【岸田首相】アベノミクス「想定されたトリクルダウンは起きなかった」 [クロ★]

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　岸田文雄首相は4日、三重県伊勢市で年頭の記者会見を開き、連合が春闘で5％程度の賃上げを求めていることを踏まえ、物価上昇率を超える賃上げの実現を経済界に要請する考えを示した。将来的に倍増を目指す子ども関連予算については、大枠を6月の経済財政運営の指針「骨太の方針」の策定までに示すことを明らかにした。

　首相は、現在の経済状況について「この30年間、企業収益が伸びても賃金は伸びず、想定されたトリクルダウンは起きなかった」と指摘した。トリクルダウンとは富裕層から周辺に富が滴り落ちることを指す。首相は「この問題に終止符を打ち、賃金が伸びる構造を作る」と強調した。

　そのうえで「今年の春闘で、ぜひインフレ率を超える賃上げの実現をお願いしたい」と言及した。政府としても公的機関や政府調達に参加する企業の労働者についてインフレ率を超える賃上げの確保を目指すと説明した。

　子ども予算を巡っては、防衛費増額や物価高騰対策などが優先され、財源確保の議論が先送りされた。首相は「少子化問題は、これ以上放置できない待ったなしの課題だ」と述べ、今年4月に発足する「こども家庭庁」で政策を体系的にとりまとめさせる考えを表明。小倉将信こども政策担当相に対し、児童手当を中心に経済的支援を強化するなど「異次元の少子化対策」の検討を指示することを明らかにした。

　また、中国での新型コロナウイルス感染拡大を受けて昨年末、同国からの入国者に対して始めた水際対策を強化することも明らかにした。8日から中国本土からの入国者の検査を、現行の抗原定性検査から、より精度の高い抗原定量検査かPCR検査に切り替える。中国本土から直行便で入国する場合に陰性証明書の提示を求めるほか、中国本土との直行便については増便しないよう制限を続ける。【源馬のぞみ】

毎日新聞
2023/1/4 19:57
https://mainichi.jp/articles/20230104/k00/00m/010/191000c