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【ラップSS】☆かのん「ぶつけてきなよ…きな子ちゃんの全力ってやつを」きな子「はい!きな子だってやれるって証明するっす!」☆
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過去作(ほぼ1年前設定)
【ラップSS】かのん「は?ラップバトルで優勝しろ?」可可「ピンチデス…」千砂都「私の出番かな?」【初心者向け】
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- 2 ::2022/08/21(日) 05:37:42.25 ID:/PVa4RE60.net
- ※一部変えてはいますが、マイクなどの設定はヒプノシスマイクからの流用です
※一部キャラディス要素を含みます。キャラディスが苦手な方、キャラ同士のディスが苦手な人にはおすすめできません
※アニメでの代々木フェス前(3話)の時点での話という設定です
※Liella!2期生キャラについては作者が勝手なイメージで書いています。よって今後アニメでまったく違うキャラになることは十分にありえます
※ラップ部分は各自いい感じのリズムで読んでもらえると助かります
一度スレを立てた際に変なのが絡んで来て立て直しになったのでワッチョイ付けてます
感想、横槍など書きにくくなってすみません
- 3 ::2022/08/21(日) 05:39:41.81 ID:/PVa4RE60.net
- かのん(私、澁谷かのん!結ヶ丘女子高校の…2年生です)
かのん(できたばかりの結ヶ丘と一緒にスタートしたスクールアイドル生活もなんだかんだで1年が過ぎ、2年目に突入しました)
かのん(去年よりもさらに高みへ、優勝を目指してLiella!は全身全霊、全速前進しています)
かのん(そんな私たちの前に、また"あれ"が登場するのは必然だったのかもしれないです)
- 4 ::2022/08/21(日) 05:40:53.51 ID:/PVa4RE60.net
- かのん「スクールアイドル…ラップフェス?」
恋「はい、覚えていますか?1年ほど前のスクールアイドルラップバトルのことを」
かのん「あー、うん…可可ちゃんとすみれちゃんと私がスクールアイドル部の活動許可をかけて出たやつでしょ」
可可「まだレンレンとバチバチやってた頃の話デスね」
恋「はい、思えばあのバトルを通してわたくしと、かのんさん達のつながりが深まったのですね…」
すみれ「助っ人まで呼んで潰す気マンマンだったのに恋の中ではそうなってるのね…」
- 5 ::2022/08/21(日) 05:42:15.00 ID:/PVa4RE60.net
- 千砂都「あの時はまさかラブライブの課題でもラップするとは思わなかったよねー」
かのん「で、そのスクールアイドルラップバトルがなんなの?」
恋「実はですね、昨年の好評を受けて今年も無事開催が決まったようなのです」
恋「しかも、今回はラップフェスとして去年よりも大規模のイベントになるそうです」
千砂都「はあ…そうなんだ」
- 6 ::2022/08/21(日) 05:43:46.28 ID:/PVa4RE60.net
- 恋「それで、今年も結ヶ丘から出てほしいと理事長から話がありまして」
かのん「えっと、またラップバトルしろってこと?」
かのん「ま、まあ…?別に私も出るのはやぶさかじゃないけど?一回出たわけだし」
恋「それがですね…わたくしたち、正確にはかのんさん、可可さん、すみれさん、わたくしは参加できないようでして」
千砂都「あ、私は出られるんだ」
かのん「ごめん…参加禁止とか意味がわからないんだけど?」
- 7 ::2022/08/21(日) 05:46:06.58 ID:/PVa4RE60.net
- 恋「…昨年度の決勝戦メンバーは大会の運営に支障があるから出すな、という話があったそうです」
恋「想定を超えた規模のバトルとなったことで事後処理が大変だった…とかで」
かのん「そ、そうだっけ?」
可可「主にかのんとレンレンがやりたい放題デシたからね」
すみれ「たしか決勝戦が進行不能でドローになったのよね?さすがにやりすぎたってことかしら」
千砂都「あれはかのんちゃんと恋ちゃんの組み合わせが良すぎたからだと思うけど、たしかにあれと戦えとか言われたら人は集まらなそうだね」
- 8 ::2022/08/21(日) 05:47:45.66 ID:/PVa4RE60.net
- 恋「理事長としてはわたくしたちが出る想定だったらしいのですが、参加禁止を受けて代わりに誰か出られないかを慌てて探しているようなのです」
かのん「えっと…そこまでして結ヶ丘から参加させなくてもいいんじゃないかな」
理事長「それはちょっと困るね」
恋「おばさま!」
すみれ「何がそんなに困るのよ」
理事長「いやー、ぶっちゃけちゃうんだけどね」
- 9 ::2022/08/21(日) 05:49:00.36 ID:/PVa4RE60.net
- 理事長「かのんちゃんたちを出禁にされても優勝してやるって啖呵きっちゃたのよ…あちこちの理事長に」
かのん「…は?そんな理由で?」
可可「かのん!相手は理事長デスよ!」
千砂都「そうだよ!抑えて、かのんちゃん」
理事長「お願い!代わりの、できれば強い子を探してちょうだい!」
- 10 ::2022/08/21(日) 05:52:47.59 ID:/PVa4RE60.net
- かのん「そんなの心当たりないですよ!理事長が責任もって探してください」
理事長「そこをどうにか!」
かのん「啖呵切っちゃったの理事長なんですよね!?どうにかしてとか言われても困ります!」
「あ、あの…取り込み中のところ失礼するっす!」
ギィィィ…
きな子「お、おはようございます!…じゃなくて、えっと…お疲れ様?は違うっすか…」
- 11 ::2022/08/21(日) 05:54:01.39 ID:/PVa4RE60.net
- きな子「と、とにかく、桜小路きな子、ただいま来たっす!」
かのん「きな子ちゃん!そっか、もうこんな時間だね」
かのん(この子は桜小路きな子ちゃん、北海道からはるばる結ヶ丘に入学してきてくれた私たちの『後輩』)
かのん(そして、何を隠そう…私たちLiella!に加わってくれた新入部員第一号なのです)
かのん(まあ、第一号しかいないんだけどね…)
- 12 ::2022/08/21(日) 05:55:45.41 ID:/PVa4RE60.net
- きな子「あの…お邪魔かなと思ってしばらく外にいて、それで盗み聞きっていうか…聞こえちゃったんすけど!」
きな子「ラップバトル…きな子が出るっす」
かのん「え?」
きな子「そのラップバトル…きな子に代わりに出させてくださいっす!」
すみれ「きな子、アンタ正気なの!?」
きな子「はいっす!」
- 13 ::2022/08/21(日) 05:56:49.23 ID:/PVa4RE60.net
- すみれ「考え直しなさい!アンタにラップバトルは…」
理事長「それは決めつけじゃないかしらね?」
恋「…おばさまは少し黙ってていだだけますか?」
可可「キナキナ、ラップの経験があるデスか?」
きな子「無いっす…」
- 14 ::2022/08/21(日) 05:58:55.42 ID:/PVa4RE60.net
- かのん「じゃあなんで?」
きな子「ラップの経験は無いっすが…見たことはあるっす…」
きな子「1年前のかのん先輩たちのバトルの動画、見たっす」
千砂都「動画?」
きな子「同じクラスの子が、去年のラップバトルの、かのん先輩たちのバトルの動画を見せてくれたんっす」
- 15 ::2022/08/21(日) 06:00:53.53 ID:/PVa4RE60.net
- かのん「あれの動画が存在してるってのがまず驚きなんだけど」
きな子「心が、震えたっす…特にかのん先輩と恋先輩の一騎打ちは…」
きな子「見せてくれた子、『これは本当に後世まで語り継いでいきたいよな』って言ってて、きな子もすごいなって思ったっす」
きな子「1年前、かのん先輩たちはこんなにも激しい思いをぶつけ合って、それでLiella!になったんだって知って…スクールアイドル部として誇らしくて、でも…」
きな子「きな子もこういうのできるようになりたいなって思っちゃったんっす!」
- 16 ::2022/08/21(日) 06:02:25.31 ID:/PVa4RE60.net
- きな子「だって、1年前の先輩たちのできたことができないような後輩じゃ、いつまでもお荷物のままっすから!」
かのん「…きな子ちゃん、そこまで」
きな子「きな子だってやれるって、先輩達の足を引っ張ってばかりじゃないってみんなに証明したいっす」
きな子「これは、きな子の心が求めたバトルなんっす!」
千砂都「うーん、とはいえ代々木フェスも近いし」
- 17 ::2022/08/21(日) 06:03:47.36 ID:/PVa4RE60.net
- きな子「ちゃんとスクールアイドルの練習もして、先輩たちに迷惑はかけないっす、お願いします!」
かのん「…あのバトルがまさかこんなことになるとはね」
かのん「やりたいんだよね?きな子ちゃんは」
きな子「…はい」
かのん「今言ったこと、スクールアイドルの練習もちゃんとやるって忘れないでね…私たちの目標は」
きな子「ラブライブ優勝、っすよね」
- 18 ::2022/08/21(日) 06:05:21.78 ID:/PVa4RE60.net
- かのん「そう、だから私たちとしては、きな子ちゃんにはスクールアイドルに専念してほしいとこなんだけど」
きな子「うっ…」
恋「ですが、やりたいことをできないのは辛いものですからね」
すみれ「恋の口からそれが出てくるとは思わなかったわ」
千砂都「まあまあ、恋ちゃんも今はこっち側ってことだよ」
可可「1年前のレンレンから成長したのデス」
- 19 ::2022/08/21(日) 06:06:47.80 ID:/PVa4RE60.net
- 理事長「ここまで言われて、まさか出るなとは言えないわよね?澁谷かのんさん」
かのん「理事長…そうですね」
かのん「思う存分やってみなよ。きな子ちゃん」
きな子「はい!きな子、やり遂げるっす!」
理事長「さて、部内の説得もできたようですし、桜小路きな子さん、あなたの参加を受理します」
理事長「ですが…」
- 20 ::2022/08/21(日) 06:08:47.78 ID:/PVa4RE60.net
- 理事長「大会は3人1組、それはわかっていますね」
きな子「はいっす」
理事長「あと二人、あてはあるの?」
きな子「出てくれるかわかりませんが、一緒に出たい子はいます」
理事長「そう…いい返事がもらえるといいわね」
かのん「きな子ちゃん、私たちが協力できそうなことがあったら遠慮なく言ってね」
- 21 ::2022/08/21(日) 06:09:59.41 ID:/PVa4RE60.net
- きな子「気持ちはありがたいっすが、これはきな子のわがままっす」
きな子「だから、メンバー集めもラップの練習もきな子が自分でやりたいっす」
きな子「かのん先輩たちはラブライブ優勝のために全力を尽くしてくださいっす」
かのん「そっか」
かのん「じゃあ頼んだよ。結ヶ丘のラップは一代限りじゃないってこと大会で見せつけちゃえ」
