……絵里」

絵里「……なに?」

にこ「……死ぬんじゃないわよ」

絵里「ふふっ…ハラショー!もちろんよ!」ダッ

タッタッタッ…

にこ「んもぅ、ホントあの子は……」

虎太郎「……クスッ」

116 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 02:37:05.31 ID:A2vgxEJ5.net
かよちんの行方が気になるんだが…

117 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 18:41:50.67 ID:CujgrNkk.net
これあいどるの正体わかってるやついんのか

118 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 19:16:27.95 ID:B5UY46MG.net
原作映画みたから大体察してるよ

119 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 20:19:25.38 ID:LkmdLUtK.net
>>118
最終章のタイトル・・・

120 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 20:26:49.60 ID:CuQzlykx.net
>>119
全くわからん………

121 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 22:58:07.20 ID:oRoeZKjm.net




ワイワイ…ワイワイ…

「早くワクチンをくれッッ!」

「ゲホッゲホッ…うちの子供を先に…!」

ことり「お、落ち着いてください!ちゃんと全員分ありますから〜!」

京極「想像以上の人だかりですね…」

真姫「えぇ…猫の手も借りたいくらいだわ」

真姫「ことり!」

ことり「どうしたの真姫ちゃん?」

真姫「子供とご年配の人へ優先的にワクチンを渡して!」

ことり「うん!わかった!」

「もう一つのワクチン受取場所はとてもじゃねえが割って入れなかったよ…まったく…」

真姫「雪穂ちゃんたちの方も大変そうね…」

京極「そうみたいですね…」

122 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 23:00:42.28 ID:oRoeZKjm.net
Aqours「Oh yes, Doki-Doki Sunshine Oh yes, Doki-Doki Sunshine♪」

「イェーーーイッッ!!」

「ヒューヒュー♪」

「いいねぇ!盛り上がるねぇ!」

ワーワー…!

希「とてもブランクがあるとは思えない、キレのあるダンスやなぁ」

希「なんか…ウチも踊りたくなってきたん♪」

秋穂「……」ムスッ

希「……?どうしたん秋穂ちゃん?なんか不機嫌そうやけど……」

秋穂「踊りたいとか……そんな呑気なこと言ってる場合じゃないじゃん」

希「それはそうだけど…でも」

秋穂「でもじゃないの!希おばちゃんは能天気すぎだよっ…!」

ワシッ!

秋穂「いっ…///」

希「だ・れ・が、能天気だって〜!?ほら、往年のワシワシMAX〜!!」

秋穂「や、やめっ…!///」

123 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 23:05:30.42 ID:oRoeZKjm.net
秋穂「〜〜っ///」

秋穂「…ッッ!や、やめてってば!」バッ

希「ほよ…」

秋穂「……っ、今……たくさんの人が死んでる……私たちがこうやってる今も……人が死んでる……」

希「……そうやね」

希「やけど、ウチ達がやれる事は全部やった…」

希「そわそわしても仕方ないよ」

秋穂「……お母さんのワクチンでみんな……みんな助かるよね……ね?」

希「お母さんの腕を信じられないん?」

秋穂「ち、違う!そんなわけないじゃん…!」

希「……ワクチンのことはことりちゃんと真姫ちゃんに任せてるから大丈夫」

希「……秋穂ちゃんが本当に不安なのは、別のことやろ?」

秋穂「………」

希「もう…さっき自分で言ったやん…?絶対に来てくれるって」

秋穂「………」

124 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 23:09:55.30 ID:oRoeZKjm.net
秋穂「………」

希「ふぅ…もうっ…秋穂ちゃ〜ん」

希「そんな暗い顔してたら来るもんも来なくなるよ〜?」

ムニュッ

秋穂「ふぎゅっ…!」

秋穂「ひょ…!ひょっとぉ…!」

バシッ

秋穂「もう!頰なんて引っ張らないでよ!」

希「これもお気に召さないん?しょーがない子やなぁ〜…」

希「なら、これでどう…♪」

秋穂「これって…?」

希「ほら!」ポヨンッ

秋穂「うぷっ…///」

希「ウチの胸に顔をうずめさせるこの芸当っ!うん、これをぱふぱふ…いや、逆ワシワシMAXと名付けよう!」

秋穂「う、うぷっ、ちょっ…希おば…ちゃ…!///」

希「ほれほれ〜!」ポヨポヨ

125 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 23:14:16.69 ID:oRoeZKjm.net
秋穂「んぶっ…もう…///」

秋穂「…って、あ」

千歌「」ポカーン

秋穂「……っ!!」

バッ!

希「ありゃ…」

千歌「え、え〜っとぉ…2人とも何を…」

秋穂「…い、いや…これは違うの!希おばちゃんが勝手に!」

希「いや〜…秋穂ちゃんがウチに甘えたいって言うから仕方なしにしてたんよね〜♪」

千歌「あ、秋穂ちゃんが…?」

果南「以外な一面だね」

秋穂「はっ…?はぁ!?ちょっと希おばちゃん!!」

希「ふふ…うそうそ!冗談冗談♪」

千歌「な、なんだ…冗談か…」

希「それより、みんなはなんで舞台裏に?」

ルビィ「Saint Snowと交代して、ちょっと休憩です!」

希「そっか、ご苦労様!」

126 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 23:17:47.62 ID:oRoeZKjm.net
曜「いや〜!それにしても!結構身体に染み付いてるもんだね〜!案外踊れるよ〜!」

梨子「だね。昔、いっぱい練習したおかげかな?」

ダイヤ「あの…穂乃果さんは?」

希「それが…まだなんよ…」

花丸「穂乃果さん…本当にくるずら…?」

秋穂「…っ、来るよ!!」

果南「秋穂……」

秋穂「絶対、来てくれるから…だから」

秋穂「……だからみんな、もうちょっとだけ頑張って……」

鞠莉「……ふふんっ♪」

鞠莉「オーケー!ニーズがあれば、それに答えるというのが経営者のモットー!」

鞠莉「アラサーのおばさん達が踊って盛り上がってくれるなら、喜んでやりましょう!」

善子「ちょっと鞠莉!アラサーとかテンション下がること言わないでよッ!」

梨子「あはは…でも、悲しいけど事実だからね…」

127 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 23:19:52.65 ID:oRoeZKjm.net
希「まぁまぁ、アラサーなんて全然よ」

希「ウチなんて…もう、アラフォーやもんねぇ…」

鞠莉「アラフォー…それにしては豊満なバストですね〜♪」

鞠莉「どれどれ〜!」ジュルリ…

ポコッ

鞠莉「あいたっ!」

果南「マリー!すぐにそっちの話に持っていかない!」

鞠莉「えぇ〜…」

鞠莉「ふふん…!なら果南ので我慢〜♪」

果南「が、我慢ってなによっ…!」

果南「というかやめなさいってば!」

ワーワー ギャーギャー

秋穂「……クスッ」

希「……楽しそうやね」

秋穂「だね……」

秋穂「………」

秋穂「穂乃果おばちゃん…」

秋穂「来て…早く…」

128 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 23:21:02.40 ID:oRoeZKjm.net




タッタッタッ…

絵里「ハァハァ…」

サァァァ…

キャー!!イヤーー!!ゴプッッ…!!

絵里「ッッ…」

ピー、ガガッ…

絵里「指定の場所に到着したわ」

木皿『そうか。では目の前にあるマンションの屋上に行け、そこで円盤を爆破させるんだ』

ガガッ…

絵里「……了解」タッタッタッ

129 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 23:23:19.63 ID:oRoeZKjm.net
絵里「ゼェ…ゼェ…息があがる…もう歳かしらね…」

ピー、ガガッ…

絵里「登ったわよ」

木皿『よし、あとは1分後、一機だけその近くに円盤が来るはずだ』

木皿『そして…あっ…!おい!』

絵里「……?」

ガガッ…

にこ『絵里!聞こえてる?絶対…ぜーったいに!!死んじゃダメだからねっ!!』

絵里「にこ…大丈夫よ、安心して」

木皿『まったく…スイッチの準備はいいか?』

絵里「えぇ、握ってるわ」

木皿『いいか?圏内へ入る前にボタンを押すと爆破しない』

木皿『しかし、遅すぎるとウィルスを浴びせられるからな…!気をつけろっ!』

木皿『あと10秒で来るぞ!円盤が!』

絵里「……えぇ、見えてきたわ」

130 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 23:26:06.15 ID:oRoeZKjm.net
円盤「」キィィィン…

絵里「(まだ…)」

絵里「(まだよ、もっと引きつけないと…)」

円盤「」キィィィィィン!

絵里「………今!」

ポチッ

………バーーーーンッ!

絵里「…よしっ」

木皿『お見事だ!ウィルスはかからなかったか?』

絵里「えぇ、大丈夫よ」

木皿『よし、気を抜くなよ…まだ二機もあるからな…』

131 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 23:30:35.16 ID:oRoeZKjm.net
木皿『二機目がくるぞ!備えろ!』

木皿『……5、4、3、2、1……今だ!やれ!』

絵里「……来てないんだけど」

木皿『!?』

絵里「さっきからずっと上空をうろうろしているわ」

木皿『なんだと…!?』





にこ「ちょっと!どうなってんのよ!?なんで円盤は低空飛行しないの!?」

木皿「わからん…わからん…!」

虎太郎「もしかして…円盤のプログラムを誰かに書き換えられたんじゃ…」

木皿「馬鹿な…!そんな優秀なエンジニアがいるわけ…!」

にこ「あぁー!なんにせよ!」

にこ「どうするの!?早く円盤を止めないと!犠牲者が出続けるわ!」

にこ「そこにいる絵里だって危険よ!」

木皿「どうするもこうするも…低空飛行しないなら爆破スイッチの射程圏に入らん…止めるのは無理だ」

にこ「ふざけないでっ!!あんた自分が何を言ってるかわかってるの…!?」

木皿「……はぁ」

にこ「……ッッ」

にこ「バカッッ!!」バキッ

木皿「ぐはっ!!」ドサッ

にこ「…っ、絵里」

虎太郎「お姉ちゃん…」

132 :落ちます:2020/07/28(火) 23:38:26.55 ID:oRoeZKjm.net
絵里「」ドサッ

絵里「…はぁ」

絵里「最悪ね……もう、どうしようも……」

バババババ

絵里「……?」

絵里「……ヘリコプター?」

バババババ!!!

絵里「くっ…!」

ヌッ…

絵里「…!あなた…!」

酒井「………」

酒井「寄越せ」

絵里「……え?」

酒井「こっちはヘリを操縦してるんだぜ。早くそのスイッチを投げろ」

絵里「………」

酒井「俺を信用しないならしないでいいが…お前は都民を救うチャンスをみすみすのがすということになるな」

酒井「どうする?チャンスの前髪を離すのか?」

絵里「……っ」

絵里「……!」ブンッ

酒井「」パシッ

絵里「どういうつもりなの…」

酒井「…ふんっ。じゃあな、9番」

バババババ!!!

絵里「…ッ!」

133 :名無しで叶える物語:2020/07/28(火) 23:57:50.05 ID:z6MICn7D.net
懐かしいぞこの感じ
今回はあいどるの正体ちゃんと教えてくれー

134 :名無しで叶える物語:2020/07/29(水) 02:10:37.11 ID:T8jJSE1u.net
酒井のくせにっ

135 :名無しで叶える物語:2020/07/29(水) 02:12:23.04 ID:OZkRp87N.net
もしや8/3に完結させる気か

136 :名無しで叶える物語:2020/07/29(水) 23:37:03.31 ID:OZkRp87N.net
保守

137 :名無しで叶える物語:2020/07/29(水) 23:48:00.87 ID:kfNSIaH1.net




“あいどる”「………」

“あいどる”「みんな薄情だよね」

“あいどる”「誰も私を助けてくれない」

“あいどる”「誰も私について来やしない」

“あいどる”「じゃあ…もういいよ」ポチッ

“あいどる”「こいつで全部終わらせるから」

……ダンッッッ、ダンッッッ

“あいどる”「私がいなくて…いける?やれる?出来る?こいつを止められる?」

“あいどる”「ねぇ…穂乃果」

138 :名無しで叶える物語:2020/07/29(水) 23:50:02.75 ID:kfNSIaH1.net




ガガッ…

にこ『絵里、どうしたの…!?』

絵里「……あの男、いったいどういう風の吹き回しなの?」

にこ『なに?どういうこと!?』

絵里「………」


バババババ

酒井「………」ポチッ

バンッッッッ!!!


絵里「……!!」

にこ『や、やったの!?』

絵里「え、えぇ…爆破したわ…」

絵里「残りは一機…」

にこ『さすがね!やるじゃないっ!いや…でも、どうやって…?』

139 :名無しで叶える物語:2020/07/29(水) 23:55:29.62 ID:kfNSIaH1.net
酒井「“あいどる”、わかるか?」

酒井「今、あんたの野望は打ち砕かれようとしてるんだよ」

酒井「そう、俺の手でな…」

酒井「……しかし、この円盤はどこに向かっているんだ?」

酒井「そっちにあるのは…ア」

円盤「」クルッ

酒井「!」


絵里「あっ……!」


プシャッ

酒井「ゴパッ…!ヴォエッッ!」

スルッ…

酒井「ぐっ…!」


シュルルルルッ…

絵里「何か落ちてきた…?」

ガシャンッ…!!

絵里「……ッ!」

絵里「これっ……爆破スイッチ……?」

絵里「ま、まずいわ…!これじゃあと一機…!」

140 :名無しで叶える物語:2020/07/29(水) 23:57:28.38 ID:kfNSIaH1.net
酒井「ハァ……ハァ……」タラー

酒井「チッ…」

酒井「まぁ……ハァ……ちょうど……ゼェ……いいよな……」

酒井「あんなスイッチなんかで円盤を破壊しても……それは俺の功績じゃないもんな……」

酒井「このままじゃ、あいつは俺を認めようとしない…」

酒井「」ギュッ

酒井「後悔させてやる……俺を裏切ったことを……あの女に……“あいどる”に後悔させてやる……!!」

グッ

酒井「うおおおおぉぉぉぉ!!!」

バババババババ!!!!!


絵里「……っ!?なにをするつもりッ……!!」


酒井「喰らえ“あいどる”ッッッ!!!」

141 :名無しで叶える物語:2020/07/29(水) 23:59:04.21 ID:kfNSIaH1.net
酒井「うおおおおぉぉぉぉ!!!!」

バババババ!!!!

酒井「いっけぇぇぇぇぇぇ!!!!」

ッッッッドン!!!!

バーーーーーンッッッ!!!!!


絵里「……っ」

ヒューーー…

酒井「一矢……報い……たぜ……」

酒井「ざまぁ…みろ…“あいどる”…」

酒井「あの世で……結婚して……子供を作って……俺と……僕と……僕と仲良く……ゴパッ……!」

酒井「…」

酒井「」

142 :名無しで叶える物語:2020/07/30(木) 00:01:30.30 ID:QNZEZ0mR.net
絵里「………」

ガガッ…

にこ『絵里?どうなったの?』

絵里「えぇ……円盤は三機とも撃墜させたわ……」

絵里「彼のヘリも炎上……」

にこ『彼?何のことか知らないけど……よかった、とりあえずはこれで……』

絵里「……そうね、しばら……く……は」

にこ『……?絵里……?どうしたの?』

ドスンッッ!!!ドスンッッッ!!!

絵里「そうでもない…みたいね…」

にこ『え!?まさか…』

絵里「えぇ、そのまさかよ…」

絵里「……平穏って長くは続かないものね」

絵里「にこ…。にこは虎太郎くんと一緒にアキバドームへ行って」

にこ『ちょ、ちょっと待ちなさいッ!絵里はどうするの!?』

絵里「私は……」

絵里「……あのロボットを止めるわ」

143 :名無しで叶える物語:2020/07/30(木) 00:03:10.23 ID:QNZEZ0mR.net




ズドンッッッ ズドンッッッ

都民1「おい!なんだよあれ…!?」

都民2「逃げろ逃げろッッ!!!!!」

都民3「踏み潰されるぞおおおぉぉ!!!!!」

ダダダ…

ムロタ「待ってくれ!みんな、僕についてくるんだ!」

都民4「ついてこいって…なに馬鹿なこと言ってんだよ!?みんな逃げろッ!」

ムロタ「なっ…!」

ズドンッッッッ ズドンッッッッ

都民5「いやああああぁぁぁぁぁ!!!!」

ブチュッッ

ギャァァァァァァァァァァァァァァァ…!!!

イヤァァァァァァァァァァァァァァァァ…!!!

144 :名無しで叶える物語:2020/07/30(木) 00:06:58.26 ID:QNZEZ0mR.net
都民「」

ムロタ「……ッ」

十花「…この人たちも君の言うことを聞いておけば…死なずに済んだのにな…」

ムロタ「僕が……無理やり引っ張ってでもついてこさせておけば……」

十花「……どうして安全な場所がわかったんだい?」

ムロタ「簡単です。まず、あのロボットは僕らを殺すために動いてるんじゃない」

十花「え?なんでそんな事がわかるの?」

ムロタ「人を殺すことに意味があるんなら、それこそ蹴るなりした方がもっとピンポイントで殺すことができるはずです」

ムロタ「でも…それをやらない」

ムロタ「ということは、あのロボットは人を殺すためではなく…ただ、どこかへ向かっていると考えるべきでしょう」

ムロタ「あのロボットにしてみれば、ある場所へのルートを辿っている過程で人が死んだ…それだけのことです」

十花「それである程度、踏まれない場所がわかったのか…」

十花「…しかし、ある場所ってどこだ」

ムロタ「あのロボットが行った先…そこにあるもの…」

ムロタ「………!」ハッ

145 :名無しで叶える物語:2020/07/30(木) 00:08:31.95 ID:QNZEZ0mR.net




ブゥゥゥン

穂乃果「ゲホッ…ゲホッ…東京ってこんなに空気悪かったかな…」

ズドンッ……

穂乃果「……ん?」

ズドンッ……!

穂乃果「地震……?いや……違う」

ズドンッ…ズドンッ

穂乃果「何かの……足音?」

キッ…

穂乃果「っと…」スタッ

穂乃果「」タッタッタッ…

146 :名無しで叶える物語:2020/07/30(木) 00:12:00.42 ID:QNZEZ0mR.net
穂乃果「……あれは」

ズドンッ…ズドンッ…!

穂乃果「ロボット……?」

ズドンッズドンッ!

穂乃果「早い……前のやつよりも格段に早い……しかも少し大きくなった……?」

ズドンッズドンッ!

穂乃果「……ッ?」

穂乃果「どこに行くつもりなの…?」

穂乃果「いや…とにかく、私も急がないと…!」バッ

カチッ…ブルンッ!

ブゥゥゥン!!!

147 :名無しで叶える物語:2020/07/30(木) 00:14:33.93 ID:QNZEZ0mR.net
ブゥゥゥゥゥゥン

穂乃果「……!」

キッ…

穂乃果「この街並み……私が高校生の時の……」

穂乃果「………」

ブゥゥゥン

穂乃果「あっ…ことりちゃんがバイトしてたメイドカフェだ…結構前に潰れたのに」

穂乃果「あっちには私が高3の時にリニューアルしたファーストフード店が……あれも昔の状態」

ブゥゥゥン…!

穂乃果「あっ…!穂むらまである…!?」

穂乃果「…“あいどる”が私たちの街を復元させた?」

穂乃果「……急ごう」

ブゥゥゥゥゥゥン!!!

148 :名無しで叶える物語:2020/07/30(木) 00:17:27.72 ID:QNZEZ0mR.net
ブゥゥゥン…

穂乃果「……おかしい、地鳴りが全くなくなった」

穂乃果「なんで…?…って、わ!?」

キッッ…!

ロボット「」

穂乃果「止まってる…」

穂乃果「どうして…?」

穂乃果「あそこにハシゴがある…」

穂乃果「そこから上がってきてってこと…?」

穂乃果「いいよ…行ってあげる」 バッ

スタッ…

カンッ カンッ カンッ…

穂乃果「……終わらせよう、もう」

149 :名無しで叶える物語:2020/07/30(木) 00:19:41.93 ID:QNZEZ0mR.net
〜ロボット内部〜

穂乃果「……さて、操縦席を探さなきゃ」

ガタンッ!グラッ…

穂乃果「!?…また動き始めたの?」

穂乃果「揺れが……うっ……!」

グラリ

穂乃果「おっとっとっと…!」

ドサッ

穂乃果「いてっ…!」

ズザザザザザ…

穂乃果「うわわわわわ!!!」

穂乃果「」ゴンッ

穂乃果「…〜〜っ!」

穂乃果「あ……扉?」

穂乃果「もしかして、ここに……」

穂乃果「……ゴクリッ」

150 :名無しで叶える物語:2020/07/30(木) 00:22:37.31 ID:QNZEZ0mR.net
ウィーン

穂乃果「(やっぱり、ここが操縦室…)」

穂乃果「……!」

穂乃果「(……操縦席……誰か、座ってる)」

穂乃果「……ねぇ」

「……!」

スッ…

“あいどる”「……」

穂乃果「“あいどる”ッ…」

ドスンッ、グラッ…!!

穂乃果「うわッッ!!」

“あいどる”「あっ…!いぎっ…!」ガンッ!

“あいどる”「!……」グタッ

穂乃果「あっ…!」

“あいどる”「」

穂乃果「頭をぶつけた…?気絶したの?」

穂乃果「……マスク、取るからね」

穂乃果「あなたは……」グッ

“あいどる”「」

穂乃果「だ…」

グラッッッ!

穂乃果「……ッッ!」

穂乃果「ダメッ…!先にロボットを止めないと…!」サッ

151 :名無しで叶える物語:2020/07/30(木) 00:30:49.39 ID:QNZEZ0mR.net
ブゥゥゥン…

絵里「……ッッ、まずいわね……このまま行くと、あそこに……」

絵里「“あいどる”…なにを考えてるの?」

絵里「あそこは…私たちの足跡、やりきった証」

絵里「…っ、穂乃果がいない今…私が守る!」

ズドンッ、ズドンッ!!!

絵里「きっと中に“あいどる”もいるはず…」

絵里「……ッッ、追いつけ……!」

ブゥゥゥン!!!

152 :名無しで叶える物語:2020/07/30(木) 00:33:32.76 ID:QNZEZ0mR.net
グラグラ…

穂乃果「まずは手動に切り替えないと…!」

穂乃果「……って、手動ボタンってどれなの」

穂乃果「あっ…こ、これ…?」ポチッ

穂乃果「……ッッ、私……こういうの苦手……」

穂乃果「やっぱ出来ないや……」

穂乃果「………」チラッ

“あいどる”「」

穂乃果「……ごめん」

グラッッッ!!

穂乃果「……ッ!早く止めないと……!」

穂乃果「でも、どうやって止めれば……!?」

穂乃果「停止ボタンは……!」

穂乃果「なにこれ…!どれ…!?どれよぉー!!」

穂乃果「考えて穂乃果……!!昔の私なら……あの頃の私ならどうやって乗り切った……!?」

穂乃果「………」

穂乃果「……うーうん、今も昔も変わらないんだ」

穂乃果「そうだ…出来ると思えば…何だってやってこられた…大丈夫!」

穂乃果「今だって、出来るはず……いや出来る!!」

グイッ!!

穂乃果「おりゃあああああ!!!!!!!!!」

153 :名無しで叶える物語:2020/07/30(木) 00:36:16.97 ID:QNZEZ0mR.net
ズドンッ…ズドンッ…ギッ…ギギ…

絵里「!?」

ズドンッ ズドンッ ズドンッ

絵里「向きが変わった…?何があったの…!?」

ズドンッ ズドンッ ズドンッ

絵里「何を…?そっちにはビルが…」

絵里「ぶつかったら…ロボットもひとたまりじゃ…」

ズドンッ ズドンッ ズドンッ

絵里「ダメッ…ぶつかるッ!」

ズドンッ…ガシャーーーン!!!!!

絵里「……ッッ!」

154 :名無しで叶える物語:2020/07/30(木) 00:41:20.56 ID:QNZEZ0mR.net
絵里「」スタッ

タッタッタッ…

プシュゥゥ…

絵里「綺麗な体当たりだったわね……いったい何がしたかったの……?」

ガタンッ…!

絵里「…っ!」

“あいどる”「うっ…はぁ…はっ…」

絵里「……っ」ギリ…

絵里「あなたッ……」

“あいどる”「ひっ…やっ…」

絵里「……ッ!」ダダダッ

ガッ!

“あいどる”「やっ…!やめてっ!」

絵里「……あなたがこの惨状を!!!」

“あいどる”「ちがっ…助けて…!誰か…!」

“あいどる”「誰か…助けて…!!!」

絵里「あなたは…」

“あいどる”「いや、違う…!」

絵里「あなたは誰なの!?」バッ!

花陽「うわっ…いやぁっ…!!」

絵里「……!!!」

絵里「……花……陽……?」

花陽「……っ」

155 :名無しで叶える物語:2020/07/30(木) 00:47:37.74 ID:QNZEZ0mR.net
絵里「あなただったの…?」

花陽「…ち、違うよ絵里ちゃん…私は“あいどる”じゃ…ない…」

絵里「……ッッ。なら、その格好はなに…!?」

絵里「このマスクはなに!?説明しなさい花陽!!」

花陽「私は止めようとしただけだよ“あいどる”を!」

花陽「彼女を説得しに行ったら…拘束されて…眠らされて…気づいたらこんな格好で…」

絵里「……花陽っ」

花陽「ほんとだよっ…!?」

花陽「……絵里ちゃん……お願い、信じて」

絵里「……ッッ」

絵里「私は……私は……」

156 :名無しで叶える物語:2020/07/30(木) 00:51:06.39 ID:QNZEZ0mR.net
穂乃果「絵里ちゃん違うよ」

絵里「……!?」パッ

花陽「……!!」

穂乃果「花陽ちゃんは“あいどる”じゃない」スタッ

絵里「穂乃果……?」

花陽「穂乃果ちゃん……」

穂乃果「………」スタスタ

絵里「穂乃果…あなた…」

「そうだよ、花陽ちゃんは“あいどる”じゃない」

絵里「……!」

花陽「えっ…?」

穂乃果「………」

「だって」

“あいどる”「“あいどる”は私だもん」

157 :名無しで叶える物語:2020/07/30(木) 00:54:54.11 ID:QNZEZ0mR.net
“あいどる”「懐かしいよね」

“あいどる”「このメンツにしたってそうだし、何よりも見た?あの街並み…」

“あいどる”「私たちが高校生だった時のまま…」

“あいどる”「………」

“あいどる”「……ズルイよ、穂乃果ちゃん」

穂乃果「………」

“あいどる”「結局、正義の味方は君だもんね」

“あいどる”「廃校を救ったのも君、ラブライブをアキバドームで開催させるキッカケを作ったのも君」

“あいどる”「いや、でもいいんだよ…私は汚れ役でも」

“あいどる”「あなたたちと一緒に何かやれるんなら、私はヒールでもなんでも良いの……」

絵里「………」

158 :名無しで叶える物語:2020/07/30(木) 00:58:04.47 ID:QNZEZ0mR.net
“あいどる”「私は昔、穂乃果ちゃんが好きだった」

“あいどる”「でも、嫌いでもあった」

穂乃果「………」

“あいどる”「君が笑顔や明るさでみんなを先導してきたのに対して、私は妬みとか恨み……そんな負の感情でみんなを導いてきた」

絵里「導いた…?脅迫とか洗脳の間違いじゃないの?」

“あいどる”「絵里ちゃんもわかってないな」

絵里「……なんですって?」

“あいどる”「穂乃果は光で私は闇なの」

“あいどる”「穂乃果が太陽なら私は陰」

“あいどる”「私と穂乃果は……表と裏」

159 :名無しで叶える物語:2020/07/30(木) 01:01:55.19 ID:QNZEZ0mR.net
“あいどる”「……私は……穂乃果ちゃんが……穂乃果がいてくれればよかったのに……」

穂乃果「………」

“あいどる”「また昔みたいに…一緒になって…やりたかった…」

“あいどる”「……あの時、約束したのに……」

花陽「……約束?」

穂乃果「………」

“あいどる”「約束したでしょ…?」

“あいどる”「…廃校から学校を守ったみたいに、助けてよ穂乃果、私も…」

穂乃果「………」

“あいどる”「気づいたの私……あんたが心の支えだったって……戻ろうよ、穂乃果、ね……?」

穂乃果「………」

“あいどる”「……私が誰だか、もうわかるよね?」

穂乃果「………」

“あいどる”「そうだよ…私…」スッ

絵里「……!」

花陽「……!」

“あいどる”「…私が」

“あいどる”「“あいどる”だよ」バッ

160 :名無しで叶える物語:2020/07/30(木) 01:06:11.99 ID:QNZEZ0mR.net




男A「秋穂さん…もうあと1曲しかストックがないです…」

秋穂「そう…」

千歌「大丈夫大丈夫ッ!私たちがなんとかして繋ぐから…!」

男A「はい…でも、これ『ジングルベルがとまらない』なんで、冬の曲ですし、流石に…」

千歌「うっ…」

秋穂「どうしよう…」

千歌「だ、大丈夫!なんとかなるよ!」

千歌「よーっし!みんな行くよ〜!」タッタッタッ

〜♪♪♪♪♪

「あはははは!!!」

「今、夏だぞ〜!!!」

「曲間違えたのか〜!?w」

秋穂「っ…ごめん、ごめんねみんな」

秋穂「………」

秋穂「穂乃果おばちゃん…」

161 :名無しで叶える物語:2020/07/30(木) 01:10:50.49 ID:QNZEZ0mR.net




絵里「……ッッ!!」

花陽「……!!!」

穂乃果「………」

「“あいどる”の正体は…私」

花陽「そんな……ツバサ……さん……?」

「うふふ……」

絵里「どういうこと…?」

絵里「ツバサは“あいどる”の側近だったはずでしょ?」

絵里「自分で自分の側近をしてたっていうの…?」

花陽「いや、でもなんの意味があってそんな事を…?」

花陽「……整形?」

穂乃果「………」

162 :名無しで叶える物語:2020/07/30(木) 01:14:46.84 ID:QNZEZ0mR.net
「」ポチッ

ゴゴゴ…

花陽「……!ろ、ロボットがまた動き始めようと……!」

絵里「ッッ!彼女からロボットのコントローラーを取り上げるしかないわ!」ダッ

穂乃果「…もうやめよう」

絵里「……!?」

「」ピタッ

穂乃果「もう、そんな…ツバサさんのふりする必要ないよ…」

絵里「ふり…?」

花陽「どういうこと穂乃果ちゃん…?」

穂乃果「……あなたには、ありのままのあなたでいてほしいから」

「………」

穂乃果「………ごめんなさい」

「……!」

163 :名無しで叶える物語:2020/07/30(木) 01:18:44.65 ID:QNZEZ0mR.net
穂乃果「……本当にごめん」

「やめて……!やめて謝らないで……!」

穂乃果「あなたを蔑ろにしたつもりなんてなかった……」スッ

穂乃果「……ごめんね」

穂乃果「私が悪かった……」ゴツッ

穂乃果「私が悪かった…!!」

絵里「穂乃果…」

花陽「穂乃果ちゃん…」

「やめてよ……」

「あんたが謝ったら全部……全部終わっちゃうじゃないッッ!」

164 :名無しで叶える物語:2020/07/30(木) 01:22:11.23 ID:QNZEZ0mR.net
ダダダッ!!

