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【IDあり】別館★羽生結弦&オタオチスレpart48

323 :名無し草:2022/11/15(火) 12:10:09.10 ID:dBeMljg9.net
>>322
 特筆すべきは『いつか終わる夢』である。総合芸術としてのプロジェクションマッピングとの融合の美しさは言うまでもないが、ジャンプなきそのスケーティングに目を見張った。基礎の塊のような構成、それにしてもなんて綺麗なクロスロールなんだろう。これが初振り付けとは、コリオグラファーとしての才能はもちろん、このアイスショーには広すぎると思われたリンク設計も計算ずくということか。「アマチュアという競技」から開放されたアスリートは、まさに「羽生結弦」という芸術を舞う。

『花はどこへ行った』から『プロローグ』へ

 競技会では結果という結果のすべてを獲得してきた。オリンピック二大会連続金メダル、男子シングル初のスーパースラム(五輪、世界選手権、グランプリファイナル、四大陸、世界ジュニア、ジュニアグランプリファイナル)の達成者である彼の技術も芸術性も変わろうはずがない。しかしこの『エピソード』における羽生結弦、演技の細部に「叙情」がさらに増しているように思う。これを「大人の滑り」などと凡庸な表現には留めたくない。明らかに芸術としての叙情性が、指先から体重移動、膝の細部にまで宿っている。スパイラルひとつとっても美の「語り」がある。その「語り」が「叙情」を生む。

 またアイスショーではそれまでの羽生結弦の歩みが映像とともに綴られた。もちろん東日本大震災の時の映像も。当時の被災地の状況も含め、勇気ある踏み込んだ映像内容だったように思う。そしてそれを悲しみ、苦悩し、ときに自問する羽生結弦の姿を正直に映し出した。かつて「被災地代表選手」という見方に罪悪感と疑問を持った青年が、「一人の人間として何ができるのか」に成長した過程を描いている。

 筆者は以前「記録の人」「記憶の人」「結果の人」が「伝説の人」となり、そこに「時代の人」という要素が加わると「歴史の人」になると書いた。すなわち歴史上の偉人ということになるが、羽生結弦もまさに多くの偉人と同様、「時代の人」(「時代の子」)に選ばれたがゆえに、「一人の人間として何ができるのか」にたどり着いた。

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