きな子「了解っす」
- 22 ::2022/08/21(日) 06:11:50.31 ID:/PVa4RE60.net
- かのん(やる気満々だなきな子ちゃん)
かのん(こりゃ油断してたらあっと言う間に主役交代かな…なんちゃって)
かのん(きな子ちゃん、ここからはあなたの物語だよ)
…………
……………………
きな子(で、その日はいつものごとく先輩たちの練習に食らいついて、くたくたになって帰って)
きな子(…また玄関で力尽き…きづいたら朝)
- 23 ::2022/08/21(日) 06:15:27.32 ID:/PVa4RE60.net
- 〜きな子自室・玄関〜
きな子「ふぁぁぁ、うぅ…また帰って即寝してしまったっす」
きな子「まあ、昨日はいろいろあったっすし」
きな子「いろ…いろ?」
きな子「………」
きな子「あ…ああああ…」
きな子(夢とかじゃないっすよね、たしか昨日きな子は部室で)
- 24 ::2022/08/21(日) 06:17:13.70 ID:/PVa4RE60.net
- きな子「勢いで、なんてことやっちまったっすか」
きな子「か、学校の代表で…きな子が、ラップする?」
きな子「いやいやいや!ラップなんて生まれてこの方やったこと無いっすよ」
きな子「たまたま昨日、教室で米女さんに動画見せられて、なまらすげーってなって、それで部室いって」
きな子「いったらかのん先輩たち困ってて、それでつい…」
- 25 ::2022/08/21(日) 06:19:21.74 ID:/PVa4RE60.net
- きな子(テンション上がってたからって…その場の勢いで)
きな子「はんかくせぇっす!なしてそんな身の程しらずなことしたっすかぁ…あああっ!今からでもなかったことに…」
『頼んだよ。きな子ちゃん』
きな子「そんなことできるかっす!かのん先輩、完全にきな子のこと信頼してくれてたっすよ!これで下がるとかみったくねっす!」
きな子「したら…やるしか…ないっすね」
きな子「まずは、メンバー集め…っすか」
きな子「とりあえず、ランニングしながら考えるっす」
きな子(こうして、きな子の無謀なラップバトルは始まってしまったっす)
- 26 ::2022/08/21(日) 06:24:51.85 ID:/PVa4RE60.net
- 〜結ヶ丘高校・普通科1年教室〜
きな子(まずは一人目、とりあえず当たって砕けろっす)
きな子(砕けちゃだめっすが、正面から行く以外の方法が思いつかないからこれしかないっす)
きな子「うううう…こわいっす、なんだかんだ話しまくってる相手なのにこわいっす」
メイ「おい、さっきから何震えてんだ?」
きな子「ひいいいい!米女さん!」
- 27 ::2022/08/21(日) 06:29:54.78 ID:/PVa4RE60.net
- メイ「声かけただけでそこまで怯えるなよ」
四季「メイ、もしかして…またやった?」
メイ「なんもしてねぇよ!」
きな子「え、えっと…米女さん、その…お話があるのでいつものベンチまで来てほしいっす」
メイ「……ここじゃ、無理な話ってことだな」
きな子「はい」
メイ「わかった。行こうぜ」
きな子「申し訳ねっす」
- 28 ::2022/08/21(日) 06:33:04.15 ID:/PVa4RE60.net
- 〜きな子とメイがよく話してるベンチ〜
メイ「で、なんだ?授業そろそろ始まるからちゃっちゃと話せ」
きな子「ひっ!これカルボナーラパンっす!お納め下さいっ!」
メイ「そういうのいいから」
四季「今日もカルボナーラパンはかたくなに受け取らないメイであった」
メイ「なんで、当たり前のように着いてきてんだよ…」
- 29 ::2022/08/21(日) 06:34:53.81 ID:/PVa4RE60.net
- 四季「それは…心配だから、かな?」
メイ「四季はほっといて、私に話ってなんだよ」
きな子「えっと…米女さんはラップ好きっすよね?」
メイ「いつ、私がそんな話をした?」
きな子「え?だって…昨日きな子に」
- 30 ::2022/08/21(日) 06:36:13.40 ID:/PVa4RE60.net
- 『お前さ…Liella!のメンバーなんだから去年Liella!がやったことくらい把握しとけよ』
『えっと…今くらいの時期ならこれかな?スクールアイドルラップバトルってのがあってな!』
『その時の動画がこれなんだけどなっ!!』
『マジで熱いのなんのっっ!!!』
『…あ、私はLiella!のことそんなに詳しくないんだけど…まあ、ラップ好きとしてチェックしてたらそこにLiella!がいたっていうか』
- 31 ::2022/08/21(日) 06:38:07.85 ID:/PVa4RE60.net
- きな子「と、言ってたっす」
メイ「ぐっ…」
四季「そろそろ素直になったら?」
メイ「うるせえ!」
きな子「実はその…今年のスクールアイドルラップバトルにきな子が出ることになって」
- 32 ::2022/08/21(日) 06:39:26.74 ID:/PVa4RE60.net
- メイ「は?なんで桜小路が?去年の最強メンバーと恋先輩がいれば簡単に優勝できるだろ?」
きな子「それが、話すと長いっすが…」
四季「あ、そろそろ時間が、授業はじまる」
メイ「構わねえ!全部話せよ桜小路!」
きな子「は、はい…話すっす」
- 33 ::2022/08/21(日) 06:40:50.77 ID:/PVa4RE60.net
- 〜間〜
- 34 ::2022/08/21(日) 06:43:54.73 ID:/PVa4RE60.net
- メイ「なんだよ…それ、完全に陰謀じゃんか」
メイ「許せねえ…そんなの…許せねえよっっ!」
きな子「えっと、米女さん?」
メイ「決めた、私がその腐った大会運営に思い知らせてやるっ!」
メイ「Liella!を蔑ろにすることがどれほどの重罪かってことを、Liella!のためなら鬼にもなれる奴がいるってことを思い知らせる!」
きな子(あれ?きな子の説明、上手くなかったすか?)
- 35 ::2022/08/21(日) 06:47:59.32 ID:/PVa4RE60.net
- 四季「メイが鬼になるのなら私も鬼になるよ」
四季「私とメイは一蓮托生だからね」
きな子(若菜さん、結局授業には出ないんすね)
メイ「そうだな、私と四季と桜小路で大会を…ぶっ壊そうぜ」
きな子「あ、その!メンバーなんすが!」
きな子「若菜さんがいてくれるのは心強いんすが…実はあと一人声をかけたい人が…」
- 36 ::2022/08/21(日) 06:49:24.56 ID:/PVa4RE60.net
- 「おい、授業中だろ!そこで何やってる!」
メイ「やべっ、先生に見つかった」
四季「逃げるが勝ち、二人とも私につかまって」
きな子「へ?」
メイ「ぼやぼやするな!」ガシッ
四季「エンジンフルドrrrァイブ…教室まで全力で飛ばすよ」
きな子「いやあああああああ!!」
- 37 ::2022/08/21(日) 06:54:10.93 ID:/PVa4RE60.net
- 〜昼休み・普通科1年教室〜
きな子(米女さんと、あと若菜さんに協力してもらえることになって良かったっす)
きな子(授業サボりで3人揃って怒られることになったっすが、経過は順調っす)
きな子「やっと…昼休みっすね」
メイ「ったく、ちょっと授業サボっただけであんなに怒らなくても」
四季「授業がはじまるから戻ろうと言ったのにメイのせいで」
- 38 ::2022/08/21(日) 06:55:36.20 ID:/PVa4RE60.net
- メイ「はいはい、全部私のせいでございますね」
きな子(米女さん、若菜さんがメンバーに入ったので3人…これで参加人数には足りてるっすが)
メイ「で、あと一人ってのは誰なんだよ」
きな子「ああ、それは…」
夏美「んああああああああ!なんで、なんでまたコメ欄が荒らされてますの!?」
メイ「…もしかして、あいつか?」
きな子「はい…お察しの通りっす」
- 39 ::2022/08/21(日) 06:59:35.52 ID:/PVa4RE60.net
- メイ「ええ…鬼塚かよ?あいつが戦力になるとは思えないんだけどな」
きな子「そうっすか?」
夏美「!!!こいつ…!アカウント名とアイコン変えてますが、この前も絡んできたクソニートですの…」
夏美「ははっ、ろくなスキルもコミュ力も学力もないのが稚拙なコメントから滲み出てますの!」
夏美「親のマニーで生かされてる家畜が粋がるなですの、こちとら自力でマニー稼いでるんですの、すでにあなたなんか相手じゃないですのよ」
夏美「時はマニーなりでスルー安定ですが…もう二度と生意気なこと言えないように、暇つぶしがてらこてんぱんにしてやりますの!!」シュバババババ
- 40 ::2022/08/21(日) 07:01:34.03 ID:/PVa4RE60.net
- きな子「なんか、いけそうな気がするっすが」
メイ「いや、あれはダメだろ。教室でいきなり叫ぶとか関わっちゃいけないタイプの奴だよ」
メイ「しかもスルー安定とか言いながらめちゃくちゃ相手してる煽り耐性ゼロだろ」
四季「メイがそれを言うのは一周回っておもしろい」
メイ「どういう意味だ」
きな子「鬼塚さん、たまにああなるけど話してみると意外とまともないい人っすよ」
メイ「桜小路、それはフォローになってないぞ」
きな子「と、とにかく声かけてみるっす」
- 41 ::2022/08/21(日) 07:04:51.96 ID:/PVa4RE60.net
- 夏美「ふふっ、思い知りましたかですの…これが格の差、あと少しで…」
きな子「あの、CEO」
夏美「ああん!今忙しいから後にしてくださいます?」
きな子「ひっ!」
メイ「さっき、暇潰しとか言ってなかったか…」
夏美「と、すみませんですの。くだらないことに少々熱くなっていました」
- 42 ::2022/08/21(日) 07:06:48.89 ID:/PVa4RE60.net
- 夏美「何か用があるのでしょう?桜小路さん」
きな子「し、CEOは…」
夏美「夏美でいいですの」
きな子「わかったっす。で、CEOは」
夏美「………何もわかってませんわね。もういいですけど」
きな子「CEOは…ラップできるっすか?」
夏美「ラップというと?」
夏美「…料理の品質保護を目的とした透明な薄いフィルムの?」
- 43 ::2022/08/21(日) 07:09:14.11 ID:/PVa4RE60.net
- きな子「そっちじゃないっす」
夏美「……」
夏美「…YO、私はスーパーCEO、オニヅカだったらGTO…」
きな子「おおっ!」
メイ「感動のライン低すぎだろ…」
夏美「こっちのラップですの?」
きな子「さすがCEOっす!なんでもできるっす」
- 44 ::2022/08/21(日) 07:11:06.14 ID:/PVa4RE60.net
- 夏美「まあ…動画の方向性を模索して手を出したことがありますので」
きな子「CEO!私と一緒にラップの頂点を目指してほしいっす!」
夏美「話がまったくもって意味不明ですの…というか、あなたアイドルはどうしたんですの?」
ザワザワザワザワザワ
夏美「……大声を出すから、人が集まってきてしまっていますの」
メイ「どの口が言ってんだ」
四季「詳しい話は放課後に理科室でしよう」
- 45 ::2022/08/21(日) 07:13:14.25 ID:/PVa4RE60.net