「……!?」

絵里「……!あれはっ」

ガシッ!

「あっ…!」

穂乃果「……!」

ツバサ「さぁ今よ!誰か私ごと撃ちなさい!」

花陽「つ、ツバサさんが2人!?どういうことっ…?」

ツバサ「そんなの後よ!早くしなさいッ!」

絵里「そんな事言われても…銃なんて持ってないわ…!」

ツバサ「……ッッ!」

「ツバサァ…!離しなさいッッ!!」ジタバタッ

ツバサ「くっ……!ここで終わらせないと……!!」

穂乃果「ツバサ……さん……」

165 :名無しで叶える物語:2020/07/30(木) 01:26:04.25 ID:QNZEZ0mR.net
バキュンッッ!!

穂乃果「!!!」

絵里「ッ!?」

花陽「えっ…?」

「………あ………れ」

ツバサ「………ゴプッ」

穂乃果「……!」バッ

ミカ「………これで終わった」

絵里「ミカッ…!?なんで…」

ミカ「………」ジッ

穂乃果「ミカ…」

ミカ「じゃあね、穂乃果」スッ

穂乃果「!!」

穂乃果「待ってッッ!!早まらないでミカッッ!!」

バキュンッッッ!!!

ミカ「」バタッ

穂乃果「……ッ!」

166 :名無しで叶える物語:2020/07/30(木) 01:29:23.44 ID:QNZEZ0mR.net
花陽「亡くなったはずのミカさんが……それに、ツバサさんが2人……ど、どういう事なの……?」

絵里「……何が何だかね」

絵里「……!そうだ、“あいどる”!」

穂乃果「……!!」

ザッザッザッ

「……ヒュー……ヒュー……」

穂乃果「………」

「穂乃……果……」

穂乃果「……なに?」

「まだ……終わらないよね……」

穂乃果「……もう、終わってるんだよ。とっくの昔に」

「そんな……うそっ……だって、私たち……まだ……」

穂乃果「私たちの時代はもう…終わったんだよ」

「う……そ……ゴポッ……!」

花陽「……ッ」

167 :名無しで叶える物語:2020/07/30(木) 01:33:11.44 ID:QNZEZ0mR.net
「私……さ……穂乃果が……羨ましかっ……た……」

穂乃果「………」

「みんなが……センターって……いうのは……μ'sメンバー……だけ、私たち……は……いつも……影……なん……だもん……」

花陽「………」

「ハァ……ハァ……SUNNY DAY SONG……歌ってる時、みんな穂乃果に……魅了されてて……悔し……かっ……た……」

絵里「………」

「あの時、ゼェ……私も、あんたみ……たいに……なりたい……って……思って……」

「手始めにA-RISEを……手下につけて……優越感に浸った……けど……結局こんな……無様……因果応報……だね」

「ホントに……適材……適所って……あるん……だね……」

「やっぱ、ダメ……だね……なんだか……私と……穂乃果は……北風と太陽みた……い……だよね……」

「穂乃果はなぜだか………不思議とみんな………みんな………ついて………いっ………て………し………」

「………」

「」

穂乃果「………っ」

168 :落ちます。過去の再投下はここまでです(光):2020/07/30(木) 01:38:20 ID:QNZEZ0mR.net
「」

絵里「……死んだわ」

花陽「“あいどる”の最後の話……あれってどういう……」

穂乃果「………」

穂乃果「あなたが、こんな風に死ぬなんて…」

穂乃果「…ごめんね」

絵里「……穂乃果、あなた……この子が誰だか知ってるの?」

穂乃果「……………」

絵里「………そう」

絵里「花陽、ミカは?」

花陽「………」フリフリ

絵里「……わかったわ」

穂乃果「………」

ツバサ「うぅっ……」ビクッ

絵里「……早くツバサを手当て出来るところへ連れて行きましょう」

絵里「……そのあとに」

穂乃果「………」

169 :名無しで叶える物語(家):2020/07/30(木) 01:42:47 ID:nRnWomwG.net
乙乙
改めて読むと前回は本当にいいところでスレ落ちしたんだなぁ

170 :名無しで叶える物語(馬刺し):2020/07/30(木) 01:58:11 ID:9JpDaRW4.net
ようやくここまで来たか
あいどるの言葉、”私”じゃなくて”私たち”って
という事は正体は・・・

171 :名無しで叶える物語:2020/07/30(木) 02:15:44.14 ID:OopEFyHM.net
いよいよ佳境だな

172 :名無しで叶える物語:2020/07/30(木) 11:38:30.38 ID:YVwLFVtR.net
乙です
初めて読んだけど劇場版の要素もあるのが良い

173 :名無しで叶える物語:2020/07/30(木) 14:44:18.54 ID:JJ84BnWC.net
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!

174 :名無しで叶える物語:2020/07/30(木) 20:23:08.14 ID:jTGEY1fw.net
次から待望の新レスや

175 :名無しで叶える物語:2020/07/31(金) 01:48:37.39 ID:o9mJxjeN.net
保守

176 :名無しで叶える物語:2020/07/31(金) 19:46:45.74 ID:0ojjb9Vu.net
まだかなー

177 :名無しで叶える物語:2020/07/31(金) 20:22:38.01 ID:CPclhzqM.net
元スレにあった2バサってレス思い出した

178 :名無しで叶える物語:2020/07/31(金) 22:05:01.88 ID:vuhDsmLz.net




-2020年-

秋穂「ねぇ…海未お姉ちゃん、穂乃果おばちゃんは…?」

秋穂「穂乃果おばちゃんはいつ帰ってくるの?」

ダキッ

秋穂「!」

海未「あっ……あああぁぁぁ……ああああ……っ……!」

ギュッ…!

秋穂「苦しいよ、お姉ちゃん…どうしたの?」

秋穂「……穂乃果おばちゃん、絶対に帰ってくるって」

秋穂「なのに、どうして……」

秋穂「……どうして泣くの?」

179 :名無しで叶える物語:2020/07/31(金) 22:10:31.13 ID:vuhDsmLz.net




-2035年-

海未「待ちなさい!待ちなさい、秋穂…!」

秋穂「やだっ…!もう家出するもん!おばちゃんの家から出て行く!」

海未「行くあてもないのにどこへ…!」

海未「私は田舎のおばあちゃんからあなたのことを任せられているんです!」

秋穂「じゃあ認めてよ!ギター持って路上で穂乃果おばちゃんの曲を歌うの!」

海未「それは……ダメです」

秋穂「なんで…!?」

秋穂「やりたいからやって、歌いたいから歌う…それの何がいけないの!?」

海未「……秋穂」

秋穂「なにさ……」

海未「…っ。言うことを聞きなさい!」

秋穂「………っ」

秋穂「海未おばちゃん、昔はもっとカッコよかった」

海未「…っ!」

秋穂「出てく…!」

海未「こら…!待ちなさい!」

海未「秋穂…!秋穂…!!」

秋穂!

…アキホ

……アキホ

180 :名無しで叶える物語:2020/07/31(金) 22:14:12.47 ID:vuhDsmLz.net




……アキホ

…アキホ

秋穂?

海未「秋穂!」

秋穂「ハッ…!」

海未「大丈夫ですか…?何か考え事を…?」

秋穂「海未おばちゃん…?」

秋穂「なんで…ここに…?」

海未「都民の避難が済んだので」

秋穂「……そっか」

秋穂「……昔のこと思い出してた」

海未「昔のこと?」

希「これはマズいね…」

秋穂「え?」

181 :名無しで叶える物語:2020/07/31(金) 22:17:44.58 ID:vuhDsmLz.net
〜〜〜〜〜♪♪♪

「は?おい!これさっきも歌ってたじゃねぇかよッッッ!!」

千歌「うぐっ…」

「いつまでもったいぶってんだよッッ!」

「もういいだろうがよ!!早くあの歌手を出せやーー!!!」

曜「……っ」

梨子「……千歌ちゃん」

千歌「………」

「あの歌手はまだかぁ!!!」

「もう待てねぇぞ!!!」

秋穂「………」

男A「秋穂さん、Aqoursの持ち曲は全てかけました…」

男B「もう、これ以上ひき伸ばすのは無理です…」

男C「曲のストックが…」

秋穂「で、でも…でも…」

秋穂「……っ」

182 :名無しで叶える物語:2020/07/31(金) 22:20:26.94 ID:vuhDsmLz.net
「あ〜あ、なんかしらけてきたわ」

「なんたってこんなところにいんだよ俺たちは」

「もう帰ろうぜ!!!」

ゾロゾロッ…

凛「そんな…外にはまだ…!」

希「ウィルスが…!」

秋穂「……!」

秋穂「」ダッ

海未「あ、秋穂!!」

183 :名無しで叶える物語:2020/07/31(金) 22:24:27.07 ID:vuhDsmLz.net
秋穂「みなさん!!」

「・・・?」

「……私が氷の女王です!」

「・・・えっ?」

ザワッ…ガヤガヤ…

秋穂「あの歌を歌うシンガーは…確かに実在します」

秋穂「きっとここに来て、私たちの前であの歌声を聞かせてくれると信じてた!」

「信じてただって…?おい、騙したのかよ!ふざけんなよ!!」

「もう待てねぇぞ!!!!!!」

「ソウダーソウダー!!」

秋穂「……っ。ごめんなさい!」

秋穂「本当にごめんなさい!」

秋穂「……騙すつもりじゃなかった」

秋穂「おばちゃんは……あの人は……」

184 :名無しで叶える物語:2020/07/31(金) 22:29:27.52 ID:vuhDsmLz.net
ザワッ…ザワッザワッ…

秋穂「……?」

ザワッ…ザワッザワッ…

秋穂「なに……?」

ダレ…?ステージニイルアノヒト…

秋穂「ステージに…?」

秋穂「」パッ

秋穂「……あっ」


穂乃果「」


にこ「あ、あれって…!」

真姫「まさか…」

絵里「えぇ…穂乃果よ」

希「え、絵里ち!」

花陽「はぁはぁ…間に合ったかな…?」

凛「かよちん!」

ことり「本当に穂乃果ちゃんが…?」

海未「………」


千歌「穂乃果さん…」

穂乃果「マイク貸して」

千歌「えっ…あっ、は、はい!」

185 :名無しで叶える物語:2020/07/31(金) 22:34:51.50 ID:vuhDsmLz.net
「も、もしかしてあんたが例の…」

「う…うおおおおおおおお!!!やったぞみんな!!!あの曲が聞けるぞ!!!」

キャーーーーー!!! マッテマシタ!!! ハヤクハヤク!!!

穂乃果「……私はみんなが」

「・・・?」

シーン…

穂乃果「みんなが思ってるような人間じゃない」

穂乃果「仲間に助けてもらってばっかりで…」

穂乃果「自分勝手にならずに済んで、誰も悲しませないことをやりたいなって思ったのに…結局、出来てない」

穂乃果「…なにも変わってない」

穂乃果「………」

穂乃果「“あいどる”は死にました」

エッ…ザワッ…ザワッ…

穂乃果「もう、大丈夫です…」

ワッ……ワアァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!

ヤッタ! タスカッタ! イキテルゾ!!!

ワイワイワイワイワイ…!!!

186 :名無しで叶える物語(光):2020/07/31(金) 22:43:06 ID:vuhDsmLz.net
穂乃果「ウィルスはもう大丈夫です…。だから、みんなもう家路についてもらって結構です」

「え……?」

「なんだよそれー!!!」

「グータラスーダラは!???」

「それを聴きにきたんだよ〜!!!」

穂乃果「今日、皆さんがここに集められたのはウィルスから身を守るためと聞いています!!」

穂乃果「私の歌を聴くためじゃなくて…命を守るため」

「・・・」

穂乃果「それに…あの歌は私だけの曲じゃありません」

穂乃果「…アキバドームは特別な場所。μ'sと…μ'sを応援してくれたみんなで来れた場所」

穂乃果「みんなで叶えた物語だから…。このアキバドームという場所で…1人でなんて歌えません」

穂乃果「この子たちのライブを見て満足出来たんじゃないですか?そんな人は帰ってください。もし、文句があるならどうぞ私のところへ」

「・・・」

穂乃果「」スタスタ

千歌「穂乃果さん…」

穂乃果「ありがとうね、私が来るまで繋いでくれて」

千歌「い、いえ…」

187 :名無しで叶える物語(光):2020/07/31(金) 22:46:39 ID:vuhDsmLz.net
ゾロッ…ゾロッ…

〜舞台裏〜

男A「意外と帰ってるな…」

男B「本当に乗り込んで来るかと思ったよ…」

ハターキ「みんな、いいフェスティバルだと思ったってことでしょ」

ハターキ「Aqoursのパフォーマンスを見て」

公野「よかったの?本当に…」

穂乃果「はい、あの曲は…」

穂乃果「………」

公野「……そっか」

公野「行ってやりなよ、みんな待ってる」

穂乃果「………」コクッ

188 :名無しで叶える物語(光):2020/07/31(金) 22:52:35 ID:vuhDsmLz.net
ダキッ

穂乃果「……!」

花陽「グスッ…穂乃果ちゃぁん…」

穂乃果「花陽ちゃん…ごめんね、大変な思いさせたよね…」

ギュッ…

花陽「うえぇぇん…」

凛「もうっ…かよちん泣きすぎだよぉ…」

真姫「凛もでしょ…」

穂乃果「凛ちゃんも真姫ちゃんも…だいぶ、待たせちゃったよね」

真姫「…!ほ…んと…うよ…んもぅ…グスッ…」

にこ「まったく…帰って来るのが遅すぎなのよ」

穂乃果「にこちゃん…うん、ごめん」

にこ「ほんとに…もう…」ブルブル…

にこ「どうしようもない…リーダー…なんだから…」

にこ「…っ!」ブワッ

にこ「このバカ穂乃果ぁぁ…!!」ダッ

ダキッ…

穂乃果「バカ……ほんと、そうだよね」

189 :名無しで叶える物語(光):2020/07/31(金) 22:59:49 ID:vuhDsmLz.net
穂乃果「」スタスタ

ことり「穂乃果ちゃぁん…」

穂乃果「…ことりちゃん」

ことり「良かったっ…本当に良かったよぉ…」

穂乃果「ことりちゃんにも…たくさん心配かけちゃったよね」

ことり「いいんだよ…私のことなんてっ…」

ことり「穂乃果ちゃんが…無事なら…そ…れ…でぇ…」ジワッ

ことり「っ…うえぇぇん…!」

ことり「グスッ…私、自分の気持ちわかってたのに…」

ことり「穂乃果ちゃんの力になりたいって…思ってたのに…!」

ダキッ…

穂乃果「……私こそ、みんなが無事ならそれで」

希「ずいぶん、長旅やったね」

穂乃果「希ちゃん…」

希「……色々言いたいことはあるけど」

希「とりあえず、おかえり」

穂乃果「……うん、ただいま」

190 :名無しで叶える物語(光):2020/07/31(金) 23:02:32 ID:vuhDsmLz.net
希「もう、ことりちゃん泣きすぎや〜…」

ことり「だってっ…だってぇ…!グスッ…」

穂乃果「」スタスタ

絵里「………」

穂乃果「………」

絵里「……うふふ」

穂乃果「…っ!えへへ…」

絵里「……ほら」スッ

穂乃果「え?」

絵里「……手、出して」

穂乃果「あっ…うん…!」スッ

ガシッ!

絵里「やったわね…」

穂乃果「…うん」

絵里「穂乃果…私、ずっと待ってたわよ」

穂乃果「…ありがと、絵里ちゃん」

191 :名無しで叶える物語:2020/07/31(金) 23:04:20.16 ID:AEVTz+rr.net
ここは原作に合わせるのか

192 :名無しで叶える物語:2020/07/31(金) 23:05:40.53 ID:vuhDsmLz.net
穂乃果「」スタスタ

海未「………」

穂乃果「………」

海未「……ハァ」

穂乃果「……!」

海未「…クスッ」

穂乃果「…クスッ」

海未「……うふふ」

穂乃果「……たはは」

穂乃果「………」

海未「………」

193 :名無しで叶える物語:2020/07/31(金) 23:11:40.95 ID:vuhDsmLz.net
千歌「穂乃果さんと海未さん…何も話さないね」

ルビィ「ただ、見つめ合ってるだけ…」

ダイヤ「きっと…何も言わなくても通じ合えてるんですわ。そんな仲なんでしょう」

梨子「でも、2人とも…笑ってる」

千歌「ん?」

秋穂「……」ボー

千歌「秋穂ちゃん?何してるの?」

秋穂「……」ボー

Aqours「………?」

果南「秋穂…?秋穂…!」

秋穂「え…?」

善子「あなた…おばさんのところ、行かなくていいの?」

秋穂「あっ…」

秋穂「……っ!」ダダダッ!

花丸「は、はやい……そっか、ずっと待ってたんだね」

鞠莉「18年ブゥリですからね」

曜「……私たち以上に会えなかったんだもんね」

千歌「……ようやくだね」

Aqours「………」

194 :名無しで叶える物語:2020/07/31(金) 23:20:20.80 ID:vuhDsmLz.net
タッタッタッタ…!

穂乃果「……!」

秋穂「はぁ…はぁ…」

秋穂「………」

穂乃果「………」

穂乃果「」スッ

パサッ…

秋穂「!!」

穂乃果「……あげる」

秋穂「……っ。どこ……っ」ポロッ

秋穂「ウッ…エグッ…どこ行ってたんだよぉ…バカァ……」ポタッ…ポタッ…

秋穂「ずっと、ずっと……」

秋穂「寂しかったんだからあぁ……!!」

ダキッ…!

穂乃果「!」

秋穂「怖かったよぉ…!寂しかったよぉ…!あのままでお終いなんて絶対に嫌だったんだよぉ…!」

穂乃果「うん……ごめん、ごめんね」

穂乃果「でも、言ったでしょ……?」

穂乃果「……帰ってくるって」

穂乃果「だいぶ遅くなったけど……おばちゃん、ちゃんと帰ってきたでしょ……?」

穂乃果「だから…泣かないで、秋穂」

ギュッッ…

秋穂「うわああああああん……!!」

秋穂「あああああ…!!!」

秋穂「グスッ…エグッ…あああぁぁ…!!!!!」

195 :名無しで叶える物語:2020/07/31(金) 23:32:43.86 ID:vuhDsmLz.net
秋穂「うわあぁぁぁぁんっ……!!!」

穂乃果「うん…うん……」

ギュッ…


海未「……秋穂」

絵里「……」

花陽「秋穂ちゃん…」

凛「良かったにゃぁ…」

ことり「そうだよね…秋穂ちゃんは」

真姫「…ずっと待ってたものね」

にこ「……っ」

希「これで……本当に…終わったのかな」


秋穂「あああぁぁっ…!うええぇぇっ…!」

穂乃果「………」

ギュウゥゥゥゥ…


結局、穂乃果おばちゃんはあの歌を歌いませんでした。
穂乃果おばちゃんのあの言葉の意味はわからないけど…“あいどる”は死んだ。そのことだけが妙に心の内へと入ってきた。
穂乃果おばちゃんは自分が被ってた帽子を私にかけてくれた。それはちゃんと穂乃果おばちゃんの匂いがして…そこにおばちゃんがいるんだって思わせてくれた。
だけど…私は聞き逃さなかった。穂乃果おばちゃんが「もう、大丈夫です」と言った後に小さな声で「私以外は…」と言ったことを。
涙のワケは穂乃果おばちゃんが帰ってきてくれた嬉しさからなのか…世界が助かった安堵感からなのか…ほんとのところはよくわかってない。
泣きじゃくる私を穂乃果おばちゃんはひたすら抱きしめてくれて…。
その光景をみんな…優しく、ただただ…眺めていてくれた。

第9章(最終章)「ミはμ’sicの…」-完-

196 :名無しで叶える物語:2020/07/31(金) 23:35:32.48 ID:vuhDsmLz.net
ここまで本当にありがとうございました。
最終章まで書ききったのでこれにて本編は終了ですが、次からはアフターエピソードを書こうと思っているので、もうちょっとだけ続きます。
よろしければもう少しだけお付き合いください。

197 :名無しで叶える物語:2020/07/31(金) 23:39:33.69 ID:DThIytcz.net

あいどるの正体はちゃんと分かるかな?

198 :名無しで叶える物語:2020/07/31(金) 23:42:20.81 ID:OAa14vz9.net
乙やで
残った疑問点ぜんぶ拾おうと思ったらかなりのボリュームのアフターエピソードになりそう

199 :名無しで叶える物語:2020/07/31(金) 23:54:05.32 ID:31ElpkJR.net
https://youtu.be/tr4vEUTS9KQ
https://i.imgur.com/W0SZPGc.jpg
再会シーンは映画も原作も泣けるんよな

200 :名無しで叶える物語:2020/08/01(土) 01:52:58.71 ID:fU0rH0G4.net

アフターも楽しみにしてるぜ!

201 :名無しで叶える物語:2020/08/01(土) 14:29:11.15 ID:LPyHA/iZ.net
原作ってあったんや

202 :名無しで叶える物語:2020/08/01(土) 22:06:40.43 ID:x8i0zD1u.net
ワイガイジ、あいどるの正体が分からない。

203 :名無しで叶える物語:2020/08/01(土) 23:45:15.81 ID:vBElIsHV.net
保守

204 :名無しで叶える物語:2020/08/02(日) 00:43:06.98 ID:QSAschwo.net
ひふの内何方なんだろ?

205 :名無しで叶える物語:2020/08/02(日) 02:25:44.72 ID:X3QmS8Zj.net
元ネタ見たことないからあいどるの正体分からん

206 :名無しで叶える物語:2020/08/02(日) 19:38:02.44 ID:6ty7iw+a.net
原作はここから完結編が始まってまた一悶着あるんだよな
アフターエピソードめっちゃ楽しみだわ

207 :名無しで叶える物語:2020/08/03(月) 08:33:59.79 ID:dYaf7+P7.net
保守

208 :名無しで叶える物語:2020/08/03(月) 12:55:33.54 ID:K6nJjjiS.net
あれ?希だけ大した事してなくね?

209 :名無しで叶える物語:2020/08/03(月) 14:23:15.19 ID:+kBTOHBR.net
死んだと思ってた人に18年ぶりに会って抱きしめてもらうってどんな感覚なんだろうな

210 :名無しで叶える物語:2020/08/03(月) 21:11:49.45 ID:yms96xMc.net
余韻を台無しにして悪いけど、エリチが更年期に切れるのに吹いたわ。

211 :名無しで叶える物語:2020/08/03(月) 21:16:21.91 ID:5ZS8b7w4.net
>>208
秋穂のメンタルケアをしてただろ!

212 :名無しで叶える物語:2020/08/03(月) 21:58:54.00 ID:XhaG8PHR.net
>>209
2歳の時の記憶なんて普通ないからほぼ自分の中で作り上げた人物像だろうな

213 :名無しで叶える物語:2020/08/03(月) 23:52:59.33 ID:GxWhUqHK.net
ここまで正体について伏線らしい伏線ってあるのか

214 :名無しで叶える物語:2020/08/04(火) 00:03:25.85 ID:8sflT4Qj.net
まだかー?

215 :名無しで叶える物語:2020/08/04(火) 13:32:22.39 ID:3EodvUQi.net
ただ静かに待つ

216 :名無しで叶える物語(光):2020/08/04(火) 21:04:47 ID:HrWP9msX.net
期待しかない

217 :名無しで叶える物語:2020/08/05(水) 01:02:55.44 ID:OlNa3th7.net
いつ再開するかだけでも教えて欲しいな

218 :名無しで叶える物語:2020/08/05(水) 18:06:32.92 ID:o3lxYPlm.net
待機

219 :名無しで叶える物語(馬刺し):2020/08/06(木) 01:28:21 ID:srNSLpN0.net
保守

220 :名無しで叶える物語:2020/08/06(木) 21:51:10.06 ID:c42Wohe7.net
保守

221 :名無しで叶える物語:2020/08/06(木) 22:42:25.00 ID:srNSLpN0.net
何時までも待つぞ

222 :名無しで叶える物語:2020/08/07(金) 17:03:21.70 ID:ddGJQu+G.net
保守

223 :名無しで叶える物語(馬刺し):2020/08/08(土) 01:33:20 ID:q/Osiebu.net
保守

224 :名無しで叶える物語(庭):2020/08/08(土) 15:38:40 ID:fS1Ehd+E.net
after episode(前)「そして最後のページには」

プロファイラー「私はプロファイラーです」

穂乃果「ぷろふぁいらー…?」

プロファイラー「えぇ…人類を未曾有の危機に追い込んだ“あいどる”の内面を調査しています」

プロファイラー「穂乃果さん、あなたは“あいどる”が誰かを知っていますか?」

穂乃果「……さぁ」

プロファイラー「心当たりは?」

穂乃果「……ないです」

プロファイラー「……ふむ」

プロファイラー「穂乃果さん、我々はあなた方に感謝しています。あなた方がいなければ今のような平和は訪れませんでしたから」

穂乃果「あ、ありがとうございます…」

225 :名無しで叶える物語(庭):2020/08/08(土) 15:43:50 ID:fS1Ehd+E.net
プロファイラー「……ですが、協力してもらわないと困るんです」

プロファイラー「日本は今、国連が統治しています」

プロファイラー「指導者がいないからです」

プロファイラー「東京都民も我々の存在に不安を隠せていません」

プロファイラー「しかし……“あいどる”の素性がわからない限り、我々も帰れないんです」

穂乃果「……なるほど」

穂乃果「それで、わかりそうなんですか?“あいどる”の正体は」

プロファイラー「調査は進んでいます」

プロファイラー「ボノカ一派のリーダーにも事情聴取をしました」

穂乃果「花陽ちゃんに?」

穂乃果「どうでした…?上手く喋れました?」

プロファイラー「……とてもシャイな方でしたね」

穂乃果「あはは…」

プロファイラー「ですが、花陽さんがリーダーだったからこそ、余計な血を見ずに済んだんでしょうね」

穂乃果「うん、その通り」

226 :名無しで叶える物語:2020/08/08(土) 15:49:52.32 ID:fS1Ehd+E.net
パサッ

プロファイラー「これはご存知ですね?」

穂乃果「海未ちゃんの歌詞ノート…」

プロファイラー「いえ、違います」

穂乃果「え?いや…海未ちゃんの歌詞ノートですよ」

ペラペラ

プロファイラー「クレジットを見ると、海未さん以外の名前が…作詞:ことり、他のページを見ても…ほら、作詞:穂乃果と書いていますが」

穂乃果「あぁ…μ'sの歌詞ノートですね」

プロファイラー「そうです」

プロファイラー「そしてこれが…」

パサッ

プロファイラー「“あいどる”の歌詞ノート」

穂乃果「……私たち、それは知りません」

プロファイラー「……そうですか」

227 :名無しで叶える物語:2020/08/08(土) 15:54:36.35 ID:fS1Ehd+E.net
プロファイラー「穂乃果さん…あなた、ヴァーチャルリアリティゲームというものをご存知ですか?」

