【滋賀】原発再稼働に「被害地元」の同意　三日月新知事が条件主張 [中日新聞]

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　二十二日に初登庁する三日月大造新知事（４３）が、草津市内で本紙の単独インタビューに応じ、県政など
への思いを語った。原発再稼働の際に立地自治体と同様の「同意」条件を盛った安全協定を関西電力などに
求めていく考えを強調したほか、工程表を作成して推進することも検討するとした。

　－まず取り組みたいこと
　間断なく県政を引き継ぐ。私の思いを職員にきちんと伝える。洪水期なので防災は緊張感を持ってやりたい。
経済も日々動いているのでそこに関わる県政をきちんと担うという視点で体制を作る。

　－経済対策の重点は
　消費税増税の影響で業者は価格転嫁できず、燃料価格高騰にも苦しんでいる。増税の影響を把握して対策
を講じる。
　県ならではのもの作り、産業を応援する。例えば、茶、酒、自動車、ちぢみ、ちりめん、麻。ブランド化、六次
産業化を目指す。融資などでも支援していきたい。医工連携を進める総合特区「滋賀健康創生特区」活用や
「ようこそ滋賀観光キャンペーン」の展開も力を入れたい。

　－「卒原発」に向けて安全協定の見直しを訴えるか
　三・一一を教訓として原発に依存しないエネルギー社会を滋賀からできるだけ早くつくるというのが大前提。
事故の際の連絡、避難の体制を含めて「被害地元」として国や電力事業者に現状を確認する。その一環で原
発ごとの安全協定に不備があれば見直す。
　被害を受ける可能性がある自治体の安全協定を立地自治体と同等のものにし、被害地元の「同意」を得る
再稼働条件も欲しいという主張をする。
　「若狭の原発を動かさないで」という意識を持つ人は多い。それを関係者に伝える。福井県知事らとも協議を
する必要がある。
　一般論として、物事を進めるためには工程表がいる。「卒原発」は滋賀県だけでできることではないが、でき
ることは何かを考えて順路をたどりたい。

　－独自の政策ではどこに力点を
　一つは経済活性化。同時に交通政策。滋賀は交通に支えられ、福祉、経済の両面で栄えてきた。幹線交通
のみならず、生活公共交通も含めて、道路、鉄道などの交通網を改善する。

　－県議会、特に知事野党となる最大会派自民との連携は
　議会との対話を楽しみにしている。奇策妙案はないが、情理を尽くして真摯（しんし）にやる。

　－市町との関係は
　住民に一番近く現場に近い市町とは丁寧に連携強化をしていきたい。市町だけではなかなかうまくいかない
広域行政、交通、観光、琵琶湖の問題などで役割を果たし、市町をうまく下支えしたい。

　－選挙中は自民系知事でないと予算が付かないとの指摘も
　予算は本当に必要なところに付く。与党の指示で付けるのではない。嘉田由紀子前知事になって予算が減っ
たといわれるが、新名神高速道路などが着工した。

　－選挙母体の「チームしが」の今後は
　集会、勉強会、会員制交流サイト（ＳＮＳ）などのツールといったあらゆる機会を生かして政策形成していきた
い。

　－集団的自衛権行使容認の閣議決定が選挙戦に影響したの見方がある
　皮膚感覚としては、あったのだと思う。告示以降、他国の戦争に日本が加担し、戦争に巻き込まれる可能性
を不安視する声は多々あった。閣議決定まではしないと思っていたが、やられた。ちまたで県政を語る私に対
しても反応はあった。なぜならその政権が全面的に支援する候補者が相手方だったから。
　私は知事選で当選した知事。それ以上でもそれ以下でもない。百四十一万人の県民と向き合い「知事がこう
決めたから絶対」というやり方はしない。
（聞き手・山内晴信、井上靖史）

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【滋賀】 原発再稼働に「被害地元」の同意 三日月新知事が条件主張 [中日新聞]

【滋賀】原発再稼働に「被害地元」の同意　三日月新知事が条件主張 [中日新聞]