- 〜放課後・理科室〜
夏美「つまり、ラップバトルのメンバーに私をスカウトしたいと」
きな子「はい、CEO」
夏美「…そろそろまともに呼んでほしいですの」
メイ「で、どうなんだ?やるのかやらないのか」
夏美「そうですわね…最近動画のネタにも困ってますし、ここらで新ネタの導入もアリ…」
- 46 ::2022/08/21(日) 07:17:17.22 ID:/PVa4RE60.net
- 夏美「女子高生ラッパー配信者…キャッチーでマニーの匂いもしますわね」
夏美「うまくいけばこれを機にラップの案件も入り、ゆくゆくは…ふふ…ふふっ」
メイ「うわっ…」
夏美「いいですわ。この案件…オニナッツこと鬼塚夏美が引き受けますの」
きな子「おおっ!」
夏美「私を巻き込むからには、優勝以外の結果は認めないですの。ビシバシいくから覚悟してくださいまし」
- 47 :名無しで叶える物語:2022/08/21(日) 07:18:37.84 ID:/PVa4RE60.net
- メイ「なんで鬼塚が仕切るんだよ」
四季「とりあえず誰が一番強いかの確認はした方がいいかな」
四季「…ということで作ってみた」
きな子「これは…マイクっすか?」
四季「四季ちゃん特製、非公式マイク」ドヤッ
メイ「いつの間にこんなの作ってたんだよ」
- 48 ::2022/08/21(日) 07:20:25.29 ID:/PVa4RE60.net
- 四季「メイが例のラップ動画に影響されてラップの練習を始めた頃から、いつか必要になるかもしれないと試作を重ねていた」
きな子「ラップの練習?」
メイ「…気づいてたのかよ」
夏美「つまるところ米女さんは"できる"側だと」
メイ「ど、どうだろうな」
きな子「まあまあ、やってみればはっきりするっすよ」
- 49 ::2022/08/21(日) 07:22:52.26 ID:/PVa4RE60.net
- 〜30分後〜
きな子「ゔっ、ぅゔゔゔ…」
夏美「そ、そんなに気を落とさないでいいと思いますの!」
メイ「そうだぜ!誰だって最初はこんなもんだって」
きな子「もうわがっだっず、きな子は…きな子はだめだめなんずゔゔゔ」
四季「これは、なかなかに厳しいね」
メイ「お、おい四季」
四季「まずビートに乗れていない…」
夏美「桜小路さんアイドルやってますわよね…ステージでは最低限曲に合わせて歌って動けてましたが」
- 50 ::2022/08/21(日) 07:25:07.47 ID:/PVa4RE60.net
- きな子「必死に練習じでるがらっずぅぅゔうゔ」
きな子「毎日や゛っ゛であれな゛んずぅ」
夏美「あらら…」
メイ「ま、まあさ…そこはこれから練習してけば直るんだろ?ダンスしながら歌うとかできてんだし」
メイ「だださ…」
四季「言われたこと全部間にうけるメンタル面の方が問題…かな」
きな子「だっでぇ、きな子がダメなのば事実っずぅ゛」
メイ「いやいやいや!私も鬼塚もそれっぽいことは言ったけどさぁ!本気で桜小路のことディスってたわけじゃねーって」
きな子「米女さんはいい人っすね…」
きな子「ぞれ゛に゛ぐらべでぎなごばぁああ!」
夏美「えーっと、まずは落ち着くですの!深呼吸ですの!」
- 51 ::2022/08/21(日) 07:26:52.09 ID:/PVa4RE60.net
- きな子(やっぱり、きな子には荷が重いっす)
きな子(かのん先輩みたいなカッコいい主役にはなれそうもないっす…)
きな子(『ラップバトルに出たい』なんて言うんじゃなかったっす)
………
……………
かのん(『ラップバトルに出たい』か…)
かのん(あの時の私たちは出るしかなかったけど、それがこうやって今につながってるなら)
かのん(出た意味はきっとあったんだよね)
- 52 ::2022/08/21(日) 07:29:29.38 ID:/PVa4RE60.net
- 〜放課後・普通科2年教室〜
千砂都「おーい!かのんちゃん!聞こえてますかー?」
かのん「うわっ!」
千砂都「もう、今日何度目?」
可可「授業中もニヤニヤして上の空デシタね、かのん」
すみれ「まっ、わからないでもないわ。どうせ昨日のきな子とのやりとりでも思い出してたんでしょ」
かのん「私たちはさ…出たいかどうかとかじゃなくて選ぶことすらできなかったんだよね」
- 53 ::2022/08/21(日) 07:32:07.38 ID:/PVa4RE60.net
- 恋「はい、わたくしの勘違いと意地のせいでかのんさん達には随分と迷惑をかけてしまいました」
かのん「…それは、はは…恋ちゃんのお母さんへの想いが大きかったからということで」
かのん「…ていうか、恋ちゃん今日もこっちに来てるんだね」
千砂都「もう、普通科に転科しちゃったら?私みたいに」
恋「わたくしには音楽科としてやるべきことがありますので、それはできません」
すみれ「そこは譲らないのね」
恋「はい、わたくしは音楽科の葉月恋なのです」
- 54 ::2022/08/21(日) 07:35:03.69 ID:/PVa4RE60.net
- かのん「あーあ、私もちゃんと歌えてたらなれたのかな音楽科…なんてね」
クウすみちされん「……」
かのん「いや、そこでみんなして黙らないでよ!冗談だって」
かのん「音楽科とか普通科とか、そういうの去年で吹き飛んでるから」
千砂都「本当に去年は色々あったよね」
かのん「うん、なかば強制で出ることになったラップバトルとか」
- 55 ::2022/08/21(日) 07:38:31.58 ID:/PVa4RE60.net
- 可可「今日のかのんはそればかりデス」
かのん「だってさ、考えるだけでワクワクするじゃん」
かのん「1年前の私たちのバトルがきな子ちゃんにつながったんだよ」
千砂都「いやー、楽しみだね。きな子ちゃんがどんなラップするのか」
すみれ「まっ、センター曲がラップ付きの私としては生半可なラップじゃ納得してやれないけど」
可可「ベソかきながらやったセンター曲なのに偉そうに…」
- 56 ::2022/08/21(日) 07:40:32.20 ID:/PVa4RE60.net
- かのん「見事センター奪い取れておめでとうございますだね」
すみれ「私にかかれば楽の勝よ。とはいえ、私をここまでさせたのはかのんだけどね」
かのん「そうだったっけ?」
すみれ「私をスクールアイドルに誘った時もそうだけど、1年前のバトルだって結局かのんが持ってったじゃない」
すみれ「『この命が…私そのものが音楽なんだ!』だっけ?なかなか熱かったわよ」
かのん「あれは…若気の至りというか、私も若かったというか」
- 57 ::2022/08/21(日) 07:43:30.57 ID:/PVa4RE60.net
- 恋「対立していたわたくしでさえ、あれには心を動かされました」
恋「終わらず脈打つ鼓動が終わらない音楽となる、そんな言葉を生み出すかのんさんの感性が…Liella!を生んだのですね」
かのん「やめて!それ以上ぶり返すのはやめて!」
かのん「……っていうかもう黒歴史だよ!なんか流されてめちゃくちゃやっただけで!」
千砂都「うーん、なんだかんだかのんちゃんはラップ向いてると思うんだけどな」
かのん「って!もう部室いこうよ!」
- 58 ::2022/08/21(日) 07:46:17.07 ID:/PVa4RE60.net
- かのん(あはは…私思い返せば無茶ばっかりやってたな)
かのん(いつの間にかLiella!のリーダーなんてことになってたけど、はじまりは可可ちゃんに誘われて…その後も周りにうまいことやってくれる人がいただけだし)
かのん(本当、私って運にだけ恵まれた主役だよね)
……………
…………………
きな子(やっぱり、きな子は気持ちばっかりでなんもないっす)
きな子(かのん先輩に声かけられてはじめたスクールアイドルもなんとかだましだまし歌って踊ってますが、見てどうにかそれっぽい感じかなレベル)
きな子(才能が無いってわかってるっす、スクールアイドルもラップも…他の人の何倍もやってようやく人並みなのがきな子なんす)
- 59 ::2022/08/21(日) 07:49:49.50 ID:/PVa4RE60.net
- 〜部活終了後・科学室前〜
きな子「うう…今日もなんとかかのん先輩たちの足を引っ張らないですんだっす」
きな子(いつもならこのまま家に直行っすが)
きな子「お待たせしたっす〜」
夏美「部活終わりましたのね…って!なんですの、そのボロボロさは」
きな子「あ、これは…いつものことなんで」
きな子(昼休みのいろいろを経て、ラップバトルに向けてメンバー3人プラスアドバイザー兼技術顧問の若葉さんで集まって練習することになったっす)
きな子(きな子はスクールアイドル部が終わってから来ることになったんすが)
- 60 ::2022/08/21(日) 07:57:32.57 ID:/PVa4RE60.net
- メイ「お前、それでよく来ようって思ったな」
きな子「この中で一番練習しないとなのはきな子っすから…」
メイ「なあ、練習しようとは言ったけどLiella!であれだけやってんだし、ラップバトルくらいは私たちに任せても」
きな子「それはできないっす、言い出したのはきな子っすから」
夏美「であれば、スクールアイドルの方を」
きな子「ちゃんとスクールアイドルもやるって先輩と約束してるっすから」
- 61 ::2022/08/21(日) 08:30:24.66 ID:/PVa4RE60.net
- 四季「あの先輩たちなら桜小路さんにラップの練習が必要とわかれば協力してくれそうな気も」
きな子「そればダメっす、Liella!は優勝するっすから!きな子のために使う時間も労力もないっす」
夏美「そこまで入れ込むもんですかね、スクールアイドルにしろ先輩方にしろ」
きな子「鬼塚さんも入ってみればわかるっす、きな子の気持ちが」
夏美「遠慮しときますの。タダでアイドルやるほど私は物好きではないので」
夏美「労力に見合ったマニーが得られないものに力を注ぐのは人の好き好きですが、私はそれをやりたいとは思いませんの」.
- 62 ::2022/08/21(日) 08:32:12.55 ID:/PVa4RE60.net
- きな子「ううう…」
ピロリン
四季「ん?ああごめん、ちょっと抜ける」
メイ「四季、どうかしたか?」
四季「気にしないで」
きな子「じゃあ、ラップ練習…するっすぅ」
メイ「ああ!もう、桜小路はしばらく休んでろ」
- 63 ::2022/08/21(日) 08:35:27.33 ID:/PVa4RE60.net
- 夏美「無理な練習をしたところで身につくものなどないですのよ」
きな子「すまねっす…」
きな子(そんな感じでラップ練習を重ねたある日)
きな子「練習試合?」
四季「そろそろ実戦も経験した方がいいかなと、オファーやら日程の調整やらしておいた」
メイ「ちょこちょこ抜け出してると思ったらそんなことを」
夏美「桜小路さんもなんとかなってきてますし、ちょうどいい頃合いかもしれないですの」
きな子「いけるっすかね」
- 64 :名無しで叶える物語:2022/08/21(日) 08:37:52.16 ID:/PVa4RE60.net
- 四季「場所はうちの体育館、時間は放課後5時から、相手はその時のおたのしみ」
メイ「5時って、おい!桜小路はLiella!の練習が…」
きな子「そうっすよ」
ピロリン!