穂乃果「なんですか、それ?」

プロファイラー「“あいどるランド”のアトラクションです。あなた方や“あいどる”の過去を再現し、そこへ入り込めるんです」

穂乃果「……へぇ」

プロファイラー「これから特殊部隊がゲームの中に入ります」

穂乃果「………」

プロファイラー「“あいどる”の歌詞ノートの最後のページ……」

プロファイラー「彼女が唯一、実行していない歌詞…これを探るため」

穂乃果「……あなたの大切なものを奪う」

プロファイラー「はい、それが何を意味するのかを探ります」

228 :名無しで叶える物語:2020/08/08(土) 15:57:53.02 ID:fS1Ehd+E.net
穂乃果「………」

穂乃果「それ、私が行くことって可能ですか?」

プロファイラー「え?」

穂乃果「きっとこの『あなた』って私のことを言ってると思うんです…」

穂乃果「……それに、皆さんが行ってもたぶん何もわからないと思います」

穂乃果「……私がそこに行って“あいどる”の事を調べます」

プロファイラー「穂乃果さん…」

229 :名無しで叶える物語:2020/08/08(土) 16:07:14.96 ID:fS1Ehd+E.net




にこ「コホン…思えばμ'sが結成され…まさかこんなことになるなんて…でも…」

にこ「私たちは戦い…傷つき…それでも前を向いて…」

凛「みんなお疲れー!!」

カンッ

にこ「ちょっと待ちなさいよっ!」

花陽「グスッ…本当に…お疲れ様…」

希「もう、花陽ちゃんまた泣くんやから〜」

花陽「だっ…てぇ…!」

にこ「こうしてみんなが無事揃ったのもひとえに!」

真姫「まだ言ってる…」

希「さっ!それより食べよう、飲もう!」

凛「賛成〜!お腹も減ってるし!」

絵里「……穂乃果は?」

海未「夜風に当たってくると言ってそれっきり…」

真姫「こういう賑やかなの一番好むタイプなのに…変わったわね」

ことり「ずっと旅してきたんだし…外の方が落ち着くんだよ…」

にこ「ゴクゴクッ…ぷはぁ…!気に入らないわね!」

にこ「せっかく、μ'sが揃ったっていうのに気取っちゃって!!」

凛「あー!にこちゃん、それ凛のビール!!」

ことり「ま、まぁまぁ…」

ギャーギャー…ギャーギャー…





230 :名無しで叶える物語:2020/08/08(土) 16:17:31.14 ID:fS1Ehd+E.net
にこ「…スー…スー…Zzz」

凛「スカー…Zzz」

花陽「スゥ…スゥ…Zzz」

希「……Zzz」

絵里「……秋穂はどうしてる?」

海未「……ツバサさんの看病です」

ことり「ツバサさんの?」

海未「はい…」

海未「今は…音ノ木坂学院にいます」

ことり「え?病院じゃなくて…?なんで、学校なの?」

真姫「病院はもうキャパオーバーしてるわ。ベッドだってたりてない」

真姫「ツバサは軽傷者扱いなのよ」

絵里「じゃあ、そこまで容態は悪くはないのね」

真姫「言ったでしょ?扱いだって…。銃で撃たれたのよ?悪くないわけない……」

真姫「でも、ツバサよりひどい状態の人が…もっといるってことよ」

231 :名無しで叶える物語:2020/08/08(土) 16:24:03.85 ID:fS1Ehd+E.net
海未「……あの子、落ち込んでいるんです」

海未「あの円盤が向かっていた先はアキバドームだった」

海未「アキバドームだけは安全だと思って都民を集めたのに……」

海未「絵里たちが円盤を落とさなければ都民は…」

絵里「………」

海未「何十万人という人が死んでた……と」

ことり「ワクチンがあったんだから、もし来てたとしてもみんな平気だったよって言っても…ずっと、自分を責めてる…」

海未「自分はまんまと“あいどる”の計画に乗せられたって…」

真姫「……計画?“あいどる”に計画なんてないでしょ」

真姫「……そんなものがあったら……自分が死ぬようなハメには……」

232 :名無しで叶える物語(庭):2020/08/08(土) 16:28:26 ID:fS1Ehd+E.net
花陽「んぐっ…」

真姫「…!起きたの、花陽?」

花陽「お……おぇぇ」

真姫「えっ…!?ちょ、だ、大丈夫…?」

花陽「ギモヂワルイ…」

海未「もうっ……ほら、立てますか?」

花陽「う、うん…」

海未「ちょっと、花陽の介抱を…」スタスタ

絵里「えぇ」

233 :名無しで叶える物語:2020/08/08(土) 16:34:27.62 ID:fS1Ehd+E.net
花陽「おぇぇ…!」

海未「まったく…飲み過ぎですよ」

花陽「はぁ…はぁ…。ねぇ、海未ちゃん…」

海未「どうしました?」

花陽「はぁ…みんなには言わないでって言われてたんだけど…」

花陽「………」

海未「……なんですか?」

花陽「……穂乃果ちゃん、ヴァーチャルアトラクションに入るんだ……」

海未「え?」

海未「そ、それって確か“あいどるランド”の…」

海未「なぜですか…?」

花陽「連合軍は……まだ“あいどる”が何か仕掛けてくると思ってるらしいんだ……」

海未「……止めなかったんですか?」

花陽「……止めたよ」

花陽「あのアトラクションは怖いよ…入ったら、二度と抜け出せないかもしれない…」

海未「そ、そんなの!危険すぎます!」

花陽「……穂乃果ちゃんのこと、海未ちゃんが一番よくわかってるでしょ?」

花陽「止めて止まるような人じゃ……ないよ……」

海未「……っ」

234 :名無しで叶える物語:2020/08/08(土) 16:40:32.63 ID:fS1Ehd+E.net
海未「……花陽、もう1人で大丈夫ですか?」

花陽「え?あ…うん」

海未「少し…失礼します」

海未「」ダッ

ダッダッダッダッ

海未「……っ、どこまで風に当たりに行ったんですか……?」

海未「……あっ」

タッタッタッタッ…

海未「はぁ…はぁ…」

海未「穂乃果!!」

穂乃果「……ん」

穂乃果「海未ちゃん」

海未「はぁはぁ…なぜ、黙っていたんですか」

穂乃果「……えへへ、懐かしいね」

海未「……はぁ?」

穂乃果「海未ちゃん、今いくつ?」

海未「……44ですが」

穂乃果「じゃあ、私…45か…」

穂乃果「すっかり2人ともおばさんだね……」

穂乃果「しかも……独身か」

穂乃果「いや、でも…それはみんなそうか!」

海未「…っ!なんの話をしているんですか!」

235 :名無しで叶える物語:2020/08/08(土) 16:47:31.17 ID:fS1Ehd+E.net
海未「後のことは連合軍に任せておけばいいじゃないですか!」

海未「もう、すべて終わったんです!」

穂乃果「………」

海未「………」

穂乃果「……2019年の12月31日」

海未「……今度はなんですか」

穂乃果「ミカがビルから落ちた時、遺体の確認は誰がした?」

海未「え?」

海未「……誰もしていませんが」

穂乃果「……そっか」

236 :落ちます。たぶん深夜にまた書きます:2020/08/08(土) 16:55:21.19 ID:fS1Ehd+E.net
穂乃果「……花陽ちゃんがこう言った。“あいどる”は……私たちμ'sが作ったんじゃないかって」

穂乃果「……それは半分正しくて、半分違うんだ」

海未「……どういうことですか」

穂乃果「“あいどる”をつくったのは……」

穂乃果「……私」

海未「………」

穂乃果「……なんで最後のページがあると思う?」

海未「次から次へと…さっきから、なんの話をしているんですか…」

穂乃果「ページに限らず…最後がある理由ってなんだと思う?」

海未「……最初や途中があるからじゃないですか」

穂乃果「……だよね」

穂乃果「だから、見てくるよ。45歳になって…何が見えるか見てくる」

穂乃果「……最後のページに辿り着くまで……何があったか」

穂乃果「じゃあ、行ってくるね…!」

ザッ…ザッ…

海未「あっ…穂乃果!!」

穂乃果「」スタスタ

海未「…っ、穂乃果!!」

237 :名無しで叶える物語:2020/08/08(土) 19:35:59.23 ID:q/Osiebu.net
おかえりなさい

238 :名無しで叶える物語:2020/08/08(土) 20:16:07.25 ID:tFfWsS3m.net
きたー!!!

239 :名無しで叶える物語:2020/08/08(土) 21:30:31.20 ID:bksjS3ht.net
来たか

240 :名無しで叶える物語(庭):2020/08/09(日) 02:42:29 ID:WlBu/Lgo.net




〜“あいどるランド”〜

軍人1「サンプリング周波数正常!」

軍人2「同期システムも正常です!」

軍人3「脳波、心電図、脈拍、いずれも異常なし!」

軍人4「いつでもアトラクションを開始出来ます!」

プロファイラー「……穂乃果さん、準備はいいですか?」

穂乃果「うん!いつでも」

プロファイラー「入れば、向こうのものに干渉出来ます」

プロファイラー「どうか、最後のページの真意を…“あいどる”が何をやろうとしているのかをハッキリとさせてください」

穂乃果「任せといてください」

プロファイラー「あっ…それと、途中で何があっても勝手に退場しようとしないでくださいね

穂乃果「……なんでですか?」

プロファイラー「向こうの世界と同期したままリタイアするのは危険なんです」

プロファイラー「最悪、命を落とすことに…」

穂乃果「へぇ〜…なるほど…」

プロファイラー「……では、行きますよ」

穂乃果「……うん」

ビリッ……ビリビリ……!

穂乃果「…っ」

プロファイラー「」ポチッ

穂乃果「うっ…!!」

グルッ!!ギリリリリリ!!ギュルルルル!!ギュルン!!

241 :名無しで叶える物語(庭):2020/08/09(日) 02:48:24 ID:WlBu/Lgo.net




穂乃果「……ん?」パチッ

穂乃果「ここはもう……アトラクションの中?」

スカッ…スカッ…

穂乃果「干渉出来るって言ってたのに…私、実体がない」

穂乃果「……失敗?」


「なんて可愛い女の子…」


穂乃果「ん?」


「私にも抱かせて」

ウッ…ウッ…オギャァァァァァァァ!!!

「ありゃぁ…やっぱり、近づいただけで泣いちゃうか…」

「この子は雪穂ちゃんの方が好きみたいだね」

雪穂「えへへ…よしよし、泣かないで…」

ヒグッ…ヒグッ…


穂乃果「雪穂…?」

穂乃果「じゃあ、あの赤ちゃんは…」

242 :名無しで叶える物語(庭):2020/08/09(日) 02:54:27 ID:WlBu/Lgo.net
「……私、この子だけは絶対に守るから」

「……きっと」

雪穂「クスッ…だって。頼もしいでちゅね〜♪」

アウー

雪穂「あっ…そうだ、名前は決めた?」

雪穂「ちなみに、この間のアレは無しだよ?」

「なんだっけ…?」

「あぁ、出穂か…あれは冗談だよ」

雪穂「ほんとぉ…?」

雪穂「……で、どうするの?」

「うん、名前はね……」

「……秋穂」

雪穂「秋…穂…?」

雪穂「プッ…」

「ん?ダメ?」

雪穂「い、いや…秋に生まれたから秋穂って…安直すぎるよ」

「………」

243 :名無しで叶える物語(庭):2020/08/09(日) 03:06:09 ID:WlBu/Lgo.net
「秋に生まれたからってのもあるけど……別にそれだけじゃないって」

雪穂「他に何か理由があるの?」

「雪穂ちゃんの穂ってのぎへんでしょ?」

「それに、秋には火って漢字が入ってるでしょ?」

雪穂「もしかして、火って…ヒ?」

「そう」

「やっぱり、のぎへんは外せないなって」

「それに、のぎへんって…稞って漢字もあるんだよ」

雪穂「え?まさか……お姉ちゃんの……」

雪穂「穂乃果の果に…のぎへんつけて稞?」

「のぎへんって万能でしょ」

雪穂「万能だけど…ちょっと、こだわりすぎじゃない?」

雪穂「ん…?あっ…そういえば禾って…!」

「ふふ…そうとも読めるんだ…!」

雪穂「確かにすごい!秋穂…うん、私たちの子供だよ!」

「あと…」

雪穂「…まだあるの?」

「秋はのぎへん。そして、高坂の坂」

雪穂「……?どういうこと?」

「ノ木坂」

雪穂「」ポカーン

雪穂「ぷっ…なにそれ…音はどこに行ったの?」

「音は自分で彩っていくんだよ」

「私たちが育った…アキバっていう大切な場所でね」

雪穂「なるほどね…じゃあ、私もお姉ちゃんも自分で音を彩らないとね」


穂乃果「……そっか。秋穂の名前……そんな由来が」

ギュル!!

穂乃果「ぐっ…な、なに…!?」

ギュルルル!!!

244 :名無しで叶える物語:2020/08/09(日) 03:10:30.12 ID:WlBu/Lgo.net




(穂乃果)「……あれ?場所が変わった?」

(穂乃果)「あっ、足がつく…身体にも触れられる」

(穂乃果)「ようやく…この世界に入れたってことかな?」

(穂乃果)「というか…この場所って…確か」


「いったぁーい!」


(穂乃果)「この声…」

(穂乃果)「」タッタッタッタ


ことり「穂乃果ちゃん、もうやめようよ〜!」

穂乃果「まだまだ〜!次こそ出来るっ!」


(穂乃果)「……やっぱり私だ」


穂乃果「とぉぉーー!」

ラララララ♪

穂乃果「!」

穂乃果「〜〜♪とぉー!」ピョーン


「……えへへっ」 ダダダッ

(穂乃果)「今の鼻歌…SUNNY DAY SONG…?」

(穂乃果)「……あの子」

245 :名無しで叶える物語(庭):2020/08/09(日) 03:16:01 ID:WlBu/Lgo.net
タッタッタッ

穂乃果「ちょ、ちょっと待って!」

「」ピタッ

穂乃果「はっ…はっ…」

穂乃果「あのさ…ちょっと、振り向いてくれない?」

「……なんで?」

穂乃果「え?あっ…いや、すこーしだけでいいんだけど…!」

「……私、穂乃果ちゃんとは小学校が違うからずっと遊びたかった」

穂乃果「え?」

「さっきの子」

穂乃果「あ、あぁ…あの、水たまりで遊んでた…」

「海未ちゃんやことりちゃんが羨ましかった」

「彼女たちは…穂乃果が側にいるありがたみをわかってない」

「彼女たちに…苦痛を味合わせたい…。知らしめてやりたい…穂乃果がいないということがどれだけ辛いかを」

穂乃果「………」

246 :名無しで叶える物語:2020/08/09(日) 03:22:13.22 ID:WlBu/Lgo.net
穂乃果「……顔を見せてもらえないかな?」

「……くくく」

穂乃果「え…?」

「……まだ、早いよ」

「ここのルールがわかってない」

「誰かのためにって言えば聞こえはいいけど、今の穂乃果なんて国連軍の手先になってるだけじゃん」

「やんなきゃいけないことが他にあるんじゃないの?ほーのーかちゃん」

穂乃果「やらなきゃいけないこと…?」

「……可愛い?」

穂乃果「……?」

「やっぱり姪っ子は可愛い?」

「秋穂との約束は果たすのに、私との約束は果たしてくれないんだ」

「穂乃果を取っちゃう悪い子」

「そんな子、守る価値ないよね」

「ほーら、穂乃果」

「未来をしっかり見て?」

「じゃーねー」タッタッタッ

穂乃果「あっ…!待っ…!」

247 :落ちます:2020/08/09(日) 03:30:57.08 ID:WlBu/Lgo.net
穂乃果「ゼェゼェ…もう…見えなくなっちゃった…」

穂乃果「……歳、かな」

穂乃果「……そっか」

穂乃果「当たり前だけど、ここは現実じゃないんだよね…」

穂乃果「ここにはここのルールがある」

穂乃果「……未来をしっかり見て?」

穂乃果「…ッ」ギリッ

穂乃果「未来を見るべきなのはそっちの方じゃん…」

穂乃果「私が見なきゃいけないのは……過去」

穂乃果「SUNNY DAY SONG……どんなことも乗り越えられる気がするよ……か」

穂乃果「……いいよ、最後のページがどうなるかなんて…まだ、わからないんだから」

穂乃果「……ちゃんと、向き合わないと」スッ

ザッ…ザッ…

after episode(前)「そして最後のページには」-完-

248 :名無しで叶える物語:2020/08/09(日) 15:00:21.39 ID:z9LoEnky.net


249 :名無しで叶える物語(家):2020/08/10(月) 03:38:15 ID:xzrnGEBW.net
保守

250 :名無しで叶える物語:2020/08/10(月) 17:06:50.54 ID:SuAUvEb4.net
いやめっちゃおもろいやんこのSS

251 :名無しで叶える物語(馬刺し):2020/08/11(火) 01:44:59 ID:KmRUs/TL.net
保守

252 :名無しで叶える物語:2020/08/11(火) 18:14:15.97 ID:T8qtndJv.net
保守

253 :名無しで叶える物語:2020/08/11(火) 19:57:21.03 ID:GWn5rEmi.net
保守

254 :名無しで叶える物語:2020/08/11(火) 22:07:41.07 ID:GWn5rEmi.net
保守

255 :名無しで叶える物語:2020/08/12(水) 12:57:35.39 ID:Dx8pwg/5.net
ほほほ保守

256 :名無しで叶える物語:2020/08/12(水) 14:35:21.08 ID:WiRjKny3.net
保守

257 :名無しで叶える物語:2020/08/12(水) 16:41:38.03 ID:MC6vjrx2.net
ホモ

258 :名無しで叶える物語:2020/08/12(水) 20:12:15.21 ID:LwQbolgE.net
誰も見てないのか

259 :名無しで叶える物語(なっとう):2020/08/12(水) 20:34:39 ID:sU035wOO.net
みてるぞい

260 :名無しで叶える物語:2020/08/12(水) 23:16:59.90 ID:YIpcdxsd.net
保守

261 :名無しで叶える物語(鮒寿司):2020/08/12(水) 23:41:36 ID:MJDPPWtY.net
見てっぞ

262 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 01:20:32.63 ID:pSCXbzM0.net
after episode(中)「僕たちはひとつの光」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

-2018-

穂乃果「ふわぁ〜〜あ…」

秋穂「んぅ……うあっ……?」

穂乃果「お、起きた?秋穂」

秋穂「だぁー」

穂乃果「いやー、今日はすっごく暇だよ〜、全然お客さん来ないや」

穂乃果「……そういえば」

穂乃果「昔……雪穂とお店番して、こんな風にだらけてたら……叱られたっけかな」

穂乃果「秋穂のママ、すっごく真面目だったんだよ?」

穂乃果「妹なのにしっかりしてて…姉の面目ないよ、へへ…」

穂乃果「ママ、ワガママなんてほとんど言ったことないんだよ?」

穂乃果「お店を継いだのも…結局は私の意思だし」

秋穂「うー」

穂乃果「……そうだねぇ、雪穂が唯一ついたワガママといえば……」

263 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 01:26:09.97 ID:pSCXbzM0.net
ガラッ…

穂乃果「あっ!いらっしゃいませー!」

穂乃果「…って、自治会長さん?」

自治会長「…」

穂乃果「珍しいですね、穂むらに来るなんて!何にしますか?」

自治会長「……穂乃果ちゃんよ、今日は客として来たわけじゃないんだよ」

穂乃果「え?」

自治会長「あんたがこの店を継いで…もう2年ぐらいになるか?」

穂乃果「2年半ぐらい…ですかね!」

自治会長「うむ…そろそろ考えにゃいかんわね…」

穂乃果「考えるっ…?」

穂乃果「なにをですか??」

自治会長「結婚……跡取りだよ!」

穂乃果「……え?」ポカーン

穂乃果「……えぇっ!??」

264 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 01:33:16.01 ID:pSCXbzM0.net
穂乃果「結婚って……私、まだ24なんですよ!?」

自治会長「あんたの母親はその時分にはあんたを産んでたよ、早いことありゃせん」

自治会長「わたしゃ、この辺りの子の縁組みを任されてもう40年になるんだよ」

穂乃果「たはは…任されてるって…だ、誰に…?」

バッ!

穂乃果「うっ…!」

自治会長「この写真の子どうだい?イケメンだよ!カッコいいよ!」

穂乃果「い、いや〜…」

自治会長「悪いことは言わない!この子にしときな!」

ズイッッッ!!

穂乃果「ち、近い〜…!」

自治会長「ほら、どうなんだい!?」

穂乃果「……き、気が向いたら」

自治会長「……あんた、本気で考えてないね」

穂乃果「」ギクッ

穂乃果「そ、そんなぁ〜!」

穂乃果「た、確かに…カッコいいですね…!うん…カッコいい…」

自治会長「………」

265 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 01:39:23.26 ID:pSCXbzM0.net
自治会長「本気で考えてるって言うんなら…」

自治会長「あんたが背負ってる、その子はなんとかしなくちゃあな」

秋穂「あだ?」

穂乃果「秋穂を…?なんとかって…?」

自治会長「そうだねぇ…あんたの母親が面倒みるか…最悪、託児所に預けるか」

穂乃果「っ!?」

穂乃果「そんなの!絶対に嫌です!」

自治会長「………」

穂乃果「……秋穂は私が育てます。雪穂が帰ってくるまで、私が育てます」

自治会長「何をそんなに意地張ることがあるのかねぇ…こんなにイケメンなのに…」

穂乃果「私、イケメンなんて興味ありません…!」

穂乃果「イケメンの人なんてこの世にたくさんいます…」

穂乃果「でも、秋穂はこの世に1人です…。秋穂を育てるのは私しかいません…!」

自治会長「………」

266 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 01:47:19.45 ID:pSCXbzM0.net
自治会長「……はぁ、姉にこんな迷惑かけて」

穂乃果「迷惑…?」

自治会長「だいたい、非常識じゃないか…生まれたばっかりの子供ほっぽり出して」

自治会長「自分のおっぱい吸わせたくないのかねぇ…」

自治会長「……その子、疫病神じゃないのかい?」

穂乃果「疫病……神?」

自治会長「あんたらの父親が死んだのも……その子のせいなんじゃないのかい?」

穂乃果「そんな…!この子が生まれる前にお父さんは亡くなったんです!酷いこと言わないでください…!」

自治会長「実家に子供預けて…姉に結婚させ辛くして…」

自治会長「情けないねぇ…そんな子いなけりゃ、穂乃果ちゃんも結婚に前向きになったかもしれないのに」

自治会長「……そもそも、ほんとに雪穂ちゃんの子かい?その子……」

穂乃果「」ブチッ

自治会長「疑わしいねぇ…あんた達、なんか騙されてんじゃ…」

穂乃果「帰ってください」

自治会長「え?」

267 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 01:58:12.55 ID:pSCXbzM0.net
穂乃果「雪穂はしっかりしてる子です…私なんかより…」

穂乃果「……そんな雪穂が私たちにこの子の面倒をみてって言った」

自治会長「…っ、しっかりしてる子がこんなワガママ言わないよ!!」

穂乃果「…確かに、ワガママなのかもしれない」

穂乃果「だけど…雪穂がワガママ言うなんて、後にも先にもこの子の事だけだと思うんです…」

自治会長「…せっかくあんた、ここいらじゃ人気あるのに…!」

自治会長「そんなこと言ってちゃ、一生独り身だよ!!」

穂乃果「ほっといてくださいッ!!」

自治会長「その調子じゃ10年後…いや、20年後だって結婚してないよ…」

穂乃果「45になる歳…?」

穂乃果「そんなの、独身なわけない…」

自治会長「……はぁ、それのせいで」

穂乃果「それとか言わないで」

自治会長「……?」

穂乃果「秋穂のこと物みたいに言わないでください」

穂乃果「……さっきも言ったはずです。この子は妹の子供」

穂乃果「……雪穂が帰ってくるまで、私が育てる」

自治会長「……!!」

自治会長「ったく!!話にならないよ!!勝手にしな!!」

自治会長「」ダダダダダダ!!

ガララッ…バタンッ…!!

268 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 02:01:34.45 ID:pSCXbzM0.net
穂乃果「………」

秋穂「だぁ♪」

穂乃果「…!えへへ…」

穂乃果「怒らせちゃったね…」

秋穂「あだあだ」

穂乃果「……大丈夫。ママ……多分、もう少しで帰ってくるよ」

穂乃果「20年後か……その頃には、海未ちゃんやことりちゃんも結婚してるのかな……」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





269 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 02:05:47.32 ID:pSCXbzM0.net
希「ええんよ?どうしても嫌なら、無理にインタビューしなくても」パチッ

希「真姫だけは…インタビューに応じてくれなかった。スクールアイドルから離れれば、ただの多感な15歳」

真姫「なっ…なに勝手にナレーション被せてるのっ…!?」


(穂乃果)「懐かしい…あったなぁ、こんなこと…」

……〜〜〜〜

(穂乃果)「ん?話し声…?」

(穂乃果)「……向こうの方からかな」

(穂乃果)「」タッタッタッ

270 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 02:13:07.85 ID:pSCXbzM0.net
(穂乃果)「」サササッ


「これ、使ってみて!笑かせられるよ〜♪」

ことり「うわ〜♪面白いねっ♪」

ことり「ありがとう!使ってみるっ♪」

ことり「」タッタッタッ


凛「かよちんは昔から、アイドル好きだったんだよねぇ〜!」

希「それでスクールアイドルに?」

花陽「は、はい…ええっとぉ…プッ…プブフッ…」

真姫「ちょっと止めて!」

穂乃果「ん?いや〜!緊張してるみたいだから、ほぐそうかなと思って!」

真姫「ことり先輩も!」

ことり「ガンバッテイルカネ」

真姫「まったく〜!!」


(穂乃果)「あはは…」

ギュル!!!

(穂乃果)「…っ」

(穂乃果)「また、場面が変わる…?」

ギュルルル!!!

271 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 02:20:48.20 ID:pSCXbzM0.net
(穂乃果)「……うぅ、今度はいつの場面?」

ナニソレナニソレ!

(穂乃果)「ん?」ヒョコ


「これのこと?これはシオデっていうんだよ」

穂乃果「へぇ〜!なんだか、アスパラガスみたいだね〜!」

「クスッ…それ、よく言われる!」

「……こいつの花言葉、味わい深いっていうんだよ」

穂乃果「味わい深い…?すごい…それ、花言葉があるんだ…!」

「でしょ?でさ、これってなんだか私たちみたいじゃない?」

穂乃果「へ?なにが?」

「味わい深い…花の色は地味でも…面白いってね」

「それとこいつ、もう一つ花言葉があるんだ」

穂乃果「おぉ〜!詳しいね…!」

「うん…こいつの別名がさ…」

「花言葉も相まって、勝手に親近感覚えてる」

穂乃果「それでそれで!もう一つは?」

「もう一つはねぇ…」

「…あなたを離したくない」


(穂乃果)「………」

ギュル!!!

(穂乃果)「…!またか…」

ギュルルル!!!

272 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 02:31:12.56 ID:pSCXbzM0.net
(穂乃果)「今度はどこ…?って、また学校…?」


絵里「……あら?」


(穂乃果)「ん?絵里ちゃんの声だ…行ってみよう…」タッタッタッ


絵里「綺麗な花…」

「絵里先輩…はい、綺麗ですよね」

絵里「水やり?感心ね」

「お花も、水がなくちゃ大変ですからね」

絵里「ウフッ…そうね」

穂乃果「なになにー!2人ともなにやってるの?」

ギュッ

絵里「わっ…!もう、穂乃果ぁ…」

絵里「水やりしてくれてるのよ」

穂乃果「おぉ〜!綺麗だね〜!」

「ねぇ…これ、Printempsに似合いそうじゃない?」

穂乃果「私たちに?」

「Printempsっていったらお花のイメージあるし」

穂乃果「確かに…。うん!じゃあ、次の衣装にどうかってことりちゃんに言ってみる!」

絵里「さっ…そろそろ練習に行きましょ」

穂乃果「はーい!…って、むぐっ…!?」

ズザザザ…

絵里「あっ、そういえば穂乃果」

絵里「……?穂乃果?」クルッ

・・・シーン

絵里「え…?もう、どこに行ったのかしら?」

273 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 02:38:57.41 ID:pSCXbzM0.net
穂乃果「んぅ〜…!んっ…!んぐぐぅ…!」

(穂乃果)「シーッ…!」

(穂乃果)「口から手をどけるからね、大きい声出さない?大丈夫?」

穂乃果「んっ…んっ!」コクコクッ

サッ…

穂乃果「ぷ…ぷはぁっ…!はぁ…はぁ…!」

穂乃果「な、なんですか…?お姉さん…ここでなにを…?」

(穂乃果)「いや…私、怪しい者じゃなくて…って言っても怪しいよね…うーん、まぁいいや…」

(穂乃果)「ねぇねぇ…ちょっと聞いてもいい?」

穂乃果「はい?なんですか?」

(穂乃果)「あなたの大切なものって…なにかな?」

穂乃果「大切なもの…?」

穂乃果「うーん…」

穂乃果「やっぱり学校かな!私たち、今、この学校を守ろうと必死なんです!」

穂乃果「あとはμ'sのみんな!…というより、友達みんな!!」

(穂乃果)「…そっか…だよね…」

穂乃果「どういうことですか?」

(穂乃果)「いや、なんでもないよ…」

274 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 02:47:15.98 ID:pSCXbzM0.net
(穂乃果)「……大人だったら?」

穂乃果「え?」

(穂乃果)「もし、自分が大人…例えば、30年後の自分にとって大切なものってなんだと思う?」

穂乃果「なんでそんなことを…?」

(穂乃果)「お願い。聞かせてほしいんだ」

穂乃果「そうだなぁ…でも、やっぱり学校かなぁ…」

穂乃果「まだ、どうなるかはわからないけど…この学校を守れたら…きっと、私たちにとって…かけがえのないものになると思うから」

(穂乃果)「……うん、そうだよね」

穂乃果「それと〜…」

(穂乃果)「それと?」

穂乃果「うーん……やっぱり友達!……って言いたいところだけど……」

穂乃果「やっぱり、その頃には…」

穂乃果「子供……になってるのかな……えへへ……なんて!」

(穂乃果)「……やっぱりか」

(穂乃果)「やっぱり……同じだ」

穂乃果「あの、なんでそんなこと聞くんですか?」

275 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 02:54:38.34 ID:pSCXbzM0.net
絵里「穂乃果〜!どこ〜?」


(穂乃果)「絵里ちゃんが探してる…もう行かないと」

穂乃果「え?絵里ちゃんを知ってるの?」

(穂乃果)「うん、よーく……ね」

(穂乃果)「質問に答えてくれて、ありがと」

(穂乃果)「ほら、行っておいで」

穂乃果「はーい」

穂乃果「あっ…そうだ!お姉さんは結局、何者なの?」

(穂乃果)「私?私はただの…」

(穂乃果)「…μ'sのファンだよ」

穂乃果「えっ…!ほんと!?」

穂乃果「ほんとのほんとのほんとに!?」

(穂乃果)「うん!3人の頃から、ずっと応援してるよ」

穂乃果「〜〜〜〜っ!!」

穂乃果「わーい!!やったー!!こんな大人のお姉さんからも応援されてるんだ〜!!」ピョーンピョーン

(穂乃果)「えへへ……」

(穂乃果)「……あなたさ」

穂乃果「……へ?」

(穂乃果)「……いや、なんでもないや」


絵里「穂乃果〜?」


(穂乃果)「ほら、早くしないと…」

(穂乃果)「そうだ、絵里ちゃんに私のこと言っちゃダメだよ?私はあくまでも隠れファンだからね」

穂乃果「はーい!」ダダダッ!

