【社説検証】オバマ氏広島訪問　産経読売「抑止力を確保し核軍縮に取り組め」　朝日「核依存から抜け出せ」 [1日]

紅あずま ★＠＼(^o^)／

【社説検証】オバマ氏広島訪問　「核なき世界」どう実現？　産経読売「抑止力を確保し核軍縮に取り組め」　朝日「核依存から抜け出せ」
産経ニュース：2016.6.1 10:35

http://www.sankei.com/column/news/160601/clm1606010008-n1.html
　伊勢志摩サミットが閉幕した先月２７日、オバマ米大統領が広島市の平和記念公園を訪れ、原爆死没者慰霊碑に献花した。
米国の現職大統領として初めてであり、慰霊碑前での演説でオバマ氏は「核兵器なき世界」を追求する決意を改めて表明した。
安倍晋三首相も同行した。

　オバマ氏の被爆地訪問については６紙全てが高く評価した。

　産経は、加害国と被害国のリーダーがそろって犠牲者を追悼したことを
「同盟国として世界に核の惨禍をもたらさない努力を誓い合う、歴史的機会になった」と受け止め、
「被爆者の代表と言葉を交わし、抱擁しあったオバマ氏からは犠牲者を悼む真情が伝わってきた」と好印象を示した。

　同様に「両首脳が並んで平和を誓った意義は大きい」と論じた読売のほか、「核軍縮の機運を再び高めるべく、オバマ氏が被爆地で決意を新たにしたことを評価したい」（朝日）「米国内では反対・慎重論もあったが、さまざまな障害を乗り越えて広島に来たオバマ大統領の決断を評価したい」（毎日）などと歓迎の言葉があふれる。

http://www.sankei.com/column/news/160601/clm1606010008-n2.html
　広島、長崎への原爆投下は非戦闘員への残酷な無差別攻撃であり、決して許されるものでないのは言うまでもない。
しかし米国内には、戦争終結を早め、多くの命を救ったなどと原爆の使用を正当化する声が強い。
オバマ氏の演説にも原爆投下を謝罪する文言はなかった。

　読売は「だが、核兵器の非人道性と戦争の悲惨さを十分に踏まえた対応」と、オバマ氏の演説を肯定的に捉えた。

　産経は、日米が応酬する歴史認識問題のワナに陥らなかったのは「『信頼と友情』で結ばれた同盟関係にあるから」であり、「『核兵器なき世界』の理想を追求する上でも、強固な日米同盟は欠かせない」と同盟の意義を改めて強調する。

　これに対して朝日は、「謝罪はせずとも、核兵器を使ったのは誤りだったと認めてほしい」との意見が被爆者の間に多く、演説がこの点に踏み込まなかったことには失望の声も上がったことなどを紹介した。
同紙の見解が投影されているとみるのは、うがちすぎだろうか。

　日経は、かつて敵国として戦った日米が和解と友情で同盟を結んでいることを挙げ、「同じことは日本とアジア諸国にもできるはずだ」と述べ、いまだに歴史問題で対立している日中、日韓について「過去を克服し、未来志向の関係を築くきっかけにしたい」と説いた。

http://www.sankei.com/column/news/160601/clm1606010008-n3.html
　各紙の論調が大きく異なったのは、わが国が米国の「核の傘」に守られている現状についての受け止め方だった。

　産経は、中国や北朝鮮、ロシアの危険な動向を踏まえて「近隣諸国の核兵器は現実の脅威であり、米国が提供する『核の傘』の重要性が増しているのが実態である」との見地から「核抑止を確保しつつ、核軍縮・不拡散に取り組む」ことの重要性を訴えた。

　「核の傘」は日本などの同盟国の抑止力として有効だとする読売も「核兵器の備蓄や使用をいきなり禁止するのは、各国の安全保障を無視する議論だ」と断じた。
「安保環境に配慮しつつ、核軍縮を段階的に進めることが現実的なアプローチである」とのスタンスである。

　異を唱えたのが朝日と東京だ。
朝日は、核保有国に共通するのは核の威力に依存して安全を保とうとする考え方であり、米の「核の傘」の下にある日本も同様だと指摘し、「核保有国と同盟国が核依存から抜け出さない限り、核のない世界は近づかない」と論及した。

　東京も「抑止力より核の脅威、非人道性の議論に重点を移すべきではないか」として、日本の政策の転換を求める。

　「核兵器なき世界」は確かに人類の貴重な「夢」には違いないが、現実に近隣諸国の核の脅威にさらされている日本にとっては、それは「夢のまた夢」のような話としか思えないのだが…。（清湖口敏）

>>2-5辺りに続く
　

【社説検証】オバマ氏広島訪問 産経読売「抑止力を確保し核軍縮に取り組め」 朝日「核依存から抜け出せ」 [1日]

【社説検証】オバマ氏広島訪問　産経読売「抑止力を確保し核軍縮に取り組め」　朝日「核依存から抜け出せ」 [1日]