きな子「ん?」
かのん先輩『ごめん!言い忘れてた(>_<)』
かのん先輩『明日は練習無しになったんだ』
かのん先輩『練習で言おうとしたんだけど、ごめん(T_T)』
- 65 ::2022/08/21(日) 08:41:32.55 ID:/PVa4RE60.net
- きな子「あー…」
きな子「大丈夫っぽいっす」
メイ「そっか…明日は練習ないのかぁ」
夏美「なぜ、残念そうなのですかね」
きな子「練習試合、ここで勝って勢いをつけるっす」
きなメイしきなつ「「「「おー!」」」」
- 66 ::2022/08/21(日) 08:45:25.11 ID:/PVa4RE60.net
- 〜そして、翌日17時〜
きな子「へ?なんで…」
かのん「あはは、そうなるよね…うん」
メイ「ま、ま、ままままさか対戦相手って」
千砂都「ふーん、この子たちがきな子ちゃんの集めたメンバーか」
夏美「鬼塚夏美ですわ。ま、名乗るまでもなくご存じかと」
メイ「1年の米女メイででですっ!!本日はLiella!の皆さんとお、お、お、お、おおおお会いできて光栄でひゅっ!」
四季「メイ…壊れすぎ。同じく1年、若菜四季…今日はありがとう」
- 67 ::2022/08/21(日) 08:49:00.39 ID:/PVa4RE60.net
- 恋「大会に出る前に一度わたくしたちと手合わせしたいでしたっけ…望むところですよ」
きな子「ちょっと!若菜さんなんでこんなこと」
四季「相手が誰であれ力を出せるようでなければ優勝など夢のまた夢」
夏美「桜小路さんには厳しい戦いかもしれませんがその通りですの」
四季「あとは、Liella!相手にメイがどうなるか見てみたかった」
メイ「ぜってーそっちがメインだろ」
- 68 ::2022/08/21(日) 09:13:28.18 ID:/PVa4RE60.net
- 四季「さて、では今回のバトルのルール確認を」
四季「今回のバトルはメンバー交代あり3対3の変則マッチとします」
きな子「交代ありの3対3?」
四季「全員でやると人数差があるからね。バトルに出ていいのは各チーム3人まで」
四季「参加していないメンバーは控えとなります」
- 69 ::2022/08/21(日) 09:23:54.72 ID:/PVa4RE60.net
- 四季「控えのメンバーはリアイアしていないメンバーと交代で出てくることが可能です」
かのん「ん?それだと結局5人の私たちが有利じゃない?」
すみれ「リタイアしそうなのと無傷な控えが入れ替わればいいわけよね」
四季「はい、だから交代とリタイアはともに1ポイントとする」
四季「そして勝敗は30分間の獲得ポイントでつける」
メイ「相手を全員リタイアさせたら?」
四季「その場合はもちろん勝ちになる」
- 70 ::2022/08/21(日) 09:25:46.16 ID:/PVa4RE60.net
- きな子「本当に…かのん先輩たちとやるんっすか?」
メイ「そ、そうだぜ…Liella!とバトルなんて」
夏美「二人ともそろそろ腹を括れですの」
夏美「ここまで来たらやるしかないのでは?」
きな子「でも、鬼塚さん…」
メイ「練習はしてきたけど、私らとLiella!じゃ勝負にすら」
- 71 ::2022/08/21(日) 09:27:51.35 ID:/PVa4RE60.net
- 夏美「あら、そうですの?」
夏美「私、あなたたちと勝つつもりでここまで協力しましたのに…あなたたちはその程度の覚悟でしたの」
きな子「CEO…」
メイ「お前…本気か」
夏美「私は信じてますの。私と桜小路さんと米女さんの3人なら…このバトルにだって勝てると」
きな子「信じてる?きな子たちの勝ちを…」
夏美「少なくとも私に声をかけてきたあなたたちは信じるに足るものを持っていたですのよ」
夏美「あと、私の名前は…」
- 72 ::2022/08/21(日) 09:30:23.20 ID:/PVa4RE60.net
- きな子「…鬼塚夏美っすよね……CEO!」
メイ「ははっ、私としたことがLiella!の前で情けないとこ見せてたな」
きな子「勝つっすよ!たとえかのん先輩たちが相手でも、この3人で!」
メイ「おう!」
四季「あ、えーと、盛り上がってるところ水を差すんだけど…3人じゃなくて」
四季「4人だよ。私も入れて」
- 73 ::2022/08/21(日) 09:36:08.06 ID:/PVa4RE60.net
- きな子「若菜さん…」
メイ「四季、お前…」
四季「そもそも交代制3人にしたって、Liella!5人に対応するためもあるけど」
四季「…私が一緒に戦うためのルールだから」
四季「私だってこの数日、ただメイたちの練習を見ていたわけじゃない…メイたちのために私ができることがあるならやる」
夏美「なるほど、これで4人…負ける要素など微塵もないですの」
- 74 ::2022/08/21(日) 09:40:58.62 ID:/PVa4RE60.net
- かのん「準備はオーケー?」
きな子「はい、いつでもいけるっす」
かのん「私たちは私と可可ちゃんとちぃちゃんで行くってことでいいよね?」
可可「クーカープラス千砂都、すべてのはじまりの懐かしい3人デス」
すみれ「控えは私と恋…出番はないかもね」
恋「久しぶりにラップしたかったのですがそれは残念です」
- 75 ::2022/08/21(日) 09:55:48.17 ID:/PVa4RE60.net
- 千砂都「そこは適宜交代していくってことで」
四季「さっきの説明きいてなかったの?交代するのは一人リタイアするのと同じだって」
千砂都「それでも勝つってことだよ」
きな子「先輩たちとのバトル…気を引き締めていくっす」
きな子「私と米女さんと鬼塚さんで行くのでオーケーっすか?」
メイ「そ、そうだな!」
夏美「了解ですの!」
- 76 ::2022/08/21(日) 10:00:01.80 ID:/PVa4RE60.net
- メイ「…Liella!とバトル…Liella!とバトル…」ブツブツブツ
四季「メイ…ちょっといい?」
メイ「ん?」
スパコーーン!!
メイ「いっだああああ!」
メイ「何すんだよ、四季」
四季「今目の前にいるのは対戦相手、メイは勝つためにここにいる…違う?」
- 77 ::2022/08/21(日) 10:07:47.66 ID:/PVa4RE60.net
- メイ「それは…そうだけど」
四季「ならばやるべきことはシンプルなはず」
四季「できないなら、私が代わりにいくだけ」
メイ「………」
メイ「ははっ、四季にそんなこと言われる日が来るなんてな」
- 78 ::2022/08/21(日) 10:11:01.51 ID:/PVa4RE60.net
- メイ「…ったく、なめんなっての」
メイ「全力ぶつけるよ!こんなおいしいチャンス、四季なんかにゆずれるわけないだろ」
メイ「四季はおとなしく指咥えて見てろ」
四季「そう、じゃあメイの親指を」チュパ
メイ「自分のを咥えろ!!」
- 79 ::2022/08/21(日) 11:17:32.87 ID:/PVa4RE60.net
- 四季「…で、どっちが先攻かなんだけど…コインでいい?」
かのん「うん、いいよ」
四季「では…」
ピーン!
かのん「表で」
きな子「じゃあ、裏っす」
四季「結果は…」
千砂都「表、私たちの先攻だね」
- 80 ::2022/08/21(日) 11:36:08.42 ID:/PVa4RE60.net
- かのん「じゃあ始めようか…私たち結ヶ丘1期生と」
きな子「結ヶ丘2期生の…」
かのきな「「バトルを!!」」
かのん(見せてあげるよ、私たちの一年間を、Liella!のこれまでを詰め込んだ)
かのん(私たちの音楽を!)
きな子(きな子はまだダメダメっすが、それでもやってみるっす)
きな子(きな子だって、前には進んでるんだから)
- 81 ::2022/08/21(日) 11:43:22.85 ID:/PVa4RE60.net
- かのん「まずは私から行かせてもらうよ!」
かのん「一撃で倒しちゃったらごめんね!」
- 82 ::2022/08/21(日) 11:54:11.00 ID:/PVa4RE60.net
- 【かのん】
マイク片手にスマイル私たち
Liella!は負けないこの果し合い
歳の差じゃないよ気持ちの差
見せてあげるよいくぞヨッシャー
未来予報はいつだってハレルヤ
信じてきたから胸を張れるや
雲の上ならいつも晴れるや
ぽっと出なんかによもや負けるか
- 83 ::2022/08/21(日) 12:00:52.03 ID:/PVa4RE60.net
- ドオオオオオオン!
きな子「きゃあっ!」
メイ「くぁっ!」
夏美「これが、澁谷かのん」
きな子「はぁはぁ…はぁ…」
メイ「桜小路…あいかわらず紙防御だな」
夏美「いけますの?なんなら交代」
- 84 ::2022/08/21(日) 12:04:11.36 ID:/PVa4RE60.net
- きな子「いけるっす!きな子はまだまだ元気っすから」
きな子「かのん…先輩!」
かのん「なにかな?私が思ったよりもダメージが大きそうなんだけど」
きな子「そうっすね、でも…まだ立ててるならバトルはできるっす」
きな子「ちゃんと聞いててくださいっす、これが…」
きな子「きな子の頑張りの成果っす!!!」
- 85 ::2022/08/21(日) 12:07:21.10 ID:/PVa4RE60.net
- 【きな子】
北国からいざ東京上京
状況上々行くっす今日も
きな子はまだまだラップ素人
だけどやるっす覚悟は強固
北の大地は弱肉強食
血を洗い生きた殺戮暴力
食い裂く一瞬あすは今日に
狂い咲くっす桜小路
- 86 ::2022/08/21(日) 12:09:39.01 ID:/PVa4RE60.net
- きな子「んああああああああ!!!!」
ピシ…
かのん「ん?」
ドゴオオオオオオオオオオオオン!!