バッ

エリチャーーン!!
ワッ!?ンモウ、ドコニイッテタノヨー
エヘヘーゴメーン♪


(穂乃果)「……子供……か」

276 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 03:01:14.23 ID:pSCXbzM0.net




〜音ノ木坂学院〜

秋穂「………」

コツ…コツ…コツ

秋穂「……?」

千歌「やっ!」

秋穂「………」

千歌「……ツバサさんは?」

秋穂「……よくない」

秋穂「いくら貫通した弾とはいえ…銃で撃たれたんだもん…学校の設備なんかで…賄えるわけない…」

千歌「ツバサさん程の負傷者を病院は受け入れてくれないんだもんね……どこも手が足りないんだよ……」

千歌「でも、まさか搬送されるのが音ノ木坂学院だとはね」

秋穂「………」

千歌「……秋穂ちゃん、ご飯食べてる?」

千歌「なんだか、顔色が……」

秋穂「………」

277 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 03:11:41.45 ID:pSCXbzM0.net
千歌「……なんで、ツバサさんの看病を?」

秋穂「……あの時、3年前……“あいどるランド”へ行った時にボーナスステージのゲームで見た“あいどる”の素顔……」

秋穂「あの時は思い出せなかったけど……」

秋穂「あれは…ツバサだった」

千歌「……でも、“あいどる”は死んだ」

秋穂「……私、何も知らないから」

千歌「え?」

秋穂「あんなに人が密集してた場所にウィルスをばら撒かれていたら…」

秋穂「…私のせいで、何十万人という人が死ぬところだった」

秋穂「アキバドームなら安全と思って、都民を集めたけど…もしも、絵里おばさん達が円盤を落とさなかったら……」

千歌「………」

秋穂「……ウィルスじゃなく、私がみんなを殺すところだった」

千歌「……秋穂ちゃん、そんなに気にしないで……?」

千歌「あそこにいる人たちは、ワクチンを打ってたんだし…」

秋穂「あの時点でみんなが打ってたわけじゃない…」

千歌「……っ」

千歌「…仕方ないよ…“あいどる”の考えてることなんて、誰にも分からないんだから…」

秋穂「………」

278 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 03:23:33.47 ID:pSCXbzM0.net
秋穂「ところで、そっちはなんの用?」

秋穂「まさか、冷やかしってわけじゃないよね?」

千歌「あっ、うん!今度、AqoursとSaint Snowで、ここでライブをやることになったんだ!」

千歌「アキバドームでのライブ…なんだかんだで評判良かったみたいでね…」

千歌「だから、今日はライブの下見」

秋穂「……そっか」

千歌「いい学校だよね、音ノ木坂」

秋穂「……うん」

千歌「……聞いてもいい?」

秋穂「なに……?」

千歌「前から思ってたんだけど…なんで、秋穂ちゃんって音ノ木坂に行かなかったの?」

秋穂「………」

千歌「……ごめんね、変なこと聞いたよね」

秋穂「……行きたかったよ」

千歌「!」

279 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 03:30:50.82 ID:pSCXbzM0.net
秋穂「……隣のクラスの高坂秋穂って知ってる?あぁ、この前はガラスぶち破ったらしいね……」

秋穂「……血の大晦日のことで……学校で揉めてたから……そんなヒソヒソ話はよくされてたし、友達はいなかったし、全然楽しくなんてなかった……」

秋穂「だから、どこに行ったって変わらなかったと思うけど……」

秋穂「だけど……」

秋穂「私だって…お母さんやおばちゃんみたいに音小、音中に通いたかった…」

秋穂「でも…もう、二つとも統廃合で廃校になっちゃったから…」

秋穂「だから、せめて高校だけは…音ノ木坂がよかった」

千歌「……なら、どうして?」

秋穂「……海未おばちゃんがダメだって」

千歌「………」

千歌「“あいどる”は音ノ木坂の卒業生らしいし……危険と思ったのかな……」

千歌「きっと、秋穂ちゃんのためを思ってのことだよ…」

280 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 03:36:57.95 ID:pSCXbzM0.net
千歌「穂乃果さんは…?」

秋穂「知らない…」

千歌「あんなに会いたがってたのに…。一緒に暮らしてるのかと思ってたよ」

秋穂「私は会いたかったけど、穂乃果おばちゃんはそうでもなかったみたい…」

千歌「そんなこと…!穂乃果さん、よく言ってたよ?秋穂ちゃんとの約束を果たさなきゃ…って!」

千歌「ずっと、秋穂ちゃんのことを気にかけて…」

秋穂「あのフェスティバル」

千歌「えっ…?う、うん…」

秋穂「穂乃果おばちゃんを迎えるためにやったけど…結局、おばちゃん、あの曲をやらなかった…」

千歌「あぁ…あれはビックリしたよね」

秋穂「なんであの曲やらないの?って聞いたら…」

千歌「うん…」

秋穂「…なんにも答えてくれなかった」

秋穂「たぶん、おばちゃんの名前を勝手に使って…ヒーローみたいに祭り上げた私のやり方…おばちゃん、気に食わなかったんだと思う…」

千歌「い、いや……そんなこと……」

281 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 03:44:44.53 ID:pSCXbzM0.net
千歌「……そんなに気にすることないよ」

千歌「ただの気まぐれだよ…たぶん…」

千歌「ほら!穂乃果さん言ってたし!」

千歌「このフェスを開催した理由は自分の歌を聴くためじゃなくて、みんなの命を守るために集めたんだって!」

秋穂「私のせいで…命を守るどころか、みんなを死なすところだったんだけどね…」

千歌「……あっ」

秋穂「ずっと、お母さんがいなかったから…穂乃果おばちゃんのこと、本当の母親みたいに思ってた」

秋穂「おばちゃんにおんぶしてもらって…手を繋いでもらって…お風呂に入れてもらって…おばちゃんの歌を聞いて育った」

秋穂「おばちゃんがいたからここまで頑張ってこられた…」

秋穂「でも…穂乃果おばちゃんからすれば…別に私は…本当の娘じゃないし…」

千歌「そんなこと…ないよ…ちゃんと話した方がいいと思うけど…」

282 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 03:55:20.48 ID:pSCXbzM0.net
千歌「それに秋穂ちゃん…気に食わなかったって言ったけど、穂乃果さん…そんな風に怒る人じゃないよ」

千歌「穂乃果さんが怒ってるところ、見たことある?」

秋穂「……ないけど」

千歌「ほらね!やっぱり…!」

秋穂「いや…?」

千歌「え?」

秋穂「一度だけある……縁談の」

千歌「縁談の?」

秋穂「穂むらまで来て、私のことなんて捨てて…早く結婚しろって言ってくる人がいた」

秋穂「お母さんのこと貶されて…穂乃果おばちゃん、すごく怒ってた…」

秋穂「あんなに怒ってるところ、他に見たことない…」

千歌「そんなの怒って当然だよ!……って、ん?」

千歌「穂むらにって……確か穂むらって2018年に全焼して……あれ?秋穂ちゃんがその話の時の歳って……」

秋穂「……0歳」

283 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 04:05:06.60 ID:pSCXbzM0.net
千歌「お、覚えてるの…?」

千歌「……い、いやいや!何かの勘違いだよ!」

千歌「2歳以前の記憶は植え付けられた物だって、何かで見たことあるよ!」

千歌「誰かから聞いたんじゃないその話!?」

秋穂「聞いてないよ」

千歌「………」

秋穂「……私、すごく成長が早かったらしいの。異常な程」

秋穂「すぐにハイハイして、つかまり立ちして、立って、あっという間に喋ったって……おばあちゃん言ってた」

秋穂「今の話みたいに、0歳や1歳の時のことを覚えてることがあるの……2歳からはもう、完全に記憶してる」

秋穂「……3歳の時、あなた達に会ったのも覚えてる」

千歌「う、うそ!?」

千歌「いつ……?」

千歌「……あっ!!」

千歌「あの日…?東京に来た時…」

千歌「秋穂ちゃん、黄色いリボン握りしめてたよね?」

秋穂「……穂乃果おばちゃんの」

千歌「そっか、だからあの時…気になったんだ…」

千歌「今の子…穂乃果さんに似てるなって思ったんだ…私」

284 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 04:14:18.66 ID:pSCXbzM0.net
千歌「でも、そんなのって…」

〜〜〜〜ッ!!!!!!

千歌「ん…?なんか騒がしい…?」

秋穂「……?」

ガラッ…

秋穂「なに…?」

にこ「ちょっと止まりなさいってばぁ!!!」

軍人達「」ズンッズンッズンッ

秋穂「にこおばちゃんっ!?」

秋穂「な、なにやって…」

にこ「あんたの様子を見に来たのよ…!そしたら、こいつらが…!」

中佐「国連軍総司令部の者だ」

千歌「なにがあったんですか?」

中佐「木皿教授に自白剤を使った結果、あのロボットに中性子爆弾が仕込まれていることがわかった」

にこ「………」

中佐「中性子爆弾のリモコンを探している」

中佐「ツバサに聞かなければならない。一刻を争う」

バッ!

秋穂「今のツバサは昏睡状態!起きないよ!」

中佐「自白剤がある」

秋穂「今のあの人に自白剤なんか使ったらどうなると思ってるの!?死んじゃうじゃない!!」

中佐「言ってる場合か…。今はツバサの命なんかよりも、地球全体の生命がかかっているんだぞ」

中佐「彼女に問い質せばならない」

285 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 04:19:53.60 ID:pSCXbzM0.net
にこ「木皿教授が在り処を知ってるんじゃないの!?」

中佐「ダミーを教えられていたようだ」

中佐「愛民党内でも重要なポストについていた、ツバサに聞くしかない」

にこ「……あんじゅと英玲奈は?」

中佐「時間の無駄だったよ」

中佐「さぁ、入るぞ」

ザッザッザッ…

にこ「ちょっ…」

秋穂「まっ…!」

……ゴーーーーン!!!

秋穂「……!?」ビクッ

中佐「……?」

286 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 04:23:13.82 ID:pSCXbzM0.net
秋穂「ここ……」

秋穂「……音ノ木坂学院」

中佐「はぁ??」

秋穂「…おばちゃんは?」

秋穂「今、穂乃果おばちゃんはどこ…?」

軍人「ホノカなら今…我々の捜査に協力してヴァーチャルリアリティゲームを…アトラクションの中に…」

にこ「え?」

秋穂「中性子爆弾のリモコンの場所がわかったの!」

秋穂「場所は……ここ」

秋穂「音ノ木坂学院!!」

287 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 04:31:08.35 ID:pSCXbzM0.net
バシッ!

秋穂「…!?離してッ!!」

秋穂「おばちゃんに伝えないと!中性子爆弾のこと!」

秋穂「そのリモコンが学校にあること!」

秋穂「おばちゃんなら何かわかるはずなの!」

軍人「ミスホノカは今、軍の重要な機密任務に関わっていると言ってるだろうが!!」

中佐「……貴様、なぜ場所がわかった?」

秋穂「……わからない、急にわかったの」

秋穂「でも……間違いない、絶対にここにあるっ!!」

軍人達「………」

軍人「彼女、知っていますか?調査では“あいどる”の実子ではないかと言われています…」コショコショ

中佐「ほう…」

中佐「ふむ、なるほどな…」

中佐「無駄だ、悪魔の子。我々を欺こうとしてもそうはいかん」

中佐「貴様が知っているんだな?本当のリモコンの在り処を」

秋穂「…っ、だからここに!!」

中佐「身柄を拘束しろ」

ガシッ!!

秋穂「は、離して!おばちゃんに会わせて!!」

千歌「ちょ…ちょっと!痛っ…!」

にこ「あんた達、ま、待ちなさいよ!!」

中佐「連れて行け」

288 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 04:41:54.02 ID:pSCXbzM0.net
スタスタ

真姫「学校に来るのも久しぶりね」

真姫「……お見舞いに来て、いきなり“あいどる”の正体を教えろだなんて……」

希「流石にマズいよね」

絵里「……“あいどる”の正体、穂乃果は知ってるようなんだけど」

花陽「あ!3人とも〜!!」

凛「大変だよぉ〜!!早く早く!!」

花陽「ちょうどよかった!今、電話しようと思ってたんだ…」

真姫「花陽、凛、あなた達もツバサのお見舞い?」

凛「いや、あのね!凛たち…にこちゃんとかよちんの3人で秋穂ちゃんの顔を見に来たら!」

花陽「今、連合軍の人たちが中にどんどん入って行っちゃって…!!」

凛「それをにこちゃんが追っ掛けて行っちゃったの…!」

真姫「……何があったの?」

花陽「分からない…すごく慌ててたけど…」

希「軍の人たちはどこに行くって言ってたん?」

凛「保健室に…ツバサさんに用があるって…」

絵里「……まさか」

絵里「中性子爆弾のこと……?」

289 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 04:47:55.59 ID:pSCXbzM0.net




(穂乃果)「今度は学校の屋上かぁ…」

(穂乃果)「…って、あれ?あそこで大の字になって寝てるのって…」


穂乃果「ダメだ〜…もう〜…!」


(穂乃果)「やっぱり私だった…」

ガチャリ

(穂乃果)「…っ!誰か来た…」スササッ


スタスタスタ

「」ザッ

穂乃果「…ん?」

「おーい!なにやってんだ〜、サボり魔!」

穂乃果「えぇ…!サボってなんかないよ〜!!」

「まったく…まだ、進路悩んでんの穂乃果ぐらいだよ」

穂乃果「だって……分からないんだもん……」

穂乃果「大学行った方がいいのかな…お店継いだ方がいいのかな…それとも別の道を探した方が…」

290 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 04:57:21.42 ID:pSCXbzM0.net
「悩みすぎだって」

「……μ'sってさ、あれでよかったのかな」

「あんな風に終わって……」

穂乃果「え…?」

穂乃果「あはは…どうしたの急に?」

「いや、μ'sは今が最高!って終われたかもしれないけど、私たちはなんだか取り残された感じがして…」

「正直、モヤモヤしてるよ。熱が冷めないっていうかさ」

「本当に終わってよかったのか?って」

「SUNNY DAY SONGをやった意味も本当の…真のアイドルになればわかんのかね?」

穂乃果「真のアイドルって…私たち、別にそんなんじゃ…」

穂乃果「……正直、わかんないよ」

穂乃果「でも、あれでよかったんだって…後悔しないように生きたいな」

穂乃果「でも、最近またちょっと歌いたくなってきてるんだよね…えへへ…♪」

「なら、部活に顔出せばいいのに」

穂乃果「大学行くなら受験もあるしね」

穂乃果「それに、部活はもう凛ちゃんたちに任せてあるから。私たち3年生はたまにしか行かないようにしてるんだ」

「そっか…」

291 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 05:04:48.92 ID:pSCXbzM0.net
「じゃあ、一緒にやろうよ!二人で曲作ってさ!!」

穂乃果「え?」

「あっ……いや、冗談」

穂乃果「うーうん……いいよ!それ、すっごくいい!」

「え?ほ、ほんとに?」

穂乃果「うん!一緒にやろっ!」

「……いいの?誰も見向きもしてくれないかもしれないよ?」

穂乃果「やりたいからやる!それでいいの!」

穂乃果「曲作りは…どっちがやろっか?」

穂乃果「私、出来るかなぁ…」

「いいよ、やってあげる」

穂乃果「ほんと!?」

「うん、そうだなぁ……」

「……グータラ〜スーダララ〜」

「……とか、どう?」

穂乃果「……プッ」

穂乃果「プハハ…な、なにそれ〜!!」

「こらっ!笑うなよ〜!」


(穂乃果)「………」

292 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 05:12:11.50 ID:pSCXbzM0.net
ギュル!!!

ギュルルル!!!

穂乃果「今度はどこだろう…学校じゃない…?夜になっちゃったけど…」

ガシッ!

穂乃果「え!?」

山田「よーし、高坂!飲みに行くぞ〜!!」

穂乃果「う…え、えぇ!?せ、先生!?」

穂乃果「な、なにやって…!」

山田「ヒッグ…いやぁ〜!私、これに入ってる間に“あいどる”に殺されちゃってさぁ〜!ここから出られなくなっちゃったのよ…!ヒッグ…」

穂乃果「……っ!??」

山田「元教え子と飲み明かすのも悪くないしな!!」

山田「さぁ、ついて来い!!!」

穂乃果「い、いや私!やることがあるのでぇ〜!」

山田「いいからいいから!!」

グイッ!!

穂乃果「え、えぇぇ〜…!!?」

ズルズルズル……

293 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 05:20:47.37 ID:pSCXbzM0.net




タッタッタッ…

にこ「はぁはぁ…秋穂は!?」

凛「車でAqoursの子と一緒に連れて行かれた…!」

にこ「なんで止めなかったのよ…!?」

真姫「エリーがよしなさいって」

にこ「…その絵里はどこ?」

希「車のトランクに忍び込んでたけど…」

にこ「……なら、秋穂たちのことは絵里に任せましょう」

にこ「秋穂、校内のどこかに中性子爆弾のリモコンがあるって言ってた!」

にこ「私たちはそれを探すわよ!」

花陽「ツバサさんは? 」

にこ「ここに残った軍の奴ら、急にツバサに手を出さなくなったの…だから出てきた」

希「なんで手を出さなくなったの?」

にこ「わからないわよ、そんなの…」

真姫「…向こうで何かあったのかもしれないわね」

294 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 05:26:48.04 ID:pSCXbzM0.net
ブゥゥゥゥン…

秋穂「穂乃果おばちゃんのところに連れて行って!」ジタバタッ

中佐「大人しくしろ」

秋穂「国連軍じゃ中性子爆弾は処理できない!」

中佐「なぜそんなことがわかる?」

秋穂「穂乃果おばちゃんならどうすればいいのかわかる!だから…!」

中佐「また世界中を騙すのか?」

秋穂「え…?」

中佐「世界中が血の惨劇に見舞われた、“あいどる”のせいでな」

中佐「……デタラメを言うなよガキが。いや、“あいどる”の……悪魔の娘が」

スチャッ…

中佐「あ?」

千歌「秋穂ちゃんのこと、そんな風に言わないでください…!」

中佐「貴様、なぜそんなものを…」

千歌「一応…警察なので」

295 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 05:33:38.69 ID:pSCXbzM0.net
千歌「車を止めてください!」

軍人「中佐…」

中佐「チッ…止めろ」

軍人「は、はい…」

キィィィ…

千歌「穂乃果さんのところに連れて行ってください!」

軍人「む、無理だ…」

ガチャリ

軍人「え?」

絵里「運転を変わりなさい」

ガシッ、バッ

軍人「ぐっ…!」ドサッ

軍人「ちょ…!ま、待て…!」

ブルルン…ブゥゥゥゥン!

秋穂「絵里おばさん…なんで…」

絵里「穂乃果はどこにいるの?」

千歌「“あいどるランド”です!」

絵里「…わかったわ」

296 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 05:40:51.06 ID:pSCXbzM0.net
中佐「馬鹿な真似を……」

中佐「無理だ、“あいどるランド”に行ったところで入れやしない」

千歌「あなたが人質なら入れるはずです!」

絵里「……!」

キィィィ…!!!

千歌「…っ!!」グラッ

秋穂「…っ!!」グラッ

秋穂「ど、どうしたの?絵里おばさん!?」

絵里「……見てみなさい……もう、非常線を張られてるわ」

絵里「あなた、何か言ったでしょ?無線がどこかに?」

中佐「ふん、だから無理だと言ってるだろ」

絵里「ツバサに手を出さないよう、部下に伝えなさい、さもなくばあなたの命は……」

中佐「もう伝えてある」

絵里「そう……小心者なのね」

秋穂「……っ」

秋穂「おばちゃんッ……」

秋穂「どうしたら…どうしたらいいの?」

秋穂「穂乃果おばちゃんッ…!」

297 :今日はここまで:2020/08/13(木) 05:51:02.87 ID:pSCXbzM0.net
中佐「諦めて投降しろ」

千歌「あなたが通せるよう言ってください!!」

中佐「目を覚ませ」

千歌「え…?」

中佐「こいつはあの“あいどる”の娘だぞ?」

中佐「そんな奴の言うことを信じてどうする?」

中佐「こんな悪魔の娘の戯言を…」

千歌「…っ、その言い方はやめてください!」

千歌「この子は…」

秋穂「ブツブツブツ…」

千歌「……?」

中佐「ほら…初まったぞ、忌まわしい悪魔の呪文が」

絵里「秋穂……」

秋穂「助けて…お願い…聞こえる…?」

秋穂「おばちゃん…おばちゃん…」

秋穂「穂乃果おばちゃんッ…!!」







穂乃果「……Zzz」

穂乃果「あっ…!!うわぁぁ!!」ガバッ

穂乃果「……あれ?今の夢?」

穂乃果「……って、ダメダメ!明日テストなんだよ〜…!」バタッ

穂乃果「早く寝て、HR前に範囲詰め込まないとダメだから〜〜……!!」

298 :名無しで叶える物語(光):2020/08/13(木) 06:42:55 ID:Cs7rLQ2i.net


299 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 15:17:36.88 ID:0Jtdi46U.net
山田......

300 :名無しで叶える物語:2020/08/13(木) 23:47:46.61 ID:hM9mLXy5.net
保守

301 :名無しで叶える物語:2020/08/14(金) 14:51:28.33 ID:4p1FOsjp.net
保守

302 :名無しで叶える物語(たまごやき):2020/08/15(土) 01:33:58 ID:Hqkm59B9.net
保守

303 :名無しで叶える物語:2020/08/15(土) 13:56:25.86 ID:RIss6cP9.net
保守

304 :名無しで叶える物語:2020/08/15(土) 23:45:54.26 ID:YFChf07x.net
保守

305 :名無しで叶える物語:2020/08/16(日) 02:42:34.41 ID:9H5Cwqak.net
保守

306 :名無しで叶える物語(鮒寿司):2020/08/16(日) 05:44:57 ID:OLJH23MQ.net
もしかして全員バージンなのか…?

307 :名無しで叶える物語:2020/08/16(日) 19:49:27.34 ID:9H5Cwqak.net
>>306
絵里おばさんは獄中か暗黒街で散らされた可能性が......

308 :名無しで叶える物語:2020/08/16(日) 20:14:27.24 ID:gVCMl1j1.net
流石に学生の時に貫通済みだろ

309 :名無しで叶える物語:2020/08/16(日) 22:45:35.25 ID:/OEcbg+o.net
秋穂はギフテッドってやつなのか

310 :名無しで叶える物語:2020/08/17(月) 10:57:27.59 ID:FY1U6oFr.net
保守

311 :名無しで叶える物語:2020/08/17(月) 23:31:47.78 ID:VkIg3lwr.net
保守

312 :名無しで叶える物語:2020/08/18(火) 01:05:35.63 ID:XJs5B+yH.net
保守

313 :名無しで叶える物語:2020/08/18(火) 17:36:32.25 ID:aJIOoukR.net
保守

314 :名無しで叶える物語:2020/08/18(火) 23:57:45.99 ID:KQBG0sD1.net
保守

315 :名無しで叶える物語:2020/08/19(水) 01:05:18.34 ID:oG98ZNEJ.net
保守

316 :名無しで叶える物語:2020/08/19(水) 15:03:40.22 ID:GG60q9Rb.net
保守

317 :名無しで叶える物語(しうまい):2020/08/19(水) 22:53:34 ID:xQ16iPzk.net
ホモ

318 :名無しで叶える物語:2020/08/20(木) 01:30:43.95 ID:i15mVlbK.net
大丈夫かな?

319 :名無しで叶える物語:2020/08/20(木) 09:47:34.12 ID:FkLbHGB0.net
保守

320 :名無しで叶える物語:2020/08/20(木) 17:00:41.17 ID:qaDrkU6f.net
保守

321 :名無しで叶える物語:2020/08/21(金) 01:34:44.35 ID:32kDdFC9.net
保守

322 :名無しで叶える物語:2020/08/21(金) 07:45:38.82 ID:sr47ibNa.net
保守

323 :名無しで叶える物語:2020/08/21(金) 15:51:57.57 ID:3llYLEMx.net
保守

324 :名無しで叶える物語:2020/08/21(金) 20:05:38.51 ID:troG1SMi.net
力尽きたか?

325 :名無しで叶える物語:2020/08/21(金) 23:45:27.94 ID:+c7GvXiO.net
保守

326 :名無しで叶える物語:2020/08/22(土) 00:11:15.85 ID:3nuN5ONi.net




〜バー〜

山田「っはぁ〜!!」

穂乃果「先生、もう、だいぶ酔っ払ってますよね…?」

山田「構わないって!どれだけ酔ってたって、どうせ死んでんだし!」

穂乃果「だけど…」

山田「ゴキュッ、ぷはぁ……なぁ、高坂」

穂乃果「はい?」

山田「お前、どこまで知ってるんだ?」

穂乃果「え…?」

山田「ここまで来たんだ……“あいどる”の正体はもう知ってるんだろ?」

穂乃果「………」

山田「どうなんだよ?」

穂乃果「……たぶん、本当のところ、何もわかってないんだと思います」

山田「……そうか」

327 :名無しで叶える物語:2020/08/22(土) 00:17:10.32 ID:3nuN5ONi.net
穂乃果「……なんで、彼女はツバサさんの顔に?」

山田「ん?……さぁな……似てたからじゃない」

穂乃果「………」

山田「……ってのは冗談で、多少は憧れがあったんじゃないの?」

穂乃果「憧れ…」

山田「そうさ…憧れ」

山田「と言っても、A-RISEに憧れたんじゃないのかもな」

穂乃果「どういうことですか?」

山田「……μ'sが憧れたA-RISEに憧れを抱いたんじゃないか?」

328 :名無しで叶える物語:2020/08/22(土) 00:23:34.70 ID:3nuN5ONi.net
山田「それより意外だな高坂」

穂乃果「え?」

山田「正直、私、怒られると思ってたよ」

山田「なんで“あいどる”の味方したのかって」

穂乃果「聞いちゃダメだと思って…」

山田「気にすんなよ。どうせ死んだ身なんだ、聞けよ」

穂乃果「……じゃあ、どうして」

山田「……お前らが空き教室をスクールアイドルの練習に使いたいって言ったことあったろ?」

穂乃果「あぁ…まだ3人の時ですね…」

山田「私、あの時、鼻で笑ったんだよな…」

山田「結局、あんた達はあんなにすごくなっちゃって…」

山田「だから…私、決めたの…生徒がやろうとしてることは、ちゃんと応援してやろうって」

穂乃果「………」

329 :名無しで叶える物語:2020/08/22(土) 00:30:28.65 ID:3nuN5ONi.net
山田「……2013年の夏頃だったかな」

山田「あいつは突然……私の前に現れた」

山田「サークル活動の手伝いをしてほしいって言われてな」

山田「どうしても…って言うから手伝ったんだ」

穂乃果「そのサークルが宗教団体としての始まりですか…?」

山田「そういうことだ。私もまんまとあいつの片棒を担いだってわけだな」

山田「そこから半年後か……高坂、お前の妹がとある研究を始める」

山田「絢瀬妹と子供を作ろうとしたんだよな」

穂乃果「……雪穂はそんなの素人です」

穂乃果「独学でなんて無理が……」

山田「だから、その分野に詳しい木皿教授の娘を知人に紹介してもらい、協力してもらった」

330 :名無しで叶える物語:2020/08/22(土) 00:38:29.27 ID:3nuN5ONi.net
山田「研究は順調だった…」

山田「だが、研究の最中、偶発的にとんでもないウィルスが出来てしまった」

山田「血の大晦日で使用された、あのウィルスだ」

山田「その時はまだ完成形とは程遠い代物だけどな」

山田「ウィルスの存在を嗅ぎつけた“あいどる”は、自分の部下を高坂妹に接触させた」

穂乃果「ウィルスを渡すようにって?」

山田「そうだ。だが、当然どこの馬の骨かもわからんやつに、そんなウィルスを渡せるはずがない」

山田「なぁ高坂、2015年の2月になにがあった?」

穂乃果「……お父さんが亡くなりました」

山田「その年の5月には?」

穂乃果「……亜里沙ちゃんが」

山田「そうだな」

山田「それ、どっちもあいつの仕業だ」

穂乃果「………」

331 :名無しで叶える物語:2020/08/22(土) 00:45:31.40 ID:3nuN5ONi.net
山田「まぁ、絢瀬妹を殺すことに異論を唱える奴もいたからな…」

山田「後々のことも考えて、絢瀬妹は裏では生かしていたんだが…」

山田「絢瀬妹を失ったことによって、目的まで失った高坂妹は悲惨だったなぁ…」

山田「さらりとあいつの物になった」

山田「それはそれは単純だったよ」

山田「2015年の9月、あいつは勧誘を始めた」

穂乃果「勧誘……それって確か、スクールアイドルを中心にしてましたよね?」

穂乃果「なんの理由があってなんですか…?」

山田「クローンを作るためだよ」

穂乃果「クローン…?」

山田「そう。お前たち、μ'sのな」

穂乃果「私たちの…?」

332 :名無しで叶える物語:2020/08/22(土) 00:56:00.85 ID:3nuN5ONi.net
山田「いろいろデータを取るために勧誘してたんだ…まぁ、拉致に近いけどな」

山田「あいつ、Aqoursとかいうグループに太鼓判を押してたな…μ'sに似てるって」

山田「9人だし、私たちもリストアップしてたんだ…まぁ、Aqoursに関してはもう少し後の話だけどな」

山田「勧誘を始めた同時期。NYの研究施設でウィルスの製造を開始した」

山田「高坂妹を先頭にしてな…」

山田「あの時の高坂妹は“あいどる”にゾッコン状態だったからな……自分がやってることに、なんの疑問も持ってなかった」

山田「ほぼ洗脳に近い状態だったからな…」

山田「まんまと絢瀬妹とするつもりだった方法で、あいつと子供まで作っちまった」

穂乃果「………」

333 :名無しで叶える物語:2020/08/22(土) 01:07:59.08 ID:3nuN5ONi.net
穂乃果「雪穂は使われたんですか…?」

山田「え?」

穂乃果「だって…その方法がどんなのか知らないですけど…産むのは雪穂じゃなくても良かったってことですよね…?」

山田「……まぁ、そういうことになるな」

穂乃果「なんで……」

山田「……簡単な話だ。あいつは痛い思いをしてまで、子供なんてほしくなかったんだよ」

山田「……でもなぁ」

山田「高坂、お前の妹は違う」

穂乃果「……!」

山田「確かにあの時、高坂妹は洗脳された状態だったかもしれない」

山田「あいつは秋穂を愛してなんかいないが……でも、高坂妹は違う」

山田「あの2人は偽りの愛だったかもしれないけどな……高坂妹と秋穂の2人は違う」

山田「血の繋がった親子なんだ」

山田「……心配すんなよ。とてつもなく痛い思いをして産んだ我が子なんだ。愛おしいに決まってんだろ」

穂乃果「先生……」

334 :名無しで叶える物語:2020/08/22(土) 01:15:59.65 ID:3nuN5ONi.net
山田「……秋穂が産まれたのが2017年9月の話だ」

