【舛添政治資金問題】政治資金「ザル法」こう見直す　企業献金を禁止　ネット公開で「第三者」の目に

ちゃとら ★＠＼(^o^)／

　東京都の舛添要一知事の「政治とカネ」問題で、政治資金規正法が注目されているが、同法については「ザル法」だと指摘されることが多い。

　政治資金規正法が成立したのは、戦後の１９４８年６月。その内容は、政党その他政治団体に収支報告を義務付け、寄付の制限を設け、報告書を公開するというものだった。

　それまで野放しだった政治資金に一定のルールができた。当時はいわゆる「昭電疑獄」が社会問題化し、その摘発もあって、この法律は国民の期待を集めたが、当時からザル法といわれていた。

　そもそも、法律名も、政治資金を規則によって制限する「規制」ではなく、「規正」だ。「正す」といっても、何が正しいのかは曖昧だ。

　ザル法である典型例は、迂回献金である。政治資金規正法では、企業や業界団体から特定の政治家個人への献金を禁止しているが、
罰則はなく、しかも政党や政治資金団体への献金を認めている。これで、迂回献金ができるわけだ。

　また、政治資金の使途について、政治資金規正法ではほとんど何も書かれていない。
政治資金の運用方法として、金融機関への預貯金、国債証券、地方債証券の取得などに限定されており、株式運用等を行うことは禁止されている。

　加えて、資金管理団体による不動産の取得等の制限があるくらいだ。不動産や株式に使うのはまずいが、逆にいえば、それ以外には何に使ってもいいともいえる。

　こうした事情もあるので、政治資金の支出について、政治資金規正法違反で刑事責任を問われた例は、おそらく過去にはない。

　舛添氏の場合、政治資金収支報告書への虚偽記載で告発がなされたようだが、政治資金規正法上、支出範囲に関する規定がないので、どこまで刑事責任を追及できるのか疑問である。

　今後、制度を見直すならば、政治資金の「入り」に関して、企業・団体献金を禁止し、迂回献金もできなくするような改正が検討されるべきだろう。

　企業・団体献金は「見返りを求めれば賄賂であり、見返りを求めなければ背任行為」と批判されるなど、政財界の癒着の象徴といわれることが多い。
政党交付金制度の導入時に、企業献金は禁止という方向だったことも思い出すべきだ。

　政治資金の「出」に関しては、税金を原資とする政党交付金の割合が大きくなったので、支出の範囲についても制限を設けるべきだろう。

　現在でも一定金額以上の支出では領収書を添付することが義務付けられている。
政治資金収支報告書はインターネットでも見ることができるが、領収書は開示請求しなければ一般の人は見られない。
これもインターネットで見ることができるようにすべきである。そうなれば、より多くの人の「厳しい目」にさらされるので、よりよい政治の方向になるだろう。
（元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一）

http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20160601/dms1606010830005-n1.htm

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