かのん「ぎやああああああああああああああっ!」
メイ「おおお…」
夏美「なんかエグいのかましたですの」
- 87 ::2022/08/21(日) 12:11:32.03 ID:/PVa4RE60.net
- かのん「…ぐっ」
かのん「はぁ…はぁ…え…まって…なに?」
きな子「やっぱり、かのん先輩ならへっちゃらっすよね」
かのん「きな子ちゃん?今のはいったい」
きな子「その、きな子やっぱりみんなみたいにできないと言いますか」
きな子「強い言葉とか使われると…ううっ、ってなってダメだったっす」
- 88 ::2022/08/21(日) 12:13:31.07 ID:/PVa4RE60.net
- きな子「それで、きな子考えたっす!そんなきな子が勝つためには…」
きな子「攻撃をされる前に勝つしかないって!」
かのん「んんん、理屈としてはわかるよ?」
かのん「でもさ…なんかそのうまく言えないんだけどね」
きな子「最初はうまくビートすら乗れなくて、なんとかここまでできたっす…でも」
きな子「結局、きな子は攻撃だけしかなんとかなんなかったっす!」
- 89 ::2022/08/21(日) 12:15:53.74 ID:/PVa4RE60.net
- かのん「ちょっと、タイムいい?」
かのん「…みんな集合」
〜1期生緊急会議〜
かのん「どうする?これ?」
可可「ククたちここまでノータッチデシタが…」
千砂都「なんか…おかしな方向に進化しちゃったね」
すみれ「ていうか!うちのきな子になんて魔改造してくれてんのあいつら!」
恋「あの3人のせいと言うよりきな子さんが独自に突き進んだ結果の気もしますが…」
- 90 ::2022/08/21(日) 12:18:49.79 ID:/PVa4RE60.net
- かのん「きな子ちゃん、私たちの知らないところに行っちゃった…」
千砂都「かのんちゃん!気をしっかり持って!」
恋「辛いようでしたら、わたくしが!」
かのん「受け止める、私…どんなきな子ちゃんでも受け止める」
すみれ「かのん…アンタ…」
可可「ここはククにまかせてもらえマスカ?」
- 91 ::2022/08/21(日) 12:35:28.57 ID:/PVa4RE60.net
- かのん「可可ちゃん!」
可可「今のキナキナは大切なことが見えてマセン」
可可「ククも経験がありマス。目を閉じて闇しか見えず、震えてしまった経験が」
可可「ならば、キナキナをそこから救い出すのがククたちの使命」
かのん「…そうだね、私たちはきな子ちゃんの先輩なんだもん」
かのん「やろう!まかせたよ可可ちゃん」
可可「はい、ククは一人ではないのダカラ!」
〜1期生緊急会議・終了〜
- 92 ::2022/08/21(日) 12:38:29.34 ID:/PVa4RE60.net
- 可可「キナキナ!」
きな子「可可先輩…!」
可可「キナキナの求める勝利とはなんなのデスカ?」
きな子「…それは」
可可「そんな自分を卑下することを繰り返して、それで勝って食う飯はうまいデスカ?」
きな子「でも、勝ちたいと思うなら…努力しないと、痛くても頑張らないと、可可先輩だって努力したから今みたいなパフォーマンスに」
- 93 ::2022/08/21(日) 12:40:40.23 ID:/PVa4RE60.net
- 可可「そうデス、ククは努力しマシタ。かのんたちとスクールアイドルをするために!そして、これからも努力をやめる気はありまセン」
可可「"今年の"ラブライブで勝つために…」
すみれ「クゥクゥ…あんた…」
可可「ククは最高のスクールアイドルとなり、優勝を掴みたいデス!」
可可「そのためには…キナキナの力も必要デス!キナキナにはちゃんとスクールアイドルになってほしいデス」
- 94 ::2022/08/21(日) 12:44:31.80 ID:/PVa4RE60.net
- きな子「きな子だってちゃんとスクールアイドルしたいって思ってるっす!」
きな子「だから、毎日毎日必死に!」
可可「それは良いことデス。でも…」
可可「ククが言ってるのはそういうのと違いマス」
きな子「???」
可可「きっついお仕置きデスが、倒れないで聞いててくだサイ!」
可可「大丈夫デス、キナキナはスクールアイドル…目をひらけばそこに光はあるのデス!」
- 95 ::2022/08/21(日) 12:58:31.11 ID:/PVa4RE60.net
- 【可可】
肩肘張るより周りを見ましょう
フリフリ衣装で笑いましょう
そんな素振りして目を塞いでいちゃ
無理無理見えないTiny Stas
努力を信じ仲間を信じ
見つけましょうよ小星星(シャオシンシン)
胸貸してやるから頭冷やすデス
それがショウの基本ってやつデス
- 96 ::2022/08/21(日) 13:00:18.90 ID:/PVa4RE60.net
- ドオオオオオオオオオオオオン
きな子「くっ…」
きな子(これは…ダメっぽいっす…)
きな子(可可先輩、きな子はスクールアイドルにはなれないっすか)
きな子(どんなに頑張っても…)
メイ「おい!気ぃ抜いてんじゃねえよ!」
きな子「米女さん!」
- 97 ::2022/08/21(日) 13:13:15.44 ID:/PVa4RE60.net
- メイ「なんて顔してんだよ、今のはさ…喜ぶところだと思うぜ」
メイ「今の桜小路に昔の自分を重ねて期待してんだろうな…こんな言葉もらえて羨ましいよ、桜小路が」
きな子「可可先輩がきな子に期待?」
メイ「お前さ、誤解してるだろ」
メイ「なんか思い詰めた顔でバトルしてるけどさ」
メイ「私が見てきたスクールアイドルはそんな顔してステージに立ってなかったぜ?」
- 98 ::2022/08/21(日) 13:15:19.18 ID:/PVa4RE60.net
- 可可「どうやらそこの米女さんの方がククたちやスクールアイドルのことを理解してるようデス」
メイ「え!?私が…理解…!」キュン
メイ「って!そうじゃない、先輩たちが桜小路のこと認めたから桜小路はLiella!になれたんじゃないのか?」
メイ「桜小路はもうスクールアイドルなんだよ」
メイ「だったらよお…見せるもんが違うんじゃねえか?」
- 99 ::2022/08/21(日) 13:31:55.33 ID:/PVa4RE60.net
- 可可「そうデス、同じくダメダメだったククがアドバイスしマス」
可可「ダメダメでもククはスクールアイドルになれマシタ。かのんと手を取り、客席のライトに応援されて」
可可「ますば信じるべきだと思いマス。周りを見て今までの自分を信じて、笑顔でステージに立つ…それがスクールアイドルだと思いマス」
きな子「…」
すみれ「可可にしてはいいこと言うじゃないの」
可可「すみれはベンチに引っ込んでろデス」
すみれ「はいはい」
- 100 ::2022/08/21(日) 13:34:02.28 ID:/PVa4RE60.net
- メイ「おおっ!これは可可先輩とすみれ先輩の!」ジュルッ
四季「メイ、もう交代する?」
メイ「…はっ!やべえ、持っていかれるとこだった」
夏美「すみれ…?」
メイ「ん?」
夏美「へあんな…すみれ?」
メイ「どうした?鬼塚」
- 101 ::2022/08/21(日) 13:38:20.50 ID:/PVa4RE60.net
- 夏美「まさか…」
夏美「少し、確認したいことがあるので…しばらく場を任せてよろしいです?」
メイ「お、おう…」
夏美「……」スマホポチポチ
メイ「バトル中に何やってんだか」
千砂都「えーっと…次そっちのターンなんだけど」
- 102 ::2022/08/21(日) 13:43:59.32 ID:/PVa4RE60.net
- メイ「こっちのターンって」
きな子「…またきな子が…いくっす」
メイ「いや休んでてくれ、さっきのまたやって倒れるとかなったらマジでシャレになんねー」
夏美「……」ポチポチ
四季「では…」
メイ「隙あらば出てこようとすんな!私がいくよ」
メイ「改めて名乗らせてもらいます…普通科1年米女メイ!好きなものは猫とブルーベリーあとは…」
メイ「Liella!!私の想い、聴いてください!!」
- 103 ::2022/08/21(日) 13:46:46.42 ID:/PVa4RE60.net
- 【メイ】
もちろん余裕はミリもねえ
だけどもそれは無理もねえ
偉大な先輩前にしてんだ
それでもこっちは勝ちてーんだ
こちとら無謀なチャレンジャー
だけどしねーぜサレンダー
余裕綽々をぶち抜いてやんだ
腑抜けた度肝を抜いてやんだ
- 104 ::2022/08/21(日) 13:50:20.09 ID:/PVa4RE60.net
- ドオオオオオオオオオオオン!
かのん「くっ!」
可可「この熱さ」
千砂都「まさしく愛、だね」
メイ「私の、私のラップが…Liella!に」
ポンポン
メイ「ほぇ?」
四季「おめでとう、メイ」グッ
メイ「おぅ!」グッ
- 105 ::2022/08/21(日) 13:58:42.90 ID:/PVa4RE60.net
- 千砂都「なるほど…なるほどねえ」
メイ「千砂都先輩」
千砂都「ふふっ、そっかあ…メイちゃんと四季ちゃんは仲良しなんだね」
メイ「は?べ、べつにそんなんじゃ」
四季「メイはわかりやすくて助かる」
千砂都「だけどね、それでも私とかのんちゃんにはかなわないよ」
- 106 ::2022/08/21(日) 14:01:42.94 ID:/PVa4RE60.net
- 千砂都「なるほど…なるほどねえ」
メイ「千砂都先輩」
千砂都「ふふっ、そっかあ…メイちゃんと四季ちゃんは仲良しなんだね」
メイ「は?べ、べつにそんなんじゃ」
四季「メイはわかりやすくて助かる」
千砂都「だけどね、それでも私とかのんちゃんにはかなわないよ」
- 107 ::2022/08/21(日) 14:06:10.12 ID:/PVa4RE60.net
- 千砂都「私たちが何年もかけて作り上げた幼馴染の絆には届かない」
四季「…最高のパートナーに必要なのは時間ではなく、互いを理解しようとする努力、私はそう考えているけど」
千砂都「それでも同じだよ。時間をかけて互いを理解し合った私たちに死角はない」
かのん「やるんだね、ちぃちゃん」
千砂都「うん、見せようかのんちゃん」
かのん&千砂都「「私たちの常夏よりも熱いパッションを!」」
- 108 ::2022/08/21(日) 14:17:54.79 ID:/PVa4RE60.net
- 【千砂都】
最強の二人、踏みしめたあの地
まるまるドはまる We are the かのちぃ
【かのん】
二人が一緒ならなんだって楽しい
悩みはあぶくに溶かしたらいい
【かのん・千砂都】
四季を塗り変えるよ常夏のカノン
お米も吹っ飛ばす嵐が打倒
遥かな海を飛んで駆けつける
諦めない勇気でどこだってゆける
- 109 ::2022/08/21(日) 14:26:51.67 ID:/PVa4RE60.net
- グオオオオオン!