山田「だか、それから事態は急転する」

山田「あいつのサークル活動が高坂妹に見られちまった」

山田「不審に思われて後をつけられたんだろうな…」

山田「子供が出来て、親としての自覚が芽生えていた高坂妹は、既に洗脳が解けかかってた…」

山田「それに加えてあの不気味なサークルという名の宗教活動を見て、流石に目が覚めたんだろうな…」

山田「あいつも家に帰ったらもぬけの殻でビックリしただろうな…あはは…!」

山田「妻も娘もいないんだからな」

335 :名無しで叶える物語:2020/08/22(土) 01:26:53.73 ID:3nuN5ONi.net
山田「さて、今のが2017年12月の話だ」

山田「あいつから逃れるために、高坂妹が頼る場所…そんなの一つしかないよな?」

穂乃果「………」

山田「……お前のところに行っただろ?」

穂乃果「……確かに雪穂は来ました」

穂乃果「でも、秋穂はその後に預けられたんです。雪穂から直接では…」

穂乃果「……なんで、雪穂は自分で秋穂を預けなかったのかな……」

山田「そりゃあ、自分が洗脳されてたんだぜ?」

山田「姉のお前も“あいどる”に洗脳されてる可能性は否めない」

山田「だから念のために1人で…大丈夫か確かめに行ったんだろ」

山田「けど、お前は取り込まれていなかった」

山田「木皿教授の娘がお前に秋穂を託した後、2人はワクチン開発に着手した」

山田「これが2018年2月の話だ」

山田「だが……今度は2019年の1月に木皿教授の娘が“あいどる”に洗脳されてな」

穂乃果「じゃあ、ワクチンは出来なかったんですか?」

山田「いや……確かその後、高坂妹が1人で静岡の沼津に行って、作ってたはずだけど?」

336 :名無しで叶える物語:2020/08/22(土) 01:42:29.39 ID:3nuN5ONi.net
山田「熱心に作ってたけど…まぁ、1人じゃ限界があるからな」

山田「血の大晦日前に出来たワクチンも……木皿教授の娘を洗脳して、“あいどる”が握っちゃったし……」

山田「2035年に“あいどる”が復活した時も醜いもんだ……ワクチンの奪い合いだよ」

山田「全員に行き届かないからな…」

山田「さっきまで仲良くやってた連中が……次の瞬間にはワクチンを取り合って、目の色変えて殺し合いだよ」

山田「人間ってのは怖いね〜…まさに地獄だったよ、ゴキュッ」

穂乃果「……先生」

山田「んっ?どうしたぁ?」

穂乃果「……その地獄を作ったのは誰のせいですか?」

山田「……私たちか?」

穂乃果「……いや、私のせいです」

山田「………」

穂乃果「……私、彼女と話をしないといけないんです」

山田「話をしないといけない……か」

山田「そうか……お前がここにいるからまさかとは思ってたけど……」

山田「……死んだんだな……あいつ」

穂乃果「………」コクッ

337 :名無しで叶える物語:2020/08/22(土) 01:51:27.77 ID:3nuN5ONi.net
山田「あいつがどこにいるのか分かってんのか?」

穂乃果「……はい、分かってます」

山田「……そうか」

山田「ふふ…あいつ、お前のこと犬だって言ってたぞ」

穂乃果「え…」

山田「くぅ〜んって、お前が鳴くからな」

山田「……あっ」

穂乃果「……じゃあ、やっぱり“るどいあ”と名乗っていた時は別の……」

山田「ご名答〜」

穂乃果「……私、血の大晦日で防護服を着てない彼女を見たんですけど、なんで感染しなかったんですか?」

山田「ありゃホログラムだ」

山田「なんだよ…そんなしょうもない事が聞きたいのか?」

穂乃果「………」

338 :名無しで叶える物語:2020/08/22(土) 02:06:29.73 ID:3nuN5ONi.net
穂乃果「……なんで先生はここに入ろうと思ったんですか?」

山田「ん?あぁ、あいつの大嘘を暴いてやろうと思ってな」

穂乃果「大嘘?」

山田「……私だけじゃない、世界中の人間全員についてる嘘だ」

山田「それを探ろうと、ここであいつの過去を見てたんだが、やってる最中に殺されちまった」

山田「もしかしたら世界を滅亡させる前に殺す……ある種のあいつの優しさなのかもな」

山田「……色々とツバサには協力してもらったから……もしかしたらツバサは酷い目みてるかも……。それは申し訳ないな」

穂乃果「………」

山田「……お前、やっぱり、約束してたな」

穂乃果「……え?」

山田「約束してたのに…高坂、あの時は受験に必死になっちゃっててな…」

穂乃果「………」

339 :名無しで叶える物語:2020/08/22(土) 02:13:30.69 ID:3nuN5ONi.net
山田「NYにアキバドームまで作って、それにμ'sのロゴまで刻印して…あの嘘はないよな」

穂乃果「なんで彼女はわざわざ歌詞を?」

山田「え?歌詞?」

穂乃果「最初はμ'sの歌詞を参考にしてたし…」

穂乃果「歌詞を書いてから犯行に移すなんて、まどろっこしいことしなくても…」

山田「…なに言ってんだよ高坂」

山田「お前が言ったんだろ?」

穂乃果「え?」

山田「……言葉にすればそれは叶う……って」

穂乃果「あっ……」

山田「言葉に出すことによって夢が叶ったμ's」

山田「言葉に出して自ら叶えたあいつ」

山田「……誰にも頼れなかったんだよな」

穂乃果「………」

340 :名無しで叶える物語:2020/08/22(土) 02:17:56.55 ID:3nuN5ONi.net
山田「私も最初のうちは、こんなことになるなんて思いもしなかったよ…」

山田「…自分が死ぬなんてことも」

山田「……LOVELESS WORLDの歌詞ってよく出来てるよな」

穂乃果「……え?」

山田「やっぱり園田ってすげぇよ…!センスあんのに…もう詞は書かねぇのかな?」

穂乃果「い、いや…どうなんだろう…」

山田「……まぁ、書かないか」

山田「だってμ'sは…」

山田「解散しちゃったんだもんな…」

穂乃果「………」

341 :名無しで叶える物語:2020/08/22(土) 02:24:26.14 ID:3nuN5ONi.net
山田「……あんたの姪っ子さ」

穂乃果「姪っ子…秋穂がどうかしたんですか?」

山田「何かおかしな事ないか?」

穂乃果「おかしな事って?」

山田「いや、高坂妹も妊娠中にわけわかんないやつ、たくさん服薬させられてたからさ…」

山田「娘になんか変な効果出てないかなって」

山田「あんた、何か心当たりないの?」

穂乃果「いや……あっ」

山田「おっ、あるんだ?」

穂乃果「はい……」

穂乃果「昔、穂むらに“あいどる”の信者達が押しかけてきたことがあって……」

穂乃果「その人たち、秋穂を拐おうとしたんです」

穂乃果「お母さんと私で必死に抵抗したら……火をつけてお店が炎上しちゃったんです……」

穂乃果「その時、泣きじゃくる秋穂が……9人を揃えないと……って言ったことがあるんです」

穂乃果「……まぁ、その時、秋穂は0歳だし、やっぱり何かの間違いだと思うんですけど……」

山田「ふ〜ん…」

山田「何か他には?」

穂乃果「ん〜……ないと思いますけど」

山田「……そうか」

342 :名無しで叶える物語(庭):2020/08/22(土) 02:37:34 ID:3nuN5ONi.net
穂乃果「」クラッ

穂乃果「あ……れ……?飲み過ぎたのかな……」

穂乃果「な…ん…だ…か…眠く…」グテッ…

穂乃果「……Zzz」

山田「………」

山田「なぁ、高坂」

山田「私、たくさん許せない事しただろうけど…」

山田「最期にお前と飲めて良かったよ」

山田「……たまに思うんだよ」

山田「あの時、あんた達がμ'sなんて結成しなければ“あいどる”は生まれなかったんじゃないかって…」

山田「そうしたら、廃校は免れなかっただろうけど……私が死ぬこともなかった」

山田「……だけどな、やっぱり思うんだよ」

山田「……ずっと言えなかったけど」

穂乃果「……Zzz」

山田「………」

山田「……廃校を救ってくれて、ありがとうな」

穂乃果「……え、えへへ……Zzz」ニマッ…

山田「これは“あいどる”側の幹部としてじゃなく、昔の……教師・山田博子としての言葉」

山田「……お前の話を聞いてると、秋穂の力じゃダメそうなんだ」

山田「運命なのかな…」

山田「やっぱり、学校はあんたが守るしかなさそう」

山田「……頑張ってくれよ、高坂」

スゥゥゥゥ…

穂乃果「」ピクッ

穂乃果「せ……ん……せ……」

343 :落ちます:2020/08/22(土) 02:43:22.21 ID:3nuN5ONi.net
チュン…チュン…

オキャクサマ…オキャクサマ…!

穂乃果「んぅ……?」ムクッ

穂乃果「今、何時ぃ……?」

マスター「もう朝ですよ」

穂乃果「あれ……私、寝ちゃってた?先生は?」

マスター「……消えました」

穂乃果「消えた…?帰ったってことですか?」

マスター「いえ…言葉の通り、消えたんです…」

マスター「まるで、昇天するかのようにスーッと…」

穂乃果「え……」

マスター「私もそれを見て、夢かと思いましたが」

穂乃果「……そう……ですか」

穂乃果「……先生ッ」

344 :名無しで叶える物語:2020/08/22(土) 03:53:46.91 ID:UUml3oCY.net


345 :名無しで叶える物語:2020/08/22(土) 13:56:39.51 ID:ztjQFDFp.net


346 :名無しで叶える物語:2020/08/22(土) 15:12:45.48 ID:cNXfZaDa.net


347 :名無しで叶える物語:2020/08/22(土) 22:48:16.67 ID:d+VaZNKS.net
秋穂の記憶力はちゃんと裏付けあったんか

348 :名無しで叶える物語:2020/08/23(日) 16:11:52.48 ID:H9Omv2Qq.net
保守

349 :名無しで叶える物語:2020/08/23(日) 23:54:22.27 ID:s42YZIIq.net
HEART to HEARTが起因なのか

350 :名無しで叶える物語:2020/08/24(月) 23:34:21.49 ID:5H168arA.net
保守

351 :名無しで叶える物語:2020/08/24(月) 23:39:04.65 ID:GwUlC6WX.net
2017年9月〜2017年12月:雪穂
2018年1月〜2019年12月:穂乃果
2020年1月〜2035年3月?:海未
育てた期間も育てる上で大事な時間もンミチャーが一番なのに穂乃果一途なんだな秋穂

352 :名無しで叶える物語:2020/08/25(火) 00:39:38.16 ID:BQ7/N7VO.net
ガサッ…

穂乃果「ん?」

穂乃果「ポケットに何か入ってる…?」

クシャッ

穂乃果「……手紙?」

穂乃果「いつの間にこんなの……」

クシャクシャ…

穂乃果「……中性子爆弾にリモコンなんてない。ロボットがスイッチを踏んだ時が世界の終わり」

穂乃果「……これって、先生から?」

穂乃果「スイッチ……」

ギュル!!

穂乃果「……っ!」

穂乃果「ぐぅっ…!またっ…!」

ギュルルル!!!

353 :名無しで叶える物語:2020/08/25(火) 00:48:39.49 ID:BQ7/N7VO.net
(穂乃果)「……っ」パチッ

(穂乃果)「ここは…」キョロキョロ

(穂乃果)「…音ノ木坂の校内?」

ザワザワッ…

(穂乃果)「…って、あっ…私、人目についちゃってる…!」


ことり「ほ、穂乃果ちゃぁん…ダメだよぉ…」

海未「よ、よしなさい…!行くんじゃありません…!穂乃果…!」

(穂乃果)「え……私のこと?」

穂乃果「海未ちゃんもことりちゃんも心配しすぎだよ〜!」

穂乃果「平気平気!!」

穂乃果「だって私たち知り合いだし!そうですよね?お姉さんっ!」

(穂乃果)「あ、私……じゃなくて……穂乃果ちゃん」

(穂乃果)「どうしたの?私に何か用が?」

穂乃果「それがそれが!大変なんです!」

穂乃果「私、昨日は早起きして朝にテスト勉強するために早く寝たの!」

(穂乃果)「うん」

穂乃果「そしたら…夢の中に女の人が出てきて…」

(穂乃果)「女の人?」

穂乃果「うん!その人、秋穂っていう名前で!」

(穂乃果)「……!」

354 :名無しで叶える物語:2020/08/25(火) 00:55:08.54 ID:BQ7/N7VO.net
(穂乃果)「……秋穂?」

穂乃果「はい!その子、妹に似てて可愛いんですよ〜!」

(穂乃果)「そ、それはそうとして、秋穂ってあの秋穂!?」

ガシッ

穂乃果「うぇぇ…!?ど、どの秋穂だか知らないよ〜!」

穂乃果「と、とにかく!夢の中で私に言うんです!」

穂乃果「ホノカおばちゃんに伝えて!……って!」

(穂乃果)「……なんて?」

穂乃果「サングラスかけてキャップ被ったホノカって、お姉さんのことでしょ?」

(穂乃果)「いいから秋穂は何を伝えてって…!?」

ユッサユッサ!!

穂乃果「わっわっわっわっ!!」

穂乃果「え、え〜と……中性子爆弾のリモコンは……」

(穂乃果)「………」

穂乃果「ここ……音ノ木坂学院にあるって……」

355 :名無しで叶える物語:2020/08/25(火) 01:10:56.32 ID:BQ7/N7VO.net




〜園田家 道場〜

ことり「……穂乃果ちゃん、大丈夫かな」

海未「……穂乃果の悪い癖ですね、みんなを振り回して……すぐに心配させて……」

ことり「あはは…振り回すかぁ…でも、そこが穂乃果ちゃんのいいところでもあるんだよね…♪」

ことり「……穂乃果ちゃん、困ったことがあったら相談してほしい……頼ってほしいな」

海未「そんなの出来っこありませんよ……思い立ったら、すぐに体が動く子なんですよ?」

海未「……本当にバカなんですから」

ことり「もうっ、海未ちゃん?それ、穂乃果ちゃんに言っちゃダメだよ?」

ことり「ふくれちゃうよ?」

海未「はぁ…わかっていますよ」

ガラッ!!

海未「…?」

軍人「園田海未さん!南ことりさん!」

軍人「あなた達の仲間が我が軍の中佐を人質に取り、車内に立て篭っています!説得にご協力願いたい!」

ことり「!?」

海未「ど、どういうことですか…?」

軍人「詳しい説明は現場に向かいながら!ですから同行を!」

海未「……わかりました。現場に連れて行ってください」

356 :名無しで叶える物語:2020/08/25(火) 01:21:25.59 ID:BQ7/N7VO.net




キィィン…

『君たちは包囲されている!直ちに投降しなさい!』

『君たちの要求を聞くために、いま交渉人がこちらに向かっている!』


千歌「要求…?交渉人…?」

千歌「私たちは、ただ穂乃果さんに会わせて欲しいだけです!!」

絵里「よしなさい、声を張り上げるだけ無駄よ」

千歌「だけど…」

絵里「国連軍は私たちのことを敵だと思ってる。何を言っても信用なんてしてもらえないわ…」

中佐「…ふんっ、当然だろうが。“あいどる”は全世界を欺いたんだ」

中佐「お前たちはその関係者だ。ましてやホノカなど、この件に関する中心人物、言わば重要参考人だ……信じるに値しない」

中佐「……その中でも特にこの、悪魔の娘はな」

千歌「そんな言い方……!」

秋穂「…っつ!」

秋穂「っはぁ…はぁ…通じた…」

絵里「…通じた?」

秋穂「うん……昔の穂乃果おばちゃんが……答えてくれた」

中佐「ほう、悪魔の儀式は済んだのか?」

スチャッ

中佐「!」

千歌「秋穂ちゃんは命をかけて、ずっと世界を救おうと頑張ってきた!」

千歌「今のだって…穂乃果さんに重要なことを伝えていただけです…!」

中佐「……盲目的な奴らは話にならんな」

357 :名無しで叶える物語:2020/08/25(火) 01:31:27.23 ID:BQ7/N7VO.net




(穂乃果)「…っ」ワナワナ

(穂乃果)「ダメ…そこに行ったら…」

穂乃果「そこって……お姉さん、もう来てるじゃん」

穂乃果「ここが学校だよ?」

ガシッ!!

穂乃果「ふ、ふぇっ!?」

(穂乃果)「ロボットは……ロボットはもう動き始めてるの!?」

穂乃果「ロボット…!?」

穂乃果「し、知らないよ〜!!っていうか、なんのことかわかんないよ〜!!」

(穂乃果)「とにかく、秋穂に伝えて!!」

穂乃果「へ、へ…?秋穂…?」

(穂乃果)「…っ、あなたに呼びかけてきた可愛い女の子!!」

穂乃果「い、いや…それはわかってるんだけど、どうやって伝えるのかなって…?」

穂乃果「夢の中で喋ったんだよ?」

(穂乃果)「……!!」

(穂乃果)「ね、寝るの…!!今すぐにッ…!」

穂乃果「えぇ〜!?む、ムチャ言わないでよ〜…!」

358 :名無しで叶える物語:2020/08/25(火) 01:40:02.70 ID:BQ7/N7VO.net




キィィン…

ことり『秋穂ちゃん…!私…!ことり…!』

ことり『どうしちゃったの…!?いったん落ち着いて話そう、ねっ…?』

パシッ

ことり「あっ…」

海未『秋穂!軍の方に迷惑をかけるんじゃありません!早く出てきなさい!』


…ガチャ

秋穂「違うの…!ことりおばちゃん、海未おばちゃん!」

秋穂「中性子爆弾のリモコンがどこにあるのかわかった!」


ことり「……!?どういうことっ…?」


秋穂「音ノ木坂学院なの!学校に中性子爆弾のスイッチがある!!」


海未「……学校に?」


ガチャ…

絵里「海未、ことり、国連軍は味方じゃないわよ」


海未「絵里…」


絵里「私たちのことなんて、これっぽっちも信用してないわ」

359 :名無しで叶える物語:2020/08/25(火) 01:46:26.06 ID:BQ7/N7VO.net
軍人「」スチャッ 軍人「」スチャッ 軍人「」スチャッ

絵里「……ね?」


海未「………」

ピー、ガガッ

軍人A「ん?はい、こちら……」

軍人A「はい…はい…はい…え?」

海未「……?」

軍人B「どうした?」

軍人A「び、ビルに突っ込んだまま放置されていたロボットが…再び動き始めたようです…」

軍人B「なにっ!?」


絵里「……秋穂の話は恐らく本当よ」


海未「……そのようですね」

360 :名無しで叶える物語(庭):2020/08/25(火) 02:06:15 ID:BQ7/N7VO.net
秋穂「ことりおばちゃん!海未おばちゃん!一緒に音ノ木坂に行って、リモコンを探すの手伝って!」

ことり「う、うん…その方がいいみたいだね…!」

軍人B「ふんっ!行かすか!馬鹿どもが!」バッ

秋穂「……くっ」

バキッ!!

軍人「グエッ!!」

軍人「」バタンッ…

秋穂「……え?」

果南「……もう、千歌!何やってんの…!」

千歌「か、果南ちゃん!」

ダイヤ「ライブの下見に行ったきり帰ってこないと思えば…」

梨子「道草食ってちゃダメだよ?」

花丸「うぅ…まさか、こんな事になってるなんて思いもしなかったずら…」

善子「なんだか心躍るわねぇ…!こういうのぉ…!」ワクワク

ルビィ「善子ちゃん、楽しそうだね…」

曜「うふふふ…!助太刀いたす!」

千歌「みんな…!!」

鞠莉「おっと〜!千歌ッチはそいつから銃口を離しちゃダメだよ?」

千歌「あっ…う、うん!」

グイッ…

中佐「ぐっ…!」

千歌「ここは私たちに任せて…行ってください!」

秋穂「うん…!ありがとう、お願いするね!」

絵里「行きましょう…!」

ダダダダッ…

軍人A「お、追え!」

鞠莉「おっと〜!追ったらどうなるかわからないかな〜?」

鞠莉「千歌ッチの銃があなた達の上官目掛けてファイヤ〜!って、事になるよ…♪」

軍人達「……うぐっ」

361 :名無しで叶える物語:2020/08/25(火) 02:22:06.74 ID:BQ7/N7VO.net
タッタッタッ…

秋穂「はぁ…はぁ…」

海未「秋穂…?大丈夫ですか…?」

秋穂「だ、大丈夫…全然平気だよ…?」

ことり「なんだか秋穂ちゃん、顔色が悪いよ…?」

秋穂「だ、大丈夫だから…!私が足遅いだけだよ…!」

ことり「ほ、本当に?」

秋穂「ほんとほんと…!」

海未「本当じゃないでしょう…」

秋穂「…っ、はぁはぁ…」

海未「すぐにわかる嘘をつくんじゃありません……あなたの運動神経はずっと学年トップだったでしょう……」

秋穂「…っ。ほ、本当に平気だ…か…ら…」

秋穂「…ぅぁ」フッ…

海未「え?」

バタッ…!

秋穂「」

海未「秋穂!?」

ことり「秋穂ちゃん!?」

絵里「………」スタスタ

絵里「」スッ

絵里「……大丈夫よ。息も脈もある……疲れてるのね、気絶しただけだわ」

ことり「だけど…」

絵里「心配しないで。学校まで秋穂は私がおぶるわ、急ぎましょう」

海未「は、はい…」

362 :名無しで叶える物語:2020/08/25(火) 02:27:50.32 ID:BQ7/N7VO.net




(穂乃果)「早く秋穂に伝えて!!」

ユッサユッサ!!

穂乃果「ううぇぇ〜!??」

バッ

海未「や、やめてくださいあなた!先程から黙って見ていれば……!」

海未「……って、え?」

海未「あなた、まさか……?」

(穂乃果)「流石海未ちゃん、勘がいいね…」

(穂乃果)「でも、今はそれどころじゃないんだ…」

(穂乃果)「……誰か、誰か!」

363 :名無しで叶える物語:2020/08/25(火) 02:35:08.16 ID:BQ7/N7VO.net
『そこにいるよ』

(穂乃果)「!?」ビクッ

『ほら、穂乃果の大切なもの』

『そこに2つもあるよ?』

『学校と秋穂……今度も守れる?』

『ふふふ……私もそこにいるからさ』

(穂乃果)「………」

穂乃果「……?お姉さん?」

(穂乃果)「今、喋った子ってどこに…」

穂乃果「喋ったって……誰がですか?」

(穂乃果)「え…?聞こえなかったの…?今…」

穂乃果「今…?」

(穂乃果)「……うーうん。それより、秋穂が学校にいる」

(穂乃果)「どうしよう…!!」

(穂乃果)「秋穂が…みんなが…!学校が踏み潰されたら、世界が終わっちゃう…!!」

364 :名無しで叶える物語:2020/08/25(火) 02:40:15.46 ID:BQ7/N7VO.net
(穂乃果)「ロボットが今、動きだしでもしたら…!」

ことり「ねぇ…穂乃果ちゃん…」

穂乃果「ん?」

(穂乃果)「え?」

ことり「気のせいかな…?何か遠くで、足音みたいな…」

穂乃果「足音…?」

海未「はい、地鳴りのような…」

穂乃果「……うーん、ここからは何も見えないけどなぁ〜」

ことり「地震かなぁ…?」

(穂乃果)「……来たんだ」

穂乃果「へ?来た…?」

(穂乃果)「向こうではロボットが動き出して……音ノ木坂学院を目指してやって来てる」

穂乃果「向こう…?」

(穂乃果)「……っ」

(穂乃果)「私が……行かないと……」

365 :名無しで叶える物語:2020/08/25(火) 02:48:37.18 ID:BQ7/N7VO.net
穂乃果「……お姉さん?」

(穂乃果)「行かないと…ダメなんだ…」

(穂乃果)「……っ!どうやったらここから出られるの!?」

穂乃果「で、出る!?どういうこと!?」

(穂乃果)「ここから出るにはどうしたらいいの!?」

穂乃果「……よく分からないけど」

穂乃果「どこかへ行きたいなら」

穂乃果「Go!Go!!」

(穂乃果)「……?」

穂乃果「えへへ…勢いよく進むんだよ!!」

穂乃果「ほら!負けない Go!Go!!未来をつかまえたくて」

穂乃果「誰より Go!Go!!遠くへ飛んでみようか」

穂乃果「ね!飛べるよ!」

(穂乃果)「………」

穂乃果「いつだって飛べる!」

(穂乃果)「あっ……」

穂乃果「」ニコッ

(穂乃果)&穂乃果「あの頃のように」

366 :名無しで叶える物語:2020/08/25(火) 02:53:43.38 ID:BQ7/N7VO.net




ピピピピピピ

軍人1「血圧上昇!」

軍人2「脈拍も異常に上がっています!」

プロファイラー「いったいどうしたんだ!?」

軍人3「わ、わかりません!」

軍人4「あ…!あっ、あれ!」

プロファイラー「!?」


穂乃果「……!!!」ギチチチチ…

プロファイラー「!?」

プロファイラー「い、いけない!穂乃果さん!」

軍人1「ヘッドマウントディスプレイを外そうとしている!」

軍人2「正規の方法で終了しないと…脳に異常が…いや、命が危ない…!!」


穂乃果「ぐぅぅぅ…!!」

穂乃果「うううぅぅぅっっ…!!」

グイィィィ……!!!

367 :名無しで叶える物語:2020/08/25(火) 03:16:33.24 ID:BQ7/N7VO.net



「だって可能性感じたんだ」

「っていうかさ、音ノ木坂無くなっちゃうんでしょ?」

「今日から私たちは…μ'sだ!」

「大丈夫!次こそ出来る!」

「悔しいから秘密にしておきます…!」

「ずっと一緒にいようね…!」

「残念ながら、ウチができるのは誰かを支えてあげることだけ」

「スクールアイドル…辞めます」

「でも、この天気だから…すぐに消えちゃうわよ」

「今が最高…!」

「人間その気になれば…なんだって出来るよ!」

「穂乃果のことだから、すぐ飽きちゃうと思ってたんだけど」

「今日みんなを1番の笑顔にするわよ…!」

「学校を守るためにアイドルを始めて、その目的が達成出来たから辞めた、何も気にすることないじゃない」

「愛してるばんざーい!」

「今の私たちなら、きっとどこまでだって行ける!どんな夢だって叶えられる!伝えよう!スクールアイドルの素晴らしさを!」

「だから、μ'sのメンバーにしてください!」

「みんなが歌って、みんながセンター!」

368 :名無しで叶える物語:2020/08/25(火) 03:16:39.98 ID:BQ7/N7VO.net
「そして何より、負けたくないと思ってる」

「お願いだから、誰も死なないで…」

「私たちがサポートするよ!」

「私が大好きなスクールアイドル、μ'sに…私はいない」

「穂乃果おーばちゃん!!」

「大丈夫にゃ!」

「大会が終わったらμ'sは…おしまいにします…!」

「やり遂げたよ、最後まで」

「次のライブ!?ないないない!!絶対なーい!!」

「でもね、やっぱり無くなるのは寂しいの…」

「ラブライブのおかげでここまで来られたのは確かだけど、μ'sがそこまでする必要があるの?」

「やっぱり…スクールアイドルであることに…拘りたい…!」

「おばちゃんね、絶対に帰ってくる、約束する」

「一緒にやろうよ!曲作ってさ!約束だからね!」

「μ's ミュージックスタート!」

「なぜ?これ以上続けても、意味があるとは思えないけど?」




369 :名無しで叶える物語:2020/08/25(火) 03:24:36.52 ID:BQ7/N7VO.net
バッ!!

軍人1「あぁっ…!」

穂乃果「ゲホッゲホッ…!」

穂乃果「はぁ……はぁ……グハッ」

ポタッ…ポタッ…

プロファイラー「ほ、穂乃果さん…」

プロファイラー「きゅ、救護班を…!」

穂乃果「い、行かないと……」ヨロヨロ

プロファイラー「……なんということだ」

穂乃果「ゲホッ…ゲホゲホッ…!!」ヨロッ

軍人1「お、落ち着いてください!先に手当てを…」

穂乃果「はぁはぁ…ロボットが…動き始めたんでしょ…?」

軍人2「……あぁ、だが……なにも心配はいらない」

プロファイラー「……ロボットは我々が処理します」

穂乃果「ロボットがどこに向かってるのか知ってるの…?」

軍人2「……いや」

穂乃果「音ノ木坂学院に向かってる……そこに秋穂もいる……」

ササッ…

軍人3「……我々に任せてください」

穂乃果「はぁ…はぁ…どいてください…」

穂乃果「……学校は……私が」

穂乃果「私たちが……守る」

370 :名無しで叶える物語:2020/08/25(火) 03:32:41.37 ID:BQ7/N7VO.net
軍人4「あのロボットには原子力エネルギーが使用されています」

軍人4「しかし、今のところ放射能漏れは確認されていない」

軍人3「我々は今、あのロボットをどう破壊するか検討中で…」

穂乃果「ロボットは放置されていたところから動き始めたんですよね……」

穂乃果「まだ間に合う……どいてください」

プロファイラー「……穂乃果さん、あなたは今、軍の機密に関する重大な任務についているところで」

穂乃果「…っ!!どいてください…!!」

穂乃果「……この世が終わってしまうかもしれないんです」

穂乃果「……!」ツー

プロファイラー「鼻血が……」

軍人2「……そんな身体で何ができる?行ったところで……」

穂乃果「行かないとダメなんです……」

軍人1「……こいつをリタイアした時点で脳に損傷が行ってるはずだ。まず、学校まで辿り着けない……」

軍人3「そうだ、廃人になる可能性も……」

穂乃果「ブツブツ…」

軍人達「……?」

371 :落ちます:2020/08/25(火) 03:42:39.78 ID:BQ7/N7VO.net
穂乃果「やりたいからです…今、私もっともっと歌いたい…踊りたいって思ってます…。きっと、海未ちゃんもことりちゃんもこんな気持ち初めてなんです。やって良かったって、本気で思えたんです…」

穂乃果「今はこの気持ちを信じたい、このまま誰も見向きもしてくれないかもしれない…応援なんて、全然してもらえないかもしれない…」

穂乃果「でも、一生懸命頑張って、私たちがとにかく頑張って、届けたい…今、私たちがここにいるこの思いを…」

軍人1「……やはり脳に異常が」

軍人2「意識が混濁しているな……」

軍人3「目的地まで行くのは……まず無理だろう」

穂乃果「……無理?」

軍人3「え?」

穂乃果「あはは……いつか私たち、ここを満員にしてみせます……」

穂乃果「………」

穂乃果「………」

軍人達「……?」

軍人4「気を失ったのか…?」

穂乃果「……私はもう逃げないって決めたから」

軍人達「……!」

穂乃果「だから……」

穂乃果「だから……!」

穂乃果「」キッ

穂乃果「無理なんて言わせないんだよっ…!!」

after episode(中)「僕たちはひとつの光」-完-

372 :名無しで叶える物語:2020/08/25(火) 13:18:33.52 ID:V9TSxNC5.net
次でいよいよラストか
期待

373 :名無しで叶える物語:2020/08/25(火) 15:45:48.16 ID:nUth5wtv.net
乙乙

374 :名無しで叶える物語(たまごやき):2020/08/25(火) 19:34:08 ID:wgPOe/83.net
これは熱いな

375 :名無しで叶える物語(光):2020/08/25(火) 22:08:09 ID:Q/tEpJ5e.net
おつ
次でいよいよ最後かな?

376 :名無しで叶える物語(光):2020/08/25(火) 22:35:41 ID:tSY2HQd4.net
おつー
展開気になるけど終わりが近づいているのは寂しいね

377 :名無しで叶える物語:2020/08/26(水) 00:00:57.84 ID:SS7dttaJ.net
プロファイラーさんだけはまともそうだね

378 :名無しで叶える物語:2020/08/26(水) 19:30:46.01 ID:Jo1pbe3w.net
保守

379 :名無しで叶える物語:2020/08/27(木) 07:42:12.68 ID:/tccpBdA.net
保守

380 :名無しで叶える物語:2020/08/28(金) 00:41:40.37 ID:0m73JMRC.net
after episode(後)「僕らのLIVE 君とのLIFE」

軍人1「お疲れ様です!」

軍人2「おう、交代の時間か」

軍人1「なにか異常は?」

軍人2「異常なんてありゃしねぇよ」

軍人2「ったく…このデカブツの警備に使うコストほど、もったいないものはねぇな」

軍人3「まったくだ。上はいつになったら、こいつを処理する気になるのかねぇ…」

軍人4「めちゃくちゃになった都民の生活をなんとかするのに手一杯なんだろう」

軍人3「だったら尚更だ。とっととこんなの廃棄処分して、そっちに人員を割けばいいじゃねえか」

軍人4「都民の生活の援助…と言えば聞こえはいいが、ほんとのところ、どう処理すればいいのかわからないんだろうな…」

軍人2「どういうことだ?」

軍人4「末端の俺たちには知らされていないが…」

軍人4「こいつには原子力エネルギーが使われてるって話だ」

軍人2「…!なるほどなぁ…そういうことかよ」

軍人3「迂闊に手は出せねぇってことか」

軍人2「それにしたって、デカブツがビルに突っ込んでる姿は異様だ」

ロボット「」

軍人3「不気味だねぇ…」

381 :名無しで叶える物語:2020/08/28(金) 00:50:20.53 ID:0m73JMRC.net
軍人1「あ、あの…」

軍人2「ん?どうしたぁ?」

軍人1「い、今…こいつ…動いたような」

軍人2「はっ!そんな馬鹿なことがあるか」

軍人2「こいつを動かしてたのは“あいどる”なんだ、その“あいどる”は死んだ。動くわけが…」

ウィーーン…

軍人2「え?」

ギギギギ…

ドスンッ…ドスンッ…

軍人1「う、うわあああ…!!!」バババババ!!!

軍人3「ば、馬鹿野郎!!」バッ

軍人1「ぐえっ…え、え!?」バタッ

軍人3「撃ってんじゃねぇよ!」

軍人1「な、なぜですか!?」

軍人3「こいつの話を聞いてなかったのか!?あのデカブツには原子力が使われてんだぞ!?」

軍人1「じゃ、じゃあどうすれば…」

軍人4「……どうもしなくていい」

軍人1「え?」

軍人4「見ろ、俺たちには一瞥もくれない…既にあんなところまで…」


ドスンッ………ドスンッ………


軍人4「俺たちを殺すことが目的じゃないらしい…」

軍人2「何か別に目的が?」

軍人4「らしいな…」

軍人4「俺たちは報告だけして、上の指示が出るまで待機だ…いいな?」

軍人1「は、はい…」

382 :名無しで叶える物語:2020/08/28(金) 01:02:23.79 ID:0m73JMRC.net
〜音ノ木坂学院〜

タッタッタッ…

絵里「はぁはぁ…どう?あった?」

真姫「全然見当たらないわ…リモコンなんて本当にあるの?」

にこ「あんた、秋穂を疑ってんの…!?」

真姫「そうじゃないけど…秋穂も根拠がないのに学校にあるって言ったんでしょ…?」

にこ「そ、それは…」

花陽「……秋穂ちゃん、大丈夫そう?」

ことり「うん…今は保健室で眠ってる…」

海未「無理が祟ったんでしょう…」

希「……秋穂ちゃんが軍の人に連れて行かれた後も、ウチら、ずっと探してるけど見つかってない」

真姫「一口に学校と言っても、これだけ広いんだし……闇雲に探すのは限度があるわね……」

凛「……学校にあるってこと以外で、秋穂ちゃんは何か言ってなかった?」

ことり「うーうん…音ノ木坂学院にリモコンがあるとしか言ってなかった…」

8人「………」

383 :名無しで叶える物語:2020/08/28(金) 01:12:59.75 ID:0m73JMRC.net
ことり「部室棟は…?」

凛「そこは凛が探したよ?でも、何もなかった…」

ことり「なら、講堂は…」

海未「講堂と弓道場付近は私が探しました……ですが、おかしなものは何も……」

絵里「………」

希「……?どうしたの、絵里ち?」

絵里「いえ……冷静に考えて、リモコンなんて存在するのかしら?」

真姫「どういうことよ?」

絵里「ロボットは既に動き始めている……でも、秋穂は音ノ木坂にリモコンがあると言った……」

絵里「……ロボットが動いている理由はなに?」

にこ「それは……ここに来るため?」

絵里「なぜ?」

にこ「え…し、知らないわよ…そんなの…」

絵里「……にこの言う通り、ロボットが音ノ木坂を目掛け、やって来ているのは間違いない……」

絵里「もしかして、秋穂が見たのはロボットのリモコンなんかじゃなく…もっと別の何かなのかもしれない…」

花陽「別の何か…?」

384 :名無しで叶える物語:2020/08/28(金) 01:25:43.00 ID:0m73JMRC.net
にこ「なんでそんなこと考える必要があるのよ?」

にこ「“あいどる”の信者がリモコンを持って学校にいる。ロボットを動かしてるその子のことを秋穂は言ったのかもしれないじゃない…!」

海未「いえ、それはありえません……。“あいどる”が死ぬ前に自ら全てを暴露した以上、彼女の残党がいるのは考えにくいです」

希「仮に、にこっちの言う通りだとして、なんでロボットが音ノ木坂に来ようとするのか説明できないよ」

にこ「……あいつら、私たちを目の敵にしてるのよ?」

にこ「学校を潰して…私たちの悲しんでる顔が見たいのよ!」

ことり「……本当にそれが目的なのかな」

にこ「だってそうとしか考えられないじゃない…!」

花陽「もし、本当にそうなったとして…“あいどる”は勝った気になるのかな…」

にこ「………」

海未「……いえ、にこの言う事もあながち間違いではないように思います」

凛「残党がロボットを操ってるって話?」

海未「ではなく…学校を破壊することがです」

海未「それが、目的の一つなのでは…?」

真姫「学校を破壊することは二の次で、真の目的があるってことね…?」

海未「はい。ですが、やはりその真の目的がわかりません…」

385 :名無しで叶える物語:2020/08/28(金) 01:41:53.69 ID:0m73JMRC.net
絵里「………」

絵里「……っ!……中性子爆弾?」

ことり「え?」

にこ「あっ……」

にこ「まさか、ここで爆発させるつもり…!?」

凛「中性子爆弾…?どういうこと?2人とも…」

絵里「秋穂が言っていたのはロボットのリモコンじゃなくて……中性子爆弾の起動リモコンのことかも……」

ことり「そういえば秋穂ちゃん、スイッチがあるって言ってたような…」

凛「今からそれを探すの?」


ズドーーンッ!!!


8人「…!!」


ズドーーンッ!!!


海未「もう、すぐそこまで…」

絵里「すぐに探さないと…」

凛「でも、いったいどこに…」

花陽「放置してた場所から考えて……ロボットが正門側から来るのは間違いない」

花陽「……校舎裏?」

希「どうしてそう思うの?」

花陽「校舎を破壊すること以外に目的があるなら、それをやることが先決なはずだから…」

絵里「……探してない校舎裏の箇所は?」

真姫「体育館、特別棟、屋内プール、テニスコート、アルパカ小屋、それと……中庭」

絵里「そう……よし、手分けして探すわよ!!」

386 :名無しで叶える物語:2020/08/28(金) 01:54:51.71 ID:0m73JMRC.net




秋穂「ホギャアアア~!!」

穂乃果「っとと!泣かないで秋穂〜!」

穂乃果「ほら、おばちゃんだよ〜!!」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜……………ズゥン

秋穂「いぇ〜い♪」

秋穂「なんで聞いてくれないんだろうね、いい曲なのに」

穂乃果「ね、いい曲なのにね」

秋穂「秋穂、全部歌えるよ!」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜…………ズゥーン

穂乃果「人は人生に一度、ゼッタイにやらなきゃいけない事がある」

穂乃果「おばちゃんね、絶対に帰ってくる、約束する」

穂乃果「泣かないで待っててられる?」

秋穂「……グスンッ、うん」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜………ズゥーーンッ

雪穂「秋穂……絶対……幸せになってね」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜……ズゥーーンッッ

穂乃果「帰ってくるって言ったでしょ?」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜…ズゥーーーンッッッ

「中庭……」ボソッ





ズドォォォーーンッッッッ!!!!!

秋穂「……ッ!!」

387 :名無しで叶える物語:2020/08/28(金) 02:02:47.27 ID:0m73JMRC.net
秋穂「はっ…!!」ガバッ

秋穂「……っつ」ビリッ

秋穂「ここは……?」キョロキョロ

ツバサ「あら、起きたの?」

秋穂「ツバサ…?」

秋穂「ここ、学校…?」

秋穂「あれ、夢…?」

秋穂「今の地響きは…?」

秋穂「あの時と一緒だった…」

秋穂「また、あの地鳴りのような音が聞こえた気がして…」

ズドォォォン!!!

秋穂「!!」

ツバサ「また、動き出したみたいね…」

秋穂「ちがう……やっぱり、気のせいなんかじゃない……」

秋穂「カーテンを…!」ダダダッ

秋穂「はぁ…はぁ…まさか…」

シャアァァ…!

秋穂「まさか…!!」


ドスンッ…ドスンッ…ドスンッ…!!!


秋穂「……あ、あぁ」

秋穂「……っ!」ダッ

タッタッタッ…

ツバサ「……落ち着きがないところ、そっくりね」

388 :名無しで叶える物語:2020/08/28(金) 02:09:13.48 ID:0m73JMRC.net
凛「……っ、どこにもない」

タッタッタッ…

凛「……にゃ?」

秋穂「はぁ……はぁ……!」

凛「秋穂ちゃん!?」

海未「あ、秋穂…!あなた、何やって…」

ことり「秋穂ちゃん、身体はもう大丈夫なの…?」

秋穂「また…」

真姫「……?」

秋穂「またアレが……またあの時みたいに穂乃果おばちゃんを連れ去っていく……」

秋穂「やだ………やだ………」ブルブル…

秋穂「っ、やめてーーー!!!」ダッ

ガシッ!!

秋穂「……っ!!」

海未「ま、待ちなさい!!」

海未「どこに行くつもりですか!?そんな身体で…!!」

凛「あ、秋穂ちゃん落ち着いて〜!!」

秋穂「……っ」グググッ

秋穂「決まってる…!あのロボットを止めに行くの…!」

にこ「無理に決まってるでしょ…!そんな病み上がりの状態で…!」

389 :名無しで叶える物語:2020/08/28(金) 02:14:31.43 ID:0m73JMRC.net
秋穂「離してッッ!!」

真姫「ぐぅ〜…!!」

ことり「ダメ〜…!!」

グググッ…!

秋穂「〜〜ッ!!」

秋穂「……あっ」フッ

凛「…!!おっとっと…」パシッ

秋穂「………」

海未「秋穂…?秋穂…!」

秋穂「……わかったの」

希「何がわかったの?」

秋穂「リモコンの場所……」

秋穂「……中庭」

秋穂「中庭にある……」

絵里「中庭ね…?」

絵里「みんな…中庭を集中的に探しましょう」

絵里「……秋穂」

秋穂「絵里おばさん……なに?」

絵里「それは誰に教えてもらったの?」

秋穂「……夢」

秋穂「夢の中で……」

絵里「………」

390 :名無しで叶える物語:2020/08/28(金) 02:21:34.77 ID:0m73JMRC.net
にこ「ないわよ〜!リモコンなんて…!」

希「にこっち!そんなこと言わずにとにかく探して…!」

秋穂「絶対、中庭にあるはず…」

秋穂「……ん?」

秋穂「……」サッサッ

秋穂「これ……」コンコンッ

秋穂「この地面、なにかおかしい…!」

ダダダッ!

絵里「どういうこと?何が変なの?」

秋穂「叩いたら変な音がするの…」コンコンッ

真姫「……秋穂」

秋穂「どうしたの真姫おばさん?」

真姫「それ…シートがかかってるだけだわ」

真姫「めくってみなさい」

秋穂「えっ……あっ、本当だ」

秋穂「……!!」

グイッ…!

391 :名無しで叶える物語:2020/08/28(金) 02:26:01.26 ID:0m73JMRC.net
海未「……なんですかこれは?」

秋穂「スイッチ……」

秋穂「……人が乗ったくらいじゃビクともしない……もっと大きい物が乗らないとダメ……」

花陽「……ロボット?」

秋穂「え?」

絵里「これがロボットの胴体にある中性子爆弾の……」

にこ「……起爆スイッチってことね」

秋穂「……!!」


ズドォォォオォン…!!!


グラッ…!!

秋穂「うわっ…!!」バタッ


ズドォォォオォン…!!!

392 :名無しで叶える物語:2020/08/28(金) 03:05:07.11 ID:0m73JMRC.net
ことり「もう、間に合わない…」

海未「秋穂、ここから離れますよ…!」

秋穂「……れろ!壊れろ!!」ガンッ

海未「秋穂…?」

秋穂「壊れろ!壊れろ!」ガンッ!ガンッ!

海未「秋穂…!」

秋穂「ダメだ……壊そうとしてるのに!!このスイッチ壊そうとしてるのに……!!」

秋穂「私……なんにも出来ない……」

秋穂「おばちゃん達を助けることも……みんなを守ることも……なんにも……」ジワッ…

秋穂「私なんか……なんの役にも立たない……」

秋穂「……っ」ポタッ…ポタッ…

にこ「秋穂……」

海未「………」

393 :名無しで叶える物語:2020/08/28(金) 03:15:30.44 ID:0m73JMRC.net
ギュッ…

海未「バカですね…」

秋穂「ヒッグ…グスッ…」

海未「あなたには…ずっと助けられっぱなしです…穂乃果がいなくなってから、ずっと…」

海未「あなたがいたから…私は…」

海未「……あなたはみんなの宝物です。でも、それはあなたに何か特別な力があるからじゃありません」

海未「ただ、あなたが大事なだけ…」

秋穂「だけど……だけど……」

ギューー…

海未「……今、ここに残ることは勇気なんかじゃありません」

海未「ただの無茶です……」

海未「無茶は許しません……」

秋穂「でも、私が戦わないと……」

海未「……勇気と無茶は別物です」

海未「……私は、守らないとダメなんです」

海未「あなたは雪穂の子…」

海未「でも、今は…私の娘なんです」

海未「穂乃果から預かった、大事な娘なんです…」

秋穂「………」

海未「穂乃果もあの時に言っていたでしょう?お願いだから、誰も死なないで……と」

秋穂「……グスッ」

海未「さぁ、行きましょう…ここにいたら踏み潰されてしまいます」

秋穂「……っ」ポタッ…ポタッ…

394 :名無しで叶える物語:2020/08/28(金) 03:24:42.86 ID:0m73JMRC.net
ズゥゥゥン…!ズゥゥゥン…!


凛「これをロボットに踏まれたら…世界は…」

ことり「だけど…もう、どうしようも…」

ザッ…

ことり「!!」

穂乃果「はぁはぁ…間に合った」

秋穂「穂乃果おばちゃん…」

海未「穂乃果…」

穂乃果「さて……なんとか学校を守らないと」

にこ「学校って……あんた、そんなこと言ってる場合!?」

にこ「学校は疎か……世界が滅ぶのよ!?」

穂乃果「この中庭の起爆スイッチ……位置は校舎裏」

穂乃果「このままアレが直進したら、正門から入ってきて、これを踏む前に校舎が踏み潰されちゃう」

絵里「………」

穂乃果「……そんなことさせない」

希「先にロボットを操縦してる人間をなんとかしないとダメなんじゃ…」

穂乃果「そんな人いないよ」

希「え?」

穂乃果「いや……あそこにいるけど、いないんだ……」

花陽「あそこって……屋上?」

真姫「……どういうことよ、穂乃果」

395 :名無しで叶える物語:2020/08/28(金) 03:33:08.90 ID:0m73JMRC.net
にこ「……止める手立てはあるの?」

穂乃果「え……?」

穂乃果「……さぁ?」

花陽「さぁ?って……それじゃ絶対敵わないよ!!」

穂乃果「そう?」

穂乃果「A-RISEにだって……私たち、敵わないと思った」

穂乃果「今、ロボットにも敵わないと思ってる。だけど、やってみないとわからないよ…!」

真姫「……歌って踊るのとは訳が違うのよ?」

穂乃果「同じだよ」

穂乃果「……ねぇ、海未ちゃん」

海未「え?は、はい?」

穂乃果「No brand girlsってどういう意味なの?」

海未「なんですかいきなり…」

海未「……無名だった私たちへ期待を込めて、その勢いのままいけるように……と」

穂乃果「そっか……」

穂乃果「私たちは有名に慣れたよね」

穂乃果「……私たちは」

穂乃果「……ね?真姫ちゃん」

真姫「なにが言いたいの?」

穂乃果「壁は壊せるし…倒せるんだって」

穂乃果「……予言には予言だよね」

穂乃果「向こうがそう来るんなら、こっちだって負けてられないよ…!」

穂乃果「未来を見るんだ」

穂乃果「私たちは……」

穂乃果「勇気で……!」

396 :名無しで叶える物語:2020/08/28(金) 03:37:09.73 ID:0m73JMRC.net
穂乃果「さて…!じゃあ止めてくるよ…」ザッ

秋穂「ま、待って!穂乃果おばちゃん…!」

穂乃果「秋穂はそこにいて…!」

秋穂「…ッ!」

穂乃果「……これは私たち音ノ木坂学院の生徒の問題」

絵里「穂乃果」

穂乃果「……?」

絵里「私も行くわ」

穂乃果「いや…絵里ちゃんもここにいて」

絵里「なに言って……あなたを1人で行かすなんて」

穂乃果「私がダメなら絵里ちゃんが」

絵里「……!」

穂乃果「絵里ちゃんもダメならことりちゃんが」

穂乃果「それでもダメなら海未ちゃんが」

穂乃果「次は凛ちゃんが、真姫ちゃんが、希ちゃんが、花陽ちゃんが、にこちゃんが」

穂乃果「……とにかく踏み潰させちゃダメ」

穂乃果「ここは……私たちの母校なんだもん」

397 :名無しで叶える物語:2020/08/28(金) 03:40:58.87 ID:0m73JMRC.net
穂乃果「」ダッ

秋穂「あっ…!穂乃果おばちゃん…!」

ことり「穂乃果ちゃんっ…!」

ダダダダッ…

秋穂「……行っちゃった」ガクッ

海未「秋穂……」

海未「……っ」ギュッ

にこ「……あんたの方が賢いわ、秋穂」

秋穂「え…?」

にこ「穂乃果と違って、聞き分けよかったでしょ?さっき…」

にこ「……帰ってきたら、言ってやんなさい」

にこ「勇気と無茶は別物だって」

海未「にこ……」

秋穂「にこおばちゃん……うん」

398 :名無しで叶える物語:2020/08/28(金) 03:45:43.48 ID:0m73JMRC.net
真姫「それにしてもあの子、どう止めるつもりなの?」


ズドンッ!ズドンッ!


ことり「中から何かするつもりなのかな…?」

海未「何かを持っているようには見えませんでしたが…」


ズドンッ!ズドンッ!


凛「まだ、ロボットには何も起きてない……穂乃果ちゃんは……」

希「血の大晦日の時みたいに……あのぶら下がってる紐をロープ代わりにして、操縦席まで行ってるはず……」


ズドンッ!ズドンッ!


ことり「まだ、何も起きない…」

凛「穂乃果ちゃんに……何かあった?」

絵里「……穂乃果」

399 :名無しで叶える物語:2020/08/28(金) 03:50:05.46 ID:0m73JMRC.net
ズドォォォン…ズドォォォン…!

ズドォォォン…グググ…!


秋穂「……あっ」

にこ「ロボットの片足が上がった…!」

希「まさか穂乃果ちゃん、こけさすつもりなん!?」

凛「でも、自分が中にいる状態でそんなことしたら!!」

秋穂「……おばちゃん」

秋穂「穂乃果おばちゃんッッ……!!」


グググ…!!

グググググググ…!!!

グラッ…


秋穂「あ……」


ッッッドシャアアァァーーーーン!!!!!!!

400 :名無しで叶える物語:2020/08/28(金) 03:54:33.60 ID:0m73JMRC.net
ビュウゥゥゥ…!!!

秋穂「ぐっ……!」

絵里「うっ……!」

希「……どうなった?」

タッタッタッ…

モク…モク…モク…モク…

真姫「……学校に上がる階段の手前で倒したのね」

花陽「ギリギリだったんだね……」

にこ「……倒せるってそういうこと?」

にこ「バカ穂乃果……」

にこ「物理的に倒すんなら……別に、にこでもよかったじゃないッ……!」

401 :名無しで叶える物語:2020/08/28(金) 04:01:13.79 ID:0m73JMRC.net
ことり「穂乃果ちゃんは…?」

秋穂「…!!」ダッ

海未「あっ…秋穂…!」

秋穂「そんな…!そんな…!」ダダダッ

モク…モク…モク…モク…

秋穂「……おばちゃん!私、ここにいるよ……!」

海未「秋穂……ここから先は、土埃が酷くて……」

秋穂「……そんな……穂乃果おばちゃん……なんで……」

海未「………」

真姫「秋穂……」

モク…モク…モク…モク…

秋穂「グスッ…もうやだよ…離れ離れなんて…もう…」

秋穂「なんで…こんな…」

モク…モク…モク…

モク…モク…

花陽「……あっ」

凛「……?どうしたの?」

花陽「あれ……」

希「え?…っ!!」

402 :落ちます:2020/08/28(金) 04:07:34.67 ID:0m73JMRC.net
ポンッ

秋穂「……?」

絵里「秋穂、あれ」

にこ「目、凝らしてみなさい?」

秋穂「……え?」

秋穂「……」ジー

モク…モク…モク…ボヤァッ…


穂乃果「ゲホッ…ゲホッ…」


秋穂「……!!」

秋穂「おばちゃん……」


穂乃果「……えへへ」ニッ…


秋穂「穂乃果おばちゃん……!」ダダダッ…!

秋穂「……!!」バッ

ダキッ…!

穂乃果「〜〜ッッ!」ギュゥ…

403 :名無しで叶える物語:2020/08/28(金) 05:53:23.40 ID:rNonixnF.net


404 :名無しで叶える物語:2020/08/28(金) 13:50:03.20 ID:xhapZiIS.net
もう終わりそうで寂しいな…

405 :名無しで叶える物語:2020/08/29(土) 01:36:46.32 ID:JN+6WTck.net
保守

406 :名無しで叶える物語:2020/08/29(土) 02:46:57.55 ID:aj6EwTa0.net
(後)のあとに(了)みたいなエピソードに続きそうな感じかな?

407 :名無しで叶える物語:2020/08/29(土) 15:04:11.60 ID:80BAU9GQ.net
秋穂のほのキチぶりはいくらなんでも異常

408 :名無しで叶える物語:2020/08/30(日) 01:24:29.10 ID:FoRYhGxs.net
保守

409 :名無しで叶える物語:2020/08/30(日) 11:34:14.97 ID:enozjxDD.net
保守

410 :名無しで叶える物語:2020/08/30(日) 15:26:15.64 ID:0A94rcKJ.net
ホノカ~!!

ホノカチャン~!!





ツバサ「………」

ツバサ「……また、あなたが学校を守ったわね」

ツバサ「……やるべき事は復讐なんかじゃなく、みんなを守る事だって……言ってたわよね」

ツバサ「本当、変わらないのね」

ツバサ「信じてる……待ってるって言われたんだもの……」

ツバサ「私も……腹を括るしかなさそうね」クルッ

ツバサ「」スタスタスタ…

411 :名無しで叶える物語:2020/08/30(日) 15:32:41.12 ID:0A94rcKJ.net
タッタッタッ

軍人達「こっちだ!!急げ!!」

軍人達「……!?」

軍人達「こ、これは……いったい……?」


モク…モク…モク…モク…


穂乃果「さて……」スッ

秋穂「……?」

穂乃果「………」スタスタ

秋穂「ほ、穂乃果おばちゃん、どこ行くの…!?」

穂乃果「……私、まだ、やらないといけないことがあるんだ」

秋穂「やること…?」

穂乃果「うん、だから…」

花陽「穂乃果ちゃん」

穂乃果「花陽ちゃん…?どうしたの?」

花陽「覚えてるかな?あの年の大晦日に私が言ったこと」

花陽「……勝てたらみんなで……μ'sとしてまた、歌って踊りたいな……って」

花陽「……どうかな?」

穂乃果「……うん」

穂乃果「そうだね…私もやりたい」

412 :名無しで叶える物語:2020/08/30(日) 15:41:28.28 ID:0A94rcKJ.net




-数日後-

ワーワー!!キャッキャッ♪

穂乃果「ここの公園……昔、みんなでよく遊んだよね」

ことり「そうだねっ♪」

穂乃果「私たちが何も考えずに遊んでる時、大人の人がベンチに座って見守ってくれてたけど…」

穂乃果「……今は私たちがこっち側だね」

海未「………」

穂乃果「……?海未ちゃん?どうしたの?」

海未「……せっかく、今日、μ'sとして久しぶりにライブをするというのに……なぜ、またあんなところに……」

穂乃果「そう言わないでよ……ライブには絶対間に合わせるからさ」

海未「……信用なりませんね」

穂乃果「えぇ…!そ、そんなぁ〜…!」

ポーン…ポーン…

穂乃果「ん?」

子供「おーい!おばちゃん、ボール取ってー!」

穂乃果「いいよ〜!」

穂乃果「はいっ…!」ビシュッ

子供「ありがとう〜!」

413 :名無しで叶える物語:2020/08/30(日) 15:52:39.58 ID:0A94rcKJ.net
穂乃果「……ま、安心してよ、遅刻はしないから」

海未「……だいたい……また、あそこに行って……あなた、何をしてくるつもりなんですか?」

穂乃果「……μ'sを結成して、μ'sのメンバーであれたことが……本当に良かったか……確認するため」

ことり「………」

穂乃果「それと、私……謝らないといけないんだ」

ことり「謝るっ…?」

穂乃果「うん…今さら謝ったってどうにもならないけどね…」

穂乃果「もしも……もしも、私が約束を覚えていたら」

穂乃果「もしも……もしも、私がμ'sを作らなかったら」

海未「……もしももしもと言っても仕方がないでしょう」

穂乃果「………」

ことり「……穂乃果ちゃんの言う約束がなんのことかはわからないけど……ハッキリしてることが一つだけあるの」

ことり「μ'sがいなかったら……学校は……廃校になってた……って」

穂乃果「………」

414 :名無しで叶える物語:2020/08/30(日) 15:57:47.25 ID:0A94rcKJ.net
海未「……ことりの言う通りです。私たちは、ただただひたむきに頑張っただけです」

海未「後悔することなんて……」

ことり「……穂乃果ちゃん、わかったの?誰が“あいどる”か……」

穂乃果「………」

ことり「……?穂乃果ちゃん?」

海未「穂乃果……もしかして、あなた、誰が“あいどる”か知っていたんじゃないですか?」

穂乃果「………」

穂乃果「……ことりちゃん」

ことり「ど、どうしたの?」

穂乃果「ツバサさんの行方は?」

ことり「うん……まだ、見つかってないって……」

ことり「穂乃果ちゃんがロボットを倒す前までは保健室にいたんだけど……」

穂乃果「……そっか」

415 :名無しで叶える物語(庭):2020/08/30(日) 16:09:02 ID:0A94rcKJ.net
ドサッ!

ことり「ん?」

子供「いって〜!!膝擦りむいた〜!!」

ことり「わわっ!大丈夫〜?」タタッ…

穂乃果「………」

穂乃果「……海未ちゃん、色々迷惑かけてごめんね」

海未「な、なんですか、いきなり…」

穂乃果「いや、いつも待たせちゃってるし…」

海未「………」

海未「昔、お婆上様が言っていました、いつも私は待たされてばかりで……」

海未「……海未も待たされて散々だったねぇって」

海未「本当に……いつも遅刻ギリギリなんですから」

穂乃果「えへへ……」

海未「あなたと、この空は……いつでも同じままですね」

穂乃果「……うん、そうだね」

416 :名無しで叶える物語(庭):2020/08/30(日) 16:18:59 ID:0A94rcKJ.net




〜“あいどるランド”〜

プロファイラー「……くれぐれも今度は途中で抜け出さないようにお願いしますよ」

穂乃果「わかったってば〜…」

プロファイラー「……アトラクションへ入る前に聞いてもいいですか?」

穂乃果「なにを?」

プロファイラー「なぜ、もう一度ここへ入ろうと?」

プロファイラー「最後のページの意味は解明出来ました……軍としては入る理由が見当たりません」

プロファイラー「ロボットを倒した功労者、穂乃果さん達ての希望なので……上はなんとか説き伏せましたが……」

穂乃果「……ちゃんと話してないんです。あの時以来」

穂乃果「最後にちゃんと話したのは2018年……30年前」

プロファイラー「……何か私たちでは介入出来ない事情がおあありのようですね……これ以上は聞きません」

軍人「準備、出来ました!いつでもいけます!」

プロファイラー「わかった」

プロファイラー「では、穂乃果さん…いきますよ」

穂乃果「うん、お願い…」

ビリッ……ビリビリ……!