メイ「おおおおっ!」
四季「メイっ!立てる?」
メイ「……尊い」
メイ「やっぱ、尊いよぉ…かのちぃ」
千砂都「そうだよ。かのんちゃんと私の友情はね…海を超えたんだ」
かのん「その話好きだね、ちぃちゃん」
- 110 ::2022/08/21(日) 14:31:56.78 ID:/PVa4RE60.net
- メイ「海を超えた友情!そう…あれは千砂都先輩がダンスの大会の大会で優勝した時のこと!」
メイ「かのん先輩は前日に神津島にいたにもかかわらず、全速力で応援に駆けつけて…それで千砂都先輩は見事優勝」
メイ「そのまま神津島まで戻って、大会の優勝という成果を以て、千砂都先輩は満を持してのLiella!加入、しかもスクールアイドルに専念したいと普通科への転科まで」
メイ「音楽科合格をしてもなお、自分には足りないものがあると探究を続けるストイックさ!かのん先輩のためならばあらゆるものを投げ捨てることも厭わない一途さ!」
メイ「半端ないだろが、千砂都先輩の覚悟半端ないだろうがよおお!」
メイ「そして、そんな千砂都先輩の覚悟に刺激されてさらに上を目指そうと決めたかのん先輩!」
メイ「なんだってんだよ!尊みの限界突破してるんだよ!私に悶死しろって言いたいのかよ!!」
きな子「どうしたっすか、いきなり」
四季「発作みたいなものだから気にしないで」
- 111 ::2022/08/21(日) 14:38:27.59 ID:/PVa4RE60.net
- かのん「冷静に考えたら私もちぃちゃんもおかしなことしてるよね」
千砂都「そうなっちゃうくらい熱いってことだよ」
メイ「すげぇよ…やっぱ…かのちぃはすげえ」
四季「…鬼塚さん、チェンジ」
メイ「へ?」
夏美「な、いきなり何の相談もなく!」
四季「まだスマホの操作が必要だと思うんだけど?」
夏美「それは…はい、まだ終わってないですの」
- 112 ::2022/08/21(日) 14:40:57.41 ID:/PVa4RE60.net
- 四季「なら私が代わりにバトルしておくよ、いいでしょ?」
夏美「…お願いしますの」
メイ「鬼塚のやつ、スマホいじくって何やってんだ?」
四季「多分、戦う理由があるかもしれないことに気づいたんだと思うよ」
四季「それよりも今はバトルだよ」
- 113 ::2022/08/21(日) 14:43:22.84 ID:/PVa4RE60.net
- 四季「さて、千砂都先輩…先ほどは幼馴染力の高さを見せていただきありがとう」
千砂都「わかってもらえたかな?私とかのんちゃんの熱さが」
四季「うん、熱かった。だけど私たちの相手には力不足」
千砂都「私"たち"って、メイちゃんは…」
メイ「はひゃ〜、とうといよ〜」
千砂都「私たちにメロメロみたいだけど?」
四季「そうだね。メイはいつもそう、スクールアイドルのことになると周りが見えなくなる」
- 114 ::2022/08/21(日) 15:20:37.11 ID:/PVa4RE60.net
- 四季「でもね、私はそんなメイだから一緒にいたいんだ…それに」
四季「"見てもらう"んじゃなくて、"見せつける"もんじゃないのかな?愛ってのは」
千砂都「ふーん」
千砂都「見せつけるなんて随分と自信あるんだね自分の愛とやらに」
四季「ミッション、遂行…武器は手にしたマイク」
四季「これを以て、メイを奪還する」
- 115 ::2022/08/21(日) 15:25:36.39 ID:/PVa4RE60.net
- 【四季】
はるなつあきふゆ二人は一緒
引き寄せる私の重力で実証
胸の嫉妬を刃に執刀
ニュートン的な論破入刀
MAYで羽化した二つの蛹は
離せはしないCannonや嵐じゃ
引き合う力おさまらぬG🌍
もう這い回るなたまらぬG🪳
- 116 ::2022/08/21(日) 15:27:10.56 ID:/PVa4RE60.net
- 四季「さてと…」
グウウウウウウウウウン…
千砂都「ぐぁ…これは…」
かのん「重力系…」
メイ「四季、お前」
四季「これが私のメイを想う感情」
千砂都「ははっ、これは…重いね!」
- 117 ::2022/08/21(日) 15:37:38.20 ID:/PVa4RE60.net
- 四季「メイが好きなものに熱中するのも、私から離れていくのも私は止めない」
四季「そのかわり、私を見てほしい時は絶対に見てもらうし、私はメイから目を離さない」
メイ「…そうかよ、好きにしな」
四季「うん、好きにする…」
パチパチパチパチ
千砂都「見事!見事だよ」
- 118 ::2022/08/21(日) 15:40:24.56 ID:/PVa4RE60.net
- 千砂都「やるね、四季ちゃん」
千砂都「私とかのんちゃんの長さにも負けない重さ、見せてもらったよ」
四季「…千砂都先輩は死角はないと言ってたけど、とても大きな勘違いをしているよ」
四季「『長さ』は大事な変数、だけど最終的にものを言うのは…」
四季「互いの人生の形を変えるほどの影響力…『重さ』、じゃないのかと思う」
- 119 ::2022/08/21(日) 15:51:09.17 ID:/PVa4RE60.net
- 千砂都「人生の形を変えるほどの重さ…?」
『こらー!ちぃちゃんをいじめちゃだめ!」
『大丈夫!ちぃちゃんのことは私が守るから』
千砂都「そっか…そうだよね」
『私、かのんちゃんにできないことをできるようになる』
千砂都「ただ長かったんじゃない、うん…」
『きちゃった…』
『ありがとう。あの言葉があったから私、今こうして歌っていられる』
千砂都「私もかのんちゃんも、どっちの人生も変わったんだ…それくらい私たちは重いんだ」
- 120 ::2022/08/21(日) 15:52:15.55 ID:/PVa4RE60.net
- 千砂都「比べるのは『重さ』、長さはそれを決める要素…」
千砂都「そして、『重さ』なら四季ちゃんたちも負けてない…か」
四季「理解してもらえたみたいでよかった」
千砂都「ぐあっ!!」
かのん「ちぃ…ちゃん…」
- 121 ::2022/08/21(日) 15:53:13.67 ID:/PVa4RE60.net
- 千砂都「心配ないよ!これは私とかのんちゃんがさらなる重さを手に入れるための一歩」
千砂都「それにね、四季ちゃん…今回はあくまでも私の慢心が招いたミス、四季ちゃんはそれを指摘したに過ぎない」
千砂都「最後に勝つのは…幼馴染なんだ…!!」
ドオオオオオオオオオオオオン!!!!
かのん「ちぃちゃあああああああああん!!」
可可「千砂都が、やられたデスか…」
- 122 ::2022/08/21(日) 15:54:51.56 ID:/PVa4RE60.net
- メイ「やるじゃんか、まさか千砂都先輩に勝つなんて」
四季「…やられた。千砂都先輩が狙っていたのは…」
メイ「ああん?」
四季「そういうことか…すごいよ千砂都先輩」
四季「くそっ…こんなの勝ち逃げだ」
きな子「あの?きな子には若菜さんが勝ったようにしか見えないっすが」
- 123 ::2022/08/21(日) 16:57:38.54 ID:/PVa4RE60.net
- かのん「ちぃちゃん…ごめん…ごめんなさい…」
可可「かのん!今は戦うデス」
かのん「だって、ちぃちゃんが!私のせいで!」
恋「それは違います!」
かのん「え?」
すみれ「そうよ、千砂都の気持ちを無駄にするつもり?」
- 124 ::2022/08/21(日) 17:21:21.56 ID:/PVa4RE60.net
- かのん「ちぃちゃんの気持ち?」
恋「かのんさん…先ほどの千砂都さんの言葉を思い出してください!」
かのん「ちぃちゃんの、ことば?」
恋「千砂都さんははっきりとこう言いました!『これは私の慢心が招いたミス』と」
恋「なぜ千砂都さんがそのようなことを明言したか」
かのん「!!!…ちぃちゃんは、私たちを守ろうとした?」
- 125 ::2022/08/21(日) 17:21:21.56 ID:/PVa4RE60.net
- かのん「ちぃちゃんの気持ち?」
恋「かのんさん…先ほどの千砂都さんの言葉を思い出してください!」
かのん「ちぃちゃんの、ことば?」
恋「千砂都さんははっきりとこう言いました!『これは私の慢心が招いたミス』と」
恋「なぜ千砂都さんがそのようなことを明言したか」
かのん「!!!…ちぃちゃんは、私たちを守ろうとした?」
- 126 ::2022/08/21(日) 17:23:59.79 ID:/PVa4RE60.net
- きな子「どういうことっす?千砂都先輩が、かのん先輩を守った?」
四季「私がラップした後のこと覚えてる?」
きな子「はいっす」
四季「私はたしかに3人を攻撃していた、だけど」
メイ「その後に千砂都先輩が話を振って、いつの間にか千砂都先輩ひとりのミスみたいな話にされちまった…」
- 127 ::2022/08/21(日) 17:29:44.12 ID:/PVa4RE60.net
- 恋「千砂都さんはかのんさんと可可さんが負うはずだったダメージも引き受けた」
すみれ「そのおかげで、かのんも可可も無事ってわけね」
すみれ「まっ、そんなことしなくともかのんと可可は倒れなかったかもしれないけど」
かのん「ちぃちゃん…わかったよ…」
かのん「私、ちぃちゃんの気持ち無駄にしないから!」ゴゴゴゴゴゴゴ…
すみれ「狙いはこれよね」
可可「かのんはいつだってこうデス」
恋「こうなったかのんさんは、誰にも止められません」
- 128 ::2022/08/21(日) 17:46:36.81 ID:/PVa4RE60.net
- メイ「で、でもよ!千砂都先輩がリタイアしてるのは間違いないだろ」
メイ「四季の狙いとは違うけど、こっからどうにでも」
恋「いえ、その認識は正しくないです」
かのん「え?」
恋「ようやく、わたくしの出番ですね」
- 129 ::2022/08/21(日) 17:49:02.63 ID:/PVa4RE60.net
- きな子「恋先輩の出番?」
恋「リタイアしている千砂都さんと、わたくしが交代…でよいですよね」
すみれ「そりゃ、この状況で恋が出るならそれが一番だけど」
恋「おそらくは千砂都さんも自分が犠牲になることでの勝利を狙ったのでしょう」
恋「ですが、その絵図すら覆します!わたくしは」
- 130 ::2022/08/21(日) 18:14:38.04 ID:/PVa4RE60.net
- 【恋】
涙は似合わない再開に
不甲斐ない大罪でも幸いに
相対(アイタイ)の音が変われば意外に
ブーイングは変わる喝采に
傷つけ気づいて築いた絆
五線譜の上の命綱
かつての悪役(ヒール)が願うは治癒(ヒール)
歌にいざYO!葉月恋
- 131 ::2022/08/21(日) 18:16:18.60 ID:/PVa4RE60.net
- 恋「今こそ、わたくしの一年を見せる時」
恋「はああああっ!」
キュウウウウウウウン…
千砂都「う…うう…」
かのん「ちぃちゃん!よかった!」
千砂都「あれ?私」
四季「治癒能力?」
メイ「どういうことだ?あの動画じゃこんなの」
- 132 ::2022/08/21(日) 18:30:14.96 ID:/PVa4RE60.net
- かのん「そうだよ!私たちだって恋ちゃんがこんなことできるなんて知らなかった」
恋「あの時のわたくしではこのようなことはできなかったでしょう」
恋「己の過ちと向き合い償う、その強さをLiella!や結ヶ丘の皆さんがくれたからわたくしはこれができるのです」
きな子「過ちと向き合う、強さ?」
恋「きな子さんたちにはピンとこないのかもしれません」
恋「ですが、わたくしは壊しかけたのです。母が守りたかったものも皆さんが作ろうとしたものも」