穂乃果「…っ」

プロファイラー「」ポチッ

穂乃果「うっ…!!」

グルッ!!ギリリリリリ!!ギュルルルル!!ギュルン!!

417 :名無しで叶える物語(庭):2020/08/30(日) 16:25:16 ID:0A94rcKJ.net




(穂乃果)「……っ」パチッ

ジ…ジジジ…

(穂乃果)「……暗い」

タッタッタッタッ!!

(穂乃果)「ん…?」

穂乃果「ひぃ〜!!やっぱり、この時間はもう寒いや〜!」

穂乃果「……って、あれ?お姉さん?」

(穂乃果)「んっ…元気?」

穂乃果「はいっ!それはもうすっご〜〜く!!元気です!!」

穂乃果「1年ぶりですね!何やってるんですか?こんなところで…!」

(穂乃果)「うん…ちょっとね。あなたは?」

穂乃果「私は屋上に忘れ物しちゃって、取りに戻って来たんです!」

(穂乃果)「そっか…」

(穂乃果)「…屋上、誰かいなかった?」

穂乃果「え?いや…見てないなぁ〜…」

穂乃果「誰かと待ち合わせしてるんですか?」

(穂乃果)「…ま、そんな感じなのかな…」

418 :名無しで叶える物語(庭):2020/08/30(日) 16:30:14 ID:0A94rcKJ.net
穂乃果「ということはやっぱり…!」

(穂乃果)「…やっぱり?」

穂乃果「お姉さんって、ここの卒業生ですか…!?」

(穂乃果)「……うん、そうだよ、よくわかったね」

穂乃果「えへへ!そりゃあ、こんなに頻繁に出入りしてたらわかりますよ〜!」

穂乃果「そうだ!私たち、もう少しで大会なんです!ラブライブがあるんです!」

穂乃果「お姉さん、ファンだって言ってくれてたから…」

穂乃果「私とことりちゃんと海未ちゃんにとっては最後の大会…もうμ'sではないけど…」

穂乃果「お姉さん、応援してくれますか…!」

(穂乃果)「……うん、もちろんだよ」

穂乃果「…っ!!わーい!やったー!」

419 :名無しで叶える物語(庭):2020/08/30(日) 16:33:20 ID:0A94rcKJ.net
穂乃果「あっ…そうだ!話は変わっちゃうけど…」

穂乃果「私!大学、決まったんです!推薦だけど…」

穂乃果「勉強、すっごく頑張ったんです…!!」

(穂乃果)「そうなの?おめでとう」

(穂乃果)「これで思う存分、ラブライブに集中できるね」

穂乃果「はい!!」

(穂乃果)「………」

(穂乃果)「……あのさ」

穂乃果「はい??」

(穂乃果)「あなた、約束覚えて……」

穂乃果「約束…?」

(穂乃果)「……いや、なんでもないや」

穂乃果「……?」

420 :名無しで叶える物語(庭):2020/08/30(日) 16:37:20 ID:0A94rcKJ.net
(穂乃果)「ごめんね、寒いのに、こんな踊り場で立ち止まらせちゃって…」

穂乃果「い、いえいえ!むしろ私が勝手に喋ってただけだし…!」

穂乃果「それより、絶対ラブライブ見てくださいね!私たち、頑張るから…!」

(穂乃果)「……うん、もちろん」

穂乃果「それじゃあ!またね、お姉さん…!」ダッ

(穂乃果)「……穂乃果ちゃん!」

穂乃果「……!」ピタッ

穂乃果「なんですか?」

(穂乃果)「……ここから、色々あって大変だけど……頑張ってね」

穂乃果「……えへへ」

穂乃果「はい!もちろん!」

(穂乃果)「………」

421 :名無しで叶える物語(庭):2020/08/30(日) 16:39:14 ID:0A94rcKJ.net
マタネ~!!

穂乃果「………」フリフリ

穂乃果「……さてと」

コツ…コツ…コツ…

穂乃果「……行くよ」

穂乃果「」スッ

ガチャリ…

422 :今日はここまで:2020/08/30(日) 16:48:18.72 ID:0A94rcKJ.net
ビュゥゥー…

穂乃果「………」

バタンッ…

「……秋風って感じだねぇ」

穂乃果「……そうだね」

「懐かしいねぇ……昔はあんたがこうやって大の字になって寝てたっけ」

「それで、私がそこから入ってきてさ……」

穂乃果「………」

「……そっかぁ、あんたが来たって事は……」

「死んだんだ……私」

穂乃果「……うん」

「……そっか」

穂乃果「……っ」

穂乃果「話をしたいって思ってた。ちゃんと話をして……どうしてこうなったのか……一緒に……話を……」

穂乃果「でも、まずは……謝りたいの」

「……今さら謝っても何にも起きないよ。変わらないよ」

穂乃果「それでも……」

穂乃果「……ごめん」

穂乃果「本当に……ごめんね……」

穂乃果「ごめんなさい……」

穂乃果「……ッッ」

穂乃果「ヒデコ……」

「……まったく」

ヒデコ「……変わんないって、言ってんのにさ……」

423 :名無しで叶える物語:2020/08/30(日) 17:48:44.30 ID:Zw/dBSxK.net
やっぱヒデコだったんか…

424 :名無しで叶える物語:2020/08/30(日) 19:19:19.45 ID:gUhr+/Za.net
マジか

425 :名無しで叶える物語:2020/08/30(日) 19:37:29.51 ID:DfEiOgTg.net
前々からツバサさんと髪型似てるなって思ってたからもしやと思ってはいたが

426 :名無しで叶える物語:2020/08/30(日) 20:51:46.22 ID:3Rs1EP0+.net
人見知りしないハズの秋穂が、ヒデコがあやそうとしたら泣いたのも伏線だったのか…

427 :名無しで叶える物語:2020/08/30(日) 21:19:34.87 ID:J9kXUdWW.net
ヒフミの3人ともが怪しかったけど、やはり.....

428 :名無しで叶える物語:2020/08/30(日) 23:06:40.75 ID:KMdoG5i7.net
ヒデコはドンキー兼カツマタくんだったのか

429 :名無しで叶える物語:2020/08/31(月) 00:31:09.81 ID:sqz4ScDv.net
そうかヒデコか…
途中でミッドナイトキャッツのどっちかじゃないかと疑ってが、ただの考えすぎだったな

430 :名無しで叶える物語:2020/08/31(月) 02:44:51.33 ID:T4DOwNdI.net
なぜミッドナイトキャッツに辿り着いたんだ…

431 :名無しで叶える物語:2020/08/31(月) 19:26:40.43 ID:1+ys8+tJ.net
保守

432 :名無しで叶える物語:2020/08/31(月) 22:52:21.38 ID:ZkT42tUA.net
ヒフミだろうとはおもってたが

433 :名無しで叶える物語:2020/08/31(月) 23:00:14.96 ID:MzN9UvJh.net
μ'sの没歌詞を知ってる時点でμ'sに近しい人間に絞られるわな

434 :名無しで叶える物語:2020/09/01(火) 01:04:02.44 ID:5ayFdj9E.net
保守

435 :名無しで叶える物語:2020/09/01(火) 20:24:31.14 ID:bhzs6ZvV.net
数年の歳月を経てあいどるの正体がわかったのか、感慨深いな

436 :名無しで叶える物語:2020/09/01(火) 22:02:26.29 ID:ylv3kQ14.net
ヒデコってウチのおかんと同じ名前なんだよな…

437 :名無しで叶える物語:2020/09/01(火) 23:09:50.54 ID:scIEVEyq.net
誰も秋穂にヒデコの面影を見なかったって事は全く似てないのか
穂乃果に似てるとも言われてるけど完全に雪穂似なのか

438 :名無しで叶える物語:2020/09/02(水) 19:56:52.35 ID:5d+UghLT.net
保守

439 :名無しで叶える物語:2020/09/03(木) 10:57:57.36 ID:PKm9IjS3.net
穂乃果「………」

ヒデコ「……なにしてんの?」

ヒデコ「こっち来て座んなよ。話したかったんでしょ?」

穂乃果「……うん」スタスタ

穂乃果「」スッ…

穂乃果「………」

ヒデコ「あんた、よく分かったね……私の残留思念がここにあるって」

穂乃果「……きっと、ここにいるだろうなって思って」

ヒデコ「そっか……」

ヒデコ「私、8月3日途中までの記憶しかないよ?」

穂乃果「……昔に見たヒデコの亡骸、あれは……」

ヒデコ「あぁ……あれ、ダミーだよ。私じゃない」

穂乃果「……そうなんだ」

440 :名無しで叶える物語:2020/09/03(木) 11:10:40.37 ID:PKm9IjS3.net
ヒデコ「いやぁ…しかし、私が死ぬとは思わなかったなぁ」

ヒデコ「なんでこうなっちゃったんだろうねぇ…」

穂乃果「……全部、約束を覚えてなかった私のせい」

穂乃果「私のせい……だけど……だからって、都民を……世界中の人たちを……あんなに大勢の人を殺す必要があったの……?」

穂乃果「……フミコとミカだって」

ヒデコ「!……ふぅん」

ヒデコ「わかってんだ、それも」

穂乃果「“るどいあ”の時は……フミコとミカもそうだったんでしょ……?」

ヒデコ「……あの2人だって、最初は私の意見に賛同してたんだよ」

ヒデコ「ただ、私との温度差があってさ……それには気付けなかったよ」

ヒデコ「ここまでやる必要は……って」

ヒデコ「……フミコは死んじゃったけど、ミカは何やってんだかね」

穂乃果「……ミカも死んだよ」

ヒデコ「えっ、うそ」

穂乃果「ミカが……ヒデコを殺したの」

ヒデコ「!!」

ヒデコ「へぇ……そっか」

441 :名無しで叶える物語:2020/09/03(木) 11:17:46.54 ID:PKm9IjS3.net
ヒデコ「……8月3日、花陽ちゃんが止めに来てくれたよ」

穂乃果「花陽ちゃんが?」

ヒデコ「私の正体に薄々気付いてたのかな」

ヒデコ「……一瞬、花陽ちゃんなら分かってくれるんじゃないかとも思った」

ヒデコ「自分なんかじゃアイドルになれないと思ってた花陽ちゃんなら……私のことが」

穂乃果「………」

ヒデコ「だけど、冷静に考えてみたら……わかるわけない」

ヒデコ「結局、アイドルになれた花陽ちゃんに……私のことなんて」

ヒデコ「……全部ハリボテだった」

ヒデコ「“あいどる”としてもハリボテ、やってきたことも全部」

ヒデコ「……全部、嘘っぱち」

442 :名無しで叶える物語:2020/09/03(木) 11:30:07.61 ID:PKm9IjS3.net
穂乃果「……ヒデコ」

ヒデコ「なに?」

穂乃果「μ'sを…恨んでる…?」

ヒデコ「当たり前。じゃなきゃ、あんな悪事働かないっての」

穂乃果「……なら」

穂乃果「なら、どうして、μ'sを殺さなかったの?」

ヒデコ「……は?」

穂乃果「μ'sを殺すチャンスはいくらでもあったはずだよね」

穂乃果「やり方だって…ヒデコ達の力があればどうとでも出来たはず」

ヒデコ「………」

穂乃果「結局、殺したのは私だけ……しかも、その私さえ生きてる……」

穂乃果「どうして?それをしなかった理由は…?」

ヒデコ「……昔、真姫ちゃんが言ったんだっけ」

穂乃果「……真姫ちゃんがなに?」

ヒデコ「穂乃果がいなければ、μ'sは終わりだって」

ヒデコ「私もそう思う…。そう思ってた…」

443 :名無しで叶える物語:2020/09/03(木) 11:41:18.17 ID:PKm9IjS3.net
ヒデコ「あんたさえ死ねば、μ'sなんて終わったも同然」

ヒデコ「だから真っ先にあんたを殺ったの」

ヒデコ「だけど、流石は伝説のスクールアイドルμ's、メンバーは粒揃いだねぇ…」

ヒデコ「中々しぶとくてね」

穂乃果「本当に殺す気があったの?」

ヒデコ「………」

穂乃果「……私は」

ヒデコ「勘違いするなッ…!!」

穂乃果「……!!」

ヒデコ「……穂乃果……私、本当にあんたを殺すつもりだったよ」

ヒデコ「でも、他の8人を意図的に生かしておいてあげたのは事実」

ヒデコ「その理由はさっき言った通り」

ヒデコ「あんたがいないμ'sなんて、μ'sとして終わりと思ったから」

ヒデコ「自分たちがどれだけ無力か知らしめてやるため……」

穂乃果「………」

ヒデコ「……ま、上手くはいかなかったけどね」

444 :名無しで叶える物語:2020/09/03(木) 11:54:58.85 ID:PKm9IjS3.net
穂乃果「……アキバドームにウィルスを撒こうとしたんだよね」

ヒデコ「そうだよ」

穂乃果「秋穂を殺そうとしたの?」

ヒデコ「うん、したよ」

穂乃果「ッッ!」

穂乃果「どうして…!?子供なんだよ、自分の…!!」

ヒデコ「産んだのは私じゃなくて、雪穂ちゃんだし」

穂乃果「……ッッ」

穂乃果「……そんな気持ちで……なんで、雪穂と子供を」

穂乃果「秋穂は……」

ヒデコ「遊びたかったの」

穂乃果「え?」

ヒデコ「私、μ'sと……穂乃果と遊びたかったの」

ヒデコ「だから、ウィルスも…雪穂ちゃんも…秋穂も…遊ぶための道具でしかない」

穂乃果「遊ぶ…そんなことのために…?」

ヒデコ「ふふふ……ねぇ、穂乃果……なんで私があの時、穂むらに行ったかわかる?」

ヒデコ「私が行かなかったら、あんた全く“あいどる”のことに関心示さなかったでしょ」

ヒデコ「私の話を聞いて、秋穂と出会って、私が死んで、“あいどる”のことに首を突っ込んだ」

ヒデコ「自分から巻き込まれに行ったんだよ、穂乃果は」

ヒデコ「まんまと私に乗せられたね」ニッ

穂乃果「………」

445 :名無しで叶える物語:2020/09/03(木) 12:08:29.34 ID:PKm9IjS3.net
穂乃果「……理解出来ない」

ヒデコ「あれ?自分のやったことを棚に上げて、私を責めるの?」

穂乃果「」ピクッ

ヒデコ「あんたが約束を忘れてなきゃ……」

穂乃果「………」

ヒデコ「……訳がわかんなかった」

ヒデコ「μ'sが無くなって、なんなのか……どうすればいいのかわかんなくなっちゃった……」

ヒデコ「だけど、穂乃果と……2人で曲を作って一緒に歌おうって約束して……救われた」

ヒデコ「でも、あんたはその約束以降、受験にかまけて……それを忘れた」

穂乃果「………」

ヒデコ「私が穂むらに行った時も……あんた、約束のことなんて微塵も覚えてなかった……全く思い出しすらしなかった」

ヒデコ「……悔しかった。私が存在する意味は?」

ヒデコ「……私たちがやってきたことはその程度?」

ヒデコ「私たちは……必要?不必要?」

穂乃果「……ヒデコ」

ヒデコ「いいよ、どうせ私たちは脇役だよ……一生、日の目を見ることのない……一生、スポットが当たることのない場所にいる……」

ヒデコ「……だから、私はなる必要があったの」

ヒデコ「真のアイドルに……」

ヒデコ「みんな平等に……誰も損をしない……そんなアイドル」

446 :名無しで叶える物語:2020/09/03(木) 12:17:50.60 ID:PKm9IjS3.net
ヒデコ「……なんて言っても、本当はわかってたんだ」

ヒデコ「μ'sに私たちが介入する余地なんかないって……」

ヒデコ「μ'sは、この9人だから……あの9人だから最高だったんだって」

ヒデコ「大勢の人間を殺した理由も……自分の力を誇示する……それだけのため」

ヒデコ「でもさ、穂乃果」

ヒデコ「私たちみたいな影にいる人間が不満を募らせると何が起きるか……いい勉強になったでしょ?」

穂乃果「………」

ヒデコ「……穂乃果?」

穂乃果「……約束を忘れてた私が言っても説得力がないかもしれないし……嘘に聞こえるかもしれないけど……」

穂乃果「どんなときもずっと……μ'sは……ヒデコ達のことを忘れたことなんて……無かったよ」

ヒデコ「……!」

447 :名無しで叶える物語:2020/09/03(木) 12:32:01.12 ID:PKm9IjS3.net
穂乃果「……ヒデコ」

穂乃果「昔の街並みを復元させたのはなんのため?」

穂乃果「……自分の思い出のため?」

穂乃果「それとも、私たちに何かを思い出させるため?」

ヒデコ「……わかりきったこと聞かないでよ」

ヒデコ「簡単な話。私はあの時の今が好きなの」

穂乃果「……じゃあ、やっぱり」

穂乃果「……山田先生が言ってた、ヒデコは一つ、大嘘をついてる……って」

ヒデコ「……秋穂は私にとって泥棒猫」

穂乃果「え?」

ヒデコ「私から穂乃果とμ'sを取っちゃういけない子だから」

穂乃果「………」

ヒデコ「……うふふ」

ヒデコ「秋穂がね、私にこんなこと聞いてきたの」

ヒデコ「μ'sが嫌いなの?って」

穂乃果「………」

ヒデコ「そっ……私が唯一バレたくなかった嘘」

ヒデコ「私が……」

ヒデコ「私が……誰よりも……!」

ヒデコ「μ'sを好きになってしまったんだよ…!」

448 :名無しで叶える物語:2020/09/03(木) 12:58:23.40 ID:PKm9IjS3.net
穂乃果「…うん」

穂乃果「ありがとう…」

ヒデコ「ねぇ…穂乃果、聞いていい?」

穂乃果「…なに?」

ヒデコ「あんたはなんで…アイドルになったの?」

穂乃果「私…?」

穂乃果「私は…学校のために歌を始めて…アイドルを始めた」

穂乃果「そして、みんなと出会って…一緒にラブライブを目指して…全力で走り続けて、絶対に手が届かないと思っていたものに手が届いた」

穂乃果「だけど、それは偶然そうなったんじゃなくて…思い切り夢中になれたから…そして」

穂乃果「…最高に楽しかったから」

ヒデコ「…そっか」

449 :名無しで叶える物語:2020/09/03(木) 13:54:41.42 ID:PKm9IjS3.net
穂乃果「」スッ

ヒデコ「…行くの?」

穂乃果「うん…みんなを待たせてるから」

ヒデコ「ねぇ、穂乃果…約束を忘れてたこと、悔やんでる?」

穂乃果「…うん…」

ヒデコ「…ならさ、私のお願い聞いてよ」

穂乃果「お願い…?」

ヒデコ「私が復元させた街並みにさ…あんたの実家もあるんだ」

ヒデコ「……またやってよ、穂むら」

穂乃果「………」

ヒデコ「それとさ……あの曲、歌ってほしい」

穂乃果「………」

ヒデコ「って、こんな殺戮者の曲、みんなの前で歌いたくないか」

穂乃果「……ヒデコの歌詞がみんなの希望の唄になってたんだよ」

ヒデコ「……!」

バタンッ

ヒデコ「……皮肉なもんだね」

450 :名無しで叶える物語:2020/09/03(木) 14:03:42.96 ID:PKm9IjS3.net




〜音ノ木坂学院 講堂〜

ザワッザワッ…

花陽「き、緊張してきちゃった…」

凛「もう〜、かよちんが言ったんだよ?ライブやりたいって!」

絵里「……来ないわね」

にこ「穂乃果は間に合うの?」

希「そろそろ、μ'sの出番やけど…」

ことり「たぶん、あとちょっとで…って、あ!」

真姫「…やっと来たわね」

ことり「穂乃果ちゃ〜ん!」

穂乃果「」スタスタ

海未「穂乃果」

穂乃果「……?」

海未「……ちゃんと謝れましたか?」

穂乃果「……うん」

海未「なら、よかったです…」

451 :名無しで叶える物語:2020/09/03(木) 14:19:46.94 ID:PKm9IjS3.net
穂乃果「………」

ボフッ

穂乃果「……!」

にこ「久しぶりにμ'sが9人揃って、この舞台でパフォーマンスするのに、そんな辛気臭い顔するんじゃないの!」

穂乃果「にこちゃん…」

にこ「ほら!」

穂乃果「うん…そうだね」

穂乃果「よし…!行こう…!」

サッ

穂乃果「1!」

ことり「2!」

海未「3!」

真姫「4!」

凛「5!」

花陽「6!」

にこ「7!」

希「8!」

絵里「9!」

9人「μ's!」

9人「ミュージックスタート!!!!!!!!!」

452 :名無しで叶える物語:2020/09/03(木) 14:26:53.41 ID:PKm9IjS3.net
『続きまして、本日のスペシャルゲスト、μ'sに登場していただきます』

ワー!!キャー!!

ザッザッザッ…

穂乃果「どうも皆さん!こんにちは!」

穂乃果「こうして9人で歌うのは本当に久しぶりで、少し緊張もするんですが…」

穂乃果「このような場を設けてくれたAqoursのみんなに…そして、今までμ'sを支えてくれた人たちに…感謝して歌わせてもらいます!」

穂乃果「今日披露するのは2曲だけですが、楽しんで行ってください!」

穂乃果「では、1曲目」

穂乃果「聞いてください!」

9人「僕らのLIVE 君とのLIFE」

453 :名無しで叶える物語:2020/09/03(木) 14:46:38.24 ID:PKm9IjS3.net
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

穂乃果「ありがとうございました!μ'sでした!」

パチパチパチパチ

『μ'sから…僕らのLIVE 君とのLIFE、START:DASH!!…でした』

凛「大成功にゃー!」

海未「みんな、ブランクがあるとは思えませんでしたね」

穂乃果「うん!やっぱり、μ'sって…いいな」

にこ「はぁ?当たり前でしょ!なに言ってんのよ急に」

穂乃果「たはは…いや、ふと思って!」

アンコール!アンコール!

穂乃果「あっ…Aqoursちゃん、行って来なよ」

千歌「えっ、えっ!?」

千歌「いやぁ…μ'sの後にやるのは…なんか荷が重いっていうか…」

穂乃果「だけど、企画したのは千歌ちゃん達なんだし」

千歌「う、うーん…」

454 :名無しで叶える物語:2020/09/03(木) 15:02:54.72 ID:PKm9IjS3.net
ツバサ「なら、私たちにやらせてもらっていいかしら?」

穂乃果「つ、ツバサさん…!?」

あんじゅ「私たちもいるわよぉ♪」

英玲奈「急ですまない」

千歌「A-RISE…」

海未「あなた…今までどこで何を…」

ツバサ「A-RISEとして最高のパフォーマンスを見せるために……ちょっとね」

穂乃果「………」

ツバサ「なにを呆気にとられてるの高坂さん?」

ツバサ「あなたが言ったんでしょう?また、A-RISEのライブを見せて欲しいって」

穂乃果「ツバサさん…」

ツバサ「いいかしら?1曲だけ」

千歌「は、はい…!」

ツバサ「ありがとう♪……行くわよ」

あんじゅ「はーい♪」

英玲奈「あぁ…!」

455 :名無しで叶える物語:2020/09/03(木) 15:11:11.52 ID:PKm9IjS3.net
〜〜〜〜♪

キャーー!!

ツバサー!!コッチムイテー!!

アンジュー!!カワイイー!!

ヤッパリ、エレナカッコイイー!!

千歌「す、すごいパフォーマンス…」

千歌「聖良さんと理亞ちゃんが憧れる理由もわかるや…」

穂乃果「……私も」

千歌「え?」

穂乃果「ずっと…憧れだよ」

千歌「穂乃果さんが…μ'sが憧れる存在…A-RISE」

千歌「そりゃ、すごいはずだ…」

456 :名無しで叶える物語:2020/09/03(木) 15:22:54.31 ID:PKm9IjS3.net
スタスタ…

ツバサ「ごめんなさい、ステージを借りちゃって」

千歌「い、いえ…!」

穂乃果「……A-RISEはこれからどうするんですか?」

ツバサ「……私たちがしたことは許されることじゃない」

ツバサ「3人で出頭するわ。また、一から出直しね」

穂乃果「………」

ツバサ「……じゃあね」

スタスタ…

穂乃果「……っ」

穂乃果「……待ってますから!」

ツバサ「……!」

穂乃果「みんな…待ってますから」

ツバサ「……全く、本当に甘いのね」

穂乃果「………」

ツバサ「……またね」

穂乃果「はい…!」

457 :名無しで叶える物語:2020/09/03(木) 15:26:44.52 ID:PKm9IjS3.net
穂乃果「……千歌ちゃん」

千歌「はい?」

穂乃果「もう1曲だけやってもいいかな?」

千歌「は、はい!どうぞ…!」

穂乃果「みんな、行こう…!」

真姫「行くって言っても…」

希「なにやるの?」

穂乃果「アンコールだよ!あれしかないよ!」

穂乃果「……僕らは今のなかで!!」

458 :名無しで叶える物語(庭):2020/09/03(木) 15:47:59 ID:PKm9IjS3.net
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

穂乃果「僕らは今のなかででした!」

穂乃果「ありがとうございました!μ'sでした!」ダッ

ガシッ

穂乃果「え?」

にこ「あんたは捌けなくていいから」

穂乃果「にこちゃん…?」

絵里「穂乃果、これ」

穂乃果「ギター…?」

凛「弾き語りだよ!」

ことり「お客さん、聞きたいと思うから…♪」

花陽「お客さんだけじゃない、私も…聞きたい…♪」

希「うん!ウチらもしっかり聞いてるから」

真姫「バッチリ締めなさいよ」

穂乃果「……みんな」

海未「秋穂も客席にいます、歌ってあげてください」

穂乃果「……うん」

459 :一旦落ちます:2020/09/03(木) 15:59:23.84 ID:PKm9IjS3.net
ザワッザワッ…

穂乃果「えっと…弾き語りで1曲やらせてもらいます」

穂乃果「聞いてください…」

穂乃果「作詞作曲がホノカと…」

穂乃果「…ヒデコです」

ジャンジャンジャジャジャン…

穂乃果「日が暮れてどこからか…」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

穂乃果「地球の上に夜が来る 僕はいま 家路を急ぐ」

穂乃果「世界中に夜が来る 世界中が家路を急ぐ」

ジャンジャンジャガジャガ…

穂乃果「そんな毎日が君のまわりで」

穂乃果「ずっとずっと続きますように…」

穂乃果「グータラースーダララ…」

穂乃果「グータラースーダララ…」

穂乃果「グータラ〜…」







ヒデコ「…スーダララ〜」

ビュゥゥー…

ヒデコ「……クスッ」ニコッ…

460 :名無しで叶える物語:2020/09/03(木) 20:18:09.94 ID:PKm9IjS3.net




-数週間後-

ブゥゥゥゥン…

果南「本当にこの先にいるのかな?」

千歌「ムロタさんが調べたんだし…間違いないよ!」

果南「……辺境の地で医療活動」

果南「高坂雪穂……秋穂のお母さん……か」

秋穂「………」ボー

千歌「……?秋穂ちゃん?」

秋穂「……え?あっ……な、なに?」

千歌「ボーッとしちゃって…どうしたの?」

千歌「もしかして、この前のAqoursのライブに感動しちゃった!?」

千歌「えへへ、なんて…」

秋穂「……うん、すっごくカッコよかったよ」

千歌「え?ほんと?」

千歌「そう言われると、なんか照れるなぁ〜…!」

461 :名無しで叶える物語:2020/09/03(木) 20:25:55.81 ID:PKm9IjS3.net
秋穂「………」

果南「……なにか心配事でもあるの?」

千歌「え…?」

秋穂「……うん」

秋穂「お母さんとずっと会ってない…20年間、ずっと…」

秋穂「私を見たってわからないかも…」

秋穂「いや…それどころか、私のことなんて…覚えてすらないかも」

果南「………」

穂乃果母「なに言ってるのっ!覚えてるに決まってるでしょ」

秋穂「おばあちゃん…」

穂乃果母「母親が娘のこと、忘れたりなんてするわけないでしょ」

秋穂「そうかな…」

穂乃果母「そうなの!」

千歌「……ねぇ、果南ちゃん、まだ着かないの?」

キッ!!

千歌「うわわ!」

果南「たった今、着きましたよお客さん」

千歌「もうっ!」

462 :名無しで叶える物語(庭):2020/09/03(木) 20:43:06 ID:PKm9IjS3.net
ガラッ…バムッ

秋穂「………」キョロキョロ


「そっちは早く点滴を!子供たちをちゃんと並ばせてあげて!」

「順番は守って!ワクチンは十分あるんだから」


秋穂「……!」


雪穂「ほら、気をつけて…」


秋穂「……っ!」

秋穂「」ザッザッ…

千歌「あ、秋穂ちゃん…!」

秋穂「……お母さん……?」

雪穂「……!」クルッ

秋穂「……っ」ジワッ


果南「おばあちゃん、ほら、見つかりましたよ……雪穂さん」

穂乃果母「……雪穂」


雪穂「………」ペコリッ

463 :名無しで叶える物語:2020/09/03(木) 20:47:34.34 ID:PKm9IjS3.net
秋穂「………」

雪穂「……おめでとう」

秋穂「え……?」

雪穂「……知るわけないよね、自分が生まれた日」

雪穂「私のせいだけど……」

雪穂「……9月3日」

雪穂「秋穂……今日、あなたの誕生日なの」

雪穂「21歳の誕生日、おめでとう…」

秋穂「お母さん……」ジワッ

秋穂「……ッッ」

ダキッ…

雪穂「……!」

雪穂「………」ギュッ

after episode(後)「僕らのLIVE 君とのLIFE」

464 :名無しで叶える物語:2020/09/03(木) 20:50:01.62 ID:PKm9IjS3.net
アフターエピソードもこれにて終了になります。
後日、少しだけ投下するエピローグを書いて物語はおしまいです。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

465 :名無しで叶える物語:2020/09/03(木) 22:04:40.64 ID:OlCDW6ZT.net
まだもうちょっと続くことに喜んでる俺がいる

466 :名無しで叶える物語:2020/09/03(木) 22:30:33.46 ID:lW8dWglY.net
まさしく今日が秋穂の誕生日じゃん

467 :名無しで叶える物語:2020/09/03(木) 22:31:09.94 ID:pwwVXKaS.net
うるっときた
そうかヒフミ全員だったのか…
ライブで締めるの最高や
エピローグも楽しみにしてます

468 :名無しで叶える物語:2020/09/04(金) 00:19:25.97 ID:PDYHi8WM.net
>>467
なんとなく3人全員じゃないかとは思ってはいたが....