- 133 ::2022/08/21(日) 18:34:20.30 ID:/PVa4RE60.net
- 恋「わたくしの過ちは消えない、皆さんが許しても結ヶ丘の歴史とともに残り続ける」
恋「これからも、何かを壊すかもしれない、過ちを犯すかもしれない」
恋「ならばわたくしは、せめてこれから傷つけてしまうものを…壊してしまうものを直したいのです」
かのん「その想いが治癒の力になった…ってこと?」
恋「あの時、かのんさんが差し出した手を取った時に生まれたもの、それをわたくしは貫く」
恋「後の世代が葉月恋という反面教師を語り継ぐことができるように、せめてこの学校を守り抜きましょう」
- 134 ::2022/08/21(日) 18:35:59.45 ID:/PVa4RE60.net
- かのん「恋、ちゃん」
恋「かのんさん…勝ちましょう」
かのん「うん…じゃあ、いくよ!これが私の!」
夏美「ちょおおおおっと待ったですの!」
かのん「!?」
夏美「あなたがた、誰かお忘れでは?」
- 135 ::2022/08/21(日) 18:39:24.52 ID:/PVa4RE60.net
- きな子「CEO、用事は終わったっすか?」
夏美「私は夏美なのですが、それは置いといて」
夏美「ようやく思い出しましたわ…クゾクムシの平安名すみれ!」
すみれ「へ?」
夏美「どこかで見たことがあると思ってましたの。そして、こうして間近で見たことで確信しました」
すみれ「確信した?」
夏美「これ、あなたですのね」
『グッソクムシ〜、グッソクムシ〜』
- 136 ::2022/08/21(日) 18:45:16.65 ID:/PVa4RE60.net
- すみれ「な、それをどこで」
『グーソクソクソククゾクムシー』
夏美「…どのような経緯で今のポジションに収まったか知りませんが、あなたはこれで良いのでしょうか?」
すみれ「…まさか、このタイミングでアタシにそんな話をしてくるなんてね」
すみれ「あんた空気読めないとか言われない?」
夏美「エルチューバーたるもの、時には空気に逆らうことも必要なので」
- 137 ::2022/08/21(日) 18:46:57.88 ID:/PVa4RE60.net
- きな子「これが…すみれ先輩!」
メイ「ていうか、私としてはお前らが今まですみれ先輩の過去を知らなかったのが驚きなんだが」
四季「意外とそんなものだと思うよ?私はメイから聞いて知ってたけど」
夏美「で、どうなのです?調べたところ芸能界でいくつか実績はあるようですが、ほぼ幼少期の脇役どまり…唯一の主役とも言えるのが」
『グッソクムシ〜』
夏美「これですの」
夏美「スクールアイドルになってそれなりにちやほやされているようですが」
- 138 ::2022/08/21(日) 18:48:38.90 ID:/PVa4RE60.net
- すみれ「それはアタシの目指したものか?ってことでしょ?」
可可「すみれ…」
夏美「お話が早くて助かりますの」
夏美「仮にも一度はプロとしてマニーを受け取る身であったあなたにはスクールアイドルは物足りないのではないかと、私は思いますの」
きな子「何言ってるっすか!すみれ先輩は」
夏美「私、そこはきちんとした方がいいと思いますの」
- 139 ::2022/08/21(日) 18:52:53.98 ID:/PVa4RE60.net
- 夏美「率直に申し上げますの。平安名先輩、私と組みません?私なら今のあなたの活動に見合う対価を提供できますの」
すみれ「断るわ。アタシが何をやるかはアタシが決めることでしょ」
夏美「そうですか、ならばこの場を利用させてもらいますの」
夏美「すでにバトルの最中ですが、個人的にバトルを挑みますの平安名すみれ先輩」
夏美「本来のバトルを妨げるのもなんなので互いに一度ずつにしましょう…」
夏美「一度ずつやって、相手に膝をつかせた時間の長い方が勝ち」
夏美「私が勝ちましたら、Liella!を抜けて私と組んでもらいますの」
- 140 ::2022/08/21(日) 21:32:29.46 ID:/PVa4RE60.net
- すみれ「アンタ何言って」
可可「良いと思いマス」
すみれ「可可!」
可可「すみれに覚悟があるなら、見せられるはずデス」
可可「スクールアイドル、平安名すみれの姿が」
すみれ「スクールアイドルとしての私?」
可可「ここで逃げるすみれとスクールアイドルをするくらいなら、ククは上海に帰ってやるデス」
可可「かのん、千砂都、レンレン!ここはククに免じて譲ってほしいデス」
- 141 ::2022/08/21(日) 21:51:15.71 ID:/PVa4RE60.net
- かのん「私は可可ちゃんに賛成だよ」
かのん「すみれちゃんがどれだけスクールアイドルに本気か、私知ってるもん」
恋「ええ、センターを務めたすみれさんを見ているわたくしたちだからこそ、断言します」
千砂都「あの時はまあ色々あったけど、今じゃすみれちゃんのセンターを不安に思う人なんかいない…それが何よりの証明だよね」
すみれ「ああ!もう…受けりゃいいんでしょ」
- 142 ::2022/08/21(日) 21:52:44.81 ID:/PVa4RE60.net
- 夏美「2期生側もよろしいです?」
きな子「先輩たちが了解してるなら、きな子が止める理由はないっす」
メイ「私が止める理由はもっとないぜ」
四季「メイに同じく」
夏美「ではでは…いきますのよ」
夏美「平安名すみれ、このオニナッツがいただきですの!」
- 143 ::2022/08/21(日) 22:02:49.71 ID:/PVa4RE60.net
- 【夏美】
お初の方にはオニナッツー!
鬼塚夏美がこの場をジャック
上がりますのトレンドリスト
集まるギフトにタイムシフト
目にものみせたらメニマニゲッツ
COOLなラップに来るタイアップ
ヨー!子役あがりのグソクムシ
落ちていくのを見るのくるしー
- 144 ::2022/08/21(日) 22:08:37.01 ID:/PVa4RE60.net
- チュドオオオオオオオオオオオン
すみれ「ぐぁあああああ!」
かのん「これは……」
千砂都「アイドルが出しちゃいけない声出ちゃったね」
すみれ「……はぁ…はぁ」
ドサッ
可可「すみれが…」
恋「たった一撃で膝を」
- 145 ::2022/08/21(日) 22:12:19.24 ID:/PVa4RE60.net
- 夏美「カウントスタートですの」
かのん「すみれちゃん!」
きな子「すみれ先輩が…」
メイ「嘘だよな鬼塚のやつなんかに」
四季「負ける?」
すみれ「な、めんなああああ!!」
すみれ「なかなかやるじゃない…ちょっとバランス…くずしたわよ」
- 146 ::2022/08/21(日) 22:19:59.28 ID:/PVa4RE60.net
- 夏美「膝をついていた人のセリフとは思えませんが、まあいいですの」
夏美「10秒…まあこんなとこですかね」
夏美「これが私の平安名先輩への気持ちですの、わかっていただけましたかと」
すみれ「さっきから金とか人気とか、アンタ浅っさいわね」
すみれ「"本物"はね、そんなもののためにステージに立たないのよ…」
夏美「"本物"…」
- 147 ::2022/08/21(日) 22:22:10.45 ID:/PVa4RE60.net
- すみれ「あら?なんかトラウマえぐっちゃったかしら?」
すみれ「アンタ、もしかして…エルチューバーにさえも本気になれてないんじゃない?」
すみれ「そういうのはね、"本物"には一生勝てないのよ」
夏美「ならば見せてもらえます?"本物"とやらを、そのボロボロのコンディションで」
すみれ「やっぱりアンタ、何もわかってないみたいね!」
すみれ「平安名すみれはね…いつだってベストコンディションなのよ!」
すみれ「とくと味わいなさいな、"本物"を!」
- 148 ::2022/08/21(日) 22:24:16.03 ID:/PVa4RE60.net
- 【すみれ】
稼いでろ視聴数なめんなショウビス
金儲けじゃない経験が報酬
場数踏んでるアタシが披露する
覚悟の違いを、みてろ!とこう言う
主役になれない幾度フリクション
越えるためチクショーやってやるわ立証
吠えてろ後輩覚えとけ一生
アタシの強さはノンフィクション!!
- 149 ::2022/08/21(日) 22:25:59.85 ID:/PVa4RE60.net
- すみれ「これが…ショウビズってやつだああああ!」
ドッグォォォォォオオオオオオン!
夏美「な、なんですのおおおおお!」
可可「ふ、ふっ飛んだ!」
きな子「鬼塚さんが!」
メイ「まるで…強風に吹き飛ばされるティアラのように!」
- 150 ::2022/08/21(日) 22:27:21.44 ID:/PVa4RE60.net
- すみれ「ざっと…こんなもんよ…」
すみれ「膝をついた時間?そんなので比べられてたまるかっての!」
すみれ「アタシはね、いつでも想像の上…行ってんだったら、行ってんのよ」
ドサッ
可可「すみれえええええ!」
すみれ「………」
可可「目あけろデス!すみれの覚悟はわかったデス!」
- 151 ::2022/08/21(日) 22:33:50.92 ID:/PVa4RE60.net
- 可可「レンレン!早く、すみれを!すみれを!」
かのん「わかるけど、まずは次の相手のターンをどうにかしないと」
恋「何度も回復させてくれるほど甘い相手でもなさそうです」
四季「そうだね。回復できる人がいるならまずその人を潰すのが定石」
- 152 ::2022/08/21(日) 22:35:00.21 ID:/PVa4RE60.net
- 四季「ちなみに…」
1期生
千砂都リタイア -1
千砂都→恋交代 -1
すみれリタイア -1
2期生
夏美→四季交代 -1
四季→夏美交代 -1
夏美リタイア -1
四季「なので、同点でこちらの追い上げも可能」
- 153 ::2022/08/21(日) 22:38:35.28 ID:/PVa4RE60.net
- メイ「で、どうすんだ?」
きな子「きな子にもう一度やらせてほしいっす」
四季「桜小路さんは自爆スレスレだから危ない」
きな子「それはもうやめるっす」
かのん「気づいたんだね、きな子ちゃん」
きな子「はいっす、さっき可可先輩と米女さんに言われてから考えてて、先輩たちのラップ聞いてその答えがやっと出たっす」
- 154 ::2022/08/21(日) 22:40:45.87 ID:/PVa4RE60.net
- きな子「きな子たちがステージで見せるべきは覚悟、笑顔で自分は大丈夫だと言い切る覚悟なんす」
きな子「ありがとうっす…先輩方、米女さん、若菜さん、あとここにはいないけどCEOも」
きな子「ここからがきな子の本当の力っすよ」
メイ「そうか…じゃあ、本腰入れて勝ちにいこうぜ桜小路」
四季「まだ勝負はここから」
きな子「おうっす!行くっすよ!」
- 155 ::2022/08/21(日) 22:55:19.37 ID:/PVa4RE60.net
- 【きな子】
体力経験値何もかも足りない
だけどステージではしない恥じらい
不恰好でも笑って頂上に
けっぱれきな子の表情筋
何があっても下は見るもんか
今のきな子は地域名(もんじゃ)
憧れ目指してへ全力goだ
それがきな子の戦闘法だ
- 156 ::2022/08/21(日) 23:07:04.86 ID:/PVa4RE60.net
- きな子「いっけえええっす!」
ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
オオオオオオオオオオオオン!
かのん「ぐっ…」
可可「キナキナ…ここまでやるとは」
恋「予想以上ですっ…!」
メイ「さっきの何倍もすげえ」
四季「本来の力をうまく制御できたことで自傷ダメージも正しく攻撃に使えた、などと分析してみたり」
- 157 ::2022/08/21(日) 23:11:08.87 ID:/PVa4RE60.net
- きな子「やったっすか?」
可可「今のはよかったデスよキナキナ…」
可可「合格デス」
バタッ
かのん「クゥクゥちゃん!」
恋「さすが…単身入部してきただけのことはありますね…」
バタッ
かのん「恋ちゃん!」
- 158 ::2022/08/21(日) 23:13:54.18 ID:/PVa4RE60.net
- メイ「やるじゃんか桜小路」
若菜「2キル、これで逆転」
ピーーーーーッ!!
きな子「今のは?」
四季「30分経過、バトル終了だね」
メイ「まてよ…さっきので逆転したんだろ?ってことは」
四季「そう…私たちの勝ち」
- 159 ::2022/08/21(日) 23:15:03.46 ID:/PVa4RE60.net
- かのん「そっか…」
きな子「かのん先輩」
かのん「いやー、強かったよ4人とも」
かのん「こりゃすぐに抜かされちゃうかな?あはは」
きな子「あの…」
かのん「勝ってきなよ。スクールアイドルラップバトル」
きな子「…まだっす!」
- 160 ::2022/08/21(日) 23:16:13.13 ID:/PVa4RE60.net
- かのん「え?」
きな子「きな子は、まだ本当のかのん先輩と戦ってないっす」
かのん「本当の、私?」
きな子「はい…」
きな子「かのん先輩はいつも優しくて、きな子のこと気遣ってくれて…最高の先輩だと思うっす」
きな子「でも、きな子はあの動画みたいな、1年前のラップバトルの時みたいなかのん先輩が見たいっす」
かのん「1年前の私か…」
かのん「1年前、私たちがなんでラップバトルに出たか聞いてるんだよね」
- 161 ::2022/08/21(日) 23:20:40.06 ID:/PVa4RE60.net
- きな子「聞いてるっす。スクールアイドル部の設立を認めさせるために、かのん先輩たちのスクールアイドルへの想いを認めさせるために」
きな子「感動したんす!そこまでできるかのん先輩たちの熱意がLiella!を作ったんだって」
きな子「きな子たちもその時の先輩たちのようになりたい、ううん…先輩たち以上に」
かのん「そんなんじゃないよ」
きな子「…え」
かのん「1年前の私たちはね、出たいとか出たくないとかそんなこと言ってられなかったんだ」
- 162 ::2022/08/21(日) 23:21:46.25 ID:/PVa4RE60.net
- かのん「出るしかなかった。選択肢なんてなかったんだよ」
かのん「恋ちゃんとのバトルもそう」
かのん「私たちも恋ちゃんも互いを認めたくなかっただけなんだよ」
かのん「きな子ちゃん、だからね…私たちを美化しないで」
きな子「…美化じゃないっす」
きな子「きな子はかのん先輩たちのこと尊敬してるっす、すごいって思ってるっす」
- 163 ::2022/08/21(日) 23:23:09.89 ID:/PVa4RE60.net
- きな子「この気持ちは否定させないっす…たとえ、かのん先輩でもっ!」
かのん「そっか、頑固な後輩ができちゃったな」
きな子「はい、きな子は頑固なんっす!」
かのん「まあいいや…せっかくバトル続けたいっていってくれてるんだもん」
かのん「ちょっとだけ…ひどい先輩になっちゃっても許してよね!!」
かのん「いくよ、これが私の音楽!」
- 164 ::2022/08/21(日) 23:28:54.74 ID:/PVa4RE60.net
- 【きな子】
starlightな先輩キラキラ
そんなsightじゃ足りない気概が
まだまだほんのprologueなんだよ
Liella!が見てるゴールは何だよ
駆け出して架けた冬のmilky way
5色が綺麗でも散る2位で
憧れちゃダメだよきな子ちゃん
それじゃあ群がるイナゴじゃん
- 165 ::2022/08/21(日) 23:31:12.03 ID:/PVa4RE60.net
- >>164訂正
【かのん】
starlightな先輩キラキラ
そんなsightじゃ足りない気概が
まだまだほんのprologueなんだよ
Liella!が見てるゴールは何だよ
駆け出して架けた冬のmilky way
5色が綺麗でも散る2位で
憧れちゃダメだよきな子ちゃん
それじゃあ群がるイナゴじゃん
- 166 ::2022/08/21(日) 23:34:22.42 ID:/PVa4RE60.net
- グオオオオオオオオオン!
きな子「ぐぁっ!!」
かのん「もう、あんな悔しいのはいやだ」
かのん「負けたんじゃない、答えてあげられなかったんだよ」
かのん「どれだけあの時の私たちをすごいって言ってくれても、もらったものを返せなかった…それだけは変わらないんだ」
きな子「かのん先輩」
かのん「すごくなんかない…ただ、そこにあったものが、起きた出来事が私たちをすごく見せてくれただけなんだ」
かのん「それでも、前向いて笑って…ステージに私たちは立つ、Liella!は笑うんだ!」
- 167 ::2022/08/21(日) 23:42:29.95 ID:/PVa4RE60.net
- きな子「やっと、見えた気がするっす。だから先輩達はまぶしいんっすね」
きな子「でも、そのまぶしさは…先輩達には見えない」
きな子「決めたっす、だったらきな子は…証明してみせるっす!先輩達がどれだけ凄いか」
きな子「もっともっとすごいスクールアイドルになって、それで先輩達のおかげでこうなれたんだって言ってみせるっす」
かのん「そう、だったら叶えるためにも」
きな子「はい、受け止めてみせるっす!かのん先輩の気持ちを!」
- 168 ::2022/08/21(日) 23:43:49.75 ID:/PVa4RE60.net
- メイ「…おい!勝手に盛り上がるなよな、私たちもいるんだぜ!」
四季「手を貸すよ。私たちも他人事じゃないからね」
きな子「米女さん、若菜さん」
夏美「あ゛あ゛っ、やっと…戻ってこれたですの…」
きな子「鬼塚さん」
夏美「…乗りかかった船、いくらでも手を貸すですのよ」
きな子「いえ、これはきな子がやるっす」
きな子「3人はきな子を信じて見守ってほしいっす」
- 169 ::2022/08/21(日) 23:44:40.69 ID:/PVa4RE60.net
- かのん「ぶつけてきなよ…きな子ちゃんの全力ってやつを」
きな子「はい!きな子だってやれるって証明するっす!」
かのん「私たちのバトルは!」
きな子「ここから…」
バチッッッ!!
きな子「きゃぁ!」
かのん「マイクがっ!これって」
シュウウウウウウ…
きな子「いやあああ!なんか煙とか出ちゃってるっす!」
- 170 ::2022/08/21(日) 23:45:40.39 ID:/PVa4RE60.net
- かのん「私のと、きな子ちゃんのが…1年前の私たちの時そっくりに」
メイ「お、おい!私のもうんともすんともいわなくなっちまったぞ?」
四季「…私のも」
夏美「こ、これは私のせいじゃないですの!」
きな子「きな子のせいっす!若菜さん、すまないっす!お金無いっすが、弁償は分割でも払うっす!」
四季「弁償とかは別にいいよ」
夏美「良かったですのおおおおっ!」
きな子「かたじけないっすううう!」
- 171 ::2022/08/22(月) 00:12:15.13 ID:4cbxOJSJ0.net
- メイ「お前ら…」
かのん「ははは…どうしようかこれ」
きな子「うう…まさかマイクがこんなことになるなんて」
かのん「1年前といい、なんか私がテンションあげるとマイク壊れちゃうんだよね」
きな子「1年前も、そうだったんすか?」
かのん「え?うん」
メイ「おおお!伝説の決着が明らかに!」
かのん「???」
- 172 ::2022/08/22(月) 00:14:51.01 ID:4cbxOJSJ0.net
- 四季「あのバトルの動画は最後の最後で途切れてるんだ」
四季「まるで、そこに見せたくないものが映ってたみたいに」
夏美「陰謀?マニーの香りがしますわね」
かのん「陰謀なんて無いって、私のマイクが壊れて、恋ちゃんのも一緒に壊れて」
かのん「あれ?」
かのん(そういえばあの時)
かのん(なんかスタッフの人が言ってたような…)
かのん(5人でなんとかとか、そういえば…あの時マイクが壊れた5人がLiella!になったんだよね)
- 173 ::2022/08/22(月) 00:16:22.79 ID:4cbxOJSJ0.net
- かのん「それで今回は…私とこの4人のマイクが一緒に壊れた」
かのん「まさかね」
きな子「どうかしたっすか?」
かのん「ううん、多分気のせい」
かのん「さてと!マイクも壊れたし、バトルはここまでかな」
きな子「そうっすね」
- 174 ::2022/08/22(月) 00:17:14.25 ID:4cbxOJSJ0.net
- かのん「さてと、帰りますか」
きな子「すっかりいつものかのん先輩っすね」
かのん「こんな私はいやだ?」
きな子「いえ、大好きっす!かのん先輩」
メイ「ちょっと!勝手に2人で帰るな!倒れてる他の先輩たちはどうすんだよ」
四季「気がつくまで責任持って面倒みよう」
千砂都「私も手伝うよ」
- 175 ::2022/08/22(月) 00:36:12.49 ID:4cbxOJSJ0.net
- こうして、束の間のバトルは終息し、少女たちは家路へつく
ほどなくしてかのんは2つのことを知る
一つは結ヶ丘がスクールアイドルラップフェスで見事に優勝を果たしたこと
そして、もう一つは…この日きな子とともにバトルをした3人の1年生もまた、Liella!として苦楽を共にする仲間となる運命であったということ
一年前、互いを許せなかった少女たちが衝突した
そして今、その少女たちの後に続くものたちが現れた
ならばその次は?
二度あることは三度あると人は言うが…
それはその時になってみないとわからないだろう
完
- 176 ::2022/08/22(月) 00:39:30.09 ID:4cbxOJSJ0.net
- あとがき
今回、事情によりワッチョイあり、トリップありという普段とは違うスレになりました
ここまで読んでくれる人がいるのかいつも以上に疑問です
書き始めたのは3話の放送直後でした
1期の代々木フェスにまた出るという展開を見て、1年前に書いたSSでかのんたちが出たラップバトルにまた直面する話ができないかなと思ったもので
アニメではちょうど9人目の夏美が入るかなというタイミングで、今書かないとお蔵入りになりそうと急遽仕上げました
目標は立てた日のうちに完走でしたが、ややオーバー…立ててから24時間以内ではあるので甘めに見たらセーフということに
アニメ本編ではやっと9人揃いましたし、これからスーパースターのSSが増えることを祈って今回は終わりにします
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