469 :名無しで叶える物語:2020/09/04(金) 00:32:43.03 ID:Y75EpnIO.net
警察含め世界の殆どがあいどるに支配されてた様な状態だったろうにA-RISEだけ出頭してどうにかなるのだろうか
もっとヤバい事に加担してた人数え切れないくらい居そうだけど

470 :名無しで叶える物語(たこやき):2020/09/04(金) 00:40:37 ID:pExRl3g5.net
ちゃんと雪穂は秋穂のことを覚えてたのね

471 :名無しで叶える物語:2020/09/04(金) 15:05:25.66 ID:Eks3c38P.net
真姫おばさんは実家の援助で研究をしてたみたいに
言ってたけどよく捕まらなかったな
というかそれ以前によく勘当されなかったもんだ

472 :名無しで叶える物語:2020/09/04(金) 21:13:38.32 ID:jfT/Ai+s.net
あいどる死んだ辺りが効果音ばっかでよくわかんないだけど、ツバサに整形したヒデコを本物のツバサごとミカがうって、ミカも自殺したってこと?

473 :名無しで叶える物語:2020/09/04(金) 21:35:00.51 ID:rjWkYFRy.net
そうやろうね

474 :名無しで叶える物語:2020/09/05(土) 14:47:09.32 ID:yi6rQ9iW.net
保守

475 :名無しで叶える物語:2020/09/05(土) 18:04:34.68 ID:Ftnigaa5.net
epilogue「僕らは今のなかで」

〜墓地〜

秋穂「よいしょ…っと」

ガコッ

秋穂「ふぅ…!」


【高坂家之墓】


シャバシャバ…

秋穂「ねぇねぇ、おばあちゃん」

穂乃果母「どうしたの?」

秋穂「おじいちゃんってさ、どんな人だったの?」

穂乃果母「おじいちゃん?んぅ…あんまり喋らない人だったわね」

秋穂「無口だったってこと?」

穂乃果母「そうね。あと、すっごく頑固だったかな」

秋穂「クスッ…なんか、江戸っ子だね」

穂乃果母「そうね…それも、典型的なやつ…!」

穂乃果母「……だけど、穂乃果や雪穂のことはすごく大切に想っててね」

穂乃果母「もし、生きていたら……きっと、秋穂のこと溺愛してたんじゃないかしら」

秋穂「そっかぁ……。会いたかったなぁ」

476 :名無しで叶える物語:2020/09/05(土) 18:10:12.23 ID:Ftnigaa5.net
秋穂「合掌…」

穂乃果母「……さっ、帰るよ」

秋穂「え、もう帰っちゃうの?」

穂乃果母「朝の仕込みしないとダメでしょ?」

秋穂「でも、仕込みは…」

秋穂「あっ…」

秋穂「おばあちゃん、先に帰ってて」タッ

穂乃果母「え…?」

穂乃果母「ど、どこに…!秋穂…!」

秋穂「ちょっとー!すぐ帰るからー!」

穂乃果母「??」

477 :名無しで叶える物語:2020/09/05(土) 18:20:54.63 ID:Ftnigaa5.net
ザッ…ザッ…

秋穂「………」

コトッ

秋穂「これ、昨日の残りだけど……ほむまん」

秋穂「……食べて」

秋穂「………」

秋穂「……私、やっぱりあなたのこと許せない」

秋穂「たくさん人を殺して…お母さんを苦しめて…」

秋穂「あなたのせいで…穂乃果おばちゃんと二度と会えなくなるところだった」

秋穂「……私、死ぬまで許せないと思う」

秋穂「だけど……この街が好きで、穂乃果おばちゃんと一緒にいたかったって気持ちはわかるんだ」

秋穂「それに……私の親なのは事実だから」

秋穂「だから……だから……」

秋穂「……また来るよ」

秋穂「」クルッ

ザッ…ザッ…


あれから……4年の月日が経った。
少しずつだけど……みんな、平穏な日常を取り戻してる。

478 :名無しで叶える物語:2020/09/05(土) 18:38:24.87 ID:Ftnigaa5.net




秋穂「……本当に行っちゃうの?」

雪穂「うん…。どんな理由があれ、私のした事は許されることじゃない」

雪穂「贖罪のつもりじゃないけど……私の手で助かる命があるなら、なんとかしたいんだ」

秋穂「もしも…何か変なことに巻き込まれたりして…」

バッ…!

亜里沙「大丈夫だよ、秋穂ちゃん!お母さんは私に任せて!絶対無茶はさせないから…!」

秋穂「亜里沙さん……」

秋穂「……母をお願いします」ペコッ

亜里沙「うん…!」


にこ「……帰ってきたら、弟か妹が出来てたりしてね」

希「…にこっち〜」ポコッ

にこ「…っつ!冗談よ…!」

絵里「……亜里沙、気をつけてね」

亜里沙「うん、心配しないで…お姉ちゃん」

ギュッ…


雪穂「……秋穂……穂乃果おばちゃんは?」

秋穂「言ったけど……来なかった」

雪穂「そっか……結局、一度も顔合わせてないや……」

秋穂「でも…伝言を預かってるの!」

雪穂「伝言…?」

秋穂「うん!」

秋穂「帰る場所を用意して待ってるから、いつでも帰って来るんだよ!……って!」

雪穂「……お姉ちゃん」

雪穂「うん、ありがとう……」


あの後…お母さんは、亜里沙さんと一緒に、自分自身を見つめ直すため…そして、医者が必要な人たちのために…世界へ旅立った。
…まだ帰ってきてない。せっかく会えたのに、離れ離れは寂しいけど…たまに手紙が送られてくる。元気にやってるみたい。

479 :名無しで叶える物語:2020/09/05(土) 18:57:09.75 ID:Ftnigaa5.net




〜十千万〜

美渡「なーにサボってんの千歌!!次は掃除ッ!!」

千歌「ひいぃ〜!も、もう動けないよ〜!!」

美渡「ウダウダ言わないでさっさとやる!」

志満「あらあら…」

曜「あはは…昔とあんまり変わんないね」

梨子「うん。だけど……なんだか、安心する光景だよね」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

鞠莉「はぁ〜暇ねぇ〜」

鞠莉「……結婚でもしようかしら」

果南「は!?」

鞠莉「うふっ…イッツジョーク!」

果南「……っ!つまんない嘘つかないでよぉ…!」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

〜茶房 菊泉〜

ダイヤ「お待たせしました!こちら白玉ぜんざいでございます」

ルビィ「お、お姉ちゃん…くじら汁のセット…どこのテーブルだっけ…」

理亞「ルビィ!それは向こうのお客様だってば!」

ルビィ「うひぃ…!ご、ごめんなさ〜い…!」

聖良「……すみません、みなさんに手伝わせてしまって」

善子「どういたしまして……というか、迷惑かけてない?これ?」

花丸「……誰のこと言ってるずら?」

善子「べ、別にずら丸だけとは言ってないでしょ!」

花丸「だけってどういうこと〜!!」

聖良「クスッ…仲、いいですね」


Aqoursのみんなは、ライブをしてからしばらくして沼津へと帰って行った。
AqoursもSaint Snowも地元でアイドル活動を続けてるらしい。
最近は北海道でイベントを開いて復興活動?をやったみたい。

480 :名無しで叶える物語:2020/09/05(土) 19:11:07.89 ID:Ftnigaa5.net




〜神田明神〜

希「」サッサッ…

希「………」チラッ

絵里「………」

希「絵里ち〜、掃き掃除し〜よ〜」

絵里「………」

希「ずっと、手合わせられて…神様も困ってるんやない?」

絵里「……もう少しだけ、お願い」

希「……ふぅ、しょうがないなぁ」

希「絵里ちの分もウチが頑張っとくよ」


絵里おばさんと希おばちゃんは2人で神田明神のお手伝いをしてる。
絵里おばさんは、今まで殺めてしまった人たちを祈って…毎日欠かすことなく、神様に手を合わせてる。
同棲してるんだって。仲良しだよね。

481 :名無しで叶える物語(庭):2020/09/05(土) 19:38:40 ID:Ftnigaa5.net




にこ「ん〜、どうしようかしら…」

にこ「ねぇ、今晩なに食べたい?」

こころ「ラーメンなどどうでしょう?」

ここあ「カレー!」

虎太郎「ハンバーグ」

にこ「あんた達、統一性なさすぎ…」

花陽「あっ…にこちゃん」」

にこ「あら…花陽じゃない」

花陽「ちょうどよかった!今度のフェスのことでちょっと話があって…」

花陽「ご飯食べたかな?よかったら一緒にどう?」

にこ「…だって。外食でいい?」

こころ「はい!」

ここあ「わーい!花陽さんとご飯〜!」

虎太郎「いいよー」

にこ「あ、あれ…!?さっきまで私の手料理がいいって言ってたのに…!?」


花陽おばさんとにこおばちゃんは2人でアイドル事務所を開いた。今度、長らく休止してるラブライブとは別の大会…というよりフェスが2人の主催で開かれるらしいけど、詳細は不明…。

482 :名無しで叶える物語:2020/09/05(土) 21:42:30.29 ID:Ftnigaa5.net




患者「待ってくれよ!ま、真姫先生〜!」

真姫「……っ、しつこいわね!」

真姫「あなた、怪我したって言って、いつも来るけど…結局、大したことないのよ」

真姫「私も暇じゃないの、帰りなさい」

患者「そんなこと言わないでさ〜!手当てを…」

真姫「はぁ……もうっ、診してみなさいよ」

患者「あ、マジで?ぐへへ……」

真姫「……よかった、大丈夫そうね」

患者「あっ!うそうそ!先生〜!」

真姫「猫の手だって借りたいくらい、人手が足りないの!!」

真姫「冷やかしに付き合ってられない!!」

真姫「帰りなさいッッ!!」

患者「」ドキッ

患者「は、はーい…!」

タッタッタッ…

真姫「まったく…」


真姫おばさんは西木野総合病院の跡継ぎで、毎日、身を粉にして働いてる。忙しいから、私もあんまり会えてない。
ピアニストになる道もあったらしいけど、今はそれより病院を……って。
ジュニア層からシニア層まで幅広い支持があって、一部の男性ファンは魔女なんて言ってるらしい。
それを伝えたら、真姫おばさんは、なんの支持なんだかって呆れてたけど…。

483 :名無しで叶える物語:2020/09/05(土) 21:50:59.90 ID:Ftnigaa5.net




ズルズルズル…!!

カエダマクレー!!

凛「はいはい!替え玉ね!」

客「いや〜!ごちそうさん、凛ちゃん!」

客「満足満足!また来るよ!」

凛「ありがとうございます!」

ガララッ

凛「いらっしゃ〜い!!」


凛おばちゃんは修行して、ラーメン屋さんを開いた。結構繁盛してるらしい。
μ'sメンバーの溜まり場といえばここ!

484 :名無しで叶える物語:2020/09/05(土) 21:55:38.96 ID:n9nCH0qW.net
>>482
リアルな患者で草

485 :名無しで叶える物語(庭):2020/09/05(土) 22:08:13 ID:Ftnigaa5.net
カキカキッ

ことり「ん〜、こっちの方がいいかなぁ…?」

ことり「ここにワンポイントでぇ」

ことり「あっ…!でも、こっちも〜…!」

カキカキッ

ことり「わっ…可愛い〜!!」


ことりおばちゃんはデザイナーの仕事で、世界中を飛び回っている。
時折、日本に帰って来ては、PTSDで苦しむ人たちへ講演会なんかも開いてるの。
毎年、私の誕生日にはことりおばちゃんがデザインした洋服を送ってくれるんだ。本当に欠かすことなく毎年だから、ちょっと照れる…。

486 :名無しで叶える物語(庭):2020/09/05(土) 22:22:35 ID:Ftnigaa5.net




海未「せいっ!」

ドサッ

門下生1「ぐわっ…!」

海未「どうです?わかりましたか?」

門下生2「は、はい!やぁっ…!」

海未「違います!こうです!」

海未「はっ!」

門下生1「う、うおっ!?」

ドサッ

門下生達「おぉ…!」

パチパチパチ

海未「さっ、拍手してる暇はありません!次に行きますよ!」


海未おばちゃんも大変そう。日舞・園田流の家元。
日舞に剣道に薙刀に古武術。
園田道場は武道を極めようとする人たちで、連日ごった返し。
ちなみに、私も海未おばちゃんの家にお世話になってた時は古武術を教えてもらってた。厳しかったけど…。
継がされそうになったりもしたけど、海未おばちゃんのおばあちゃんが優しかったっけ。
私も身体を動かしたい時にお邪魔してます。

487 :名無しで叶える物語:2020/09/05(土) 23:09:33.39 ID:+OwXAQqx.net
>>482
これは正真正銘の患者ですね…

488 :名無しで叶える物語:2020/09/05(土) 23:12:06.30 ID:RH68+tzA.net
高海姉はどっちかくらいは結婚して子どももいそう

489 :名無しで叶える物語:2020/09/05(土) 23:47:04.22 ID:vrQ7CDGt.net
いよいよ終幕か…

490 :名無しで叶える物語:2020/09/05(土) 23:48:59.73 ID:Ftnigaa5.net
みんな…いろんな事情を抱えて、いろんな夢を持って…毎日、一生懸命に生きてる。

私は…今は特にやりたいことはないけど…私が育ったこの街を…おばちゃんたちが育ったこの街を…ずっと、見ていきたいな。


秋穂「すー…はー…」

秋穂「ん〜!!やっぱり、朝の空気は美味しいね〜!」


「ねぇ……自己紹介ってやっぱりあるのかな?私、全然特徴ないのに……緊張しちゃう……」

「スクールアイドルなんだから当然デス!大丈夫!精一杯やれば!バンガッテクダサイ!」

「声が大きいです!早朝ですよ?しかも…それを言うなら、頑張ってください…ですよ」

「大丈夫!いずれ全国…いや全宇宙に名を轟かせるカリスマギャラクシースクールアイドルにお任せを!」

「そっそっ!気負うことないって!楽しめばオッケー!」

「って、ヤバ!そうこう言ってるうちに遅刻しちゃう〜!」

「急げ〜!!」

ドタドタドタドタ…!!


秋穂「今日は制服の子たちをよく見るな…」

秋穂「しかも全部違う学校の…」

秋穂「この辺りで何かあるのかな…?」

491 :名無しで叶える物語:2020/09/05(土) 23:55:43.65 ID:Ftnigaa5.net
秋穂「っと…それよりお店…!」クルッ

「〜〜〜っ!!」ダダダダッ

ガッ…

秋穂「いてっ…ご、ごめんなさい…!」

「あっ!こちらこそ、ごめんなさい!」

「……!」タッタッタッ

秋穂「あ…だいぶ強くぶつかったけど…大丈夫かな…?」

秋穂「しかも、あの子も制服……って、ん?」

スッ…

秋穂「高咲侑……これ、学生証……?」

秋穂「おーい!これ、落としたよー!!」

侑「え?」クルッ

侑「…あ!」

492 :名無しで叶える物語:2020/09/06(日) 00:01:50.07 ID:d8BuYuBi.net
侑「ごめんなさい…ありがとうございます」

秋穂「虹ヶ咲学園…お台場の学校に通ってるの?」

侑「はい、今日…こっちで、スクールアイドルのフェスがあって」

秋穂「あっ……もしかして、にこおばちゃんと花陽おばさんが言ってた例の……」

秋穂「……じゃあ、あなたもスクールアイドルなの?」

侑「いえ、私はサポート専門です」

秋穂「」ピクッ

秋穂「サポート…?」

秋穂「…なんで、サポート役に?」

侑「え?それは…」

侑「…きらきら輝くスクールアイドルたちを、一番近くで応援したいからです!!」

秋穂「……楽しい?」

侑「もちろんです」

秋穂「でも、実は不満があったり…」

侑「まっっっったく!!ないです!!!」

秋穂「……!」

秋穂「……そっか」

秋穂「なら、よかった……」

493 :名無しで叶える物語:2020/09/06(日) 00:06:05.66 ID:d8BuYuBi.net
侑「彼女たちを見てるのってすごく楽しいし……何より、応援したくなるから!」

秋穂「……なんか、素敵だね」

秋穂「ずっと、その気持ちを忘れないでいてね」

侑「はい…!」

秋穂「……あ」

侑「ん?」

秋穂「あなた、慌ててたけど……時間、大丈夫なの?」

侑「あっ…」

侑「あああああぁぁぁっっっ!!!」

秋穂「ご、ごめん!引き止めて!早く行きなよ!」

侑「は、はい!学生証、ありがとうございました!!」

ダダダダダダッ!!!

秋穂「はやっ……」

秋穂「……私も戻ろっと」

494 :名無しで叶える物語:2020/09/06(日) 00:14:06.99 ID:d8BuYuBi.net
〜穂むら〜

ワチャワチャ…!!

秋穂「な、なんで今日こんな忙しいの…!?」

秋穂「こんな時におばあちゃんはいないし…!」

秋穂「でも、店番は私に任せてって言っちゃったし…!」

秋穂「お会計しないと!あっ、詰めないと!!え、オススメ!?えーとえーと……!!」バタバタ

客「お姉ちゃん、早くしてくれよ〜!」

秋穂「〜〜〜っ!!」

秋穂「も、もうダメッ…!!」

秋穂「穂乃果おばちゃ〜ん!!」

……トットットットッ

穂乃果「どうしたの、秋穂?……って」

ワチャワチャ…!!

穂乃果「ありゃぁ…すごいお客さんだねぇ…」

秋穂「て、手伝って〜!!」

495 :名無しで叶える物語:2020/09/06(日) 00:25:52.78 ID:d8BuYuBi.net
ガラーン…

秋穂「はぁ…はぁ…やっとお客さんいなくなった…」

穂乃果「いや〜…忙しかったね」

穂乃果「とは言え…今日は朝の仕込み以外は私に任せてって息巻いてたのに…」

穂乃果「えへへ〜♪結局、呼んじゃったね、私を…!」

秋穂「む〜っ…」

穂乃果「でも、よかったよ〜!慌てふためく秋穂の顔♪」

秋穂「もうっ!」

コツンッ…

秋穂「いてっ…!」

穂乃果「……秋穂の一人ぼっちが苦手で甘えんぼなところは私そっくり……」

穂乃果「クールなところとしっかりしてるところはお母さんそっくりだけど……」

秋穂「………」

秋穂「……ねぇ、穂乃果おばちゃん」

穂乃果「んぅ…?」

秋穂「……お母さん、いつ帰ってくるのかな」

穂乃果「……さぁねぇ」

穂乃果「いつ帰って来るかはわからないけど、お母さんが帰って来たら…私はこう言うつもりなの」

穂乃果「どうして雪穂は帰って来るなり、こんなにうるさいわけ?…って!」

秋穂「なにそれ」

秋穂「あ、もしかして……昔、お母さんに言われた?」

穂乃果「」ギクッ

穂乃果「よくわかったね…」

秋穂「あはは…!わかるよ〜!だって意味わかんないもん!お母さん、うるさくないし!」

秋穂「おばちゃん、そのこと根に持ってるんだね♪」

穂乃果「そ、そんなんじゃないよ!」

496 :名無しで叶える物語:2020/09/06(日) 00:33:59.96 ID:d8BuYuBi.net
「あの…」

穂乃果&秋穂「!!」バッ

「今、大丈夫ですか…?」

穂乃果「あっ…ごめんなさい!いらっしゃいませ!」

穂乃果「って、あ…音ノ木坂の制服…」

秋穂「もしかして…スクールアイドル?」

音ノ木坂学生「いえ…私は違います…だけど、友達が…」

音ノ木坂学生「今日はフェスがあるので、その友達に差し入れを…と、思って」

穂乃果「へぇ〜!フェスが!」

穂乃果「なら、これがいいよ!」

穂乃果「穂むら名物、穂むらまんじゅう!略して、ほむまん!」

音ノ木坂学生「じゃあ、それを…」

穂乃果「は〜い、ちょっと待っててね♪」

497 :名無しで叶える物語:2020/09/06(日) 00:39:53.82 ID:vhZGJ3B0.net
スーパースターと虹と…って出てくるの胸熱すぎて泣いちゃう

498 :名無しで叶える物語:2020/09/06(日) 00:52:09.78 ID:d8BuYuBi.net
秋穂「ふふふ…どんなパフォーマンスするのか…楽しみだね」

音ノ木坂生徒「え?あ、はい…そうですね…初めて見るので余計に…」

秋穂「え?初めて見るの?」

音ノ木坂生徒「……ちょっと、その子と喧嘩しちゃってて」

音ノ木坂生徒「高校に入ってから知り合って、よく遊んでた子なんですけど……」

音ノ木坂生徒「スクールアイドルにハマってからは、そればっかりで……」

音ノ木坂生徒「私と遊ぶ約束も忘れて、スクールアイドルの練習をしたり……」

音ノ木坂生徒「そういうこともあって、かなり揉めちゃって……」

音ノ木坂生徒「でも……考えてみたら、やっぱり私が悪いなと思って……今日、謝ろうと」

音ノ木坂生徒「……だけど、正直、ちょっと不安です」

秋穂「不安?なんで…?」

音ノ木坂生徒「……彼女、私のこと嫌いになってるんじゃないか……って」

穂乃果「そんなこと絶対ないよ」

秋穂「おばちゃん……」

音ノ木坂生徒「どうしてそんな事わかるんですか?」

穂乃果「……どうしてかな……でも、わかるんだ」

穂乃果「あなたと遊ぶ約束を忘れたのは、いけないことだけど……それだけ、その子はスクールアイドルに夢中なの」

穂乃果「……そう、夢中なだけ。あなたのことを絶対に嫌いになったり、忘れたりなんかしてないから」

穂乃果「……はい、これ……。お待ちどおさま」

ガサッ…

499 :名無しで叶える物語:2020/09/06(日) 01:00:27.07 ID:d8BuYuBi.net
音ノ木坂生徒「……ありがとうございます」

音ノ木坂生徒「ちょっと、勇気出ました」

穂乃果「よかった!」

秋穂「流石、穂乃果おばちゃん!」

秋穂「ヨッ!ニッポンイチ!」

穂乃果「ふふんっ!」

音ノ木坂生徒「クスッ…お2人はとても仲良しなんですね」

穂乃果「えへへ〜!でしょでしょ♪」

穂乃果「ほら、秋穂!ギューって!」

秋穂「ちょっとタイム!流石に恥ずかしいって…///」

穂乃果「えぇ〜!!」

音ノ木坂生徒「……ありがとうございました」

音ノ木坂生徒「今度来る時は、その子も連れて……」

音ノ木坂生徒「……頑張りますッ!」

穂乃果「うん!」

ガララッ

穂乃果&秋穂「えへへ…」ニッ

穂乃果&秋穂「ありがとうございました、またのお越しを〜!」

〜おしまい〜

500 :名無しで叶える物語(庭):2020/09/06(日) 01:13:16 ID:d8BuYuBi.net
μ'sキャストのロボットに乗りたいという発言を聞いて、見切り発車で始めたこのSS…
一番最初に立てたスレから4年も要し、紆余曲折ありましたが、ようやく完結させる事が出来ました。
エタッてしまった過去スレ含め、保守・応援のレスやイラストを描いてくださった皆様、すごく励みになりました、ありがとうございます。
ご存知とは思いますが一応…パロディ元は「本格科学冒険漫画 20世紀少年(著:浦沢直樹)」です。
誤字脱字に乱文、わかりにくい描写も多々あり、読みづらかったでしょうが、平にご容赦下さい。
長いSSで、完結に時間がかかってしまいましたが、読んでいただき、本当にありがとうございました!

501 :名無しで叶える物語:2020/09/06(日) 01:13:37.47 ID:B00WDAuQ.net
オワッテシマッタ
ほんとに乙

502 :名無しで叶える物語:2020/09/06(日) 01:16:51.95 ID:7Xye/Z/U.net
何年も経って完結するのは感慨深いね…乙乙

503 :名無しで叶える物語:2020/09/06(日) 01:22:15.14 ID:PUfBrlfl.net
よくぞ最後まで書いてくれた。本当にお疲れさま

いまスクフェスでなってしまった!を叩いてて思ったが、ヒデコと穂乃果の最後のやりとりにこの曲も反映されてんのかな?

504 :名無しで叶える物語:2020/09/06(日) 02:45:48.26 ID:AoFyufAs.net
ハラショー!!

505 :名無しで叶える物語:2020/09/06(日) 03:15:20.23 ID:iaylfAoj.net
めっちゃよかったぞ

506 :名無しで叶える物語:2020/09/06(日) 10:47:28.22 ID:tuXCfEMU.net
最近知って一気に読み進めた勢かつパロディ元の20世紀少年大好き勢だけど、パロディ元リスペクトをすごく感じ取れたしラ!への落とし込み方も感服しました
オリジナル設定も面白かったよ
あと、ヒフミ達についても、ここまで爆発させるまではいかなくとも穂乃果達がμ'sになった後の距離感とかには実際きっと少し思う所あっただろうなあとか考えさせられた
乙でした!

507 :名無しで叶える物語:2020/09/06(日) 10:54:57.55 ID:rgwCqzWD.net
乙乙。久しぶりにSSで楽しませてもらった

508 :名無しで叶える物語:2020/09/06(日) 11:19:36.83 ID:hIeiNOWd.net
お疲れ様なのです

509 :名無しで叶える物語:2020/09/06(日) 18:48:12.14 ID:YCgWN7E/.net
全1100レスか…

510 :名無しで叶える物語(馬刺し):2020/09/06(日) 20:20:51 ID:GiAFNoJR.net
ラブライブssの最高傑作だよ

511 :名無しで叶える物語:2020/09/07(月) 17:12:48.21 ID:V3lBtdTL.net
遂に完結したのか
お疲れ様でした

512 :名無しで叶える物語(SIM):2020/09/08(火) 07:58:00 ID:Obo3UQfV.net
4年越しの完結めでたい

513 :名無しで叶える物語:2020/09/08(火) 13:22:57.43 ID:RTU/LrDE.net
最後のスパスタか
一応伏線も全部回収されたのかな?

514 :名無しで叶える物語:2020/09/08(火) 20:40:19.80 ID:MdcwxTHu.net
エピローグで4年後って事は3年生は後1年も経てば50歳か....
こんな激動の人生になると誰が想像しただろうか

515 :名無しで叶える物語:2020/09/09(水) 18:59:35.83 ID:epbgGE6f.net
大作だな

516 :名無しで叶える物語:2020/09/09(水) 19:07:15.15 ID:hE0n1Bvx.net
凛ちゃんラーメン…ぐっ頭が…

517 :名無しで叶える物語:2020/09/09(水) 19:07:44.90 ID:8qP5bAK6.net
裏設定とかあったら知りたいですね〜

518 :名無しで叶える物語:2020/09/10(木) 18:43:59.78 ID:8GlQv7tz.net
4年後ってことは穂乃果が48で秋穂も誕生日迎えてなかったら24でスレタイの穂乃果と一緒か

519 :名無しで叶える物語:2020/09/10(木) 20:07:35.15 ID:Mm2+2jT8.net
この世界のμ'sは彼氏と付き合って結婚して子どもも......
っていう普通の幸せな人生を歩めなかったんだよな
ちょっと気の毒な気もする

520 :名無しで叶える物語:2020/09/11(金) 09:48:46.20 ID:4Kq/C+j/.net
だからこそ秋穂が大切なんだろうけどな

521 :名無しで叶える物語:2020/09/11(金) 14:00:45.38 ID:7v//kEZ2.net
1000レスも乙
まさか侑まで出てくるとは

522 :名無しで叶える物語:2020/09/11(金) 20:28:54.13 ID:bh0uSw/1.net
ANNでもロボット乗りたいってメンバー言ってたな
それが起点とは

523 :名無しで叶える物語:2020/09/12(土) 16:52:20.02 ID:1GdORT00.net
あの発言からこんな壮大な話が生まれるとは

524 :名無しで叶える物語:2020/09/12(土) 17:09:53.90 ID:cKN3EjS+.net
これって昔エタったときには大筋考えてなかったってことやんね
いきあたりべっとりでよく書いてたなー

525 :名無しで叶える物語:2020/09/13(日) 17:05:36.86 ID:jBwJ+ZSJ.net
アラフィフのぞえりが同棲とな!?

526 :名無しで叶える物語:2020/09/13(日) 17:07:38.11 ID:YCd8Ogfk.net
完結してたか
読んできます

527 :名無しで叶える物語:2020/09/14(月) 17:06:56.59 ID:B9U9E5ZO.net
乙乙
完結してほしいSSスレで挙がる鉄板だったけど終わってしまったか
最初始まった時はこれすげぇ長編になるけど完結まで行くのかなって思ってたら案の定エタってしまったから残念がってたけど…ちゃんとオチまで見れてよかった
無事に完結して嬉しい反面もう続きが見れないのは寂しいね

528 :名無しで叶える物語:2020/09/14(月) 23:03:06.29 ID:wEXeN/eF.net
いつの間にか完結してた
とにかく乙、良かった

529 :名無しで叶える物語:2020/09/15(火) 22:53:40.12 ID:SSlaRRVB.net
50手前ならギリ子供は作れるな

530 :名無しで叶える物語:2020/09/16(水) 21:25:49.12 ID:ioBl3Pg2.net
タイトル回収

531 :名無しで叶える物語:2020/09/17(木) 18:05:46.54 ID:KN9FphyJ.net
ラ板史に残る傑作

532 :名無しで叶える物語:2020/09/18(金) 01:50:36.63 ID:IVbWid2n.net
古いメモ帳見てたらこんなの見つけたから記念に貼っとく
ノc(/`・ ‿ ・ル ヒデコ
ʃ(dʃ,,º ᴗ º)ɭ フミコ  
≥(cv`o ヮo)≤ ミカ

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